1: ◆c4YEJo22yk 2016/03/15(火) 20:54:43.80 ID:niuHbN8H0
☆地方テレビ局/スタジオ内

スタッフ「いや~、馬場さんのおかげで番組も大盛り上がりでしたよ!」

このみ「いえいえ、とんでもないです。スタッフの皆さんのおかげです!」

スタッフ「プロデューサーさんも、お忙しいところありがとうございました。またお願いしますね」

P「はい! こちらこそ、よろしくお願いいたします!」

スタッフ「では、気をつけてお帰りください。お疲れさまでした」

このみ「はいっ、お疲れさまでした」

P「お疲れさまでした!」

ブシロードスリーブコレクション ハイグレード Vol.1978 アイドルマスター ミリオンライブ!『馬場このみ』

2: 2016/03/15(火) 20:55:50.82 ID:niuHbN8H0
このみ「ふぅー、今日の仕事は大変だったわ~」

P「外ロケが終わるとすぐにスタジオ出演でしたからね」

このみ「私、ちゃんと仕事できてたかしら?」

P「もちろんですよ。スタッフさんも褒めてくれましたし、俺もすごく良かったと思いますよ」

このみ「プロデューサーにそう言ってもらえると安心するわ」

P「いつもより緊張してました?」

このみ「ええ、少しね。地方だと知らないスタッフさんばかりだし」

P「帰りは明日なんで、今日は温泉でゆっくり休んでくださいね」

このみ「ふふっ、もちろんよ。それが楽しみで来たんだもの!」

P「いや、仕事のために来てくださいよ!」

このみ「冗談よ~。温泉、温泉っ♪」

3: 2016/03/15(火) 20:57:30.76 ID:niuHbN8H0
☆温泉旅館

このみ「えーっと、ここが私の泊まる部屋ね」

P「ええ。俺は右隣りの部屋ですから、用があったら呼んでください」

このみ「わかったわ。……それにしても、窓から海が見える部屋って素敵ね」

P「あれは別府湾ですね。それに、街並みの中には白い煙がたくさん上がってますよ」

このみ「これが全て温泉の煙なのよね? さすがは別府市……」

P「すごく有名な温泉街ですからね」

このみ「一度来てみたかったのよね~。ねえ、街へ出て散策しない?」

P「いいですよ。じゃ、隣りの部屋に荷物置いてくるんで、ちょっと待っててください」

このみ「はーい」

4: 2016/03/15(火) 20:58:34.63 ID:niuHbN8H0
P「さて、駅前まで来ましたけど、どこか行きたい場所あります?」

このみ「うーん、メジャーな観光地はさっきロケで行ったし……」

P「じゃあ、適当にぶらぶらしましょうか」

このみ「そうねえ、お土産も探しておきたいし」

P「いいですね。こっちで有名なお菓子を買って帰ろうかなあ」

このみ「私は莉緒ちゃんに入浴剤でも買おうかしら。アイドルとして美容は大事だもの」

P「きっと喜びますよ。本当なら今日も一緒に来たかったでしょうし」

このみ「気分だけでも温泉を味わってもらうわ」

5: 2016/03/15(火) 20:59:59.37 ID:niuHbN8H0
P「あっ、アーケードの商店街ですよ。通っていきましょうか」

このみ「なんだか懐かしくて良い雰囲気ねえ」

P「入りたいお店があったら言ってくださいね」

このみ「はーい……こっちは何かあるのかしら」

P「ちょ、ちょっと! そんな細い路地に入っても何もないですよ」

このみ「いいじゃない。探検みたいで楽しいわよ」

P「人の少ない場所に行くと誘拐されるかもしれませんよ。防犯ブザーちゃんと持ってますか?」

このみ「私は小学生か!」

6: 2016/03/15(火) 21:01:24.56 ID:niuHbN8H0
このみ「ほら、細い路地だけどお店が並んでるじゃない」

P「スナックがたくさん……飲み屋街だったんですね」

このみ「昔ながらって感じで素敵な雰囲気ね」

P「まだ営業時間じゃないみたいですけど、夜になったら行ってみます?」

このみ「ううん、行かなくていいわ。今夜はプロデューサーの部屋で飲むつもりだから」

P「それ、初耳なんですけど」

このみ「嫌なの?」

P「嫌なわけないでしょう」

このみ「じゃあ決まりねっ。おつまみも買って帰るわよ~!」

7: 2016/03/15(火) 21:02:47.35 ID:niuHbN8H0
数分後

P「えーと、これが大分銘菓の『ざびえる』か。社長にはこれを買って帰ろうかな」

このみ「欲しいものがたくさんあって迷うわね」

P「荷物が多くなっちゃいましたね。持ちましょうか?」

このみ「ううん、このくらい平気よ」

P「じゃ、先に進みましょう。……あれ、あの場所って」

このみ「どうしたの?」

P「このみさん、足湯があるみたいですよ。入っていきませんか?」

このみ「へぇー、いいわね。行ってみましょう」

8: 2016/03/15(火) 21:04:16.70 ID:niuHbN8H0
☆足湯

P「あっ、思ったより熱いですよ。気をつけてください」

このみ「はーい……。んっ、でも気持ちいいわ」

P「ふぅー、癒されるなあ……」

このみ「足湯ならプロデューサーと一緒に入れるのもいいわね」

P「そうですね、話し相手がいないと退屈ですし」

このみ「これも混浴って言うのかしら?」

P「言わないと思いますよ。ちなみに混浴には入らないでくださいね、他のお客さんの目もあるんで」

このみ「分かってるわよ、もうっ」

P「なら安心しました」

9: 2016/03/15(火) 21:05:53.92 ID:niuHbN8H0
P「それにしても、他のアイドルたちも一緒に来られたらよかったんですけどね」

このみ「んー? 私と二人きりじゃ不満かしら?」

P「いえ、そういうことじゃないです。俺たちだけ楽しい思いをしちゃって悪いなー、と思って」

このみ「それは確かに……」

P「仕事の都合だから、こればかりは仕方ないですけどね」

このみ「みんなに羨ましがられたものね。……特に奈緒ちゃんには」

P「ははは、奈緒の趣味は温泉巡りですからね」

このみ「仕事で行けない分、家族で温泉に行きたいってねだってやるー、って言ってたわ」

P「ご両親も大変だなあ」

10: 2016/03/15(火) 21:07:23.26 ID:niuHbN8H0
このみ「だけど、家族で旅行なんてきっと楽しいわよね」

P「そうでしょうね。既婚の同級生を見てると幸せそうですもん」

このみ「それ、すごくよくわかるわ」

P「このみさんも家庭を持ちたいって思います?」

このみ「そういう願望はあるわよ。優しくて頼りになる人と結婚できるなら、ね」

P「具体的に気になる人がいるとか……?」

このみ「案外その人は私のすぐ近くにいたりして……」

P「えっ、何ですって?」

このみ「ふふっ、秘密っ。何でもないわよ~」

11: 2016/03/15(火) 21:08:30.94 ID:niuHbN8H0
P「……さて、さすがにそろそろ出ましょうか」

このみ「足がふやけちゃったわ」

P「気持ちがいいとつい長居しちゃいますよね」

このみ「宿に戻ったらもう晩御飯の時間かしら」

P「そうですね。俺、旅館の食事って好きなんですよ」

このみ「地元の食材が使われていたりするものね」

P「大分の郷土料理を出してくれるって旅館の人が言ってましたよ」

このみ「へぇー、楽しみになってきたわ」

12: 2016/03/15(火) 21:09:56.21 ID:niuHbN8H0
☆温泉旅館/食堂

このみ「うわー、どの料理もおいしそうね!」

P「本当ですね、期待していた以上ですよ」

このみ「これは……何の天ぷらかしら?」

P「とり天って言うらしいですよ。鶏肉の天ぷらだそうです」

このみ「へー、酢醤油とからしで食べるのね」

P「飲み物は焼酎をいただきましょうか。このみさんもどうぞ」

このみ「ありがとう。じゃあ、乾杯しましょう」

P「そうですね、それではー……」

このみ、P「かんぱーい!!」

13: 2016/03/15(火) 21:11:15.39 ID:niuHbN8H0
このみ「うん、すごくおいしい!」

P「いやー、来てよかったですね~」

このみ「お酒にも良く合うのね。もう一杯もらおうかしら」

P「飲みすぎないでくださいよ。まだ風呂にも入らなきゃいけないんですから」

このみ「それもそうね。湯上りに飲むお酒の分も計算しておかないと……」

P「いえ、お風呂で溺れられたら困るので」

このみ「そこまで泥酔するわけないでしょ!」

P「普段のこのみさんを見ていると心配になるんですよ……」

14: 2016/03/15(火) 21:12:28.50 ID:niuHbN8H0
このみ「ごちそうさまでした。あ~、満足したわ」

P「俺は少し休んだら風呂に行ってきます。このみさんも、後は予定もないのでごゆっくりどうぞ」

このみ「じゃあ時間を気にせず楽しむとするわね」

P「俺ものんびりしてきます」

このみ「いくら私がセクシーだからって覗きに来ちゃダメよ~?」

P「そんなことしませんよ……。このみさん、既にかなり酔ってますか?」

このみ「そんな呆れた顔しないでよね。ちょっとした冗談なのに~」

P「はあ……。長く入りすぎてのぼせないようにしてくださいね」

15: 2016/03/15(火) 21:13:56.94 ID:niuHbN8H0
入浴後

P「ふぅー、いいお湯だった。このみさんはもう出てるかな……んっ?」

P(ゲームコーナーの一角にいる、あの後ろ姿は……)

このみ「もーっ、どうして昇龍拳が当たらないのよー!!」

P「このみさん、一人でゲームしてるんですか?」

このみ「あっ、プロデューサー? ごめんね、今は集中してるからちょっと待ってて!」

P「へぇー、『ストリートファイターⅡ』ですか。俺、筐体でやったことってほとんどないんですよ」

このみ「レバーの操作って意外と難しいのよね……あーっ、負けちゃったわ!」

P「惜しかったですね。でも、結構うまいじゃないですか」

16: 2016/03/15(火) 21:15:57.12 ID:niuHbN8H0
このみ「美奈子ちゃんと似たゲームで遊んだことがあってね」

P「あー、美奈子は格ゲー好きですよね。この前も杏奈と対戦してましたし」

このみ「さてと……プロデューサーも来たし、何かゲームでもしない?」

P「まあ、いいですけど。こういうのも旅館の醍醐味ですから」

このみ「じゃあ、ゲームの種類はプロデューサーが選んでいいわよ。どれにする?」

P「うーん、迷うなあ……。レースゲームに太鼓の達人に……あっ、これがいいです!」

このみ「エアホッケーね。よーし、負けた方がコーヒー牛乳おごりでどう?」

P「面白いですね。その勝負、乗りますよ」

17: 2016/03/15(火) 21:17:14.41 ID:niuHbN8H0
数分後

P「はい、こっちはこのみさんの分です」

このみ「ふふっ、お風呂上がりのコーヒー牛乳は格別ね」

P「もう少しで勝てたんだけどなあ……。このみさんって勝負強いですよね」

このみ「今の私ならホンジャマカの二人にも勝てる気がするわ」

P「東京フレンドパークですか」

このみ「ええ、番組が続いていたら私も出てみたかったんだけどね」

P(背が低いと不利なゲームが多いと思うけどなあ……壁に張り付くやつとか)

このみ「今、何か失礼なこと考えてなかった?」

P「い、いえいえ全く! そろそろ部屋に戻りましょう!」

18: 2016/03/15(火) 21:18:45.12 ID:niuHbN8H0
このみ「ではでは、プロデューサーの部屋にお邪魔しまーす」

P「はい、どうぞー。お酒とおつまみ用意するんで、適当に座っててください」

このみ「うーん……でも普通の机と座布団で過ごすのは面白みに欠けるわねえ……」

P「他に何かあるんですか?」

このみ「二人分の布団を敷いて、その上で過ごさない? 修学旅行の夜みたいに!」

P「楽しそうですけど、行儀が良くないですね……」

このみ「大人だけの時は大人でいなくてもいいのよ~」

P「そんなものなのかなあ……。まあ、今夜くらいはいいか」

このみ「ふふっ、学生時代に戻ったみたいね」

19: 2016/03/15(火) 21:20:38.94 ID:niuHbN8H0
P「では、改めまして……かんぱーい!」

このみ「今日はお疲れさまっ、かんぱーい!」

P「あー、テレビ見ながらダラダラお酒飲めるのって幸せだなあ」

このみ「それに、眠くなったらすぐ横になれるし」

P「いやいや、眠るのはちゃんと自分の部屋に戻ってからにしてくださいよ」

このみ「はーい……ちょっとチャンネル変てもいい?」

P「ええ、なんでもどうぞ。ニュースでもクイズ番組でも」

このみ「お酒飲みながら頭使いたくないわよー」

P「そうですね。じゃあ適当なバラエティで」

20: 2016/03/15(火) 21:21:47.32 ID:niuHbN8H0
このみ「あー、やっぱりビールには枝豆よね」

P「ええ。温泉たまごも買っておいたんで、よかったらどうぞ」

このみ「わーい、ありがとう。……うん、最高においしいわ!」

P「温泉ならではですねー」

このみ「ほんと、来て良かったわ~」

P「それにしても、この番組って面白いですよね。未来や翼がよく話題にしてるんですよ」

このみ「何だか微笑ましいわね。私も子どもの頃は、昨日見たテレビの話で盛り上がったりしたもの」

P「あー、ありましたね」

21: 2016/03/15(火) 21:23:04.12 ID:niuHbN8H0
このみ「プロデューサーの周りではどんな番組が流行ってたの?」

P「うーん……バラエティだと『学校へ行こう!』とか」

このみ「ああ、見てた見てた!」

P「やっぱりどこの学校でも人気だったんですね」

このみ「そう言えば、私の学校だと文化祭で『未成年の主張』を真似た催しがあったわ」

P「屋上から自分の主張を叫ぶんですね」

このみ「そうそう」

P「面白そうじゃないですか」

22: 2016/03/15(火) 21:24:16.17 ID:niuHbN8H0
このみ「将来の夢を宣言した子が印象に残ってるわ。ミュージシャンを目指すんだーって言って」

P「いいなあ。なんだか青春っぽいですね」

このみ「それから、全校生徒の前で告白する子なんかもいたわね~」

P「へ、へぇー……」

このみ「ん? 何か動揺してない?」

P「いえ、別に。……ちなみに、このみさんは告白されたりしました?」

このみ「されてないけど? どうしてそんなこと聞くの?」

P「もし告白されてたら、ちょっと妬けちゃうなーと思って」

このみ「な、なによそれっ。もう……」

23: 2016/03/15(火) 21:25:25.24 ID:niuHbN8H0
P「他に印象に残ってる番組ってありますか?」

このみ「そうねえ……オカルト系の番組とかかしら」

P「オカルト系?」

このみ「ほら、実際に体験した怖い話を紹介したりする番組よ」

P「あー、そう言えば最近少なくなりましたねえ」

このみ「子どもの頃は本気で怖くて、しばらくトラウマになったわ」

P「俺にも似た経験はありますよ」

このみ「興味本位でつい見ちゃうんだけど、夜中になってから怖くなるのよね」

P「その気持ち、わかります」

24: 2016/03/15(火) 21:26:42.93 ID:niuHbN8H0
P「ところで、この旅館も何かが出そうな雰囲気ありませんか?」

このみ「ちょっとー、やめてよね……。確かに割と古い建物だけど」

P「冗談ですよ。さすがに何も起きるわけ……」

――ガタガタッ!!

このみ「きゃあああっ! な、何の音っ!?」

P「……だ、大丈夫ですよ。強風で窓が揺れただけみたいです」

このみ「もうっ、プロデューサーが変なこと言うから意識しちゃったじゃない!」

P「す、すいません……」

25: 2016/03/15(火) 21:28:03.67 ID:niuHbN8H0
このみ「もしかして、私を怖がらせて眠れなくさせる作戦だったりする?」

P「そんなことしても意味はないでしょう」

このみ「『一人で部屋にいるのが怖いから、一緒の部屋で寝たいの』って私に言わせようと……」

P「してませんよ」

このみ「あ、やっぱり?」

P「当然ですよ。さすがに男女が同じ部屋で寝るわけには……」

――ガタンッ! ガタガタッ!!

このみ「ひゃあああっ! こ、今度は扉の方から音がっ!!」

P「こ、このみさん。危ないのでこっちへ!」

P(だ、誰かが扉を開けようとしてる!? まさか本当に幽霊……!?)

26: 2016/03/15(火) 21:29:23.91 ID:niuHbN8H0
このみ「な、何かが扉の向こうにいるの……?」

P「安心してください。鍵もちゃんとかけてますから」

このみ「うぅ……こ、怖いよ、プロデューサー……」

P(このみさん、すごく震えてる……。こういう時は俺が何とかしなければ――)

P「だ、大丈夫ですよ! 何があっても、俺がこのみさんを守ります!」

このみ「ぷ、プロデューサー……」

P「ほら、俺の手を握っててください」

このみ「う、うんっ。……ありがと」

――ドタンッ!

P(つ、ついに扉が開いたっ!?)

27: 2016/03/15(火) 21:30:27.92 ID:niuHbN8H0
このみ「きゃああああああっ!! わ、若い女の霊がああああ!!」

P「うわあああああああああっ!!」

奈緒「いやあああああああっ!! なんやねん急にっ!!」

このみ「…………へっ?」

P「…………は?」

奈緒「お、大きな声出さんといてや! びっくりしたやん!」

P「な、奈緒?」

このみ「奈緒ちゃん……? 何やってるの?」

奈緒「何してるって、私はただ――――」

28: 2016/03/15(火) 21:31:37.07 ID:niuHbN8H0
P「――ええっ? 家族旅行に来ていただけ!?」

このみ「旅行に行きたいとは聞いていたけど、別府に来てたのね」

奈緒「そうなんですよ。まあ、同じ旅館に泊まってたのは偶然なんやけど……」

P「だけど、どうして俺の部屋がわかったんだ?」

奈緒「それならさっきこのみさんに聞いたんです。『今日ってどこに泊まるんですかー?』って」

このみ「そう言えば、さっきLINEでやり取りしたわね。……部屋番号まで聞くから不思議ではあったのよ」

奈緒「突然現れてびっくりさせようと思ったんやけど、私の方が驚いてもうたわ」

P「三人ともびっくりする結果になるなんてな」

このみ「ほんと、勘弁してよね」

29: 2016/03/15(火) 21:33:03.94 ID:niuHbN8H0
数分後

奈緒「それにしても、私を幽霊と間違えて驚くなんて、普通ありえへんやろ~?」

P「ちょうどそんな話をしていたタイミングだったからな」

このみ「それに、まさか鍵のかかっている扉をこじ開けるとは思わないもの」

奈緒「いやー、立て付けの悪い扉やな~とは思ったんですけどね」

P「古くなっていた鍵とは言え、普通壊れるもんかなあ……」

奈緒「そんな、なんでも破壊する女みたいに言わんといてくださいよ~!」

このみ「まあまあ、旅館の人に報告したら、鍵が老朽化してたせいだって言ってたじゃない」

奈緒「仲居さんに逆に謝られてもうたのは、ちょっと申し訳なかったわ」

30: 2016/03/15(火) 21:34:59.75 ID:niuHbN8H0
P「応急処置とはいえ鍵も修理してもらえたし、一件落着だな」

奈緒「ほんま、ホッとしたわ。私のせいやと思ってましたし」

このみ「安心したらお腹空いたでしょ? よかったら一緒におつまみでも食べていかない?」

奈緒「いや、私はもう戻りますわ。家族も待ってますんで」

このみ「あら、それならしょうがないわね。ゆっくり話でもしたかったんだけど」

奈緒「ホンマにお騒がせしてすいませんでした。ほな、また劇場で~」

P「ご家族の方にもよろしくな」

このみ「ゆっくり旅行を楽しんできてね」

31: 2016/03/15(火) 21:39:01.45 ID:niuHbN8H0
P「さて、奈緒がいなくなると急に静かになりましたね」

このみ「本当にね。……ところでプロデューサー、さっきはありがとう」

P「えっ? 何のことですか?」

このみ「私が怯えていたとき、『俺がこのみさんを守ります』って言ってくれて」

P「ああ……冷静に考えると恥ずかしいセリフですね。出来れば忘れて欲しいんですけど……」

このみ「ううん、嬉しかったから忘れない!」

P「そ、そうですか?」

P(ここまで真っ直ぐな笑顔で言われると照れるなあ……)

このみ「ねえ、プロデューサー。窓際に来てみて」

32: 2016/03/15(火) 21:40:04.23 ID:niuHbN8H0
P「うわあ、月が綺麗ですね」

このみ「風も気持ちいい……。ねえ、もう少しだけ晩酌に付き合ってくれる?」

P「ええ、もちろんです。季節は春ですけど、月見酒といきましょうか」

このみ「ロマンチックな夜ね。こんな素敵な時間が、永遠に続けばいいのに」

P「大丈夫ですよ。今日が終わっても、まだまだ楽しいことがありますから」

このみ「……そうよね。きっとこれからも、思い出は増えていくのよね」

P「一緒に一歩ずつ進んでいきましょうね」

このみ「ふふっ、ずっと私のとなりにいてね、プロデューサー」

おわり

33: 2016/03/15(火) 21:40:55.62 ID:niuHbN8H0

引用元: 【ミリマスSS】このみ「温泉旅行よ!」P「いや、仕事ですから」