1: 2014/11/04(火) 21:37:28.66 ID:jtwhZDOL0
凛「なんでアンタが驚いてんのよ」

俺「いや、いきなりそんなのに呼ばれても困るって言うか」

凛「何情けないこと言ってんのよ、アンタそれでも英霊!?」

俺「英霊?いや、全然英霊とかじゃないし、ニートだし」

凛「・・・は?それマジで言ってんの?」

俺「え、あ、うん。むしろ俺からすると、そっちこそマジで言ってんのって感じなんすけど」

凛「・・・し、しまった!カレンダーこれ去年のじゃない!日付間違えたぁぁぁ!!」

俺「なんかよくわからないけど帰って良いですか?」

凛「ダメよ!」

俺「なんでさ」

凛「どうあれアンタは聖杯を通して私に召喚されたんだから、英霊の資格があるってこと」

凛「だから私と一緒に聖杯戦争を戦って、聖杯を手に入れるのよ!」

俺「ムリだろ・・・常識的に考えて」

8: 2014/11/04(火) 21:40:14.37 ID:jtwhZDOL0
凛「本当は名のある英霊なんじゃないの?」

俺「いや、なんも」

凛「有名すぎるから隠しておく的な、ほら!」

俺「いやマジでそういうの全然ないっすから」

凛「・・・じゃあアンタ何ができんのよ」

俺「だからなんもできねえって」

凛「何もってことはないでしょ、何もってことは」

俺「だって戦争でしょ?戦争に役立つようなことはなんもできねえっすよ」

凛「・・・ほんとに?」

俺「はい」

凛「はいじゃないが!」バキッ

俺「いてぇ!」

14: 2014/11/04(火) 21:43:58.19 ID:jtwhZDOL0
凛「ちょっと・・・なんで人間に普通に殴られて普通にぶっ飛ばされてんのよ!」

凛「アンタそれでも聖杯に選ばれた英霊な訳!?」

俺「だから英霊じゃないですし」ムクッ

凛「・・・自分のクラスも分からないの?」

俺「クラス・・・何年何組的な?」

凛「・・・もう良い・・・」

凛「あぁぁぁぁぁもうなんでこうなるのよ!!」

凛「でももう召喚しちゃったし、一応綺礼のとこに顔ださないとよね・・・」

凛「・・・あぁ、気が重いわ・・・」

俺「なんか知らないけどあんま頑張らないで良いんじゃない?」

凛「誰のせいだと思ってんのよ・・・」

17: 2014/11/04(火) 21:47:10.28 ID:jtwhZDOL0
言峰「来たか、凛」

凛「ええ」

言峰「浮かない顔をしているな。さては召喚が上手くいかなかったのか」

凛「ぐぬぬ」

言峰「まあいい。聖杯を通し、英霊を召喚したからには、どんなマスターであれ、どんな英霊であれ」

言峰「お前は聖杯戦争に参加せねばならないのだ」

凛「分かってるわよそんなこと」

凛「・・・アイツを聖杯の炉にくべても、果たしてなんの足しになるのやら・・・」

言峰「ふっ、健闘を祈る」

凛「はいはい、どーも」スタスタ

18: 2014/11/04(火) 21:49:46.43 ID:jtwhZDOL0
俺「あ、おかえり」

凛「・・・あんた、ずっとこの部屋にいた訳?」

俺「え、うん。別についてこいとも言われてないし」

凛「あのねえ、マスターと共に行動するのはサーヴァントの基本でしょうが」

俺「あ、そうなんだ?分かった、次から気を付けるよ」

凛「はぁ・・・今日は疲れた・・・お風呂入って寝るわ」

俺「了解」

凛「・・・」

俺「・・・」

凛「なんでついてくんの?」

俺「共に行動しないと」

凛「憤ッ!」バキッ

20: 2014/11/04(火) 21:52:55.94 ID:jtwhZDOL0
凛「はー・・・ホント、どうしようかしら」

凛「名前も分からない、クラスもわからない、何ができるかもわからない」

凛「というか」

凛「英霊として名もない、何もできないって感じか」

凛「・・・適当なサーヴァントと戦わせてアイツが氏んだら教会に逃げ込む」

凛「これしかないか」

俺「ひどすぎワロタ」

凛「今氏ねっ!!」ドゴッ

凛「・・・むしろ私がもう氏にたいわよ・・・」

23: 2014/11/04(火) 21:58:16.06 ID:jtwhZDOL0
凛「あれから数日経った訳だけど」

俺「あ、マスター、冷蔵庫の食料なくなってますよ」

俺「それとこれ、ア○ゾンの請求書っす」

俺「あとここにあったチョコ、どこいったか知らないっすか?」

凛「早く聖杯戦争始まらないかなー・・・ふふふ」

俺「マスター野蛮っすねー」

凛「誰のせいだと思ってんのよ!!あーもう頭にくるわね!」

俺「まぁまぁ、これでも飲んで落ち着いて」

凛「・・・」

俺「・・・あれ?マスター?おーい」

凛「そうか、別に他のサーヴァントやマスターに殺させる必要はない訳か」

俺「あ・・・れ・・・?ま、マスター?」

凛「よし、殺そう」

俺「OK話し合おう。まだ返品なら間に合う」

凛「そういう問題じゃないっつーの!」

25: 2014/11/04(火) 22:02:07.32 ID:jtwhZDOL0
凛「はースッキリした」

俺「僕はなんだか新しい世界に目覚めそうです」

凛「ちょっと止めてよね。まぁ、別にアンタがホ〇になっても私には害はないけど」

凛「むしろその方が好都合かも・・・?」

俺「なんてマスターだ・・・」

凛「ところで、ちょっとスッキリしたとこで思いついたんだけど」

凛「令呪が残ってる状態でサーヴァントが氏んだ場合って確か」

俺「さあ?そもそも令呪ってなんですっけ」

凛「まあ、アンタには聞いてないけど」

俺「さいですか」

凛「・・・サーヴァントのいないマスターと、マスターのいないサーヴァントで契約できたはず」

俺「つまり?」

凛「・・・ワンチャンあるかも!」

27: 2014/11/04(火) 22:05:09.13 ID:jtwhZDOL0
俺「あ、あのーマスター」

凛「は、何よ?」

俺「その前提としてまず俺が氏ななきゃならないんですよね?」

凛「そうね」

俺「いやー・・・その前提条件なんとか覆りません?」

凛「ムリでしょ、だってアンタが氏なないと新しいサーヴァント・・・」

凛「あ、あれ?」

凛「そういや私、アンタと契約完了させてない?」

俺「そっすね。そもそも契約とかよく分かってないですし」

凛「・・・アンタってどうやって現世に留まっていられるの?召喚されてから数日経つのに」

俺「さあ?それが普通なんじゃないんですか?」

30: 2014/11/04(火) 22:08:48.62 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・いや、普通、といってもサーヴァントの特性によるけどありえないわ」

凛「単独行動を得意とする英霊や、何かそれらしい逸話の残る英霊ならともかく」

凛「通常サーヴァントはマスターからの魔力供給がないと霊体を維持できないの」

俺「つまり?」

凛「・・・やっぱり、アンタに魔力のパスが繋がってない」

俺「というと?」

凛「・・・もしかして私、今のままでもマスターを一人倒したら、そのサーヴァント横取りできるかもしんない」

俺「えげつないっすねー」

凛「誰のせいだと、いや、誰のおかげ・・・なんかもう良く分からなくなってきたわね」

凛「でも、もしそうなら・・・この聖杯戦争・・・ふ、ふふ・・・ふふふふふ・・・」

32: 2014/11/04(火) 22:12:32.14 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・ん?」

俺(どうかしましたか、マスター)

凛「誰かに見られてる気がする」

俺(そうっすか、俺は全然わかりませんけど)

凛「魔力も探せないとかアンタ本当になんで聖杯に呼ばれたのよ」

俺(こっちが知りたいっす)

凛「・・・今日は放課後ちょっと残りましょう、調べたいこともできたし」

俺(了解っす。自分その辺うろうろしてるんで)

凛「はいはい。あんまり遠く行かないでね」

凛(あとはコイツの有効活用法を考えないとな)

35: 2014/11/04(火) 22:16:55.52 ID:jtwhZDOL0
凛「さて放課後よ」

凛「・・・ちょっと?」

凛『こらニート!どこほっつき歩いてんのよ!』

俺『お、やっと授業終わりっすか?』

凛『アンタ・・・え、今どこよそこ・・・校舎の外まで出てるの?』

俺『いや、もうすぐ水泳部が着替えに来ると思うんでもうちょっと待ってもらえません?』

凛『やっぱ今すぐ氏にたい?』

俺『サー、イエッサー!』

凛「・・・今夜もお仕置きね・・・さてと、調べもの調べもの」

38: 2014/11/04(火) 22:19:21.22 ID:jtwhZDOL0
俺「マスター」

凛「ん?」

俺「何してんすか?」

凛「んー、なんか学校に結界が張られてるみたいなのよね」

俺「ほうほう」

凛「んで、どうやらこの結界ってのが、人の生気を吸い取る類の悪趣味な代物みたいだから」

凛「ぶっ潰しておこっかなーって」

俺「なるほど」

凛「こういうの私、嫌いだから」

俺「確かに」

凛「アンタ全然分かってないでしょ」

俺「そうですね」

凛「・・・はぁ・・・」

41: 2014/11/04(火) 22:23:47.67 ID:jtwhZDOL0
凛「随分時間がかかっちゃったな」

俺「もう暗いですしね、帰りましょう」

凛「そうね、そろそろか」

俺「ええ、今夜は何食べようかなー」

凛「出てきたら? こそこそ盗み見なんて性じゃないでしょ?」

ランサー「ほっほう。随分と生きの良いお嬢さんだねえ」

凛「げ、マスターじゃなくてサーヴァントの方だったか・・・見事な隠行だこと」

ランサー「当てが外れたかい?ま、どっちにしたって良いさ」

ランサー「聖杯戦争に参加してる魔術師だってことは分かった訳だしな」

凛「・・・まさかもう仕掛けてくるなんてね」

ランサー「まさか、もう?ハッ、笑わせる。とっくに聖杯戦争は始まってんんだぜ、お嬢ちゃん」

凛「チッ」

凛(まずいわね、相手のマスターの気配が探れない)

44: 2014/11/04(火) 22:27:07.28 ID:jtwhZDOL0
俺「マスター、とりあえず逃げません?」

凛「逃げられると思う?私とアンタが」

俺「お、一応俺も一緒に逃げて良いんですか?」

凛「・・・アンタ一人であのサーヴァントの足止めできるの?」

俺「分からないっすね」

凛「へえ意外じゃない、できないとは言わないんだ?」

俺「相手の能力も何も分からない今の時点ではなんとも言えないっすよ」

凛「それもそうね・・・ただ、相手の霊圧からして、かなり強力よ」

俺「ま、俺より強いのは確かでしょうけど」

凛「いやに落ち着いてるのね、アンタ」

俺「意外ですか?」

凛「まあちょっとは。自信あるの?」

俺「あんまり」

凛「あのねえ・・・」

ランサー「・・・そろそろ良いかい、ご両人」

47: 2014/11/04(火) 22:31:42.30 ID:jtwhZDOL0
ランサー「ま、確かにお嬢ちゃんの言うとおり、まずはマスター同士が名乗りをあげて」

ランサー「それから自分たちのサーヴァントをぶつけあうってのが作法なんだろうけどな」

ランサー「悪く思うなよ、これも戦の倣いだ」スゥ

凛「槍・・・ランサー!」

俺「あ、すんませんムリっすわ」

凛「早いわよ!まだ相手の獲物が分かっただけじゃない!」

俺「いやー、だってなんかむんむん出てますよ?あんなのムリっすわ」

凛「良いからちょっと時間稼いで!なんとか相手のマスターを探すから!」

俺「えーいやマジですか?3秒持ちませんよ」

凛「良いから頑張れ、ほらいけ!」ドンッ

俺「えー・・・はぁ・・・」

ランサー「・・・お前なあ」

52: 2014/11/04(火) 22:36:14.87 ID:jtwhZDOL0
俺「はい?」

ランサー「なんだその腑抜けた面は、曲がった腰は!それでも英霊の端くれか!」

俺「いや、英霊かどうかすら怪しいんですけど」

ランサー「何ぃ?」

俺「自分のクラスも能力も名前も分からないもんで」

ランサー「なんだそりゃ」

俺「だからマスターはさっさと俺を見頃しにして教会に逃げるって言ってましたわ」

ランサー「ハッ、確かにお前みたいな外れクジ引かされたんじゃあそう考えるわな」

俺「いやー参っちゃいますよねえ」

ランサー「だがお前のマスターは俺のマスターを探して姿を消した、これはどういうことだ?」

俺「・・・他のサーヴァントを奪うには既存のマスターが邪魔、ってことらしいです」

ランサー「・・・なるほど、戦う意思はある訳か」

俺「あら、火がついちゃいました?」

54: 2014/11/04(火) 22:40:09.05 ID:jtwhZDOL0
ランサー「あの嬢ちゃんがこっちのマスターを見つけるのが早いか」

ランサー「それともお前が俺に殺されるのが早いか」

俺「そりゃもちろん俺が殺される方が早いでしょうね」

ランサー「だろうな、本当にお前に何もないならな」

俺「あったらとっくに出してますよ」

ランサー「・・・その割には落ち着きすぎてんだよな、てめぇ」

俺「気のせいじゃないっすかね」

ランサー「ハァッ!!」ドスッ

俺「いってぇ!!」

ランサー「おいおい、本当に何もなしかよ、てめぇ」

俺「だ、だからそう言ってるじゃないっすか」

ランサー「チッ、羽虫をいたぶる趣味はねえ、氏にな」ドスッ

俺「うっ、あ・・・」ドサッ

ランサー「・・・チッ、余計な時間くっちまったな」

56: 2014/11/04(火) 22:44:33.49 ID:jtwhZDOL0
凛(・・・定番の屋上かと思って走ってきたけどいない)

凛(少なくとも戦闘が観察できる場所にいるはず)

凛(そうなると教室・・・?うーん、1つ1つは探してられないわよ)

凛(どうする遠坂凛。アイツだってそう時間は稼げないわよ)

ランサー「残念、時間切れだ」

凛「はやっ」

ランサー「いや、これでも長引いたほうだ」

凛「嘘でしょ」

ランサー「いや、無駄な口上に乗せられてお喋りが過ぎただけだ」

凛「・・・はぁ、ほんっと、ついてないわ」

ランサー「ま、不運な身の上を恨みな」

凛「くっ、ただでは氏なないわよ!」

ランサー「良い眼だ、お嬢ちゃん!」

俺「頑張れ、マスター!」

62: 2014/11/04(火) 22:47:15.09 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・は?」

ランサー「・・・おいおい」

俺「なんだなんだ」

凛「なんだなんだじゃないわよ、アンタなんで生きてんの?」

俺「なんででしょうね」

ランサー「ほう・・・やはり聖杯に選ばれた英霊、やっぱ何か持ってるようだな」

俺「え、そう思います?いやーなんだろなー」

ランサー「くっ、くっくっ」

ランサー「良いだろう、今度こそ貴様の心臓貰い受ける!!」ザッ

凛「なっ!?」

俺「うわ」

凛「す、すごい魔力・・・まさか宝具!?」

俺「ほ、ほうぐってなんですか?」

凛「アホかお前は!!」

69: 2014/11/04(火) 22:51:33.08 ID:jtwhZDOL0
ランサー「これを受けてもまだ立ち上がれるか楽しみだぜ」

俺「いやームリじゃないっすかねえ」

凛「あーもう緊張感ないわねえ!」

ランサー「くらえ――――――」

士郎「次は屋上か・・・やれや・・・れ・・・?」

凛「ちょっ」

ランサー「何」

凛「衛宮君逃げ――――」

俺「どりゃー!」ガバッ

ランサー「て、てめ」ドサッ

凛「ニートナイス!衛宮君逃げるわよ!」ダダッ

士郎「うわ、ちょ、おい遠坂――――」ダダッ

73: 2014/11/04(火) 22:54:46.91 ID:jtwhZDOL0
ランサー「・・・てめぇ、本当に氏にたいらしいな」

俺「いや氏にたがりって訳じゃないんですけどねえ」

ランサー「ちっ」

俺「あ、消えた」

俺「・・・逃げたのか、それとも追いかけたのか・・・どっちかな」

凛『ちょっとそこのニート!早くこっち合流しなさい!ランサーが――――』

俺「あ、やっぱ追いかけたのか・・・そうだよなー」

俺「まぁ、合流しても何ができるって訳でもないんだけど、肉盾くらいにはなるか」

凛『全部聞こえてるわよ、このウスノロ!』

俺「おーこわ。今いきますよー」

77: 2014/11/04(火) 22:58:58.68 ID:jtwhZDOL0
士郎「おい、遠坂、おい!」

凛「なによ、言っとくけど今は答えてる暇はないわよ!」

士郎「なんなんだよ、アイツ!」

凛「だから答えてる暇はないってば――!?」

ランサー「追いかけっこは終いだ、嬢ちゃん、坊主」

凛「くっ、あ、アイツは!?」

ランサー「ん?あー、こっちが優先だ」

凛「チッ、そりゃまあそうか」

凛(今度こそ絶体絶命ってやつね)

士郎「お、おい、アンタ、なんだか良く分からないけど遠坂のストーカーか?」

凛「はぁ!?」

ランサー「ああ?」

士郎「そんな棒振り回して女の子追いかけるなんて良くないぞ。男ならもっと正々堂々」

ランサー「・・・なあ嬢ちゃん、お前さんの周りはこんな野郎ばっかりか?」

凛「知らないわよそんなもん・・・!」orz

79: 2014/11/04(火) 23:01:45.75 ID:jtwhZDOL0
ランサー「ったくマジで気が抜けるぜ・・・でもこれも仕事だからな」

凛「ッ!」

ランサー「坊主、運が悪かったな」

凛「くっ、衛宮君逃げて!」

ランサー「遅い!」

俺「最後のガラスをぶち破って華麗に登場!」バリーン

ランサー「くっ、目にゴミが!」ゴシュッ

俺「マスター、逃げるっすよ!」

凛「ナイス!衛宮君もほら!」

士郎「あ、ああ!」

ランサー「くっ・・・てめえら覚えてろ・・・!」

82: 2014/11/04(火) 23:05:55.18 ID:jtwhZDOL0
凛「ハァ、ハァ」

士郎「ハァ、ハァ」

凛「撒けた、かしら」

士郎「みたいだな」

凛「ふぅ、まだ予断を許す状況じゃないけれど、とりあえず衛宮君の家まで送るわ」

士郎「なっ、何言ってるんだよ。むしろ遠坂の家に送っていく状況だろ」

凛「はぁ、なんでよ?」

士郎「だってさっきの青タイツ男、遠坂を追ってるんだろ?」

凛「ん、まぁ」

士郎「じゃあ危ないのは遠坂じゃないか。俺を家まで送った後、一人になったところに鉢合わせたらどうするんだ?」

凛「いや、むしろ衛宮君を一人にする方が危ないんだけど・・・」

士郎「なんでさ」

凛「うーん・・・参ったわね、どう説明したら良いものか」

俺「呼びましたか」

士郎「うわっ」

86: 2014/11/04(火) 23:10:23.06 ID:jtwhZDOL0
凛「あらアンタ生きてたの」

俺「ひどいわ」

凛「そう?当然だと思うけど」

俺「まあ無能ですしね」

凛「ええそうね」

俺「容赦ないわこのマスター」

士郎「えーと・・・」

凛「はっ」

士郎「さっき助けてくれた人だよな、ありがとうございました」

俺「いえいえ、そんなお礼を言われるほどのことは何も」

士郎「それで遠坂、こちらの方は・・・?」

凛「聞かないでくれると良かったんだけどなー」

俺「いやー実はさっきの青タイツ、俺のストーカーなんすよ」

凛「!?」

89: 2014/11/04(火) 23:15:36.86 ID:jtwhZDOL0
士郎「そ、それって」

俺「ええ、そうっす。いわゆるモーホーっすよ」

士郎「で、でもなんか武器持ってたような」

俺「そうなんすよ。ヤンデレってやつ?お前を頃して俺も氏ぬ的な」

士郎「そ、そこまで・・・」

俺「だからまぁ、こっちのマス・・・遠坂、さん?は大丈夫っす」

士郎「まぁ、それなら良いんだけど、でもえっと・・・」

俺「あぁ、俺?まぁニートって呼んでくれれば良いですよ」

士郎「ニートさんが危ないんじゃ?」

俺「大丈夫大丈夫。アイツとはいつもあんな感じっすから。今日はちょっと過激だっただけで」

士郎「ちょっと過激なくらいであれじゃあ・・・」

俺「まぁ、そういう訳で、衛宮さんを送ったら、遠坂さんも送っていきますんで、大丈夫っすよ」

士郎「そうですか、まぁ、ニートさんがいれば安心ですね」

俺「でしょう」

凛「・・・ったく、どの口で言ってるんだか」

91: 2014/11/04(火) 23:18:25.46 ID:jtwhZDOL0
俺「・・・ちょっと変わってますが良い人でしたね」

凛「・・・ありがと」

俺「はい?」

凛「なんでもない」

俺「いやいやなんでもなくないですよ。え、今なんて?今なんて?」

凛「うぜぇ!!」ゴスッ

俺「ひでぇ」

凛「でもあれで衛宮君のこと諦めてくれると思う?」

俺「つかそもそもなんで青タイツは衛宮君を追いかけたんすか?やっぱホ〇?」

凛「目覚めたい?」

俺「勘弁してください」

凛「魔術は秘匿されるべきものだからよ」

93: 2014/11/04(火) 23:22:31.23 ID:jtwhZDOL0
凛「どんな魔術師でも、一般社会には積極的に関わらない」

凛「それが互いのためだからね」

俺「そういうものですか」

凛「ええ。だからおそらく、あの戦況を見ていたランサーのマスターは」

俺「一般人の衛宮君を先に始末しようとした」

凛「すぐ終わって私たちとの戦いに戻れると思ったんでしょうね」

俺「でも結局は・・・」

凛「そういうこと。だから恐らく――――もう一度狙われる」

俺「えーじゃあ助け損じゃないですかーやだー」

凛「そんなことはさせないわ」

俺「おお」

凛「ランサーに衛宮君を殺させはしない」

俺「愛か」

凛「アンタには氏ね」

俺「すんませんっした」

96: 2014/11/04(火) 23:27:07.62 ID:jtwhZDOL0
俺「でも正直キツイっすよ?守れるんですか?」

凛「学校ってフィールドじゃあ相手のマスターも隠れる場所がたくさんあったでしょ」

凛「教室1つずつ虱潰しに探す時間なんてなかったし」

凛「でも衛宮君の家の中を隠れて見られるポジションはそう多くないはず」

俺「相手のマスターが居合わせない可能性は?」

凛「良い質問ね。それもゼロではないわね」

凛「でも恐らく相手のマスターは私たちを警戒している」

凛「相手のマスターとしては、最優先事項は衛宮君の口封じだけど」

俺「その場にいるようなら俺たちも、ですか」

凛「その通り」

俺「・・・どうするんです?」

凛「どうって?」

俺「いや、作戦的な」

凛「さっきと同じよ。アンタが時間稼いでる間に私が向こうのマスターを殺る」

俺「きびしー」

98: 2014/11/04(火) 23:29:51.93 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・ところで、アンタ、ランサーに殺されたのよね?」

俺「ああ、そうだと思いますけど」

凛「なんで生きてんの?」

俺「さあ・・・」

凛「うーん、回復?不氏性?蘇生?その辺にアンタの秘密があるかもね」

俺「そうっすねー」

凛「他人事じゃないっつーの」

俺「ちなみにあとどのぐらい待つんですか?」

凛「そりゃ来るまでよ」

俺「来なかったら?」

凛「来るわ」

俺「絶対?」

凛「来るわね、私なら今夜中に絶対片をつけるわ」

100: 2014/11/04(火) 23:33:34.51 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・なんかいい匂いしてきた」

俺「衛宮家からですね」

凛「衛宮君が作ってるのかしら?」

俺「一人暮らしなんですか?一軒家ですけど」

凛「詳しくは知らないけど、確かそうだったはずよ」

俺「それで自炊までしてるのか・・・すごいな」

凛「なかなか料理上手そうね、衛宮君・・・」

俺「・・・ご相伴に預かりたいなら、さっき助けたお礼にご飯よこしなさい!とか言ってみては?」

凛「嫌よ、そんな物乞いみたいな真似・・・」

俺「いつまで空腹に勝てるのか見物ですね」

凛「アンタには後でたらふく食べさせてあげるわね、いろんなところから」

俺「ひぃぃぃぃ」

103: 2014/11/04(火) 23:37:22.03 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・23時・・・」

俺「自分もう帰りたいっす」

凛「おっかしーな・・・絶対今夜中に来ると思ったんだけど」

俺「何か向こうでトラブルでもあったんじゃないですか?」

凛「たとえば?」

俺「・・・例えば、他のマスターと交戦中、とか」

凛「・・・!」

俺「学校での戦いを見てて、俺たちがいなくなったあと・・・とか」

凛「あり得なくはない、わね」

俺「マスターが潰しにかかってた結界もランサーのマスターのものとは限りませんし」

凛「確かに。うーん、そうなるとちょっと読めなくなってきたなー」

俺「じゃあ帰りますか」

凛「だーめ」

俺「くっ」

107: 2014/11/04(火) 23:42:33.65 ID:jtwhZDOL0
凛「・・・2時・・・か・・・」

俺「マスター、帰ろう」

凛「そうね・・・そろそろ・・・今日はもう来ないかも」

俺「うん、もう向こうのマスターも寝てますよ」

凛「そうは思わないけど、うーん、読みが外れたか」

俺「よし帰ろうさあ帰ろうすぐ帰ろう」

凛「シッ、静かに」

俺「!?」

コンコン

?「夜分遅くに失礼する」

凛『まさか正々堂々、門からとは・・・』

俺『来ちゃったかーあーあー』

バゼット「お命頂戴つかまつる!」バッ

凛「忍者か!」

バゼット「むっ、曲者!」

110: 2014/11/04(火) 23:47:02.52 ID:jtwhZDOL0
ランサー「よぉ、また会ったな」

凛「ランサー!やっぱりアンタ・・・」

バゼット「私に気配を気づかせないとは・・・やりますね」

ランサー「ああ。まだ若いのに中々どうして」

凛(こ、この魔術師・・・ただ者じゃない!?)

ランサー「んん?おい、あのサーヴァントもどきはいないのか?」

凛「いるわよ、そこに」

俺「ちょ、マスター」

ランサー「かっ、また会えて嬉しいぜ」

バゼット「ランサー、このサーヴァントが件の?」

ランサー「ああ、サーヴァントと言っちゃ他の英霊に悪い気がするがな」

バゼット「ふむ・・・しかし、気配を全く感じませんでした」

ランサー「確かにな・・・逃げ足と口は立ちそうだ」

俺「いやーまいったなー・・・」

115: 2014/11/04(火) 23:51:01.14 ID:jtwhZDOL0
凛「それにしても真正面からとは随分大胆ね」

バゼット「ああ、学校でのことを言っているのですか?」

凛「ええ、あの時はどこに潜んでいるのかと思っていたけど」

バゼット「簡単なことです。私はあの時学校には行きませんでしたから」

凛「えっ」

バゼット「あれはランサーに偵察に行かせていただけです。学校に魔術の痕跡を感じたので」

バゼット「結果として他のマスターを釣り上げることに成功したものの」

バゼット「まさか宝具を使う一歩手前までいったのは想定外でした」

ランサー「ちっ」

凛「屋上までスプリントした私って一体・・・」

俺「無駄な努力乙」

凛「・・・」

俺「沈黙って怖い」

118: 2014/11/04(火) 23:56:03.42 ID:jtwhZDOL0
凛(さて、どうしましょ)

凛(作戦通りランサーをニートに任せて、私はあの魔術師を・・・)

凛(いや、普通の魔術師ならともかく、あの魔術師、嫌な予感がする)

凛(じゃあ、私がランサーと戦ってる間に、ニートをあの魔術師に・・・)

凛(絶対ムリじゃん)

凛(・・・え、これ詰んでない?)

俺「・・・スタ・・・マスター・・・マスター?」

凛「はっ」

俺「へいへーい、敵が目の前にいるのに何してんだYO」

凛「ぐっ・・・そ、そのテンションむかつく!」

俺「さて、マスター、指示を」

凛「・・・くっ、ええい、出たとこ勝負!アンタはランサーを!私はマスターとやる!」

俺「了解」

ランサー「はっ、嬉しいねえ。自らの汚名を雪ぐ機会をくれるとは!」

120: 2014/11/04(火) 23:59:48.05 ID:jtwhZDOL0
ランサー「いくぜおらぁっ!」ドスッ

俺「ぐふっ・・・」ガクッ

凛「はやっ!」

バゼット「えっ」

ランサー「・・・」

バゼット「も、もう終わったのですか、ランサー?」

俺「そこだけ抜粋するとなんか工口く感じる」ムクッ

凛「!?」

ランサー「言ったろ、生き返りやがった、ってな」

バゼット「あ・・・本当に?」

ランサー「ふむ・・・次はもう少し用心深く観察してやるか」スッ

俺「えーあんまり痛いのは勘弁なんですが・・・」

ランサー「ぬかせ!」ザクッ

俺「頭っ!?」ドピュー

凛「!?」

123: 2014/11/05(水) 00:02:53.86 ID:26Kakd/f0
ランサー「さあ、どうだよ、サーヴァントもどき」

俺「・・・」

ランサー「・・・ん、今度は氏んだか?」

俺「・・・」

ランサー「ほれ」ザクッ

俺「いたたたたた」

凛「氏んだふりか!」

バゼット「な・・・」

ランサー「ちっ、気味悪ぃな」

ランサー「なら、首を刎ねてみるか」ヒュッ

俺「へ」フワッ

凛「っ・・・!」

俺「・・・」コロン

126: 2014/11/05(水) 00:06:48.72 ID:26Kakd/f0
ランサー「さすがに頭と胴が離れたら氏んだか?」

凛「に、ニート・・・」

ランサー「ふん、次はお嬢ちゃんだぜ」

凛「うっ、く・・・」

凛(なんで私こんなに動揺してるのよ)

凛(今は聖杯戦争で、戦闘中で)

凛(それなのに、なんでこんなにアイツが目の前でやられたぐらいでこんなにこんなに)

凛(全然使えないし空気読めないしクズだし働かないし)

凛(それなのになんでどうしてこんなに目が熱くなるのよ、私!)

凛「~~~~っ!しっかりしろ、遠坂凛!」バチン

俺「そうそうしっかりしろ、マスター」ペチン

凛「!?」

ランサー「!?」

バゼット「!?」

129: 2014/11/05(水) 00:11:02.63 ID:26Kakd/f0
凛「ちょ、あんたなんで・・・」

俺「俺は氏なない、何度でも蘇るさ!」

ランサー「っほう・・・おもしれえじゃねえか」

バゼット「ランサー、ここは引きましょう、この相手は何かある」

ランサー「慎重にいきすぎだぜ、マスター。だからこそここで摘んどくべきだ」

バゼット「まさか宝具を」

ランサー「止めるなよ、マスター!」ブワッ

凛「やばっ」

俺「やばっ」

凛「あ、アンタ氏んでも生き返るんでしょ!?大丈夫よね?」

俺「次があるかどうかは知らないよ」

凛「あーもう、ホントにコイツってー!」

士郎「おいアンタら人の家の庭先で何を――――!」

凛「タイミングわるぅぅぅううううう!!」

134: 2014/11/05(水) 00:16:23.21 ID:26Kakd/f0
バゼット「ランサー!」

ランサー「ちっ、仕方ねえ、こっちが先か!」

凛「しまった!」

             ゲ イ       ボ ル グ
ランサー「――――刺し穿つ――――氏棘の槍!!」

凛「衛宮君!」

士郎「ッ!! がっは・・・ぁ」

ランサー「まず一人――――」

バゼット「ランサー、様子がおかしい!」

ランサー「なんだと!?」

凛「こ、この光は・・・」

バゼット「まさか、聖杯の力・・・」

ランサー「召喚だと!?」

セイバー「ハァッ!!」ドガァッ

ランサー「ぐぉぉっ!?」ズザッ

138: 2014/11/05(水) 00:22:30.37 ID:26Kakd/f0
セイバー「ハッ、せやぁっ!!」ギィン

ランサー「くっ、ぬぅっ!!」ギィン

セイバー「ちぇあぁぁぁっ!」ヴンッ

ランサー「ちぃっ!」バッ

セイバー「なかなかの手練れのようですね、ランサー」

ランサー「そういう貴様はセイバーか?武器を隠して振るうとは猪口才な」

セイバー「さぁ、どうかな。剣とは限らんぞ!」

ランサー「ぬかせ!!」ダッ

凛「ちょっ、これどうするのよ、収拾がつかないじゃない」

バゼット「まさかこのタイミングで最後のサーヴァントが召喚されるとは・・・」

凛「どうやらこの土蔵が聖杯と霊脈で繋がってたみたいね」

バゼット「ランサーの宝具による魔力的刺激と、そこの彼の出血で召喚が成立してしまったと・・・?」

凛「結果だけを見ればね」

142: 2014/11/05(水) 00:28:13.64 ID:26Kakd/f0
バゼット「出直すつもりだったが気が変わりました」

バゼット「貴方たちは危険だ。ここで終わらせよう」

凛「ちっ、そうなるのね」

俺「衛宮君のことは俺に任せてください」

凛「なんかおかしいけど、まぁ戦力的に考えたら妥当か」

俺「ですね」

凛「ったく・・・」

バゼット「そう言えば名乗りもまだでしたね」

凛「ん?ああそう言えば」

バゼット「魔術協会封印指定執行者バゼット・フラガ・マクレミッツ」

凛(・・・あ、やっぱり詰んでる)

凛「・・・冬木管理人、遠坂家当主、遠坂凛!参る!」

俺「肩書きでなんとか対抗して精神的不利を少しでも覆そうとするマスター可愛い」

凛「空気読め!」

144: 2014/11/05(水) 00:33:00.40 ID:26Kakd/f0
ランサー「ふんっ、そいっそいっ!」

セイバー「はっ、とぉっ、なんの!」

俺「あっちはなんかもうすんごい殺陣繰り広げてるし・・・」

バゼット「シッ!」ボッ

凛「わっ、ひゃっ!はやっ!!ちょっ、ムリ!」

俺「バゼットさんだっけ・・・なんかあの人もサーヴァントなんじゃないかと疑いたくなるな」

俺「頑張れマスター」

俺「さて衛宮君は大丈夫かなっと」

士郎「う、ぐ・・・」

俺「あれ、息がある・・・さっき心臓貫かれてたような気がするけど、ギリで避けたのかな?」

俺「それとも――――」

イリヤ「ちょっとお兄ちゃんまだ氏んだらダメよ」

バーサーカー「■■■■■■■■■ーーーー!!」

俺「ひぃっ、でかっ!?」

145: 2014/11/05(水) 00:37:18.42 ID:26Kakd/f0
ランサー「な、なんだぁ!?」

セイバー「・・・!」

バゼット「まさか、バーサーカー!」

イリヤ「あ、なーんだ、お兄ちゃんまだ息があるのね、良かった」

凛「アンタは・・・」

イリヤ「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよ、凛」

凛「アインツベルン・・・!」

イリヤ「以後お見知りおかなくて良いわ」

イリヤ「ほっとくと私以外の誰かにシロウを殺されちゃいそうだから」

イリヤ「予定とは違うけれど、今、頃すね、シロウ」

凛「なっ」

俺「マジかよ」

イリヤ「それじゃ、やっちゃえ、バーサーカー」

セイバー「くっ!」

189: 2014/11/05(水) 10:35:13.91 ID:26Kakd/f0
キャスター「むむむ・・・」

宗一郎「どうした、キャスター」

キャスター「そ、宗一郎様!あ、いえ、あの、なんでもありませんわ」

宗一郎「そうか、なら良い」

キャスター「は、はい」

宗一郎「キャスター、お前の望むようにすれば良い」

キャスター「宗一郎様・・・」キラキラ

凛「ぐはっ」

バゼット「!?」

凛「こ、これは・・・ラブコメ臭!ラブコメ臭がする!」

バゼット「・・・は?」

凛「この方角・・・そうか、柳洞寺・・・!」

190: 2014/11/05(水) 10:40:01.58 ID:26Kakd/f0
凛「ちょっと、そこのニート!」

俺「呼んだ?」

凛「衛宮君を抱えて逃げるわよ」

俺「え」

凛「良いから早く!」

俺「いや、俺が疑問だったのは逃げるってとこじゃなく、衛宮君を抱えるってとこなんですが」

凛「そっちかい!」

俺「まぁ、逃げ切れるとは思いませんけど、仕方ないっすね、どっこいしょ」

凛「こっちよ!」

俺「ほいさ」

バゼット「ま、待ちなさい!」

セイバー「いかせん!」

ランサー「手前の相手は俺だろうがっ!」

セイバー「ふん、まとめてかかってきなさい」

ランサー「言ったな、セイバー!!」

191: 2014/11/05(水) 10:43:26.09 ID:26Kakd/f0
俺「重い・・・」

凛「だらしないこと言うな!」

俺「いや、意識のない人間を運ぶのって大変なんすけど」

凛「氏ぬよりマシでしょうが」

俺「だって俺氏なないみたいですし」

凛「あーもうコイツ本当に・・・!」

イリヤ「待ちなさい、リン!」

バーサーカー「■■■■■■■■■ーーーーー!!」

凛「わっ、やばっ!」

セイバー「はぁぁぁぁぁ!!」

バーサーカー「■■■■■■!!!」

ランサー「ちぃっ!あのセイバー、並みじゃねえぞ!」

バゼット「相当に名のある英霊ですね・・・」

イリヤ「待ちなさいってばー!!」

192: 2014/11/05(水) 10:47:04.72 ID:26Kakd/f0
凛「思った通り、セイバーが殿を引き受けてくれたわね」

俺「あれは押し付けたって言うんじゃないですか」

凛「良いのよ何でも!とにかく、今は柳洞寺までたどり着けさえすれば!」

俺「そのりゅーどーじってのには何があるんですか?」

凛「あそこはこの冬木で一番の霊脈なのよ」

俺「つまり?」

凛「それに巧妙に隠してるけれどあそこに魔力の残滓を感じる」

俺「そこから導き出される結論は?」

凛「柳洞寺にはサーヴァントがいる!」

俺「よって?」

凛「アンタを最大限に有効活用できる作戦は、これしかない!」

俺「最後に煙に巻かれたわ」

193: 2014/11/05(水) 10:50:58.10 ID:26Kakd/f0
凛「たのもーー!!!」ドゴーン

キャスター「キャッ、ちょっとアンタたち何よ!」

凛「いたわね!そしてその姿はキャスターとお見受けするわ!」

キャスター「な、何よ、ここを探り当てたのは褒めておきますけど、ここは敵地よ?」

キャスター「何の策もなしに突っ込んでくるなんて」

凛「この圧倒的物量を前にそんな冷静ぶっていられると思ったら大間違いよ」

ドドドドド

キャスター「は? ってまさか・・・」

バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!!」

セイバー「せえええいっ!」

ランサー「おらあっ!」

イリヤ「氏になさい、リン!」

バゼット「つぁぁぁぁっ!!」

キャスター「まさかさっきの子たち全員!?」

195: 2014/11/05(水) 10:55:19.48 ID:26Kakd/f0
宗一郎「キャスター、手を貸そう」

キャスター「宗一郎様!? し、しかし」

宗一郎「案ずるな。私はお前を守るだけだ」

キャスター「宗一郎様・・・」ポー

凛「ぐっ、なんと強烈なラブコメ臭・・・やっぱりさっきのはアンタだったか」

キャスター「なんですって?」

凛「アンタが一瞬でも気を抜いたおかげで街からココへ繋がる魔力の流れを読み取れたのよ!」

キャスター「私としたことが、油断したわね・・・!」

凛「さあ、マスター5人とサーヴァント5体!ド派手にいくわよ!」

俺「いやもうこれ収拾つかんくないですか?」

慎二「くっくっく、バカだねえ、ホント」コソコソ

ライダー「・・・」

197: 2014/11/05(水) 10:58:42.46 ID:26Kakd/f0
慎二「こういうのは漁夫の利ってやつだよ。最後まで残ってれば良いのにさあ」コソコソ

ライダー「・・・」シーン

慎二「まぁ、遠坂に衛宮、それになんでか知らないけど葛木のヤツまでいるってのは計算外だったけどさ」コソコソ

ライダー「・・・」シーン

慎二「でもま、なんでも良いや。ここにいるヤツらが潰しあったら残りは僕と、あと一人だろ」コソコソ

慎二「聖杯は僕のもの間違いなしだ」コソコソ

ライダー「・・・」シーン

慎二「ったく、相槌くらいうてよ!僕がブツブツ独り言言ってる頭おかしいやつみたいに思われるだろ!」

ライダー「そうですね」

慎二「そこは否定の相槌にしとけよぉ!!」

198: 2014/11/05(水) 11:03:41.42 ID:26Kakd/f0
ギル「騒がしいことになっていると思えばなんだこれは?」

セイバー「なっ」

イリヤ「?」

ランサー「なんだぁ?」

凛「金髪?」

俺「イケメーン」

ギル「王の御前である、頭が高いぞ、有象無象ども」

セイバー「あ、アーチャー!?なぜ貴方が・・・まさか貴方も再び召喚を?」

ギル「セイバーではないか、久しいな、世の妻よ」

凛「妻ぁ!?セイバー、貴方、あの金ぴかと結婚してるの!?」

セイバー「戯れです。そのような事実はありません」

ギル「ふ、相変わらずだな、セイバー。だが貴様は我のものにすると決定したのだ」

セイバー「世迷言を・・・!」

俺「アーチャーってなんですか?」

バゼット「え、そ、それは聖杯戦争のクラスの1つで・・・」

200: 2014/11/05(水) 11:08:30.29 ID:26Kakd/f0
バーサーカー「■■■■■■■!!!」

ギル「耳障りだ、雑種」シュッ

バーサーカー「■■■■!!」ドスッ

イリヤ「バーサーカー!? な、なんなのアイツ、バーサーカーの宝具を・・・」

ランサー「おいおい、後から来て何デカイ顔してくれてんだ?」

ギル「頭が高いと言っておろうが、愚民」シュッ

ランサー「なにぃっ!!」ドスッ

バゼット「ランサー!」

ギル「こい、セイバー。それが貴様に許された唯一の自由だ」

セイバー「断る!我が身は個のものにはならない!」

ギル「減らず口を叩きおって。良かろう。妻の教育も王の務めか」

セイバー「ほざくなぁっ!!」ドゴーン

俺「まさに乱戦」

凛「狙い通りよ」

205: 2014/11/05(水) 11:15:45.93 ID:26Kakd/f0
バーサーカー「■■■■■■■■ーーーーーーーー!!」

ランサー「このクソッタレがーーーーー!!」

セイバー「アーチャーーーーーー!!!」

ギル「ふん、王の威光を思い知るが良い・・・出でよ、ゲートオブバビロン!!」

凛「まさか!」

バゼット「宝具!?」

セイバー「こ、これは・・・!」

ギル「括目するが良い、唯一にして無二!これこそ我が至上の一振りよ!」

凛「くっ、なんて魔力なの!?」

バゼット「ちっ」ゴソゴソ

ランサー「上等だ、アーチャー!!」ググッ

セイバー「マスター!宝具の使用許可を!」パァァァ

キャスター「アンタたち、人の庭でおいたし過ぎよ!!」ブワッ

208: 2014/11/05(水) 11:21:12.62 ID:26Kakd/f0
    エ ヌ マ エ リ シ ュ
ギル「天地乖離す開闢の星!!」

       エ ク ス カ リ バ ー
セイバー「約束された勝利の剣!!」

      ゲ イ ・ ボ ル グ
ランサー「突き穿つ氏翔の槍!!」


キャスター「スターライトブレイカー!!」

       ア ン サ ラ ー            フ ラ ガ ラ ッ ク
バゼット「後より出でて先に断つ者――――斬り抉る戦神の剣!!」

209: 2014/11/05(水) 11:22:30.18 ID:26Kakd/f0
no title

210: 2014/11/05(水) 11:23:09.03 ID:LMf0xvUiO
キャス子しれっとSLB使うなw

213: 2014/11/05(水) 11:26:04.19 ID:26Kakd/f0
俺「やったか・・・!?」

凛「・・・変なフラグ立てるな」

俺「お、マスター」

凛「もう大丈夫だから、良いでしょ、離して」

俺「いやーマスターも女の子なんですね、いろいろ柔らかくて」

凛「やっぱ氏んどけ」ゴスッ

俺「生を実感した」

凛「しっかし・・・派手にいったもんねえ」

俺「ド派手にって言ったのマスターですよ」

凛「まぁ、言ったけどさ、まさかアーチャーまで加わるなんて思わなかったし」

俺「あーなんか最後にすごいの来ましたもんね」

凛「あ、そういえば衛宮君は?」

俺「なんかあの爆発の直前ビクンビクンしてましたけど、かろうじて生きてます」

凛「そ、なら良かったわ。さすがにあのまま氏んでたら可哀想だもんね」

214: 2014/11/05(水) 11:30:02.36 ID:26Kakd/f0
イリヤ「バーサーカー・・・?」

バーサーカー「・・・」

俺「イリヤたんを守るように・・・弁慶の立往生か」

俺(バーサーカーの瞳はまるで俺に『あとはお前が守れ』と言っているように見えた)

俺(いや、まぁムリだけど)

ランサー「・・・」

バゼット「ランサー・・・」

凛「驚いた、アンタ生きてたの」

バゼット「貴方、まさかこうなることを予測して?」

凛「うちのサーヴァントが残るにはコレしかないかなって」

バゼット「最初からこの作戦を?」

凛「まさか。思いついたのは衛宮君の家でよ」

216: 2014/11/05(水) 11:37:08.08 ID:26Kakd/f0
凛「うちのサーヴァントは氏なないことだけが唯一の長所みたいだからね」

凛「これはもう潰しあってもらうしかなかったって訳」

凛「ランサーとセイバーならセイバーに分があるように見えたけど、マスターは虫の息」

凛「キャスターってのは大抵、魔術や策謀に長けているのが常だから物量作戦には弱いはず」

凛「バーサーカーは流石にどうしようと思ったけど、他のサーヴァント3人がかりでならってね」

バゼット「もし、その3人でバーサーカーが倒せなかったら?」

凛「その時はもう打つ手がないわね、でもアーチャーも来たし、結果オーライね」

言峰「まさかこのような事態になるとはな」

凛「綺礼!?なんでここに!」

言峰「おめでとう凛、君が今回の聖杯戦争の優勝者だ」

凛「えっ、で、でもサーヴァントはまだもう一人いたはずじゃ」

言峰「最後のサーヴァントとマスター、そしてそのおまけの亡霊なら先ほどの爆発に巻き込まれて消滅した」

凛「あら・・・え、それじゃあ本当に?」

言峰「ああ、だが、困ったことになったな」

凛「なによ」

217: 2014/11/05(水) 11:41:21.58 ID:26Kakd/f0
言峰「そこにいるアインツベルンのホムンクルスが今回の聖杯の器だ」

凛「・・・え? え!? ちょっ、なによそれ」

言峰「今しがた消滅したサーヴァント6体分の魔力が一気に流れ込めばどうなるか」

凛「・・・強すぎる炎は、器を焼き尽くす・・・!」

言峰「そういうことだ」

凛「イリヤスフィール!!」

イリヤ「あっ、ぐっ・・・」ビクンビクン

凛「ちょっ、しっかりなさい!アンタそれでもアインツベルンなの!」

イリヤ「り、リン・・・?」

バゼット「不味いですね、既に魔術回路が暴走しかけている」

凛「ど、どうしたら・・・」

俺「マスター」

凛「ちょっと黙ってて」

俺「へこむわー」

218: 2014/11/05(水) 11:47:24.20 ID:26Kakd/f0
俺「マスター、アンタは聖杯がほしいんすか?」

凛「そりゃそうでしょ、万能の願望機よ?」

俺「そんな小さい子を犠牲にして?」

凛「・・・そうよ」

俺「ならなんでそんな苦しそうな顔をするんすか?」

凛「・・・うるさい・・・」

俺「・・・素直じゃないっすねえ。俺に任せてもらえれば、とりあえずその子は助けられると思いますけど」

凛「なっ、ど、どうやってよ!」

俺「既に聖杯は起動しています、入り口が狭く、完全ではありませんけどね」

凛「つまり?」

俺「今ここで俺の願いを叶えさせてしまえば、聖杯の魔力を消費させられます」

凛「そ、そうか・・・で、でもそうしたら」

俺「今回はマスターの分はお預けってことになるかもしれませんね」

凛「・・・良いわ、やって」

バゼット「・・・リン」

221: 2014/11/05(水) 11:51:03.37 ID:26Kakd/f0
凛「あーあ、全く。ホント、なんでこんなサーヴァント呼び出しちゃったんだろ」

俺「時間がないんで、とりあえず俺の願いを叶えてもらいますね」

凛「ったく、さっさとしなさい・・・ってアンタ、自分の名前も分からないのに願いなんて」

俺「――――休みがほしい―――――」

凛「・・・は?え、それがアンタの願い?」

俺「ええ、まだ記憶は混乱してますが、少し思い出しましたよ」

俺「――――――社畜としての日々を――――」

225: 2014/11/05(水) 11:57:54.12 ID:26Kakd/f0
俺「裁量労働制による一日24時間労働週七日勤務」

俺「悪臭のする、窓のない部屋」

俺「床に散らばる栄養ドリンクと食いかけの弁当」

俺「成人用オムツがゴミ箱に放置されてることもあった」

俺「誰かが消えても誰も分からない」

俺「誰かが補充されても誰も分からない」

俺「ただ際限なく、無慈悲に、無限に増えていく案件」

俺「時間の概念は最早なく、ただの一度の賞与もない」

俺「故に、生涯に意味はなく」

俺「その体は、疲れ切っていた」

229: 2014/11/05(水) 12:03:28.79 ID:26Kakd/f0
凛「まさか・・・都市伝説並みだけど、聞いたことがある」

凛「人として扱われない、名前も顔もない、ただ使い減りしたら補充されるだけの存在」

凛「誰からも忘れらて、でも経済の根底で今日も摩耗する存在――――」

  Unlimited BlackCompany Workers
凛「無間地獄のブラック企業従事者」

凛「それがアンタだったのね」

俺「そういうことっす。俺は俺であって、俺ではない」

俺「俺が氏ねば新しい俺が補充され、業務が日々流れ続ける」

俺「ただ磨り潰され、次から次へと投入されるだけの存在」

俺「その俺が一度だけ氏の間際に夢を見た」

凛「・・・アンタ・・・」

バゼット(日本人怖い)

232: 2014/11/05(水) 12:07:34.04 ID:26Kakd/f0
俺「さて、もういかなきゃ。イリヤたんの体も心配ですし」

凛「アンタはそれで良いの?」

俺「え?」

凛「アンタはこれからも、いえ、これからは英霊として使われ続けるのよ」

俺「良いんすよ、マスター。俺は磨り潰されるくらいしか、能がないんで」

凛「・・・そんなことない・・・」

俺「こんな可愛い子と知り合えただけでもラッキーってなもんです」

凛「・・・ばか・・・」グスッ

俺「あぁ、最後に一つだけ、衛宮君のこと、よろしく頼みます」

俺「なんかあの子、ほっとくと俺みたいに社畜になりそうなんで」

凛「・・・ん、わかった!任せておきなさい!アンタみたいにならないように全力で何とかしてやるから!」

凛「だからアンタも――――」

238: 2014/11/05(水) 12:25:20.09 ID:26Kakd/f0
凛(あれから――)

凛(衛宮君はなんとか一命を取り留めた。驚異的な回復力ね)

凛(イリヤはやっぱり危険な状態に陥ったけど、綺礼の力も借りてなんとかなった)

凛(今では衛宮君の家とアインツベルンの城を行ったり来たりしてるらしい)

凛(そういえば慎二は本当に氏んでいたらしい。祖父と一緒に合同葬に出されていた)

凛(桜はちょっと塞いでた時期もあったけど、今では衛宮君の存在もあって笑顔に戻りつつある)

凛(そういやバゼットも衛宮君の家に居候してるみたい。なんだか大変だわねえ)

凛(事後処理でいろいろまだやらなきゃいけない事はあるけど、概ね元通りか)

凛「気持ちの良い天気ね」

凛「さて、まずは衛宮君の性格を矯正するとこから始めようかな」




ベディヴィエール「――見ているのですかアーサー王・・・夢の続きを――」

アルトリア「・・・裁量労働制、か」

ベディヴィエール「!?」ゾクッ

おわり

239: 2014/11/05(水) 12:25:37.51 ID:Fh1+Hm4m0
めっちゃいい話になってる

240: 2014/11/05(水) 12:27:02.29 ID:t3lsb5EY0
イイハナジダナー

241: 2014/11/05(水) 12:27:28.50 ID:cGlBjpng0

242: 2014/11/05(水) 12:27:59.51 ID:MsbUKSbe0
うまく落としたな

246: 2014/11/05(水) 12:38:19.08 ID:26Kakd/f0
お前らあんがとな
勉強頑張るのも仕事頑張るのも良いけど
なんのために生きるのかよく考えろよ
じゃあの

引用元: 俺「え、聖杯戦争・・・?」凛「ん?」