2: 2022/02/06(日) 07:48:03.40 ID:Kv/bDsJr.net
※一部変えてはいますが、マイクなどの設定はヒプノシスマイクからの流用です

※一部キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません

※作中の設定はユルユルです。過去作との整合性とか考えていません

※この話における「スイス」はスイス連邦のことではありません。スイス連邦を誹謗中傷する意図はまったくありません

※ラップ部分は各自いい感じのリズムで読んでもらえると助かります

5: 2022/02/06(日) 07:53:51.07 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃(みなさん、私のことを覚えてますか?)

姫乃(藤黄学園のスクールアイドル、綾小路姫乃です)

姫乃(思い返せばアニメ虹ヶ咲、通称アニガサキ8話)

姫乃(スクフェスのモブでしかなかった私ですが、アニメキャラとしてお茶の間デビューを果たしました)

姫乃(9話では虹ヶ咲に試練を課す一方で朝香果林のファンという意外な一面も明らかになりましたね)

姫乃(そんな私にあるメールが届いたことからこの話は始まります)

6: 2022/02/06(日) 07:55:35.56 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃ちゃん!2月5日はなんの日かな?
そう、私エマ・ヴェルデの誕生日なのであります!
…っていわせないでよ!はずかしいっ!!

藤黄のライブとかないから姫乃ちゃんヒマだよね
果林ちゃんに姫乃ちゃんがくるって言ったから誕生日パーティーにきてほしいな
場所は私の部屋だよ
きてくれたらテンションマックスあげぽよだよ〜

姫乃ちゃんに会いたくて会いたくて震える
エマ・ヴェルデより

7: 2022/02/06(日) 07:57:21.47 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「…あいかわらず虫唾の走るメールですね」

姫乃「スイス個人に対しては誕生日を祝う義理などありませんが、果林さんの手前不参加というのはできませんからね…出てやりますよスイス」

姫乃「さて、スイスの部屋ということは虹ヶ咲の学生寮に迎えばいいのですが」

姫乃「…さすがに放っては置けませんね」

姫乃(なぜか虹ヶ咲の学生寮に向かっている私に気づかずに、これまたなぜか袋を抱えて道路の案内板を見ながらおろおろしているその人に声をかけなくてはならないでしょう)

8: 2022/02/06(日) 08:08:55.77 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「どうしたんですか?果林さん」

果林「へ?…あ、ああああああああ!!!」

果林「ひひひひひひひひ姫乃ちゃん!!?」

姫乃「その、何かお困りのようでしたのでお声をかけさせてもらいました」

果林「あ、そう…そんなに困ってるように見えたかしら?」

姫乃「はい、私でよければ相談していただけないかと」

9: 2022/02/06(日) 08:10:01.59 ID:Kv/bDsJr.net
果林「そんな、困ってることなんてないわよ」

姫乃「嘘です!あの顔は明らかに案内板を見て困っていました!」

姫乃「隠さずに話していただきたいです!」

果林「…どうしましょう」

果林「えっと、そう!温暖化!温暖化よ!」

姫乃「温暖化ですか?」

10: 2022/02/06(日) 08:12:01.09 ID:Kv/bDsJr.net
果林「そう、ほら…この案内だとこのあたりって車はよく通るのに植物って無さそうなのよ」

姫乃「はぁ…」

果林「やっぱりそうだと、よくないじゃない?温暖化って"あれ"でしょ?」

姫乃「あ、そうですよね。光合成がされないってことは温室効果ガスの二酸化炭素が…」

果林「そうなのよ!私としてはそこは声を大にして主張したいの」

姫乃「なるほど、果林さんらしいです」

12: 2022/02/06(日) 08:29:26.92 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃(その説については最近どうも疑問視されているようですが、果林さんは自然が豊かなところで育ったようなのでそこが気になるのでしょう)

果林「それで、姫乃ちゃんはこれからエマのところにいくのよね」

姫乃「はい、呼ばれてしまいましたので」

果林「一緒に行きましょうか。道はわかる?」

姫乃「果林さんと同じ寮ですよね。何回か行ったこともありますし、さすがにわかりますよ」

果林「ふう…よかったわ」

姫乃「果林さん?」

13: 2022/02/06(日) 08:30:27.05 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃(それから果林さんとおしゃべりしながら学生寮へ、夢のようなひとときです)

姫乃(学生寮の前に来るまでは、でしたが)

「あーー!ひ、め、の、ちゃーーーん!」

姫乃「この声は」

ドゴおおおおおおおっ

姫乃「げふっ…」

エマ「会いたかったよおおおお!!」

14: 2022/02/06(日) 08:40:26.28 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃(出会い頭に抱きつこうとしたのでしょう、しかしとっさのことで衝撃を逃し損ねました)

姫乃(あの体格のスイスが全速力で駆けてきた勢いそのままに抱きついてくる、その衝撃は…まるで)

姫乃(ギ ガ イ ン パ ク ト !)

姫乃「…きょ、今日も元気そうですね…スイス」

エマ「お、姫乃ちゃんどうしたの?元気なさそうだよ?ちゃんとご飯食べてる?」

姫乃「いえ、お構いなく」

エマ「あ!果林ちゃん、またふらふらとどっか行っちゃって心配したんだよ」

15: 2022/02/06(日) 08:54:00.18 ID:Kv/bDsJr.net
果林「ごめんなさいね。何か準備した方がいいような気がして、買い物に行ったんだけど」

エマ「いつもそうなんだから…」

果林「と、とりあえずエマの部屋に行きましょう」

姫乃(スイスの部屋の前に行くまで、スイスは果林さんになにやらぶつぶつ言っていました)

果林「やっと…たどりついたわ…」

エマ「今度からは無謀なおでかけはしないでね」

姫乃「あの、無謀なおでかけとは?」

16: 2022/02/06(日) 08:58:15.20 ID:Kv/bDsJr.net
果林「…いつか話せたら話すわ」

エマ「人気モデルは大変だね」

姫乃(スイスの部屋に入り、買ってきたものを並べて三人だけのパーティの準備は万端です)

果林「では…エマの誕生日を祝して、かんぱーい」

エマ「果林ちゃんオヤジくさいよー」

姫乃「ふふふ、果林さんったら」

姫乃(こうして始まった3人だけのパーティ、果林さんと私とスイス、穏やかな時間が流れていきます)

17: 2022/02/06(日) 09:12:49.56 ID:Kv/bDsJr.net
〜数時間後〜

エマ「んー!今日はいっぱいたのしかったよ」

姫乃「そうですね。スイス」

果林「本当にね」

エマ「…ねえ、姫乃ちゃん」

エマ「私ね、まだ一つだけ今日やりたいことやってないんだ」

18: 2022/02/06(日) 09:23:49.72 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「私はこのまま帰る準備はできてますよ」

エマ「姫乃ちゃんは嘘つきだね」

エマ「でも、それならそれでいいよ。姫乃ちゃんが帰ったら私と果林ちゃんの二人きりだもん」

エマ「…何でもできちゃうね」

姫乃「何…でも…」

エマ「おや、姫乃ちゃんには早かったかな?」

19: 2022/02/06(日) 09:25:30.08 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「そうでした。大事な用事を忘れていましたよ」

姫乃「明日の朝まであなたを再起不能にしておくという用事をね、スイス!!」ヒューン

エマ「そうこなくっちゃね!」ヒューン

果林「そうなるわよね…あなたちなら」

果林「さすがに部屋の中でいきなり始めるほどあなたたちも馬鹿じゃないわよね」

果林「やるならせめて外でしなさい」

エマ「そうだね、外に出よっか…」

姫乃「はい、受けて立ちますとも」

20: 2022/02/06(日) 09:27:57.44 ID:Kv/bDsJr.net
〜虹ヶ咲・学生寮前〜

エマ「懐かしいね、去年もこうしてバトルをしたっけ?」

姫乃「あれから1年ですか…まったく、あなたには手を焼かされますよ」

エマ「でも姫乃ちゃんだって楽しかったでしょ?心がワクワクしたでしょ?」

姫乃「そんな記憶はありませんね。あなたとのバトルはいつだって心の底からイライラしっぱなしでしたよ」

21: 2022/02/06(日) 09:36:50.03 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「本当に?私の覚えてる姫乃ちゃんはとっても楽しそうだったよ」

姫乃「……」

エマ「あ、別に正直になってくれなくてもいいか。だって、これから姫乃ちゃんは言い訳なんかできなくなっちゃうもん」

エマ「言い訳もできないくらい、楽しくなっちゃうんだもん」

エマ「うん、そう考えるとこんなやりとりは意味ないよね」

姫乃「憶測で語るのはやめてほしいですが、そうですね…」

姫乃「ゴチャゴチャと語るよりもさっさと消化してしまいましょう」

22: 2022/02/06(日) 09:38:11.29 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「用意はいい?」

姫乃「ええ、いきましょう!!!」


エマ「私と…」

姫乃「私の…」

エマ・姫乃「「ラップバトル!!」」


姫乃「誕生日ですからね、先は譲りますよ…スイスううううううう!!!!」

エマ「おっけええええ!」

23: 2022/02/06(日) 09:40:39.27 ID:Kv/bDsJr.net
【エマ】
今日は祝ってもらえてthank you
2年目突入のラップをハイshoot
楽しもうhere we go 明日は日曜
たとえ力尽きても心配無用

姫乃ちゃんには無い勝利のワンチャン
吠えるわんちゃんには首をじゃんじゃん
つけちゃえ地べたを這わしちゃえ
勝つのは当然私だね

24: 2022/02/06(日) 09:43:55.69 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「いっけえええええええ」

ジャララララララララ

姫乃「な、鎖?」

姫乃(現れた鎖は唸りながら私に襲いかかって…いえ、違います鎖の先にあるのは)


姫乃「首輪!?スイスがこんな手を!」

エマ「2年目だよ?爆発だけじゃ芸がないよね」

25: 2022/02/06(日) 09:45:55.83 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「くっ…」

姫乃(首輪はするりと私の首に巻きついて)

エマ「えーーーい!」

姫乃「うわあああっ!」

姫乃(スイスの掛け声とともに首輪についた鎖が引っ張られました)

ダアアアアアアン!

姫乃「ぐあっ!」

姫乃(多分どこかの壁なんでしょう、私の体は固い何かに打ち付けられました)

26: 2022/02/06(日) 09:49:37.47 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「楽しもう、と言ってませんでした?」

エマ「私は楽しいよー?」

姫乃「この部屋の方から苦情が無いことを祈りますよ」

エマ「大丈夫だよ。そこの子は明日まで用事があっていないから」

姫乃「………」

姫乃「ああそうですね…あなたはそんな人でした」

姫乃「だからこそ叩きのめしがいがあります!」

27: 2022/02/06(日) 11:18:40.16 ID:Kv/bDsJr.net
【姫乃】
首輪があろうと獅子は縛れない
ましてや燃える意志は砕けない
地べたでつかむ石、勝つための布石
這いずろうとも「はい」は譲らない

2年目だろうがやることは同じ
私のルールを曲げることなど無い
見るのは原点ぶれたら減点
首輪の鎖を引きちぎる宣言

28: 2022/02/06(日) 11:20:21.41 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「くおおおおっ!!」

バキッ!!

エマ「おおっ、引きちぎったか」

エマ「でも、それじゃ後手後手だよ?だって次は私の…ターンなんだからっ!」

29: 2022/02/06(日) 11:22:02.82 ID:Kv/bDsJr.net
【エマ】
さすがは私の認めるライバル
でも、変わらなきゃないよ次回作
この世界はまるでサバイバル
なんて気張る人も負けりゃ失敗作

鎖を切ってもまだあるよチョーカー
私はまだ手に持ってるよジョーカー
あがいても結局変わらない劣勢
ほらさっさと負けを認めて

30: 2022/02/06(日) 11:28:39.81 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「はい、ということで」

ジャラララ…

姫乃「え?」

ガシッ!!

姫乃「さっき切ったはずの鎖が、絡みついて….」

31: 2022/02/06(日) 11:31:19.67 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「引っ張るのは無理だけど、まだ使えるよ」

ギシッ、ギシッ

エマ「身動きとれないよね?」


姫乃「たしかに、ですがっ!」

姫乃「まだマイクに声が入る位置ならば…勝機はあります」

32: 2022/02/06(日) 11:32:49.93 ID:Kv/bDsJr.net
【姫乃】
あきれた物言いに閉口だ
ジョーカーに返すスペードの3
あの一年で磨いた刃
振り抜き切り抜ける時が今

負けを認めてとか、エマ・ヴェルデ
情けない言葉に反吐出るね
勝つのはいつだって打倒したものだ
情けなど切り捨て罵倒したものだ

33: 2022/02/06(日) 11:54:15.96 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「これが、私の戦いです!」

………

……………

バリーーン!

エマ「鎖を引きちぎったの?それでも」

ザクッ…

ザクッ…

エマ「何の音?…つっ!」

34: 2022/02/06(日) 11:59:48.78 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「ようやく気づいたみたいですね。自分の体をよく見てみなさいな」

エマ「体…って、なにこれ?づっ!?」

姫乃(ようやく、スイスも気づいてくれたようです…彼女自身の体に刻まれたおびただしい数の創傷に)

姫乃(マイクの性質上、あくまでもそう見えて痛みも感じるだけですが今のスイスの痛みたるや壮絶なものでしょう)

エマ「…切り傷!?鎖を引きちぎっただけで」

エマ「違うね…姫乃ちゃんは引きちぎったんじゃない」

エマ「なにを、したの?」

35: 2022/02/06(日) 12:01:56.56 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「切ったんですよ?私が何度もそうしてきたのと同じように」

姫乃「ついでにあなたも切ってしまったようですが」

エマ「あの状態から切ったってのはどういう仕掛けなのかな?」

姫乃「それを今言うと思いますか?まあ、バトルが終わったらいくらでも話してあげますよ」

姫乃「ですが、その前に切り裂きます!あなたが力尽きるまでね」

36: 2022/02/06(日) 12:03:32.81 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「そっか、姫乃ちゃんは一途だね」

エマ「一途で頑固でまっすぐで変わってない」

姫乃「それが私ですからね」


エマ「よし…もっと私も本気にならないとね」

エマ「この先の私たちのためにも…さ!」

37: 2022/02/06(日) 12:27:25.03 ID:Kv/bDsJr.net
【エマ】
切り裂くだけのあなたの流儀
風味を変えても命知らず
柔軟対応にはきかないよう
どんな内容も届かないよう

切るしかできないKILLしかない
対策されたら降りるしかない
用意も容易なカウンター
立てられてどう戦うんだー

38: 2022/02/06(日) 12:29:12.23 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「さーてと」

ガシャ、ガシャ、ガシャ

姫乃「切り裂いた鎖が、動いている…?」

ヒューーーン

姫乃「くっ!」

エマ「避けたね、でも」

39: 2022/02/06(日) 13:08:23.23 ID:Kv/bDsJr.net
ガシャ、ガシャ、ガシャ

ヒューン!ヒューン!

姫乃「そうか、さっき切った分…鎖が増えて」

エマ「そうだよ、切れば切るほど姫乃ちゃんが警戒しないといけないものが増える」

エマ「これからもっと切ってもいいけど、そうしたらどうなるかわかるよね」

40: 2022/02/06(日) 13:10:52.61 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「なるほど…了解しましたよ、スイス」

姫乃「今回のあなたの戦い方、私には対応しきれない。このままやればやるほど不利になっていく」

エマ「そう、だから勝ちたいなら姫乃ちゃんは早急に私を倒さないといけない」

エマ「できるかな?それが」

姫乃「受けてたちましょう…スイス」

姫乃「さあ、覚悟の準備はできてますよね!!!」

41: 2022/02/06(日) 13:14:49.01 ID:Kv/bDsJr.net
【姫乃】
なにが柔軟だ、してろカウンター
カウント10まで無いぞダウンは
そうして立ち会う空気が生んだ
刃は何をも切り裂くんだ

いくつものバトルが糧になった
勝てなかったとしてもやめなかった
ガチの価値追いここに立った
姫乃の勝ちはすでに見つかった

42: 2022/02/06(日) 13:15:44.39 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「スイス、変化だのなんだの言ってましたが….あなたはあなたのままです」

エマ「んんん?よくわからないな」

姫乃「わからないなら今はそれでいいです」



スパァーーーン!



エマ「………っ!」

姫乃「一度切り捨ててから、説明しますので」

エマ「うそ、こんな…簡単に」

姫乃(スイスが、崩れ落ちました!)

43: 2022/02/06(日) 13:25:06.62 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「果林さん!カウントを!」

果林「ええ!」



姫乃(10カウントが終わるまでスイスが立ち上がることはありませんでした)

姫乃(決着、私の勝ちです)

44: 2022/02/06(日) 13:26:15.57 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「……あーあ、私の負けか」

姫乃「普段のスイスならここまでたやすく勝てはしなかった」

姫乃「それに普段のスイスなら早期決着をするようなバトルを望まなかったでしょう」

姫乃「あなたの迷いに救われました」


エマ「……ねえ?二つほど聞いてもいいかな?」

姫乃「約束でしたからね。お答えしましょう」

45: 2022/02/06(日) 13:35:25.94 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「まず一つ目、姫乃ちゃんが何もしてないのに色々切れてたのは何?」

姫乃「ああ、あれですか?かまいたちですよ」

エマ「かまいたち?」

姫乃「大気に真空の箇所が発生したときに、それに触れたものが切り裂かれることがある、とされているんですよ」

エマ「…そんな話は初めてきいたけど?」

姫乃「でしょうね。これは日本の民間伝承ですから」

46: 2022/02/06(日) 13:39:18.08 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「真空が発生したくらいで物が切れるなんて科学的にはありえませんよ」

エマ「日本の民間伝承…ああそういうことか」

エマ「姫乃ちゃんはバッチリ私への対策をしてきてたわけだ」

姫乃「あなたに勝てる道筋を探してそこにかける、私はずっとそれを実践してきました」

姫乃「これからもそれを通すだけですよ?スイス」

47: 2022/02/06(日) 13:46:21.38 ID:Kv/bDsJr.net
スイス「じゃあ、ききたいこと2つ目。私が変わってないってどういうことかな?」

スイス「私、今回は今までとは違うことをやったはずなんだけど」

姫乃「その答えは簡単ですよ。あなたの根本は今までと何も変わってないんです」

姫乃「あなたはなぜ、私と果林さんと3人だけで誕生日を過ごそうとしたのですか?」

エマ「それは、誕生日は絶対姫乃ちゃんとバトルしたいって思ったからだよ」

姫乃「そうだとしても、3人だけで自室で誕生日を過ごす理由にはならない」

48: 2022/02/06(日) 14:21:27.11 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「バトルをしても極力誰かに迷惑をかけない、それでいて誕生日を祝う私たちも負担をかけない場所と状況…おおかたそんな思考があったんでしょう」

エマ「それは…」

姫乃「私を壁にぶつけた時だってそう」

姫乃「バトル中に誰もいない部屋を選んでぶつけるなんて配慮をする」

姫乃「その部屋の方に損害が出るかもしれない手段をあなたがとったことが意外ではありますが、基本あなたは周りを気づかう姿勢を崩さない」

エマ「あそこの部屋なら多少壊れても何とかなりそうだからね」

49: 2022/02/06(日) 14:25:49.28 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「その部屋の子はちょっとのトラブルなら逆に楽しんじゃうような子で、学校の偉い人ととも身内だし…知らない仲でもないんだよ」

姫乃「一方で私とバトルをするというそこだけは譲らない、私とバトルをすることを断念するだけで制約は一気に無くなるのに」

エマ「だから変わってない、か」

果林「そろそろ、私が入ってもいいかしら?」

姫乃「果林さん!」

50: 2022/02/06(日) 14:29:32.58 ID:Kv/bDsJr.net
果林「エマったらね、絶対に誕生日に姫乃ちゃんとバトルしたい、でも同好会のみんなに迷惑はかけたくないって」

果林「わざわざ同好会での誕生日祝いを明日にずらして、今日は姫乃ちゃんと一緒に過ごしてバトルするんだって張り切ってたんだから」

エマ「ちょっと、それは内緒だって約束だよ?果林ちゃん」

姫乃「はは、そんなのはメールを見たときからわかってましたよ」

エマ「そっか、姫乃ちゃんにはお見通しだったか」

姫乃「ええ、私からしたらなぜいきなり変わるだの何だのと言い出したのか不思議なくらい、あなたは変わっていません」

51: 2022/02/06(日) 14:31:13.97 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「…最近考えちゃうんだよね」

エマ「もし、また新しい出会いがあったり、同好会に何か大変なことがあったりしたとしてさ…」

エマ「その時、姫乃ちゃんと会う私は変わらずにいられるのかな?みんなは変わらないのかな?」

エマ「それとも変わるのが正解なのかな?って」

姫乃「…スイスにしては弱気ですね」

エマ「気にしないで、ただの独り言だよ」

エマ「"色々あった"からね、私たち」

姫乃「そうらしいですね」

52: 2022/02/06(日) 14:35:35.24 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「で、この独り言は割と氏活問題だったからさ」

エマ「いっそ、私の方から変わるのもありかなとか思ったり」

姫乃「おかしなスイスですね」

エマ「だけど、なんとなくわかったよ」

エマ「たとえ、変わったとしても、変わろうとしていても…私はエマ・ヴェルデなんだよね」

姫乃「あなたが自分の大事なものを捨てられるはずがありませんからね」

53: 2022/02/06(日) 14:36:53.81 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「そうだね。大事なものはずっと守り続ける、みんなをぽかぽかな気分にするエマ・ヴェルデは永遠不滅だよ」

姫乃「先ほどのあなたを見るに、そのエマ・ヴェルデ像は現実と乖離しているのではないかと思いますが…」

エマ「そんなことないよ。姫乃ちゃんだって絶対ぽかぽかしてるよ?」

エマ「だって、姫乃ちゃん…とっても楽しそうだから」

54: 2022/02/06(日) 14:41:55.28 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「……………確信しましたよ」


姫乃「スイス!私は、こんな最高な気分にしてくれるあなたが大嫌いです!」

エマ「はは…大嫌いか〜ひどいなあ、今日は私の誕生日なのにさ…でもね!」

エマ「姫乃ちゃん!私は、こんな最低な気分にしてくれるあなたが大好きだよ!」



姫乃(そうしてはじまる第二ラウンド、それが終わった頃にはもう日付が変わろうとしていました)

姫乃(なし崩し的にお泊まり確定なので、果林さんとスイスを二人きりにしないという目的も達成です)

55: 2022/02/06(日) 14:44:28.23 ID:Kv/bDsJr.net
エマ「あー!思う存分楽しんだよっ!結果は1勝1敗のドローだね」

姫乃「あんな手で勝ったなどと言われたく無いです!…無いですが、まあ勝ちは譲ります」


姫乃「ああ、そうだ。日付が変わる前にこれをどうぞ」

エマ「これ…シュシュ?」

姫乃「あなたはどうもその髪型が好きなようですからね。ま、気が向いた時にでもつけてください」

56: 2022/02/06(日) 14:51:57.46 ID:Kv/bDsJr.net
姫乃「変わらないだの変わるだのを悩むよりも、今日のシュシュの色で悩む方があなたらしいと私は思いますよ」

エマ「そうだね。うん!ありがとう!」


姫乃(こうして、年1度のスイスの誕生日は終了しました)

姫乃(その後、果林さんは自分の部屋に帰ることが発覚し、まんまとスイスに一杯食わされたわけですが…それもまた青春の一ページです)

姫乃(あと2ヶ月もすれば4月、ただでさえ変化の多い時期ですが…今年は虹ヶ咲の方々にとってただならない変化があるような気がします)

姫乃(とはいえ、あと2ヶ月あるわけですし、その予感の答え合わせはまた後日としてここは幕を引きましょう)

〜2ndシーズンエマ誕編・完〜

57: 2022/02/06(日) 14:58:42.41 ID:Kv/bDsJr.net
読んでくださりありがとうございました

2月に入ってからそろそろ書かないとなと思いつつ、ヒスイ地方の誘惑に勝てずに書き始めを先延ばしにした結果1日遅れの投稿となりました
他にもいくつか書きかけのものがあるのですが、とりあえずは思う存分ヒスイを旅します

引用元: 【エマ誕記念SS】エマ「私たちのバトルも2ndシーズンか…」姫乃「覚悟の準備はいいですね!スイス!」【ラップ注意】