1: 2013/04/25(木) 17:52:18.70 ID:Fn8TPdeDO
 
むかしむかしの事です、
ある村のある家に1頭のロバが居りました。
そのロバは連日コキ使われ、重労働で疲労が蓄積し、
疲れきって嫌になっているのでした。


ロバシンジ「嫌だ!もう嫌だ!出てく!ここから出てくよ!」ダダダッ!


ロバは家を飛び出してしまいました、
そしてこれからどうしようと思案してると、
1枚のチラシが目に入りました。


ロバシンジ「ん?楽団員激しく募集中…ブレーメン音楽隊…」

ロバシンジ「これだ!僕はチェロが弾けるから、きっと雇ってもらえるぞ!」


このロバはチェロが弾ける、とても珍しいロバでした。
ロバがブレーメンに向けて進んで居ると、
一匹の犬が道端で寝そべって居りました。
 
2: 2013/04/25(木) 17:56:47.80 ID:Fn8TPdeDO
 
ロバシンジ「どうしたんですか?」

アスカイヌ「ん?あんた誰よ…?」

ロバシンジ「僕はロバのシンジ、君は?」

アスカイヌ「あたしはアスカ…痛たた…」グタッ…

ロバシンジ「あ!ケガしてるじゃないか!?」

アスカイヌ「ええ…飼い主にうるさいってこっぴどく殴られちゃってさ…
      あたしは仕事しただけなのに、嫌になっちゃうわ…」

ロバシンジ「酷い人間がいるもんだなぁ…」

アスカイヌ「何もかも嫌になったから、飛び出して来ちゃったのよね~」

ロバシンジ「そうなんだ…」

アスカイヌ「これからどうしたもんかしら…あたし他に行くとこ無いのよね~」

ロバシンジ「じゃあ僕とブレーメンに行こうよ!楽団員を募集してる所があるんだ」

アスカイヌ「へ~、面白そうね…行くわ、連れて行きなさいよ」

ロバシンジ「うん、じゃあ僕の背中に乗りなよ!」

アスカイヌ「悪いわね…助かるわ…」


こうしてロバシンジに仲間が出来ました。
しばらく進むと、今度は猫が道端に座り込んで居ました。
 

3: 2013/04/25(木) 17:59:26.32 ID:Fn8TPdeDO
 
ロバシンジ「あれ?どうしました猫さん?」

マリネコ「わたしは懐メロ歌ってただけなんだけど…
     飼い主が気味悪がってさ、捨てられちゃったにゃ…」

ロバシンジ「そうなんだ…」

マリネコ「やること無いし、ゴロゴロしてただけにゃ…」

ロバシンジ「じゃあ僕たちとブレーメンの音楽隊に入ろうよ!
歌が歌えるなら雇ってもらえるよ!」

マリネコ「面白そうにゃ!ついてくにゃ~」


こうして猫が仲間に加わりました。
またしばらく進むと、今度はニワトリが道端にうずくまって居ました。
 

4: 2013/04/25(木) 18:01:43.28 ID:Fn8TPdeDO
 

コケ波「コケッ…」

ロバシンジ「ニワトリさん、どうしました?」

コケ波「飼い主に…捨てられたの…」コケッ

ロバシンジ「どうして?」

コケ波「玉子、産めないから…」コケッ

ロバシンジ「そうなんだ…」

コケ波「あなたたち…どこに行くの?」コケッ

ロバシンジ「僕たちはブレーメンの音楽隊に入るために旅してるんだ」

コケ波「そう…」コケッ

ロバシンジ「君も一緒に行こうよ!」

コケ波「ええ、行くわ…」バサバサ


こうして四人(便宜上四人と書きます)はブレーメンに旅立ちました、
そして日が暮れ始め、四人は野宿する事にしました。
 

5: 2013/04/25(木) 18:09:12.79 ID:Fn8TPdeDO
 
ロバシンジ「この辺で野宿しようか…」

アスカイヌ「ちょっと寒そうだけど~?」

マリネコ「仕方ないにゃ…わたしは木の上で寝るにゃ」ピョン ガリガリガリ

コケ波「わたしも…」バサバサ


ロバシンジ「そう言えば、お腹空いたね…」グゥゥ…

アスカイヌ「言わないでよね、忘れてたんだから…」グゥゥ…

マリネコ「お腹減って寝れないにゃ…」グゥゥ…



コケ波「民家の灯りが見える…」コケッ

ロバシンジ「そこで何か分けて貰おうよ」

マリネコ「賛成にゃ!」

アスカイヌ「あんたバカぁ? こんなに小汚いあたしらなんて、追い払われるのがオチよ」

ロバシンジ「行ってみないと分からないじゃないか」

コケ波「行きましょ…」バサバサ


アスカイヌ「はぁ…どうなっても知らないわよ…」トボトボ…


四人は民家に向かいました、
民家に近づくにつれ、とても美味しそうな匂いがして来ました。
 

6: 2013/04/25(木) 18:12:52.62 ID:Fn8TPdeDO
 
アスカイヌ「すんごいご馳走の匂いがするわよ…」クンクン

マリネコ「ヨダレが出てくるにゃ…」

ロバシンジ「ちょっと窓から覗いてみよう…」


ロバシンジ「う~ん、届かないや…コケ波、僕の頭の上に乗ってよ」

コケ波「わかった…」バサバサ



コケ波「………」ジー

ロバシンジ「どう?」

コケ波「美味しそうなご馳走が、テーブルに乗ってるわ…」コケッ

アスカイヌ「やっぱり…」

ロバシンジ「食べ物分けてくれるよう、頼もうよ」


コケ波「待って…」

アスカイヌ「ん?」


コケ波「物凄く…人相の悪い人が居る…」コケッ



マリネコ「そいつら泥棒にゃ…」

ロバシンジ「マリさん分かるの?」

マリネコ「ワンダホーマリネコイヤーに氏角は無いにゃ… あいつら、泥棒の計画立ててるにゃ…」
 
 

7: 2013/04/25(木) 18:17:15.19 ID:Fn8TPdeDO
 
お頭ゲンドウ「次の仕事はどこにする…?」

手下シゲル「隣町の金持ちの家が良さそうです」

リツコ姐さん「そこの警備の状況は?」

手下シゲル「手薄です、犯罪が殆ど無かったらしく、油断しまくってますね」

ゲンドウ「ふっ…問題ない、明日の夜に出撃…」


手下シゲル「それにしても、姐さんの料理は旨そうですね!」

リツコ姐さん「旨そうじゃなくて、旨いのよ」ジロッ…

手下シゲル「す、すんません…」ガクガク…
 
 

8: 2013/04/25(木) 18:21:28.96 ID:Fn8TPdeDO
 
 
ロバシンジ「ど、どうしよう…」

アスカイヌ「あたしに良い考えがあるわ」

ロバシンジ「考えって?」

アスカイヌ「あんたそこに立ってなさいよ、あたしが上に乗るから」

ロバシンジ「う、うん…」

アスカイヌ「よいしょ…」ピョン

アスカイヌ「次、あんた、あたしの上に乗って」

マリネコ「わかったにゃ…」ピョン

アスカイヌ「最後にあんた」

コケ波「…」バサバサ


ロバシンジ「こ、これでどうするのさ…?」オモッ…

アスカイヌ「これで窓に近づいて、一斉に大声出すのよ、あいつらビックリして飛び出すわよ」

ロバシンジ「なるほど…」

アスカイヌ「飛び出して来た所に、襲いかかるのよ」

マリネコ「思いっきしヤッちゃっていいのかにゃ?」

アスカイヌ「と~ぜんよ、ギッタギタのケチョンケチョンにしてやるのよ!」

ロバシンジ「な、なんか凄い事になってきたよ…」


作戦が固まった所で、四人は行動に入りました。
三人を乗せたシンジはよろよろと窓に近づきました。
 

9: 2013/04/25(木) 18:34:31.85 ID:Fn8TPdeDO
 
 
アスカイヌ「いい?行くわよ…」

アスカイヌ「せ~の…」

ロバシンジ「うわあああああああああああ!!!!」
アスカイヌ「どおうりゃあああああああああ!!!!」
マリネコ「にゃろおおおおおおおおおおおお!!!!」
コケ波「ぽかぽかする…」

手下シゲル「うわあああ!!!なななななんだぁ!!!?」ガタタッ!

ババッ  ガシャン

リツコ姐さん「バカっ!ランプ落とさないで!!」


手下がランプを落としてしまったので、
部屋の中は真っ暗になりました。


手下シゲル「ばばば化け物ですよきっと!!」ガクガク

お頭ゲンドウ「むう…現時刻を持ってアジトを放棄、総員退去!」


泥棒一味は民家から逃げ出しました。


アスカイヌ「いいわね!最初からフル稼働、最大戦速でいくわよ!」

ロバシンジ「62秒でけりをつける!!」

マリネコ「逃げんな!!おらあああ!!」

コケ波「ダメ…逃がさない…」バササッ


アスカイヌ「エーストゥ!!」ガブッ!

ロバシンジ「そこだ!!」ドカッ!

マリネコ「にゃあああ!!」バリバリバリ!

コケ波「あなたは無事では済まないわ…わたしが、つつくもの」スカカカカカカ!


四人は全力で泥棒たちを攻撃しました、
ロバは蹴り飛ばし、イヌは噛みつき、猫は引っ掻き
ニワトリは突きまくりました。
 

10: 2013/04/25(木) 18:39:02.05 ID:Fn8TPdeDO
  
リツコ姐さん「ひいいいい!有り得ないわ!!」

手下シゲル「何が何だか分かりません!!」

お頭ゲンドウ「こ、これは堪らん…総員撤退だ!」


泥棒たちはどこかに逃げてしまいました。


ロバシンジ「や、やったよ…」

アスカイヌ「上出来ね!」

マリネコ「面白かったにゃ♪」

コケ波「…」コケッ コココ

アスカイヌ「さぁ!あんたたち、食べまくるわよ!」


四人は泥棒たちが残していった料理をお腹いっぱい楽しみました。


ロバシンジ「あれ?コケ波、残したの?」

コケ波「肉…食べないだけ…」コケッ

アスカイヌ「あんたねぇ、生き物は生き物食べて、生きてんのよ!
      せっかくの命は、全部漏れなく食べ尽くしなさいよ!」

コケ波「……」

アスカイヌ「このニワトリ!!ケイタウルギ!?」

マリネコ「わたしが食べるから良いにゃ♪」ムシャムシャ



アスカイヌ「て言うかさ、ここに住んじゃえば良いんじゃな~い?」

マリネコ「お宝も食料もあるし、しばらく困らないにゃ!」

ロバシンジ「そうだね、別にブレーメンに行かなくても生活出来そうだし…」

コケ波「決まりね…」コケッ


四人は泥棒のアジトに住み着いて、
いつまでも仲良く暮らしたとの事です。




おしまい

11: 2013/04/25(木) 18:44:22.92 ID:Fn8TPdeDO
 
NERV試写会場


ミサト「おお~、面白かったわ~」パチパチ

シンジ「外国の昔話でも行けますね」

アスカ「方言訛りが無いから、やりやすかったわ~」

日向「インパクト薄いかと思ったけど、普通に見れたね!」


マリ「なんでワンコ君が犬やらなかったのかな?」

シンジ「ホントは犬の予定だったのに、ロバのはずのアスカが…」


~~~~~~~~

アスカ『イヤよ!ロバなんてマヌケな顔してるし!あたしには似合わないわ!』

アスカ『ボケ~っとしてるバカシンジにピッタリの役じゃない!』ビシッ!

~~~~~~~~


シンジ「って、なかば無理やり代わらされたんだよ」

アスカ「何よ?なんか文句でもあるわけ?」

シンジ「い、いや…別に、無いけどさ…」

日向「ははは、でも結果オーライさ、実に良かったよ!」

アスカ「ほらね、監督もそう言ってんだし、代わってよかったのよ!」


シンジ「ねぇアスカ、ちょっと聞きたいんだけど…」

アスカ「あん?何よ?」

シンジ「セリフで言ってたケイタウルギってどういう意味?」

アスカ「はぁ?あんたバカぁ?そんなセリフ無いわよ」

シンジ「えっ?言ってたよ?綾波が肉食べれない所の部分で…」

アスカ「ええ~?知らないわよ!」

アスカ「おかしな言い掛かり付けないでよね!」ドカッ!

シンジ「いてっ! なんなんだよ…」
 
 

12: 2013/04/25(木) 18:47:39.04 ID:Fn8TPdeDO
 
リツコ「私が泥棒の姐さん役とはね…」

ミサト「なかなかハマってたわよ~」

リツコ「私もそう思ったわ」




ゲンドウ「また…悪役だったな…」クイッ


シンジ「似合ってたよ…父さん」
アスカ「悪役がお似合いよね」
レイ「碇司令…悪役が似合う…」
マリ「それっきゃ無いじゃん」
カヲル「さすがシンジ君の父上、貫禄が違うね♪」
ミサト「他に居ないわよね~」
リツコ「私は悪役でも良くってよ」
マヤ「司令しか居ないと思います…」
青葉「正に悪党のボスって顔だしなぁ」
加持「お似合いですよ、碇司令」


ゲンドウ「諸君…聞こえているぞ…」ヒクヒク…


一同「「「……」」」


冬月「碇、もう諦めろ…貴様は悪役が一番ハマるぞ」

ゲンドウ「そ、そうか…」ショボーン
 

13: 2013/04/25(木) 18:54:45.49 ID:Fn8TPdeDO
 
ミサト「さ~て、そろそろお開きにしてご飯食べに行きましょ!」

アスカ「あたし焼き肉が食べたいわ!」

マリ「いいね~焼き肉!」

シンジ「焼き肉か、久しぶりだなぁ」ワクワク

レイ「わたし…肉食べれない…」ウルウル

シンジ「あ、大丈夫だよ!野菜もあるし冷麺もあるし!」

レイ「だったら行く…」


リツコ「私は仕事が残ってるからご遠慮するわ」

マヤ「わたし、先輩のお手伝いします!」

リツコ「あら良いの?悪いわね」


青葉「で、俺達は当直なんだろ?」

日向「正解」

青葉「」
 
  

14: 2013/04/25(木) 19:07:41.12 ID:Fn8TPdeDO
 
冬月「焼き肉か…」


冬月「重いな…」

ゲンドウ「ああ…」


ミサト「司令と副司令は如何なされますか?」

冬月「いや、俺達はいい」


ゲンドウ「葛城一佐…」

ミサト「はい」

ゲンドウ「これを…」スッ…


ミサト「えっ?こんなに?」

ゲンドウ「かまわん、チルドレンにたらふく食わせてやれ…」

ミサト「あ、ありがとうございます!」ビッ!

ミサト(な~んちゃって♪出してくれると思ったのよね~)

ゲンドウ「領収書と釣りを忘れるな」

ミサト「あ、はい!」

ミサト(チッ…お釣りガメようとしたのに…)



ミサト「さぁみんな!行くわよ!」

ワーイワーイ♪




カヲル「ふっ…またいつものが無いようだね、いいさ…自分でやるよ♪」




カヲル「」




ホントのおしまい

15: 2013/04/25(木) 19:13:45.15 ID:Fn8TPdeDO
以上で終わります。
御静読ありがとうございました。

しばらくSS書くの休もうとしてたのに、
気がついたら書いてると言う…
これは依存症の一つなのだろうか?(´・ω・`)

引用元: 【解読無用】 ブレーメンの音楽隊 【エヴァ世界昔話・第壱話】