1: 2008/10/25(土) 16:29:15.29 ID:Zts0z+EY0
みくる「わぁ~、早速見せてくだしゃい~」

ハルヒ「ふっふーん、よっく見てなさいよ~!!」

3: 2008/10/25(土) 16:32:31.86 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「行くわよ~・・それっ!!」

みくる「・・ひ・・ひ・・ひぃやぁぁぁぁ!!!」

4: 2008/10/25(土) 16:34:26.27 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「ちょっとみくるちゃん!!私の始めての召喚獣なのよ?!
そんなに怖がらなくてもいいじゃない!!」

みくる「・・い・・いくらなんでもでかすぎじゃないでしゅかぁ・・?」

5: 2008/10/25(土) 16:36:34.78 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「さぁもっと多くの召喚獣を手に入れて『シン』を倒しに行くわよ!!」

みくる「いぃやぁぁぁぁぁ!!」

6: 2008/10/25(土) 16:41:14.91 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「にしても、もう少しガードが欲しいわね・・みくるちゃん!誰かいないかしら?」

みくる「そうでしゅねぇ~・・古泉君なんてどうでしゅかぁ?」

ハルヒ「古泉?あぁ村の嫌われ者のニートね!確かに暇そうだしちょうどいいわね!」

7: 2008/10/25(土) 16:42:56.17 ID:Zts0z+EY0
みくる「浜辺に行けばすぐ会えましゅよ、きっと」

ハルヒ「アイツまだブリッツボールなんてやってるの?ったく、本当に救えないわね!」

8: 2008/10/25(土) 16:46:49.93 ID:Zts0z+EY0
―――浜辺―――

古泉「ふんもっふ!ふんもっふ!!・・ふぅ・・僕の必殺シュートもなかなかサマになってきましたね・・」

ハルヒ「ん!いたいた!!古泉君!ちょっと来なさい!」

古泉「はぁ・・?一体どちらへ・・?」

ハルヒ「これから『シン』を倒しに行く旅に出るから!40秒で準備しなさい!」

9: 2008/10/25(土) 16:51:42.12 ID:Zts0z+EY0
古泉「・・?!『シン』を?!ははっ涼宮さん・・僕はブリッツの大会に向けて忙しいんですよ。
向こうへ行ってくれませんか?」

ハルヒ「・・アンタ・・この前ウチの犬相手になんかしてなかった?」

古泉「・・!!」

ハルヒ「村の誰からも相手にされないからって、犬相手に変な事しないでくれる?」

古泉「・・なんで・・バレたんでしょうか・・?」

10: 2008/10/25(土) 16:57:31.96 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「バレたも何も、村中みんなが知っているわよ。アンタ叫び散らしてたから。」

古泉「・・そうでしたか・・しかし、それと僕が旅に出ることは関係無いんじゃないですか?」

ハルヒ「もう村にアンタの居場所は無いわ。実はとっくに無いのだけど、今回の件は洒落じゃ済まないレベルよ。
旅に出ればまたやり直せるわ。気に入った所があったらそこで抜けても良いから。私と一緒に来なさい。」

11: 2008/10/25(土) 17:01:13.33 ID:Zts0z+EY0
古泉「・・わかりました。ではすぐに準備して参りますから、村の入口で待ってて下さい。」

ハルヒ「あんまり遅いと氏刑よ。ほら、さっさと行きなさい!」

たったったったったった・・

みくる「・・正直私はあまり一緒に行きたくないでしゅ。古泉君とは・・」

ハルヒ「いいのよ。盾にも捨石にも使えるんだから。」

13: 2008/10/25(土) 17:05:52.04 ID:Zts0z+EY0
―――村の入口―――

たったったったった
古泉「お待たせしました・・はぁ・・はぁ」

ハルヒ「アンタお金は?」

古泉「お金・・ですか・・?」

ハルヒ「そうよ!少しは持ってるんでしょうね?!」

古泉「・・・・・」

ハルヒ「5000ギルぐらいは・・持ってるわよね?」

古泉「・・・・・」

14: 2008/10/25(土) 17:09:32.82 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「3000ギル・・1000ギルぐらいは・・持ってる・・わよね?」

古泉「・・・・・」

ハルヒ「・・一体いくら持ってるの・・?」

古泉「・・これだけ・・です・・・」

みくる「どれどれぇ~・・・・・・・っ!!!」

ハルヒ「・・ちょっちょっと!!・・全然無いじゃない!!しかもこのネジとかベーゴマとか何なの?!」

古泉「・・すみません・・僕・・働いてなかったもので・・これしか・・」

20: 2008/10/25(土) 17:33:06.24 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「・・し・・仕方無いわね・・まぁお金は私が少し持ってるからしばらくは大丈夫だわ・・・」

みくる「私も少しだけですけど持ってましゅよぉ」

古泉「・・すみません・・お世話になります・・」

ハルヒ「その分アンタには汗水流して働いてもらうわよ!」

古泉「え・・っと・・ガードですよね?」

ハルヒ「そうよ!アンタの武器はそのボールで充分ね!」

古泉「こ・・このボールでモンスターを倒せるでしょうか・・」

22: 2008/10/25(土) 17:35:51.21 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「知らないわよ!アンタの取り柄なんてブリッツぐらいじゃない!それでなんとかしなさいよ!」

古泉「あ・・あの・・防具は・・?」

ハルヒ「アンタの分は無いわよ。敵が持ってるものを見つけなさい。」

古泉「・・・」

24: 2008/10/25(土) 17:41:33.23 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「じゃあ出発ね!まずはこの村から出てる定期船でキーリカ島へ行くわよ!」

みくる「次の召喚獣でしゅね!次はもっと可愛いのがいいでしゅよねぇ。」

ハルヒ「!!早速モンスターが現れたようね・・古泉君!お手並みを拝見するわ!」

古泉「・・ブループリンですね・・」

ハルヒ「そうよ!あんなの楽勝でしょ?!」

みくる「お得意のブリッツを見せてくだしゃい~」

古泉「・・(嫌がらせ・・か・・)」

26: 2008/10/25(土) 17:44:27.00 ID:Zts0z+EY0
古泉「ふんっ!!ふんもっふ!!・・はぁはぁ」

みくる「あれあれぇ~?どうしたんでしゅか古泉君?」

ハルヒ「ったく、情けないわね!みくるちゃん!古泉君が殺されちゃうからやっちゃって!」

みくる「はぁ~い。燃えちゃえ!」ボォッ!

ブループリン「グファっ」

27: 2008/10/25(土) 17:46:24.63 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「アンタのブリッツも大したこと無いわね~。情けない!」

古泉「あ・・あの・・僕は飛んでる敵のほうが・・得意なn」

みくる「あっ!船が来たみたいでしゅよぉ」

古泉「・・・・・」

28: 2008/10/25(土) 17:49:36.08 ID:Zts0z+EY0
―――船、キーリカ島に到着―――

ハルヒ「ん~っ!!やっと着いたわね!!」

みくる「ちょっと酔っちゃいました~・・」

古泉「・・(息苦しかった・・)」

ハルヒ「さっ!ちゃっちゃと寺院に行きましょ!」

みくる「はぁ~い!」

30: 2008/10/25(土) 17:54:43.87 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「この森は厄介ね・・」

みくる「モンスターだらけでしゅねぇ」

古泉「!!(キラービーが朝比奈さんの後ろに!!)ふんっ!!」ドゴォ

みくる「・・!!」

古泉「やれやれ、危うくその綺麗な顔に蜂の毒がh」

みくる「ちょっとぉ~なんなんでしゅか一体~?急にボール投げないでくだしゃいよ下手なんでしゅから~」

古泉「・・・はい・・すみません・・」

31: 2008/10/25(土) 17:59:29.50 ID:Zts0z+EY0
古泉「ん・・これは・・?」

キラービーはウォーターサポートを落としていった!

古泉「やった!これで敵の攻撃をやわらげることができる」

ハルヒ「何よコレ?私用の装備じゃないわね。売るから貸してちょうだい」

古泉「し・・しかし・・僕は装備できますよ・・」

ハルヒ「アンタ!20ギルしか持ってないくせに偉そうなんじゃないの?!今日の宿代誰が出すんだっけ?!」

古泉「はい・・すみません・・」

32: 2008/10/25(土) 18:06:23.68 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「ふぅ・・やっと寺院に着いたわね・・んじゃ早速祈り子様に会ってくるわね!」

みくる「行ってらっしゃーい」

古泉「(二人きり・・嫌だな・・)」

?「おやおやぁ?他のみくるじゃないかっ!みくるがガードってことは・・ハルにゃん一行だねっ?」

みくる「!  鶴屋しゃーん!お久し振りでしゅう!」

鶴屋「ハルにゃんは祈り子様のところっかい?」

みくる「はい!そうでしゅよぉ・・あれ・・こちらの方は・・?」

鶴屋「私のガードさっ!」

?「はじめまして」

33: 2008/10/25(土) 18:11:32.95 ID:Zts0z+EY0
鶴屋「なんでも、彼はザナルカンドから来たブリッツのエースらしいよっ!キョン君っていうのさっ!」

キョン「ザナルカンドエイブスのエースです」

みくる「・・ザナル・・カンド・・から・・でしゅかぁ?」

古泉「君は・・バカにしているのですか?」

キョン「(やべっ、あんま人に言ったらいけないんだった。)」


35: 2008/10/25(土) 18:16:02.64 ID:Zts0z+EY0
鶴屋「(あっ・・つい言っちゃったよ)」

キョン「あ、あの俺・・『シン』の毒気に・・やられちゃったみたいで・・その・・」

みくる「な~んだ、そうだったんでしゅか。それは大変でしゅねぇ・・」

古泉「なんと毒気に・・お気の毒です」

キョン「そ、そうなんだよ・・あははは」

36: 2008/10/25(土) 18:20:52.00 ID:Zts0z+EY0
ギィィィ・・・

ハルヒ「ふぅ・・終わったわ・・」

鶴屋「おっ☆ハルにゃん!終わったのかい?久し振りだねっ!」

ハルヒ「うん、今日はもう疲れたわ・・宿に戻って寝ましょう」

キョン「鶴屋さん、俺たちはどうしますか?」

鶴屋「ん~・・今日はもう遅いし、祈り子様に会うのは明日にしよっか」

キョン「そうですね」


38: 2008/10/25(土) 18:23:28.41 ID:Zts0z+EY0
僧官「大変だ!!『シンのコケラ』だが出たぞ!!」

ハルヒ「なんですって?!」

鶴屋「キョン君っ!行こう!!」

キョン「はい!」

たったったったったったったった

シンのコケラ「グオォ・・ギィィ・・!!!」

ハルヒ「・・強そうね・・」

44: 2008/10/25(土) 18:32:01.65 ID:Zts0z+EY0
シンのコケラ「グバァァァァ!!」

ハルヒ「キャッ!!」

みくる「涼宮さん?!大丈夫でしゅか?!」

キョン「俺が時間を稼ぎますから!鶴屋さんは召喚獣を!!」

鶴屋「了解っと!」

ゴィン!ビシィッ!ドゴッ!
キョン「・・ぐふっ!!強すぎじゃないかコイツ?!」

みくる「あの触手は危険です!涼宮さん一旦ここを離れま・・キャッ!!」

シンのコケラ「フシュゥゥゥゥゥ・・!!」

キョン「鶴屋さんっ?!危ないっ!!」

鶴屋「・・きゃぁっ!!」

46: 2008/10/25(土) 18:37:15.54 ID:Zts0z+EY0
キョン「鶴屋さん?!しっかりしてください!!鶴屋さん!!」

鶴屋「キョン君・・私は・・もう・・カハッ・・ダメかもわからんね・・」

キョン「何を言ってるんですか!くそう!ポーションは・・?!ポーションはドコだ・・!」

鶴屋「キョン君・・あなたは・・これから・・ハルにゃん達と・・旅をごふっ!ごふっ・・」

キョン「喋っちゃダメです・絶対助けますから・・!じっとしててください!」

47: 2008/10/25(土) 18:40:35.56 ID:Zts0z+EY0
キョン「クソ・・何が『シン』だ・・!ふざけんなぁ!!」

キョン の スパイラルカット がシンのコケラ に直撃!

みくる「はぁはぁ・・今しかないでしゅ!」

みくる の ファイラ がシンのコケラ のコアを燃やし尽くした!

50: 2008/10/25(土) 18:45:19.78 ID:Zts0z+EY0
キョン「倒した・・のか・・?・・そうだ!鶴屋さんは?!鶴屋さん!しっかりしてください!!」

鶴屋「・・・・・・・・・」

キョン「嘘・・だろ・・?・・鶴・・屋さ・・ん?」

鶴屋「・・・・・・・・・」

キョン「俺の・・ザナルカンドを・・信じてくれたのは・・アンタだけじゃないか・・
一緒に!!一緒に探してくれるんじゃなかったのか?!
俺のザナルカンド・・見てみたいって・・言ってたじゃないか!!!
それなのに!!どうしてだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

みくる・ハルヒ「・・・・・・・・・・・」


57: 2008/10/25(土) 18:50:41.17 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「・・キョン・・といったわね。アンタ・・明日から私達と一緒に来なさい。
いいわね?じゃあみんなはもう宿に戻りなさい。私は異界送りをしてから・・戻るわ・・」

キョン「・・・グスッ・・グスッ」

ハルヒ「ちょっといつまで泣いてんのよ?!いい加減にしなさいよ?!いつまでもそこに居られちゃ迷惑なの!早く宿に戻りなさい!!」

キョン「・・・・・・」トボトボ

ハルヒ「みくるちゃん、キョンを宿まで送ってあげて」

みくる「は、はい・・」

62: 2008/10/25(土) 18:56:29.65 ID:Zts0z+EY0
古泉「・・もう出て行っても大丈夫でしょうか・・?・・ひっ!!な、なんでしょうか、あの奇妙な踊りは・・」

僧官「私は一部始終を見させてもらっていたが・・アンタ・・最低じゃな・・」

古泉「っ?!さ・・最低とは・・言ってくれますね、おじいさん」

僧官「仲間が苦しんでいたあの時に・・君が握っているそのポーションがあれば・・
彼女は助かっていたかもしれん・・こんな事言うのは無粋じゃが・・」

古泉「・・仲間?!冗談じゃないですよ!!僕はここまで無理やり連れてこられたんだ!
いきなりこんなことになって・・!一番可哀想なのは僕なんですよ?!」

僧官「・・確かに・・お主が一番可哀想じゃ・・立ち去れ・・神聖な寺院が穢れる・・」

64: 2008/10/25(土) 19:01:29.81 ID:Zts0z+EY0
古泉「クッ・・!」ダダッ

ハルヒ「ふぅ・・異界送りは・・やっぱり嫌いだわ・・・さっさと宿に戻ろう」

―――翌日―――

ハルヒ「おはよう諸君!!新たな仲間も加わったことだし、改めて気合入れていくわよ!!」

みくる「おーっ!!」

キョン・古泉「・・・・・」


68: 2008/10/25(土) 19:05:00.55 ID:Zts0z+EY0
俺テンうろ覚えだから適当になるぜ・・
じゃルカでいいね?

72: 2008/10/25(土) 19:08:17.72 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「次の目的地はルカよ!!」

みくる「おぉ~!」

キョン「・・ルカって?」

ハルヒ「ブリッツの大会が開かれる巨大な都市よ!次の寺院はルカから歩いていくの!」

キョン・古泉「ブリッツ・・!」

ハルヒ「アンタブリッツの選手なんでしょ?色々と聞きたいことあるから、まずは船に乗りましょ!」

―――そしてルカ―――

74: 2008/10/25(土) 19:11:40.99 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「着いた着いた!!・・で・・アンタはその・・ザナルカンドから来たわけね?」

キョン「信じてもらえないかもしれないがな」

ハルヒ「でも・・向こうでお世話になった人って・・私も知っているかもしれないわ。」

キョン「まさか・・人違いだろ?」

ハルヒ「いーえそうに決まってるわ!アンタが私の前に現れたのがその証拠よ!!」

キョン「・・むちゃくちゃだな・・」

76: 2008/10/25(土) 19:17:25.40 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「早速登録するわよ!!」

キョン「登録って・・何のだ?」

ハルヒ「もちろん!!大会に決まってるでしょ?!」

みくる「・・本当に出るんでしゅかぁ~?」

ハルヒ「あったりまえじゃない!!優勝賞金は2万ギルよ!!懐が寒くなってきたから絶対優勝するのよ!!」

みくる「でも・・私泳げませんよぉ・・」

ハルヒ「大丈夫よ!ブリッツは3人でやるスポーツなの!!」

みくる「ふぇ~そうだったんでしゅかぁ」

ハルヒ「毎年ウチの島からも出てたみたいだけど・・最弱のレッテルを貼られてるのよねぇ?古泉君?」

古泉「えぇ、僕は補欠でしたがね。ニコッ」

77: 2008/10/25(土) 19:20:13.90 ID:Zts0z+EY0
キョン「俺のザナルカンドでは6人でやるものだったんだがな」

ハルヒ「まぁまぁ細かいことは言いっこなしよ!」

キョン「やれやれ・・」

ハルヒ「・・ふ~ん・・」

キョン「・・なんだ?」

ハルヒ「アンタ、笑うとそんな顔になるのね」

キョン「・・!!・・ふん・・さっさと登録しに行くぞ」

79: 2008/10/25(土) 19:27:22.33 ID:Zts0z+EY0
―――選手控室―――

キョン「どうした?さっきからソワソワと」

古泉「いいいいえ、別に~?」

ハルヒ「古泉君はね、人前に出ることが極端に苦手なのよ」

キョン「ふーん」

みくる「社交性が無いっていうんでしゅかねぇ」

キョン「ほお」

ハルヒ「おまけに人ん家の犬相手n」

古泉「うおーっほん!!あー、あー、喉が本調子じゃないようですね」

キョン「カラオケかなんかと勘違いしてないか」

ハルヒ「?何よ、カラオケって」

キョン「あぁ、ザナルカンドではさ、個室で歌を歌う遊びが流行ってるんだ。その行為をカラオケと呼んでいるのさ」

ハルヒ「・・ふーん・・あっ!そろそろ私達の番じゃない?」

83: 2008/10/25(土) 19:33:58.50 ID:Zts0z+EY0
アナウンサー「えー、次は・・出ました!最弱の島人集団!!ビサイド・オーラカです!!
そして・・対するは・・キーリカ・ビーストです!こwwれwwはww見所の無い試合になりそうです!!
皆さん、これからトイレが非常に混雑することが予想されます!お足元には充分にご注意下さいませーっ!!」

ハルヒ「何よっ!!バカにしちゃって!」

キョン「まぁいいじゃないか。こんぐらいのほうがやり易いだろ。」

ハルヒ「見てなさい!絶対に優勝してやるんだから!!」

85: 2008/10/25(土) 19:39:16.30 ID:Zts0z+EY0
アナウンサー「さぁ!!試合開始です!!」

「まずは?ビサイドにボールが渡った!ん?今大会に初出場の3名のようですね」

解説「ふむ・・気になるのはキョン選手ですね。水中での動きがかなり迅速です」

アナウンサー「んなるほど。おーっと!ハルヒ選手からゴール前までロングパスだー!!」

解説「うまいっ!」

アナウンサー「キョンに通ったそして振り向きざまシュート入った!入ったぁぁ!!」

解説「こーれはwwすごいレベル高いじゃないですかww世界レベルですよ今の」

87: 2008/10/25(土) 19:44:53.99 ID:Zts0z+EY0
―――そして―――

アナウンサー「決まったぁぁぁ!7点目!!この試合はコールドでビサイドの圧勝だぁぁ!!」

解説「いやぁ圧倒的でしたね。これは決勝が楽しみですよ」

アナウンサー「んなるほど。さて、次の試合は―」

―――控室―――

ハルヒ「アンタすごいじゃない!こんなに上手いとは思わなかったわ!!古泉君も1点取れたわね!ナイッシューだったわよ!」

古泉「いやぁそれほd」

ハルヒ「これはもう優勝しなきゃうs・・ん?なんか会場が騒がしいわね。何かあったのかしら?」

ガチャ
警備員「大変だ!!モンスターが出た!!早く逃げろ!!」

88: 2008/10/25(土) 19:52:42.20 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「ちょっとキョン!何やってんのよ!早く逃げるわよ!!」

キョン「俺は会場に行って来る。」

ハルヒ「バッ?!本気で言ってるの?!ダメよ!危ないわよ?!」

キョン「お前らは先に行ってろ。俺は助けられる命を助けたいだけだ。古泉、ハルヒと朝比奈さんを頼む。」

古泉「了解しました。ニコ」

走って会場へ向かうキョン

キョン「はぁ、はぁ、こりゃ結構な数のモンスターだな。」
ビシッ!バシィッ!

キョン「くっ・・!はぁはぁ・・ん?あれは・・?」

自らの背丈をも越えそうな程大きな大剣を操っている少女がいる。

キョン「お前は・・!」

94: 2008/10/25(土) 19:57:01.54 ID:Zts0z+EY0
キョン「長門?!長門じゃないか?!どうしてお前がここに?!」

長門「貴方の父と約束をした。それが私がここにいる理由。」

キョン「とりあえず話は後だ!今はこいつらをなんとかしないと・・」

長門「心配ない」

キョン「何でだ?」

長門「老師が来た。」

キョン「老師?そういえば鶴屋さんから教わったな。偉い人なんだろ?」

長門「あいつがいるから大丈夫。私達は避難すべき」

95: 2008/10/25(土) 20:00:16.81 ID:Zts0z+EY0
後ろを振り返ると老師の召喚獣らしいものがモンスター達をことごとく撃破している。

キョン「すげぇな召喚士ってのは」

長門「このまま街の出口まで走る。そこで涼宮ハルヒ達と合流する。」

キョン「?!ハルヒを知っているのか?!」

長門「話すと長くなる。今はただ走るべき」

97: 2008/10/25(土) 20:06:09.35 ID:Zts0z+EY0
キョン「はぁっはぁっはぁ・・!」

ハルヒ「キョン!!ケガはしてない?・・・?!・・有希?!有希じゃない?!」

長門「貴方の父との約束がある。私を貴方のガードにして欲しい」

みくる「長門さんだったら!こちらからお願いいたいくらいでしゅよ!」

ハルヒ「願ったり叶ったりだわ!キョンとも知り合いなのね?」

キョン「あ・・ああ・・」

ハルヒ「ほぉらやっぱり!ね?私の言った通りでしょ?バカキョン!」

キョン「くっ・・!あぁ、まぁな・・」

98: 2008/10/25(土) 20:06:46.27 ID:Zts0z+EY0
しばし休憩します

103: 2008/10/25(土) 20:20:43.75 ID:Zts0z+EY0
そして俺達は、次の寺院、ジョゼ寺院に続く道―ミヘン街道を進む。

ハルヒ「ふぅー、今日はもう疲れたわ!ここの宿に泊まりましょう!」

キョン「何だよ、まだ明るいだろ?!ちゃっちゃと進んでとっとと『シン』を倒そうぜ!」

みくる・長門「・・・・・」

キョン「な、何だよみんな。早く倒したくないのか?」

ハルヒ「ま、まぁキョン。今日はみんな疲れてるみたいだから、ね?」

キョン「ん?まぁ・・いいけど・・」

105: 2008/10/25(土) 20:24:05.62 ID:Zts0z+EY0
キョン「ふー・・まだまだ明るいからなぁ・・全然眠れん。ちょっと外の空気でも吸ってくるか」

ガチャ

キョン「(ん?ハルヒだ。)何をしてるんだ?」

ハルヒ「(ビクッ)あ、ああキョンじゃない。別に、夕日を見てただけよ。」

キョン「ふーん。おぉ確かに凄い夕日だ」

111: 2008/10/25(土) 20:33:28.92 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「私ね。こういうふうに色んな景色を見ながら旅をしたいの」

キョン「ん?うん」

ハルヒ「疲れた顔とか、落ち込んだ顔とかみんなに見せたくないのよ。
私達はあの『シン』を倒す希望の星なの!みんなに笑顔を見せて安心して見守っていてほしいのよ。」

キョン「なるほど。それで、『あの話』はどうなんだ?」

ハルヒ「私にわかるわけないじゃない!まさか、あの高名なエボン老師、『朝倉老師』が、
アンタに求婚しているだなんて」

キョン「俺は会ったことないんだがなぁ」

113: 2008/10/25(土) 20:38:09.93 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「まぁ、あの旅人の話が本当なら、の話でしょ?そんなに心配する必要ないんじゃない?」

キョン「まぁな。元々結婚する気なんてさらさら無いしな」

ハルヒ「・・・・・・冷えてきたわね。宿に戻りましょ」

キョン「あぁ」

俺はその日一晩、道中で旅人に聞かされた、朝倉老師が俺と結婚をしたがっている、という話を思いながら眠りについた。

115: 2008/10/25(土) 20:43:48.46 ID:Zts0z+EY0
どうやら俺が老師と結婚するという話はそこいらじゅうに広まっているらしい。
すれ違う人みんなに、「ご婚約おめでとうございます!」だの「いつ頃ご結婚の予定ですか?」やら
なぜ俺の名前も顔も周知徹底されているのか、俺の意思を尊重するつもりはないのか、
ジョゼ寺院まで俺は身を小さくして行かざるを得なかった。

キョン「ここがジョゼ・・寺院か」

ハルヒ「早速祈り子様に会ってくるわ!みんなはここで待っていなさい!」

116: 2008/10/25(土) 20:49:59.32 ID:Zts0z+EY0
古泉「さて、貴方はするおつもりなのですか?結婚。」

キョン「バカを言うな。正直意味がわからないんだ。ほっといてくれ」

古泉「ここの僧官に先ほど話を伺ったんですが、どうやら老師は貴方の『ザナルカンド』について
ひどく興味がおありの様子だそうですよ。」

みくる「(キョン君が来てからコイツよく喋るようになりましゅたねぇ~)」

古泉「本当に、結婚する意志は無いんですね?」

キョン「ああ!しつこいぞ!第一、誰が得をするんだそんな話」

古泉「まず、涼宮さんならこう思います。
『現在、このスピラでは、そういった明るい話題が無い』と。そして、
『もしこの結婚が実現すれば、スピラの人々の励ましになるかもしれない』とも。」

118: 2008/10/25(土) 20:54:47.09 ID:Zts0z+EY0
キョン「大体なぁ、うさんくさい『ザナルカンド』の俺よりも、もっと適任がいるはずだろ。スピラの人だって俺がザナルカンド出身って信じてないんだろ?」

古泉「それが・・そうでもないみたいですよ」

キョン「はぁ?」

古泉「先日のブリッツの試合、アレは全世界に生放送中だったようです。そして、
番組の最後に老師がテレビに現れて、貴方の事を説明したようです。結婚のことも。」

キョン「なんですとぉー?!」

119: 2008/10/25(土) 21:00:27.98 ID:Zts0z+EY0
古泉「ですから、貴方は真面目に考えるべきなんですよ。」

キョン「真面目に考えても結果は同じだ。その老師とも会うことはないだろうし」

古泉「この後の予定なんですが・・一旦来た道を戻って、今度はキノコ岩街道を通ります。」

キョン「ほぉ」

古泉「そして、その先には幻光河という河があり、その河を渡ってグアドサラムという街に行きます。」

キョン「長いな」

古泉「そこが・・老師の街です。」

キョン「な・・?!」

みくる「(ふん、ガイドブック読んでるだけなのに偉そうにしすぎでしゅよ)」

121: 2008/10/25(土) 21:09:34.73 ID:Zts0z+EY0
古泉「少なくとも貴方は・・そこで最低一回は決断をすることになるでしょう。
(よし、噛まずに言えたぞ!これでキャラを立て直さねば・・!)」

キョン「そんなこと言ってもなぁ・・」

ハルヒ「みーんなー!!おっ待たー!!」

みくる「お帰りなしゃーい!どんどん魔力が増えてきてるみたいでしゅね!」

ハルヒ「・・そういえばそうね・・?全然疲れてないわ・・儀式の後でも」

キョン「今『シン』と戦っても倒せるんじゃないのか?」

ハルヒ「・・クスッ・・それは無理よ。」

キョン「・・?どうしてだ?」

ハルヒ「『シン』っていうのは究極召喚でないと倒せないの」

キョン「究・・極・・?ショウカン?」

ハルヒ「そっ!私達はその究極召喚を得るために旅をしているのよ!」

キョン「じゃあさっさとそれ取りに行けばいいじゃないか。なんでこんな回り道してんだ?」

ハルヒ「究極召喚に耐えられないのよ。だからこうして各地の祈り子様にお祈りして、召喚獣を頂きつつ、魔力も強化しているってわけよ!わかった!?」

122: 2008/10/25(土) 21:14:01.39 ID:Zts0z+EY0
キョン「なるほどな。じゃあ次!ちゃちゃっと行こうぜ!」

みくる・長門・古泉「・・・・・」

キョン「・・?どうした?行こうぜ!」

長門「・・涼宮ハルヒのペースで行く。貴方の旅ではない。」

キョン「ぐっ・・た、確かにそうかもしれないが、早いに越した事はないだろ?」

ハルヒ「い、いいのよ有希!そうね、キョン!行きましょ!」

こうして俺達はキノコ岩街道を抜け、幻光河へ足を進めた。

129: 2008/10/25(土) 21:20:22.10 ID:Zts0z+EY0
キョン「すげぇ・・なんだこの河・・・」

長門「幻光虫。」

キョン「げ・・ん?こう・・なんだって?」

みくる「良くわからないんでしゅけど、人の魂みたいなものが溜まって、この河が出来たようなんでしゅ」

キョン「た・・魂・?」

長門「正確にはその人が生きた証。記憶。」

キョン「ふーん・・」

132: 2008/10/25(土) 21:24:44.42 ID:Zts0z+EY0
古泉「あの巨大な生き物に乗って河を渡るんですよ。」

キョン「へぇ~凄いなそのガイドブック。何でも載ってるんだな」

古泉「・・・・」

ハルヒ「さぁ乗るわよみんな!」

シパーフ使い「シパーフ乗る~?」

→ はい  ピコ
  ちょっと待って!

134: 2008/10/25(土) 21:29:57.17 ID:Zts0z+EY0
キョン「凄いな・・象よりもでかいぞコレ」

古泉「象よりでかいぞう・・?やだな~もう。ふふっ」

みくる「(最悪でしゅコイツ)」

長門「・・・・・・来る!!」

ハルヒ「ほぇ?・・きゃぁぁぁぁ!!」

キョン「ハルヒ!!」

みくる「涼宮しゃん!!」

巨大な機械が突然現れ、ハルヒをさらって水中へ逃げてしまった・・!
キョン「古泉!行くぞ!水中は俺達しか無理だ!」

古泉「(・・絶対嫌だけど・・これは断れない・・)はい。」

135: 2008/10/25(土) 21:36:38.21 ID:Zts0z+EY0
ザッバーン!!ぶくぶくぶく・・

どうやらハルヒは機械の上体に付いている装置の中だ。空気もあるようだ。

キョン「ぶくぶく・・(俺が引き付けるから、古泉!距離をとって攻撃しろ!)」

古泉「(象・・よりでかい象・・なぜ受けなかったのでしょうか・・)」

キョン「(ダメだ・・全然伝わらねえ・・)」

結局、一人で攻撃を開始し、氏にそうになったらポーションで回復、を繰り返した。
途中息が続かなくなるほど長期戦だったが、敏捷性で上回っていたせいか息継ぎもできたし、
ポーションも豊富にあったため、何とか撃破できた。

137: 2008/10/25(土) 21:41:15.42 ID:Zts0z+EY0
キョン「ぷはぁーっ!!ハルヒ!!大丈夫か?!」

ハルヒ「え・・ええ・・アンタ、一人で大変だったわね・・」

キョン「ん?ああ・・なんか俺も強くなったのかもしれんな」

ハルヒ「ふふっ・・それでこそ私のガードよ!!」

俺達はシパーフに戻り、服を朝比奈さんのファイアで乾かしてもらう。
岸に着く頃には、服はしっかり乾いていた。

古泉「ふぁ・・ふぁ・・べっくしっ!!あ・・あの・・朝比奈さん・・?
僕もその・・服を・・乾かしてもらいたいのですが・・」


138: 2008/10/25(土) 21:45:00.57 ID:Zts0z+EY0
みくる「上から見てましゅたけど、戦うのが怖いんでしゅか?」

古泉「びっべ・・別に・・そんなことはないですよ?」

みくる「・・とにかく・・私は乾かしませんからね~」

古泉「・・(クッ!)」

キョン「ん?誰かいるぞ・・?」

139: 2008/10/25(土) 21:50:36.23 ID:Zts0z+EY0
?「ふぅ~・・散々だったよぉ~。」

キョン「お・・お前は・・妹!!妹じゃないか?!」

?「ほぇ?誰~?」

キョン「お、俺だ!お前の兄だ!!」

?「??」

ハルヒ「どうやら別人じゃない?」

キョン「バカな・・いくらなんでも似すぎだぞ・・」

ハルヒ「まぁアンタがそう言うならそうかもしれないけど・・で、実際どうなの?」

?「ん~惜しいけど妹ではないんだよ~」

140: 2008/10/25(土) 21:54:44.59 ID:Zts0z+EY0
?「でも私が妹っていうのはねぇ~半分当たりだから妹って呼んでいいよぉ?」

ハルヒ「で、アンタこんなところで何やってたの?」

妹「それはねぇ~ちょっとこっち来て!」

とてとてとてとて

ハルヒ「何よ・・私にしか言えないことなの?」

妹「実はねぇ・・ゴニョゴニョ・・」

142: 2008/10/25(土) 22:00:27.16 ID:Zts0z+EY0
ハルヒ「アンタと私が・・従姉妹?!」

妹「しっ!聞こえちゃうでしょぉ?」

ハルヒ「ホントだ・・アンタの目の色・・」

妹「ねっ・・それでね・・ごにょごにょ」

ハルヒ「うん、わかったわ!ねぇみんなー!今日からこの子ガードにするわね!いいでしょ?!」

キョン「うえぇっ?!」

妹「よろしくねぇ~」

みくる「(・・キャラが被らないといいんでしゅけど・・)」

古泉「ふっ・・随分と幼女が来ましたね・・」

妹「うん!幼女担当だよぉ」

古泉「な・・ん・・だと・・?!自分で言いやがった・・?」

145: 2008/10/25(土) 22:06:22.98 ID:Zts0z+EY0
キョン「・・それで・・何でまた急に?」

ハルヒ「それは女の子同士の話だからっ!」

ハルヒ・妹「ねーっ!」

古泉「(・・す・・すげぇよ・・女の子・・同士・・ッ!!)」

キョン「・・まぁお前が良いなら別に良いが・・」

ハルヒ「まぁ気にすることないわよ!ほらっ!行くわよ!!グアドサラムはすぐそこよ!!」

瞬間、ドキッとする。

「グアドサラム」
その街に行けば・・決断を・・しなければいけない。

俺は・・あれからもずっと考え続けていた。
ハルヒ達と旅をして・・知らない事を多く知る事ができた。

答えは・・実はもう出ている。

149: 2008/10/25(土) 22:12:41.60 ID:Zts0z+EY0
グアドサラムに着く。
老師の従士だろうか。早速案内される。

キョン「どうやら俺達がここに来る事は筒抜けだったようだな。」

ハルヒ「別に隠す必要もないじゃない。それに凄い歓迎ムードよ!!みくるちゃん!今日はきっとご馳走よ!!」

みくる「わーい!嬉しいでしゅ~!」

従士「老師がお待ちです。こちらへどうぞ。」

キョン「凄い立派な屋敷だな」

妹「わーい階段階段~」

154: 2008/10/25(土) 22:24:41.74 ID:Zts0z+EY0
朝倉「みなさん、お待ちしておりました。」

ハルヒ「初めまして、老師」

朝倉「・・おや・・?」

長門「・・・・・」

朝倉「・・ふっ・・あ、キョン君、来てくれたんですね」

キョン「俺はコイツのガードだからな」

古泉「バッ?!ろろ老師に向かってなんて口の聞き方をするんですか?!」

朝倉「まぁいいですよ。・・それより、例の話は聞き及んでいますか?」

155: 2008/10/25(土) 22:28:13.26 ID:Zts0z+EY0
キョン「ああ。俺を婿にとろうってんだろ?」

朝倉「えぇ。それなら話が早くて助かります。その様子ではもう答えは出ているようですね。」

古泉「え」

みくる「ふぇっ?!」

ハルヒ「・・・」

キョン「あぁ・・お前と・・結婚してやる。」

古泉・みくる「?!!」


157: 2008/10/25(土) 22:32:07.14 ID:Zts0z+EY0
朝倉「そうですか。それは良かった。早速宴の準備を。」

キョン「一つ条件がある。」

朝倉「何なりと。」

キョン「結婚しても旅は続ける。異存は?」

朝倉「何も。むしろ私も賛成ですよ。」

キョン「そうか。」

朝倉「式は・・そうですね。3日後にベベル寺院で挙げましょう。」

158: 2008/10/25(土) 22:39:28.81 ID:Zts0z+EY0
エボンの老師朝倉涼子と、キョンの結婚の報はすぐに全世界を席巻した。
私は・・・・明るいニュースでみんなの笑顔が踊るのを・・ただただ見つめていた。

考えるとも考えず、考えずとも考えながら、私は雷平原・マカラーニャの森を抜ける。

古泉「いよいよ明日ですね。キョン君は今頃老師とにゃんにゃんしているのでしょうか。」

キョンは一足先に老師と共にベベルへ向かった。
私達もグアドサラムを後にし、今はマカラーニャの森で野営を張っている。

160: 2008/10/25(土) 22:43:35.97 ID:Zts0z+EY0
みくる「しっかし、キョン君が老師と結婚とは・・驚きでしゅよねぇ~」

古泉「羨ましい限りです。」

妹「キョン君今頃子供作ってるのかなぁ?」

古泉「コッ!!コラッ!なんて事を言うのですか?ありがとう」

ハルヒ「・・・もう・・寝ましょ・・」

長門「明日は朝早い。寝坊禁止。」

165: 2008/10/25(土) 22:49:52.30 ID:Zts0z+EY0
チュン・・チュンチュン・・

ハルヒ「さぁみんな起きたわね?・・さっさと行くわよ。」

古泉「は、はい。(何か怒ってますね・・)」

一行の足取りは重く、会話も特にないままベベルへと入る。

妹「ふわぁぁ~。凄い大きいね!」

古泉「妹さん、もう一回言ってくれませんか?」

妹「この街すごい大きいんだね~!」

古泉「あぁ街ですか。そうですねー大きいですねー」

妹「?」

167: 2008/10/25(土) 22:53:57.08 ID:Zts0z+EY0
婚前ムード一色の中、ゲストルームへと招かれる。

みくる「そろそろ始まるみたいでしゅよ、行きましょうか!」

ハルヒ「う・・うん」

長門「・・・・涼宮ハルヒ・・」

ハルヒ「ん?・・なぁに?有希。」

長門「・・あなたの・・したいようにすれば良い・」

ハルヒ「・・有希。」

長門「私達は貴方のガード。何があっても守るのが役目。」

ハルヒ「有希・・ありがとう。よし!決めたわ!!」

169: 2008/10/25(土) 23:01:40.96 ID:Zts0z+EY0
「えー、新郎新婦の入場です。皆様、盛大な拍手でお出迎え下さい!」

パチパチパチパチ!

ハルヒ「ドキドキ・・」

長門「・・?!涼宮ハルヒ・・逃げて・・」

ハルヒ「え?一体どうしたのよ有希。」

長門「いいから。何者かが貴方を狙っている。」

ハルヒ「え・・?ま、まぁ・・わかったわ。」ダダッ

長門「まさか・・?」

妹「・・・・・」

神父「えー、新郎。この神聖なるエボンの下、新婦に永遠の愛を誓いますか?」

キョン「・・・誓います・・」

神父「新婦。この神聖なるエボンの下、新郎に永遠の愛を誓いますか?」

朝倉「誓います。」

神父「では、指輪の交換と誓いの口付けを。」

170: 2008/10/25(土) 23:08:24.26 ID:Zts0z+EY0
たったったったった
ハルヒ「はぁっはぁっ!ったく、有希ったら、これじゃ誰からドコに逃げたらいいのかわからないじゃない!とにかく、戻らないと!私のやりたいようにできないじゃない!」

ドアを大きく開け放ち、大きく叫ぼうと息を吸い込む。
その時、目に飛び込んできた光景を見て・・思わず固まってしまう。

大きく鳴り響く祝いの楽曲が、私から声を奪った。

古泉「あんな綺麗な女性とキスですか・・はぁ・・いいなぁ」

キョンと老師が長い長いキスを終え、こちらに向き直る。
そして、巻き起こる喝采。

私は・・逃げ出してしまった。

171: 2008/10/25(土) 23:14:26.69 ID:Zts0z+EY0
長門「・・・・来た!」

古泉「うわっ!!一体どうしたんですか長門さん!?急に立ち上がって・・」

パリーン!!
窓ガラスが割れ、軍隊のような装備をした3人が突入してくる。

A「涼宮ハルヒはどこだ?!」

B「ドコにもいないぞ!」

C「作戦変更。老師抹殺を最優先する。」

男達は、何だかよくわからない言語を並べ立て、あたりを見回す。

妹「キョン君!こっちへ!!」

何が何だかわからないまま、妹の言うままに駆け出す。

173: 2008/10/25(土) 23:18:39.09 ID:Zts0z+EY0
長門「急いで!ここから離脱する。」

キョン「・・?!一体何がどうなって・・!!」

妹「いいから私を信じて!」

長門「説明する時間は無い。今は涼宮ハルヒの保護が最優先。」

キョン「!そういえばハルヒは?!ドコに行ったんだ?!」

みくる「いました!!あそこ!!」

ハルヒは武器を持った男二人に追いかけられていた。攻撃は受けていないようだが・・

174: 2008/10/25(土) 23:22:04.39 ID:Zts0z+EY0
みくる「それ~!」

朝比奈さんの魔法で追っ手二人を追い払ったようだ。

妹「・・・」

キョン「ハルヒ!!大丈夫か?!」

ハルヒ「はぁっはぁっ・・!一体・・何がどうなってんのよ?!」

長門「後で説明をする。まずはマカラーニャの森まで退却する。」

長門の言うままに、俺たちはとにかく走った。

175: 2008/10/25(土) 23:27:17.77 ID:Zts0z+EY0
キョン「はぁっはぁっ・・!」

ハルヒ「・・ふぅ・・で?一体何があったっていうの?!」

長門「おそらく・・アルベド族の仕業・・そして・・」

妹「長門さん、私が説明するね。」

古泉・キョン・ハルヒ・みくる「???」

妹「まず、私は・・アルベド族なの。」

古泉「?!!!!!!」

妹「これが証拠。ね?」

妹は目からカラーコンタクトを外し、俺達に見せた。

妹「で、今回の件は全部アルベド族が仕組んだことなの・・その為に・・キョン君を利用する形になっちゃった・・ごめんなさい・・」

176: 2008/10/25(土) 23:32:28.06 ID:Zts0z+EY0
長門「私とアルベドはある一点で利害が一致する。式の途中、妹の挙動を見て全てを把握した。」

妹「そう。長門さんとの共通点はね・・老師を亡き者にすることなの・・」

キョン・古泉「!!!!!!」

幼い少女から発せられる言葉にしては、重々しくて衝撃的なものだった。

妹「それで・・私達は召喚士の保護も行っているの・・」

キョン「保護??一体何のために?召喚士にはガードがついてるだろ?保護する必要なんか無いじゃないか」

妹「・・・・・・」

190: 2008/10/26(日) 00:05:15.61 ID:UZHF+pyX0
妹「・・・・じゃうの・・」

キョン「・・ん?何だって?」

妹「氏んじゃうんだよ」

キョン「は?」

妹「究極召喚したら、氏んじゃうんだよ?!!」

キョン「な・・にを・・言ってんだよ・・なぁお前ら・・コイツに何とか言っ・・」

みくる・古泉・長門「・・・・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・何で・・・黙ってた・・・?」

みくる「・・・」

キョン「何で黙ってたんだよ?!!!」

191: 2008/10/26(日) 00:09:56.88 ID:UZHF+pyX0
キョン「俺言っちゃったんだぞ?!『シン』を倒したら!あそこに遊びに行こうとか!!
あれを見に行こうとか!!それなのに・・俺は・・・」

ハルヒ「・・・・・・・・」

キョン「グスッ・・さっさと倒しに行こうとか!!何も知らないクセにさぁ!!!
どうして教えてくれなかったんだよ?!!朝比奈さん!!」

みくる「・・・・怖かったんです・・」

キョン「・・グスッ・・!・・・ヒック・・!」

みくる「言葉に出してしまうと・・一気に現実味を増して・・怖かったんです・・」

193: 2008/10/26(日) 00:15:03.71 ID:UZHF+pyX0
キョン「・・どうして・・旅に出るのを止めなかったんだよっ!!!」

みくる「止めたわよ!!!それでも・・」

ハルヒ「・・・もう・・いいわよ・・キョンも・・みくるちゃんも落ち着いて・・」

長門「ここでは人目につく。おそらく私達は老師暗殺を企て、危害を加えた犯罪者となっている。
昨日野営を張った場所に戻るべき。」

ハルヒ「そ・・そうね・・行きましょ。」

195: 2008/10/26(日) 00:24:39.11 ID:UZHF+pyX0
マカラーニャの静かな森にテントを張り、今は各々特にやる事も無く、ただ物思いにふけっていた。
というか、誰とも話したくなかったんだろう。静かな夜がただ過ぎていく。

妹「キョン君。隣いいかなぁ?」

キョン「あぁ。」

妹「さっき言いそびれたんだけどね、私達アルベド族は召喚士に究極召喚を使わせないように保護をしているの。だから今回も、幻光河の時も、全部そのためだったの。」

キョン「幻光河・・?あの時も・・お前らの仕業か・・」

妹「そう。私達は召喚の力に頼らず、機械の力で『シン』を倒そうとしているの」

キョン「機械・・」

妹「そう!だからね、上手くいけば究極召喚なんてしなくて済むようになるよ!」

キョン「そう・・なるといいな・・」

妹「なるよぉ!だからね、キョン君、今はここにいるべきじゃないと思うの。」

キョン「そういうことか・・お節介だな・・」

妹「?おせっかいってな~に?」

キョン「何を今更・・まぁありがとな。ちょっと行って来る。」

妹「行ってらっしゃ~い!」

197: 2008/10/26(日) 00:35:48.12 ID:UZHF+pyX0
キョン「アイツは・・どこだ・・?」

ハルヒは、月明かりの差し込む中、一人湖面に浮かんでいた。空を見ているようだった。

キョン「・・ハルヒ・・ごめんな・・?その・・色々、何も知らないクセに言っちゃって」

ハルヒ「うんうん、言わなかった私も悪いし・・でも・・アンタが・・あそこまで泣くとは・・思わなかったわ」

キョン「・・そっそれは・・っ!その・・まぁ・・」

ハルヒ「アンタ、老師の事好きだったの?」

キョン「いや・・全然・・」

ハルヒ「好きでもない人とキスをしたの・・?ましてや結婚まで・・」

キョン「あれは・・!お前の・・為・・と、いうか・・その・・」

ハルヒ「私のため・・?」

キョン「俺が結婚して、その・・明るい話題になるだろ?それで・・お前が喜ぶなら・・と思って」

ハルヒ「そんなことの為に結婚までしたの?!アンタ、バカじゃないの?!」

キョン「そ、そんな言い方しなくても・・!って・・ちょっ・・!」

ハルヒ「アンタの唇・・消毒してあげるわよ・・!」

202: 2008/10/26(日) 00:44:05.30 ID:UZHF+pyX0
キョン「んっ・・・」

ハルヒ「・・・・・」

この時間が、一生続けばいいのに、そう想いながら、唇を重ね続けた。

―――翌朝―――

キョン「で、どうするんだ?」

ハルヒ「アンタの流した涙には感謝するわ。でも、旅は続けるわ!」

妹「・・!!ちょっ!待って!もうすぐアルベド族の兵器が完成するはずなの!それまで旅は中断にしよ?ね?」

長門「・・残念だが・・」

妹「・・?」

長門「その兵器は完成しない。」

妹「・・?どうしてぇ?」

長門「明け方、ベベルへ偵察に行った。」

204: 2008/10/26(日) 00:46:44.08 ID:UZHF+pyX0
長門「そこである情報を手に入れた。」

妹「・・・・・」

長門「・・アルベドの基地は・・老師率いるエボンの軍により・・滅亡した。」

妹・キョン「!!!!!」

ハルヒ「うそ・・!!」

長門「本当。」

妹「嘘だよ!そんなわけ・・ないもん!!いやぁぁぁぁぁ!!!!」

207: 2008/10/26(日) 00:49:57.69 ID:UZHF+pyX0
長門「そこで保護されていた召喚士もほとんど・・殺された。」

妹「嘘だぁぁぁぁぁ!!!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

長門「私達は『シン』を倒す以外に選択肢が無い。」

みくる「そんな・・・」

古泉「・・・・・」

ハルヒ「ま、まぁこれではっきりしたじゃない!私達は『シン』を倒す!それだけよ!!」

208: 2008/10/26(日) 00:54:58.88 ID:UZHF+pyX0
ハルヒ「さぁみんな!!後は究極召喚だけよ!ザナルカンドへ急ぎましょう!」

キョン「お前・・・」

妹「・・グスッ・・グスッ・・・」

ハルヒ「ほーらいつまで泣いてんのよ!行くわよ!!」

今までは、「何とかなるさ」という思いで旅をしていた面もあった。
しかし、この後の平原を越え、山一つ越えれば・・そこに究極召喚がある。

もう、進むしかないようだった。

209: 2008/10/26(日) 01:00:58.40 ID:UZHF+pyX0
ナギ平原。
歴代の召喚士たちがここで『シン』と戦った。その傷跡は、今なおこうして平原の至る所に残っている。

誰も・・喋ろうとしないまま・・平原を抜け、山の麓に着く。

古泉「・・・・・」

みくる「(そういえば古泉君、ここのところずっと静かでしゅねぇ・・)」

ハルヒはもう覚悟を決めたのか、ずんずんと力強く歩を進めている。
俺も・・覚悟を決めなければ・・

210: 2008/10/26(日) 01:05:57.38 ID:UZHF+pyX0
ハルヒ「ガガゼト山、到着ー!!」

長門「・・!」

キョン「ん?なんだこの匂い・・?」

みくる「なんでしゅかねぇ・・なんか生き物が焼けたような・・ひっ?!!」

ハルヒ「・・・これは・・一体・・?」

長門「どうやら・・朝倉老師の仕業」

キョン「何でそんなことがわかるんだ?」

長門「アイツの・・匂いがするから」

キョン「匂い・・?」

長門「・・・」

皆、一種の覚悟でも決まっていたのだろうか。ロンゾ族の無残な氏体の山の中、
脇目も振らずに歩いていく。

212: 2008/10/26(日) 01:13:06.99 ID:UZHF+pyX0
どうやら、朝倉は俺達を本気で殺そうとしているらしい。
ロンゾ族は俺達をかばってくれでもしたのだろうか。
じゃなきゃこうまで無残に殺される理由がわからない。

長門「本人に聞いて見ればいい。」

キョン「それもそうだな。」

登山を始めて2時間ぐらい経っただろうか。
息が切れ始める。

ハルヒ「ちょっと休憩にしましょ!」

そう言って岩の物陰に腰をかける。
各自、水分と食料を採り、しばらく休んだ後ハルヒの号令により再出発する。

キョン「・・!」

ハルヒ「どうしたのキョン?」

キョン「ん?あぁ何でもない、先に行ってろ。」

ハルヒ「?まぁ良いけど・・あんま遅れないでよ?」

214: 2008/10/26(日) 01:16:41.41 ID:UZHF+pyX0
?「いいんですか?先に行かせちゃって。」

キョン「あぁ。俺一人で充分だからな。」

?「まったく・・君には期待してたんだけどねぇ・・」

キョン「何のことだ?」

?「あのままおとなしく結婚していれば・・氏なずにすんだものを」

キョン「うるせぇ!かかって来い!朝倉ぁぁ!!」

216: 2008/10/26(日) 01:26:24.71 ID:UZHF+pyX0
長門「格好をつけるな。」

キョン「!!お前ら・・!」

ハルヒ「心配して戻ってみれば・・アンタってホントにバカね!」

みくる「キョン君だけにいい格好はさてまてしぇんっ!」

妹「水くさいっていうのはこういうことを言うんだよぉ~?」

古泉「まったく・・本当に格好良いですね・・あなたは・・」

キョン「お前ら・・・!!」

朝倉「良いでしょう。まとめて消し去ってあげますよ。苦しみながら氏になさい!!」

218: 2008/10/26(日) 01:34:51.41 ID:UZHF+pyX0
そう言うと、朝倉の体が見る見る変化していく。

朝倉「アルベドとロンゾの魂を結集させたこの鎧に・・勝てるわけが無いわ・・
一人ずつ果てていく様を見て絶望しなさい!」

朝倉の長い槍が一閃。古泉を貫く。

古泉「ぐぅっ・・!!」

キョン「古泉!!妹!回復を頼む!」

妹「うん!アルベド調合薬、と!??キョン君!傷がふさがらないよぉ!」

朝倉「ふふっ・・これはね・・呪いの力なの。氏んでいる者の攻撃は、この世ではありえないことでしょ?」

キョン「意味がわからねぇよ!喰らえっ!」

ガギィン・・!!

キョン「か、硬・・!」

220: 2008/10/26(日) 01:41:05.50 ID:UZHF+pyX0
みくる「それならこれはどうでしゅか?!ファイガ!!」

しゅぅぅぅぅぅぅ・・

みくる「・・な?!」

朝倉「あはははははは!!無駄よ、無駄なの!!あははははは!」

キョン「くそ・・どうすれば・・!」

朝倉「ん?もう終わり・・?しょうがないわね・・慈悲深い私が一撃で終わらせてあげるね!ジワジワと殺るのは変更してあ・げ・る!」

長門「・・・・・」

朝倉「全弾発射よ!」

221: 2008/10/26(日) 01:47:19.84 ID:UZHF+pyX0
俺も、ハルヒも、朝比奈さんも古泉も妹も、多分・・諦めたのかもしれない。
いや、諦めていただろう。
朝倉から発射される凶弾の数々を、俺達は黙って見ていた。

ただ、一人の少女を除いては。

朝倉「・・・・・!!」

長門「貴方の防御が緩む瞬間を待っていた。一つ一つの魂の結合が甘い。
だから私に侵入を許す。」

朝倉「くっ・・!私の内部に・・そうか・・長門さんは・・私と同じ・・だったわね・・」

長門「朝倉涼子の魂の連結を解除。朝倉自身の魂を分解。」

朝倉「ぐぁぁぁぁあ!!」

223: 2008/10/26(日) 01:54:04.95 ID:UZHF+pyX0
俺はこの凄まじい光景を眺めながら、朝倉からわずかに射出されたミサイルその他を必氏になって避けた。
どうやら、他の仲間たちに被害は無いようだ。

朝倉「ふふふ・・私の負け・・ってことかぁ。悔しいなぁ・・」

ハルヒ「勝った・・のかしら・・?」

キョン「どうやら・・な・・しかし・・」

古泉「・・はぁ・・はぁ・・」

妹「どうしようキョン君!傷が・・血はもう止まったけど・・」

キョン「古泉。動けそうか?」

古泉「・・はい。私は大丈夫ですよ。ふぅ・・危うく氏にそうでした。妹さん、ありがとうございました。」

妹「でっでも・・その傷は・・」

古泉「さぁ行きましょう皆さん!もうすぐザナルカンドですよ!」


226: 2008/10/26(日) 02:03:56.26 ID:UZHF+pyX0
ザナルカンド・・俺の生まれた街。旅の道中に聞かされた話だと、俺のザナルカンドとは全く別物のようだったが・・

ハルヒ「ふぅ・・やっと山を降りきったわね。今日はここに野営を張りましょ!」

そこは・・俺が知ってるザナルカンドとは、全くの別物だった。
内心、ほっとしたような・・ガッカリしたような・・複雑な気持ちだった。

ハルヒ「しっかし、凄い眺めよねー!」

見渡す限りの星。所々彷徨うように飛び交う幻光虫。
俺達はしばらくその眺めに見とれながら、旅の終わりを想った。

キョン「これで・・終わりか・・」

ハルヒ「何よアンタ!ひょっとして寂しいの?!」

キョン「お前なぁ・・もう少し・・なんて言うか・・その、何かあってもいいだろう?!」

ハルヒ「・・そうね。」

228: 2008/10/26(日) 02:10:36.59 ID:UZHF+pyX0
ハルヒ「最後だし・・全部話しておいてもいいかしらね。」

キョン「全部?」

ハルヒ「そう!全部。」

そう言ってハルヒは、俺を旅に誘ったときからの心の変化だとか、どういう過程で俺を好きになったのか、全部話してくれた。

俺も、今のありのままの気持ちを全部ハルヒに話した。
お互い後悔はないらしい。

それから、他愛も無い話をたくさんして、最後の惰眠をむさぼった。

231: 2008/10/26(日) 02:16:19.49 ID:UZHF+pyX0
翌朝。エボンドームへと向かう。幸い、特に強力なモンスターが出ることも無く、
すんなりと目的地へと着いた。

ハルヒ「さぁみんな!泣いても笑ってもこれで最後よ!張り切っていきましょう!」

いつもなら「おぉ~!」と元気良く声を上げる朝比奈さんも、さすがに元気が無い。無理もないか。

いよいよ、エボンドーム内部へと歩を進める。

234: 2008/10/26(日) 02:23:06.32 ID:UZHF+pyX0
内部に進むにつれ、空気が酷く澱んでいて・・なんというか・・幻光河の時に感じた不思議な感覚が何百倍にも濃くなった感じがする。

キョン「そういえば長門。朝倉と戦ったとき・・どうしてっ・・・て長門?!大丈夫か?!
しっかりしろ!!」

長門「大丈夫・・ここの空気が苦手なだけ。」

キョン「そうか。確かに、変な感じするもんな。」

長門「そう」

238: 2008/10/26(日) 02:29:18.03 ID:UZHF+pyX0
長門「・・・貴方には話しておく必要がある。」

キョン「ん?何をだ?」

長門「私の体は・・もう私のものではない。」

キョン「??どういうことだ?」

長門「私は・・私の本体は・・あの中にある。」

キョン「あの中って・・?どこだ?」

長門「シン」

240: 2008/10/26(日) 02:33:34.85 ID:UZHF+pyX0
キョン「?!!一体・・どういう・・?!」

長門「10年前・・貴方の父と涼宮ハルヒの父と・・私とでシンを倒しに行った。」

キョン「俺の・・親父が・・?」

長門「涼宮ハルヒの父は優秀な召喚士だった。貴方の父もガードとして立派に使命を果たした。」

キョン「・・・・・」

247: 2008/10/26(日) 03:04:35.45 ID:UZHF+pyX0
長門「究極召喚が全てを終わらせてくれる。そう思っていたがそれは間違いだった。
始まりに過ぎなかった。貴方の父は最期まで私を救おうとしてくれたが、私によって殺されてしまった。」

キョン「!!長門が・・俺の親父を・・?」

長門「そう。そして、また私は同じことを繰り返す事になる。そうなる前に貴方には知っていて欲しかった。
貴方の父に報いるためにも。」

キョン「ま、まて・・同じ事を繰り返すって・・?」

長門「私が今、こうしていられるのはシンのおかげ。いや、シンのせい。つまり、私自身の責任。
究極召喚が始まれば、それに反応してシンも暴れだす。倒されたくないから。
そうなると私にはもう何も出来ない。ただただ破壊行為を繰り返すだけ。」

248: 2008/10/26(日) 03:05:44.06 ID:UZHF+pyX0
>>243
ありがとうございます

249: 2008/10/26(日) 03:14:56.72 ID:UZHF+pyX0
キョン「そんな・・!」

長門「あの人の息子である貴方なら・・何か糸口を見つけ出してくれるかもしれない。そんな気がして伝えた。知る権利も貴方にはあった。」

キョン「・・確かに、土壇場で言われてもオロオロするだけだったろうな。今も・・土壇場だが。」

長門「今となっては全てがもう遅いかもしれない。でも・・」

キョン「・・・」

長門「あなたに賭ける。」

キョン「・・何ができるかわからないし、何もできないかもしれないぞ?」

長門「それでもいい。」

キョン「・・とにかく、お前の気持ちはわかった。」

長門「・・・・」

そんなやりとりをしているうちに、ついに来てしまった。究極召還の祈り子の部屋に。

251: 2008/10/26(日) 03:31:28.90 ID:UZHF+pyX0
宇宙のような空間の真ん中に、ポツンと一人の女性が立っている。

?「よく来ましたね。召喚士涼宮ハルヒとそのガードの皆さん。」

ハルヒ「あなたは・・!」

?「私は喜緑といいます。究極召喚を与え、護る存在です。」

長門「・・・・・」

喜緑「・・おや・・?貴方は・・まぁいいでしょう。さぁ召喚士涼宮ハルヒよ。
究極召喚の祈り子を、一人選びなさい。」

ハルヒ「・・な?!・・どういうことよ?!」

喜緑「知らなかったのですか?長門さんも人が悪いですね・・」

ハルヒ「有希、アンタ何か知ってるの?!」

長門「・・・・・」

喜緑「さぁ・・お選びなさい。長い旅を乗り越え、苦楽を共にしたガードにこそ
究極召喚の祈り子たる資格があるのです。さぁ、お選びなさい。」

252: 2008/10/26(日) 03:31:59.90 ID:UZHF+pyX0
ハルヒ「・・・そんな・・嘘よ・・!」

キョン「俺たちのうちの・・」

みくる「一人が・・」

妹「究極召喚に・・」

喜緑「そうです。そして、その祈り子は新たな『シン』として生まれ変わるのです。」

ハルヒ「・・な!!!!」

小泉「・・・そんな・・!」

みくる「ひどすぎます・・」

253: 2008/10/26(日) 03:38:01.47 ID:UZHF+pyX0
喜緑「究極召喚に夢でも抱いていたのですか?夢といえば・・貴方は・・」

キョン「・・?何だ?」

喜緑「・・いえ。いずれその時がくれば貴方にもわかります。さぁ召喚士涼宮ハルヒ。お選びなさい。」

ハルヒ「・・っく!!」

どうする。どうしよう。どうしましょう。
それぞれが全く同じことを考えている最中、一人の男が・・口を開いた。

254: 2008/10/26(日) 03:42:46.21 ID:UZHF+pyX0
古泉「僕にやらせてください。」

キョン「お前!!何言ってるかわかってんのか?!」

古泉「ええ、充分に理解しています。」

キョン「じゃあなんで?!」

古泉「僕は・・この旅で変わる事が出来ました。だから、以前の自分にけじめをつけたいんです。」

ハルヒ・みくる「・・・・・」

古泉「実は・・僕は鶴屋さんを見頃しにしたんです。」

255: 2008/10/26(日) 03:47:32.84 ID:UZHF+pyX0
キョン「!!!!!」

古泉「あの時・・僕は持っていたポーションを・・最後まで彼女の元へ持っていってあげられなかった。
僕が頃したようなものなんです。」

キョン「でも!だからといって!!」

古泉「それに・・この傷。どの道僕はもう長くはないんですよ。」

妹「・・・やっぱり・・無理してたんだ・・!!」

キョン「・・・そうか・・俺はもう止めんぞ・・」

古泉「ありがとうございます。僕は・・貴方に会えたから・・変われたのかもしれませんね。」

281: 2008/10/26(日) 12:11:41.59 ID:UZHF+pyX0
保守ありがとうございます。
昨日は猿二回目くらってそのまま寝てしまいました
オチまだ考えてないけどなんとか終わらせます(・ω・`)
何か希望があればお応えできるかもしれませんがありましゅか?可能な限りですが

290: 2008/10/26(日) 13:01:27.12 ID:UZHF+pyX0
>>286
がんばるお(^ω^)

>>288
りょうかい!

293: 2008/10/26(日) 13:07:08.58 ID:UZHF+pyX0
ハルヒ「古泉君・・アンタ本当にいいの?!」

古泉「まさかこの僕が仲間の為にこんな真似をするなんてね・・困ったものです。」

ハルヒ「わかったわ・・喜緑さん!彼を・・」

喜緑「彼でよろしいですね?では始めます。」

みくる「・・あっ!」

古泉「・・朝比奈さん・・今まで楽しかったですよ・・ありがとうございました。」

みくる「そっ・・んな・・」

古泉の体が眩い光に包まれていく。
ハルヒは・・召喚の儀式だろうか・・目を閉じてお祈りをしていた。

294: 2008/10/26(日) 13:13:16.06 ID:UZHF+pyX0
俺には・・何が出来るのだろう?
何も出来ずにただ呆けた表情で見つめる事しか出来ないのだろうか。
仲間の氏を。
仲間の変貌を。

妹は目を開いて涙を流したまま動かない。
長門はとても苦しそうにしている。おそらく・・シンである彼女の本体が究極召喚に反応しつつあるのだろうか。

一体俺はどうしたらいいのか・・誰か教えてくれよ・・
俺は目を閉じ、気づいたら泣いていた。

と、その時、フワリと心地よい風が吹いた。

297: 2008/10/26(日) 13:19:19.74 ID:UZHF+pyX0
とても暖かい風。
なんだか懐かしさを感じる。

?「キョン君。キョン君!」

一体誰だ?でも・・この声は・・・

鶴屋「キョン君!あきらめちゃったのかいっ?」

キョン「鶴屋さん!どうしてここに?!」

鶴屋「私はあの時氏んだけど、どうしても異界に行けない強い想いがあったのさっ」

キョン「え?どういう・・?」

鶴屋「長門さんも私と同じさっ。彼女自身の体はとっくに氏んでる。でも魂がそれを許してくれないのさ」

300: 2008/10/26(日) 13:26:59.83 ID:UZHF+pyX0
鶴屋さんは確かにそこに居た。

体は無かったが、はっきりと存在を感じる。

鶴屋「私は志半ばで氏んじゃったけど・・やっぱりどうしても『シン』を倒したかったのさっ」

キョン「でも・・もう始まってしまった・・俺には何も出来ないんです。」

鶴屋「なーにを言ってるんだい君はっ!だからこうして私が来たんじゃないかっ?」

キョン「何か・・あるんですか?」

301: 2008/10/26(日) 13:37:34.20 ID:UZHF+pyX0
鶴屋「古泉君の変化を私が食い止めているうちに、君にあるものを探して欲しいのさっ!」

キョン「ある・・もの?」

鶴屋「そっ!探すというか・・破壊だね」

キョン「で、それはなんなんです?」

鶴屋「アレの中のモノ。」

そう言うと鶴屋さん声がする方角から強烈な風が吹いた。
思わず顔を背けた先に、大きい物体・・いや、生物がいた。

この空間全てを埋め尽くしてしまう程の、大きな生物。

鶴屋「あれが、シンだよ」

302: 2008/10/26(日) 13:44:00.47 ID:UZHF+pyX0
一体いつからいたのだろうか?全く気づかなかった。

鶴屋「・・長門さんがわずかな理性を振り絞って・・ここまで来たのさ・・まだ理性は・・あるみたいだね」

キョン「そうだっ?!長門は?!」

長門はうずくまり、苦しそうにしていた。

キョン「長門?!!」

駆け寄ろうとしたその時。

鶴屋「ダメだよっ!!!長門さんにも時間が無いのさ!キョン君!私にも時間が無いの!早く『シン』の中に行って!!」

303: 2008/10/26(日) 13:52:14.15 ID:UZHF+pyX0
反射的に、言われるままに駆け出す。

『シン』はほとんど動いていなかったため、口の横の通気器官のような場所から楽に侵入できた。

そして俺はとにかく走った。生物の体内とは思えないほど綺麗な道があったので、とにかく走った。

時折、遠くから幻聴のように「急いで」「早く」といった鶴屋さんの悲痛な叫びが聞こえる。

ようやくぽっかりと開けた空間に出た。なんとなくさっきまでいた空間に似てる。
同じように、真ん中にポツリと立っている人がいる。

キョン「待たせたな」

305: 2008/10/26(日) 14:00:21.51 ID:UZHF+pyX0
長門「・・・」

無機質な感じのする長門だ。
俺たちと旅をしていた長門と似ているが、やはり全然違うようだった。

キョン「・・・倒すぞ・・いいんだな?!」

自分に言い聞かせるように呟く。一瞬、少女の顔がほんの数ミリ、縦に揺れたように見えた。
それを見て取った俺は、少女に向かって駆け出した。

307: 2008/10/26(日) 14:10:25.07 ID:UZHF+pyX0
古泉君が光り始めてどのくらい経つだろう。
私は今まで周りの音も光も全て遮り、古泉君だけを見ていた。

さっきまでと風景が全く違うように感じる。
キョン君がいなくて、涼宮さんは・・召喚中・・?
妹さんは涙を流したまま動かない。
長門さんは・・・?!

みくる「長門さん!長門さんしっかりしてくだしゃい!!」

長門さんは消えかかってる・・という表現でいいのだろうか。
薄く、ボンヤリとした状態で何か呟いていた。

長門「・・・・と・・」

みくる「なんでしゅか長門さぁん?!!」

長門「・・あり・・がとう・・」

308: 2008/10/26(日) 14:15:52.88 ID:UZHF+pyX0
みくる「・・ふぇ??!・・一体・・?!」

長門「・・・・この・・苦しみから・・救ってくれて・・あり・・が」

みくる「・・・・!!!!長門さぁん!!消えちゃダメです!!長門さぁん!!!」

長門さんは、私の手の中で、ゆっくりと消えていった。

ふと、後ろに誰かが立っていることに気づく。
走ってたのだろうか、ひどく息が切れている。

キョン「はぁはぁ・・・・長門・・・・・」

309: 2008/10/26(日) 14:29:10.94 ID:UZHF+pyX0
俺はこの手で・・仲間を頃してしまったのだろうか・・
長門は最後、剣で貫いた時・・なぜだか抱き締めてきた。

その瞬間、やっぱりコイツは俺たちのよく知る長門だったんじゃないかと・・思ってしまった。

その時、弱々しい風が頬をなでた。

鶴屋「キョン君、後は古泉君を止めるだけ。方法は・・」

また、わずかな風が吹く。どうやら鶴屋さんの力ももう残ってないようだ・・
風の行き先を見やると、一人偉そうに傍観している女性に目がとまる。

鶴屋「あの人を・・倒すの・・さっ」

そう言うと、弱々しくも感じられた鶴屋さんの気配が、どんどん無くなっていった。

鶴屋「キョン君・・君は・・やればできる・・男だよっ!」

精一杯明るい声を出したのだろう。声の震えが余計に悲しくさせた。

312: 2008/10/26(日) 14:34:33.66 ID:UZHF+pyX0
キョン「鶴屋さん・・」

そう呟くと、まだ長門の血が残っている剣を強く握り締めた。

そして、剣を構える。

喜緑「まさか、私を倒そうというのですか?」

キョン「その通りです。」

喜緑「わかりました。愚かな人間よ、かかってきなさい。」

最後の戦いが、始まった。

315: 2008/10/26(日) 14:47:51.48 ID:UZHF+pyX0
彼女はどんどんと姿を変えていく。
これが彼女の本来の姿なのだろうか。

喜緑「この姿を見せるのは、貴方の父親以来です。」

キョン「?! 親父が・・?」

喜緑「あの人間も愚かだった・・血は争えないですね。」

そう言い終えると、まるで西洋の化け物―メデューサのような姿になった。

キョン「俺の・・親父と・・一緒か!」

なぜだかこんな場面で嬉しく思ったりする。
ろくに会ったこともない親父と、一緒に戦っている気さえする。

316: 2008/10/26(日) 14:56:40.95 ID:UZHF+pyX0
親父は、ブリッツの名選手だった。
俺はいつか一緒に試合をしたいとずっと思っていた。
親父もきっとそう思ってくれてたと思う。

それが、俺と同じようにいきなりこんな訳のわからない世界に来ちまって、
俺と同じように召喚士と旅をして。

喜緑「・・・クッ!ちょこまかと・・!ふっ!!」

触手のような髪の毛が、俺を捕らえんと襲い掛かる。
でも・・
当たる気がしない。

それどころか、俺は走り込みながら懐に6回、斬撃を入れる。
そばに・・親父がいるような気がした。

317: 2008/10/26(日) 15:02:54.76 ID:UZHF+pyX0
親父・キョン「トドメだっ!!!」

ふわっと宙に浮き、親父の得意だったシュートの要領で化け物の頭を蹴り上げる。
名付けるなら・・そうだな、『エース・オブ・ブリッツ』ってところだな。

喜緑「グッ・・ぐあぁぁぁぁぁ!!!!!」

これで勝った。化け物は苦しみながら消えようとしている。

キョン「終わった。」

そう呟いて踵を返そうとした時、
背筋が凍る。

318: 2008/10/26(日) 15:09:17.46 ID:UZHF+pyX0
親父・キョン「トドメだっ!!!」

ふわっと宙に浮き、親父の得意だったシュートの要領で化け物の頭を蹴り上げる。
名付けるなら・・そうだな、『エース・オブ・ブリッツ』ってところだな。

喜緑「グッ・・ぐあぁぁぁぁぁ!!!!!」

これで勝った。化け物は苦しみながら消えようとしている。

キョン「終わった。」

そう呟いて踵を返そうとした時、
背筋が凍る。

320: 2008/10/26(日) 15:14:58.33 ID:UZHF+pyX0
体が動かない。汗が止まらない。

喜緑「・・許さない・・許しませんよ!!!」

もうドロドロになって消えかけの化け物が俺の体を掴んでいる。

キョン「くっ・・!!」

力が入らない。抜け出せそうにない。
化け物の呪文だろうか、氏神のようなドクロが大きな鎌を振りかざしている。

キョン「・・ちくしょう・・ここまで来て・・これかよ」

ドクロが鎌を振りはじめた刹那、
俺は目を閉じた。

322: 2008/10/26(日) 15:26:03.01 ID:UZHF+pyX0
永い間斬撃を覚悟しながら目を閉じていたが、一向に鎌は振り下ろされない。

ふと、生暖かい雫が頬に落ちる。

そこには、俺をかばうようにして立つ、半ば『シン』になりかけの古泉がいた。

キョン「お前・・っ!!!どうして?!」

古泉「・・ぐぅぅぅおおお・・・」

もう顔や下半身など、人の形ではなく、どうやら言葉も失ってしまったらしい。
そうか。
もう俺が化け物を倒しても、古泉は間に合わなかったんだな。

それで・・古泉はそれを悟り、俺を助けにきてくれた。

もう・・涙は出ないと思っていたが・・
この、何をやってもダメだった男が・・こんなふうに助けにきてくれると・・
泣かずにはいられなかった。

325: 2008/10/26(日) 15:38:46.61 ID:UZHF+pyX0
どうやら化け物も最後の力だったらしく、跡形も無く消えていった。
同時に、古泉の姿も透けていき、言葉を発することなく消えていった。

朝比奈さんは古泉のそばでわんわんと泣いていた。
彼女曰く、「伝えたい言葉がたくさんあったのに、最後まで最低な男」らしい。

ハルヒは・・召喚こそ不発に終わったが、ひどい疲れのようだ。
今は氏んだように眠っているようだ。


俺たちは『シン』を倒した。
達成感も、湧き上がる歓喜もそこには無かった。
失ったものもあまりに大きかった。

俺も、自分の体を失っているようだ。

327: 2008/10/26(日) 15:48:05.12 ID:UZHF+pyX0
今は、主観で物事を捉えられない。
だから推測するような物言いばかりになってしまった。

妹が驚いた顔で駆け寄ってくる。
ハルヒもこの騒ぎに目を覚ましたのか、こちらに走ってくる。

とりあえずハルヒは氏ななくて済んだ。飛び込んでくるハルヒを受け止めようと、手を広げる。

ハルヒの感触はいつまで経っても訪れない。
彼女は後ろで転んでいた。俺は振り返り、ハルヒを両手で包み上げる。触れ合っている実感はないが、こうするしかなかった。

やっぱり、俺は消えるらしい。

330: 2008/10/26(日) 15:58:25.95 ID:UZHF+pyX0
一体、俺はいつ氏んだというのか?
確かにこの旅に懸ける想いの強さはあったと自負できるが。
氏んでまで魂を留め続けたい理由・・

考えるまでもなくハルヒだった。
でも、俺はハルヒにもう何もしてやれない。

泣きじゃくる彼女の肩に手を置き、目で「じゃあな」と言った。
ハルヒがどんな顔をしていたのかわからない。

俺は振り向かずに走りだす。

そこには長門も鶴屋さんも、親父もいた。

ハイタッチをして海に飛び込んだ。

                            完

331: 2008/10/26(日) 15:59:28.17 ID:UZHF+pyX0
ごめんおわり

すっきりしないけどこれって限界なんだぜ!

332: 2008/10/26(日) 16:00:19.69 ID:hspwSgEqO
おつ!おもしろかったよ(゚∀゚)

333: 2008/10/26(日) 16:00:23.32 ID:CBf6ONEvO
乙!

337: 2008/10/26(日) 16:04:36.48 ID:UZHF+pyX0
―――エピローグ―――

あれからもう半年が経つ。
私は今でもアイツのことを想う。
もっと、たくさん話したいことがあった。

もっと伝えたい言葉があった。

私は、この言えなかった千の言葉を、紙に書いてビンに詰め、海に流している。

いつか アイツに 届くような気がして―

339: 2008/10/26(日) 16:09:08.37 ID:UZHF+pyX0
―――エピローグ2―――

あれから2年、妹が私に連絡をよこした。

なんでも、アイツに似ている男が映っている映像があるとかなんとか。

しょうがないから付き合ってあげようと思う。

みくるちゃんも誘ってあげようかしら。

3人で世界中遊びまわって、アイツの情報でも調べたら面白そうね!

「おーい!みくるちゃーん!!ちょっと来てーっ!!」

後の、SOS団である―

341: 2008/10/26(日) 16:11:17.32 ID:UZHF+pyX0
おわったぁぁっぁあぁあ!!!
もう悔いはないどす(^ω^)

今まで付き合ってくれた方々ありがとうございました!!

342: 2008/10/26(日) 16:15:48.99 ID:hspwSgEqO
でもうろ覚えなのによくここまで出来たな
べっ別に褒m(ry

346: 2008/10/26(日) 16:18:42.82 ID:QBQWveDR0
Xやったことないけど面白かったお

349: 2008/10/26(日) 16:28:13.02 ID:vdsRkPljO
乙!
FF10やりたくなったw

352: 2008/10/26(日) 17:15:14.36 ID:UZHF+pyX0
>>350
俺は好きだぜ
泣いたゲームの一つであります

>>351
最後のほうキョンの口調がめちゃくちゃだったのは謎だぜ

引用元: ハルヒ「私、なったわよ!召喚士になったわよ!」