1:◆crGnwl2ljo 2008/10/14(火) 02:36:53.00 ID:w/PYMzL+0
かがみ「…何が出来たのよ?」

つかさ「いや、だからお姉ちゃん出来たよ?」

かがみ「うげっ…何よそれ!」

つかさ「えへへ、お姉ちゃーん!」

つかさの手には手乗りサイズのかがみの人形。

その出来は今時のフィギュア顔負けな程。

2: 2008/10/14(火) 02:41:14.16 ID:w/PYMzL+0
かがみ「それ…自分で作ったの?」

つかさ「うんっ! 今日ね、お姉ちゃんの誕生日でしょ? だから頑張って作ったの!」

かがみ「よく出来てるわね…。いや、ありがたいんだが、私はこんな凄いの用意してないぞ?」

つかさ「えっ…。あぁ! 今日は私の誕生日でもあるんだった! 忘れてたー」

かがみ「こいつは…。まぁありがとね。恥ずかしいけど部屋に飾っとくわ」

つかさ「うんっ、頑張ってね…。じゃあね、お姉ちゃん」

かがみ「ん、宿題頑張るんだぞー」

5: 2008/10/14(火) 02:44:20.70 ID:w/PYMzL+0
お互いの部屋に戻るつかさとかがみ。

かがみ「ふぅ。それにしても…これホント良く出来てるわよね…。もっといいプレゼント用意してあげればよかったわ…」

かがみは机にかがみを置く。

かがみ「それにしても頑張ってねって…言ってたよな? これに何か仕掛けでもあるのかな?」

かがみはかがみをくまなく調べる。

かがみ(自分で自分を調べるって…)

8: 2008/10/14(火) 02:47:39.69 ID:w/PYMzL+0
しかし特に怪しい所は無い。

かがみ(あとは…ここか…)

残るはスカートの中。

かがみ(なんかこれをやったら…人として終わりそうだけど…誰も見てないし見ちゃえっ!)

かがみはかがみのスカートの中をのぞく。

かがみ(うわっ、私が持ってるやつと一緒…ん?)

何とおしりの所にスイッチのようなでっぱりが。

かがみ(これかな? えいっ)

かがみはスイッチを押す。

12: 2008/10/14(火) 02:50:13.28 ID:w/PYMzL+0
・ ・ ・ ・ ・ 。

かがみ(何よ…。何も起きないじゃないの)

期待ハズレでがっかりするかがみ。

???「…聞いてる? ねぇ!」

突然の声にかがみはビクッ!となる。

あたりを見渡すが、誰もいない。

???「ねぇ、無視なの? 失礼ね!」

かがみ「ひぃ…!?」

その声の発生源はかがみの人形からだった。

16: 2008/10/14(火) 02:56:00.01 ID:w/PYMzL+0
さっきまで真顔だった人形が怒った様な顔をしてかがみを睨んでいる。

しかも、宙を浮いている。

???「聞いてる? おーい」

かがみ「え…? し、喋ってる…!?」

状況が整理できず、弱弱しい声しか出ないかがみ。

???「何? ばかなの? どう考えてもそうじゃない」

かがみ「浮いて…る? 私が…、人形が…お、落ち着け、落ち着け私…!」

???「…ダメねこりゃ…。いい? 良く聞きなさい。私は柊カガミ。まぁ名前のとおりあんたの鏡のような存在よ。…まぁー呼ぶときは分かりにくいだろうから姫って呼んでもいいわよ」

かがみ(何これ? 夢…、ドッキリ? どういう仕組み? …つかさが作ったのよね? 凄くない!? いやでもありえない…。と、とりあえずつかさの所に…!)

かがみはつかさの部屋へと駆けていった。

17: 2008/10/14(火) 02:58:36.31 ID:w/PYMzL+0
姫「あ、何処行くのよ! 待ってー」

姫はかがみを追いかける。

かがみがかがみを追いかけるという何ともすさまじい光景。

バン!

かがみは勢い良くるつかさの部屋の扉を開ける。

かがみ「つかさぁ! …あ、あれ。いない…?」

18: 2008/10/14(火) 03:02:21.67 ID:w/PYMzL+0
姫がかがみに追いつく。

姫「何してるのよ?」

かがみ「ひぃ…! 出たっ!」

姫「私は幽霊か! つかさを探してるの?」

かがみ「う、うん」

かがみ(うわぁ…。会話出来ちゃったよ…)

姫「つかさなら家出したわ。そこに手紙があるはずよ」

かがみ「はぁ? な、何言ってるの? …そんなわけが」

かがみはつかさの机を見る。そこには一枚の手紙が。

かがみ「嘘…でしょ? 嘘よね? つかさに限って家出なんて…」

姫「読めば分かるって」

疑いつつもかがみは手紙を読んだ。

19: 2008/10/14(火) 03:05:11.23 ID:w/PYMzL+0
お姉ちゃんへ

この手紙を見てるって事は、姫を起動させたんだね。

私は、わけあって家を出るけど…いつかは戻ってきます。

その間、姫を私だと思って生活してください。

色々と謎があると思うけど、気にしたら負け!

中略

最後になったけど、自分勝手な妹を許してください。今まで本当にありがとう。そしてごめんなさい。

また、会えるといいね。

つかさより

20: 2008/10/14(火) 03:07:42.80 ID:w/PYMzL+0
手紙を読み終えたかがみは泣いていた。

かがみ「うぅ…ぐすっ、…つかさぁ…つかさ…」

姫「まぁ、その…なんだ。落ち込まないの。いつかは戻ってくるみたいだしさ!」

かがみ「……ぐすっ」

姫「…かがみ? 落ち着いたらまっすぐ部屋に戻ってきてね? 話があるから」

かがみ「………」

姫はかがみの部屋へと戻っていった。

23: 2008/10/14(火) 03:10:55.32 ID:w/PYMzL+0
しばらくしてかがみは泣き止んだ。

かがみ「ふぅ…」

涙でくしゃくしゃになった手紙をポケットにしまい、立ち上がるかがみ。

かがみ「つかさ…、戻ってくる日まで、…またね…!」

パチッ…

かがみはつかさの部屋の電気を消し、扉を閉じる。

かがみ(問題は…、あの人形よね…)

自室に戻るかがみ。

夢であれと願ったが、姫と言う名のかがみ人形は、やはりそこに居た。

25: 2008/10/14(火) 03:14:25.75 ID:w/PYMzL+0
姫「おかえり。ちゃんとさよならしてきた?」

かがみ「…本当につかさが作ったの? あの子がこんな人間離れしたことが出来るとは思わないんだけど…」

姫「かがみはつかさを舐めてるねっ! いつもはあんなだったけど、本当は凄いんだから!」

かがみ「声まで私って……それに浮いてるし…。本当、どうなってるの?」

姫「私は知らないわよ。でもこれが科学じゃないの?」

かがみ「いや、私はそんな凄い科学は知らないわよ…」

姫「世間に知られて無いだけかもよ? まぁ気にしたら負け!」

26: 2008/10/14(火) 03:17:31.20 ID:w/PYMzL+0
かがみ「…。もしかして私にずっとついてくるつもり?……その、私?」

姫「姫と呼びなさい」

かがみ「うわ…、エラソーね」

姫「ほら、こんなことも出来るよっ」

そう言うと姫は今来ている服を、一瞬にて別に服に替えた。

姫「見てみて、ドレスー♪」

かがみ「どうやったのよ……。もう、頭痛が…」

姫「気にしたら負け♪」

28: 2008/10/14(火) 03:21:30.20 ID:w/PYMzL+0
かがみ「何かもう疲れたわ…。そうだ、つかさが家出したこと、お母さんや姉さんに伝えないと…」

姫「その事なら気にしないでいいわよ。私が変えておいたから」

かがみ「え…?何を…?」

姫「つかさの存在はもう私とかがみ以外、誰も覚えていない」

かがみ「嘘…でしょ?」

かがみは部屋を飛び出し、つかさの部屋へと向かう。

つかさの部屋の扉を開けると、そこは物置となっていた。

みき「ん?かがみ、探し物?」

かがみ「お母さん…。私たちって、…三姉妹、だよね?」

みき「そうよ?それがどうかしたの?」

かがみ「ううん…、何でも…ないわ」

急いで自室へと戻るかがみ。

31: 2008/10/14(火) 03:25:40.43 ID:w/PYMzL+0
かがみ「はぁ…はぁ…!何で…」

姫「平気だよ、かがみ。かがみがつかさの事を忘れなければつかさは戻ってくる。絶対に」

かがみ「あんたは一体何者なの…!?」

姫「姫って呼ぼうよ。…私はね、つかさがこの世界に戻って来るための鍵ってとこかな?」

かがみ「この世界…?どの世界よ!?つかさは一体どの世界に行ってしまったの!?」

姫「…言って分かるの?つかさはね、誰にも言ってないけど科学者なの」

かがみ「科学者…?つかさが…?嘘……じゃないのよね。でもずっと一緒にいたのよ?どこも科学者らしいことなんて…」

姫「時間を止めればいいじゃない。私は出来ないけどね」

33: 2008/10/14(火) 03:29:33.62 ID:w/PYMzL+0
かがみ「……そんなことが出来るの…?今の科学ってそんな所まで進んでるの…!?」

姫「裏ではね。まぁ信じるか信じないかは任せるけど」

かがみ「……なんで、つかさは科学者なのよ」

姫「さぁねー?つかさはある大切な実験でね、大きな失敗をちゃってね…罰として別の世界に行くことになっちゃったんだよ」

姫「でも、頑張ればつかさも戻ってこれるから、その間の色々なことを任されたのが私ってわけ。OK?」

かがみ「そうなんだ……。なんかもう頭が…」

姫「まぁ無理も無いよね。普通に人なら信じないだろうね…。でも、私はかがみが信じてくれるって信じてたよ!」

34: 2008/10/14(火) 03:33:49.77 ID:w/PYMzL+0
かがみ「まだ信じがたいけどね…。明日、学校に言ってもつかさの席は無いし、つかさのことは誰も覚えてないのよね?」

姫「うん、頑張って慣れてね!人間関係は変わってないから」

かがみ「私、つかさがいなきゃこなたと出会ってなかったのよ?そこらへんはどうなのよ?」

姫「気にしない!細かいことはいいの!」

かがみ「………。そう…、もう私寝るわ。かなり疲れた…」

姫「うん、おやすみっ!」

かがみ(はぁ…明日から大変になりそうだ…。つかさ、頑張って早く戻ってきてよね…!)

かがみは寝るのだった。

姫「―――うん、ちゃんと説明できたわ。疑わずにちゃんと信じてくれた」

姫「……まぁね。つかさも早く戻ってこれるように頑張ってね…。おやすみ、つかさ…」

姫も眠りに着くのだった。

35: 2008/10/14(火) 03:37:44.17 ID:w/PYMzL+0
かがみ「―――…うぅーん。朝か……」

姫「ふぁ…、おはよ。かがみ」

かがみ「ぅ……やっぱり夢じゃなかったんだ…」

姫「失礼ね!ほら早く朝ごはん食べてきなさいよ!」

かがみ「言われなくても…。まさかあんたは来ないわよね…?」

姫「だから姫って呼んでよ!」

かがみ「何で姫なのよ……」

姫「何でって?それはかがみが心の奥深ーい底では実は姫って呼ばれたいって――」

かがみ「もういいわよ…!……じゃ、朝ごはん食べてくるから」

かがみは一階へ降りる。

その横をふよふよと着いてくる姫。

36: 2008/10/14(火) 03:41:22.81 ID:w/PYMzL+0
かがみ「何…?着いてくるの……?」

姫「姿も消せるし、平気よっ」

かがみ「……万能なのね」

姫「そーでもないけどね」

食卓に着くかがみ。

つかさのいない食卓はどこか寂しげで、物足りなかった。

かがみ(はぁ…。お弁当もつかさが作ってくれることも無くなるんだ…)

姫(そうだねー。頑張れかがみ!)

かがみ(……あんた、私の考えてることが分かるの?)

姫(そうよ!まぁ…これやってると気持ち悪くなるからあんまりやらないと思うけど。声一緒だし)

かがみ(是非とも使用を控えて欲しいわね…)

かがみはご飯を食べ終わり、弁当を作るのだった。

37: 2008/10/14(火) 03:44:04.60 ID:w/PYMzL+0
かがみ「じゃ、行ってきまーす」

一人での登校。

決して初めてではないが、これが毎日続くかと思うと…。

姫(まぁ落ち込まないの。私がいるんだからさー)

かがみ(うぅ…分かったわよ…)

しばらくしてこなたとの待ち合わせ場所に着く。

本当にこなたは居てくれるのかと心配になったが、その必要は無かった。

こなた「やほー、かがみ」

かがみ「…おーす」

こなた「ん?どしたの?元気ないね、かがみ」

かがみ「気のせいよ」

こなた「そっかー。あ、電車来たね」

二人は電車へ乗るのだった。

38: 2008/10/14(火) 03:47:46.50 ID:w/PYMzL+0
かがみ(やっぱりこなたもつかさのこと、覚えてないのね…)

姫(うん。覚えてたら色々と面倒だからねぇ)

こなた「そだ、かがみ?」

かがみ「ん?」

こなた「後で宿題をみせておくれ?」

かがみ「またやってないのかよ…」

こなた「やろうと思ったよ?でもゲームが長引いちゃってね?だって――」

かがみ「分かった分かった。後でね」

こなた「わーいっ!かがみん愛してるぅ!」

かがみ「ええい、引っ付くな!」

こなた「かがみんがデレてる。萌え」

かがみ「デレてないし萌えって…」

姫(楽しそうね)

かがみ(ん…。まぁ…ね)

しばらくして学校へ着く。

40: 2008/10/14(火) 03:51:01.18 ID:w/PYMzL+0
こなた「じゃ、かがみ。後で行くねー」

かがみ「うーす」

いつもどおりに教室に入るかがみ。

こなたの教室をチラっと見たが、つかさの机には知らない人が座っていた。

だが、かがみの教室にはつかさはいないので、特に変わらず普段通りに過ごせた。

休み時間。かがみのクラスにこなたが来る。

こなた「やほーっ、かがみぃー」

かがみ「来たわね。はい、これ」

こなた「ありがとおおー!」

ノートを渡すかがみ。

こなたが急いで宿題を写す。

42: 2008/10/14(火) 03:53:25.58 ID:w/PYMzL+0
こなた「かがみー」

かがみ「何?」

こなた「今度の休み、暇?」

かがみ「うん、暇よ?」

こなた「じゃあさ、かがみの家で遊ぼーよ」

かがみ「…うん。分かったわ」

こなた「よし写し終わった!ありがと、かがみ。また昼ねー」

かがみ「はーい」

こなたが去ってゆく。

かがみは自分の席に着き、次の時間の用意をするのだった。

43: 2008/10/14(火) 03:56:42.38 ID:w/PYMzL+0
つかさがいない。と言うこと以外は何事もなく、今日一日の授業は終わり、放課後を迎えた。

姫(おつかれー。楽しかった?)

かがみ(…まぁ)

姫(そうそう、つかさが家に帰ったら手伝って欲しいことがあるってさ!)

かがみ(へぇ…って、つかさと連絡できるの!?)

姫(うん。残念ながらかがみと話すことは出来ないけどね)

かがみ(そっか…)

こなた「おーい!かがみーっ!一緒に帰ろーっ!」

こなたが向こうから呼びかけてくる。

かがみ「うーん!今行くわー」

かがみはこなたと一緒に帰るのだった。

44: 2008/10/14(火) 03:59:32.19 ID:w/PYMzL+0
バス内。

こなた「……やっぱりかがみ、今日は元気ないね?」

かがみ「うーん…」

こなた「何かあったなら私に相談してね?遠慮しないでさっ」

かがみ(出来れば相談したいが…、これは…相談していいのか?)

姫(いいんじゃない?分からないけど…)

かがみ(適当だな…。でも、私一人じゃ抱えられる問題じゃなさそうだし…、話してみるわ)

かがみ「こなた、…今日、ウチに来れる?」

こなた「ん?うん、平気だよ」

かがみ「ありがと…」

こなたとかがみは家に着く。

46: 2008/10/14(火) 04:02:26.79 ID:w/PYMzL+0
こなた「お邪魔しまーす」

かがみ「ただいまー。―――どうぞ、入って」

こなた「うん」

こなたがかがみの部屋に入る。

こなたはかがみが何か喋るのを待っているのだった。

かがみ「うーん…何から話したらいいのかな…」

こなた「何でも聞くから平気だよ。安心して」

かがみ「…今から普通の人じゃ信じられないようなこと話すと思うけど、それでも?」

こなた「任せてっ!」

スゥーッと深呼吸をし、かがみは話始めた。

47: 2008/10/14(火) 04:06:33.05 ID:w/PYMzL+0
かがみ「私にはね、妹がいるの」

こなた「かがみに妹?…そりゃあ意外だねぇ」

かがみ「……名前はつかさって言うんだけど…、今はいないの」

こなた「いないって…旅行とか、生き別れとか?」

かがみ「……その…、べ、別世界にいるのよ、今は…」

こなた「別世界…??本当だったら悪いけど…天国とか?」

かがみ「違うわ。うーん…なんて言うんだろうなぁ…」

かがみは状況をどう伝えたらいいのか分からず、悩む。

かがみは仕方なく姫にアドバイスを求める。

かがみ(ねぇ、…どう言ったらいいの?)

姫(何かもうぐだぐだね…。いいわ、私が出るわ)

かがみ(えっ…!?)

姫は、こなたの前にいきなり姿を現した。

48: 2008/10/14(火) 04:09:25.11 ID:w/PYMzL+0
こなた「おわ!?かがみ…?」

姫「かがみの分身のような存在よ!」

こなた「……?」

唖然とするこなた。無理も無い。

姫「まぁ……、まずは「こなたのつかさに関する記憶」を元に戻すわね」

姫はそう言うと手をこなたの額に置く。

姫「よし…。思い出した?」

こなた「うおぉ…。思い出したよ…!」

姫「でしょ?凄いでしょー」

49: 2008/10/14(火) 04:12:29.96 ID:w/PYMzL+0
こなた「で、大きいほうのかがみ。この小さいかがみは一体何ぞや?」

かがみ「詳しくはそいつに聞いてくれ…」

姫「私は姫!名前の由来はかがみが本当はそう呼んで欲しいからだったり。でね、つかさは―――」

姫はこなたにこれまでの経緯を話す。

どうにも信じがたい話だったが、そのテの話に耐性があるこなたはすんなりと受け入れた。

こなた「おぉ…!まさかそんなことが…。今の科学って凄いね!姫様!」

姫「でしょ?ふふん」

かがみ「いやいや、凄いのはつかさだろ?」

52: 2008/10/14(火) 04:17:13.31 ID:w/PYMzL+0
こなた「つかさは今、別世界でどうしてるの?」

姫「さぁ?これからかがみが別世界につかさを助けに行くけど、こなたも行く?」

かがみ「な…?聞いてないわよ!?」

姫「さっき言ったじゃん。手伝って欲しいことがあるって」

かがみ「そうだったんだ…。で、別世界につかさはいるのね?」

姫「いないよ。つかさのいる別世界とはまた違う別世界みたい」

かがみ「……」

姫「まぁ、つかさを助けられることには変わりないからっ。何するかは行ってからのお楽しみー♪」

こなた「いく、行くよ!絶対楽しそうだもん!」

こなたがそう言うと、姫は目を閉じ、何かをつぶやく。

かがみ「ちょっ…!危険は無いの!?時間はどうするのよ!もう…――」

姫「うるさいなぁ。時間くらいつかさが止めてくれるでしょ」

姫は別世界の扉を開く!

姫「さぁ、入って!つかさを助けに行きましょう!」

54: 2008/10/14(火) 04:21:07.94 ID:w/PYMzL+0
かがみとこなたは光の中へと飛び込む!

かがみ「きゃあああ!?」

こなた「やほーっ!」

目の前が真っ白となり、次の瞬間には目の前が森へと変わっていた。

姫「着いたようね」

かがみ「ここ…どこ?」

姫「さぁ?つかさが教えてくれないと分からないわ」

こなた「もしかして…RPG?ほら、あそこに得体の知れない魔物みたいなのがいるよ!」

かがみ「うそっ…うわぁ…ホントだ…」

こなたの指差す方向には、よく分からない形をした生物がいた。

こなた「あれを倒せばいいんだねっ?冒険なら得意中の得意だよぉー!!」

かがみ「おまっ…それはゲームの中の話だろ!?」

こなたは勢い良く敵に飛びかかる!

55: 2008/10/14(火) 04:24:04.66 ID:w/PYMzL+0
こなた「どりゃ!」

敵「プギャー」

こなたはとび蹴りをして、敵を倒す。

姫「すごいすごい!」

こなた「いやー、楽勝だねっ」

かがみ「いやいや…。突っ込みどころが多すぎて突っ込めないわ…」

姫「…あ、今つかさから連絡があったわ。おーい、つかさー」

姫がそう言うと、2人の目の前に半透明のモニターが現れた。

モニターにはつかさが写っており、話を始める。

58: 2008/10/14(火) 04:28:45.39 ID:w/PYMzL+0
つかさ「えへへ…。お姉ちゃん、こなちゃん、おはよー」

かがみ「おはよーってあんた…、ここは一体何処なの!?」

つかさ「そこは…私が作った世界だよ」

かがみ「ちょ…っ、世界を作ったの?つかさが…?」

つかさ「うん。結構美味く出来てると思うから、頑張って魔王を倒してね!」

こなた「魔王を倒せばつかさが戻ってくるんだね?」

つかさ「うんっ。…こんな面倒なことに巻き込んじゃってごめんね?…他の方法もあったんだけど、これのが一番安全だったから…」

かがみ「いいわよ。つかさの為だもん。今、つかさはどこにいるの?こことは違う世界?」

つかさ「そうだよー。じゃあ、姫。この世界の詳しいことは…今、データにして送るから頑張って!あ、後…この世界との通信はこれ以降もう出来ないんだぁ…」

姫「分かったわ。じゃあ通信を切るわね。通信代かなり高いし」

姫はそう言うと、目の前のモニターが消えた。

59: 2008/10/14(火) 04:33:51.02 ID:w/PYMzL+0
こなた「いやー、つかさは凄いねっ!」

かがみ「凄いの一言で済ませられるこなたが凄いわよ…」

姫「あ、二人とも。データ来たわよ。いい?良く聞くのよ?2度も言うの面倒だし」

姫は話始める。

姫「えー、この世界の名前は、「つかさ星」だって。安直ね。見てのとおり、自称本格的RPGらしいわ。」

姫「レベルが上がると、身体能力がアップするけど現実世界に戻ったら元通りになるって。現実世界へは各町などにある教会をご利用ください…だって」

姫「この世界の1日は=現実世界の1秒に値するらしいわ。時間の面は安心ね。他のプレイヤーとかはいないみたいだし、自分のペースで出来るわね!…他に、質問は?」

60: 2008/10/14(火) 04:38:41.63 ID:w/PYMzL+0
かがみ「えーと、じゃあ…氏んだりしたらどうなるのよ?」

姫「んーと、全滅じゃない場合は、肉体は棺おけに入って意識は幽霊になれるってさ。全滅なら現実世界に戻って前にセーブしたところから」

こなた「魔法とか使えるの?職業とかは?」

姫「えと、まずは町に向かって転職をするらしいわよ。レベルによって階級が変わるみたい。魔法使いもあるってさ!」

かがみ「その…姫はどうするのよ?」

姫「私はサポート役でもやるわ。そうね…僧侶とか。そうそう、4人までパーティ組めるらしいから明日、みゆきでも誘いましょうよ。説明とかめんどいけど」

こなた「そだねー。じゃ、町に向かってレッツゴー!」

かがみ「大変そうだけど…つかさの為ね。行きましょう!」

姫「どこいくの?町は後ろ10m先にあるわよ?」

かがみ「…なんか簡単にクリアできそうね…」

61: 2008/10/14(火) 04:44:28.20 ID:w/PYMzL+0
2人は町へと着く。

住んでいるのは人だけで、獣人やらドワーフやらはいないようだった。

町の大きさは一般の学校の校庭くらいだった。

かがみ「あのー、すいません」

かがみが町の入り口にいる人に話しかける。

女「ようこそ。ここはつかさの町です」

かがみ「つかさの町って…あの、転職する場所は何処ですか?」

女「ようこそ。ここはつかさの町です」

かがみ「………」

62: 2008/10/14(火) 04:44:45.05 ID:w/PYMzL+0
こなた「いやー、先が大変そうだね!」

姫「まぁ、普通のゲームと同じね。人とかは決められたセリフしか喋らないみたい」

こなた「RPGの主人公って大変だねーっ!あ、もしかして…!」

こなたは近くの民家に入る。

かがみ「あ、待ってよー。…お邪魔しまーす」

こなた「えいっ、えい!」

こなたはそこら中にある、タンスを開けたり、壺を割ったりする。

かがみ「やりたい放題だな…。さすがゲーム」

63: 2008/10/14(火) 04:47:27.85 ID:w/PYMzL+0
こなた「ほら、回復薬みたいなの見つけたよー!」

かがみ「何処にしまうんだよ、それ…」

こなた「姫様ー!何かアイテムしまっておく何か無いー?」

姫「あ、この袋を使うといいわ」

こなた「ありがとっ。これってやっぱり何でも、何個でも入るの?」

姫「そうみたいね。剣とか入れても破れないみたい。さすがファンタジーよねー」

町での探索を終えたこなたとかがみ。

2人は転職場へと向かう。

64: 2008/10/14(火) 04:50:55.12 ID:w/PYMzL+0
転職官「ここは転職場です。転職をご希望ですか?」

こなた・かがみ・姫「はい」

転職官「では職業を選んでください」

そう言って転職官から職業一覧表を受け取る。

かがみ「そこまで多くないのね…。何にしようかしら」

こなた「私は火力重視の戦士だねっ!」

姫「私はさっき言ったとおり、補助重視の僧侶で」

かがみ「私はー…。遠距離攻撃の弓使いで」

転職官「転職が完了しました。魔王討伐を頑張ってください」

2人は転職場を後にした。

65: 2008/10/14(火) 04:53:59.18 ID:w/PYMzL+0
かがみ「転職したけど…何も変わってないわね…?」

こなた「いやいや、HPとかステータスとか変わってるよ?見た目じゃ分からないけどね」

姫「装備出来る武器や防具も変わったみたいね」

こなた「じゃー、武器とか揃えよう!」

かがみ「お金は?あるの?」

姫「つかさ星の通貨は円みたい。…今は10万円あるわ」

かがみ「金持ちね…」

姫「中盤くらいまで、お金稼ぎしなくても全然困らないみたい」

こなた「チート臭ぷんぷんだねーっ」

66: 2008/10/14(火) 04:57:59.00 ID:w/PYMzL+0
男「いらっしゃいませ。ここは武具屋です」

こなた「えーと、グレートソードと雷鳴の弓と思惑の杖下さいなっ」

男「72000円です」

かがみ「ちょ…!高いの買いすぎじゃないか?」

こなた「守りを固めるより、攻撃力を上げたほうがサクサク進むのだよ!はい、お金」

男「ありがとうございました。今度ともごひいきに!」

姫「こなたは分かってるわね。いやー楽しくなりそうねー」

こなた「防具は一番安いのをフルセットで3着下さいなー」

男「3500円です」

こなた「はい。じゃ、装備して早速いこー!」

かがみ「ホント…慣れてるな、こいつ」

こなた「ふふふっ」

二人は外へと出る。

67: 2008/10/14(火) 05:04:18.87 ID:w/PYMzL+0
こなた「まずはどこに行くのかなー?」

かがみ「とりあえず、次の町にでも行ってみる?」

こなた「そだね。出発ー!」

町の外には、最初にいた森が立ちはだかる。

二人は探検気分で中へと入ってゆく。

姫「ここは…つかさの森みたい。…とりあえずつかさを付けるのね。つかさは現れないわよ」

こなた「あっ、敵だよかがみ!」

現れたのはやはりよく分からない形をした生物。

68: 2008/10/14(火) 05:04:38.35 ID:w/PYMzL+0
かがみ「えいっ!」

かがみの放った矢が敵に命中。

怯んだ隙にこなたがすかさず斬り付ける。

こなた「倒したねっ。やっぱ高い武器買ったから序盤は楽だねー」

かがみ「だな。あ、レベル上がったみたい。レベル2よー♪」

こなた「私も上がった!同じレベル2ー」

姫「戦士は早くレベルが上がるみたいよ。そうそう、私は一切攻撃しないで補助だけするから。二人で頑張ってねー」

こなた「ほーい。姫様は何レベ?」

姫「まだ1よ。僧侶はレベル上がるの遅いみたい」

かがみ「そうなんだ。あ、もう出口が見えたわよ」

こなた「ヌルゲーだねー」

70: 2008/10/14(火) 05:07:55.27 ID:w/PYMzL+0
町に着くまでに何回か戦闘があったが、武器のおかげで無傷で切り抜けられた。

こなた「ついたー!ってもう夜だねっ!」

かがみ「早くないか?さっきまで昼だったのに…」

姫「この世界の1日は6時間だってさー」

こなた「短いんだねー」

かがみ「とりあえず宿屋探しましょうよ。すいませーん」

男「ここはヒイラギの町だよ」

かがみ「あぁ、そうだったわね…」

男「ここはヒイラギの町だよ」

二人は町を探索し、宿屋へと向かった。

72: 2008/10/14(火) 05:11:46.32 ID:w/PYMzL+0
こなた「ちぇっ、しけてんなぁ!」

かがみ「人の家荒らしといて何を言うか…。すいません、泊まりたいんですが」

女「二人ですね。40円です」

かがみ「安…。はい」

女「こちらがお部屋です」

姫「私はタダでいいから楽よねー」

こなた「RPGって寝るだけで全快するからいいよね!」

かがみ「まぁ、無傷なんだけどな。……おやすみー!」

こなた「おやすみ!かがみ、姫様っ!」

姫「Zzz。。。」

74: 2008/10/14(火) 05:15:00.00 ID:w/PYMzL+0
ここは…?

暗闇の中にただ一人たたずむ私。

?「うぅ…ふぇーんっ」

遠くから聞こえる誰かの鳴き声。

私はその泣き声に向かって走り出す。

?「ぐしゅっ…。私はマリ。西の洞窟に閉じ込められるの…」

マリは話し出す。

マリ「私は人の夢の中に現れることが出来て…、この部屋に泊まった人にずっと呼びかけているの」

マリ「お願いです。どうか私を助けてください…!」

そういい残し、マリは姿を消す。

そして私は目を覚ます…。

75: 2008/10/14(火) 05:17:42.23 ID:w/PYMzL+0
かがみ「ふぁーっ…」

こなた「むにゃ。おはよー」

かがみ「おはよう」

こなた「フラグ立ったね!」

かがみ「え?…あの夢?こなたも見たの?」

こなた「もちろん!早速行ってストーリー進めようよ」

かがみ「そうね。…姫は?」

姫「私は袋の中で寝てるわー。二人で頑張ってー」

姫は袋の中に入る。

こなた「まぁ、回復とかが必要になったら起きてもらおうよ」

かがみ「そうね」

こなたとかがみは町を出て、西の洞窟へと向かう。

76: 2008/10/14(火) 05:20:03.08 ID:w/PYMzL+0
敵「むきょーっっ」

かがみ「敵が弱いとウザくなってくるわね…」

こなた「レベルアップの為に我慢だよっ。お、5レベになった」

かがみ「早くていいわねー」

こなた「あ、着いた」

かがみ「町同様、安っぽい洞窟ねー…。名前はつかさの洞窟とか?」

こなた「看板があるよ。かがみ大正解」

かがみ「…まぁ、入りましょ」

二人は洞窟へと入っていた。

77: 2008/10/14(火) 05:25:18.57 ID:w/PYMzL+0
洞窟の中は分かりやすいつくりとなっており、二人はすぐに最深部へと到達した。

かがみ「以外…でもないけどあっさり着いたわね。宝の回収も全部出来たし」

こなた「ゲームで学んだ知識は現実でも役に立つって事が分かったねー」

かがみ「それって一部だけだろ…」

こなた「あ、ボスっぽいの発見ーっ!行こ、かがみ」

ボス「何だお前ら、ここに何のようだ?」

こなた「あはっ」

ボス「何ぃ…?小娘を返せだと?それは出来ないな」

こなた「娘より金をくれぃ!」

ボス「そうか。そんなに小娘が返して欲しければ力ずくで倒してみな!おい、子分ども!」

子分「ヘイ!ボス!」

ボスと子分が現れた!

79: 2008/10/14(火) 05:28:29.69 ID:w/PYMzL+0
かがみ「何だ…今の会話は…」

こなた「どーせ何を言っても答えは同じだしねー。そだ、さっき覚えた技使おーっ。真空斬りぃ!」

かがみ「あ、私も…。トリプルショット!」

二人は一気に子分を倒した。

ボス「やるな…。だがオレはそう簡単にはいかないぜ!?」

そう言うとボスは剣でかがみを斬り付ける。

かがみ「きゃっ…!……って痛くないし」

こなた「でもダメージは受けてるねー。なんという親切設計。どりゃぁー!」

かがみ「ってか私氏にそうじゃない!?姫ー起きてよー」

80: 2008/10/14(火) 05:30:50.69 ID:w/PYMzL+0
姫「ふぁ…?回復…?」

姫は袋からのそのそと出てくる。

かがみ「よろしく頼むわね」

姫「ほいほい…っと。結構レベル上がってるねっ!防御力も上げておいたよー」

こなた「ありがとー」

かがみ「どんどん撃つわよー」

圧倒的な差でボスを追い詰め、倒した。

ボス「ブハッ」

81: 2008/10/14(火) 05:33:57.14 ID:w/PYMzL+0
こなた「やっぱ経験値多いねー。後、お金も」

かがみ「そうね。よし、レベル7になったわ」

こなた「やったね。私は10レベル!姫様はー?」

姫「私は5ね。そうそう、20レベルで中級転職が出来るらしいわよ」

かがみ「寝てたのにレベル上がってるって釈然としないな…。まぁ物語を進めましょ」

こなた「めんどいから話飛ばしちゃうよ!」

かがみ「いいのかよ…」

姫「まぁ、簡単に説明すると、マリにお礼を言われて、攻撃力の上がるペンダントを貰いました。ってくらいね」

82: 2008/10/14(火) 05:36:55.60 ID:w/PYMzL+0
かがみ「そろそろセーブして戻らない?みゆきも誘わなきゃいけないしさ」

こなた「そだねー。差がつきすぎてもだから…じゃ、教会へゴー!」

二人はヒイラギの町の教会へと向かった。

シスター「迷える仔羊達よ。何をお望みですか?」

こなた「セーブしまーす」

シスター「分かりました。冒険を続けますか?」

こなた「もう落ちまーす」

シスター「それではまた会いましょう」

姫「じゃ、戻るわよー」

姫がそう言うと、二人は光に包まれて目の前が真っ白になる。

83: 2008/10/14(火) 05:41:48.63 ID:w/PYMzL+0
気付いたときにはかがみの部屋。

こなた「ふぅー、楽しかったね!かがみっ!」

かがみ「そうね。何かもう…どんな不思議なことが起きても平気な気がするわよ…」

姫「まぁ、つかさをこっちに戻すためにクリア頑張ってね」

こなた「うん。じゃーかがみ、姫様、また明日ねー!」

かがみ「うーす、じゃねー。今日はありがとー」

こなた「いやいや。つかさとかがみの為だもん。じゃっ」

こなたは帰路へと着く。

かがみ(やっぱり…話したのがこなたで良かったわ)

姫「そうね。いい友達がいてよかったわね!大切にしなさいよ!」

時刻は6:30。かがみは宿題などを終わらせたりと、いつも通りに生活をする。

86: 2008/10/14(火) 05:45:41.62 ID:w/PYMzL+0
かがみ(ん。もう0時か…。そろそろ寝よっと)

かがみは読んでいたラノベを閉じ、部屋の電気を消す。

かがみ「……姫?」

姫「ん?どしたの?」

かがみ「やっぱ、つかさがいないと…寂しいわね」

姫「そう…だね。つかさの代わりに私が作られたんだけど、あんまり役に立ってないみたいだし…」

かがみ「…そんなこと無いわよ。姫がいなきゃずっと落ち込んでたと思うし…」

姫「まぁ、心の面はね。作ったつかさが扱いを心得てるって事よ」

かがみ「そっか…。ありがとね。…おやすみ」

姫「お礼はつかさにねっ!おやすみなさいー」

かがみは眠りへと着いて、長く感じた一日が終わるのだった。

87: 2008/10/14(火) 05:50:49.84 ID:w/PYMzL+0
次の日。

かがみとこなたは昼休みに、みゆきに説明をするために人気の無い場所へと連れて行った。

姫「―――って事。信じがたいだろうけど、全て事実。嫌だったら協力しなくても誰も何も言わないわ。どうする?」

みゆき「…分かりました。皆さんの為ですし、私もつかささんに早く戻ってきて欲しいです。是非連れてって下さい」

そう行ってみゆきはニッコリ微笑む。

姫「そう言ってくれると思ったわ。ありがとう。…出発は放課後でいいわよね?終わったらすぐに帰れるし」

かがみ「そうね。そうしましょう」

こなた「そろそろん昼休み終わるよ。じゃ、また放課後にー!」

かがみ「うん、またねー」

みゆき「また後でお会いましょうー」

そう言って、一時解散となった。

88: 2008/10/14(火) 05:55:14.55 ID:w/PYMzL+0
姫(ふぅ、上手くいったわね)

かがみ(そうね。やっぱり皆、つかさに戻ってきて欲しいのよね)

姫(頑張るわよー)

教室へと戻るかがみと姫。

―――そして放課後。

三人は人気の無い場所へと集まった。

姫「準備はいい?じゃあ、行くわよ…」

三人の目の前に、光が現れる。

こなた「みゆきさん。これに飛び込んでーっ!とぉ!」

みゆき「分かりました…。えいっ!」

かがみ「早いわよー!待ってーっ」

三人は、つかさ星へと着いた。

90: 2008/10/14(火) 05:59:31.15 ID:w/PYMzL+0
こなた「よし、みゆきさん…転職しに行こー!」

みゆき「そうですね…。何にしましょう」

かがみ「自分がやりたいのでいいと思うわよ」

しばらくしてみゆきは魔法使いへと転職して、転職場から出る。

こなた「賢さが必要そうな職だから、みゆきさんにピッタリだねっ!」

みゆき「いえいえ、そんな…。でも、皆さんのお力になれるよう、全力で頑張りますね!」

かがみ「ありがと、みゆき…。とりあえず店に行きましょう」

三人は武具屋へと向かった。

93: 2008/10/14(火) 06:04:37.47 ID:w/PYMzL+0
男「いらっしゃい。ここは武具屋だよ」

こなた「大魔導師の杖と防具一式下さいなー」

男「36000円です」

こなた「ほい、じゃーみゆきさん…装備して!」

みゆき「分かりました…。魔法ってどうやって使うんでしょう…?」

姫「魔法使いは…レベルや賢さよって使える魔法が増えるらしいけど、上級の魔法は魔導書を手に入れないと習得できないみたいね。あ、私もね」

みゆき「そうなんですか…。ありがとうござます」

姫「使い方はー…、頭に勝手に入ってくるから、それを念じるだけよ」

みゆき「分かりました!頑張りますっ」

こなた「じゃー、次の町に向かおうかー」

姫「次は城で王の護衛をするみたいよー」

こなた「OKー♪」

かがみ「攻略本ありでやってるゲームみたいだな…」

95: 2008/10/14(火) 06:08:44.42 ID:w/PYMzL+0
城へ向かう間、何回か戦闘がありみゆきも次第にこの世界に慣れて来たようだった。

みゆき「ふぅ…。あ、レベルが上がりました。6レベルです」

かがみ「早っ!…もしかして魔法使いって全職中、レベルの上がり易さNo1?」

姫「そうよ。前半は弱いけど、後半から強くなるって書いてあるわ」

みゆき「そうなんですか」

姫「と言っても、みゆきは元の賢さがずば抜けて高いから、前半からも反則的な強さみたいよ」

そう言って、通常の魔法使いのレベル別賢さ一覧表を見せる。

97: 2008/10/14(火) 06:13:45.56 ID:w/PYMzL+0
こなた「ふぅん…。6レベで賢さ28か。みゆきさん、今賢さいくつ?」

みゆき「ええと…、192です」

かがみ「凄ッ!?…最強じゃない…」

こなた「こりゃー、チートだね…。私は何か凄い無いの?姫様ー」

姫「んーっと…。おっ、素早さが普通より高いわよ」

こなた「ほほう…。13レベで46のとこ……私は142!やったね!他にも色々と少しだけ高いやっ」

かがみ「私は?何かあるの?」

姫「かがみはー。おぉ、全能力が通常の2倍くらいになってるよっ」

かがみ「へぇー、私もなかなかね」

こなた「あ、城が見えてきたよー!」

かがみ「本当だ。もう夜も近いし、着いたら宿屋に行きましょ」

3人は城下町で、宿に泊まるのだった。

99: 2008/10/14(火) 06:17:57.88 ID:w/PYMzL+0
次の日、3人は王様に会いに行った。

そして王様は3人の実力を見抜いたのか、護衛をお願いするのだった。

こなた「それにしても城内に魔物が襲いこんでくるなんて、警備が甘いねー」

かがみ「そうねぇ…」

しばらく雑談をしていると、兵士が血だらけっぽくなって王の間に現れる。

兵士「て、敵が出現しました…!王様、お逃げくださ――ぐふっ」

こなた「チーン。さて、来たね。頑張ろー」

かがみ「おうっ!」

みゆき「はいっ」

姫「頑張れー」

3人は戦闘体勢に入る。

101: 2008/10/14(火) 06:21:29.57 ID:w/PYMzL+0
現れたのは、人の言葉が通じ無そうな猛獣っぽい何かだった。

ボス「グルルゥ…ガゥ!」

ボスはいきなりこなたへと飛び掛る。

こなたはボスの攻撃を軽快に避けて、ボスを斬りつける!

それに続き、かがみとみゆきも加勢する。

ボスも負けじと頑張るが、やはり三人の圧倒的な力の差に、数ターンで敗れてしまった。

ボス「きゅーん」

かがみ「楽勝だったわね」

こなた「だねー」

王「ふふふ。ありがとう…!君たちの強さは良く分かった。…やはり君達は魔王様の野望の妨げになるかもしれない…!」

王はそう言うと、魔物へと姿を変えた。

102: 2008/10/14(火) 06:24:57.92 ID:w/PYMzL+0
こなた「こういうパターンかっ!姫様、補助頼むねーっ」

姫「ほーい」

かがみ「この国の王が魔物って……大変ね」

みゆき「そうですね…」

ボスはこれと言った見せ場も無く、こなたパーティに惨敗。

王は実は地下に閉じ込められていたらしく、助けたお礼にお金や強い装備を貰った。

姫「次は、深いダンジョンに宝を取りに行くようね…」

かがみ「長くなりそうだな…。今日はこの辺にして戻る?」

こなた「そーだね。家に帰って他のゲームもやらなきゃー」

みゆき「じゃあ、教会に行きましょうか」

シスター「それではまた会いましょう」

3人は現実世界へと戻った。

103: 2008/10/14(火) 06:27:54.97 ID:w/PYMzL+0
こなた「じゃあ、また明日ー」

かがみ「じゃあね、みゆき。今日はありがとね」

みゆき「はい。また明日ー」

二人はみゆきと別れる。

こなた「やっぱり人数が多いとストーリが良く進むし楽だねーっ」

かがみ「そうね」

こなた「明日もつかさを取り戻す為に、頑張ろーね、かがみ」

かがみ「うん。じゃあ、また明日ね」

こなた「ばいばーい」

かがみはこなたとも別れて、家へと着く。

104: 2008/10/14(火) 06:29:50.74 ID:w/PYMzL+0
かがみ「ふぅ。今日も疲れたわね」

姫「お疲れ様。ストーリーも進んでつかさも喜んでたわよ」

かがみ「そっか。…明日も頑張らなきゃね」

しばらくするうちに、時計も0時を回り、鏡はベッドへと入る。

そして眠りに着くのだった。

105: 2008/10/14(火) 06:33:21.37 ID:w/PYMzL+0
かがみ「よし、じゃあ今日も行きますかー」

みゆき「そうですね。今回も頑張りましょう」

いつもの様に放課後に集まる三人。

こなた「お先~♪わほーぃっ」

姫が扉を開き、すぐさま光への中へと入るこなた。続いてかがみ、みゆきと入って行くのだった。

かがみ「―――よし、着いたわね。まずはどうするの?」

こなた「フラグはどこぉー?」

かがみ「えーと、次の村の村長に宝が眠ってるダンジョンの噂を聞いてから行くらしいわよ」

こなた「OK!じゃー向かおうよ」

村を目指す三人。

途中に出てくる敵を難なく蹴散らし、無事に村へ着くのだった。

108: 2008/10/14(火) 06:36:55.41 ID:w/PYMzL+0
かがみ「村長から長ったらしい話も聞いたし、行きましょうよ」

こなた「そだ。お金も貯まった事だし、装備を買いなおそうよ」

姫「あ、ダンジョンをクリアすると、終盤まで使える強い武器が手に入るらしいわよー」

かがみ「じゃあ、強い防具を買い揃えましょ」

こなた「そだね。今までほぼ最弱防具だったし」

男「いらっしゃい。ここは武具屋だよ」

こなた「このお金で買える一番強い防具を4セットくださいなー」

男「128500円です」

こなた「どーぞ。じゃー装備してっ」

113: 2008/10/14(火) 06:47:59.71 ID:Uya1UCCoO
>>1だが、書き過ぎで規制食らった…
調べたら一時間くらいで解除されるらしいので、書き溜めして規制解除待ってますー。

120: 2008/10/14(火) 07:40:40.96 ID:w/PYMzL+0
かがみ「いきなりゴツい鎧とかになったわね…。重くないかしら?」

姫「平気みたいよ。ほら、着たら鎧が消えちゃった」

みゆき「あ、本当ですね。でも装備してることになってるみたいですね」

こなた「何て言うか、既にあばたー着てたって感じだねー」

かがみ「……?まぁ、ゲームとかで防具着てもグラフィックが変わることなんてあまり無いわよね」

姫「それと一緒ね」

こなた「後は…、長期戦に備えて回復アイテムでも買い込んでおこっか」

みゆき「そうですね。全滅したら大変ですもんね」

三人は道具屋で買い物をちゃちゃっと済ませ、ダンジョンへと向かっていった。

122: 2008/10/14(火) 07:43:52.24 ID:w/PYMzL+0
こなた「おぉ!それっぽくなってきたね!」

かがみ「前の洞窟とは大違いで作りこんでるあるわね…」

みゆき「敵も強くなってますし…」

姫「このフロアには後宝が二つあるわよ」

こなた「盗賊!?」

姫「いや、つかさから貰ったデータに書いてあるわ」

こなた「そかそか。じゃー、宝を全部回収して下の階にゴー!」

三人は全ての宝を取りつつ、何事も無く順調に下のフロアへと進んでいく。

124: 2008/10/14(火) 07:46:07.62 ID:w/PYMzL+0
かがみ「そろそろ体力的にもきついわ…。今何階よ?」

姫「26階だってさ。深くまで来たねー」

みゆき「このダンジョンは、何階まであるんですか?」

こなた「階数によっちゃそろそろ休みたいねー。HPは平気だけど体力がっ!」

姫「27階みたい。なんだ、次で終わりじゃない」

こなた「おぉお…!やっと終わりかぁ」

かがみ「よし、頑張りましょ」

そして三人は最深部へと到達する。

125: 2008/10/14(火) 07:48:32.42 ID:w/PYMzL+0
こなた「ん、最後だけは道が入り組んでないし、雑魚的の気配も無いね」

かがみ「やっぱり、お決まりのボスとかいるの?」

姫「ええ。補助魔法は先に掛けておくわね」

みゆき「あ、あれでしょうか?」

みゆきの指差す先には祭壇があり、そこには何個かの宝箱が置いてあった。

そしてその祭壇の前には、門番のような重戦士っぽいのがいた。

ボス「よく来たな…ここは―――」

こなた「先手必勝ぉぉおーー!!メガフレアソードっ!」

こなたはボスの話も聞かずにボスを斬りつける。

かがみ「いいのかよ…。ライトニングアロー!」

みゆき「泉さんらしいですね…。The chill which freezes《凍てつく冷気》!」

続いて二人もボスに攻撃を仕掛ける!

127: 2008/10/14(火) 07:50:59.68 ID:w/PYMzL+0
姫「前から気になってたんだけど…技名は叫ばなくていいのよ?恥ずかしくない…?」

かがみ「楽しいからいいじゃないのっ!」

こなた「叫んどかないとしっくり来ないし、戦闘が地味だからねー」

姫「まぁいいけどさ。後で氏ぬほど恥ずかしくなると思うしさー」

ぶつぶつと言いながら、姫は回復魔法を掛ける。

そして勝負は中々の激闘の末、こなた達の勝利に終わった。

こなた「よしっ!お疲れさまー!お宝頂いてさっさと帰ろー」

かがみ「そうねー。帰りも遠足…ってとこね」

姫「あ、私脱出の魔法覚えてるわよ。すぐ帰れるわよ」

こなた「おぉ、便利だねっ。じゃーお願い!」

姫「ほいほぃっと」

三人はダンジョンを脱出し、村へと戻っていった。

128: 2008/10/14(火) 07:53:16.01 ID:w/PYMzL+0
かがみ「じゃ、今日はこの辺にしましょう。もう疲れちゃった」

みゆき「私もヘトヘトです~」

こなた「じゃー戻ろー!」

三人はセーブを終え、現実世界へと戻る。

こなた「ふぅ。お疲れ様ーっ」

かがみ「お疲れ」

みゆき「お疲れ様です」

教室を出ようとする3人。

……しかし。

みさお「な…?柊達が一瞬……いや、何秒かいなくなってたぞ、あやのぉ!」

あやの「えぇ。私も見たわ、みさちゃん」

129: 2008/10/14(火) 07:55:18.70 ID:w/PYMzL+0
こなた(あちゃーっ、見つかっちゃったねーっ)

かがみ(この二人…私達の後をつけて来たのね…)

みゆき(その様ですね…。どうします?姫さん)

姫の力で、姫が近くにいるときだけ、テレパシーっぽい事が出来るようになった三人。

姫(そうねぇ。パーティは4人までで、もういっぱいだし…。見られなかったことにしましょう!)

かがみ(そんなことまで出来るんだ…)

みさお「柊ぃ!何で3人で楽しそうなことやってるんだよっ!…私達も混ぜて―――」

姫がみさおの額に触る。

その瞬間、みさおは今起きたことを全て忘れて、意識を失った。

あやの「みさちゃん?あなた達…一体何を……うっ―――」

同じくあやのも倒れる。

姫「悪いわね、二人とも。さぁ、帰りましょう」

こなた「いいのかねぇ…。ま、行こー」

3人はその場を去る。

130: 2008/10/14(火) 07:58:06.01 ID:w/PYMzL+0
教室の前で倒れているみさおとあやの。

みさお「うぅ…」

みさおが起き上がる。

みさお「……あの人形…、柊の妹が作ったのか…。―――なるほど、それでちびっ子達に助けを求めてるのか。…ずるいぜー、三人でよー」

みさおは教室に入り、三人が戻ってきた所を調べる。

みさお「RPGかぁ。私もやりてーぜっ…!……ちょっとプログラムいじっちゃえっ」

そう言うとみさおはつかさが作ったプログラムを開く。

みさお「うげ…。めっちゃ暗号化されてて私にはさっぱりだぜ…。さすが柊の妹ってとこだな…」

131: 2008/10/14(火) 08:00:05.12 ID:w/PYMzL+0
あやの「うーん…みさちゃん?」

みさお「お。あやの、起きたかー」

あやの「…?何でこんな所に?」

みさお「さぁねっ!帰ろーぜぇ」

みさおはプログラム改造を諦め、あやのと一緒に帰るのだった。

132: 2008/10/14(火) 08:02:13.09 ID:w/PYMzL+0
家へ着くかがみ。

姫「あ、そうだ」

かがみ「ん?何よ」

姫「あの二人の記憶を消したときに分かったけど、みさおも科学者だよ」

かがみ「げっ…。そうなの?…だったら色々とやばくない?」

姫「平気よ。みさおは科学者でも、かなり地位の低いところに所属してるわ。つかさの作った物は何一ついじることが出来ないわ」

かがみ「そうなんだ…。つかさの地位ってどれくらいなの?」

133: 2008/10/14(火) 08:04:46.51 ID:w/PYMzL+0
姫「んーっ。学校に例えると、副校長か教頭くらいってところかしら?…みさおは2年生のガキ大将ってところよ」

かがみ「日下部が分っかりにくいな…」

姫「まぁ、なにかとガキ大将が教頭に突っかかってくるけど、何の意味も成さないってところよ」

かがみ「なる…ほど。じゃあ、気にしなくていいってことね?」

姫「多分ね」

かがみ「…多分かよ。まぁ、もう寝るわ。おやすみ」

―――そして次の日。

三人は誰にもつけられてないかよく確認をし、つかさ星へと旅立った。

135: 2008/10/14(火) 08:07:28.59 ID:w/PYMzL+0
姫「今日は…、船で隣の大陸に渡るみたいね」

こなた「ボス情報は!?姫様っ!」

姫「無いわねー。でも塔に上るみたいよ」

こなた「了解ーっ!じゃあ早速…」

かがみ「あ、こなたこなた」

こなた「むー?」

かがみ「レベルも十分上がったしさ、中級転職しましょうよ」

こなた「おぉ!そだねっ!忘れてたよー」

早速三人は転職場へ向かう。

137: 2008/10/14(火) 08:10:25.60 ID:w/PYMzL+0
こなた「ナイトに転職完了っ!皆を守るよーっ」

かがみ「私はアーチャーね。…何か名前があまり変わってないけど」

みゆき「メイジなれました。後で魔導書を買ってもらってもいいですか?」

姫「私はプリーストね…。まぁやることは変わらないけど。上級転職は60レベルだってさー」

こなた「遠いね…。じゃあ、買い物して旅に出よー!」

3人は買い物を済ませ、別大陸へと向かった。

138: 2008/10/14(火) 08:12:58.71 ID:w/PYMzL+0
かがみ「船旅ってのもいいもんねー」

みゆき「潮風が気持ちいいですね」

こなた「気を緩めたら酔いそうだけどね…」

姫「ま、後で船も手に入るらしいんだけどね」

かがみ「へーっ!あ、大陸が見えてきたわね。あの大陸は何て言うの?」

姫「かがみ大陸」

こなた「いいネーミングセンスだねーっ!敵が凶暴そーっ」

かがみ「何だと…!?ちょっと来い!」

こなた「私の素早さに追いつけるかな!?」

かがみが矢を放つが、こなたは華麗に矢を避ける。

142: 2008/10/14(火) 08:15:21.43 ID:w/PYMzL+0
かがみ「はぁ…っ!当たらないわ。あんた、武道家並の回避能力じゃない…?」

こなた「ふふふっ」

姫「回復面倒だから内乱はやめてよねー!」

一行はかがみ大陸へと到着する。

こなた「かがみ大陸にとーちゃーくっ!」

かがみ「やめぃ!いちいち大陸名を言うな!」

姫「ほら、かがみの塔に向かうわよ♪」

143: 2008/10/14(火) 08:19:07.82 ID:w/PYMzL+0
3人は塔を難なく攻略し、その後も現実世界とつかさ星を何度も行き来し、順調にストーリーを進めていった。

強さが最初からチート並みだったので、物語の進行に詰まることは無かった。

かがみ「ふぅ。今日もお疲れ様。上級転職も無事にしたし、そろそろ終盤かしら」

こなた「だねー。姫様、明日の予定は?」

姫「んと、もう魔王城に突入みたい。まぁ魔王まではまだ結構あるみたいだけど」

みゆき「ではまた明日。頑張りましょう」

そう言って今日も解散となった。

145: 2008/10/14(火) 08:22:02.92 ID:w/PYMzL+0
つかさが居なくなって、もう何日経つのだろう。

もう随分とつかさの声を聞いてない気がする。

かがみ「ねぇ…、姫」

姫「ん?」

かがみ「どうしてつかさは科学者になったの?」

姫「前にも言ったわよ、知らないって」

かがみ「嘘よ。…ねぇ、本当のことを教えて?」

姫「…詳しいことは本当によく知らないの。でも…つかさは望んで科学者になったわけじゃないわ」

146: 2008/10/14(火) 08:24:06.16 ID:w/PYMzL+0
かがみ「それって…、誰かに強制されたってこと?」

姫「んー、…選ばれたって言うのかな、きっと。それに望んでなったわけじゃないけど、嫌ってわけでも無いみたい」

かがみ「選ばれたって……」

姫「まぁ、決して表に出るような存在じゃないみたいだし…」

かがみ「私のような普通の人は深入りしないほうがいいって事ね」

姫「そゆこと。分かってきたようね…って私もよく知らないけどね」

かがみ「そっか。じゃあ、おやすみ」

姫「うん、おやすみー」

―――次の日。

一行は遂に魔王城へと向かった。

147: 2008/10/14(火) 08:26:22.44 ID:w/PYMzL+0
こなた「―――これが魔王城…。何か遂に来たって感じだね!」

かがみ「そうね…。ここまで長かったわね…」

みゆき「そうですねー…」

三人はいざ魔王城へと乗り込む。

城内は禍々しいオーラに包まれていたが、特に体に害が出ることも無かったので、こなた達は雑魚敵を蹴散らし、どんどん奥へと進んで行く。

こなた「よし、宝の回収終わったし、次の階へ行こうーっ」

姫「あ、次は中ボスの4連戦だってさ」

かがみ「気を引き締めないとね…。よし、行きましょう!」

みゆき「ですね。姫さん、補助魔法お願いしますね」

姫「うん。先陣は任せたわよー、こなたっ!」

こなた「OK!じゃあ張り切っていこー!」

148: 2008/10/14(火) 08:33:28.55 ID:Uya1UCCoO
>>1だが、また規制された
9時半頃に学校に行くので、またそのくらいに少しだけ続きを書きます。

156: 2008/10/14(火) 09:28:23.29 ID:w/PYMzL+0
中ボス1「よく来たな。魔王様の…」

こなた「どりゃー!龍滅暫!」

こなたは例の如く話を無視し、中ボスを斬り付ける。

かがみ「たまには喋らせてやれよ…。ムーンライトアロー!」

みゆき「なんだか最初はいつも同じパターンですねー。『聖なる炎で塵となれ。シャイニングフレア』!」

姫「初っ端から飛ばしてるわねー…。まぁいいけど」

こなた達は中ボスに、隙を見せず撃破した。

157: 2008/10/14(火) 09:29:24.10 ID:w/PYMzL+0
中ボス2「

こなた「今だぁ!ギガスラァァアァッシュ!!」

と、こんな感じでこなた達は「ガンガンいこうぜ」といわんばかりの猛攻で、一気に中ボス達を倒したのだった。

かがみ「ふぅ…。やっと終わったー!」

みゆき「皆さん、お疲れ様です」

こなた「みゆきさんもねっ!あ、レベルアップだよー」

かがみ「あ、私もよ。…最初に比べると随分強くなったわよねー」

みゆき「そうですねー。つかささんの為に最後まで頑張りましょうね!」

姫「次にフロアに魔王がいるみたいだけど……このまま行っちゃう?」

158: 2008/10/14(火) 09:29:56.23 ID:w/PYMzL+0
かがみ「どうする?こなた」

こなた「やっぱ、魔王だし…、万全の状態で挑もうよ!」

みゆき「そうですね。最後ですもんね」

姫「そっか。じゃあ一旦外に出るわね」

魔王城を一旦後にし、3人は町へと戻りセーブを終え、現実世界へと戻る。

193: 2008/10/14(火) 16:30:43.18 ID:w/PYMzL+0

かがみ「ふぅ」

こなた「じゃ、また明日ねっ!」

みゆき「はい、また明日ー」

―――こなたとかがみも別れ、かがみは家へと着く。

姫「―――つかさが魔王倒すの頑張ってねー、だって」

かがみ「うん。もうすぐこの世界につかさが戻ってくるのね……」

姫「そうねー」

196: 2008/10/14(火) 16:32:29.27 ID:w/PYMzL+0
かがみ「…つかさが帰ってきたら姫はどうなるの?」

姫「私?どうだろう…。つかさが決めると思うけど、多分お別れだと思うわ」

かがみ「そうなんだ…。寂しく…、なるわね」

姫「その代わりにつかさが戻ってくるじゃない。私はいいのよ。つかさが帰ってくる間のサポート役だしね」

かがみ「そっか…。でも姫が居なくなっても、私やこなた、みゆきは姫のこと、忘れないわ」

姫「ありがとう。私が消えても誰かがずっと私のことを忘れなければ、私はずっとその人の記憶の中に生き続けるわ」

かがみ「…うん。じゃあ、おやすみ。また明日ね、姫」

姫「おやすみ。かがみ…」

197: 2008/10/14(火) 16:35:20.16 ID:w/PYMzL+0
次の日は、休日だったのでこなたとみゆきはかがみの家に集まった。

かがみ「いらっしゃい。こなた、みゆき」

こなた「やほー、かがみ」

みゆき「おはようございます、かがみさん。お邪魔しますねー」

姫「―――来たわね。準備はいい?」

こなた「いいよ!てりゃーっ!」

かがみ「ほっ!」

みゆき「えぃっ!」

三人は光の中に飛び込む。

198: 2008/10/14(火) 16:37:34.32 ID:w/PYMzL+0
こなた「やって来たね、つかさ星っ!」

みゆき「今日でここともお別れですね…」

かがみ「まぁ、まずは魔王を倒しに行きましょう」

姫「じゃあ魔王の間まで転送するわよー」

―――というわけで魔王の間。

魔王「よくここまで来たな。選ばれし冒険者達よ…」

かがみ「え…、私達そんなに凄い人物だったんだ…」

こなた「ロクに人の話し聞かなかったからねーっ」

魔王「―――掛かって来い!選ばれし冒険者達よ!」

魔王が現れた!

199: 2008/10/14(火) 16:39:26.42 ID:w/PYMzL+0
姫「テキトーに補助魔法全部掛けておくねーっ!」

こなた「ありがとっ!おりゃー!…奥義!グランドブレェェクッ!」

かがみ「秘弓、ソウル・インパクト!」

みゆき「A spirit of a dead person of the light to me power! White BIC van!!《光の聖霊よ、我に力を!ホワイト・ビックバン!》」

―――最後の戦いが遂に始まる。

魔王は今までに無い強さで、こなた達を圧倒する。

200: 2008/10/14(火) 16:41:27.30 ID:w/PYMzL+0
こなた「くっ…、姫様!回復をお願い!」

姫「ほいほーいっ。凄い強いわね、流石魔王って感じ」

かがみ「きゃあぁ!」

かがみは魔王のハートビームに直撃し、勢い良く吹き飛ばされる。

みゆき「平気ですか!かがみさん!」

かがみ「大丈夫よ!どりゃあーー!」

魔王との戦いは実に小一時間にも及んだ。

姫「―――魔王の体力がもう無いわ!とどめの一発を打ち込んでっ!」

こなた「私はもうヘトヘトだよぅ…っ」

みゆき「私も…魔力が切れてしまいました…っ」

こなたとみゆきはかがみを見る。

かがみ「えぇ。私が…とどめを刺すわ…!」

201: 2008/10/14(火) 16:43:09.03 ID:w/PYMzL+0
かがみは立ち上がり、弓を構える。

かがみ「最後の一撃いぃ!!最終奥義、ファイナルアロー!!!」

こなた「おぉ…!最後にして単純…!」

かがみ「技名の文句はつかさに言えぇぇ!!喰らえぇぇえええーーー!!」

魔王「グォオオォ……!見事であったぞ…!選ばれし冒険者達…よ…―――!!」

魔王を倒した!

202: 2008/10/14(火) 16:44:15.33 ID:w/PYMzL+0
かがみ「や…っったー!」

こなた「わーいっ!やったね!かがみ、みゆきさん、姫様っ!」

みゆき「やりましたねっ!」

姫「皆、お疲れーっ!」

魔王を倒した喜びを分かち合って、空から光が降り注いで来た。

こなた「エンディングかな?」

かがみ「あ、宝箱が降りてきたわよ」

みゆき「かがみさん、開けてみて下さい」

かがみ「私?」

こなた「そーだよ、かがみ。さぁ!」

かがみ「分かったわ…。えぃっ!」

204: 2008/10/14(火) 16:46:24.10 ID:w/PYMzL+0
―――宝箱には一つ小さい鍵。

かがみ「大きさのわりには…。いや、なんでもないわ。これをどうするの?」

姫「私の背中に、鍵穴があるわ。そこに差し込んで頂戴」

そう言うと姫は上着を脱ぎ始める。

こなた「……!リアル…っ」

姫「うるさいわね。さ、終わりにしましょう」

かがみ「う、うん。」

かがみは姫の背中に、鍵を差し込む―――。

207: 2008/10/14(火) 16:49:21.58 ID:w/PYMzL+0
姫「んぁっ…。―――これでつかさが元の世界に戻るわ」

かがみ「案外あっさりね…」

姫「…じゃ、現実世界に戻るわよ。この世界とももうお別れね」

姫は扉を開く。

3人は現実世界へと戻っていった…―――。

212: 2008/10/14(火) 17:02:21.65 ID:Uya1UCCoO
また規制…orz
書き溜めあるので携帯で


―――気がつくと、かがみの部屋。

こなた「戻ってきたね」
かがみ「そうね」

みゆき「これから…どうなるんでしょうね…?」
姫「…あ、私の役目はここまでみたい…」

姫がそう言うと、姫の体が急に光り始める。

213: 2008/10/14(火) 17:04:16.65 ID:Uya1UCCoO
姫「…あ、私の役目はここまでみたい…」

姫がそう言うと、姫の体が急に光り始める。


かがみ「ひ、姫…!もう、消えちゃうの…?」

姫「うん…。こなた、みゆき、―――そして私。今までありがとね。短い間だったけど…かなり楽しかったわ」

こなた「姫様ぁ…!」

みゆき「姫さんっ…!」

姫「じゃあね、皆。私の存在が消える代わりにつかさが戻って来るわ―――」

姫はそう言うと、段々と透けてきて……そして、消えた。

そして―――。

214: 2008/10/14(火) 17:06:01.21 ID:Uya1UCCoO
つかさ「―――お姉ちゃん…!こなちゃん…!ゆきちゃん…!」

姫が消えると同時に、同じ場所につかさが現れた。

遂に戻ってきたのだ。

こなたとみゆきはつかさに抱きつきたいのをグッと堪えて、かがみを見る。

こなた「ほら…かがみ……」

みゆき「かがみさんっ」

かがみ「う……うぅ…つかさぁぁあ……っ!!」

つかさ「ただいま…、お姉ちゃん…!」

感動の再会に、二人は抱き合った。

215: 2008/10/14(火) 17:07:51.54 ID:Uya1UCCoO
かがみ「つかぁ……。おかえり!」

つかさ「ただいま…。お姉ちゃん…!」

―――こうしてつかさを別世界から取り戻す三人のたびは終わり、物語はハッピーエンドを迎えた。

三人はつかさとの再会を喜び、涙した。

この冒険のことは、三人の一生の想い出になるだろう…。

―――その日の夜。

216: 2008/10/14(火) 17:09:43.08 ID:Uya1UCCoO
つかさ「お姉ちゃんっ!…皆の前でも言ったけど改めて……。私の為にありがとうね…」

かがみ「いいのよ。…たった一人の妹のためだもん」

つかさ「えへへ…、ありがとう」

かがみ「うん…。明日は学校だし、もう寝るんだぞー!」

つかさ「分かった。……お休み、お姉ちゃん!」

218: 2008/10/14(火) 17:13:48.01 ID:Uya1UCCoO
そう言ってつかさは自室へと戻った。

かがみも自室に戻り、就寝するのだった。

……。

………。

つかさ「お姉ちゃん?」

かがみ「………」

つかさ「もう寝たんだね」

つかさ「…ごめんね、お姉ちゃん。…科学者は普通の人に正体がばれてはいけないの…」

つかさ「冒険の記憶とか…無くなっちゃうと悲しいと思うけど…、忘れたら分からないよね」

つかさは目を閉じ、両手を広げる。

219: 2008/10/14(火) 17:15:36.63 ID:Uya1UCCoO
そして、つかさが別世界へ行くあの日―――。

そう…、7月7日に時を戻そうとしているのだ。

220: 2008/10/14(火) 17:17:01.23 ID:Uya1UCCoO
つかさ「お姉ちゃん…、ごめんね。…そして―――ありがとう…!大好きだよ、お姉ちゃん……」

時が……戻り始める。

かがみ「私もよ、つかさ…」

つかさ「え…」

その瞬間、全ては7月7日へと戻った―――。

221: 2008/10/14(火) 17:19:44.55 ID:Uya1UCCoO
つかさ「お姉ちゃん出来たよー!」

かがみ「…何が出来たのよ?」

つかさ「いや、だからお姉ちゃん出来たよ?」

かがみ「うげっ…何よそれ!」

つかさ「えへへ、お姉ちゃーん!」

つかさの手には手乗りサイズのかがみの人形。

しかし、その出来はお世辞にも上手いとは言えず、かがみと言っていいのかすら分からない物だった。

222: 2008/10/14(火) 17:21:59.15 ID:Uya1UCCoO
かがみ「それ…自分で作ったの?」

つかさ「うんっ! 今日ね、お姉ちゃんの誕生日でしょ? だから頑張って作ったの!」

かがみ「頑張りは認めるが…、酷いわね、こりゃ…」

つかさ「これでも一番上手く出来たやつなんだからーっ」

かがみ「まぁありがとね。はいこれプレゼント」

つかさ「ん?私に!?」

かがみ「うん…ってまさか、自分も誕生日だって事忘れてないだろうな…」

つかさ「……わ、忘れてないよぅ!」

232: 2008/10/14(火) 17:54:52.63 ID:w/PYMzL+0
携帯も規制食らってました…
続き、って言ってももう終わりだけど…


かがみ「こいつは…。まぁ、これは部屋に飾っておくわねー」

つかさ「うんっ!じゃあお姉ちゃん、また明日ねっ!」

かがみ「ん、宿題頑張るんだぞー」

つかさ「はわわ……忘れてたぁー!」

233: 2008/10/14(火) 17:56:05.16 ID:w/PYMzL+0
―――つかさが時を戻す瞬間、かがみは起きていたのか、それとも寝言を言っていたのかは、かがみはおろか、つかさも覚えてはいないのだった。

何故ならば、つかさが時を戻してここに戻ってきたときには、つかさはもう既に科学者ではなくなっていたからだ。

科学者の間では時を戻すことはタブーとされていたらしいが、それが本当かは今はもう分からない。

235: 2008/10/14(火) 17:57:12.53 ID:w/PYMzL+0
…それもそのはず。

時を戻したとしても、それまで記憶を忘れてしまうからだ。

まぁ、そんなことは置いといて……。

236: 2008/10/14(火) 17:57:40.24 ID:w/PYMzL+0
今度こそ物語は終わった。

と、言っても…物語は始まりすらしなかったけど…。

因みに、数年後にかがみが科学者に選ばれて、色々とあり…、魂だけを過去の別世界に送り、失敗をやらかしたつかさを助けるのはまた別の話―――。


おわり。

237: 2008/10/14(火) 17:58:33.42 ID:g0e2mo/p0
おもしろかった、乙
というわけで別の話の製作に取り掛かるんだ

241: 2008/10/14(火) 18:00:27.96 ID:kVcfKNsiO
おもしろかった!乙!!

249: 2008/10/14(火) 18:14:06.91 ID:w/PYMzL+0
規制されたりとか、色々ありましたが…
ここまで読んでくれた方、レスしてくれた方、ありがとうございました。
ラストが微妙だったのはご容赦下さい(´・ω・`)

255: 2008/10/14(火) 18:53:04.57 ID:w/PYMzL+0
>>253
科学者が一定の地位以上になると、時を戻す方法を学ぶことが許される。
時間を戻す代償は「普通の人に戻る」。
使えば、戻りたい時間に戻れることが出来るけど、戻った世界は使った人が科学者に選ばれなかった世界で、科学者に選ばれなかったということは時を戻したことを覚えていないわけで…。
つかさが戻ったところは、つかさが科学者に選ばれなかった世界で、かがみの誕生日に普通の手作りの人形を普通に渡そうと思った世界だった。
…という事にしておいて下さい。
さらに分かりにくくしてすいません;

258: 2008/10/14(火) 19:24:39.94 ID:w/PYMzL+0
>>256
みさおは今でも科学者で、地位が低いながらも細々と頑張っている。
という事で…。

引用元: つかさ「お姉ちゃん出来たよー!」