1: 2013/03/09(土) 22:42:44.74 ID:KwfruE+/o
昔々の事である、其処には心優しき老夫婦が住んで居たそうだ。
シンジ「ばんばぁ、ぺっこ里さ下りでって薪売ってくっからよぉ」
アスカ「行ってございん、あだすはマンマこしぇで待ってっがらなぁ」
シンジは雪が積もる田んぼの中で、運悪く罠に掛かった鶴を見つけた。
シンジ「じゃじゃじゃ…なんたらもじぇごど…今助けでけっからな…」
鶴は罠から逃れ、嬉しそうにシンジの頭上を旋回した。
シンジ「もうおしぇられんでねぇど…」
シンジは眩しい太陽の光に顔をしかめながら言った。
【エヴァ昔話・①】シンジ「雪女だ!間違いねぇ!」
シンジ「ばんばぁ、ぺっこ里さ下りでって薪売ってくっからよぉ」
アスカ「行ってございん、あだすはマンマこしぇで待ってっがらなぁ」
シンジは雪が積もる田んぼの中で、運悪く罠に掛かった鶴を見つけた。
シンジ「じゃじゃじゃ…なんたらもじぇごど…今助けでけっからな…」
鶴は罠から逃れ、嬉しそうにシンジの頭上を旋回した。
シンジ「もうおしぇられんでねぇど…」
シンジは眩しい太陽の光に顔をしかめながら言った。
【エヴァ昔話・①】シンジ「雪女だ!間違いねぇ!」
2: 2013/03/09(土) 22:54:53.40 ID:KwfruE+/o
シンジは里で薪を売り、米など食料品を購入して帰路に立った。
シンジ「はぁ…かしぇげどかしぇげどはっぱす暮らしっこ楽になんねな…」
シンジ「オラかばねいれぐてわがねじゃ…」
急に空模様が怪しくなり、空気も冷えて来たようである。
その内シンジは家に着いたようであった。
シンジ「ばんばぁ!雪っこモレモレど降って来たじゃ!!」
アスカ「なんたら寒ぇど思ったったおん」
シンジ「はぁ…かしぇげどかしぇげどはっぱす暮らしっこ楽になんねな…」
シンジ「オラかばねいれぐてわがねじゃ…」
急に空模様が怪しくなり、空気も冷えて来たようである。
その内シンジは家に着いたようであった。
シンジ「ばんばぁ!雪っこモレモレど降って来たじゃ!!」
アスカ「なんたら寒ぇど思ったったおん」
6: 2013/03/10(日) 05:05:15.55 ID:I9hFcQRDO
シンジ「しゃねがら、マンマにすべじゃ」
アスカ「ほだな、マンマにすべ」
アスカ「ありゃ?この煮物あめでだな」
シンジ「なんたら痛ますね、はえぐ食えばいがったな」
アスカ「ずんつぁんほれ、白菜漬けだの漬がさりあんべぇ良いど」
シンジ「んだな、んめじゃ」
トントン…
シンジ「ん?誰が来たんでねが?」
アスカ「こっただ雪モレモレど降る日に誰来たべ?」
アスカ「ほだな、マンマにすべ」
アスカ「ありゃ?この煮物あめでだな」
シンジ「なんたら痛ますね、はえぐ食えばいがったな」
アスカ「ずんつぁんほれ、白菜漬けだの漬がさりあんべぇ良いど」
シンジ「んだな、んめじゃ」
トントン…
シンジ「ん?誰が来たんでねが?」
アスカ「こっただ雪モレモレど降る日に誰来たべ?」
8: 2013/03/10(日) 09:55:48.14 ID:I9hFcQRDO
???「もしもし… ごめんくださいまし…旅の途中、雪に降られ難儀して居ります…」
シンジ「なんだべ、娘っこの声だな…」
ガラッ
アスカ「あら~、こったに雪たげで、ほれほれ中さへぇらい…」
二人はその娘を家の中に招き入れた。
冷えきった体を暖める為に、
囲炉裏の所に連れて行き、
温かい汁物を与えた。
シンジ「ほれ、味噌汁あがらい」
娘「ありがとうございます…」
ズズッ…
娘「…美味しい…」
聞けば娘は両親を亡くし、親類の所に向かう途中だったそうだ。
娘はレイと言う名であった。
シンジ「なんだべ、娘っこの声だな…」
ガラッ
アスカ「あら~、こったに雪たげで、ほれほれ中さへぇらい…」
二人はその娘を家の中に招き入れた。
冷えきった体を暖める為に、
囲炉裏の所に連れて行き、
温かい汁物を与えた。
シンジ「ほれ、味噌汁あがらい」
娘「ありがとうございます…」
ズズッ…
娘「…美味しい…」
聞けば娘は両親を亡くし、親類の所に向かう途中だったそうだ。
娘はレイと言う名であった。
9: 2013/03/10(日) 10:08:09.07 ID:I9hFcQRDO
シンジ「今年は大雪だなや、こんで旅続げんの無理だべ…」
アスカ「レイさんがいがったら、雪っこ無ぐなるまでこごさ居だら良いでねが」
レイ「お二人がご迷惑で無ければ…喜んで…」ニッコリ
レイは二人の申し出を快く受け、
春まで家に滞在することになった。
レイは大層働いた、雪かき、炊事、洗濯、掃除、
厳しい冬には大変な仕事だ。
老夫婦だったシンジやアスカはとても助かった。
アスカ「レイさんがいがったら、雪っこ無ぐなるまでこごさ居だら良いでねが」
レイ「お二人がご迷惑で無ければ…喜んで…」ニッコリ
レイは二人の申し出を快く受け、
春まで家に滞在することになった。
レイは大層働いた、雪かき、炊事、洗濯、掃除、
厳しい冬には大変な仕事だ。
老夫婦だったシンジやアスカはとても助かった。
10: 2013/03/10(日) 10:18:01.52 ID:I9hFcQRDO
シンジ「おレイは良ぐ働ぐし、器量も良い…おらいのホントの娘になってけだら良いべなぁ…」
アスカ「んだんだ、うちの子さなってけらい…」
子が居なかった二人はレイをとても可愛がった、
そんな二人の気持ちを汲み取ったのか、
レイは迷わず二人の子になった。
レイ「お父様…お母様…不束な娘ですが…改めてよろしくお願い致します…」
シンジ「お~お~…」ジワッ
アスカ「よろすぐなぁ…」ポロポロ
二人は泣いて喜んだ。
アスカ「んだんだ、うちの子さなってけらい…」
子が居なかった二人はレイをとても可愛がった、
そんな二人の気持ちを汲み取ったのか、
レイは迷わず二人の子になった。
レイ「お父様…お母様…不束な娘ですが…改めてよろしくお願い致します…」
シンジ「お~お~…」ジワッ
アスカ「よろすぐなぁ…」ポロポロ
二人は泣いて喜んだ。
11: 2013/03/10(日) 10:42:28.39 ID:I9hFcQRDO
~~~~数日後~~~~
ゲンドウ「久すぶりだな… スンズ…」
シンジ「おやず…」
実は二人は親子であった。
すっかり疎遠になっていたが、
この度養女を迎えた事を伝える為に、
十数年振りに再開を果たした。
しかしシンジは家に上がるに上がれ無くあった。
ゲンドウ「上がるごったら早ぐせ… んでねばけぇれ」
ゲンドウは静かに、そして厳しく語った。
ゲンドウ「久すぶりだな… スンズ…」
シンジ「おやず…」
実は二人は親子であった。
すっかり疎遠になっていたが、
この度養女を迎えた事を伝える為に、
十数年振りに再開を果たした。
しかしシンジは家に上がるに上がれ無くあった。
ゲンドウ「上がるごったら早ぐせ… んでねばけぇれ」
ゲンドウは静かに、そして厳しく語った。
12: 2013/03/10(日) 12:14:28.52 ID:I9hFcQRDO
意を決し、シンジは家の敷居を跨いだ。
シンジ「おやずよ、ぺっこ聞いで欲す事あんだ…」
ゲンドウ「何だ…」
シンジ「おらいでわらすなさなねがったがらよ、旅の娘ば養女さしたんだ」
ゲンドウ「ほぉ…」
レイ「初めまして…お祖父様…」
ゲンドウ「ユイ…!?」
シンジ「は?何かだってれ、こいづはレイってんだ」
ゲンドウ「いや、なしてもね… たんだの見間違ぇだ…」
シンジ「まんず、そう言うこっだがら……んでオラだずけぇるわ」
ゲンドウ「あぁ…」
二人はゲンドウ宅を後にした。
シンジ「おやずよ、ぺっこ聞いで欲す事あんだ…」
ゲンドウ「何だ…」
シンジ「おらいでわらすなさなねがったがらよ、旅の娘ば養女さしたんだ」
ゲンドウ「ほぉ…」
レイ「初めまして…お祖父様…」
ゲンドウ「ユイ…!?」
シンジ「は?何かだってれ、こいづはレイってんだ」
ゲンドウ「いや、なしてもね… たんだの見間違ぇだ…」
シンジ「まんず、そう言うこっだがら……んでオラだずけぇるわ」
ゲンドウ「あぁ…」
二人はゲンドウ宅を後にした。
14: 2013/03/10(日) 15:34:43.69 ID:I9hFcQRDO
ある晩、レイは奥の部屋に放置されていた機織りを使いたいと申し出た。
レイ「布を織りたいのです… 貸して頂けますか?」
シンジ「ああ、かまねども…何年も使ってねがら、まどもに動がねがもしんねど?」
レイ「大丈夫…動くみたいです」ニコ
シンジ「んだども糸っこねえど」
アスカ「明日里さ下りでって買ってこば良いべ?」
シンジ「んだな、そうすっぺ」
レイ「お父様…お母様…ありがとうございます…」ニッコリ
シンジ「あれな、アスガが機織りすてがら買ってけろ言われだんだども、
アスガてんぼくされだがら一反も織らねでぶん投げでだんだぁ」
アスカ「スンズ!おめ余計なごと語んな!」バキッ!
シンジ「あだだだ…なぬもはだがねくたっていがべじゃあ!」
アスカ「あんだバガぁ!?あだすだって名誉っつーもんがあるべ!」
レイ「や、やめて…二人とも…」オロオロ
シンジとアスカは久しぶりに夫婦ケンカをした、
終わった後は二人ともけろりとしていた、
夫婦の事は夫婦にしか分からない、
何故かレイはそんな二人の事が、
微笑ましいと感じたのだった。
レイ「布を織りたいのです… 貸して頂けますか?」
シンジ「ああ、かまねども…何年も使ってねがら、まどもに動がねがもしんねど?」
レイ「大丈夫…動くみたいです」ニコ
シンジ「んだども糸っこねえど」
アスカ「明日里さ下りでって買ってこば良いべ?」
シンジ「んだな、そうすっぺ」
レイ「お父様…お母様…ありがとうございます…」ニッコリ
シンジ「あれな、アスガが機織りすてがら買ってけろ言われだんだども、
アスガてんぼくされだがら一反も織らねでぶん投げでだんだぁ」
アスカ「スンズ!おめ余計なごと語んな!」バキッ!
シンジ「あだだだ…なぬもはだがねくたっていがべじゃあ!」
アスカ「あんだバガぁ!?あだすだって名誉っつーもんがあるべ!」
レイ「や、やめて…二人とも…」オロオロ
シンジとアスカは久しぶりに夫婦ケンカをした、
終わった後は二人ともけろりとしていた、
夫婦の事は夫婦にしか分からない、
何故かレイはそんな二人の事が、
微笑ましいと感じたのだった。
15: 2013/03/10(日) 15:46:23.77 ID:I9hFcQRDO
シンジ「じゃじゃじゃ…糸っこ買うべど思ったけんど、銭っこ足らねじゃ…」
アスカ「三軒隣の冬月のずんつぁまがら借りれば良いべ」
シンジ「冬月のずんつぁまがぁ…前借りでだのけぇしてねんだけんど…貸してけっぺが…」
レイ「大丈夫…織った布を売ればお金になります…そう言えばきっと貸してくれますわ…」
シンジ「ほが、まんず行ってくっがら…」
シンジは半信半疑だったが、
誠心誠意冬月翁に話しをした、
結果上手いこと借りる事が出来た。
アスカ「三軒隣の冬月のずんつぁまがら借りれば良いべ」
シンジ「冬月のずんつぁまがぁ…前借りでだのけぇしてねんだけんど…貸してけっぺが…」
レイ「大丈夫…織った布を売ればお金になります…そう言えばきっと貸してくれますわ…」
シンジ「ほが、まんず行ってくっがら…」
シンジは半信半疑だったが、
誠心誠意冬月翁に話しをした、
結果上手いこと借りる事が出来た。
16: 2013/03/10(日) 15:54:21.73 ID:I9hFcQRDO
シンジは里で絹の糸を買い込んできた。
シンジ「ほれ、買って来たど」
レイ「ありがとうございます…早速機織りしますわ」
レイ「それで…一つお願いがあります…」
シンジ「なんだべ?」
レイ「わたしが機織りしてる間は、絶対覗かないでくださいまし…」
アスカ「わがったわがった、ぜって見さいがねがら安すんすろ」
レイ「それでは…」ペコリ
暫くすると機織りの音がし始めた。
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
シンジ「ほれ、買って来たど」
レイ「ありがとうございます…早速機織りしますわ」
レイ「それで…一つお願いがあります…」
シンジ「なんだべ?」
レイ「わたしが機織りしてる間は、絶対覗かないでくださいまし…」
アスカ「わがったわがった、ぜって見さいがねがら安すんすろ」
レイ「それでは…」ペコリ
暫くすると機織りの音がし始めた。
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
18: 2013/03/10(日) 16:30:05.95 ID:I9hFcQRDO
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
機織りの音は三日三晩続いた。
レイ「出来ました…」
レイの手にはそれはそれは美しい布があった。
シンジ「じゃじゃじゃ!こっだだ綺麗な布見だごどねぇじゃ!」
アスカ「なんたら綺麗だべぇ…」ウットリ
レイ「これを売れば…良いお金になります…どうぞ売ってきて下さいまし…」
シンジ「売るのもなんだが勿体無ぇみでだなぁ…」
~~~~葛城反物店~~~~
ミサト「ちゃぁ~なんたら見事な反物だべ…こったな見事な物初めで見だわ~」
シンジ「なんぼで買ってけるんだべ?」
ミサト「十両でなんじょだ?」
シンジ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ(そんだげ有れば、ずんつぁまにけぇしてもお釣りの方がでっけぇ…)
シンジ「ほんでいがす!」
シンジは大喜びで帰った。
機織りの音は三日三晩続いた。
レイ「出来ました…」
レイの手にはそれはそれは美しい布があった。
シンジ「じゃじゃじゃ!こっだだ綺麗な布見だごどねぇじゃ!」
アスカ「なんたら綺麗だべぇ…」ウットリ
レイ「これを売れば…良いお金になります…どうぞ売ってきて下さいまし…」
シンジ「売るのもなんだが勿体無ぇみでだなぁ…」
~~~~葛城反物店~~~~
ミサト「ちゃぁ~なんたら見事な反物だべ…こったな見事な物初めで見だわ~」
シンジ「なんぼで買ってけるんだべ?」
ミサト「十両でなんじょだ?」
シンジ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ(そんだげ有れば、ずんつぁまにけぇしてもお釣りの方がでっけぇ…)
シンジ「ほんでいがす!」
シンジは大喜びで帰った。
19: 2013/03/10(日) 16:44:56.51 ID:I9hFcQRDO
シンジ「今けぇったど!」
アスカ「お帰りスンズ、布っこなんぼで売れだのや?」
シンジ「んどな…」コソコソ
アスカ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ「たまげだべ?」
アスカ「」コクコク
シンジ「おレイはおらいの宝だなや!」
アスカ「」コクコク
シンジ「冬月のずんつぁまさも銭っこけぇしたし、すばらく安泰だなや♪」
シンジ「ほんでおレイはなんじょした?」
アスカ「まだ機織り始めだじゃ」
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
アスカ「お帰りスンズ、布っこなんぼで売れだのや?」
シンジ「んどな…」コソコソ
アスカ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ「たまげだべ?」
アスカ「」コクコク
シンジ「おレイはおらいの宝だなや!」
アスカ「」コクコク
シンジ「冬月のずんつぁまさも銭っこけぇしたし、すばらく安泰だなや♪」
シンジ「ほんでおレイはなんじょした?」
アスカ「まだ機織り始めだじゃ」
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
20: 2013/03/10(日) 17:20:31.09 ID:I9hFcQRDO
二人はレイの織った布のお陰で、
今まで手にしたことの無い金額を手に入れた。
しかし一体どうやったらあのような反物を作れるのか、
シンジは知りたくて仕方が無かったが、
レイとの約束を思いだし、部屋を覗くのは止めた。
レイ「お父様…お母様…また出来上がりましたわ」ニコ…
シンジ「おぉ…こりゃ前にも増しで良い出来だなゃあ…」
アスカ「おレイ…ぺっこやづれだんでねが?大丈夫が?」
レイ「大丈夫…少し休めば…」
二人はレイのやつれ方を見て心配になった。
今まで手にしたことの無い金額を手に入れた。
しかし一体どうやったらあのような反物を作れるのか、
シンジは知りたくて仕方が無かったが、
レイとの約束を思いだし、部屋を覗くのは止めた。
レイ「お父様…お母様…また出来上がりましたわ」ニコ…
シンジ「おぉ…こりゃ前にも増しで良い出来だなゃあ…」
アスカ「おレイ…ぺっこやづれだんでねが?大丈夫が?」
レイ「大丈夫…少し休めば…」
二人はレイのやつれ方を見て心配になった。
21: 2013/03/10(日) 17:40:33.27 ID:I9hFcQRDO
シンジ「まんず売ってくっからよ…」
アスカ「気ぃづげでな…」
~~~~葛城反物店~~~~
ミサト「こりゃ大したたまげだ!前のも見事だったけんど、こりゃ遥かに上物だぁ~!」
ミサト「ぺっこ見でけらい番頭さん!」
リツコ「長年番頭させでもらってっけど、こっただ見事なの見だごどねがす…」
ミサト「着物に仕立ででお城さ出したら百は硬ぇんでねが?」ヒソヒソ
リツコ「んだんだ、そんくれぇ行ぐんでねがすべが?」ヒソヒソ
ミサト「スンズさん、三十両でなんじょだべ!」
シンジ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ「いがすいがす!ほんでいがす!」
年寄りが二人余生を過ごすには、
充分すぎる程の大金である。
アスカ「気ぃづげでな…」
~~~~葛城反物店~~~~
ミサト「こりゃ大したたまげだ!前のも見事だったけんど、こりゃ遥かに上物だぁ~!」
ミサト「ぺっこ見でけらい番頭さん!」
リツコ「長年番頭させでもらってっけど、こっただ見事なの見だごどねがす…」
ミサト「着物に仕立ででお城さ出したら百は硬ぇんでねが?」ヒソヒソ
リツコ「んだんだ、そんくれぇ行ぐんでねがすべが?」ヒソヒソ
ミサト「スンズさん、三十両でなんじょだべ!」
シンジ「( Д ) ゜ ゜」
シンジ「いがすいがす!ほんでいがす!」
年寄りが二人余生を過ごすには、
充分すぎる程の大金である。
22: 2013/03/10(日) 18:07:23.70 ID:I9hFcQRDO
シンジはあまりの金額に魂が抜けたように惚けて歩いていた。
その姿を眺める二人組の男達がいるのも知らず。
悪者い「あのじさま、やんべ銭っこ持ってんな?」
悪者ろ「山道さへぇったら追い剥ぎすべ…」ニヤリ
~~~~山道~~~~
悪者い「おう!じさまよぅ!」
悪者ろ「懐の物ば置いでってもらうべが!」
シンジ「な、なんだおめだず!追い剥ぎが!?」
悪者い「んだ!その通りよ!」
悪者ろ「はえぐ出さねば怪我すっと!」ジリジリ
シンジ(逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね…)
悪者い「なぁにぶつくさかだってんだじじぃ!」
シンジ「うおぉぉぉぉ!!」グワッ!
悪者ろ「な!やる気がじじい!」スラッ
二人の悪漢が同時にシンジを襲う!
悪者い「ぶったぎったる!」
悪者ろ「氏ねやじじぃ!」
シンジ「絶対恐怖領域全開!!」
バキィィィン!!
悪者い「ぎゃあああ!」ドバシャッ!
悪者ろ「ぎゃあああ!」ズベシャッ!
シンジ「オラの心の壁…思いしったが!」ハァハァ…
シンジは何気に強かった。
悪漢達は見えない壁に勢い良くぶつかり、
弾き飛ばされ目を回していた。
シンジ「今の内にずらかるべ…」
その姿を眺める二人組の男達がいるのも知らず。
悪者い「あのじさま、やんべ銭っこ持ってんな?」
悪者ろ「山道さへぇったら追い剥ぎすべ…」ニヤリ
~~~~山道~~~~
悪者い「おう!じさまよぅ!」
悪者ろ「懐の物ば置いでってもらうべが!」
シンジ「な、なんだおめだず!追い剥ぎが!?」
悪者い「んだ!その通りよ!」
悪者ろ「はえぐ出さねば怪我すっと!」ジリジリ
シンジ(逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね…)
悪者い「なぁにぶつくさかだってんだじじぃ!」
シンジ「うおぉぉぉぉ!!」グワッ!
悪者ろ「な!やる気がじじい!」スラッ
二人の悪漢が同時にシンジを襲う!
悪者い「ぶったぎったる!」
悪者ろ「氏ねやじじぃ!」
シンジ「絶対恐怖領域全開!!」
バキィィィン!!
悪者い「ぎゃあああ!」ドバシャッ!
悪者ろ「ぎゃあああ!」ズベシャッ!
シンジ「オラの心の壁…思いしったが!」ハァハァ…
シンジは何気に強かった。
悪漢達は見えない壁に勢い良くぶつかり、
弾き飛ばされ目を回していた。
シンジ「今の内にずらかるべ…」
25: 2013/03/11(月) 02:55:37.04 ID:1LbaX0ADO
シンジ「今けぇったど!」
アスカ「今度はなんぼで売れだ?」
シンジ「三十両」ヒソヒソ
アスカ「ぶくぶく…」バタン
シンジ「じゃじゃじゃ!アスガが泡吹いでひっくりけぇってしまったじゃ!」
レイ「お母様…しっかりして下さいまし…」
アスカ「う~ん…」
シンジ「寝せどげ、めんどくせぇ」
アスカはあまりの金額に仰天し、
失神してしまったようだ。
レイは布団を敷き、アスカを寝せた。
26: 2013/03/11(月) 03:10:50.32 ID:1LbaX0ADO
シンジ「おレイのお陰で、この先困んねぇぐれの銭っこ手さ出来だ、ありがどなぁ」
レイ「そうですか…それは良かった」ニコ…
シンジ「おレイ顔色おがすねど、がおったんでねが?」
レイ「大丈夫……最後の機織り…してきますね」
シンジ「無理すねぐて良いがらなぁ…」
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
シンジ「すかす、なんじょにすてあすただ布織ってんだべな?」
シンジは急に覗きたくなった、
レイの心配も有ったが、
それより布の製造過程が見たくて仕方が無かった、
しかしレイとの約束がそれを引き止めた。
レイ「そうですか…それは良かった」ニコ…
シンジ「おレイ顔色おがすねど、がおったんでねが?」
レイ「大丈夫……最後の機織り…してきますね」
シンジ「無理すねぐて良いがらなぁ…」
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
シンジ「すかす、なんじょにすてあすただ布織ってんだべな?」
シンジは急に覗きたくなった、
レイの心配も有ったが、
それより布の製造過程が見たくて仕方が無かった、
しかしレイとの約束がそれを引き止めた。
27: 2013/03/11(月) 03:22:28.69 ID:1LbaX0ADO
シンジ「見だらわがね、見だらわがね、見だらわがね、見だらわがね、見だらわがね…」
シンジはどうにも我慢が出来なかった。
ペロッ プスッ…
シンジはとうとう障子に穴を開けてしまった、
恐る恐る中を覗いた時、シンジは驚愕した。
シンジ「こ、こいづは…」
中に居たのは鶴であった、
あの罠に掛かった鶴であった。
シンジに助けられた恩返しをするためにやって来たのだ。
シンジ「あの鶴が…羽っこ抜ぎ抜ぎ機織りさ織り込んで…あったにみすぼらすぐなるまで…」
シンジは涙が止まらなくなった、
感謝の気持ちと可哀想に思う気持ちが入り乱れた。
シンジはどうにも我慢が出来なかった。
ペロッ プスッ…
シンジはとうとう障子に穴を開けてしまった、
恐る恐る中を覗いた時、シンジは驚愕した。
シンジ「こ、こいづは…」
中に居たのは鶴であった、
あの罠に掛かった鶴であった。
シンジに助けられた恩返しをするためにやって来たのだ。
シンジ「あの鶴が…羽っこ抜ぎ抜ぎ機織りさ織り込んで…あったにみすぼらすぐなるまで…」
シンジは涙が止まらなくなった、
感謝の気持ちと可哀想に思う気持ちが入り乱れた。
28: 2013/03/11(月) 03:39:48.00 ID:1LbaX0ADO
ギッコンバッタン ギッコンバッタン
シンジ「うぅ…」
~~~~翌朝~~~~
レイ「おはようございます…」
シンジ「…おはよう…」
アスカ「おはようさん」
レイ「お父様、お母様……わたしはもうここには居られません…」
シンジ「おレイ…」
アスカ「なしてそったな事かだるのや!」
シンジ「もさげね!おレイ、なんじょにも我慢が出来ねがったんだぁ!」
アスカ「あんだ、見だのが!?」
シンジ「勘弁すてけろ!勘弁すてけろ!」
シンジは拝むように土下座した。
アスカ「こんスケベ!バガ!変態!信ずらんねぇ!」ドカッ!ドカッ!
シンジ「勘弁、勘弁すてけろ~」
シンジ「うぅ…」
~~~~翌朝~~~~
レイ「おはようございます…」
シンジ「…おはよう…」
アスカ「おはようさん」
レイ「お父様、お母様……わたしはもうここには居られません…」
シンジ「おレイ…」
アスカ「なしてそったな事かだるのや!」
シンジ「もさげね!おレイ、なんじょにも我慢が出来ねがったんだぁ!」
アスカ「あんだ、見だのが!?」
シンジ「勘弁すてけろ!勘弁すてけろ!」
シンジは拝むように土下座した。
アスカ「こんスケベ!バガ!変態!信ずらんねぇ!」ドカッ!ドカッ!
シンジ「勘弁、勘弁すてけろ~」
30: 2013/03/11(月) 03:59:34.00 ID:1LbaX0ADO
レイ「さようなら…お世話になりました…」
アスカ「待ってけろ!行がねでけろ!」
シンジ「おめはオラだづのめんけぇ娘だ、どごさも行がねでけろ!」
二人はレイにすがって懇願した。
だがレイは涙を流し、悲しげにこう言った。
レイ「駄目なの…一度見られたら…この姿を保ってられないの……」
レイはみるみる鶴の姿になってしまった。
シンジ「おレイ…おレイ…」
アスカ「行がねでけろ~…」
鶴は細く一鳴きし、空に舞い上がった、
別れを惜しむように家の周りを旋回し、
その内遠くに飛びさってしまった。
おレイが居なくなり、
ポッカリと心に穴が
開いてしまったような二人は気が付いた。
金より何より、娘のおレイが一番大切だったのだと。
終劇
32: 2013/03/11(月) 04:07:40.21 ID:1LbaX0ADO
ご静読ありがとうございました(*_ _)ペコリ
NERVでの上映会の下りは省きます。
需要は無いと思いますが、
もしあったら書きます。
NERVでの上映会の下りは省きます。
需要は無いと思いますが、
もしあったら書きます。
35: 2013/03/11(月) 10:12:56.07 ID:1LbaX0ADO
>>34
分かりました、前回と似たようになりそうですが、
暇が出来たら書きます。
分かりました、前回と似たようになりそうですが、
暇が出来たら書きます。
36: 2013/03/11(月) 13:52:46.94 ID:1LbaX0ADO
~~~~NERV試写会場~~~~
シンジ「今回も良い映画になったね!」
アスカ「主役はファーストに取られたけどね~」
レイ「運が良かっただけ」
アスカ「クジで主役を決めるなんて、無いわ~」
シンジ「あはは、でも準主役みたいなもんだったし、良かったじゃないか」
アスカ「だって婆さんよ?あたしの美貌が全く生かされ無いじゃない!」
マリ「イイジャン…デラレタンダシ…」
カヲル「エイガハイイネ…リリンガウミダシタブンカノ…キワミダヨ…」
青葉「」
シンジ「今回も良い映画になったね!」
アスカ「主役はファーストに取られたけどね~」
レイ「運が良かっただけ」
アスカ「クジで主役を決めるなんて、無いわ~」
シンジ「あはは、でも準主役みたいなもんだったし、良かったじゃないか」
アスカ「だって婆さんよ?あたしの美貌が全く生かされ無いじゃない!」
マリ「イイジャン…デラレタンダシ…」
カヲル「エイガハイイネ…リリンガウミダシタブンカノ…キワミダヨ…」
青葉「」
37: 2013/03/11(月) 13:54:05.01 ID:1LbaX0ADO
アスカ「あ…ごめん」
冬月「ナマエダケダッタ…」
マヤ「私はまたナレーションだけ…」
ミサト「悪者二人はまた来ないの?」
シンジ「トウジとケンスケは普通に学校ですよ、僕らは召集掛かった事になってますから」
ミサト「あらそう…」
日向「今回は出演者が限られたからね、仕方ないよ」
日向「予算が余り無かったし…」チラッ
ゲンドウ「私の出番が…少ないからだ…」クイッ
冬月「ナマエダケダッタ…」
マヤ「私はまたナレーションだけ…」
ミサト「悪者二人はまた来ないの?」
シンジ「トウジとケンスケは普通に学校ですよ、僕らは召集掛かった事になってますから」
ミサト「あらそう…」
日向「今回は出演者が限られたからね、仕方ないよ」
日向「予算が余り無かったし…」チラッ
ゲンドウ「私の出番が…少ないからだ…」クイッ
38: 2013/03/11(月) 13:55:03.25 ID:1LbaX0ADO
ミサト「まあ良いじゃない、前作と今作二本立てで市内の映画館に配給するんだし、少しはお金になるでしょ?」
リツコ「ならないわ」
ミサト「あら…」
冬月「いつも迷惑を掛ける、市民の皆さんの為に無料公開だからな」
ミサト「なんだ、ただなんだ…」
アスカ「勿体無いわね~」
日向「DVDのネット販売が割りと好調なんだよ、次作は大分楽になると思うよ」
ゲンドウ「まぁ…NERVの存在をご理解頂かねばならんからな…(なんちゃって)」
アスカ「なんか逆に何時も暇こいてるって思われるんじゃない?」
加持「俺たちが暇って事は、世の中が平和って事さ」
ミサト「確かにねぇ~、ちょっち退屈だけど~」
青葉「最後の使徒は何時現れるんでしょうね」
マヤ「さぁ~…」
カヲル「」
ホントのおしまい
39: 2013/03/11(月) 15:21:53.56 ID:sAEZLS6AO
乙!楽しかったよ!
次回作も期待してる
次回作も期待してる
40: 2013/03/11(月) 19:43:30.35 ID:P/F28mLSO
乙。乙。おもしろかった。
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