1: 1 2012/02/23(木) 10:34:38 
その日も、わたしはいつものように過ごしていた

空を飛び、灰色の体を見つけると高度を落とす

二匹いるうちの一匹は慌てて逃げ出すが、残りの一匹は状況が理解できないらしく、呆けている

その一匹があれば充分だ、わたしはその灰色の体を爪で押さえつけ、かぶりつく

2: 1 2012/02/23(木) 10:42:02 ID:x5td5Q76
食事をとり終えると、今まではいなかった者たちが目についた

それは4人の人間だった

そのうちの一人がわずかに動いた。すると、高速で何かがわたしの顔に飛んできて突き刺さる

それから一歩遅れてわたしは吠える。人間達の三人は体をすくませる

しかし残りの一人はどういうわけかなんという事もなしに走りだし、その背丈ほどもあるなにかを背中から抜きさり、背負うようにしてわたしの首に叩きつける

4: 1 2012/02/23(木) 10:48:40 ID:284ZoX/g
痛みに耐えて視線を移すと、他の三人も動き始めていた

先ほどと同じように、しかし今度は複数の何かがわたしの顔に突き刺さる

もう一人はわたしの足元に潜り込む。目で存在を確認できなくなってしまった

直後、足を鋭いもので幾度も切りつけられる感覚に襲われた。先ほど潜り込んだ人間の仕業だろう

最後の一人は手にしたものでわたしの顔を突いてきた

突き刺さる感覚が三度訪れた直後、炎で顔を焼かれる痛みがはしった

5: 1 2012/02/23(木) 10:52:11 ID:FjrQ.P.s
蓄積した痛みにわたしが怯むと、三人はさらにたたみかけてきた

わたしは振り切るためもあり、最初にわたしの首を切りつけた人間に向かって走りだす

足元にいた者は直前で器用にもかわしたらしい

他の二人も、すでに巻き込まれない位置についていた

6: 1 2012/02/23(木) 10:57:27 ID:8ZT5idyw
目標にした一人をあと一歩で踏み潰すという時に、地面が割れる

わたしの下半身がはまるほどの大穴だ。しかも何かがからまって飛び立つ事もできない

直後、背中が一瞬で何度もきられる。わたしの足に加えられたのと同じもののようだ

腹には連続して何かが飛来し、突き刺さる

普段より低くなった視点の先には最初にわたしの首を切りつけた人間だが、奇妙な体勢のまま微動だにしない

7: 1 2012/02/23(木) 11:00:17 ID:r/KyGnt.
何をしているのかと思った直後、凄まじい衝撃がわたしの頭を襲う

そして次の瞬間、右側から膨大な量の炎がわたしに向かって襲いかかってきた

その間も背中はきられ、腹には何かが突き刺さる

8: 1 2012/02/23(木) 11:04:51 ID:R/y2MMQk
ようやく絡み付く何かから逃れて飛び上がる

すると四人はわたしから距離をとる。こちらの身が自由になったゆえだろう

四人のうち一人がなにかを投げつけてくる。わたしに当たるかと思ったそれは、直前で破裂し、その瞬間目を開けられなくなる

平行感覚をなくし、混乱したわたしは幾年ぶりに「地上に落下する」という事を体験した

9: 1 2012/02/23(木) 11:12:07 ID:H9XRoKFE
目は見えずとも痛覚は生きている

落下してもがくわたしの顔が幾度も切りつけられる

右の翼には一定の間隔で何かがあたる

左からは何かが突き刺さる感覚が三度、突かれた箇所が焼かれる痛みがする

そしてわたしの頭に先ほどと同じ凄まじい衝撃がくわえられる

10: 1 2012/02/23(木) 11:15:26 ID:FfczSfGM
わたしは起き上がると体ごと回転し、尻尾をふる

しかし何に当たった感触もない。人間達はもう離れたらしい

しかしその間は、例の飛来した何かが突き刺さる痛み以外は襲ってこなかった

11: 1 2012/02/23(木) 11:19:17 ID:FfczSfGM
視力が回復したわたしは一人に噛みつきにかかる

しかしもう満足に走れず、足を引きずって近づく事しかできない

人間はなんという事もなしにこれをかわし、ついでとばかりにわたしの頭を切りつける

このままではあまりに不利だと思ったわたしは巣に帰るべく飛び上がる

人間のうち一人はしつこく何かをわたしに向かって飛来させていたが、振り切る

12: 1 2012/02/23(木) 11:22:18 ID:FfczSfGM
巣に帰ると、驚くべきことに人間達が待ち構えていた

どうやってわたしの行く先を、もしくは巣の場所を知ったのか

一人はどうしてかわたしの着地する場所にいる

このまま踏み潰してやろうと思い、わたしは位置をずらす事なく着地する

13: 1 2012/02/23(木) 11:27:06 ID:FjrQ.P.s
その瞬間、全身が痺れて動けなくなる

ピクリピクリと痙攣する事しかできないわたしに、膨大な量の炎が打ち出される

体に何かが突き刺さる

顔が幾度も切りつけられる

そしてそのわたしの顔を切りつけた人間が横に転がると、その奥には最初にわたしの首を切りつけた人間がいた

また、あの奇妙な体勢だ

間もなく、わたしの頭にその背負ったものを叩きつけるために振り切る

それがわたしの最後に見た光景だった


おわり

14: 1 2012/02/23(木) 11:28:43 ID:FjrQ.P.s
短いけどおわり

読んでくれた人ありがとう

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/23(木) 12:30:06 ID:1UXBosG2
乙!

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/23(木) 13:02:19 ID:fvED3pvE
俺には意図が難しかった

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/23(木) 13:13:01 ID:.OtVRjbo
装備作るまで殺してごめんよレウス

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/14(水) 23:47:29 ID:VM2fARaA
つまりはガンランス最強

引用元: リオレウス「生きる場を移して、しばらくした時の事だ」