1: 2013/04/13(土) 07:46:29.41 ID:7KCa1fpDO
 
 昔々ある山にアスカと言う赤鬼が住んでおりました、
アスカは綺麗な顔立ちですが、
高飛車で傲慢で負けず嫌いで口が悪くて、
いつも人間から嫌われておりました。


アスカ「こりゃ人間ども!このアスガ様が遊んでけっから喜べや!」

村人カヲル「うわあ!赤鬼が来たよ!これは逃げないといけないね!」

村人マリ「早ぐ逃げねば喰われっと!」


人間たちは我先に逃げてしまいます。


アスカ「ああ~おもせぐねぇなぁ…」

アスカ「なして人間ばあだしどご見るど逃げんだべ…」


アスカ「あだしだって、本当ば人間ど仲良ぐしてのになぁ…」


そうアスカはちょっぴり寂しそうに言いました。
そしてある日アスカは良いことを思い付きました。


アスカ「試すに看板でも立ででみっかな…」

【こごさ優すい赤鬼ば住んでます、
誰でも遊びさ来てけらいん。
お茶っこ有るしお菓子もあります。】


アスカ「これで良す!」パンパン

アスカ「早ぐ人間遊びさ来ねがなぁ~♪」ワクワク
 
新世紀エヴァンゲリオン(1) (角川コミックス・エース)

2: 2013/04/13(土) 07:48:46.63 ID:7KCa1fpDO
 
しかし待てども待てども、人間は近寄りすらしませんでした。
アスカは寂しがり悔しがり悲しがりました。
そしてアスカはとうとうかんしゃくを起こしてしまいました。


アスカ「なんだべ!クソっ!こっだだもん立でだって誰も来ねでねが!」ズボッ  ポイッ


アスカは看板を抜いて捨ててしまいました、
するとそこに隣の山に住んでいる、
シンジと言う青鬼が訪ねて来ました。


シンジ「アスガぁ~、居だがぁ~」

アスカ「スンズでねが、良ぐ来たな」

シンジ「おお、久すぶりにおめの面見でぐなってな…まんず茶入れでけろや」


シンジはアスカの顔を見にやって来たようです、
二匹は仲が良く、たびたびこうしてお茶を飲んで話をするのでした。


アスカ「スンズ…聞いでけろ…」

シンジ「何や?」

アスカ「あだし人間ど仲良ぐしてぇ…楽しぐ遊びでぇのよ…」

シンジ「ほうが…」ズズッ…

アスカ「んだども人間ば、あだしどご見るど逃げでしまう、なしてだべ…」

シンジ「アスガってよ、いっづも怒っでる風に語るがらだど思うど…」

アスカ「んだども…語り口調ばすぐ直されねおん…」

シンジ「なんじょすたらいがべなぁ…」
 

3: 2013/04/13(土) 07:50:02.87 ID:7KCa1fpDO
 
二匹の鬼は思案に暮れました。
そこでシンジが何か閃いたようです。


シンジ「良いごど思いづいだど」

アスカ「なぬなぬ…?」

シンジ「おらが村で暴れっがらよ、アスガばおらどご懲らすめる様にせば良いんでねが?」

アスカ「そっただ事すたら、スンズだげ悪者さなってすまうべじゃ」

シンジ「いいがら、いいがら、したらおめ人間さ信用されっぺじゃ」ニコッ

アスカ「スンズあんだぁ…んだども…」


アスカはシンジに悪いと思い、この計画に乗るのを渋りました、
でも優しいシンジはアスカを人間と仲良くさせたくて、
アスカの手を取り無理やり引っ張って、
村に向かうのでした。
 

4: 2013/04/13(土) 07:51:43.68 ID:7KCa1fpDO
 
シンジ「がおー!!鬼だどー!喰ってまうどー!」ドッカンドッカン!

村人マリ「にゃあー!鬼が攻めで来たにゃー!」

村人マヤ「ひぃぃぃぃ!!助げでぇー!!」

シンジ「おりゃー!宝もん出せー!」ドッカンドッカン!

村人カヲル「やめてくれないかな?青鬼君、怖いよ?」

シンジ「おら、おめだず丸かじりー!」チラッ


アスカ「」コクン


アスカ「こりゃー!!そごの青鬼!!人間だずさ悪さすんでねぇ!!」ダダダダダ!

アスカ「どおぉぉりゃああぁぁ!!」ドンッ

アスカ「おりゃあ!!」バシッ

アスカ「やあぁっ!!」ドカッ!

シンジ「うわー!やられだー!人間の味方の赤鬼さ懲らすめられだー!」

シンジ「こりゃたまんね、退散だぁー!」チラッ  グッ!

アスカ「もう二度ど村さ来んで無ぇーど!!」コクン


シンジは山に走って行きました。
すると家に隠れていた人間達が恐る恐る出てきました。
 

5: 2013/04/13(土) 07:53:46.86 ID:7KCa1fpDO
 
村人マリ「あ、赤鬼さんって良い鬼だったんだにゃ…?」

村人カヲル「僕たちを助けてくれたのかい?」

アスカ「んだ、もう安心すてけろ!」

村人マヤ「ほ、本当におっかねぐすねんだへな…?」

アスカ「大丈夫だぁ!何が困った事あっだら、あだしに任せでけらい!」ドン


アスカは誇らしげに胸を叩きました。
それからと言うもの、人間達はアスカの家に遊びに来たり、
村の祭りに誘いに来たりしました。


アスカ「楽すいなぁ~♪」

村人マリ「赤鬼さん!一緒に踊りっこ踊るべにゃ!」

村人リツコ「そーれ!!」ドン!ドン!ドンドンドン!

村人ミサト「」ピッピッピーヒャラピー♪

村人シゲル「うひゃひゃ!踊れ踊れぇ~!ありゃ?おレイ!肉食わねのが?」

村人レイ「あだし…肉…すかねもの…」


村長ゲンドウ「飲めや踊れ…問題ねぇ…」


副村長コウゾウ「赤鬼さん、酒っこでがんす!飲んでけらい!」トクトク

アスカ「おっとっと…もさげねがすな~、いだだぎます」グビグビ


アスカは村の祭で人間達と楽しく過ごしました。


アスカ(スンズのお陰で人間だずど仲良ぐ出来だ…ありがどなスンズ…)
 

6: 2013/04/13(土) 07:55:53.29 ID:7KCa1fpDO
 
しばらくしたある日、アスカは気になり始めました、
あれからシンジが訪ねて来なくなったのです。


アスカ「スンズ…何すてんだべ…いっこで来ねぐなったな…」


アスカはシンジが来ないので寂しくなってしまいました。


アスカ「ぺっこ家さ行ってみっぺがな…」


アスカは隣山のシンジの家に向かいました。
もう秋が過ぎ、木枯しが吹くころです、
寒くて身をすくめるアスカでした。


アスカ「寒ぃなぁ…」ブルッ…


ようやくシンジの家に着きました、しかし扉が固く閉ざされ開きません。


アスカ「スンズ?居ねのが?」コンコン


アスカはおかしく思い、辺りを見回しました、
そして扉の隙間に手紙が刺さってるのを見つけました。


アスカ「ん?あだし宛てでねが…」カサカサ…
 

7: 2013/04/13(土) 07:59:51.39 ID:7KCa1fpDO
 
『アスガへ 
人間だずど上手くやってるみでで良がったなぁ、
おら、我の事のよに嬉すぐ思う。
ほんで急だけんど、おら旅さ出る事にしたがら。
おらど付ぎ合っでんのバレだら、
せっかぐ人間ど仲良ぐ出来だの台無すになっからよ。
んだがらおらば旅さ出っからな、
いづまでも人間仲良ぐすてけらいよ。

アスガの一生の友達 スンズより』




アスカ「あんだバガぁ…?スンズ居ねぐなっだら…あだしなんじょせば良いのよぉ…」ポロポロ…


アスカは何回も何回も手紙を読み返しました、
涙でクシャクシャになってしまうまで読み返しました、
そしてアスカはシンジの家の扉に頬を付け、
いつまでも、いつまでも泣いていました。
それから二匹は二度ど会うことは無かったそうです。



どんどはれ

8: 2013/04/13(土) 08:01:40.43 ID:7KCa1fpDO
 
NERV試写会場


ミサト「この話、泣けるわね…」グスッ

レイ「赤鬼さん…青鬼さんの事、好きだったのね」

アスカ「な、何よ…知らないわよ…///」

レイ「何、赤くなってるの?物語の話だけど…」

アスカ「そ、そうよね!物語よ、物語!」


リツコ「ここで太鼓叩かされるとは思わなかったわ」

ミサト「あんた上手いじゃない、どこかでやってたの?」

リツコ「聞かないで、恥ずかしい…」

リツコ「あなたこそ笛吹けたの?撮影中音しなかったけど」

ミサト「あんなのアテ振りに決まってるでしょ、吹けないわよ笛なんて」
 
 

9: 2013/04/13(土) 08:04:04.42 ID:7KCa1fpDO
 
シンジ「しんみりとするけど、短いですよね?」

日向「原作も短いからね~、オリジナルエピソード突っ込み過ぎてもアレかと思ってね、このくらいにまとめたんだよ」

青葉「最近俺、アホみたいな役ばっかりだな~」

マリ「ボヤかないボヤかない!出れるだけマシにゃ!」

マヤ「今回みんな出た?誰か忘れてない?」

ミサト「加持じゃない?彼、ユーロに出張よ」




ゲンドウ「私の出番が少ない…」クイッ

日向「いや、その内何とかしますから…」


冬月「碇、飲みに行くか?」

ゲンドウ「ああ…」


ミサト「あ~、あたしもお付き合いしちゃおっかな~」チラッ

冬月「ん?珍しいな葛城君」

リツコ「あなた、また金欠ね?」

ミサト「バレたか」テヘッ
 

10: 2013/04/13(土) 08:05:29.51 ID:7KCa1fpDO
 
冬月「どうする碇?」

ゲンドウ「たまには良いだろう…日頃の労いも兼ねて…」

ミサト「さっすが碇司令♪」

リツコ「私も行くわ、ミサトが粗相しないように、見張らないとね」

ミサト「あによ~信用無いわね~」

マヤ「先輩が行くなら私も!」

アスカ「司令達が行くとこって、お寿司屋さんでしょ?あたしも行く!!」

シンジ「ぼ、僕も…」

レイ「碇くんが行くならわたしも…」

マリ「わたしも行くにゃ!」

カヲル「シンジ君が行くなら、僕も行かざる得ないな♪」

アスカ「ホ〇はくんな」シッシッ

カヲル「酷いなセカンド、そんなに僕とシンジ君の仲を引き裂きたいのかい?」

アスカ「そんな仲でも何でも無いでしょーが!」ドカッ!
 

11: 2013/04/13(土) 08:09:41.50 ID:7KCa1fpDO
 
青葉「寿司か~、じゃ俺も行きますよ!」

日向「お前は僕と当直だろ?」

青葉「」




ゲンドウ「冬月先生…いくら持ってますか…?」

冬月「任せておけ、何とでもなる…」

ゲンドウ「すまん…」


ミサト「さ~て、みんな!行きましょうか♪」

アスカ「おっ寿っ司っ♪おっ寿っ司っ♪」

マリ「美味しいんだろなぁ~わくわくするなぁ~」

ワイワイガヤガヤ


レイ「いつまでも…こんな日が続けば良いわね」

シンジ「うん…最後の使徒…来なければ良いよね…」




カヲル「」


おしまい
 

12: 2013/04/13(土) 08:11:12.16 ID:7KCa1fpDO
これで完結です、御静読ありがとうございました。

13: 2013/04/13(土) 10:23:52.06 ID:PG6G8q1A0
スレタイまで訛り出したな乙

14: 2013/04/13(土) 10:41:23.78 ID:V56Rrf4S0
相変わらずオモロイやんけ!

引用元: 【解読困難】 泣いだ赤鬼 【続エヴァ昔話・第弐話】