1: 2021/06/29(火) 23:15:13.30 ID:nzr7UwaE.net
6/29は朝香果林さんの誕生日ということで書きます

注意
※例のマイクがある設定です

※今までにも増してキャラ崩壊気味です

※一部キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません

※この話における「スイス」はスイス連邦のことではありません。スイス連邦を誹謗中傷する意図はまったくありません

※ラップ部分は各自いい感じのリズムで読んでもらえると助かります

※時期とか設定とかぐちゃぐちゃです

4: 2021/06/29(火) 23:26:06.66 ID:nzr7UwaE.net
姫乃(人はなぜラップをするのか)

姫乃(それは永遠の謎なのかもしれません)

姫乃(これは、ラップバトルに命をかける少女たちのとある一日を描いたごくごく平凡でありふれた物語です)

姫乃(いえ、私はラップなどしませんがね)

6: 2021/06/29(火) 23:35:28.72 ID:nzr7UwaE.net
〜6月28日(朝香果林生誕祭前日)〜

姫乃「ふふ…ふふふ…明日ですか」

姫乃「ついに来ました。果林さんの誕生日」

姫乃「しかも、しかもです」

姫乃「何と、この綾小路姫乃へ果林さんから直々に部室でのパーティーのお誘いが…」

姫乃「本来なら部外者に部室パーティーのお誘いなどありえないのに!私もかなりニジガクでの地位が上がりましたね」

姫乃「あわよくば、パーティーからのオダイバ散策などをしつつ夜景に照らされた二人だけの時間など」

9: 2021/06/29(火) 23:48:28.28 ID:nzr7UwaE.net
姫乃「……ですが、それには障害が付き物、悲しいことに人の生涯というのは非常に非情なのです」

姫乃「ただ幸せがやってるくるなどありえない、机上の空論!」

姫乃「ですが私は気丈に臨み、どんな異常事態にも対処しましょう」

姫乃「望みをこの掌上に掴むために!」

姫乃「ええ、当然あるでしょう…お邪魔虫スイスの妨害」

姫乃「そして、互いの尊厳をかけた、ラップバトル!」

姫乃「しかし、この綾小路姫乃!決して譲りません」

10: 2021/06/29(火) 23:49:43.94 ID:nzr7UwaE.net
姫乃「スイス、明日は私が勝ちますよ…」

姫乃「……あれ?」

姫乃(待ってください…なぜ私はスイスとのラップバトルを当たり前に想定するどころか楽しみにしてるのです?)

姫乃「このままじゃ誤解されてしまいます…そうですよ。あの時だって…」

11: 2021/06/29(火) 23:54:45.29 ID:nzr7UwaE.net
〜回想〜

姫乃「果林さん、本日は藤黄のライブのためにお越しいただいてありがとうございました」

果林「そんなにかしこまらないで。私と姫乃ちゃんの仲じゃない」

姫乃「果林さんと…私の仲っ!!もったいないお言葉です!」

果林「それにしてもさすが藤黄ね。一人一人の動きが噛み合って、見るものを圧倒していた…チームの力を感じたステージだったわ」

果林「姫乃ちゃんの実力もしっかり見させてもらったしね。さすが藤黄のエースかしら?」

姫乃「そ、そんな…私なんて果林さんと比べたらまだまだですよ」

12: 2021/06/29(火) 23:55:52.65 ID:nzr7UwaE.net
姫乃「ですが…果林さんにそこまで評価していただいているのはうれしいですね」

姫乃「それに、私もスクールアイドルとして頂点を目指す者のひとり。たとえ果林さんでもパフォーマンスでは負けたくないという気持ちも正直あります」

果林「あ、そういえば姫乃ちゃん。ちょっとききたい事があるのだけど」

姫乃「はいっ!なんでしょう!」

果林「えっと、来週の火曜日の夕方からって空いてる?」

姫乃「来週の火曜日といいますと、29日ですか?」

姫乃「確認してみますね」

姫乃「えーっと…」

13: 2021/06/29(火) 23:56:57.49 ID:nzr7UwaE.net
姫乃(……………)

姫乃(きた!)

姫乃(きたきたきたきたきた!きましたああああ!)

姫乃(確認するまでもないです!その日は完全フリーです!当たり前じゃないですか!!だってその日は)

姫乃「……ふぅ」

姫乃「大丈夫です。空いてますよ」

姫乃「あ、思い出しました。確かその日は」

14: 2021/06/29(火) 23:58:47.83 ID:nzr7UwaE.net
姫乃「果林さんのお誕生日…で合ってますか?」

果林「あら?さすが姫乃ちゃんね」

姫乃「たまたまですよ。クラスの方々が話してまして」

姫乃(さすひめ!さすひめいただきました!!光栄の極みです!)

姫乃(ですが、一つだけ言わせてもらうなら…この綾小路姫乃が果林さんのお誕生日を忘れるなどありえないです!クラスの方々に布教するほどの果林さんファンの私が果林さんの誕生日を忘れるなどと、みくびらないでほしいですねっ!)

果林「その…姫乃ちゃんの誕生日の時、いろいろあったじゃない?」

姫乃「はい、そうでしたね…」

15: 2021/06/30(水) 00:00:26.99 ID:gi9U1wiU.net
果林「だからその埋め合わせってわけでもないのだけど、私の誕生日パーティーに姫乃ちゃんも招きたいと思ってるの」

姫乃「私を…果林さんの誕生日パーティーに…」

果林「迷惑、だったかしら?」

姫乃「いえ!まったく!それどころか嬉しいです!ありがとうございます!」

果林「ふふ、喜んでもらえて私も嬉しいわ」

果林「よかったわねエマ!姫乃ちゃん来てくれるわよ」

16: 2021/06/30(水) 00:03:07.09 ID:gi9U1wiU.net
エマ 「うん!…ところで姫乃ちゃん?」

姫乃「…………」

エマ 「さっきから私の方を見ないどころか、まるで私がいないかのようなやりとりをしている気がするんだけど?」

姫乃「………」

エマ「私の勘違いかな?」

姫乃「おや?誰かと思えばス…失礼…エマ ・ヴェルデさんじゃないですか」

姫乃「すみません。どうやらあまりの影の薄さに認知が遅れてしまったようです」

エマ「はは、私何度も姫乃ちゃんに話かけてたんだけどな〜」

エマ「それでも聞こえなかったんだとしたら、姫乃ちゃんの耳か頭がおかしいことになっちゃうよ〜?」

17: 2021/06/30(水) 00:05:52.51 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「あ、そういえば何やら雑音がしていましたね。あれはスイスの声でしたか」

エマ「んもー、私はエマ・ヴェルデだよ。形式上だけでもそう呼んでほしいな」

姫乃「はは、すみません。スイス……」

エマ「あれあれ〜なんか話が通じてないかな?姫乃ちゃん」

姫乃「ふふふ…」

エマ「ふふふふふ…」



姫乃「さっさと国に帰れやぁ!北欧の害獣があああ!」ヒューン

エマ 「残念!スイスは中欧だよおおおおお!!」ヒューン

〜回想終了〜

18: 2021/06/30(水) 00:08:14.28 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「そのまま…バトルへ」

姫乃「最終的には両校のメンバーが見守る中、白熱の相打ち決着!」

姫乃「……」

姫乃「だめです!このままでは…私のイメージが、スイスとコントさながらにラップバトルを繰り広げるおもしろい人になってしまう」

姫乃「抑えるんです、綾小路姫乃…明日はスイスのどんな挑発にも耐えるんです!間違ってもマイクに手をかけてはいけません!」

姫乃「そうだ…マイクを持っていかなければ」

姫乃「………」

姫乃「いえ、どんな危険があるかわかりませんし、一応は持っていきましょう」

19: 2021/06/30(水) 00:11:53.44 ID:gi9U1wiU.net
〜6月29日〜
〜虹ヶ咲学園・廊下〜

姫乃「ついに、ついに!朝香果林生誕祭、当日…」

姫乃「すでにネット掲示板では私の立てた『ニジガクの誇るトップアイドル、朝香果林様生誕祭記念スレ』が大盛況です」

姫乃「どうも、果林さんをバカキャラに仕立て上げたい一派がいるらしいですが、そんな方々は私の華麗なレスでぐうの音もでないほどに叩きのめしてあげますよ」

姫乃「と、言ってるそばからまた!」

姫乃「はは!これまたテンプレオブテンプレな誹謗中傷!!そんな使い古された言葉で!この!綾小路姫乃と果林さんを打ち負かせるとでも!?」

20: 2021/06/30(水) 00:14:52.36 ID:gi9U1wiU.net
遥「あの…姫乃さん…」

姫乃「は、はいっ!?って、近江遥さん!?」

遥「えと…お久しぶり?です…」

姫乃「……おほほほほ」

姫乃「あら?遥さんはお姉さんに呼ばれたのですか?」

遥「はい、そうですけど…」

姫乃「近江彼方さん、とてもいいお姉さんです」

遥「はい…であの、さっきのは?」

21: 2021/06/30(水) 00:17:55.12 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「果林さんから聞いています。自らはもちろん…妹、遥さんがスクールアイドルを続けられるようにバイト、学業、家事と八面六臂の活躍」

姫乃「まさに、姉の理想像です」

遥「まあ…そうですね」

姫乃「そんなお姉さんが誘ってくれた果林さんの誕生日、良い日にしたいですね」

遥「……」

姫乃「私が何を言いたいか、わかりますよね?」

遥「今見たものは忘れてほしいと」

22: 2021/06/30(水) 00:20:12.91 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「理解が早くて助かります…では」

遥「ふーん、思ったよりも小物なんですね?姫乃さんって」

姫乃「……はい?」

遥「だってそうじゃないですか?こんなつまらないことで脅迫まがいの振る舞い…それどころか」

遥「お姉ちゃんを…ダシに使うなんて…」

姫乃「遥さん?」

23: 2021/06/30(水) 00:22:21.71 ID:gi9U1wiU.net
遥「お願いなら聞いても…脅迫に屈する筋合いはないですよ」ヒューン

姫乃「あなた…マイクを…」

遥「私だってスクールアイドルなんですよ?ラップくらいできます」

遥「あ、今からお願いをしてくれてもいいですけど、ちゃんと地面に頭を擦り付けて、無意味にお姉ちゃんを話題に出したことを謝罪して下さいね?」

遥「私としては姫乃さんの無様な姿はこれ以上見たくないんですけど…いかせてもらいますよっ!」

24: 2021/06/30(水) 00:25:12.70 ID:gi9U1wiU.net
【遥】
ハルカカナタ二人の願い事
塗るな二度と保身で臭い泥
あなたの世迷言、に対し今言おう
近江姉妹は屈しないこと

あなたのどこが藤黄のエース?
下劣な性根にゃ昏倒です
生きる価値もなしGO TO HELL
来世は虫かな 幼虫DAYS

※世迷言←よまいごと

25: 2021/06/30(水) 00:26:04.02 ID:gi9U1wiU.net
ドオオオオオン!

姫乃「くっ!」

姫乃「なるほど…」

姫乃「穏やかな寝ぼけ顔の裏に激しいまでの熱情を秘めた近江彼方…その妹というだけある」

姫乃「ええ、相手にとって不足なし!」ヒューン!

エマ「ああああ!姫乃ちゃんがバトルしてる!!」


姫乃「は?」

26: 2021/06/30(水) 00:31:24.64 ID:gi9U1wiU.net
エマ「相手は遥ちゃん!?これは要チェックだね」

姫乃「なぜスイスがここに…あ!?」

姫乃(危ないです…いつもの癖でバトルに突入しかけました)

姫乃「遥さん…」

遥「さあ、どう返しますか?姫乃さん?」

姫乃「これで…何卒お許しを!」ドゲザー

姫乃「私、綾小路姫乃は、卑劣な我が身かわいさに…あろうことか遥さんの大事なお姉さんを利用してしまいました」

姫乃「誠に、申し訳ございませんでした!」

27: 2021/06/30(水) 00:32:39.60 ID:gi9U1wiU.net
遥「え?あの…」

エマ「よくわからないけど…」

エマ「姫乃ちゃんの生ドゲザ、これはこれでレアシーンいただきだね!」パシャ!パシャ!

姫乃(これで良いんです。先程の私の遥さんに対する行いに失礼があったのは事実なのですから)

姫乃(それはそれとして)

エマ「えーと、連写は…あ、これだ」パシャパシャパシャパシャ

姫乃(ちゃっかり撮ってんじゃねえよスイスぅ!)

28: 2021/06/30(水) 00:34:43.38 ID:gi9U1wiU.net
エマ「では、部室に行こうっ!姫乃ちゃん!」

姫乃「なぜ私があなたと一緒に行かなければならないのですか?」

エマ「んー、今撮ったこの激レア写真は私だけのものにしたいんだけどなー、拡散?とかしたくないんだけどなー」

姫乃「…喜んで同行させていただきます」

エマ「遥ちゃんもおいでよ!」

遥「あ、いえ、私はお姉ちゃんと行きますので」

29: 2021/06/30(水) 00:36:33.09 ID:gi9U1wiU.net
遥「………」

遥「はあ…」

遥「姫乃さんとバトルできるかもしれないって張り切りすぎちゃったかな」

遥「一方的に悪口言ったみたいになっちゃったし…私やっぱりラップ向いてないのかな」

彼方「おーい、遥ちゃーーん」

遥「お姉ちゃん…」

彼方「うああ!遥ちゃんがどことなくブルーなテンションだよ」

30: 2021/06/30(水) 00:39:41.05 ID:gi9U1wiU.net
彼方「どうしたの?誰かに嫌なこと言われた?」

遥「あ、いや…言ったのは私の方かな」

彼方「ん?んんんん?」

彼方「えと、彼方ちゃんよくわからないけど、遥ちゃんがピンチならいつでも駆けつけるからね」

遥「あはは、そんなんじゃないよ。ほら、早く部室行こう」

31: 2021/06/30(水) 00:43:56.14 ID:gi9U1wiU.net
〜スクールアイドル同好会・部室〜

エマ「姫乃ちゃん連れてきたよ!」

果林「よく来てくれたわね。姫乃ちゃん」

姫乃「お呼びいただきありがとうございます」

せつ菜「姫乃さん、こちらのコップをどうぞ!」

姫乃「ありがとうございます」

32: 2021/06/30(水) 00:51:06.83 ID:gi9U1wiU.net
彼方「ふいー、彼方ちゃんとうちゃーく」

遥「お待たせしてすみません」

歩夢「はい彼方さんと遥ちゃんのコップだよ」

彼方「お〜、ありがと〜」

せつ菜「みなさん、お飲み物の用意はできましたか!?」

一同「はーい」

33: 2021/06/30(水) 00:51:52.71 ID:gi9U1wiU.net
せつ菜「では、僭越ながら私が…」

せつ菜「果林さん、あなたのような気高い人とスクールアイドルとして切磋琢磨できることを、同好会一同誇りに思います」

せつ菜「今日はそんな果林さんへのせめてもの感謝としてこのような会を企画しました」

せつ菜「…それでは」

一同「ハッピーバースデー果林さん!」

34: 2021/06/30(水) 00:59:02.24 ID:gi9U1wiU.net
栞子「あ、あの…」

しずく「どうかしたの?」

栞子「いえ、その…私の知らない方と皆さんが仲良く話しているのに違和感があるといいますか」

栞子「彼方さんの妹の遥さんについてはわかるのですが、えっと…」

しずく「姫乃さんのこと?」

かすみ「あれ?しお子って姫乃さんと会ったことなかったっけ?」

35: 2021/06/30(水) 00:59:50.43 ID:gi9U1wiU.net
かすみ「…というか、しお子っていつ入部してきたっけ?」

しずく「エマさんとか姫乃さんの誕生日の時にはいたような、いなかったような」

栞子「なんというか、なぜ今更…といったのが正直なところでして」

璃奈「そこは少し込み入った話になるから、あまり触れない方がいい」

かすみ「込み入った話?」

璃奈「…よくわからないけど、そんな気はする」

36: 2021/06/30(水) 01:04:10.61 ID:gi9U1wiU.net
せつ菜「姫乃さん、今日は藤黄からお越しいただきありがとうございます」

姫乃「いえこちらこそ、本来ならば身内でのみ祝うところを呼んでいただいて、ありがとうございます」

姫乃「というより、本当に呼んでいただいてよろしかったのですか?」

せつ菜「もちろんです!姫乃さんとは一度がっつりとお話ししようと思ってましたから!」

姫乃「私と話…ですか?」

せつ菜「ええ、大好きを世界に広げる同志として姫乃さんの大好きをきかせていただきたいです!」

せつ菜「スクールアイドルへの大好き!果林さんへの大好き!そして、ラップへの大好きを!!」

37: 2021/06/30(水) 01:12:31.73 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「ラップへの…大好き?」

せつ菜「はい!エマさんと果林さんから色々聞いてますよ!」

せつ菜「できれば一戦、お願いしたいところです」ヒューン!

姫乃「あ、その…」

姫乃「今はちょっと…遠慮したいですね」

せつ菜「そうですか…残念です!」

姫乃「その…少し席を外してもよろしいですか?」

せつ菜「あ、すみません!…気が利かずに」

38: 2021/06/30(水) 01:30:26.95 ID:gi9U1wiU.net
〜部室棟・廊下〜

姫乃(…どうしましょう)

姫乃(思ったより事態は深刻です)

姫乃(ニジガクでの私のイメージがおかしな方向に固まってしまっている)

姫乃(恐らく遥さんを経由して東雲でも)

姫乃(こんなはずではない、私は清楚で礼儀正しい大和撫子系キャラだったはず)

姫乃(静かに佇み強者のオーラを纏う藤黄のエース、趣味は写真…ラップではない!)

39: 2021/06/30(水) 01:33:07.87 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「いけない…このままでは果林さんがどうとかスイスがどうとかそういう問題ではない」

姫乃「綾小路姫乃というイメージ自体が、崩壊してしまいます!」

姫乃「今やるべきは殺気立つ闘争ではなく、勇気ある逃走!」

姫乃「………」

姫乃(待ってください、そういえば私…)

姫乃(なんか、踏んでません?言葉の端々で韻を)

姫乃(なんかもうバシバシと…)

姫乃「………あれ?」

姫乃「いやああああああああああ!」

40: 2021/06/30(水) 01:56:05.67 ID:gi9U1wiU.net
果林「姫乃ちゃん?」

姫乃「果林さん!」

果林「どうしたの?いきなり叫んで?」

姫乃「いえ、その…大丈夫です」

姫乃「果林さんはなぜここに?」

果林「ちょっと仕事の電話が入っちゃってね。終わって部室に戻ろうと…」

姫乃「なるほど…」

41: 2021/06/30(水) 01:57:30.30 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「あれ、でも…ここかなり部室から離れてますよ?」

果林「ちょっと聞かれたくない話だったのよ!」

姫乃「す、すみません!…果林さんにも色々あるのですね」

果林「そうよ!モデルってのは思ったより闇が深いものなの!」

姫乃「勉強になります…」

果林「さてと、じゃあ部室に戻ろうかしらね!」

姫乃「あの…部室はこっちからの方が近いのでは?」

42: 2021/06/30(水) 01:58:19.63 ID:gi9U1wiU.net
果林「えっと…そう!近い道を選ぶことが正解ではないのよ!あえて遠回りをすることも必要なの」

姫乃「深いですね」

果林「でも、そうね!姫乃ちゃんを付き合わせるのも悪いから、今回は近い方から行きましょう」

姫乃「お気遣いありがとうございます」

果林「そうだわ!部室に帰ったら一緒に写真撮りましょう!」

姫乃「写真!果林さんと写真!ありがとうございます!」

43: 2021/06/30(水) 02:00:43.32 ID:gi9U1wiU.net
〜同好会部室〜

姫乃「ふふ…部室に到着ですよ」

姫乃「果林さん、撮りましょう!果林さんと私の記念すべきバースデーショットを!」

姫乃「許されるのならば私の手で果林さんのあんな写真やこんな写真も!」

果林「やっと、帰ってこられたわ…」

姫乃「あの、やっと…とは?」

44: 2021/06/30(水) 02:06:25.47 ID:gi9U1wiU.net
果林「えっと、写真撮りましょうか!…あ、愛!」

愛「ん?なになに?」

果林「シャッターお願いしていいかしら?」

愛「オッケーだよ。愛さんに任せて」

愛「はいはーい、スマイルスマイル!なんなら愛さんのダジャレ100発をお見舞いするよ!」

果林「気持ちだけありがたく受け取っておくわ」

愛「えー、遠慮なんてしないでえんりょ〜…なんちゃって」

45: 2021/06/30(水) 02:12:29.95 ID:gi9U1wiU.net
果林「ほら姫乃ちゃん、遠慮しないでもっと寄って寄って」

姫乃「は…はい…」

姫乃(ああああああああ!果林さんが!果林さんがこんな至近距離に)

エマ「私、ちゃんと写ってるかな?」

愛「くっきりはっきりいけてるよ!…はい、チーズ!」

パシャ

果林「あら、よく撮れてるじゃない。どうかしら?姫乃ちゃん」

姫乃「………」

エマ「うーん、夢のような一枚だよ」

姫乃「……………」

46: 2021/06/30(水) 02:24:54.70 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「……………」

姫乃「……なんで?」

果林「どうしたの姫乃ちゃん?」

姫乃「なんで、スイスも入ってきてるんですか!?」

姫乃「どう考えても…ここは果林さんと私のツーショットでしょうが!」

姫乃「ちゃっかり入ってくるな!何の疑問もなくシャッターを押すな!」

姫乃「日本人なら空気を読めよ!謀反しようが氏ぬ気で止めろ!」

47: 2021/06/30(水) 02:46:00.83 ID:gi9U1wiU.net
愛「おー、キレッキレだ」

エマ「むー、わたしは日本人じゃないよ?」

愛「……あ!」💡

愛「ごめんごめん、姫乃ちゃんがそんな怒るとは思わなくてさ」

愛「ただ、こう見えても愛さんは人情には熱いんだ」

愛「だからそんなカッターみたいにキレなくても」

愛「『わカッターよ』なんつって」

姫乃「や…」

愛「や?」

48: 2021/06/30(水) 02:47:13.33 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「やだああああ!聞きたくない、違う!気付きたくない!カッターって聞いた瞬間にわかったーが読めたとか……そんな…そんな自分に気付きたくない!」

愛「おお…予想を遥かに超えるレスポンス」

エマ「そうだよ、姫乃ちゃんはリアクションだってできるんだから」

果林「将来有望ね」

姫乃「…あ…」

姫乃「あ…ああ…」

姫乃「やめろ…私の…私の前で韻を踏むな…言葉遊びをするな…」

49: 2021/06/30(水) 02:49:15.41 ID:gi9U1wiU.net
エマ「姫乃ちゃん?」

愛「いや、これは韻というかダジャレ」

姫乃「根本は一緒じゃないですかああああ!」

姫乃「『あ、"カッター"と"わかった"もいいけど、"勝った"とか"叱った"とか応用もききそうだな!』とか思っちゃいましたよ!」

姫乃「いやだ、いやだ…こんなの…」

姫乃「こんなの…綾小路姫乃じゃないです…」

姫乃「私はもっと、貞淑で静粛で成熟した…はっ!」

姫乃「…………」

姫乃「うあああああああああ!」ダッ


愛「ちょっと、姫乃ちゃん!」

果林「行っちゃった…わね」

50: 2021/06/30(水) 02:50:13.60 ID:gi9U1wiU.net
エマ「…ねえ?」

エマ「ちょっと、私に…任せてもらえないかな?」

果林「エマ?」

エマ「これは、私にしかできないことだと思うから」

愛「エマっち…」

果林「そうね。お願いしていいかしら?」

エマ「うん、行ってくるよ!」

51: 2021/06/30(水) 03:02:16.94 ID:gi9U1wiU.net
一旦中断します
続きは今日の夜になるかと思います

52: 2021/06/30(水) 21:22:10.38 ID:gi9U1wiU.net
〜部室棟・廊下〜

姫乃「いやだ…違う…私は…私は…」

ドンッ!

姫乃「あ…すみませ…」

栞子「いえ!こちらこそすみませ…」

姫乃・栞子「「ん?」」

姫乃「えっと、あなたは確か部室にいた…」

栞子「1年の三船栞子と申します。こうしてお話するのは初めてですね」

53: 2021/06/30(水) 21:24:17.79 ID:gi9U1wiU.net
エマ「姫乃ちゃーーーーーん!!」

姫乃「ぐっ!この声は…」

エマ「んもー、いきなり走り出したから心配したよ?お腹痛い?下剤飲む?」

姫乃「痛くない!下剤飲ますな!私はお前といたくな…うああああああ!」

栞子「あの…これは?」

姫乃「やめろ…くるな…特にあなたは…あなたはダメだ…スイスううううううううう!!!!」

エマ「…こんな時までスイス呼びなんだね」

54: 2021/06/30(水) 21:25:21.44 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「くるな…くるな…はぁ…はぁ…」

エマ「姫乃ちゃん…」

ギュッ

姫乃「え…」

エマ「あのね、私…姫乃ちゃんに言わないといけないことがあるの」

姫乃「いわないと…いけない…こと?」

エマ「うん…」

55: 2021/06/30(水) 21:38:30.87 ID:gi9U1wiU.net
エマ「ごめんなさい…あんなに必氏に叫んでたのに、ずっと勘違いしてた」

エマ「わたし、姫乃ちゃんはただ純粋にラップが大好きな子なんだって思い込んで、向き合ってこなかった」

姫乃「スイス…」

エマ「姫乃ちゃんは姫乃ちゃんのやり方でずっとラップバトルを頑張ってきたんだね」

エマ「ずっと、私たちに伝えてたんだ…『本当の私を見て』って…」

56: 2021/06/30(水) 21:39:50.86 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「そうですよ…私は…私は…」

姫乃「スイスと面白おかしくラップバトルをするだけの…笑い者になんてなりたくない!」

エマ「うん…」

姫乃「なのに、スイスが…ちょっかい出してきて」

エマ「うん」

姫乃「バトルしかけられて、果林さん取られるの嫌だから…バトルして…それで」

エマ「うん、ごめんね」

57: 2021/06/30(水) 21:41:11.41 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「いつの間にか…私、ラップするの癖になっちゃって…」

エマ「うんうん、よしよし…」

姫乃「気づいたら毎日毎日、頭の中でラップしたり面白い韻を見つけて嬉しくなっちゃったり」

エマ「わたしもわかるよ、その気持ち」

姫乃「でも、自分が変わっていくのがこわくて、本当の私はこんなんじゃないって…」

58: 2021/06/30(水) 21:42:22.75 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「でも、スイスはラップバトルをやめてくれなくて…」

エマ「気づけなくてごめんね。姫乃ちゃんはとっても頑張ってたんだね」

姫乃「スイスううううううう」

エマ「いいんだよ。今はいっぱい泣いていいんだよ」

姫乃「う…うわああああああああ!」

59: 2021/06/30(水) 21:43:04.07 ID:gi9U1wiU.net
エマ「よしよし、よしよし」


栞子(………)

栞子(何なのでしょう?このおかしな状況は)

栞子(話を聞く限り、今まさに姫乃さんを介抱している人がすべての元凶なのですが)

栞子(……指摘するのは野暮、ということでしょうね)

60: 2021/06/30(水) 21:45:08.56 ID:gi9U1wiU.net
エマ「あのね…さっきのは私が姫乃ちゃんに言わないといけないことだったけど、私が姫乃ちゃんに言いたいこともあるんだ」

姫乃「え?」

エマ「私、姫乃ちゃんのラップが大好き」

姫乃「私の…ラップ?」

エマ「うん、凛々しくて力強くて、でもどこか儚い…相手への厳しさの裏で自分にはもっと厳しい」

エマ「不器用だけど一心不乱に戦おうとする、決してあきらめない、そんな姫乃ちゃんのラップが大好きだよ」

61: 2021/06/30(水) 21:45:55.26 ID:gi9U1wiU.net
エマ「だから、姫乃ちゃんのラップが聞きたくて…つい意地悪しちゃったんだ…ごめんね」

姫乃「スイス…」

エマ「ねえ、姫乃ちゃん」

エマ「私だけじゃない…姫乃ちゃんのラップを待ってる人はたくさんいる」

エマ「心当たり…ない?」

姫乃「心当たり…」

姫乃(遥さん…せつ菜さん…いえ、それだけではないですね)

62: 2021/06/30(水) 22:07:56.10 ID:gi9U1wiU.net
エマ「それに姫乃ちゃんは『こんなの私じゃない』っていってたけど…」

エマ「わたしはそうは思わない、それだけは言わせてほしい」

エマ「ていうか悩みがあるならラップしてスッキリしようよ!」

エマ「わたし、姫乃ちゃんともっともっとラップをしたいもん!」

姫乃「スイス…」

姫乃「まったく…結局私の気持ちなんて無視して自分優先じゃないですか」

姫乃(ああ、なるほど…思い出してしまいましたよ)

姫乃「ふっ、ふふっ…」

63: 2021/06/30(水) 22:08:53.19 ID:gi9U1wiU.net
姫乃(そういうことですか…私はなんでこんな簡単なことで悩んでいたのか)

姫乃(そうですよ、何が「いやいやバトルしてた」ですか…)

姫乃(ばっちり韻踏んで、この女をぶちのめして、悦に入ってたのはどこの誰だ?)

姫乃(戦っていたのは紛れもなく綾小路姫乃、私なんですよ…)

姫乃(そうです…私の言葉は…私のラップは…)

姫乃(嘘一つない私そのものなんです!)

64: 2021/06/30(水) 22:09:33.99 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「はは…はははは…」

姫乃「本当に、本当にくだらない」

姫乃「くだらなすぎて腹立たしいですよ…」

姫乃「要は私もただのラップ馬鹿って話じゃないですか?あー、くだらない!」

姫乃「感謝しますよ、スイス!あなたのおかげで…こんなどうでもいい真実にたどりつけた!」

65: 2021/06/30(水) 22:10:15.69 ID:gi9U1wiU.net
エマ「ふふっ、どういたしまして」

エマ「で、お礼に何かしてくれるのかな?」

姫乃「はい、もちろんです」

姫乃「私は義理堅いことで定評のある綾小路姫乃ですよ?当然、礼は返します」

姫乃「あなたを…完膚なきまでに打ちのめすっていう形でね…」ヒューン

姫乃「くたばれスイスぅぅううううううううう!!!!」

エマ「お礼参りってやつかな?姫乃ちゃああああああああん!!!」ヒューン

66: 2021/06/30(水) 22:11:05.79 ID:gi9U1wiU.net
栞子(なぜでしょう…)

栞子(お二人の言葉が、気持ちが、まったくもって理解できない)

栞子(なのに、目が離せない…!心が沸き立ってしまう)

栞子「…私もスクールアイドルとして一歩踏み出せたということでしょうかね」

67: 2021/06/30(水) 22:12:00.49 ID:gi9U1wiU.net
姫乃(こうして、私たちはラップバトルを繰り返していく)

姫乃(ありふれた、なんでもない日常の物語)

姫乃(これにて大団円です)

姫乃(え?大してラップしてないのに終わるのか?)

姫乃(初めに言いましたよ?"ラップしない"って、スレタイにもそう書いてあります)

〜終〜

68: 2021/06/30(水) 22:12:59.65 ID:gi9U1wiU.net
ここまで読んでいただきありがとうございました

果林誕に向けて何か書こうと思い、短いながらも一本書かせてもらいました

もの足りない人もいるかと思いますが、この話はこれで終わりです
ハッピーエンドです

繰り返しになりますが、ここまで読んでいただきありがとうございました

69: 2021/06/30(水) 22:13:48.60 ID:gi9U1wiU.net
………

………………

はい、『この話は、ここでハッピーエンド』です

なのでここから先は完全な蛇足となります
力不足がろくな予測もせずに書いた、姑息な補足が加速するダサくて駄作な蛇足です

とある映画を見ておかしなことを思いついてしまった者が書いた、誰に刺さるかも不明な物語

万が一にでも好奇心でこの先に進んで…

この先に書いてあるものがクソみたいな展開でも、読んで嫌悪感を抱こうとも…

進んだあなたの責任です
『わかります』か?

だって、もう物語はハッピーエンドに落ち着いたのですから
その先、なんてのは蛇足でしかない

利口な人は回れ右、貴重な時間を無駄にしてはいけません
愚か者はこの先へ、私は一応止めましたので

70: 2021/06/30(水) 22:17:20.19 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒
幕が下りれば
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒
物語は終わる
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒
本当に?
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒
本当に???
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

71: 2021/06/30(水) 22:18:51.96 ID:gi9U1wiU.net
『蛇足開始〜カーテンコールの向こう側〜』

栞子「しかし、良いものですね。このようにぶつかり合いながらも高みを目指す姿というものは」

せつ菜「わかります!!!!」

栞子「きゃあっ!」

栞子「せつ菜さん、どこから」

せつ菜「エマさん!!!姫乃さん!!!見せていただきました!お二人のっ!とめどないっ!情熱!」

エマ「せつ菜ちゃん!」

姫乃「なぜ、ここに…」

72: 2021/06/30(水) 22:21:20.05 ID:gi9U1wiU.net
せつ菜「美しい友情の力を借り、新しい自分を受け入れて綾小路姫乃は生きていく」

せつ菜「それがこの物語の結末…とてもとても尊い青春の1ページ」

せつ菜「わかります!抑えようとしても抑えきれない…狂おしいまでの渇望!熱情!それは…大好きという名の『キラメキ』!!!」

せつ菜「それを解放した時…あなたがたは真の"ラップ少女"となるっ!!!!!」

姫乃「ラップ少女……?」

せつ菜「問いましょう、この先にすすむ覚悟はありますか?」

せつ菜「青春の1ページの!裏側の余白に記された!掃き溜めの産物に…興味はありますか?」

73: 2021/06/30(水) 22:24:01.23 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「何を言っているのか理解できませんね」

姫乃「ですが、そうですね…私は所詮ラップにとらわれた愚か者です」

姫乃「ならば、この先へと進み、愚者としてあなたを倒します。スイス!」

パアアアアアアアア!

姫乃「私の全身全霊をかけてあなたにぶつかる!」

エマ「そっか、やっと素直になれたんだね…」

姫乃「目が覚ましたよ!私もあなたも戦わずにはいられない」

エマ「そうだよ、わたしも姫乃ちゃんも燃え尽きるまで戦い続けるのが宿命」

エマ・姫乃「「だからこそ、このフレーズに命をかけるっっ!!!!」」

74: 2021/06/30(水) 22:27:26.15 ID:gi9U1wiU.net
ラップは必ず次のフレーズへ

ではバトルは?

私たちは?

エマ「そんなの…」

姫乃「知るかあああああ!!!」



せつ菜「いいです!!!あなたがたの溢れんばかりのキラめきが!この物語を作りかえる!!」

栞子「これが、ラップ少女…」

栞子「なんて…眩しいの…」

75: 2021/06/30(水) 22:31:00.65 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「ふふ…なんでしょう…この高まりは…私自身が、私の中から溢れ出す!」

せつ菜「わかりますか?」

姫乃「せつ菜さん!これは?」

せつ菜「それこそが…キラめき!」

せつ菜「さあ、そのキラめきを解き放つのです!!」

せつ菜「見せてください!きらめいた姫乃さんを!!!!」

姫乃「キラめき…そうですか」

姫乃「理解しました…これが私の目指すもの!」

姫乃「ならば、今こそ…」

姫乃「私、再生産!!」

🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

76: 2021/06/30(水) 22:44:00.30 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

『蛇足2・虹も蛇も虫ではないが虫編』

歩夢「え?」

かすみ「なんですか!これ!」

璃奈「空間…転移?」

ガチャン!ガチャーーーン!

愛「アタシたち、部室にいたはずだよね?」

果林「ここは…どこ?」

しずく「何かの舞台、みたいですが…」

77: 2021/06/30(水) 22:47:27.70 ID:gi9U1wiU.net
ウォオオオオオオオーン

璃奈「あれって、工場?何がはじまるの?」

彼方「あはは、びっくりしすぎて彼方ちゃんお目目ぱっちりだよ…」

ドオオオオオオン!!

遥「見て!あそこ!」

シュウウウウウウ…

遥「誰か、います!」

78: 2021/06/30(水) 22:50:45.97 ID:gi9U1wiU.net
🦒シーン番号無し(欠番)🦒
🦒姫乃・覚醒名乗り🦒

『かよわき姫などただの贄』

『文(あや)無き定めを生きれる者は』

『友さえ斬れる者と知れ』

『藤黄学園2年、綾小路姫乃!』

『踏まれる石となるくらいなら…』

『意地で踏み行け、修羅の路(みち)』

79: 2021/06/30(水) 22:53:32.39 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

姫乃「なるほど、これがキラめき」

姫乃「自然と口上が出てしまいましたよ…」

姫乃「それに…この溢れんばかりの力」

姫乃「…これは勝てそうな気がします!」

エマ「それはどうかな!」

パアアアアアアアア!

姫乃「このキラメキ…まさか、スイスも…」

せつ菜「わかります!わかります!!」

80: 2021/06/30(水) 22:56:17.00 ID:gi9U1wiU.net
🦒シーン番号⬜︎(不明)🦒
🦒エマ・覚醒名乗り🦒

『心と心が重なりあえば』

『「ボーノ」がつながり笑顔になれる』

『月夜(つくよ)の暗がりこときれようとも』

『つないだこの手は切れはしない』

『虹ヶ咲学園3年、エマ・ヴェルデ!』

『やんちゃな子にはおしおきだよ』

81: 2021/06/30(水) 22:57:58.86 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

エマ「ふふふふ…」

姫乃「…何がおかしいんですか?」

エマ「適性はあると思ってたけど…」

エマ「まさか、ほとんど自力でこのステージにたどり着くとはね」

エマ「いつもいつも、本当に…本当に姫乃ちゃんは面白いよ」

姫乃「訳のわからないことをごちゃごちゃと!」

エマ「でもね…たどり着いただけじゃまだまだ」

エマ「高みには…まだまだ遠いんだよ?」

82: 2021/06/30(水) 22:59:16.45 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「よくわかりませんが…」

姫乃「高みがあるなら登るだけ!その道を塞ぐなら…誰であろうと谷底に落とすまでです」

エマ「そう…それでいいんだよ姫乃ちゃんは」

エマ「ともすれば自分も転落しかねない危うい、でも気高い一本道…それが姫乃ちゃんの道だもんね」

姫乃「スイスごときに私の道をどうこう言われたくないですね」

エマ「じゃあ、行こうか」

姫乃「ええ、切り捨ててあげますよ」

エマ「歌って、踊って…」

姫乃「奪い合いましょう!」

83: 2021/06/30(水) 23:02:53.05 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒幕間(虚)🦒🦒🦒🦒🦒

せつ菜「いいですね…ええ、これほどまでのキラめきはそうそうない!!」

せつ菜「では、頑張ってくださいね。ご健闘を祈っています」

ヒュン……

栞子「え?せつ菜さんが…消えた?」

せつ菜「栞子さーーーん!!無事でしたか!?」

栞子「せつ菜さん?あの、さっきのは?」

せつ菜「…さっき、とは?」

栞子「え?」

せつ菜「あ、部室にいた人は私を含めて無事です!栞子さんの無事も確認できたのでこれで全員ですね!!」

🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

84: 2021/06/30(水) 23:14:23.74 ID:gi9U1wiU.net
歩夢「えっと、これは…」

かすみ「なんの戦いなのでしょうか?」


姫乃「さて、スイス…どうやら観客が困惑しているのではっきりさせましょう!」

エマ「うん、コンセプトはハッキリさせないとね」

姫乃「私たちが対峙し、争うならばその方法はひとつしかない」

エマ「ラップバトル…だね」

姫乃「ええ、これはあくまでもラップSS!」

85: 2021/06/30(水) 23:15:11.13 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「だから、いつも通り!」

ダダッ!


果林「見て!姫乃ちゃんが!」

しずく「間合いを詰めた!」

遥「ラップバトルなのになんで間合いを!?」



姫乃「沈めてやりますよ、スイスううううう!!」

86: 2021/06/30(水) 23:16:00.92 ID:gi9U1wiU.net
【姫乃】
生まれ変わった私をまとい
ぶちこめ殺意どでかい的に
スイスは果林の足手まとい
釣り合ってないの知らんぷりか、おい

私は果林とスタァライト
可憐な二人を包み込むライト
ボリュームあげて高まりあい
スイスは背後にすらいない

87: 2021/06/30(水) 23:19:56.15 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「ここからいなくなれやあああぁぁ!」

璃奈「姫乃さんの背後に…何か現れた!?」

彼方「あれは…ICBM!」

遥「あ、ICBM!?」

※ ICBM(大陸間弾道間ミサイル)
簡単に言うと「とてつもなく巨大なミサイル」

姫乃「発射ああああ!」

ドオオオオオオオオオン!

88: 2021/06/30(水) 23:23:33.21 ID:gi9U1wiU.net
『蛇足3・エマがいなかったら姫乃がニジガクメンバーだった説』

彼方「至近距離であんなのくらったら、いくらエマちゃんでもひとたまりもないんだぜ」

果林「この殺意、今までの姫乃ちゃんとは段違いね…」



エマ「ふふ……姫乃ちゃん、のってるね」

エマ「本当、調子にのっちゃってるね」

ゴゴゴゴゴオオオオオオ

エマ「でもね、私も今までにないくらい絶好調なんだよ」

エマ「さて、どう返そうかな?」

89: 2021/06/30(水) 23:25:58.66 ID:gi9U1wiU.net
>>86
【エマ】
眩しい二人が掲げた誓い
再び登る運命(さだめ)の舞台
でも出てくる言葉はオマージュくらい?
そんなんじゃひかりに届かない

「果林」って呼び捨てアピールしたい?
発想が小学生みたい
周りの目なんかてんで顧みない
その発想がすでに痛い

90: 2021/06/30(水) 23:27:02.32 ID:gi9U1wiU.net
エマ「えーーーーい!」

ドン!

愛「ICAMを…殴った!?」

ドオオオオオン!!!!

歩夢「そうだよ…そんなことしたら爆発…」

遥「いえ!よく見てください!エマさんは…無傷です!」

彼方「あれだけの爆発でなんで無傷なの?」

91: 2021/06/30(水) 23:30:29.97 ID:gi9U1wiU.net
遥「いえ、それどころか」

愛「姫乃ちゃんが」

璃奈「…いない?」

歩夢「なんで?どういうこと?」

せつ菜「そういうことですか!エマさんは…」

エマ「大したことはしてないよ?私の拳圧で爆発ごと吹き飛ばしただけ」

エマ「それが姫乃ちゃんの方にいっちゃったのは不幸な事故ってことで許してね」

かすみ「おおおお!」

璃奈「ICBMを防いだたばかりか…」

しずく「その余波で姫乃さんを攻撃した!」

92: 2021/06/30(水) 23:32:39.28 ID:gi9U1wiU.net
🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

姫乃「ぐっ…ここは」

姫乃「まさか私の攻撃を逆に利用するとは、化け物にもほどがありますよ」

エマ「姫乃ちゃーーーんどこー?遊びましょー?」

エマ「ふふっ、今日のわたしはちょっぴり過激だよー」

姫乃「やれやれ、あなたの遊びは随分と物騒なんですねスイス」

エマ「姫乃ちゃんみーつけた!」

93: 2021/06/30(水) 23:34:19.09 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「吹き飛ばしたのはあなたですがね!」

エマ「おっと、あんまり盛り上がりすぎると止まらなくなっちゃうね、危ない危ない」

エマ「…でも、姫乃ちゃんと全力でバトルしてわかりあうんだもん盛り上がるのも仕方ないよね!」

姫乃「…普段にも増して言ってることとやってることが噛み合ってませんね」

姫乃「ええ、わかってましたよ…こんな程度で勝てる相手ではないと」

姫乃「ならば倒れるまで手を緩めるつもりはありません」

94: 2021/06/30(水) 23:36:52.51 ID:gi9U1wiU.net
>>89
【姫乃】
いいかチャンスは誰もが平等
やったもん勝ち痛くて上等
衝動抑えてどうぞじゃそうそう
勝てるかガチの押し問答

がっつくくらいでようやく差がつく
誰より高く誰より熱く
自由の翼で最上へ至る
さあ、矮小なスイスの最期が来たる

95: 2021/06/30(水) 23:42:27.63 ID:gi9U1wiU.net
『蛇足4・これ書き終わったらスクスタ28章でもやろうかな』

姫乃「さて、スイス…あなたはどうやら舞い上がってるようですが…」

エマ「ん?」

姫乃「先程の攻撃、あんな対処をしたくらいでどうにかなるとか思ってないですよね?」

エマ「あはは姫乃ちゃん」

エマ「何を言ってるかわからな…」

エマ「え?」

エマ「これ…なに」

ドサッ

姫乃「何が起こっているかわからないでしょう?」

姫乃「おかしいと思わなかったんですかね…」

姫乃「私の口上、ちゃんと聞いてましたか?」

96: 2021/06/30(水) 23:44:29.52 ID:gi9U1wiU.net
エマ「口上?」

エマ「あ、なるほど…うん…」

エマ「面白いよ…姫乃ちゃんは本当に」

エマ「はは…そうだね」

エマ「こんなの、初めてかな」

🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

かすみ「エマ先輩が…」

しずく「いきなり崩れ落ちた?」

璃奈「どういうこと?」

🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒🦒

97: 2021/06/30(水) 23:50:49.01 ID:gi9U1wiU.net
エマ「いやー、すっかり…騙されたよ」

エマ「姫乃ちゃん言ってたもんね、切るって…なのにミサイルとかおかしいか、ははは…」

姫乃「あなたのとてつもないパワーに正面から挑んでも良かったのですが、どうも私はこういう戦い方の方が強いみたいです」

エマ「さっきのやつ…何が…入ってたの?」

姫乃「いえ、大したものではないですよ」

姫乃「肉眼では確認できない刺さっても気づかないほどの無数の小さな毒針、ちなみに毒の効果は」

エマ「麻痺、かな?」

姫乃「はい、一つ一つは大した効果もないし針自体の威力も皆無に等しいですが…塵も積もればなんとやら」

98: 2021/06/30(水) 23:52:23.07 ID:gi9U1wiU.net
エマ「さっき近づいてきたのは…私により多くの毒針を食らわせるため…」

姫乃「避けたり毒針を食らわない位置で対処されたりしたら敵いませんので」

姫乃「至近距離で撃ったこともあり、時間の少なさからあなたは見事に対処を誤ってくれました」

姫乃「さて、では…」

シャキーン

姫乃「動けないところ申し訳ないですが…なるべく苦しまないように一刀で息の根を止めてあげます」

エマ「…姫乃ちゃん、私からも一ついいかな?」

姫乃「なんです?命乞いですか?」

エマ「さっきの口上、覚えてる?」

99: 2021/06/30(水) 23:54:34.56 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「あなたの口上ですか?まあ、記憶してますが…」

エマ「あーえっと、わたしのじゃなくて…」

エマ「姫乃ちゃんの、だよ?」

姫乃「私の?」

エマ「姫乃ちゃん、言ってたよね?」

エマ「『友をも斬れる者と知れ』って」

姫乃「ぐっ!」

100: 2021/06/30(水) 23:55:24.41 ID:gi9U1wiU.net
エマ「もしかしてだけど…こうやって斬ろうとしてるってことは…」

エマ「わたし、姫乃ちゃんのお友達なのかな?」

姫乃「は?それは…違います!友をもですよ!敵だけでなく、友も!あなたは敵で…」

エマ「そっか…ところで」

エマ「私、別に動けないわけじゃないよ?」

101: 2021/06/30(水) 23:56:44.17 ID:gi9U1wiU.net
姫乃「へ?」

ドンッ!

姫乃「ぐふっ!」

姫乃(パンチ、みぞおちを的確に…)

エマ「すごく動きにくいし、さっきまではギリギリ動けるかなってくらいだったけどね」

エマ「姫乃ちゃんとおしゃべりしたら元気出ちゃった!」

姫乃「このっ、スイ…」

姫乃(動きにくくてこれですか…)

エマ「もう一回、飛ぼうか?」

エマ「エマ・ヴェルデ、いきます!」

102: 2021/06/30(水) 23:58:01.06 ID:gi9U1wiU.net
>>94
【エマ】
無謀な野望を抱くのは勝手
でも高みを目指す意味わかってる?
落ちた奈落で見上げろ視界(サイト)
あなたの甘さに群がる寄生虫(パラサイト)

月の輝き星の愛
奈落の淵には届かない
見上げる天井こないアテンド
だってまやかしの夢は既にジ・エンド

103: 2021/07/01(木) 00:08:06.76 ID:qFR3cEDu.net
『蛇足5・6月に終わらせたかった〜夏〜』

ドオオオオオオオオオオオン!!

姫乃「ゔあああああああ!!」

エマ「いってらっしゃーい」

姫乃(くっ、やばいです…私の本能が告げている)

姫乃(この先のものを、まともに食らったらやばい!)

姫乃(このSSのジャンルがホラーSSになってしまう!)

姫乃(最悪…氏体すら残らない!)

姫乃「いちか、ばちか!」

姫乃「やるしかない、ですね!」

104: 2021/07/01(木) 00:16:07.70 ID:qFR3cEDu.net
>>102
【姫乃】
歌に踊りに 往き帰り
スイスの殺意を突き返し
奈落へ続く一本道でも
抗う、それが日本の道

さんざん氏ぬ気で切り捨て御免
ろくな奴なら急氏だ当然
花咲く血潮に香るは双葉
輝く道に終わり無し未だ

105: 2021/07/01(木) 00:19:50.90 ID:qFR3cEDu.net
ドオオオオオオン!

姫乃「ぐっ」

姫乃「たああああああああ!」

🦒🦒🦒姫乃・逆噴射🦒🦒🦒


🦒🦒🦒🦒成功!🦒🦒🦒🦒


エマ「……」

エマ「…はははっ!自分のラップの爆発で帰ってくるって、すごいね姫乃ちゃん!」

エマ「それに…この土壇場で"それ"をやるんだ!」

エマ「いいよ!いいよ!姫乃ちゃん!」

106: 2021/07/01(木) 00:21:41.08 ID:qFR3cEDu.net
かすみ「んんん?」

しずく「どうしたのかすみさん?」

かすみ「エマ先輩は何であんなに嬉しそうなの?」

しずく「あー、3行目から6行目なんだけど…」

ヒソヒソ

かすみ「えっと、お…おおお!!」

しずく「わかった?」

かすみ「うんうん!そういうことね!」

107: 2021/07/01(木) 00:29:02.76 ID:qFR3cEDu.net
『蛇足6(前)・書きたかったやつ』

エマ「さて、姫乃ちゃんはこっちに"飛んできてる"わけだよね〜」

エマ「だったらわれに秘策あり、だよ!」



栞子「あ…あああ…」

せつ菜「どうしたんです?栞子さん?」

栞子「この状況、残りのメンバー…」

栞子「エマさん、まさか…あの人のを…」


エマ「ではでは…」

エマ「かっとばせー!エマちゃん!」

108: 2021/07/01(木) 00:32:34.28 ID:qFR3cEDu.net
【エマ】
キラめく舞台が大好きだけど
姫乃ちゃんはもっと好き
さあしまってこう!じゃあ気張ってGO
どんな球でも打っていこう

パワーは満タン気持ちはらんらん
ダイヤモンドをRUN&RUN
姫乃ちゃんをいざ葬らん!
まひるの空へと大ホームラン!!

109: 2021/07/01(木) 00:35:44.01 ID:qFR3cEDu.net
パパパー!

パパパパー!

果林「なんの音?」

せつ菜「見てください!いつの間にか周りが…」

遥「えっと…野球場?」

彼方「あれ?エマちゃんは?」

歩夢「あ、あそこだよ!」

110: 2021/07/01(木) 00:37:52.76 ID:qFR3cEDu.net
『さあ!出てきました!ここが勝敗の分け目です!』

『虹ヶ咲学園4番、キャッチャー、エマ・ヴェルデ』

ワアアアアアアアア!

エマ「みんなー応援ありがとー!」

ネコ?「いけにゃー」

ネコ?「満塁にゃー」

ネコ?「見せ場だにゃー」

111: 2021/07/01(木) 00:40:08.03 ID:qFR3cEDu.net
彼方「あ、見て見て〜ネコさんがしゃべって…」

栞子「そこに触れてはダメです!」

『さあ、打席に入り…おっと、何かトラブルでしょうか?』

エマ「んー、でもなー…わたし、あんまり野球得意じゃないし」

エマ「こんな小さいバットで打てるかな〜」

エマ「もっと大きいバットがあったらな〜」

112: 2021/07/01(木) 00:42:17.31 ID:qFR3cEDu.net
ネコ?「おまかせにゃー」

グウウウウウン

愛「あ、エマっちのバットが大きくなってくよ」

グウウウウウウウウウウウウウン!

かすみ「ていうか…」

グウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!

しずく「大きくなりすぎでは?」

璃奈「私の住んでるマンションくらいある…」

113: 2021/07/01(木) 00:44:11.45 ID:qFR3cEDu.net
ネコ「完成にゃー」

エマ「おおおお!ありがとう!」

エマ「どれどれ〜?」

ブンッ!ブンッ!

エマ「うん!とってもいい感じだよ!」

エマ「では、いってみよー!」

『さあ、打席に入った、果たして勝負のゆくえは?』

エマ「さあ、ばっちこいだよ姫乃ちゃん!」

114: 2021/07/01(木) 00:51:07.36 ID:qFR3cEDu.net
『蛇足6(後)・実は野球はそんなに詳しくない』

姫乃(150km/h・ストレート)「………」

姫乃「……………ああ、えっと」

姫乃「回転数?とか変えたら曲がるんでしたっけ?」

姫乃「体ひねるとか?」

クイックイッ

姫乃(149km/h・ストレート)「………」

115: 2021/07/01(木) 00:52:13.73 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「…………」

姫乃「………………………ははっ」

姫乃「クソがアアアアアアア!打てるもんなら打ってみろや!!!」

姫乃「日本の力、甘くみるな…」ヒューン

姫乃「バッターボックスにぶち転がしてあげますよ!スイスうううううううう!」

116: 2021/07/01(木) 01:00:59.25 ID:qFR3cEDu.net
>>108
【姫乃】
人には運命(さだめ)の星がある
だが運命すら超えて這い上がーる
真っ赤に燃える王者の印
勇姿を記したその英雄史

純な心で向き合う画面
試練の道には強力打線
きら星 明け星 流れ星もいいが
いけいけ星は大リーガー

117: 2021/07/01(木) 01:03:13.17 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「これでどうだああああああ!」


🦒🦒🦒対決・開始!🦒🦒🦒


エマ「なにをやったか知らないけど…」

エマ「こんなのホームランに」

パァアァン!

エマ「よし、芯で捉えた!」

エマ(あれ?なんだろうこの違和感?)

ポテーッ

エマ「たしかに捉えたのに…ぜんぜん飛ばない!?」

118: 2021/07/01(木) 01:12:50.92 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「ははっ、この程度飛ばされたところで」

スタッ

姫乃「はい、無事着地ですよ」

姫乃「綱渡りの賭けでしたが、上手くいって良かったです」

エマ「なにを…やったの?」

姫乃「それはおいおい話します。ただ、その前に…」

ヒュンッ!

姫乃「さんざん吹っ飛ばされたのを返させてもらいます!」

119: 2021/07/01(木) 01:16:33.01 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「まずは一太刀!」

ザシュ!

🦒🦒🦒ストライク!🦒🦒🦒

エマ「くっ!」

姫乃「動きがにぶいですね!何気にさっきの毒が残ってるんじゃないですか!?」

エマ「…そんなこと、ないよっ!」ブンッ!

ヒュンッ

エマ「え?消えた?」

120: 2021/07/01(木) 01:18:11.83 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「これは結構有名だと思ったんですが」

姫乃「さすがのあなたでも…守備範囲外でしたか?」

姫乃「それはよかったああああああああ!」

スパアアアアアアアン!

🦒🦒🦒ストライク!🦒🦒🦒

エマ「きゃあああああああ!」

121: 2021/07/01(木) 01:23:14.09 ID:qFR3cEDu.net
エマ「いつの間に後ろに?」

エマ「でも、見えてるならっ!」

ブンッ!

姫乃「ダメですよ?そんな大ぶりな攻撃じゃ」

ヒョイ

姫乃「風が起こって、当たらない、どころか!」

122: 2021/07/01(木) 01:28:32.59 ID:qFR3cEDu.net
ザシュウウウウウ!!

姫乃「カウンターの餌食ですよ!」

🦒🦒🦒3ストライク!🦒🦒🦒
🦒🦒🦒バッターアウト!🦒🦒

🦒🦒勝者・綾小路姫乃!!🦒🦒

エマ「あ…ああっ!!」

姫乃「結構深く入りましたね。バトル中でなければ致命傷ですよ、それ」

エマ「そろそろ…教えてもらってもいいかな?」

エマ「姫乃ちゃんが今すっごく強くなってるのって」

エマ「さっきの…ラップのせい…だよね?あれはなんなの?」

123: 2021/07/01(木) 01:32:18.55 ID:qFR3cEDu.net
姫乃「あなたが野球で来たので野球で返しただけです。ちょうど"星"を題材にできそうなのが私のターンに回ってきましたから」

エマ「星が題材にできそうだから?…ちょっとわたしにはわからないな」

姫乃「まあ…あなたに気づかれないように念のため作品名は伏せてたんですが」

姫乃「日本にはあるんですよ…野球で星って言ったらレジェンド級の作品がね」

姫乃「打てど飛ばない球、視界から消えてしまう球、打とうとした動きでバットから遠ざかる球」

姫乃「そんな魔球を、強靭な精神と果てしない努力の果てに生み出した者の話がね」

124: 2021/07/01(木) 01:37:27.46 ID:qFR3cEDu.net
エマ「はは…日本にはまだまだ私の知らない素敵なものがあるんだね」

姫乃「はい、日本なめんなってやつです」

エマ「そっか、戻ったらせつ菜ちゃんに聞いてみようっと」

姫乃(まあ、ぶっちゃけ…その魔球とやらは作中で全て破られてしまったわけですが)

姫乃(なのでスイスがそれを知ってたら負け確定でした……それをわざわざ教えはしませんがね)

125: 2021/07/01(木) 01:41:51.48 ID:qFR3cEDu.net
エマ「あ、もしかしてだけどさ…」

姫乃「なんです?」

エマ「もう、私の負けは決まっちゃったのかな?」

エマ「私はまだまだ姫乃ちゃんとラップしたいんだけどなー」

姫乃「そんなダメージを受けてまだやれるとは思いませんが?さっきも言いましたが、氏んでもおかしくないんですよ?」

姫乃「まあ、それでもやりたいというならどうぞ」

エマ「ふーん、じゃあ…」

エマ「…続けていいってこと…だよね?」

126: 2021/07/01(木) 01:45:13.86 ID:qFR3cEDu.net
栞子「………あれ、えっと?」

せつ菜「どうしました?栞子さん?」

栞子「……足りなくないですか?」

せつ菜「何がです?」

栞子「待ってください、たしか……」

栞子「あ……」

栞子「……迂闊でした…」

せつ菜「栞子さん、どうかしました?」

127: 2021/07/01(木) 01:47:23.41 ID:qFR3cEDu.net
栞子「理解しました。どうして今までの話に登場すらしていなかった私がここにいたのか」

栞子「早くしないと、取り返しがつかないことになってしまう!」




栞子「聞いてください!姫乃さん!!」

栞子「今、エマさんにラップをさせてはダメなんです!!」

栞子「恐らく、エマさんの狙いは…!!」

128: 2021/07/01(木) 02:08:54.78 ID:qFR3cEDu.net
『蛇足(氏地)・お待ちかねのあれ』

姫乃「えっと、栞子さん?スイスにラップをさせるな、とはいったい」

エマ「"また"一足遅かったね、栞子ちゃん」

エマ「ははっ!」

姫乃「なんですか…変な笑い声あげて」

ブシュ!

姫乃(え?これ、日本刀?)

姫乃(私のお腹から日本刀が、生えてきた?)

姫乃「がはっ!」

129: 2021/07/01(木) 02:10:32.36 ID:qFR3cEDu.net
姫乃(あれ?これ…)

姫乃(刺 さ れ た ?)

エマ「はは…姫乃ちゃんは隙だらけだなあ」

姫乃(振り向いた先のスイスの手には…)

姫乃「日本刀?あなた、スイスなのに日本刀なんて使ってどうするんです?」

エマ「あー、これは演出だよ…でね」

エマ「姫乃ちゃんとはこれからもずっとバトルすることになるんだけど」

エマ「最後に、わたしからの忠告だよ?言ったところで覚えてはもらえないけどね」

130: 2021/07/01(木) 02:12:11.91 ID:qFR3cEDu.net
エマ「あのね、姫乃ちゃんはさ、頃すとか潰すとかよく言ってるけど」

エマ「……本当に頃したいなら、そんなこと言っちゃだめなんだぞ?」

姫乃「なにを…」

ザシュ!

姫乃「あああっ!!」

エマ「腹ペコの動物がさ…獲物を目の前にして、いちいち『これから頃します』なんて言わないんだよ?」

エマ「頃す…なんて言ったら相手は身構えちゃうし、それにどうせ食べちゃうんだもん!」

ザシュ!

姫乃「あああああ!」

131: 2021/07/01(木) 02:13:35.69 ID:qFR3cEDu.net
栞子「姫乃さん!」

栞子(体が、動かない!)

エマ「姫乃ちゃん、反省はできたかな?」

姫乃「はっ?するもんですか!!…スイスごときの言葉で」

ザシュ!ザシュ!

姫乃「あ゛あ゛っ!」

エマ「姫乃ちゃん、笑おう?スマイルだよ?」

エマ 「平和的に行こうよ」

姫乃「あなた、自分が…なにやってるかわかってます?」

132: 2021/07/01(木) 06:02:48.73 ID:qFR3cEDu.net
すみません
あらゆる意味で話が終わってるのですがこの先はまた夜になりそうです

134: 2021/07/01(木) 23:34:37.17 ID:qFR3cEDu.net
🦒再開🦒

エマ「んー、まだおしおきが足りない?姫乃ちゃんにはこれから先のことを見ててほしいから、あんまりひどいことはできないんだよね」

エマ「まあこのくらいでいいか。本題に入るよ」


エマ「おほん!ではでは…」

エマ「舞台にお越しの皆様、本日はご来場いただきありがとうございます!」

エマ「わたしと姫乃ちゃんの手によって、今!まさに!この場に8つのキラメキが集いました」

エマ「では、問題です」

エマ「この8つのキラメキを燃料に、わたしはこれから何をするでしょう?」

エマ「ヒントは最後の1つのキラメキの持ち主です」

エマ「答えは〜、ラップの後で!」

135: 2021/07/01(木) 23:36:49.55 ID:qFR3cEDu.net
【エマ】
舞台に実った たわわな果実
ほおばり語ろう はわわな過日
熟れて落ちてもまだまだ齧る
終わらないボーノはバナナイス!

このつながりは決して切れないね
キリないくらいの綺麗な祭宴
私が守るのみんなの菜園
またね姫乃ちゃん!じゃあ再見(ツァイツェン)

136: 2021/07/01(木) 23:55:31.56 ID:qFR3cEDu.net
パアアアアアアアア!

エマ「うん、今回も上出来だね」

姫乃「待ちなさい…スイス!」

エマ「ふふっ、わたしのこと呼んだ?」

エマ「あー、そうだ謝んなきゃだね。ごめんね、痛かった?」

エマ「でもね、これでやり直し、ちょっと前からやり直して、ずっとわたしたちは一緒にいられるんだよ?」

姫乃「はは、何とも気味悪い話ですが…」

姫乃「やはりそうでしたか」

姫乃「…お前は誰だ?」

137: 2021/07/01(木) 23:58:25.16 ID:qFR3cEDu.net
エマ「エマ・ヴェルデだよ?」

姫乃「は?とぼけないでくださいよ?」

姫乃「スイスはね…」

姫乃「私のスイス呼びに、『わたしのこと呼んだ?』なんて笑顔で返さないんですよ!!!」

姫乃「笑顔で返すとしても、憎ったらしい笑顔で、こちらの何倍もの悪意を返してくるんですよ!!」

エマ「ふーん、そっかそっか……」

138: 2021/07/02(金) 00:04:30.05 ID:zl5m4jJ1.net
エマ?「なるほど、あなたのような付き合いの深い方には『わかります』か?」

エマ?「誤解しないでください。私はエマさんの望みを叶えてるだけですよ?私はあくまでも見守るだけ、ほんの一瞬、体を借りるくらいはしますが」

栞子「なにが…見守るだけだ!」

エマ?「…口調、変わってますよ?」

栞子「まさにお前が言うなってやつかな?それ…」

栞子「まったく、誰かさんの真似までして…いつからあなたは演じる側になったのかしら?」

エマ?「いえ、あれは私ではなくエマさんです。どうもあなたのキラめきと相性がバナナイスだったせいで影響が出てしまったようで」

139: 2021/07/02(金) 00:08:34.40 ID:zl5m4jJ1.net
栞子「否定ができないのは辛いところね」

栞子「でも、ここは、あなたの居ていい場所じゃない」

エマ?「おや?私がどうこうの前にすでにおかしな設定が入り込んでいた気もしますがね」

エマ?「スクールアイドルって、ラップするんですか?」

栞子「ま、たしかにそう…私たちみたいなのが出たところでいまさらどうでもないってはその通り」

栞子「だから単純に、クロスオーバーにさらにクロスオーバーしてごった煮にするのはやめろって言ってるの」

栞子「鍋にチーズケーキ放り込むみたいな悪趣味な話はやめろって言ってるの!」

エマ「そうですか、でも…」

エマ「この状況で何をしても無意味なのは、あなたが一番わかってるはずでは?」

140: 2021/07/02(金) 00:13:57.16 ID:zl5m4jJ1.net
『幕間(發)・白の中に赤丸を置けばなんとなく日本っぽくなる』

姫乃「さっきからごちゃごちゃと…」

姫乃「要はあなたはスイスじゃないけど、スイスの意志で動いてるってことですよね!」

姫乃「だったら、やることは一つです」

エマ?「何をするつもりでしょうか?」

姫乃「いつも通りですよ…」

姫乃「おい、スイス!相変わらず肝心なところで馬鹿なんですね!」

エマ?「ほう…馬鹿と」

エマ?「私…馬でも鹿でもないんですがね。なんちゃって」

141: 2021/07/02(金) 00:16:13.79 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「わけのわからないお前には言ってないです!スイスに言ってるんですよ!」

姫乃「スイス、あなたは…満足できるんですか?」

姫乃「これから先、私は強くなりますよ!間違いなく、あなたなんか足元にも及ばないくらい!」

姫乃「そんな私に背中を向けて、やり直し?はっ!とんだ腰抜けですよ!」

姫乃「そんな腰抜けのラップかまして、あなたは満足なんですか?」

姫乃「答えなさい!弱虫で腰抜けの負け犬スイス!」

姫乃「国どころか過去に帰って、あなたはいったい何のためのラップをするんですか!?」

142: 2021/07/02(金) 00:18:28.61 ID:zl5m4jJ1.net
エマ?「………」

姫乃「あ、スイスだから日本語はダメでした?そうですよね、だってスイスはスイスなんですから」

エマ「………は、はは」

エマ「はは…ははは…これはどういうことかな?」

エマ「おかしいな?前回までの姫乃ちゃんはさ…こんなこと言わなかったよ?」

エマ「それに、弱虫とか腰抜けとか負け犬とか」

エマ「わたし、我慢強い方だけど」

エマ「かちーーーんって…きちゃったな!」

143: 2021/07/02(金) 00:21:04.89 ID:zl5m4jJ1.net
バキッ…バキッ…

シュウウウウウウ…

???「ちょっと!何をする気です!」

姫乃「なんです…これ?」

姫乃(スイスの体から何かもやのようなものが出てきている?)

???「あ、ああ…」

???「エマ・ヴェルデさん…あなた、私を?まさか力ずくで、この私を引き離すつもりですか…」

144: 2021/07/02(金) 00:23:23.82 ID:zl5m4jJ1.net
エマ「わたしと姫乃ちゃんが話してるんだから黙っててくれないかな?」

エマ「今まで言わなかったけど、あなたがいるとわたし、気持ちよくラップできないんだよね」

エマ「お疲れ様。もういいよ?」

エマ「あと、再演の話は無かったことにしてもらってもいいかな?」

エマ「戻るのやーめた!ので」

145: 2021/07/02(金) 00:24:25.20 ID:zl5m4jJ1.net
???「はは…一度願った再演をどうにかできるとでも?」

???「再演の準備が始まった以上、もうあなたにも私にも止められませんよ」

姫乃(もやが集まっていく…)

姫乃(首が長くて、まだらの模様があって、まるで…)

???「もう一周していただくしかない…」

???「それが、ルールというものです!!」

146: 2021/07/02(金) 00:36:52.16 ID:zl5m4jJ1.net
???「横断歩道を渡る時には手をあげるとか、朝に洗濯機を回してはいけないとか、そういう話ではい!」

???「何も食べなければ氏んでしまう、勢いよく頭を殴られれば氏んでしまう」

???「決して破れない、そんなルールです」

せつ菜「それは違いますね」

せつ菜「良かった、まだ私の出番があったようです」

147: 2021/07/02(金) 00:39:22.57 ID:zl5m4jJ1.net
『幕間(休)・そういえばもう一人いた』

???「…おや、ああ…そういえば、あなたもでしたね」

???「『優木せつ菜』さん、でよろしいですか?」

せつ菜「ええ、それでいいです」

???「で、何が違うと?」

せつ菜「私はこの件についてはあまり知りませんが、再演の準備とやらはこの舞台で行われているんですよね?」

???「ええ、集められたキラめきを燃料にして」

せつ菜「ならば、もっと根本の大原則があるはず」

せつ菜「舞台装置は、キラめきに応えて動くもの…ではないですか?」

148: 2021/07/02(金) 00:58:49.66 ID:zl5m4jJ1.net
???「一度決めた再演を…続編の予定で上書きすると?そのような無茶………」

???「ふふふ…なるほど、なるほど!!!面白い!!!」

???「かつての再演を待ち望む観客に!その再演のラストシーンを夢見て集まった観客に!あろうことか、その先を見せつける!!なんとも愚かしい!」

姫乃「あの、盛り上がってるところ悪いのですが」

姫乃「つまり、どうにかなるのですね」

???「もちろん!」

???「既に準備を始めている舞台にまっさらな台本を突きつける無遠慮さと!演目の変更を押し通す熱意と!説得に足るだけの技量があなた達にあれば!!!」

149: 2021/07/02(金) 01:00:35.66 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「ライブ当日の朝に作ったばかりの新曲をやろうと言い出す、みたいなものですか?」

エマ「おお!スクールアイドルらしい例えだね」

姫乃「スイスの尻拭いなど、不本意ですが…仕方ない、やるしかないですよね」

エマ「ふふっ、"仕方なく"わたしのお尻をさわるんだ、やらしいね、姫乃ちゃんは」

姫乃「あなたがこの状況の元凶だってわかってます?」

エマ「あはは…わかってるよ〜」

150: 2021/07/02(金) 01:02:43.17 ID:zl5m4jJ1.net
『幕間(終)・これは少女が過激にラップする物語』

姫乃「さて、小難しい話がありましたが」

姫乃「つまりは私たちのラップで舞台とやらを止めればいいのでしょう?」

姫乃「……まったく、なぜこのようなことに…」

姫乃「スイス、シンプルに『はい』か『いいえ』で答えてください」

姫乃「私とともにラップでこの状況を打開する意思はありますか?」

エマ「姫乃ちゃん!それって…」

エマ「私と、一緒にラップをしたいってことだよね!」

151: 2021/07/02(金) 01:04:15.18 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「勘違いしないでください!あなたの不始末なのだから、あなたも力を貸すのが道理だというだけです」

エマ「まったくー、しょうがないなぁー」

エマ「当然『はい』だよ!姫乃ちゃんとのセッション、わたしがんばっちゃうからね!」

姫乃「聞くまでもありませんでしたかね」

エマ「ところで姫乃ちゃん」

姫乃「どうしました?」

エマ「私は『エマ・ヴェルデ』だよ?」

152: 2021/07/02(金) 01:12:29.86 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「ああ…そうでした、そうでしたね」

エマ「わかってもらえた?」

姫乃「はい、心に刻みましたとも」

姫乃「…では、スイス!行きましょう!」

エマ「わたしはエマ・ヴェルデなんだけどな!」

🦒🦒🦒🦒🦒🇨🇭🇯🇵🦒🦒🦒🦒🦒
🦒🦒🦒姫乃・エマ、出撃🦒🦒🦒
🦒🦒🦒🦒🦒🇯🇵🇨🇭🦒🦒🦒🦒🦒


姫乃「まずは、私からでいいですね!!」

エマ「オッケーだよ!!!」

153: 2021/07/02(金) 01:16:20.61 ID:zl5m4jJ1.net
【姫乃】
「あの日の舞台をまた見たい」か?
理解も及ばぬ馬鹿みたいだ
次代を否定し浮かれて怠惰
次第に溺れて水氏体だ

【エマ】
エマ・ヴェルデちゃんがヘタ打って
何度も何度も夢見た風景
なんかどうでもいいかな、以上
さあ、スーパースター!!をみんなで見よう

154: 2021/07/02(金) 01:17:23.89 ID:zl5m4jJ1.net
ドオオオオオン!

カチ…カチ…ガシャッ

せつ菜「ほら、見てください」

ガシャッ…ガシャーン!

栞子「舞台が今までと違う動きを…」

???「ほう…舞台が、別の演目を受け入れ始めた」

???「過去ではなく未来を求め始めましたか」

155: 2021/07/02(金) 01:20:58.02 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「…ちょっといいですかね?」

???「何でしょう?」

姫乃「さっきから演目、演目って…私たちがやってることはそんなご立派なもんじゃないですよ」

エマ「そうだよね…演目とかこそばゆいよ」

姫乃「気に入らないやつのステージに乗り込んでバトルをふっかけて、ステージをめちゃくちゃにする…そんな下らない行為がいいところです!」

エマ「でもさ、ワクワクしちゃうよね」

姫乃「ええ!はじめてですよ!こんなに心躍るバトルは!」

156: 2021/07/02(金) 01:39:49.79 ID:zl5m4jJ1.net
エマ「私たちのキラめきにマイクが、ステージが応えてくれている!」

姫乃「私たちのやるべきことは明確にして明白!」

エマ「一気に決めちゃおうか!」

姫乃「最高の形でスイスをぶちのめせる未来のために!」

エマ「最高の形で姫乃ちゃんとわかりあえる未来のために!」

姫乃・エマ「「中指立てて、リリックをかます!!」」

157: 2021/07/02(金) 01:41:29.79 ID:zl5m4jJ1.net
【姫乃】
おんぶにだっこで過去のリバイバル
あーあーまったく嫌になる
過去を超えるのが創造だろうが
常に見据えるのは頂上だろうが

【エマ】
ループものとかもう飽きちゃった
流行りの変わり目来ちゃったね〜
トレンドは今や追放ものだよ
ごめんと言ってももう遅い!(笑)

158: 2021/07/02(金) 01:43:00.37 ID:zl5m4jJ1.net
ドオオオオオン!

???「舞台が止まった!」

せつ菜「そろそろあるべき場所に帰りましょう」

栞子「そうね、この先の展開はここの人だけのものだもの」



姫乃「さあ、さあ、さあ!まだ行けますよね!」

エマ「あたり前田の佳織里だよっっ!」

159: 2021/07/02(金) 01:54:47.85 ID:zl5m4jJ1.net
【姫乃】
いいかよく聞けこちとらラッパー
待った無しとあの日マイクに誓った
【エマ】
止まったりできないよ!ねえ、わかった?
アーパーな子にはわかるまでアッパー!

【姫乃】
果たし合うために!
【エマ】
分かち合うために!
【姫乃】
作り出すギミック!
【エマ】
紡ぎ出すリリック!

【姫乃】
再演に代わり見せてあげましょう!
【エマ】
再現できない一度きりのショー!

160: 2021/07/02(金) 02:22:42.90 ID:zl5m4jJ1.net
『蛇足の終わり』

ドオオオオオン!

???「これは!」

ドオオオオオン!ドオオン!

???「おお!舞台が!自ら崩壊を始めている!」

姫乃「私たちの未来のために、自らを壊して"再演"を止める…」

エマ「ごめんね…わたしのわがままのせいで」

161: 2021/07/02(金) 02:25:39.36 ID:zl5m4jJ1.net
かすみ「しお子ー!ここにいたんだ」

璃奈「やっと動けた、なにがなんだかわからない…」

しずく「本当に…なんですかねこの展開?…でたらめで、ぐちゃぐちゃで、唐突で、これではまるで…」

栞子「ワイドスクリーン・バロック…ですね」

栞子「ええ、はた迷惑な、ワイドスクリーン・バロック…いえ、ワイ"ル"ド・スクリーンバロックでした」

162: 2021/07/02(金) 02:29:52.96 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「きれいさっぱり無くなりましたね」

エマ「これで解決だね」

???「そうでもありませんよ?」

姫乃「まだ居たのですか?」

???「まあ…私、しぶとさには自信ありますので」

???「とはいえ、この世界とのつながりもほぼなくなってますからそのうち消えますよ」

???「なのであなた方の置かれた状況を簡潔に述べますが」

???「あなたがたの都合で消してしまったキラメキ、実はある世界の根幹にあったもので、それを追放どころか消したことで世界がまるまる崩壊などという大惨事が起こりかねないくらい手遅れになっているわけだが、そこのところわかっているのか?もう謝っても遅い」

???「…といったところでしょうか?」

163: 2021/07/02(金) 02:32:37.29 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「はい?」

エマ「あれ?もしかしてわたし、また何かやっちゃった?」

???「ふふ、冗談ですよ…そんな簡単に世界が崩壊なんてするわけないじゃないですか?」

???「あなた…ラノベの読みすぎでは?」

姫乃「最後までとんだ食わせ者ですね」

???「では、さようなら」

???「なかなか味のある余興でしたよ。私もなりたくなってしまいました、ラッパーとやらに」

???「…そうですね例えば、そう…さだめ…」

164: 2021/07/02(金) 02:38:22.90 ID:zl5m4jJ1.net
🦒あ、忘れてました

🦒ありがとうございました

🦒今度こそ本当にさようなら

🍃


エマ「いっちゃったねー、ふふ…明日はどんな日になるんだろ」

姫乃「あなたが何度も繰り返した日々とやらよりは格段に素晴らしい日々になるでしょう」

姫乃「私を超えるという目標ができたのですから」

エマ「んー!私負けてないもん!」

エマ「わたし、日本のラップを極めるもん!」

165: 2021/07/02(金) 02:40:52.81 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「…ていうか、今更ですけど、なんか異様に日本語うまいですねあなた」

姫乃「まあ、イタリア語やらなんやら国内にいくつも公用語があるスイスの方々にとっては造作もないことなんでしょうか」

エマ「…知ってたんだ、スイスの公用語のこと」

姫乃「ええ、スイス語なんてないことくらいとっくに調べてます」

姫乃「敵を知ることは戦いの基本ですから」

エマ「敵…か」

姫乃「ええ、果林さんをかけて争う敵…それ以外の何者でもありません」

166: 2021/07/02(金) 02:41:52.73 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「ですが…」

姫乃「敵とはわかりあえぬという道理もないでしょう?」

エマ「姫乃ちゃん…!」

姫乃「私たちラッパーは、戦いの中でしか己を確かめられない」

姫乃「それは裏を返せば…戦う相手こそが自己を証明してくれる存在ということ!」

エマ「私がいるから姫乃ちゃんがいて、姫乃ちゃんがいるから私がいる」

姫乃「これからもぶちのめしてあげますから覚悟してください…エマ・ヴェルデさん!」

167: 2021/07/02(金) 02:43:02.28 ID:zl5m4jJ1.net
エマ「姫乃ちゃん…今…私の名前…」

エマ「う…うう…」

姫乃「あの?」

エマ「良かったあああ!やっと、やっとまともに名前呼んでくれたよおおお!」

エマ「スイスって言いかけたり嫌味ったらしくじゃなくて…まともにエマ・ヴェルデって呼んでくれたあああ!」

姫乃「…そんなに喜ばなくても」

168: 2021/07/02(金) 02:50:00.34 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「確信犯ですか!なんだこの腹黒スイス!」

エマ「あ、確信犯っていうのは…」

姫乃「知った上でこの使い方をしてるんですよ!ていうか、あなたのせいでどれだけの苦労をしたか今一度話してあげましょうか?」

エマ「そういう過去の出来事を持ち出すのよくないと思うよ?」ヒューン

姫乃「構えましたね…マイクを…」

姫乃「いいですよ!第二ラウンドといきましょう!」ヒューン

遥「あの二人、真逆なのになんであんなに気が合うんでしょうか?」

果林「真逆だからじゃないかしら?」

遥「どういうことです?」

果林「真逆だから相手がどう動くかわかる、相手が間違った方向に進んでいるのがわかる」

果林「そういう関係なのよ、あの二人は」

169: 2021/07/02(金) 03:11:18.26 ID:zl5m4jJ1.net
『急造カーテンコール〜レペゼンオダイバ〜』

♪〜チャララランランチャララ、チャララランランチャラララ

姫乃「なんです?このイントロは」

栞子「なぜか実家のような安心感があります」

せつ菜「その感覚、私もなんとなくわかります!」

しずく「歌うしかありませんね」

果林「あら?今日の主役が誰か忘れてない?」

彼方「果林ちゃんの誕生日なのに、ほとんどエマちゃんと姫乃ちゃんだったね」

璃奈「無理もない、そもそもこのシリーズ自体がエマさんと姫乃さんメインだったりするし」

愛「メタ発言するのはやめたれ!なんつって!」

遥「あ、あの…私と姫乃さんのバトルは?」

海未「その、いきなり呼ばれたのですが…」

理亞「なんなのよ…」

侑「海未ちゃん!理亞ちゃん!間に合って良かった!」

歩夢「侑ちゃん!?」

エマ「さあ歌おう、みんなで!」

170: 2021/07/02(金) 03:13:25.06 ID:zl5m4jJ1.net
エンディングテーマ
『ラップ少女心得』(原曲『舞台少女心得』)

しゃんとフレーズ飛ばして
凛とバイブスアゲて
今日もアンセムに湧くパンチライン

アンサー無駄に凛々しく
ヘイター鼻で笑って
ウェッサイのすべてに意味があるの

韻を踏み出すのよ
イルを忘れないで
フローは未知数
さあ、ヴァースを蹴飛ばせ!

私たちはラップ少女
生まれながらラップ少女
サビに乗せて 檄を飛ばし
激しく個を描く

私たちはラップ少女
手の中には常にマイク
メロをなぞって ノリは前へ
モタらないように

世界は私たちの
大きなディビジョンだから

さあ、飛び立とう この大空

171: 2021/07/02(金) 03:15:46.66 ID:zl5m4jJ1.net
🦒 (間奏)🦒

172: 2021/07/02(金) 03:18:49.22 ID:zl5m4jJ1.net
姫乃「私たちはラップ少女〜」

姫乃「生まれながらラップ少女〜」

歩夢「サビに乗せて 檄を飛ばし」
せつ菜「激しく!個を描く!!」

愛「私たちはラップ少女」
果林「未完成のラップ少女」

彼方「どんな時も胸を張るの」
遥「リリック刻むから」

かすみ「私たちはラップ少女」
しずく「手の中には常にマイク」
璃奈「メロをなぞって ノリは前へ」
栞子「モタらないように」

海未「世界は私たちを」
理亞「ずっと待っていたの」

侑「世界は私たちの」
一同「大きなディビジョンだから」

〜蛇足・完〜

173: 2021/07/02(金) 03:33:22.30 ID:zl5m4jJ1.net
ここまで読んでくれた方、もしいたら本当にお疲れ様です
やりたいことはやりきりました

繰り返しますがこの話は>>67で既に終わっています
姫乃が部室棟の廊下でエマと話し、ラップと正面から向き合う決意をして終わりです

本当にあったどうかもわからない
そんな本編の何倍に伸び切った蛇の足に付き合っていただきありがとうございました

引用元: 【果林生誕祭記念?SS】果林「今日は来てくれてありがとう」エマ「では、ラップバトルを!」姫乃「しませんよ?」【ラップ注意】