1: 2013/05/17(金) 22:16:35.17 ID:oBsXm//Io
(完結編です、LAS注意)
むかしあるところに、お爺さんとお婆さんが住んでおりました。
二人は細々と幸せに暮らしておりましたが、
子どもが居ないのが悩みでありました。
リョウジ「なぁ婆さまよ、なしておらいさワラス出来ねがったんだべなぁ」
ミサト「ワラスば天がらの授がりもんだおん…なんじょにもなんねべ…」
リョウジ「今さらだけんど、神様さお願いすっぺがな…」
ミサト「んだなぁ…」
リョウジ「天照様、なんじょにがすて、おらいさワラスば授げでけらい…」パンパン
ミサト「めんけぇワラスば授げでけらい…」パンパン
二人は天照大神に祈りました、
そしてその夜。
2: 2013/05/17(金) 22:18:05.13 ID:oBsXm//Io
リョウジ… ミサト…
リョウジ「ん…?なんだべ…」
ミサト「どごがらが声聞こえっと?」
パァァァァァ…
リョウジ「うっ…まつぺぇ…」
ミサト「なんだべこの光!?」
天照マヤ「リョウジ…ミサト…」
リョウジ「ひぇっ!!あ、天照様?」
ミサト「こりゃたまげだぁ!」
天照マヤ「あなた達の願い…しかと聞きました、
真面目に慎ましく生きてきたあなた達に子どもを授けます…」
天照マヤ「朝になったら神棚を見てみなさい…」フワァァァァ…
ピカッ!!
リョウジ「うわっ!?」
ミサト「ひゃっ!?」
天照大神はそう告げると、
まばゆい光を放ち消えていきました。
そして二人は気を失いそのまま寝入ってしまいました。
3: 2013/05/17(金) 22:19:34.98 ID:oBsXm//Io
翌朝、リョウジは天照大神の御告げ通り、
神棚を覗いて見ました。
リョウジ「神棚見でみろったっけな…」ガタッ
オギャー オギャー
リョウジ「おお!ワ、ワラス居だじゃ!!」
ミサト「ひぇぇ!天照様ば本当にワラス授げでけだのが!?」
オギャー オギャー
リョウジ「んだども…こったにちゃっけぇワラス…見だごど無ぇど…」
ミサト「あんりまぁ…爪の先ぐれぇしか無ぇじゃ…」
リョウジ「まんずせっかぐ授がったんだがら、マデに育でるべぇ…」
ミサト「おお…よすよす…良い子だなぁ…」
リョウジ「なんじょな名前付けっぺ?」
ミサト「んだなぁ…スンズど付けるべが?」
リョウジ「スンズがぁ…よす!おめこれがらぁスンズだ!」
オギャー オギャー
二人はシンジを大事に大事に育て、
小さいながらも立派な男子に育て上げました。
しかし、身体が一寸しか無いので、
近所の子ども達に苛められたりするのでした。
村の子どもマリ「やーい やーい!一寸、一寸、一寸法師~」キャッキャッ
村の子どもレイ「あんだ、出世でぎねぇわ…背、足りねもの…」
シンジ「……」
ミサト「こりゃあああ!スンズば馬鹿にすんでねぇ!!」クワッ!
村の子どもマリ「うわあああ!婆ぁが怒ったあああ!!逃げろおおお!」タッタッタッタッ
ミサト「ったぐしょーもねぇワラスだずだじゃ…」
スンズ「おっかぁ、おら平気だがら心配すんなや」ニコッ
ミサト「ほうがほうが…スンズば優しいなぁ」ニコニコ
4: 2013/05/17(金) 22:21:35.81 ID:oBsXm//Io
ある日シンジは二人にこう言いました。
シンジ「おっとぉ、おっかぁ、おら都さ行って武士さなりでぇ!」
リョウジ「んだども、スンズばちゃっけぇおん、武士さなれるべが?」
ミサト「んだんだ、都さ着ぐ前に獣さ喰われでしまうど」
スンズ「大丈夫だぁ!針ど、藁ど、お椀こど、箸一本おらさけらい!」
ミサト「そったなの、なんじょすってよ?」
シンジ「針ば刀、藁ば鞘、お椀こば舟、箸ば楷さすっからよ」
リョウジ「決心ば固ぇようだなや…」
シンジ「」コクリ
リョウジ「よし、行ってこ!都さ行って一旗挙げでこや!」
ミサト「爺さま…」
ミサト「スンズや、ぜってぇ氏んだりすてわがねど…」
シンジ「うん!」
二人はシンジに旅支度をしてあげました、
小さいながらもちゃんと武士らしい着物も拵えてあげました。
シンジ「おっとぉ、おっかぁ、行ってくっからなぁ!」フリフリ
リョウジ「しっかりなぁ!」フリフリ
ミサト「やんたぐなったら、帰って来いよぉ…」ウルウル
シンジは意気揚々と旅立ちました。
太陽は燦々と輝き、天照大神もシンジを見守っているようです。
しかし小さいシンジは川への方向を見失ってしまいました。
5: 2013/05/17(金) 22:22:30.41 ID:oBsXm//Io
シンジ「さてど…川どっちだべな?」キョロキョロ
蟻カヲル「よいしょ、よいしょ…」
シンジ「蟻さんさ聞いでみっか…」
シンジ「そご行ぐ蟻さん!ぺっこ道教ぇでけらい!川ばどっちだべ?」
蟻カヲル「ん?川かい?向こうのタンポポ畑の近くだよ」
シンジ「そが、あっちだな…」
蟻カヲル「旅かい?」
シンジ「んだ、都さ行って武士さなるんだ!」
蟻カヲル「旅は良いね、旅は心を潤してくれる…リリンが産み出した文化の極みだよ」
蟻カヲル「そう思わないかい?」
シンジ「んにゃ、別に」
蟻カヲル「」
蟻カヲル「ま、まぁ良いけどね、気をつけて旅をしてくれよ」
シンジ「ありがど~」フリフリ
シンジは蟻に聞いた方向に進みました。
シンジ「お、川ば有った!早速下るべ…」
ポチャン
シンジ「よっ!」ピョン チャポチャポ
シンジ「今日ば天気良いし、川下り日和だなや」チャポチャポ
6: 2013/05/17(金) 22:23:46.36 ID:oBsXm//Io
ユラッ…
シンジ「ん…?」
バシャッ!
シンジ「うわっ!魚っこだ!」グラグラ
シンジ「おらどご餌だど思ってんな?」
バシャッバシャッ!
シンジ「あぶねぇ!」グラグラ
シンジ「こりゃ戦うすかねぇな…」チャポチャポ
ユラッ…
シンジ「魚っこば真ん中さ入れで針、魚っこば真ん中さ入れで針、
魚っこば真ん中さ入れで針、魚っこば真ん中さ入れで針…」
バシャッ!
シンジ「そごだ!!」プスッ!
バシャッ バシャッ バシャッ! ユラッ…
シンジ「ふぅ~逃げでった見でだな…」チャポチャポ
しばらく川を下ると都が見えて来ました。
シンジ「お、都さ着いだな…」チャポチャポ
シンジ「じゃじゃじゃ…なんたら華やがな所だべぇ」
都は人も大勢で大変賑わっておりました、
シンジは自分の小ささを気にも留めず、
堂々と都を歩きました、
時々踏まれそうになりつつも。
7: 2013/05/17(金) 22:24:26.93 ID:oBsXm//Io
シンジ「さてど…どごの武家さ行げば良いべな…」キョロキョロ
シンジは一際大きい門構えの家を見つけました。
シンジ「お!あそごのでっけぇ門の所さすっぺ!」
シンジ「冬月家つーのが…立派な家だなや…」コンコンコン…
シンジ「御免下さい!御免下さい!」コンコンコン…
冬月「誰じゃ?」ガチャ
冬月「なんじゃ…誰も居ねでねが…」
シンジ「こごでがす!旦那様の足元でがす!」
冬月「おお!なんたらちゃっけぇべ!」ギョッ
シンジ「おらばこごで雇ってけらい!」
冬月「雇ってけろったって、こったにちゃっけぇ人間役さ立づべが?」
シンジ「頑張ってなんでもすます!」
冬月「ふむ…娘さ預げでみでも良いがもしんねな…猫氏んでがら塞ぎこんでっからな…」
シンジ「お願ぇします!」
冬月「いいじゃろ…娘のアスガの付ぎ人さなれや」
シンジ「ありがど~ごぜぇます!」ペコリ
シンジは冬月家で働く事になりました、
家の娘、アスカの付き人です。
8: 2013/05/17(金) 22:26:25.61 ID:oBsXm//Io
冬月「アスガや、ほれ新すぐ入ぇった付ぎ人だ」
アスカ「え?どごさ居るの?」キョロキョロ
シンジ「こごでがすお嬢様!」
アスカ「へ?」
アスカ「きゃあああ!なんたらめんけぇんだべ♪」ハシッ!
シンジ「うわっ…お嬢様…く、苦しい…」ジタバタジタバタ
アスカ「あ、ごめんごめん…」ソッ
シンジ「はあはあ…」
アスカ「あんだ、なんて名だ?」
シンジ「おらぁスンズど申します」
アスカ「スンズが、あだしアスガ、よろすぐね」ニコッ
シンジ「はい!よろすぐお願いすます!」ペコリ
アスカは一目でシンジを気に入りました。
シンジ「して、おらぁ何すたら良いんでがすか?」
アスカ「ん~、今のところ特にしてもらいでぇごど無ぇな~」
侍女リツコ「お嬢様、お風呂の準備ば出来ますた」
アスカ「ん、入る入る♪」
脱衣場
アスカ「ふんふ~ん♪」ヌギヌギ
シンジ「……///」
アスカ「ん?」
シンジ「……///」ニヤニヤ
アスカ「こっ…こんスケベ!馬鹿!変態!信じらんねぇ!」ゲシッ!
シンジ「ぶっ!!」ビターン!!
シンジ「……」ズルズル…
アスカ「あっ…スンズ!大丈夫?」ソッ…
9: 2013/05/17(金) 22:26:56.19 ID:oBsXm//Io
チャポン…
アスカ「~♪」チャポン
シンジ「うっ…」
アスカ「あ、気ぃ付いだ?」
シンジ「ア、アスガ様…」
アスカ「ごめんねぇ、思いっきし蹴っちゃって」テヘッ
シンジ「し、氏ぬがど思いますたよ…」
アスカ「お詫びさ一緒にお風呂入るべし♪」
シンジ「ええっ!///」
アスカ「ただす、下見だら頃すがらね?」ジロッ
シンジ「ハ、ハヒッ…」
アスカ「あんだ、小せぇクセに良い身体してんのね」
シンジ「そ、そったにジロジロ見ねでけらい…おしょすじゃ…///」
アスカ「良く見だら、可愛い顔してるし、こんで普通の大ぎさだったら、お婿さんさしてけでも良いのになぁ~」クスクス
シンジ「じ、冗談やめでけらい…お、おらなんか…///」
アスカ「あんだ、おもしぇなぁ~」ケラケラ
アスカはシンジをからかって遊ぶのでした。
猫を亡くした心の傷は癒えたようです。
10: 2013/05/17(金) 22:28:27.37 ID:oBsXm//Io
数日後
シンジ「何読んでんでがすか?」
アスカ「これば兵法書」
シンジ「ひ、兵法書?」
アスカ「お父様さ借りだの、意外どおもしぇのよ?」
シンジ「へぇ…そっただ難しい本読めるどがすげぇなぁ…」マジマジ
アスカ「あんだも読んでみる?」
シンジ「いや、おら読み書ぎ出来ねのす…」
アスカ「はぁ?あんだバガぁ?こんぐれぇ読めねでなんじょすってよ?」
シンジ「……」ショボーン
アスカ「はぁ…すかだねぇ、わだしが教えでけっから…ほれ、こごさ乗さらい」
シンジ「は、はい…///」ピョン
アスカ「ぶふっほふ、こそばいいでねが…///」
シンジ「お、おがすねぇ笑い方しねでけらい…」
数ヵ月後
アスカ「あんだ、ながなが賢ぇんだな~、もう読み書ぎ出来る用になったじゃ」
シンジ「アスガ様のおかげでがす!」
アスカ「ねぇスンズ」
シンジ「なんでがすか?」
アスカ「今日町まで買い物さ行ぐがらお供すらい」
シンジ「はい!」
アスカ「あんだ、わだしの肩さ乗ってらい」ヒョイ
シンジ「おお…目線が高い…」
アスカ「さぁ行ぐわよ」
アスカとシンジは町に向かいました、
しかし町では大変な事が起きていました。
11: 2013/05/17(金) 22:31:40.93 ID:oBsXm//Io
キャーキャー ワーワー
シンジ「ん?何の騒ぎだべ…?」
アスカ「あ!あれ鬼だじゃ!」
鬼ゲンドウ「おりゃあああ!!」ドガシャーン!!
鬼ゲンドウ「ぐふふふ…酒だ!酒持ってこお!!」ドカッ ドカッ!
町人トウジ「ひぃぃぃ!!」
町人ケンスケ「だ、誰が退治すてけろお~」
武士青葉「……」ガクガクブルブル
アスカ「なんたら情げねぇ…戦がわれねぇ武士なんぞ意味無ぇべ…」
鬼ゲンドウ「ぐはははは!骨の有るヤヅいねぇのがあ?」ドカン!
アスカ「うぬぬ…武家の娘どして、見過ごす事ば出来ねぇ!!」グイッ スタスタ
シンジ「ア、アスガ様!危ねがすよ!!」
アスカ「あんだは黙ってらい!」スタスタ
ザザッ!
アスカ「こらぁ!!そごの髭面の鬼!!町で暴れんでねぇ!!」ビシッ!
鬼ゲンドウ「なんだぁ~?小娘でねが…なんたら威勢ば良いなや…」ユラッ…
アスカ「とっとど山さ帰ぇんねば、蹴り頃すど!!」
鬼ゲンドウ「うははははは!!こんおらば蹴り頃すだど?無駄無駄無駄!!」
アスカ「」ムカッ!
気性の荒いアスカは怒り心頭です。
12: 2013/05/17(金) 22:32:58.94 ID:oBsXm//Io
アスカ「スンズ!しっかど掴まってでけらいよ!」フンス!
アスカ「くらえクソ鬼!!」ダダダダダ
アスカ「どおぉうりゃあああああああ」ドカッ!
鬼ゲンドウ「んん~?何かしたがあぁ~?」ポリポリ
アスカ「わ、わだしの飛び蹴りば効がねぇどは…」
鬼ゲンドウ「そっただ蹴りなんぞ、蚊が刺したぐれぇにも感じねぇわ!!」ブン!
バシッ!
アスカ「きゃあああ!!」ドサッ!
シンジ「ア、アスガ様あああ!!」
アスカ「うう…」ガクッ…
シンジ「アスガ様!アスガ様!」
鬼ゲンドウ「ぐはは、そごの娘ばアジトさ連れで帰ぇって、奴隷にさでもしてけるべがなあ!」
シンジ「くっ…逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね、逃げでわがね…」
シンジ「アスガ様さ触んでねぇ!!」シュピン
鬼ゲンドウ「ん?なんだおめ?なんたらちゃっけぇ武士だなや」
シンジ「おらば馬鹿さすっと痛ぇ目さあうど!!」
鬼ゲンドウ「ぐははははは!おめさ何出来ってよ?」
鬼ゲンドウ「めんどくせぇがらおめば喰ってやる!」ヒョイ
シンジ「あ!離せ!」ジタバタジタバタ
鬼ゲンドウ「おら おめぇ まるかじり」アーン パクッ
ゴックン…
鬼ゲンドウ「呑んじゃった」エヘェ
13: 2013/05/17(金) 22:33:52.01 ID:oBsXm//Io
シンジ『しまった、呑み込まれでしまったじゃ…』
シンジ『くそ~こうなったら…』シュピン
シンジ『あだりほどりさ針刺してやる!』プスプスプスプスプスプスプスプス
鬼ゲンドウ「!?」
鬼ゲンドウ「あだだだだ!!は、腹が痛ぇ~」ゴロゴロ
鬼ゲンドウ「ぐわああああ!!や、やめでけろ!!」ゴロゴロ
シンジ『うおおおおおお!!』プスプスプスプスプスプス
鬼ゲンドウ「わ、わがった!!降参だあああ!!おどなしぐ帰ぇるがらやめでけろおおお!!」ゴロゴロ
ゲロッ! ピョン
シンジ「参ったが!!」
鬼ゲンドウ「ひぃぃぃ!!退散だあああ!!」スタコラサッサー
町人達「「「おおお!!」」」パチパチパチパチ
なんとシンジは鬼相手に勝利を納めました。
アスカ「スンズ…あんだぁ勇気あるんだなぁ…//」
シンジ「アスガ様、気が付きますたが?」
アスカ「いたた…大したごどねぇがら…大丈夫だぁ」
シンジ「今日は買い物諦めで、屋敷さ帰ぇりますべぇ」
アスカ「んだなぁ…」
シンジ「ん?これなんだべ?」ペチペチ
シンジ「アスガ様ぁ、これさっきの鬼が落どしでったみでぇです…」ペチペチ
アスカ「どれどれ…」ヒョイ
アスカ「こ、これ…打ぢ出の小槌でねが!!」
シンジ「なんでがす?打ぢ出の小槌って…」
アスカ「これ大黒様ば持ってだど言われるお宝の小槌だぁ」
シンジ「へぇ~」
アスカ「願いごど語りながら振るど、願いが叶うんだど」
シンジ「すんげぇお宝でねが!」
14: 2013/05/17(金) 22:35:53.53 ID:oBsXm//Io
アスカ「!!」ピコーン!
アスカ「スンズ!家さ帰ぇるよ!」
シンジ「は、はい!」
アスカ「スンズ!そごさちょんどしろ!」
シンジ「はい!」チョコン
アスカ「大ぎぐな~れ、大ぎぐな~れ、大ぎぐな~れ」ブンブン
ムクムクムク…
シンジ「おお!?か、身体が大ぎぐなって来た!!」ムクムクムク…
アスカ「大ぎぐな~れ、大ぎぐな~れ、大ぎぐな~れ」ブンブン
アスカ「やった!成功したじゃ!」
シンジ「アスガ様…おら…」
アスカ「スンズ!あんだぁあだしの婿さなってけらい!///」
シンジ「ええっ!!///」
そこに冬月が現れ、
大きくなったシンジを見て驚きました。
冬月「なに騒いでだ?」
冬月「じゃじゃじゃ!スンズすっかりおがってだじゃ!」
アスカ「お父様!あだしスンズば婿さしてぇ!」
冬月「なんじゃど!?」
アスカ「スンズば鬼退治したんだよ!そごいらのへっぽこ武士なんがより、よっぽど勇敢だじゃ!」
冬月「ふむ…そごまで語るんだば良いじゃろ」
アスカ「ありがどお父様!」
冬月「スンズ、アスガばよろすぐ頼む」
シンジ「え? あ、はい…///」
シンジ(こったに簡単で良いのだベが?)
シンジとアスカは夫婦になり、シンジは晴れて武士になりました、
村に置いてきたお爺さんとお婆さんには、
打ち出の小槌から出した小判を送りました。
こうしてみんな末長く幸せに暮らしたそうです。
どんどはれ
15: 2013/05/17(金) 22:36:54.87 ID:oBsXm//Io
NERV試写会場
シンジ「いきなりの結婚オチだったんだね、この話って」
アスカ「あんなのあり得ないわよ、わたしがすぐシンジに惚れちゃったみたいじゃない」
シンジ「でも…本当だったら、嬉しいな…」ボソッ
アスカ「ん?なんか言った?」
シンジ「えっ?な、なんでも無いよ!///」
ミサト「打ち出の小槌欲しいわ~」
リツコ「何に使うつもり?」
ミサト「お金に決まってるじゃな~い」
リツコ「紙幣は無理じゃない?番号有るし、硬貨なら行けるかもしれないわね」
ミサト「紙幣は無理か…偽造扱いされそうねぇ~」
マヤ「んふふ~」ニコニコ
リツコ「どうしたのマヤ?ご機嫌じゃない」
マヤ「だって神様役なんて、嬉しすぎるんですもの」ニコニコ
リツコ「良かったわね、私もやりたかったわ」
ミサト「くじ運無かったわね~」
16: 2013/05/17(金) 22:37:55.79 ID:oBsXm//Io
シンジ「ねぇアスカ…」
アスカ「な~に?」
シンジ「僕、あの役みたいになれるかな…」
アスカ「え?」
シンジ「アスカを守って生きて行きたいんだ…」
アスカ「シンジ…あんた何言ってるか自分で分かってる?」
シンジ「うん、分かってるよ…」
アスカ「………//」
マリ「ありゃ~」ニヤッ
マリ(姫~!イケイケ!)ブンブン
アスカ「!?」
アスカ(うっさいコネメガネ!向こう向いてろ!///)ブンブン
シンジ「アスカ……僕じゃダメかな?」
アスカ「あ、あんたバカぁ?生意気ね!あんたなんかにあたしを守る事が出来るわけ無いでしょーが!///」フンッ
シンジ「そ、そうか…そうだよね…ははっ」
アスカ「一生よ?あたしと一生暮らして行く度胸あるの?ず~っと罵倒されたり馬鹿にされたり蹴られたりすんのよ?」
アスカ「あんたにその覚悟が有るわけぇ!?」ビシッ!
シンジ「有るよ!!てかもう慣れたもんだよ!!ダメなんだよ!!アスカじゃないとダメなんだ!!///」
アスカ「うー…///」ジワッ
17: 2013/05/17(金) 22:39:43.77 ID:oBsXm//Io
ミサト「あらあら…大変な事になってるわね…」
加持「やるなぁシンジ君、アスカが圧されてるじゃないか」
アスカ「なによ…バカシンジのクセに…」ポロポロ
シンジ「なに泣いてんだよ…?」
アスカ「うるさいわね…バカシンジ…」ゴシゴシ
マリ「姫~、覚悟決めるのは姫じゃないかにゃ~」ニヤニヤ
アスカ「あんたまでうっさい!バカメガネ!」
シンジ「もう一度、はっきり言うよ…アスカ…」ジッ…
アスカ「…///」ドキッ
シンジ「アスカが好きだ、僕と生涯生きて行って欲しい…」
アスカ「うぅ~……///」ポロポロ
ミサト(アスカ!がんばりなさい!)
マリ(イケイケ~!)
シンジ「アスカ!!」
アスカ「ひゃい!?」ビクッ!
マリ(ぶっふ、声が裏返ってる)プルプル
シンジ「……」ジィー…
アスカ「ッタ…///」ボソッ
シンジ「え?」
アスカ「わかったって言ってるの!!///」
シンジ「そ、それじゃあ…」パァ
アスカ「これからずっと、今まで以上にコキ使ってやるんだから!///」
シンジ「わかったよ」ニコッ
アスカ「た、大切にしなさいよね…///」
シンジ「うん、大切にする」ニコニコ
18: 2013/05/17(金) 22:41:04.04 ID:oBsXm//Io
マリ「やったああああ!!」パンッ!!
ミサト「ブラボー!!」パンッ!!
アスカ「な、なによあんたたち!?」
マリ「このこの~ニクいね~」ウリウリ
アスカ「バカ、やめてよね!///」
リツコ「お似合いのカップルじゃない」フフッ
加持「良かったじゃないかシンジ君」
シンジ「はい、ありがとうございます///」
レイ「ぽかぽかしないけど…敢えておめでとうと言わせてもらうわ…」
アスカ「エコヒイキ…」
レイ「ただし、碇くんを不幸にしたら…」
アスカ「したら…?」
レイ「七代先まで祟るから…」
アスカ「うっ…わ、わかったわよ…(目がマジだわ…)」
カヲル(シンジ君の選択した未来…これで良いんだね)
カヲル(ならば僕のするべき事は一つだ…)スッ…
ゲンドウ「これから四年後、シンジが十八歳になり次第挙式を取り行う」クイッ
冬月「碇…」
ゲンドウ「これは決定事項だ、変更は許されない」
シンジ「と、父さん…」
ゲンドウ「早く孫の顔を見たいものだ…」ニヤッ
アスカ「///」カァ
マヤ「あら?渚くんが居ないわね…」
青葉「どこ行ったんだろう?」
日向「………」
ミサト「………」
リツコ「………」
19: 2013/05/17(金) 22:43:29.25 ID:oBsXm//Io
数日後
キール「タブリス…いきなり私を呼び出すとは何事だ?」
キール「他のメンバーとの連絡も途絶えている、何が起きてる?」
カヲル「彼らには氏んでもらったよ…」
キール「な、ば、馬鹿な?有り得ん…」
カヲル「後はあなただけだキール・ローレンツ、リリンの未来…シンジ君の未来の為に氏んでもらいますよ」ニコッ
キール「その為にホログラムでは無く、生身の私に近づいたのか…」
カヲル「そうだね、あなたを道連れに僕も消えようと思ってるのでね」
キール「お前は、それで良いのか…?」
カヲル「愚問ですよ…」ニヤッ
カヲル(シンジ君…幸せになりなよ…)キュィィィィィィ…
20: 2013/05/17(金) 22:45:07.51 ID:oBsXm//Io
NERV本部
冬月「委員会の老人達が何者かに暗殺されたそうだが…」
ゲンドウ「ああ…」
冬月「しかも一夜にしてだ、議長に到っては建物ごと消し飛んだらしいぞ…」
ゲンドウ「ああ…」
冬月「貴様、何か知っているのか?」
ゲンドウ「いや…知らんな…」
ミサトのオフィス
リツコ「恐らく…フィフスチルドレンの仕業ね…」
ミサト「やはりね…」
リツコ「あなた気付いてたんでしょ?あの子が最後の使徒だって…」
ミサト「ええ…色々調べさせてもらったわ…」
リツコ「食えない女ね…」フフッ
ミサト「あんたもね」クスッ
ミサト「しっかし、人類の滅亡を救ったのが使徒だったなんて、皮肉よね~」
リツコ「そうね…」
ミサト「いずれにしても、ネルフは解体よね?」
リツコ「そうなるでしょうね…」
ミサト「あたし達どうなっちゃうのかしら?」
リツコ「さぁね…」
ミサト「フィフスチルドレンの事……あの子達には言わない方が良いわね…」
その後ネルフは解体され、多くの職員は解雇された。
しかし主要職員だけは残り、ネルフの一部の施設を使い、
映画会社を設立、高度なCGを使いこなすハイレベルな映画を世界中に配信、
かなりの興行収入を得るまでに成長した。
エヴァンゲリオンはネルフ内で有料で観覧可能とし、連日大盛況である。
ゲンドウ「問題ない…」ニヤリ
21: 2013/05/17(金) 22:46:46.04 ID:oBsXm//Io
時に2019年
シンジ「早くしないと遅れちゃうよ!」
アスカ「ああん、待ってよシンジ!」
ミサト「あなた達!早く車に乗りなさい!」
シンジ「す、すみませんミサトさん!」
アスカ「ごめ~んミサト!」
ブロロロロ…
シンジ「家から着てくなんて言うから遅くなるんだよ!」
アスカ「なによ!いいじゃない!いち早く拝めたんだから!」
シンジ「ま、まあ…それはそうだけど…」
アスカ「どうよ?」
シンジ「凄く綺麗だと思います…///」
アスカ「よし!許す!」
ミサト「うふふ…かわいいわね~あなた達」
ミサト「さぁ着いたわよ!」
キキィ~! バタン!
ミサト「ほら早く!みんな待ってるわ!」
シンジ「行こうアスカ!」
アスカ「うん!」
22: 2013/05/17(金) 22:47:12.00 ID:oBsXm//Io
ガチャッ…ギィィィ…
ミサトにエスコートされ、
バージンロードを進むアスカは、
天使の様に美しかった。
マヤ「アスカ…綺麗…」
日向「シンジ君も見違える程凛々しいな」
青葉「こりゃ凄いな…」
マリ「うう…生きて姫の花嫁姿見れるなんて…あたしゃ幸せだよ~」ダクダク…
レイ「あなた…婆さんみたい…」
マリ「うるさいにゃ!」
ゲンドウ「………」ダクダクダクダク…
冬月「碇…涙を拭かんか」ソッ
ゲンドウ「すみません…冬月先生…」チーン! ズビビビビビ!
冬月「」
トウジ「あの二人がな~」
ケンスケ「なるべくしてなった、イヤ~んな感じ~」
ヒカリ「アスカ…ホントに良かったね…」ウルウル
トウジ「おい、始まるで…」
23: 2013/05/17(金) 22:48:15.03 ID:oBsXm//Io
司祭「碇シンジ、あなたは式波・アスカ・ラングレーを妻とすることを望みますか?」
シンジ「はい、望みます!」
司祭「順境にあっても逆境にあっても、病気の時も健康の時も、
夫として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか?」
シンジ「はい、誓います!」
司祭「式波・アスカ・ラングレー、あなたは碇シンジを夫とすることを望みますか?」
アスカ「はい、望みます」
司祭「順境にあっても逆境にあっても、病気の時も健康の時も、
妻として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか?」
アスカ「はい、誓います」
司祭「私は、二人の結婚が成立したことを宣言いたします、
二人が今私たち一同の前でかわされた誓約を神が固めてくださり、
祝福で満たしてくださいますように…」
24: 2013/05/17(金) 22:50:21.40 ID:oBsXm//Io
司祭「それでは指輪の交換を」
シンジ(夢みたいだよ…)スッ…
アスカ(これで永遠の愛を…)スッ…
司祭「ベールをめくり誓いのキスを」
チュッ…
カラ~ン コロ~ン カラ~ン コロ~ン
ミサト「おめでとう」
レイ「おめでとう」
マリ「おめでとにゃ」
リツコ「おめでとう」
加持「おめでとう」
ヒカリ「おめでとう」
ケンスケ「めでたいな」
トウジ「おめでとさん」
ペンペン「クエッ」
日向「おめでとう」
青葉「おめでとう」
マヤ「おめでとう」
冬月「おめでとう」
ゲンドウ「おめでとう」ダクダク
ユイ『おめでとう』
シンジ「ありがとう」
アスカ「ありがとう」
父に、ありがとう 母に、さようなら
そして、全ての人々に ありがとう
カヲル「おめでとう…シンジ君♪」
エヴァ昔話シリーズ 完
25: 2013/05/17(金) 22:51:26.66 ID:oBsXm//Io
以上で終了となります、長い間お付き合い頂きありがとうございました。
29: 2013/05/18(土) 11:23:20.44 ID:+Wb2v+K6o
今までありがとう
乙
乙
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