1: 2013/05/07(火) 00:25:26.16 ID:QwkMjiuG0
Q.貴女は第一女子寮を知っていますか?

島村卯月「そう言えば私が住んでるのは第3女子寮ですね」


Q.貴女は第一女子寮を知っていますか?

渋谷凛「…何?」


Q.貴女は第一女子寮を知っていますか?

三村かな子「ヒィ!?もう食べ過ぎませんごめんなさいごめんなさい!」


Q.貴女は第一女子寮を知っていますか?

李衣菜「聞いたことないです!あっ?もしかしてロックミュージシャン志望の娘が集まる寮とかですか?」


みんなが知らない小さな事務所の小さな女子寮が今回のお話の舞台です

2: 2013/05/07(火) 00:29:05.02 ID:QwkMjiuG0
ここはシンデレラガールズプロダクション。

最近ではCGプロの愛称とともに「渋谷凛」「輿水幸子」「神崎蘭子」「前川みく」などの今をときめく新人アイドル達を排出している新興プロダクション。

社長さんは「打倒!765プロ!」と大きな声で毎日意気込みを語っています。
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 016 日野茜
4: 2013/05/07(火) 00:33:34.53 ID:QwkMjiuG0
そんなまだまだ小さな事務所ですが地方からもどしどしアイドル候補を呼び集めました。

社長さんはそんな頑張る彼女達の為に立派な立派な寮を建てました。

しかし、この有名な寮は「第2女子寮」
そして最近新たに建てられた「第3女子寮」

一体第一女子寮はどうしたのでしょうか?

5: 2013/05/07(火) 00:36:24.18 ID:QwkMjiuG0
社長さんに聞いてみました。

社長「ん?あ~?第一…女子寮ね。うん」

社長「百聞は一見にしかず。かな?」

……………

そうして、今ここにいるのです

6: 2013/05/07(火) 00:42:02.14 ID:QwkMjiuG0
ここが第一女子寮…?大きめの普通の一軒家にも見えなくはないですが…おや声が聞こえます


モバP「……」

脇山珠美「面!面!面!面!」

モバP「…」

珠美「面!面!面!面!」

モバP「…珠美…」

珠美「はい!」

7: 2013/05/07(火) 00:45:48.29 ID:QwkMjiuG0
モバP「腕が下がってきている。手首ももっと使え!そんなことで敵が斬り殺せるか!!!!!」

珠美「はい!!」

…えっ!

モバP「いいか?ここは戦場だ、目の前には敵がいる。斬らねば氏ぬぞ!!ただ斬るだけじゃダメだ!!全ての一撃は一撃必殺!剣の極意だ!覚えておけ!!!!」

珠美「はい!!!!!」


……えっ!?

9: 2013/05/07(火) 00:51:37.69 ID:QwkMjiuG0
どうやら私は間違って道場にでも来てしまったのでしょうか?そんな錯覚さえ覚えてきました。

中野有香「プロデュ…いえ師匠、私にもご指導のほど…」

モバP「有香…」

有香「あの…」

モバP「30km」

有香「…?」

モバP「下半身のブレが増えている」

モバP「30km走だ」

有香「はい!!」


…はいじゃないが?いえ、はいでいいんですか?

11: 2013/05/07(火) 00:57:27.21 ID:QwkMjiuG0
モバP「あとそちらにいらっしゃる方!!!!」

……

モバP「貴方ですよ!」

……少なくともこちらを向いた気配は今までなかったのですが…?

モバP「おはようございます。朝早くからどうも。社長からうかがっております」

…こちらこそ。本日はよろしくお願いします。

モバP「あはは…まだ眠いんじゃないですか?」

…えぇ

モバP「まぁなんせまだ4時30分ですから」

………えぇ…

14: 2013/05/07(火) 01:02:11.75 ID:QwkMjiuG0
2時間後、有香さんが帰ってきました。本当に30kmも走ってきたのかは不明です。怖いので

モバP「朝飯だ」

珠美「はい!」

有香「押忍!」

モバP「…」ナデナデ

珠美「プロデューサー…撫でないでいただきたいのですが?」

有香「……」

モバP「む…悪い」

有香「……」

…ふふっ…親子のようですね

モバP「う…いやハハハ…」

15: 2013/05/07(火) 01:06:11.19 ID:QwkMjiuG0
モバP「これから朝食ですので良かったらご一緒に」

…どうもありがとうございます。

珠美「!?」

有香「あ…」

モバP「どうした2人とも」

珠美「今日の食事当番…」

モバP「………」



モバP「…"ヤツ"か…」


……私は…この後後悔することとなります。

16: 2013/05/07(火) 01:10:21.04 ID:QwkMjiuG0
モバP「戻ったぞ」

日野茜「お帰りなさい!プロデューサー!!二人とも!!」

有香「ただいま」

珠美「戻りました」

茜「おや?そちらは…?」

…はじめまして

モバP「社長のお客様だ。失礼は働くなよ」

茜「わっかりました!!!!」

茜「そうだ!」

モバP「…?」

茜「CGプロ第一女子寮へようこそ!!!!」

18: 2013/05/07(火) 01:15:43.33 ID:QwkMjiuG0
そして朝食の時間なのですが…?

モバP「いやはや申し訳ない。本来のルールならば在寮生10名全員で同じ釜の飯を食らうのがルールなのですが夜が主な活動時間の娘もいますので」

…いえ、気になっているのはそこではなくて…?

前川みく「ありえなくにゃい?」

モバP「…」

みく「ありえないよ…こんなの…」

20: 2013/05/07(火) 01:17:34.07 ID:QwkMjiuG0
…あれ?前川みくさんも第一女子寮だったんですか?

みく「えっ誰?」

モバP「お客様だ」

みく「あっヤバ…」

モバP「……」

みく「あはは…ごめんごめん」

22: 2013/05/07(火) 01:20:18.19 ID:QwkMjiuG0
みく「そんなことはどうでもいいの!」

モバP「…座れ」

みく「はい」

モバP「……」

…もう5月ですよね

モバP「そうともいうんじゃないでしょうか?」

…はぁ……?

みく「なんでさ…なんでさ…」




みく「鍋なの…?」



 

25: 2013/05/07(火) 01:21:58.56 ID:QwkMjiuG0
………鍋…ですよね

モバP「鍋ですね」

珠美「鍋です」

有香「鍋」

茜「鍋です!!!!」

モバP「茜」

茜「はい!!!!」

モバP「正座」

茜「はい!!!!!!!」

26: 2013/05/07(火) 01:25:07.55 ID:QwkMjiuG0
モバP「…なぜだ?」

茜「ひょ、ひょっとしたら冷製鍋かも…」

ゴツン!

……痛そうな音…

モバP「火がごうごういっててグツグツグツグツいってんだよバカタレ」

茜「プロデューサー…甘いですね!開けてびっくり~♪」





みく「ありえなくない?」



 

28: 2013/05/07(火) 01:27:20.46 ID:QwkMjiuG0
…うわぁ…真っ赤じゃないですか!??

珠美「チゲ鍋ですか?」

有香「キムチかもしれないよ。いや、朝からはちょっと…」

茜「はっはっはー!二人ともあまぁい!」

モバP「……」

モバP「ラー油か」

…は?

みく「馬鹿?」

29: 2013/05/07(火) 01:30:44.95 ID:QwkMjiuG0
モバP「ふぅ…よし手を合わせろ」

珠美「いただきます」

有香「いただきます」

みく「……う…いただきます」

茜「いっただっきまーす!!!!」

モバP「…いただきます。」

…え…あっ…いただきます…?

30: 2013/05/07(火) 01:33:40.81 ID:QwkMjiuG0
モバP「……」モグモグ

みく「えっ…ちくわぶ」

珠美「昆布です」

有香「こんにゃく」

……はんぺん…


モバP「おでんか!?」

珠美・みく・有香「!?」ザワッ

31: 2013/05/07(火) 01:37:13.62 ID:QwkMjiuG0
珠美(まずい…プロデューサーが普段のキャラを外れて突っ込んできました)

有香(あわわわわ…)

みく(やばくにゃい…?)

モバP「えっ…いや…初夏で真っ赤でラー油で…おでんなの?」

モバP「…って辛っ…辛ラーメンでもここまで辛くねーよ…あ゛ぁ゛…」

……痛い…辛いと言うより痛いですコレ

33: 2013/05/07(火) 01:42:53.97 ID:QwkMjiuG0
茜「美味しいのになぁ」

珠美「汗が隠せてないけど」

有香「これは流石に厳しいですよ…」

みく「熱い上に辛いとかみく何か悪いことした?悪いことしたの?」

…阿鼻叫喚…ですね

モバP「今日だけならどれほどよかったか」

…あぁ…それで"ヤツ"なんですね

34: 2013/05/07(火) 01:46:29.68 ID:QwkMjiuG0
みく「ラー油は油…」

みく「!?」

有香「はっ…!」

みく「そうか!底にある食材ならまだ無事な可能性があるにゃ!」

珠美「な!?」

モバP「……」モグモグ

みく「ふっふっふー!とぉおおおったにゃああ!」ズルン!

茜「あっ、それ大当たりのホッケです」




みく「     」




 

35: 2013/05/07(火) 01:51:26.51 ID:QwkMjiuG0
みく「あついよぉ…辛いよぉ…お魚だよぉ…」シクシクシクシク

モバP「……」

みく「……」シクシクシクシク

モバP「…みく」

みく「Pチャン?」

モバP「ほら」

みく「?」

O←卵

みく「Pチャン…」

モバP「…」コクン

36: 2013/05/07(火) 01:53:23.65 ID:QwkMjiuG0
みく「……」コンコン…パカッ

みく「……」モグモグ

茜「いい話だなぁ!!」

モバP「……」モグモグ

有香(卵いいなぁ…)

……あはは…

38: 2013/05/07(火) 02:03:59.15 ID:QwkMjiuG0
…朝食がえらく長く感じましたがそれでもまだ7時なんですね

モバP「えぇ、みくはそろそろ出る時間でしょう」

…前川さん人気ですからね。まさかここでお会いできるとは。

モバP「はっはっは!ここは変わり者のメッカと社長が仰ってましたよ。私も社長には流石にかなわない」

…あれ?前川さんに着いていかれなくてもいいのですか?

モバP「あぁ…いえいえ実は私、表向きはプロデューサーっていう体なのですが実際の業務はトレーナーが主なんです」

39: 2013/05/07(火) 02:09:35.34 ID:QwkMjiuG0
…はぁ…変わってますね…?

モバP「えぇ!ですから私も含めて『変わり者のメッカ』です」

…アハハ、成る程

モバP「取り合えず大きな柱としては【寮の管理】【寮生の管理】【寮生の才能の管理】ってところですよ」

…才能の管理…ですか?

モバP「大事なことですよ?早朝に珠美達のトレーニングを見ていただけたと思いますがね」

…正直やり過ぎかとも思いましたが

モバP「そうですね。ですがそのくらいこちらも本気だということですよ」

…成る程、個性を風化させない。才能を伸ばす鍛練ですか

40: 2013/05/07(火) 02:15:04.73 ID:QwkMjiuG0
モバP「けどですね、うちのトレーナー姉妹の方がウンと怖いですよ」

…あはは、そんなこと言ったら怒られちゃいますよ

モバP「いいんですいいんです。アイツらちっちゃい頃からあんなですから」

…つかぬことお聞きしますがもしかしてご兄妹ですか?

モバP「あぁ…いえいえ!幼馴染みってところですかね」

…幼馴染みの女の子…良いですね

モバP「アハハ…ちょっとやめてくださいよ」

…いえいえ

43: 2013/05/07(火) 02:24:40.07 ID:QwkMjiuG0
モバP「さて、そろそろ一人起きる頃なんで行きますか」

…あっ、はい

モバP「…」スタスタ



モバP「ここです205号室」

…なんか隔離棟みたいな角部屋ですね

モバP「あながち間違いじゃないですから」

モバP「おーい起きてるか」

「ヒャッハー!!!」

…!?

45: 2013/05/07(火) 02:33:48.38 ID:QwkMjiuG0
「フヒヒヒヒヒアハアハハハ!!」

…!??…!?

モバP「恒例行事ですので」

…はぁ…?

モバP「うるせぇぞ!!さっさと起きやがれ!!!!!」

「ひゃぁ!ごめ、ご、ごめんなさいぃ」

ガチャ

…204号室が開きましたけど

46: 2013/05/07(火) 02:35:19.78 ID:QwkMjiuG0
双葉杏「ああああ杏寝てないし起きてるし」

モバP「……」

杏「………」

モバP「アンズゥ」

杏「ははっ…いい朝ですよ!プロデューサーさん☆」

モバP「………」

星輝子「…………」ガチャ

輝子「フヒッ……」バタン

………えーっと…?

48: 2013/05/07(火) 02:39:52.71 ID:QwkMjiuG0
モバP「珠美」

珠美「はーい」

モバP「……連行だ」スッ

珠美「…行きましょう杏さん」

杏「お、おのれェおのれェ嫌だぁ日の光は浴びたく…ぐぁあああああ」

……あはは…

モバP「有香」

有香「押忍」ガチャ

輝子「…え、フヒッ」

有香「行こう?」

輝子「えっ…あ、はい」

50: 2013/05/07(火) 02:47:28.34 ID:QwkMjiuG0
モバP「まぁ今はこんなもんです」

…あれ?あとの人達は?

モバP「後は一人若林ってやつが合宿、後二人は帰省中です」

…ふむふむ

モバP「さてお前らお待ちかねのレッスンタイムだ」

…それも寮でやるんですね

モバP「この娘達は所謂個別指導組ですから」

茜「……」

モバP「どうした…やけに静かだな」

51: 2013/05/07(火) 02:52:17.24 ID:QwkMjiuG0
茜「……お腹痛いです…」

モバP「馬鹿か?」

茜「うぅ…」

モバP「………少し休んでなさい」

……人一倍ラー油鍋食べてましたもんね…


モバP「有香は基礎を洗い直せ」

モバP「杏はボイスレッスン」

杏(そこそここなしてさぼろ)

モバP「杏の為に今日は2時間は使える」

杏「  」

52: 2013/05/07(火) 02:59:09.35 ID:QwkMjiuG0
モバP「輝子はこの前の前座で出たライブあったろ?あれを自分で見直して問題点を上げろ…後で聞くから」

輝子「……はい」

モバP「珠美は……」

珠美「………」

モバP(というかこいつ今日オフじゃなかったか…)

珠美「…?」

53: 2013/05/07(火) 03:00:43.44 ID:QwkMjiuG0
モバP(早朝のは日課だとしても当たり前のように今参加してるしな…)

珠美「あ、あの…」

モバP「たまには俺が直接稽古でもつけるか?」

珠美「え!いいんですか!わぁ!」

…かわいい

珠美「はっ!?」

モバP「うむ」

55: 2013/05/07(火) 03:22:05.99 ID:QwkMjiuG0
……それから昼も挟んで数時間寮内ではみっちりとスケジュール付けされたレッスンをこなしていました。

最初は失礼ですがただの変わり者としての候補生達という偏見の目で見ていた気がします。

しかし、彼女達の瞳は夢を、野望を抱いた人間のそれでした。

いつのまにか私も彼女達のファンになっていました。

『百聞は一見にしかず』

まさに…まさに…

57: 2013/05/07(火) 03:26:58.29 ID:QwkMjiuG0
モバP「じゃあ今日はここまで」

モバP「お前ら疲れたろ、茜もダウンしてるし今日の晩飯…は?…おれ…が?」

モバP「茜は…?」

杏「…まさか」

輝子「…キッチン」

モバP「…」

モバP「晩飯も一緒に…?」

…すみません。今日はありがとうございました。頑張ってください応援しますよ。

モバP「あ、ちょっ」

58: 2013/05/07(火) 03:30:51.08 ID:QwkMjiuG0
茜「…出来た!ウェディングステーキ」

モバP「  」

珠美「   」

有香「……」ワクワク

杏「……漫画でもあり得ない光景だね」

輝子「つ、付け合わせにキノコ…」

茜「ありがとー!!」

みく「ただい……」





みく「もう勘弁してよ!!!!」


モバP「アッハッハ」

61: 2013/05/07(火) 03:32:52.55 ID:QwkMjiuG0
 



シンデレラガールズプロダクション第一女子寮

ここでは未来のトップアイドルを目指す個性的で努力家な女の子達が毎日楽しく過ごしている。


終わり

引用元: モバP「…」日野茜「CGプロ第一女子寮へようこそ!!!」