1: 2011/11/11(金) 02:04:24.83 ID:9243HvHYo
・律梓です
2: 2011/11/11(金) 02:04:56.62 ID:9243HvHYo
「はんぺん!」
テレビ「今日は秋晴れの一日となるでしょう」
律「最近寒くなってきたなぁ」
梓「……」ポケー
律「おい梓、早く食べないと遅刻するぞ」
梓「ふぁい……いただきます」
律「ん、めしあがれ」
梓「」ハムハム
梓「?」
梓「~~!」ガジガジ
梓「このはんぺん固い」
律「それはテーブル拭きだ寝坊助」
梓「はじまり!」
3: 2011/11/11(金) 02:05:36.25 ID:9243HvHYo
「こがらし!」
ビュオオオ…
律「うひぃー、木枯らしだ」
梓「くしゅんっ」
律「おいおい、風邪か?」
梓「何か急に冷え込んできました」
律「そんな格好で来るからだ。てか、外寒いから留守番してろって言ったろ」
梓「だって一緒に買い物行きたかったんだもん」
律「それで風邪引いてちゃしょうがないだろ」
梓「大丈夫ですよ……くしゅんっ」
律「……」
梓「……」ズズ
律「……」ハァ
4: 2011/11/11(金) 02:06:02.64 ID:9243HvHYo
律「ほら、これ着てな」
梓「あっ……」
律「長袖一枚でいるよりマシだろ」
梓「でも律先輩が」
律「私はどこかの怠け者と違って普段鍛えてるから大丈夫だ」
梓「ありがとうございます……一言余計ですけど」
律「じゃ、暗くなる前に急ごうぜ」
梓「はーい」
5: 2011/11/11(金) 02:06:32.20 ID:9243HvHYo
ビュウウウウッ
律「へっ……くちっ」
梓「……」
律「……」
梓「」プッ
律「笑うなっ!」
梓「ご、ごめんなさい。すごく可愛いくしゃみだったから」
律「うるさ……くしゅっ」
梓「……」
律「……」
梓「ぷっ、くくっ……」
律(くっ……こんにゃろ)
6: 2011/11/11(金) 02:06:59.20 ID:9243HvHYo
梓「返しましょうかこれ」
律「いやいい」ズズ
梓「でも律先輩が風邪引いちゃう」
律「大丈夫だって」
梓「ばかは風邪引かないって迷信なんですよ」
律「何が言いたい」
梓「だから返しますって」
律「いい!」
梓「いじっぱり」
律「うっせ」
8: 2011/11/11(金) 02:07:57.85 ID:9243HvHYo
ビュウウウ…
梓「」ギュウ
律「……」
梓「ね、暖かいでしょう」
律「うん、まあ」
梓「私もです。あったかあったか」
律「……」
梓「律先輩?」
律「へっ」
梓「顔赤いけど大丈夫ですか?」
律「さ、寒さにやられたのっ」プイッ
梓「ふぅん」
律(可愛いんだよちくしょう)
9: 2011/11/11(金) 02:08:37.76 ID:9243HvHYo
「のどかな!」
梓「おはよー」ゴシゴシ
律「もうお昼だし」
梓「連休に早起きする方がおかしいです」
律「悪かったな……あ、そうだ」
梓「ねっくれすー」ズシッ
律「ちょっ! やめろっておまっ!」
梓「? 何で慌ててるんですか?」
律「い、いいから離れろばかっ」
梓「いつものことじゃないですか」
律「そういう問題じゃねーって」アセアセ
梓「やだ。絶対離れてやんない」ギュウウウ
律「あ、あずさー!」
10: 2011/11/11(金) 02:10:02.36 ID:9243HvHYo
和「あらあら、朝から仲が良いわね」
梓「!?」
律「……」
和「トイレありがとね。セパレート式なんて、いいとこ住んでるじゃない」
梓「」
律「だから言ったろ」
梓「」
和「あ、私には構わないで続けて」
律「続けられっか!」
11: 2011/11/11(金) 02:10:42.37 ID:9243HvHYo
梓「あ、あのぉ……」
律「今朝こっちに帰ってきたんだとさ」
和「唯とは昼から会う約束してるんだけど。ちょっと時間が空いちゃったからお邪魔しようかと思って」
梓「……」
和「ごめんね、二人の時間に水を差しちゃって」
律「余計なお世話だ」
梓「の、和先輩」
和「何?」
梓「見なかったことに……してください」
和「んーどうしよっかな」
梓「お願いします!」
和「冗談よ。今見たことは誰にも話さないし、忘れてあげる」
梓「ほっ」
律「たくっ……」
和「その前に私、ツイッターでつぶやくね」
律「つぶやかんでいい!」
12: 2011/11/11(金) 02:11:23.07 ID:9243HvHYo
「きねんび!」
バイト帰り
唯「あ、りっちゃん」
律「どした?」
唯「私、憂と買い物あるからここで」
律「ん、了解」
唯「りっちゃん隊員お疲れであります!」ビシッ
律「うむ、唯隊員もご苦労であったぞ」
13: 2011/11/11(金) 02:12:15.45 ID:9243HvHYo
ビュウウ
律(う~~最近冷えるなぁ)
律(今日もお疲れさんっと……おっ、梓からメール)
律(なになに……だい、し、きゅう帰ってきてくださいビックリマーク四こぉ!?)
律「一体何があったんだ!? 火事? 泥棒? さわちゃん襲来??」アワワワ
律「いやいやいや、慌ててる場合じゃないだろ私……落ち着け、深呼吸」
律「……」スーハー
律「よし、待ってろ梓! 今すぐ行ってやるからな!!」
子供「あのおねえちゃん、どうしてさわいでるの?」
母親「しっ、指さしちゃだめ!」
14: 2011/11/11(金) 02:12:58.55 ID:9243HvHYo
タッタッタッタッタッ
律「ぜぇ……はぁ……」
ガチャッ
律「あずさぁ! 大丈夫か!?」
パーン!
律「ひぃ、銃声……って、クラッカー?」
梓「律先輩おかえりなさい」ニコニコ
律「あずさ……さん?」
梓「ケーキ買ってきたんですよ、一緒に食べましょう」
律「……」ゼェゼェ
梓「律先輩?」
律「大至急ってのは何だよ」
梓「一刻も早く帰ってきてほしかったんで……大げさでした?」
律(オバマもびっくりのレベルだよ)
15: 2011/11/11(金) 02:13:24.77 ID:9243HvHYo
律「それで、今日って何かあったっけ」
梓「今日は大事な記念日じゃないですか!!」ズイッ
律「ひっ」
梓「忘れちゃったんですか……?」ウルウル
律「いや覚えてる! 覚えてるから!」
梓「じゃあ何の日?」
律「え、えっとぉ……」
梓「」ジー
律「ま、待ってろ今思い出すから!」
梓「覚えてないじゃないですか」
16: 2011/11/11(金) 02:14:21.47 ID:9243HvHYo
律(うぅん、私の誕生日でもなし、梓の誕生日はまだだし)
律(付き合い始めた日はもう少し先)
律(うぅ……分からん)
律「ぎ、ぎぶあっぷ!」
梓「やっぱり忘れたんですね」
律「ごめんなさい」
梓「ひどいです! こんな大切な日を……」
律「面目ない」
17: 2011/11/11(金) 02:14:59.48 ID:9243HvHYo
律「それで、何の日だっけ」
梓「今日はですね」ニヘラ
律「うんうん」
梓「私と律先輩が初めて手をつないだ日です!」
律「……」
律「……」
律「はい?」
梓「学校帰り、二人きりで良い雰囲気になってそのまま……」ポッ
律「」
梓「まだ付き合ってない頃で、私も律先輩も照れちゃって」キャッ
律「」
梓「懐かしいなぁ、あのときはウブだったんですねお互い」
律「」
律(く、く、く)
律(くっだらねぇ~~~)ヘナヘナ
梓「律先輩っ?」
18: 2011/11/11(金) 02:15:25.93 ID:9243HvHYo
梓「♪」モグモグ
律「……」パクッ
梓「ふぅ、美味しかったです。あれ、律先輩食べるの遅い」
律「ほっといてくれ」
律(色々あって疲れてんだよ)
梓「いちご食べないんですか? なら代わりに私が……」
律「食べるよ!」
19: 2011/11/11(金) 02:16:15.20 ID:9243HvHYo
「あいさい!」
いつも頑張る律先輩に、お弁当を作ってあげました!
カッチコッチ カッチコッチ
梓(そろそろ帰ってくる時間だ)
梓(ふっふ、今日のお弁当は上手くできてよかった)
梓(と言っても、卵焼きとウインナーにおにぎりだけだけど)
梓(でも、そのおにぎりに一工夫加えたんだ)
梓(律先輩、どんな反応するだろう)ワクワク
20: 2011/11/11(金) 02:16:41.61 ID:9243HvHYo
ガチャッ
律「ただいまー」
梓「お帰りなさーい」トテトテ
律「はぁー、今日は疲れたよ。唯の奴がヘマしてさ」
梓「お疲れさまです」
律「よいしょっと、休憩」
梓「……」
律「ん?」
梓「……」ワクワク
律「どうした、そんなに目輝かせて」
梓「なんでもないですよ」
律「んー?」
21: 2011/11/11(金) 02:17:08.14 ID:9243HvHYo
律「そうだ、お弁当ありがとな。すっごく美味しかった」
梓「ほんとですかっ?」
律「ウインナーも卵焼きも美味しかったぞ。唯に少し食べられちゃったけど」
梓「わぁ、作ったかいがあります」
律「ところで、おにぎりの形だけど」
梓「!!」
律「あれは一体どういう意図なんだ?」
梓「はい、律先輩への気持ちを形にしてみました」ポッ
律「? よく分からないけど嬉しいぞ」ナデナデ
梓「えへへ」
22: 2011/11/11(金) 02:17:59.14 ID:9243HvHYo
律「それにしても、桃型のおにぎりなんて珍しいな」
梓「はい?」
律「あ、それとも尻型か? 下品だぞっ……なーんて」
梓「」
律「あずさ?」
梓「この鈍感!!!」
パシィィィン
律「な、何だよいきなり」シュウシュウ
梓「うるさい!」
やっぱり律先輩は鈍いです。
23: 2011/11/11(金) 02:18:46.84 ID:9243HvHYo
「おもいで!」
教授「で、あるからにして……それはつまり」
憂「……」カキカキ
純「zzz」
梓「……」
梓(うぅ、何だか頭が痛いよぉ)
教授「なるほど……ということであり……であり……である、ということはないのだが」
梓(何でこの教室こんなに暑いんだろう)
教授「しかし……とは一般的に見て間違っているが、私としては」
梓(体がふらふらする……もう限界)
梓「」クテー
憂「?」
憂「梓ちゃん、大丈夫?」
梓「うん、少し熱っぽいだけだから」
憂「授業抜ける?」
梓「いや、もうちょっとだから何とか頑張る」
純「zzz」
24: 2011/11/11(金) 02:19:14.54 ID:9243HvHYo
純「く~~よく寝た~!」
憂「純ちゃん、ちゃんと授業聞かないとダメだよ」
純「だってあの教授の授業眠いんだもん。あれはきっと眠くなる呪文でも唱えてるに違いない」
梓「……」フラフラ
憂「梓ちゃん、大丈夫?」
純「何? 体調悪いの?」
梓「うん、少しだけど」
憂「授業中からずっと体調悪そうだったよね」
純「今日はもう帰って休んだら」
梓「でも、まだ授業が残ってるし」
純「か~、真面目だねえ」
憂「体壊したら元も子もないよ」
梓「……そうだね、今日はもう帰る」
純「ん。送ってこうか?」
梓「いや、一人で大丈夫」
憂「でも……」
梓「大丈夫だって、一人で帰るぐらいできるよ」
憂「うーん……」
25: 2011/11/11(金) 02:19:41.43 ID:9243HvHYo
梓「それじゃばいばい」
憂「お大事にね」
純「無理するなよ」
梓「……」
梓(二人にはああ言ったけど、正直大分きつい)
梓「……」フラフラ
梓(うー、やっぱり送ってもらえばよかったかなあ)
梓(ち、ちょっとあそこのベンチで休憩……)
梓「……」ヘナヘナ
26: 2011/11/11(金) 02:20:14.09 ID:9243HvHYo
「おーい、あずさ!」
梓「あ、こんにちは」
澪「おっす」
律「一人か?」
梓「はい、もう家に帰ろうかと……」
律「さぼり?」
澪「バカ、律じゃあるまいし」
律「失礼な!」
27: 2011/11/11(金) 02:20:39.90 ID:9243HvHYo
澪「それで、梓はどうしたんだ」
梓「……」
澪「何かあったのか?」
梓「その、何だか熱っぽくて」
律「へっ」
澪「風邪か?」
梓「はい、多分大したことないと思うんですけど」
澪「一人で大丈夫なのか?」
梓「……何とか」
律「……」
28: 2011/11/11(金) 02:21:06.05 ID:9243HvHYo
律「澪、私次の授業パス」
梓「へっ?」
澪「分かった、了解」
律「それじゃ梓、帰ろうか」グイッ
梓「ち、ちょっと律先輩?」
律「また明日な!」
澪「お大事に」
29: 2011/11/11(金) 02:21:34.30 ID:9243HvHYo
梓「だ、大丈夫だったんですか?」
律「……」
梓「律先輩ってば……あっ」フラッ
律「おっと」ガシッ
梓「ご、ごめんなさい」
律「……」
梓「え、えっと」
律「」ピタッ
梓「!?」
梓「ち、近いですよっ」
律「黙って」
梓「っ……」
30: 2011/11/11(金) 02:22:14.29 ID:9243HvHYo
律「んーこりゃ熱いな。いつからだ」
梓「ね、熱っぽいなって思ったのは昼過ぎぐらいからで」
律「ばか」
梓「なっ!」
律「すげー熱あんじゃん。こんなになるまで無理してどうすんだよ」
梓「それは……大丈夫かなって思って」
律「で、今になって一人で帰ろうとしたって訳か?」
梓「むっ、そうですよ!」
律「……ばか」
梓「う、うるさいですっ! だって純や憂に迷惑かけたくなかったから」
律「だったら私を頼ればいいだろ」
梓「……」
律「私じゃ頼りないか?」
梓「いえ、ただ心配かけたくなくて……」
律「どれだけ一緒に暮らしてるんだよ、水くさいっつーの」
梓「……ごめんなさい」
31: 2011/11/11(金) 02:22:57.07 ID:9243HvHYo
律「ほら、おんぶしてやるよ」
梓「へっ?」
律「もう大分きついんだろ? 早く」
梓「で、でも」
律「この時間帯は人通り少ないし、どうせ見られたところで何にもないだろ」
梓「……お願いします」
律「よっし、しっかり掴まれよ」
梓「……」
32: 2011/11/11(金) 02:23:29.42 ID:9243HvHYo
梓「律先輩」
律「うー、どしたー?」
梓「大丈夫ですか?」
律「ちときついな……梓太った?」
梓「……降ります!」
律「冗談だよ冗談」
梓「もうっ!」
33: 2011/11/11(金) 02:23:57.06 ID:9243HvHYo
梓「それにしても、律先輩におんぶしてもらうの久しぶり」
律「あれ、したことあったっけ?」
梓「覚えてないんですか?」
律「ごめっ、思い出せそうで思い出せない」
梓「ひどいです、大事な思い出なのに」
律「う~ん、どうも頭にひっかかって」
梓「高校のときの話ですよ」
律「んー?」
梓「唯先輩を背負った澪先輩を追いかけて……」
律「あー! 思い出した!」
34: 2011/11/11(金) 02:24:23.83 ID:9243HvHYo
律「そーだそーだ! 梓おぶって廊下走ってたら盛大にさわちゃんにぶつかったんだっけ!」
梓「それです、正解」
律「唯たちは逃げちゃったもんだから、二人してさわちゃんに怒られたんだよな確か」
梓「ふふ、そうでしたね」
律「『あなたたちは小学生か!』ってさわちゃんが鬼の形相を浮かべて」
梓「その後小一時間お説教もらいました」
律「懐かしー!」
梓「……」
35: 2011/11/11(金) 02:24:56.54 ID:9243HvHYo
梓(こうやって、思い出話ができるぐらい長い付き合いになりましたね)
律「梓、もうすぐ家に着くぞ」
梓「はーい」
律「帰ったらすぐに薬飲んで、寝るんだぞ」
梓「分かってますよ」
梓(いつかまた、何年かたって……)
梓(今日のことを思い出として話せるようになったらいいな)
梓「律せんぱーい」
律「んー?」
梓「……」
ずっと一緒にいてください。
36: 2011/11/11(金) 02:25:39.12 ID:9243HvHYo
「おんなじ!」
梓「ばっさーん!」
律「こら、せっかく畳んだのに崩れるだろ」
梓「ふかふかの洗濯物に突っ込むって気持ちいいじゃないですか」
律「そりゃ気持ちは分かるけどさ」
梓「くんくん……ああ、お日様の良い匂い」
梓「もしかして洗剤変えました?」
律「分かる? 液体タイプのにしてさ」
梓「はい、癒される匂いです」スー
律「暇なら手伝ってくれよ」
梓「はーい。でももう少しこうさせてください」
律「仕方ねえなあ」
37: 2011/11/11(金) 02:26:42.25 ID:9243HvHYo
きゃんぱす!
憂「それでね、ムギさん酔っぱらっちゃって」
純「あのムギ先輩がねぇ。想像できんわ」
憂「私千鳥足になるのが夢だったの~って大喜びで」
梓(寮って楽しそうだなあ)
梓(ううん、律先輩との共同生活だって楽しいもん!)
「あっずにゃ~ん!」ダキッ
梓「にゃあぁっ!?」
憂「お姉ちゃん!」
唯「えへへ~久々だねえ」
梓「おととい会ったばかりじゃないですかっ」
憂「ダメだよ、お姉ちゃん。めっ!」
唯「あうぅ~」
憂「梓ちゃん、人妻なんだからっ」
唯「はっ! そうだよね、りっちゃんに怒られちゃう」
純「憂、何か間違ってない?」
梓「納得してくれたならいいよ」
38: 2011/11/11(金) 02:27:16.68 ID:9243HvHYo
唯「は~、確かにりっちゃんとあずにゃんは夫婦だもんね!」
梓「そ、そんな風に言わないでください」
純「はぁ、お熱いねえ」
憂「仲良しさんだもんね」
梓「うぅ……」
唯「そっか、だから二人から同じ匂いがするんだ! 合点したよ!」
梓「はいっ!?」
純「ぶっ!」
憂「お、お姉ちゃん?!」
39: 2011/11/11(金) 02:27:54.43 ID:9243HvHYo
梓「い、いきなり何を言い出すんですか!」
唯「だって本当のことだもん」
憂「ま、まあ一緒に生活してるもんね。匂いが似てくるのはとうぜ……」
紬「唯ちゃん詳しく」
純「ぶっ!!!」
梓「き、急に出てこないでください!」
紬「たまたま通りがかったの~♪」
梓(本当にたまたまなんだろうか)
紬「それでそれでそれでお話の続きは?」
梓(ムギ先輩、すごく目が輝いてる……てか眉毛がすごい充実している)
40: 2011/11/11(金) 02:28:20.49 ID:9243HvHYo
唯「さっきの講義でりっちゃんと一緒だったんだけど」
紬「うんうん」
唯「朝のあいさつでりっちゃんに抱きついたんだ」
梓「今何て言いましたか?」ズイッ
唯「ひっ! だからりっちゃんに抱き……」
梓「律先輩に 抱 き つ い た ?」
唯「は、はい。その通りです」ガクガク
梓(許さない許さない帰ったら問い詰めてやる)ムカムカムカ
憂「あ、梓ちゃんが怖いよ」ブルブル
純「よしよし。梓は律先輩が絡むとこうなるからなあ」
紬「まあまあまあまあ」
唯「四回」
紬「それで?」
唯「うん、その時ほのかに匂った香りがさ」
唯「あずにゃんに抱きついたときにも匂ったんだ」
梓「!?」
紬「キマシタワー」
41: 2011/11/11(金) 02:29:03.58 ID:9243HvHYo
純「シャンプー、芳香剤……あるいは洗剤の香りだね」
憂「一緒に住んでるんだもん、当たり前だよ」
梓「///」
唯「あずにゃん顔真っ赤~」
梓「か、からかわないでください!」
憂「お姉ちゃん、めっだよ」
紬「あまりいじめたら可哀想よ」
純「まあ、よくある話じゃないですか」
唯「ぶー、そういうみんなだってさっきから顔がにやけっぱなしじゃん!」
憂「だって……」
純「そりゃ……」
紬「……ねぇ?」
一同「……」ニヤニヤ
梓「うぅ……」
42: 2011/11/11(金) 02:29:33.36 ID:9243HvHYo
じたく!
梓「……」
梓「りーつせんぱーい」ダキッ
律「わ、なんだよ急に」
梓「いいじゃないですか」ギュウ
律「今日は甘えたモードだな」
梓「えへへっ」
43: 2011/11/11(金) 02:29:59.69 ID:9243HvHYo
梓「……」スー
梓(律先輩、すごくいい匂い……)
梓(私とおんなじ匂いか)
梓「ふふっ」ニパー
律「どした、顔がにやけてるぞ」
梓「何でもないですよ♪」
律「ふぅん?」
44: 2011/11/11(金) 02:30:26.93 ID:9243HvHYo
梓「ところで律先輩」
律「んー」ナデナデ
梓「昼間、唯先輩に抱きつかれたそうですね」
律「」
律「……ど、どうしてそれを」
梓「本当の話だったんだ」
律「き、汚ねーぞ! カマかけたな!」
梓「詳しくお聞きしましょうか?」ニコニコ
律「……はい」
45: 2011/11/11(金) 02:31:15.96 ID:9243HvHYo
「ふたりは!」
帰り道
梓「」ジー
律「どうした、梓」
梓「このお家、素敵だなって」
律「素敵もなにも、豪邸じゃねえか」
梓「いつかこんな広い家に住みたいです」チラッ
律「私の稼ぎじゃきつそうだぞ」
梓「武道館ライブ開けるようなスターになれば、夢じゃないですよ」
律「そのスターになるってのが夢に近いんだよ」
梓「目指せ武道館って言ってたじゃないですか」
律「昔の話だ」
梓「諦めちゃったんですか?」
律「最近は、別にいいかなって思ってる」
梓「夢のない人です」
律「夢ならちゃんとあるよ」
梓「へぇ、どんな?」
律「……」
梓「……?」
律「教えてやんない」
梓「けちんぼ」
律「けちじゃないと、うちの家計はやってけないぞ」
梓「分かってます」ブー
46: 2011/11/11(金) 02:31:41.85 ID:9243HvHYo
梓「あっ」
律「うん?」
梓「……」クンクン
律「何してんだ」
梓「いえ、今一瞬冬のにおいがしたんで」
律「ああ、季節のにおいってあるよな」
梓「なんかこう、懐かしい気分になります」
47: 2011/11/11(金) 02:32:08.75 ID:9243HvHYo
梓「あ、見て律先輩。一番星」
律「へぇ、まだ五時前なのに」
梓「すっかり日が落ちるのが早くなりましたね」
律「冬がすぐそこにってか」
梓「もうすぐ今年も終わりです」
律「時間が経つのは早いなぁ」
梓「律先輩、年寄りくさい」プッ
律「うっせ」
48: 2011/11/11(金) 02:32:43.80 ID:9243HvHYo
イーシヤーキイモー
梓「ねー、おなかすいた」
律「もうすぐ晩飯だから我慢しろ」
梓「待てないです」グー
律「たくっ、仕方ねえの」
梓「わーい」
梓「♪」モグモグ
律「……」
梓「律先輩はいらなかったんですか?」
律「私はいいよ、最近太りぎみだから」
梓「ダイエットなんて必要ないのに」
律「乙女の悩みに口出すな」
梓「やせる時はそこからやせるんですよ」ジー
律「そことはどこのことかな?」
梓「余計な心配ですけど」
律「てめぇ」
49: 2011/11/11(金) 02:33:20.12 ID:9243HvHYo
梓「……」
『閉店しました』
律「ここの喫茶店、つぶれちゃったんだ」
梓「二人でよく行きましたよね」
律「朝のさんぽの後とかな」
梓「残念です、ここのあんこトースト好きだったのに」
律「場所が悪かったし、仕方ないよ」
梓「……」
律「……」
梓「知らないうちに、町はどんどん変わっていくんですね」
律「そうセンチになるなって」
梓「別になってませんよ」
律「あっそ」
50: 2011/11/11(金) 02:33:48.14 ID:9243HvHYo
梓「今日のご飯は何ですか?」
律「カレーにするつもりだけど」
梓「たい焼きがいいです」
律「やだよ。てか晩飯にたい焼きて」
梓「年に一度くらい、そういう日があってもいいじゃないですか」
律「一生に一度ぐらいならいいな」
梓「え~~」
51: 2011/11/11(金) 02:34:16.77 ID:9243HvHYo
ビュウウウ
梓「少し冷えてきましたね」
律「ん、そうだな」
梓「手つないでいいですか?」
律「ん」
梓「……」ギュッ
律「梓、強く握りすぎ」
梓「いいじゃないですか」
律「いてーし」
梓「不安を取り除くのは、恋人の義務です」
律「不安なのか?」
梓「あっ」
律「……」
梓「……」
律「不安なんだな」
梓「デリカシーのない人」
律「何それおいしいの?」
梓「ばか!」
52: 2011/11/11(金) 02:34:42.76 ID:9243HvHYo
梓「……」
律「……」
梓「唯先輩、今度桜ヶ丘に教育実習に行くんですね」
律「さわちゃんみたいな先生になるって意気込んでたよ」
梓「唯先輩が教師かぁ」
律「意外?」
梓「いえ、合ってると思いますよ」
律「だよな。あいつが教師なるって言い出したとき、なんかすごく納得しちゃった」
律「それ、いいんじゃないかって」
梓「……」
53: 2011/11/11(金) 02:35:10.55 ID:9243HvHYo
律「澪もそろそろ、就活の準備とか始めてるし」
梓「どこに行かれるんですか」
律「新聞記者になりたいとか言ってたぞ」
梓「なるほど、作詞の才能を生かして」
律「あの文体で記事書かかれたらたまらんけどな」
梓「くすっ」
律「ムギも、卒業したら海外行っちゃうらしいし」
梓「……そうなんですか」
律「留学するんだって。数年ほど」
梓「……」
律「……」
梓「みんな、離ればなれになっちゃうのかなぁ」
律「かもしれないな」
54: 2011/11/11(金) 02:36:14.56 ID:9243HvHYo
梓「……」
梓「律先輩は、進路どうするんです?」
律「私か?」
梓「まあ、まだ決めてないでしょうけど」
律「……」
梓「漠然としたものはありますよね。私はペットショップの店員に……」
律「公務員」
梓「へっ?」
律「だから、公務員」
梓「」
梓「」
律「そんな驚かなくても」
55: 2011/11/11(金) 02:37:31.84 ID:9243HvHYo
梓「い、いつ決めたんですかっ?」
律「ずっと前」
梓「聞いてませんよ!」
律「言ってないもん」
梓「言ってくださいよ!」
律「聞かれなかったもん」
梓「もうっ」
律「実は、ちょくちょく勉強してる」
梓「全然知りませんでした」
律「大学の図書館でやることのが多いからな」
梓「律先輩も、将来のこと考えてたんですね」
律「まあな」
56: 2011/11/11(金) 02:38:03.02 ID:9243HvHYo
梓「どうして公務員なんですか?」
律「安定してるし」
梓「それだけ?」
律「いや、社会のために働きたいってのもあるよ」
梓「……」
律「らしくないか?」
梓「律先輩ならもっとベンチャー立ち上げ! ……とか、そういうのかなって」
律「時代は安定志向ですよ、お嬢さん」
梓「それこそ、律先輩らしくないです」
律「まあな。昔の私なら安定しただけの生活なんて、真っ平ごめんだったろうな」
梓「……」
律「考えが変わったんだよ」
梓「律先輩の夢のため、ですか」
律「うん、そう」
57: 2011/11/11(金) 02:38:30.25 ID:9243HvHYo
梓「どんな夢なんですか」
律「教えない」
梓「どうしても?」
律「うん」
梓「いじわる!」
律「けっこうけっこうコケコーラ」
梓「夫婦の間で隠し事はなしです!」
律「お前食器棚の奥にあんまん隠してるだろ」
梓「うっ……」
律「うぷぷ」
梓「もう離婚です!」
律「そりゃ困るなぁ」
梓「それじゃ……」
律「教えない」
梓「むーー」
律「そのときが来たら、教えてやるよ」
梓「そのときっていつですか?」
律「さあ。来世とかじゃね」
梓「ばかっ」
58: 2011/11/11(金) 02:39:31.76 ID:9243HvHYo
律「そういうことだからさ、あんな豪邸には住めないと思う」
梓「……」
律「ただでさえ我慢させてるのに、ごめんな」
梓「別にいいです」
律「へっ?」
梓「私は、律先輩と一緒なら豪邸じゃなくてもいいですよ」
律「!」
梓「今のアパートで十分です」
律「……」
梓「律先輩?」
律「あ、うん。ありがと」
梓「なんでそっぽ向いてるんですか?」
律「べ、別に何でもないよ」アセアセ
梓「? 変な人」
律「……」
律(あぶね、一瞬ホ口リときた)グス
59: 2011/11/11(金) 02:39:58.85 ID:9243HvHYo
梓「もう真っ暗ですね」
律「すっかり遅くなっちゃったな」
梓「……あっ」
律「どした?」
梓「いえ、星空がきれいだなって」
律「本当だ、今日は空気も澄んでるな」
梓「雲一つない、秋の夜空です」
60: 2011/11/11(金) 02:40:25.68 ID:9243HvHYo
ジー
律「……」
梓「……」
律梓「……あっ!」
61: 2011/11/11(金) 02:40:53.12 ID:9243HvHYo
梓「今の、流れ星ですよね!」
律「うん、そうだったな」
梓「願い事、お願いしましたか?」
律「いや、一瞬だったし」
梓「もったいない」
律「別にいいよ」
梓「でも大丈夫、私がお願いしましたから!」
律「へぇ、なんて」
梓「律先輩の夢がかないますようにって」
律「!!」
62: 2011/11/11(金) 02:41:19.65 ID:9243HvHYo
律「そ、そういうのはな、自分の願いを、お願いするもんなんだよっ」
梓「私は別に、何もありませんし」
律「お前こそ夢を持てよ!」
梓「律先輩の夢が私の夢です」
律「……!」
律「そ、それじゃ意味ないの!」
梓「いいじゃないですか」キュッ
律「あほ!」
梓「照れてる、可愛い」クスッ
律「あずさぁ!」
63: 2011/11/11(金) 02:41:45.65 ID:9243HvHYo
律「もうさっさと帰るぞ!」
梓「はーい」
律「たくっ」ブツブツ
梓「……」
梓「流れ星さん、お願い聞いてくれるかなぁ」
律「ん?」
梓「律先輩の夢、かなうといいですね!」ニコニコ
律「……」
律(夢は自分でかなえるものだよ)
64: 2011/11/11(金) 02:42:11.63 ID:9243HvHYo
梓「あっ、夕焼けの歌です」
律「時報だな。もうみんな帰る時間だから」
梓「……」
律「……」
梓「夕やけこやけで日が暮れて~」
律「やーまのお寺の鐘がなる~」
65: 2011/11/11(金) 02:43:11.40 ID:9243HvHYo
私の夢は、随分ちっぽけだ。
昔は武道館ライブに行きたいって本気で思ってたけど、今はもう、その思いはそれほど強くない。
けど、それは諦めたとか身の丈に合わせたとかいう訳じゃない。
本当に叶えたい夢が見つかったんだ。
66: 2011/11/11(金) 02:43:38.23 ID:9243HvHYo
梓「おーててつないでみな帰ろ~」
裕福じゃなくてもいい。
少しぐらい貧しくても、安定した暮らしを送ってさ。
67: 2011/11/11(金) 02:44:05.48 ID:9243HvHYo
律「あずさと一緒に帰りましょ~」
梓「私はカラスじゃありません!」
律「確かに、カラスというより猫だな」
梓「猫でもないもん!」
律「いや、ちっちゃくてわがままな所とかそっくりだよ」
梓「む~~」
律「ほら、その機嫌の損ね方も」
梓「律先輩!」
律「はは、冗談だよ冗談」
梓「もうっ」
お前とずっと一緒にいたい。
お前を、幸せにしたいんだ。
68: 2011/11/11(金) 02:44:40.51 ID:9243HvHYo
「うっかり!」
ジュージュー
律「……」
律「チャーハンは焼き加減が命。フライパンでひっくり返すタイミングが重要」
律「精神を集中させて……」
律「……」
律「いま!」
サラッ カチャカチャッ カチャッ
律「よっし、上手くできたぞ!」
律「う~ん、絶好調! 何だかノってきた♪」
律「……ふんふんふ~ん」
69: 2011/11/11(金) 02:45:09.25 ID:9243HvHYo
律「聞いてアズサリーナ ちょっと言いにくいんだけど♪」
律「聞いてアズサリーナ 炒飯が上手くできたの♪」
律「聞いてくれてありがとアズサリーナ♪」
律「……なーんてな」
律「一人なんだから聞いてくれてるわけない……」
梓「聞いてましたよ」
律「」
70: 2011/11/11(金) 02:45:35.92 ID:9243HvHYo
律「あ、梓お前! いつ帰ってきたんだよ!」
梓「さっきです」
律「あの……聞いてた?」
梓「はい」
律「どこから?」
梓「ノってきた~のあたりからです」
律「……ほとんど最初からじゃねえか」
梓「ずいぶん可愛いことするんですね」
律「……忘れてくれ」
梓「忘れてあげませんよアズサリーナは」
律「」
律「にぎゃあああぁぁぁっ!!」
梓(可愛い人だなあ)
71: 2011/11/11(金) 02:46:34.44 ID:9243HvHYo
「あずたん!」
梓「今日はすごく楽しかったです」ニコニコ
律「ひぃ、ふぅ、なんで私が荷物全部持ってるんだ」
梓「私の誕生日なんだからいいじゃないですか」
律「まぁ、いいけどさ」
梓「気をつけてくださいよ、みんなからの大切なプレゼントが入ってるんですから」
律「わかってるよ」
梓「……」
律「ひーこら」
梓「」ギュッ
律「ちょ、腕組むなっ、重いっての!」
梓「誕生日ぐらいわがままさせてください」
律「誕生日ぐらい、だと」
梓「何が言いたいんですか?」ギュウウ
律「う、腕がちぎれるっ」
72: 2011/11/11(金) 02:47:12.82 ID:9243HvHYo
梓「はぁ、なんだか小腹が空いちゃいました。帰ったら何か食べましょう」
律「お前パーティで散々食べただろ」
梓「ケーキは別腹ですよ」
律「……」
梓「……」
律「どうしてケーキがあると知っている」
梓「作ってくれたんじゃないですか?」
律「……」
梓「……」
律「サプライズを狙ってたんだけど」
梓「律先輩の秘密なんてお見通しですよ」
律「ちぇっ」
73: 2011/11/11(金) 02:47:52.14 ID:9243HvHYo
律「みんな、いいものくれたな」
梓「はい! 猫のぬいぐるみに抱き枕にたい焼き型に……」
律「……」
梓「そうだ、今度たい焼きパーティーでもしましょう!」
律「あ、あのさ」
梓「ふっふ、楽しみだなぁ」ジュル
律「えっと、その」
梓「自分で作るなら珍しい中身のたい焼きにしたいなぁ。チーズとか生クリームとか……」
律「あずさ!」
梓「にゃっ!? き、急に大声出さないでくださいよ」
律「お前が悪い」プイッ
梓「何ですねるんですか」
律「うっせぇ」
74: 2011/11/11(金) 02:48:18.81 ID:9243HvHYo
律「……」
梓「……」
律「これ」
梓「へっ」
律「遅くなったけど」
梓「あの、これって誕生日プレゼントですか?」
律「ん、まあ」
梓「開けていい?」
律「どうぞ」
75: 2011/11/11(金) 02:49:05.97 ID:9243HvHYo
パカッ
梓「あっ」
律「……」
梓「わぁ~」
律「今更かもだけど、ペアリング」
梓「……」
律「その、みんなの前だと恥ずかしくてさ」
梓「」ギュッ
律「っ……?」
梓「嬉しいです……私、ずっと大事にします」ギュウウ
律「……」ポリポリ
76: 2011/11/11(金) 02:49:32.83 ID:9243HvHYo
梓「これ、つけてもらっていいですか?」
律「ん」
スッ
梓「……」
律「よかった、サイズ合ってて」
梓「えへへ」グスッ
律「な、なんで泣くんだよ」
梓「嬉しいときにだって、泣くことはあるんですよ」
律「そういうものか?」
梓「もう、律先輩は乙女心を分かっていません」
律「……私も一応乙女なんだけど」
梓「二十歳のくせに」
律「二十歳はまだ乙女だ!」
梓「三十路はすぐそこですよ」
律「一年しか離れてないやつが言うなぁ!」
77: 2011/11/11(金) 02:50:34.56 ID:9243HvHYo
梓「さあ、律先輩!」
律「?」
梓「……」ニヤー
律「な、なんだよ」
梓「そっちの指輪は私がつけてあげます!」
律「いぃ!? わ、私は後でいいよ」
梓「何でですか。お互いがつけてこそのペアリングなのに」
律「そうだけどさ!」
梓「照れてるなんて似合わないです」
律「うっせぇっ」
梓「観念してください」
律「く、くるな」
梓「確保です!!!」
律「いぎゃああぁぁっ!!」
梓(律先輩、大好き!)
78: 2011/11/11(金) 02:51:39.79 ID:9243HvHYo
・
・
・
よくじつ!
梓「二人とも、昨日はありがとね」
憂「そんな、気にしないで」
純「いいってことよ」
憂「ところで梓ちゃん、その指輪って……」
梓「ん? これ?」
純「ペアリングってやつですな。とうとう梓も……」
梓「う、うん。昨日もらって」
憂「誕生日プレゼントに指輪なんて、素敵だね」
梓「……//」
純「へぇ、気障なことをやる人だねぇ」
憂「律さんも付けてるの?」
梓「多分……朝はつけてた」
純「これで名実ともにカップルって訳だね。お熱いことで」
梓「う、うるさいっ///」
憂「梓ちゃん顔真っ赤だ」
純「ほんとだ、タコみたい」
梓「うぅ……ち、ちょっとトイレ行ってくる」
純「ごゆっくり」
79: 2011/11/11(金) 02:52:09.98 ID:9243HvHYo
純「ところで憂」
憂「なに?」
純「あれって左手につけたら結婚指輪になっちゃうよね」
憂「うん、そうだね」
純「教えてあげた方がいいのかな?」
憂「そう変わらないしいいんじゃないかな」
純「うーん」
憂「仲良しさんだしね」
純「……そういう問題かなぁ」
80: 2011/11/11(金) 02:53:02.17 ID:9243HvHYo
「おまけ!」
梓「起立ダイス! 起立ダイス!」
律「?」
梓「起立、ダイス!」
律「何だよ、サイコロがどうかしたのか?」
梓「む~~」
律「??」
梓「起立、ダイス、起立」
律「だからさっきから何を……」
梓「ダイス、起立!」
律「だいす、きり……あっ」
梓「えへへ」ベタベタ
律「ま、回りくどいわっ///」
梓「ばいばい!」
81: 2011/11/11(金) 02:53:28.77 ID:9243HvHYo
以上で終わります
あずにゃん誕生日おめでとう!!
あずにゃん誕生日おめでとう!!
82: 2011/11/11(金) 02:56:40.33 ID:VOEN5Ea0o
おつおつ
すげぇ良いカップルだな
お誕生日おめでとう!
すげぇ良いカップルだな
お誕生日おめでとう!
83: 2011/11/11(金) 04:19:26.28 ID:ow/V11gSO
面白かった乙
引用元: 梓「はんぺん?」律「短ぺん!」
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