1: 2008/04/23(水) 19:05:48.48 ID:4PYJHFdc0
長門「……」
猫「にゃあ」
長門「……ひとり?」
猫「にゃあ」
長門「……廃棄予定?」
猫「にゃあ」
長門「……延命作業。うちに来ると良い」
猫「にゃあ」
猫「にゃあ」
長門「……ひとり?」
猫「にゃあ」
長門「……廃棄予定?」
猫「にゃあ」
長門「……延命作業。うちに来ると良い」
猫「にゃあ」
3: 2008/04/23(水) 19:07:33.47 ID:4PYJHFdc0
長門「あなたの名前を決めないといけない」
猫「にゃあ」
長門「……にゃあ」
猫「にゃあ!」
長門「把握した。あなたの名前は『にゃあ』にする」
猫「にゃあにゃあ」
長門「私の名前は有希」
猫「にゃあ?」
長門「無理して覚えなくても良い」
猫「にゃあ」
猫「にゃあ」
長門「……にゃあ」
猫「にゃあ!」
長門「把握した。あなたの名前は『にゃあ』にする」
猫「にゃあにゃあ」
長門「私の名前は有希」
猫「にゃあ?」
長門「無理して覚えなくても良い」
猫「にゃあ」
6: 2008/04/23(水) 19:09:20.26 ID:4PYJHFdc0
猫「……にゃあ」
長門「何」
猫「…………にゃあ」
長門「……お腹が減ったの?」
猫「……にゃあ」
長門「把握した。ミルクを再構成する。飲んで」
猫「にゃあ! にゃあにゃあ!」(ぺろぺろ)
長門「美味しい?」
猫「にゃあ」
長門「何」
猫「…………にゃあ」
長門「……お腹が減ったの?」
猫「……にゃあ」
長門「把握した。ミルクを再構成する。飲んで」
猫「にゃあ! にゃあにゃあ!」(ぺろぺろ)
長門「美味しい?」
猫「にゃあ」
9: 2008/04/23(水) 19:12:19.52 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「あれ? 有希、なんか猫の匂いするわね」
長門「猫の匂いとは」
ハルヒ「こう生物って感じの匂いがするわね」
長門「そう」
ハルヒ「猫、飼ってるの?」
長門「拾った」
ハルヒ「へえ、そうなの。名前は?」
長門「にゃあ」
長門「猫の匂いとは」
ハルヒ「こう生物って感じの匂いがするわね」
長門「そう」
ハルヒ「猫、飼ってるの?」
長門「拾った」
ハルヒ「へえ、そうなの。名前は?」
長門「にゃあ」
11: 2008/04/23(水) 19:14:11.24 ID:4PYJHFdc0
長門「涼宮ハルヒにもっとちゃんしとした名前を付けてやれと言われた」
猫「にゃあ?」
長門「けれど、私にはちゃんとした名前の定義が分からない」
猫「にゃあ……」
長門「私がちゃんとした名前の定義を理解するまで、あなたの名前は『にゃあ』のままで良い?」
猫「にゃあ!」
長門「そう」
猫「にゃあ?」
長門「けれど、私にはちゃんとした名前の定義が分からない」
猫「にゃあ……」
長門「私がちゃんとした名前の定義を理解するまで、あなたの名前は『にゃあ』のままで良い?」
猫「にゃあ!」
長門「そう」
17: 2008/04/23(水) 19:16:53.62 ID:4PYJHFdc0
キョン「おい長門、猫飼ったんだって?」
長門「そう」
キョン「そうかい。どんな猫なんだ?」
長門「黒猫」
キョン「ほお、今度うちのシャミセンと遊ばせてみないか?」
長門「……嫌」
キョン「え? 嫌、なのか? ……シャミセンは嫌いか?」
長門「にゃあは私だけのもの」
キョン「……そうかい。まさかお前からそんな言葉を聞くことになるとはな」
長門「?」
キョン「分かった。まあ、お前の気が向いたときで良い。きっと、シャミセンも喜んでくれるさ」
長門「そう」
キョン「そうかい。どんな猫なんだ?」
長門「黒猫」
キョン「ほお、今度うちのシャミセンと遊ばせてみないか?」
長門「……嫌」
キョン「え? 嫌、なのか? ……シャミセンは嫌いか?」
長門「にゃあは私だけのもの」
キョン「……そうかい。まさかお前からそんな言葉を聞くことになるとはな」
長門「?」
キョン「分かった。まあ、お前の気が向いたときで良い。きっと、シャミセンも喜んでくれるさ」
21: 2008/04/23(水) 19:19:05.93 ID:4PYJHFdc0
長門「……にゃあ」
猫「にゃあ?」
長門「あなたは、友達という存在を作りたいと思う?」
猫「にゃあ?」
長門「……あなたは他の猫と遊びたいと思う?」
猫「にゃあ……?」
長門「あなたの好きにして良い。あなたが遊びたいなら、私もそれで良い」
猫「……にゃあ!」
長門「……この手は何」
猫「にゃあ! にゃあ!」
長門「慰めているつもり?」
猫「にゃあ!」(ぺろぺろ)
長門「……くすぐったい」
猫「にゃあ?」
長門「あなたは、友達という存在を作りたいと思う?」
猫「にゃあ?」
長門「……あなたは他の猫と遊びたいと思う?」
猫「にゃあ……?」
長門「あなたの好きにして良い。あなたが遊びたいなら、私もそれで良い」
猫「……にゃあ!」
長門「……この手は何」
猫「にゃあ! にゃあ!」
長門「慰めているつもり?」
猫「にゃあ!」(ぺろぺろ)
長門「……くすぐったい」
25: 2008/04/23(水) 19:21:30.15 ID:4PYJHFdc0
みくる「長門さん、猫飼ったんですねぇ」
長門「そう」
みくる「良いなあ。猫さんって、可愛いですよねぇ」
長門「そう」
みくる「ぽぴぽぴしてて、くにゃくにゃしてて、へにょんってしてるんですよねぇ」
長門「それは同意しかねる」
みくる「今度、猫さん見せてくださいね」
長門「…………」
長門「そう」
みくる「良いなあ。猫さんって、可愛いですよねぇ」
長門「そう」
みくる「ぽぴぽぴしてて、くにゃくにゃしてて、へにょんってしてるんですよねぇ」
長門「それは同意しかねる」
みくる「今度、猫さん見せてくださいね」
長門「…………」
27: 2008/04/23(水) 19:23:27.42 ID:4PYJHFdc0
長門「独り占めはよくない」
猫「にゃあ?」
長門「あなたを独り占めするのは止めることにする」
猫「にゃあ」
長門「この感情は有機生命体が独占欲と称しているもの」
猫「にゃあ」
長門「あまり好ましい感情ではない」
猫「……にゃあ?」
長門「今度の土曜日、SOS団の活動にあなたを連れて行こうと思う」
猫「にゃあ?」
長門「……許可を」
猫「にゃあ!」
猫「にゃあ?」
長門「あなたを独り占めするのは止めることにする」
猫「にゃあ」
長門「この感情は有機生命体が独占欲と称しているもの」
猫「にゃあ」
長門「あまり好ましい感情ではない」
猫「……にゃあ?」
長門「今度の土曜日、SOS団の活動にあなたを連れて行こうと思う」
猫「にゃあ?」
長門「……許可を」
猫「にゃあ!」
30: 2008/04/23(水) 19:26:47.36 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「へえ、これが有希ん家の猫なのね。可愛いじゃない」
古泉「確かに、とても高貴な雰囲気漂う猫ですね」
みくる「ぽぴぽぴですねぇ」
猫「にゃあ」
キョン「良かったのか、連れて来て」
長門「構わない」
キョン「そうかい。……可愛い猫だな」
長門「あなたの家の猫が見ても、そう感じると思う?」
キョン「さあ、どうだろうな」
長門「……この間の誘いは、まだ有効?」
キョン「この間のって、……ああ、シャミセンに会わせるってやつか?」
長門「そう」
キョン「勿論だ。何なら、この後でも良い」
長門「……ありがとう」
古泉「確かに、とても高貴な雰囲気漂う猫ですね」
みくる「ぽぴぽぴですねぇ」
猫「にゃあ」
キョン「良かったのか、連れて来て」
長門「構わない」
キョン「そうかい。……可愛い猫だな」
長門「あなたの家の猫が見ても、そう感じると思う?」
キョン「さあ、どうだろうな」
長門「……この間の誘いは、まだ有効?」
キョン「この間のって、……ああ、シャミセンに会わせるってやつか?」
長門「そう」
キョン「勿論だ。何なら、この後でも良い」
長門「……ありがとう」
31: 2008/04/23(水) 19:29:32.36 ID:4PYJHFdc0
古泉「名前は何と仰るんですか?」
長門「にゃあ」
古泉「にゃあ、ですか」
ハルヒ「だから、もっとちゃんとした名前を……」
キョン「ハルヒ。良いだろ、別に。にゃあ、だってちゃんとした名前だ」
ハルヒ「ま、まあ、キョンがそういうなら良いけど! ほら、にゃあ、こっちおいで」
みくる「にゃあ、ですかぁ。くにゃくにゃですねぇ」
猫「にゃあ!」
長門「参考までに聞いておきたい。もしも、あなたならどんな名前を付けるの?」
ハルヒ「そりゃあ、勿論キョ……って何言わせるのよ!」
長門「そう」
長門「にゃあ」
古泉「にゃあ、ですか」
ハルヒ「だから、もっとちゃんとした名前を……」
キョン「ハルヒ。良いだろ、別に。にゃあ、だってちゃんとした名前だ」
ハルヒ「ま、まあ、キョンがそういうなら良いけど! ほら、にゃあ、こっちおいで」
みくる「にゃあ、ですかぁ。くにゃくにゃですねぇ」
猫「にゃあ!」
長門「参考までに聞いておきたい。もしも、あなたならどんな名前を付けるの?」
ハルヒ「そりゃあ、勿論キョ……って何言わせるのよ!」
長門「そう」
35: 2008/04/23(水) 19:32:36.39 ID:4PYJHFdc0
猫「にゃあ」
ハルヒ「でも、これ本当に捨て猫なのかしら」
みくる「どういうことですかぁ?」
ハルヒ「例えば、親とはぐれただけとか……」
キョン「長門、どこで見つけたんだ?」
長門「公園のブランコの下で雨宿りをしていた」
古泉「それは、捨てられているか否か微妙な状況ですね」
ハルヒ「……ま、まあ、でも、首輪もしてないしね! それに、もし親猫とはぐれただけなら、迎えに来るわよ!」
長門「……そう」
猫「にゃあ?」
ハルヒ「でも、これ本当に捨て猫なのかしら」
みくる「どういうことですかぁ?」
ハルヒ「例えば、親とはぐれただけとか……」
キョン「長門、どこで見つけたんだ?」
長門「公園のブランコの下で雨宿りをしていた」
古泉「それは、捨てられているか否か微妙な状況ですね」
ハルヒ「……ま、まあ、でも、首輪もしてないしね! それに、もし親猫とはぐれただけなら、迎えに来るわよ!」
長門「……そう」
猫「にゃあ?」
37: 2008/04/23(水) 19:35:09.31 ID:4PYJHFdc0
長門「……花を摘みに行ってくる」
ハルヒ「私、余計なこと言っちゃったかしら」
みくる「長門さん、心なしかしょんぼりしてますねぇ……」
古泉「しかし、涼宮さんの仰るとおりです。この猫が捨て猫か否かは分かりません」
猫「にゃあ?」
キョン「……どうしたもんかねぇ」
ハルヒ「私、余計なこと言っちゃったかしら」
みくる「長門さん、心なしかしょんぼりしてますねぇ……」
古泉「しかし、涼宮さんの仰るとおりです。この猫が捨て猫か否かは分かりません」
猫「にゃあ?」
キョン「……どうしたもんかねぇ」
39: 2008/04/23(水) 19:38:48.99 ID:4PYJHFdc0
キョン「それじゃあ、そろそろ二次会だな。シャミセンとにゃあの対面式だ」
古泉「よっ、待ってました」
みくる「えへへぇ、猫さんが二人揃うって可愛いですねぇ」
長門「……そう」
ハルヒ「あら、有希、何そのデジカメ」
長門「撮る」
古泉「はは、長門さん、すっかり親馬鹿ですね」
長門「親馬鹿とは」
古泉「子供を思うあまり馬鹿になる、ということですよ」
長門「……にゃあは、私の子供ではない」
古泉「よっ、待ってました」
みくる「えへへぇ、猫さんが二人揃うって可愛いですねぇ」
長門「……そう」
ハルヒ「あら、有希、何そのデジカメ」
長門「撮る」
古泉「はは、長門さん、すっかり親馬鹿ですね」
長門「親馬鹿とは」
古泉「子供を思うあまり馬鹿になる、ということですよ」
長門「……にゃあは、私の子供ではない」
43: 2008/04/23(水) 19:43:29.91 ID:4PYJHFdc0
シャミセン「……」(じーっ)
猫「にゃあにゃあ!」
シャミセン「しゃー!」
猫「にゃあ!」
ハルヒ「中々、仲良しじゃない」
みくる「可愛いですねぇ。ほわほわしましゅ」
キョン「長門」
長門「何」
キョン「さっきの話だが……」
長門「さっき、というと?」
キョン「古泉と喋ってただろ。親馬鹿がどうたらこうたらとか、私の子供じゃないとか」
長門「……」
キョン「なればいいじゃないか。お前がにゃあの親に」
長門「……私が?」
キョン「そうだ。すればいいだろ、にゃあをお前の子供に」
長門「……それは出来ない」
キョン「どうしてだ」
長門「実の親でない私でさえ、にゃあと離れたことを考えただけでエラーが発生しそうになる。
……きっと、にゃあの実の親である猫の苦しさは計り知れない程のもの。
私には、出来ない。もしも親猫が見つかったならば、そのときはすぐに返却する」
キョン「……そうかい」
猫「にゃあにゃあ!」
シャミセン「しゃー!」
猫「にゃあ!」
ハルヒ「中々、仲良しじゃない」
みくる「可愛いですねぇ。ほわほわしましゅ」
キョン「長門」
長門「何」
キョン「さっきの話だが……」
長門「さっき、というと?」
キョン「古泉と喋ってただろ。親馬鹿がどうたらこうたらとか、私の子供じゃないとか」
長門「……」
キョン「なればいいじゃないか。お前がにゃあの親に」
長門「……私が?」
キョン「そうだ。すればいいだろ、にゃあをお前の子供に」
長門「……それは出来ない」
キョン「どうしてだ」
長門「実の親でない私でさえ、にゃあと離れたことを考えただけでエラーが発生しそうになる。
……きっと、にゃあの実の親である猫の苦しさは計り知れない程のもの。
私には、出来ない。もしも親猫が見つかったならば、そのときはすぐに返却する」
キョン「……そうかい」
45: 2008/04/23(水) 19:47:40.73 ID:4PYJHFdc0
キョン「それじゃ、今日はこの辺にするか」
ハルヒ「そうね。もうそろそろ暗くなるし。じゃあね、シャミセン」
みくる「また会いたいなぁ」
猫「にゃあ」
古泉「いやぁ、僕も猫が飼いたくなりました」
シャミセン「にゃー」
長門「それでは、また」
キョン「ああ、またな」
みくる「ほわほわしましたぁ」
ハルヒ「みくるちゃんは、いつでもほわほわしてる気がするけどね」
みくる「ふえ? ど、どういう意味ですかあ?」
古泉「そのままの意味だと思いますが」
猫「にゃあ」
ハルヒ「ほら、にゃあもそう思うって言ってるわよ! ね、有希もそう思うわよね!」
長門「否定はしない」
みくる「酷いですよぅ!」
猫「にゃあ!」
ハルヒ「そうね。もうそろそろ暗くなるし。じゃあね、シャミセン」
みくる「また会いたいなぁ」
猫「にゃあ」
古泉「いやぁ、僕も猫が飼いたくなりました」
シャミセン「にゃー」
長門「それでは、また」
キョン「ああ、またな」
みくる「ほわほわしましたぁ」
ハルヒ「みくるちゃんは、いつでもほわほわしてる気がするけどね」
みくる「ふえ? ど、どういう意味ですかあ?」
古泉「そのままの意味だと思いますが」
猫「にゃあ」
ハルヒ「ほら、にゃあもそう思うって言ってるわよ! ね、有希もそう思うわよね!」
長門「否定はしない」
みくる「酷いですよぅ!」
猫「にゃあ!」
46: 2008/04/23(水) 19:49:54.33 ID:4PYJHFdc0
長門「今日は騒がしい一日だった」
猫「にゃあ」
長門「とても、楽しかった」
猫「にゃあ!」
長門「……けれど、一つだけ気になる点がある」
猫「……にゃあ?」
長門「あなたは捨て猫? それとも、親猫からはぐれただけ?」
猫「……にゃあ」
長門「もしも、後者ならば、あなたの親猫を探さなければならない」
猫「……にゃあ」
長門「明日から、捜索活動を開始する」
猫「にゃあ」
長門「とても、楽しかった」
猫「にゃあ!」
長門「……けれど、一つだけ気になる点がある」
猫「……にゃあ?」
長門「あなたは捨て猫? それとも、親猫からはぐれただけ?」
猫「……にゃあ」
長門「もしも、後者ならば、あなたの親猫を探さなければならない」
猫「……にゃあ」
長門「明日から、捜索活動を開始する」
47: 2008/04/23(水) 19:52:06.98 ID:4PYJHFdc0
長門「まずは公園から」
猫「にゃあ」
長門「ブランコの下には何も無い」
猫「にゃあ」
長門「シーソーの下にも何も無い」
猫「にゃあ」
長門「草むらにも何も無い」
猫「にゃ……」(びくっ)
長門「何」
犬「わんわん!」
猫「にゃあ……」(ふるふる)
長門「犬が、怖いの?」
猫「にゃあ」
長門「大丈夫。私が守る」
猫「にゃあ?」
犬「わん」
長門「わん!」
猫「!」
長門「もう、大丈夫」
猫「にゃあ!」
猫「にゃあ」
長門「ブランコの下には何も無い」
猫「にゃあ」
長門「シーソーの下にも何も無い」
猫「にゃあ」
長門「草むらにも何も無い」
猫「にゃ……」(びくっ)
長門「何」
犬「わんわん!」
猫「にゃあ……」(ふるふる)
長門「犬が、怖いの?」
猫「にゃあ」
長門「大丈夫。私が守る」
猫「にゃあ?」
犬「わん」
長門「わん!」
猫「!」
長門「もう、大丈夫」
猫「にゃあ!」
49: 2008/04/23(水) 19:56:16.08 ID:4PYJHFdc0
長門「公園内部は全て探したけれど見つからなかった」
猫「にゃあ」
ハルヒ「あら、有希じゃない。何やってんの?」
猫「にゃあにゃあ!」
ハルヒ「はいはい、こんにちは。あんた、本当に可愛いわねぇ」
長門「親猫の捜索活動」
ハルヒ「……親猫ってこの子の?」
長門「そう」
ハルヒ「一人で?」
長門「そう」
ハルヒ「……分かったわ。SOS団全員で探しましょう!」
長門「そこまでしてもらっては迷惑になる」
ハルヒ「何言ってんの! にゃあは可愛いから全然迷惑じゃないわよ!
それに、いつまでも親猫探すのも疲れるでしょう?
SOS団全員で一週間探して、それでも親猫らしきものと遭遇しなかったら、
にゃあは完全に有希のにゃあ!」
長門「……それでいいの?」
ハルヒ「私は別に良いわよ。それとも、誰か咎める人が居るの?」
長門「……」
ハルヒ「それじゃ決まりね! 皆には私から言っておくから!」
猫「にゃあ」
ハルヒ「あら、有希じゃない。何やってんの?」
猫「にゃあにゃあ!」
ハルヒ「はいはい、こんにちは。あんた、本当に可愛いわねぇ」
長門「親猫の捜索活動」
ハルヒ「……親猫ってこの子の?」
長門「そう」
ハルヒ「一人で?」
長門「そう」
ハルヒ「……分かったわ。SOS団全員で探しましょう!」
長門「そこまでしてもらっては迷惑になる」
ハルヒ「何言ってんの! にゃあは可愛いから全然迷惑じゃないわよ!
それに、いつまでも親猫探すのも疲れるでしょう?
SOS団全員で一週間探して、それでも親猫らしきものと遭遇しなかったら、
にゃあは完全に有希のにゃあ!」
長門「……それでいいの?」
ハルヒ「私は別に良いわよ。それとも、誰か咎める人が居るの?」
長門「……」
ハルヒ「それじゃ決まりね! 皆には私から言っておくから!」
53: 2008/04/23(水) 19:59:42.63 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「……というわけで、今日から一週間はにゃあの親猫捜索活動期間とします。
誰か異議のある人は居る!?」
みくる「良いですよぅ」
古泉「大変良い考えかと」
キョン「そうだな」
ハルヒ「それじゃ、皆、手を抜かずに探しなさいよ!」
古泉「と、涼宮さんは仰いましたが、少し気が引けますね」
キョン「まあな。……だが、手を抜いて探すようなことは絶対するなよ。
そんなことしても、長門にはバレバレだろうからな」
古泉「はは、そんなことしませんよ。後が怖そうだ」
みくる「…………」
誰か異議のある人は居る!?」
みくる「良いですよぅ」
古泉「大変良い考えかと」
キョン「そうだな」
ハルヒ「それじゃ、皆、手を抜かずに探しなさいよ!」
古泉「と、涼宮さんは仰いましたが、少し気が引けますね」
キョン「まあな。……だが、手を抜いて探すようなことは絶対するなよ。
そんなことしても、長門にはバレバレだろうからな」
古泉「はは、そんなことしませんよ。後が怖そうだ」
みくる「…………」
56: 2008/04/23(水) 20:04:15.03 ID:4PYJHFdc0
長門「あなたの親猫を探そうと皆頑張っている」
猫「にゃあ」
長門「……本当のことを言うと、私は頑張ることが出来ない」
猫「にゃあ?」
長門「彼には偉そうなことを言ったけれど、……いざとなると、出来ないかもしれない」
猫「……にゃあ」
長門「あなたを親猫に返却など、出来ないかもしれない」
猫「……にゃあ」
長門「あなたの親猫が見つからなければ良いとさえ思っている」
猫「……にゃあ」(ぺろぺろ)
長門「……あなたは優しい子」
猫「にゃあ」
長門「もう弱音は吐かない」
猫「にゃあ?」
長門「あなたの親猫を全力で捜索する。
そうしないと、もし、あなたの親猫が見つからなかったとして、
私があなたの親になることなど出来ない」
猫「にゃあ?」
長門「親という存在は子供の幸せの為に頑張るように出来ている」
猫「にゃあ……」
長門「私もあなたの幸せの為に頑張ろうと思う。自分の幸せを投げ打ってでも」
猫「にゃあ」
猫「にゃあ」
長門「……本当のことを言うと、私は頑張ることが出来ない」
猫「にゃあ?」
長門「彼には偉そうなことを言ったけれど、……いざとなると、出来ないかもしれない」
猫「……にゃあ」
長門「あなたを親猫に返却など、出来ないかもしれない」
猫「……にゃあ」
長門「あなたの親猫が見つからなければ良いとさえ思っている」
猫「……にゃあ」(ぺろぺろ)
長門「……あなたは優しい子」
猫「にゃあ」
長門「もう弱音は吐かない」
猫「にゃあ?」
長門「あなたの親猫を全力で捜索する。
そうしないと、もし、あなたの親猫が見つからなかったとして、
私があなたの親になることなど出来ない」
猫「にゃあ?」
長門「親という存在は子供の幸せの為に頑張るように出来ている」
猫「にゃあ……」
長門「私もあなたの幸せの為に頑張ろうと思う。自分の幸せを投げ打ってでも」
猫「にゃあ」
58: 2008/04/23(水) 20:09:56.10 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「で、今日の捜索結果は?」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私も」
みくる「…………」
ハルヒ「ん? みくるちゃんはどうだったの?」
みくる「……私も、何も……」
ハルヒ「そ。捜索活動三日目、進展無しね。それじゃ、今日は解散。皆、お疲れ様」
古泉「にゃあ氏の状態はどうですか?」
長門「極めて良好」
古泉「そうですか。あの……にゃあ氏にこれを……」
長門「……これは何」
古泉「鼠です。不二家からパクってきました」
長門「そう」
キョン「……ネタが古すぎやしないか」
古泉「そうですか? いま、機関内では空前のブームですよ」
みくる「…………」
古泉「朝比奈さん、どうかされたんですか? 元気が無いようですが」
みくる「ふえ? い、いえっ! そんなことは全く!」
キョン「無理はしないで下さいね」
みくる「あ、ありがとう。でも、大丈夫です……えへへ」
長門「……」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私も」
みくる「…………」
ハルヒ「ん? みくるちゃんはどうだったの?」
みくる「……私も、何も……」
ハルヒ「そ。捜索活動三日目、進展無しね。それじゃ、今日は解散。皆、お疲れ様」
古泉「にゃあ氏の状態はどうですか?」
長門「極めて良好」
古泉「そうですか。あの……にゃあ氏にこれを……」
長門「……これは何」
古泉「鼠です。不二家からパクってきました」
長門「そう」
キョン「……ネタが古すぎやしないか」
古泉「そうですか? いま、機関内では空前のブームですよ」
みくる「…………」
古泉「朝比奈さん、どうかされたんですか? 元気が無いようですが」
みくる「ふえ? い、いえっ! そんなことは全く!」
キョン「無理はしないで下さいね」
みくる「あ、ありがとう。でも、大丈夫です……えへへ」
長門「……」
61: 2008/04/23(水) 20:12:56.88 ID:4PYJHFdc0
長門「餞別」
猫「にゃあ?」
長門「古泉一樹からの」
猫「にゃあ?」
長門「食べて」
猫「にゃあ!」(ふるふる)
長門「不可能?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。……やはり、キャットフードが一番?」
猫「にゃあ」
長門「それでは、この鼠は不二家に返品することにする」
猫「にゃあ」
長門「……撫でてもいい?」
猫「にゃあ!」
長門「……ふさふさ」
猫「にゃあ」(ごろごろ)
長門「喉が鳴っている。気持ち良い?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。私も、あなたを撫でていると心地よく感じる」
猫「にゃあ」
長門「……眠くなってきた。おやすみ」
猫「にゃあ」
猫「にゃあ?」
長門「古泉一樹からの」
猫「にゃあ?」
長門「食べて」
猫「にゃあ!」(ふるふる)
長門「不可能?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。……やはり、キャットフードが一番?」
猫「にゃあ」
長門「それでは、この鼠は不二家に返品することにする」
猫「にゃあ」
長門「……撫でてもいい?」
猫「にゃあ!」
長門「……ふさふさ」
猫「にゃあ」(ごろごろ)
長門「喉が鳴っている。気持ち良い?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。私も、あなたを撫でていると心地よく感じる」
猫「にゃあ」
長門「……眠くなってきた。おやすみ」
猫「にゃあ」
62: 2008/04/23(水) 20:20:06.96 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「それじゃ、今日の報告は?」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私も」
みくる「…………私もです」
ハルヒ「そ。捜索活動四日目、進展無しね。それじゃ、解散!」
長門「……」
長門「一日が長い」
キョン「ん?」
長門「正確には、捜索活動の結果を聞くまでの期間が長い」
キョン「……そうかい」
長門「こんなことは初めて」
キョン「あの無限ループの夏だって、お前は平気だったのにな」
長門「……どうして?」
キョン「ど、どうしてって聞かれても困るが。……それだけお前が人間らしくなったってことだろ」
長門「人間らしく」
キョン「そうだ。俺がもし長門と同じ立場だったら、お前と同じようになると思うぞ」
長門「体温を覚えておこうと努力する?」
キョン「ああ、毎日抱きながら眠るだろうな」
長門「いつもより多く餌を与えてしまったり」
キョン「するさ。極力優しくしてやろうとするだろうよ」
長門「……涙腺が崩壊しそうになる?」
キョン「なる。大丈夫だ、お前は何もおかしくない」
長門「そう」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私も」
みくる「…………私もです」
ハルヒ「そ。捜索活動四日目、進展無しね。それじゃ、解散!」
長門「……」
長門「一日が長い」
キョン「ん?」
長門「正確には、捜索活動の結果を聞くまでの期間が長い」
キョン「……そうかい」
長門「こんなことは初めて」
キョン「あの無限ループの夏だって、お前は平気だったのにな」
長門「……どうして?」
キョン「ど、どうしてって聞かれても困るが。……それだけお前が人間らしくなったってことだろ」
長門「人間らしく」
キョン「そうだ。俺がもし長門と同じ立場だったら、お前と同じようになると思うぞ」
長門「体温を覚えておこうと努力する?」
キョン「ああ、毎日抱きながら眠るだろうな」
長門「いつもより多く餌を与えてしまったり」
キョン「するさ。極力優しくしてやろうとするだろうよ」
長門「……涙腺が崩壊しそうになる?」
キョン「なる。大丈夫だ、お前は何もおかしくない」
長門「そう」
63: 2008/04/23(水) 20:22:03.16 ID:4PYJHFdc0
長門「……にゃあ」
猫「にゃあ」
長門「覚悟を決めようと思う」
猫「にゃあ?」
長門「あなたを手放す覚悟」
猫「にゃあ……?」
長門「さようなら。短い間だったけれど、楽しかった」
猫「にゃあ?」
長門「……最後の思い出に、一緒に寝ても良い?」
猫「にゃあ!」
猫「にゃあ」
長門「覚悟を決めようと思う」
猫「にゃあ?」
長門「あなたを手放す覚悟」
猫「にゃあ……?」
長門「さようなら。短い間だったけれど、楽しかった」
猫「にゃあ?」
長門「……最後の思い出に、一緒に寝ても良い?」
猫「にゃあ!」
64: 2008/04/23(水) 20:25:31.22 ID:4PYJHFdc0
ハルヒ「それじゃ、今日の報告は?」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私はある」
ハルヒ「え、それ本当なの!?」
長門「正確に言うと、私ではない。
……朝比奈みくる。あなたは何らかの情報を手に入れている筈」
みくる「っ!」
ハルヒ「そうなの? みくるちゃん」
みくる「あ……あの……」
ハルヒ「正直に言いなさい」
みくる「……ごめんなさい。本当は捜索活動をする前から……」
古泉「心当たりがあったのですか?」
みくる「……ごめんなさい」
ハルヒ「……それで、そこは何処なの?」
みくる「私の家の近くにある公園です」
古泉「収穫無しです」
キョン「俺もだ」
長門「……私はある」
ハルヒ「え、それ本当なの!?」
長門「正確に言うと、私ではない。
……朝比奈みくる。あなたは何らかの情報を手に入れている筈」
みくる「っ!」
ハルヒ「そうなの? みくるちゃん」
みくる「あ……あの……」
ハルヒ「正直に言いなさい」
みくる「……ごめんなさい。本当は捜索活動をする前から……」
古泉「心当たりがあったのですか?」
みくる「……ごめんなさい」
ハルヒ「……それで、そこは何処なの?」
みくる「私の家の近くにある公園です」
65: 2008/04/23(水) 20:30:39.97 ID:4PYJHFdc0
みくる「その公園には、一匹のおっきな黒猫さんと、三匹のちっちゃな黒猫さんが居て……。
私は、時々、ミルクをあげたりしてたんです。
でも、ある日、ちっちゃな黒猫さんが二匹になってて……」
ハルヒ「それがにゃあってこと?」
みくる「最初は全然、イコールで結びつきもしませんでした。
でも、捜索活動をはじめるって聞いて、それで思い出して……」
長門「その公園に案内して」
みくる「きょ、今日ですか?」
長門「今日。今からにゃあを連れて来る。少し待っていて」
私は、時々、ミルクをあげたりしてたんです。
でも、ある日、ちっちゃな黒猫さんが二匹になってて……」
ハルヒ「それがにゃあってこと?」
みくる「最初は全然、イコールで結びつきもしませんでした。
でも、捜索活動をはじめるって聞いて、それで思い出して……」
長門「その公園に案内して」
みくる「きょ、今日ですか?」
長門「今日。今からにゃあを連れて来る。少し待っていて」
66: 2008/04/23(水) 20:34:53.62 ID:4PYJHFdc0
猫「にゃあ……」
ハルヒ「ここが、その公園ね」
みくる「……はい。そこのドラム官の中に……」
古泉「猫が居るんですね」
みくる「うん。……あの……」
長門「行ってくる」
ハルヒ「え、一人で大丈夫なの?」
キョン「一人で行かせてやれ」
長門「……確かに居る」
猫「にゃあ」
長門「あなたの家族?」
猫「にゃあ」
長門「そう。それじゃあ、さようなら」
猫「にゃあ!」(がしっ)
長門「何?」
猫「にゃあ」(ぶんぶん)
長門「離して」
猫「にゃあ!」
長門「…………」
ハルヒ「ここが、その公園ね」
みくる「……はい。そこのドラム官の中に……」
古泉「猫が居るんですね」
みくる「うん。……あの……」
長門「行ってくる」
ハルヒ「え、一人で大丈夫なの?」
キョン「一人で行かせてやれ」
長門「……確かに居る」
猫「にゃあ」
長門「あなたの家族?」
猫「にゃあ」
長門「そう。それじゃあ、さようなら」
猫「にゃあ!」(がしっ)
長門「何?」
猫「にゃあ」(ぶんぶん)
長門「離して」
猫「にゃあ!」
長門「…………」
67: 2008/04/23(水) 20:39:22.97 ID:4PYJHFdc0
長門「駄目。あなたは行かないといけない。
あなたは私と一緒に居るべきではない」
猫「にゃあ!」(ぶんぶん)
長門「大丈夫。あなたの親があなたを犬から守ってくれる。私が居なくても大丈夫」
猫「にゃあ!」(ぶんぶん)
長門「餌だって、あなたの親が与えてくれる。私が居なくても大丈夫」
猫「にゃあ!」
長門「どうして?」
猫「にゃあ」
長門「……遊びに来る」
猫「にゃあ?」
長門「あなたの家族にも挨拶がしたい」
猫「にゃあ」
長門「今までと接する時間が少し短くなるだけ」
猫「にゃあ……」
長門「あなたを守る人が変わるだけ」
猫「にゃあ……」
長門「大丈夫。あなたのことを忘れたりはしない」
猫「にゃあ!」
長門「あなたも、私のことを忘れないで居てくれる?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。……それじゃあ、また」
猫「にゃあ!」
長門「…………」
あなたは私と一緒に居るべきではない」
猫「にゃあ!」(ぶんぶん)
長門「大丈夫。あなたの親があなたを犬から守ってくれる。私が居なくても大丈夫」
猫「にゃあ!」(ぶんぶん)
長門「餌だって、あなたの親が与えてくれる。私が居なくても大丈夫」
猫「にゃあ!」
長門「どうして?」
猫「にゃあ」
長門「……遊びに来る」
猫「にゃあ?」
長門「あなたの家族にも挨拶がしたい」
猫「にゃあ」
長門「今までと接する時間が少し短くなるだけ」
猫「にゃあ……」
長門「あなたを守る人が変わるだけ」
猫「にゃあ……」
長門「大丈夫。あなたのことを忘れたりはしない」
猫「にゃあ!」
長門「あなたも、私のことを忘れないで居てくれる?」
猫「にゃあ!」
長門「そう。……それじゃあ、また」
猫「にゃあ!」
長門「…………」
69: 2008/04/23(水) 20:41:43.28 ID:4PYJHFdc0
それからというもの、ちょくちょく公園で長門さんを見かけます。
そんなときの長門さんは、柔軟材みたいにほわほわした表情です。
おしまい。
そんなときの長門さんは、柔軟材みたいにほわほわした表情です。
おしまい。
71: 2008/04/23(水) 20:44:34.71 ID:bpiGgzP9O
なんだろう…この胸がきゅんとなる感じは…
とりあえずいちおつ!!
とりあえずいちおつ!!
75: 2008/04/23(水) 20:57:03.55 ID:XViYZK1i0
乙
中々良かった
中々良かった
引用元: 長門が猫を拾ったようです。
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