1: ◆saguDXyqCw 2015/07/11(土) 01:55:43.54 ID:jywiZf+80
朝。
美羽「ふあぁ……よく寝た」
美羽「? 誰かから連絡が来てる」
「from未央
おめでとう美羽ちゃん!」
美羽「未央ちゃん。覚えててくれたんだ」
美羽(加奈ちゃんに久美子さんも、それにみんな。昨日は早く寝ちゃったから気がつかなかった)
美羽「急いで返信しなきゃ」
2: 2015/07/11(土) 01:56:57.68 ID:jywiZf+80
メルメル
美羽「うん、これで全員かな」
美羽(……そういえばプロデューサーさんからは来てなかったな。仕方ないよね。こんなにアイドルいたら覚えるだけで一苦労だし)
美羽(今度は加奈ちゃんが主役の公演で大忙しみたいだしな)
ピーン
美羽(そうだ、メールがこないなら私から送っちゃえばいいんだ!)
美羽「今日は何の日でしょう?」メルメル
美羽(なんて、ちょっと図々しいかな。でもいっか、今日ぐらい)
美羽(だって今日は、私の誕生日だのも)
3: 2015/07/11(土) 01:58:05.50 ID:jywiZf+80
事務所
ガチャ
モバP(以下P)「おはようございます」
ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん。今日もお早いですね」
P「今度の講演の準備もありますからね。ヘレンさんと打ち合わせがあるんですけど、まだ来てないですか?」
ちひろ「ヘレンさんなら丁度」
ガチャ
ヘレン「ハローエブリワン。おはよう、プロデューサー」
P「おはようございます」
ヘレン「じゃあ早速会場に向かいましょうか?」
P「え、ついたばかりですよ。少しお茶でも飲みましょうよ」
4: 2015/07/11(土) 01:58:42.35 ID:jywiZf+80
ヘレン「時間は無限じゃないのよ? 貴方はついてこれるかしら? 私という世界のスピードに」
P「まかしてください、なんといってもワールドワイズですからね」
ピ口リン
ちひろ「プロデューサーさん、携帯が鳴ってますよ」
ヘレン「世界のスピードが速くても、それぐらい見ても構わないわよ」
P「え、いえ大丈夫ですよ。せっかくこんな朝から来たんだ、ヘレンさんの世界についていかなきゃ」
ヘレン「GOOD。プロデューサー、貴方も世界の心なのね」
P「Exactly」
ちひろ(この会話に内容はあるのだろうか……)
P(メールの方は、信号待ちの時にでも見るか)
P(それより、今日は……)
5: 2015/07/11(土) 01:59:30.40 ID:jywiZf+80
学校。授業前
スッ
美羽(プロデューサーからまだ連絡こないな……)
美羽(って、まだ送ってからそんな経ってないんだから、すぐにはこないって)エヘ
公演会場前。
P「今日はなんでか、一回も信号に引っかからなかったですね」
ヘレン「世界が私たちを呼んでるのね」
P「これが世界だ、ですね」
P(スムーズにこれたのはいいけど、おかげで携帯を見れなかった)
P(まあ、会場に入ったら余裕も……)
ヘレン「? なにが会場の入り口が騒がしいわね」
P「ほんとだ、どうしたんだろう……」
6: 2015/07/11(土) 02:00:22.61 ID:jywiZf+80
ヘレン「あら、こっちに誰か来るわ」
スタッフ「た、大変です!」
P「どうかしたんですか?」
スタッフ「それが、舞台の寸法間違えたみたいで、今回の特注の舞台装置が使えないんですよ」
P「ええ、本当ですか?! 急いで別のものは用意できないんですか」
スタッフ「いやはや何とも……」
スタッフ2「すいませーん! 今度の練習で使う荷物がまだ届いてないんですけど!」
P「嘘でしょ!」
スタッフ3「あの、ここのが」
スタッフ4「話の構成が」
スタッフ5「ケータリングが」
P「」チーン
ヘレン「あら、世界規模に面倒な事態になってきてるわね」
P(くそっ、なんでよりによってこんな時に……)
P「ええい、こなくそ! 主役の加奈が学校終わる前になんとかするぞ!」
ヘレン「その意気よプロデューサー。世界という大海原の残酷さに負けては陸にはたどり着けないわ」
P「乗り越えてみせる。この大嵐!」
7: 2015/07/11(土) 02:01:18.52 ID:jywiZf+80
学校 授業中
デーアルカラシテー
美羽「ふむふむ」カキカキ
トナルトダネー
美羽「……」カキカキ
サスレバコウナルベキデリー
美羽「……」チラッ
スルトナントコウナッテシマイー
美羽「……」ハア
ブブブ
美羽「!」チラッ
美羽(あ、未央ちゃんからか)
『放課後空いてる? 誕生日祝いで一緒にケーキ食べに行こうよ!!』
美羽(少しだけなら……大丈夫だよ)メルメル
美羽「……」カキカキカキカキ
美羽(プロデューサーさん、公演の準備大変なのかな……)
8: 2015/07/11(土) 02:02:25.30 ID:jywiZf+80
公演会場
加奈「おはようございまーす」
ヘレン「おはよう、加奈」
加奈「あれ、ヘレンさん。早く来て確かめたいことがあるって言ってましたけど。私服のまんまなんですね」
ヘレン「ふふ、世界の壁は厚かったわ」
加奈「?」
加奈「あ、プロデューサー! おはようございます。って、プロデューサー?」
P「……加奈、ごめん。今日はもう無理かも」マニアイマセンデシター
加奈「ふえっ!?」
9: 2015/07/11(土) 02:03:16.81 ID:jywiZf+80
放課後。某喫茶店。
未央「というわけで美羽ちゃん、誕生日おめでとー!!」
茜「おめでとうございます!!」
凛「おめでとう」
美羽「ありがとう! 未央ちゃん、茜ちゃん、凛チャン! でもびっくりした、未央ちゃんだけだと思ってたら」
未央「ふっふっふー。サプライズですよ」
凛「おどろかしちゃったね。私も昼にいきなり連絡が来たんだよ」
茜「私もです!!」
凛「まったく、未央は本当に急なんだから」
未央「と言いながら、ちゃんと来てくれるとは。流石しぶりん!」
凛「もう、未央ったら」
美羽「あはは」
10: 2015/07/11(土) 02:04:28.82 ID:jywiZf+80
凛「というわけで美羽、これ誕生日プレゼント」
美羽「わあ、綺麗な花束。これってポピーですよね?」
凛「うん、好きって聞いたから」
未央「好きというか、仕事上で使っただけだよー」
凛「え、あ。もしかして好きじゃなかった?」
美羽「そんなことないですよ! ありがとうございます。でも、この真ん中の赤い花は?」
凛「グロキシニアだよ。今日の誕生花なんだ」
茜「おお、とっても素敵ですね凛さん。流石です!」
凛「やめてよ、もう」
未央「おお、照れてる照れてる」
凛「未央もちゃかさないで」
11: 2015/07/11(土) 02:05:41.20 ID:jywiZf+80
美羽「照れてる凛さん、とっても可愛いです」
凛「美羽までやめてよね……今日の主役はあたしじゃなくて美羽なんだよ」
美羽「あはは、ごめんなさい」
茜「私からはこれです!!」ドーン
美羽「えーっと、お茶のペットボトル?」
茜「……本当はもっと素敵なものがご用意できればよかったのですが、本当に急な呼び出しだったので。コンビニで目をついたもの買ってきました……」
未央「あちゃー、茜ちんお茶好きだもんねー」
茜「凛さんみたいな素敵なもの用意できず、申し訳ないです」ショボーン
12: 2015/07/11(土) 02:06:32.79 ID:jywiZf+80
凛「あたしは、その」
美羽「そ、そんなことないですよ! プレゼントをもらったってだけで十分に嬉しいですから!」
茜「……ホントですか?」
美羽「本当ですって。ボンバーですよ。ボンバー嬉しいです!!」
茜「ボンバーですか!?」
美羽「ボンバーです!!」
茜「じゃあ夕日に向かって走りますか!!?」
美羽「あ、それは遠慮します」
13: 2015/07/11(土) 02:07:31.37 ID:jywiZf+80
未央「私からはねー……」
ヤイノヤイノ
ヤイノヤイノアハハー
ヤイノヤイノ
美羽「……」チラッ
未央「ねえ美羽ちゃん、さっきから何度も携帯みてるね、どうかしたの?」
美羽「え、いや。何でもないよ!」
未央「怪しいぞー美羽ちゃん。何か隠してるなー」
美羽「そんなんじゃないって」
凛「もう、未央、美羽が困ってるでしょ」
未央「ごめんごめん」
茜「この後何か用事でもあるのですか?」
美羽「ないですよ。夜は家族で過ごすって決めてますし」
美羽「ただ、その……」
「?」
14: 2015/07/11(土) 02:08:49.84 ID:jywiZf+80
未央「プロデューサーから連絡が来ない?」
美羽「うん、今朝メール送ってもずっと帰ってこないし」
未央「それは
茜「全くです!!」ウンウン
美羽「いいんですよ。今は加奈ちゃんの公演の準備で忙しいんでしょうし」
未央「そうかー公演の準備で忙しいなら仕方ないかー」
未央「って、なわけあるかーい!!」
美羽「未央ちゃん?!」
15: 2015/07/11(土) 02:10:22.35 ID:jywiZf+80
未央「たとえプロデューサーであろうとも、いやプロデューサーだからこそ、いや、プロデューサーかどうかなどもはや関係なし!! こんな可愛い美羽ちゃんのメールを無視するなんて言語道断!!」
未央「今すぐ文句言ってやる!!」テルテ―
美羽「もう、本当にいいから未央ちゃん!」ガシッ
美羽「忙しいときに邪魔しちゃ悪いですよ。それに急がしすぎて、私の誕生日なんて忘れちゃってたのかも」アハハー
茜「美羽ちゃん……」
凛「……忘れてる訳ないけどな」ボソ
未央「?」
16: 2015/07/11(土) 02:11:18.66 ID:jywiZf+80
―
――
美羽「いけない、もうこんな時間。早く帰らないと。じゃあ私、ここで失礼しますね! 今日は本当にありがとうございました」
凛「そんな」
未央「じゃあまたね!」
美羽「うん、またね未央ちゃん! 凛さんと茜さんも」
茜「さよならです!」
凛「またね」
タッタッタッター
凛「じゃあ、あたし達もそろそろ――」
未央「しぶりん、その前に少しいい?」
凛「? なに」
17: 2015/07/11(土) 02:12:40.93 ID:jywiZf+80
未央「ほら、さっきさ、プロデューサーの話になった時に、プロデューサーが忘れてるんじゃないかって話になったじゃん。その時、『忘れてる訳ない』って言ったよね。なんでそう言えるのよ?」
茜「それは気になりますね!!」
凛「あれは、その……」
凛「ま、いっか。秘密にしてろって言われたけど。プロデューサーが悪いんだし」
未央「やっぱり何かあるんだ!」
凛「あのね――」
――
―――
茜「なんと!! そんな事が!」
未央「なるほど、そりゃあ忘れてる訳はないか」
凛「でしょ」
未央「むむむ、ならば尚更なんとかしなければいけないような……」
凛「なんとかって、どうするの?」
未央「ふっふっふー。私に任せなさい!」
18: 2015/07/11(土) 02:14:21.37 ID:jywiZf+80
――
―――
美羽宅、自室。
美羽「はああ、おなかいっぱい。お母さんも張り切って、あんなに料理作って、もう駄目」ゴロン
美羽「あー……きれいだな、凛さんから貰った花」
美羽(花瓶に入れると尚更綺麗。その横には、茜さんから貰ったお茶に、未央ちゃんからの小物入れ)
美羽(どれもとっても素敵だな。みんなを笑顔にしたいのに、私が笑顔になっちゃうよ)
美羽(だから――物足りないなんて――思っちゃ――……)
――
―――
ブブブ
美羽「……ん?」
19: 2015/07/11(土) 02:15:34.08 ID:jywiZf+80
美羽(いけない、ついうたたねしちゃった。時間は……もう深夜の二時も過ぎてる……)
ブブブ
美羽「って、電話、出なきゃ」ピッ
加奈『あ、美羽ちゃん』
美羽「加奈ちゃん! こんな時間にどうしたの?」
加奈『うんうん、だた、ちょっと話したくなってさ』
加奈『部屋の明かりもついてるから、起きてると思って』
美羽「うんうん、それがちょっとうたたねしちゃって――」
美羽「って、部屋の明かり?」
加奈『ねえ美羽ちゃん。ちょっと窓の外を見てみて?』
美羽「えっ、まさか……?!」ガララ
加奈『やっほー』テーフリフリ
美羽「え、何で?!」
20: 2015/07/11(土) 02:17:26.34 ID:jywiZf+80
加奈『美羽ちゃんと話したくなったって言ったでしょ? 少し散歩しない?』
美羽「こんな時間に?」
加奈『だいじょーぶ。高校生の私がついてるんだから』
美羽(そうだよね、せっかく来てくれたんだもの)
美羽「分かった、すぐ行くよ」ピッ
加奈「お、早いね美羽ちゃん」
美羽「だって、いくら治安がいいからって、こんな時間に加奈ちゃんを待たせるわけにもいかないもん」
加奈「大丈夫大丈夫、お姉ちゃんだからね」
美羽「でも、こんな時間にどうやって来たの?」
加奈「えへへ。それより、近くの公園まで散歩しようよ」
美羽「え、うん。いいけど」
21: 2015/07/11(土) 02:18:49.82 ID:jywiZf+80
テクテクテク
加奈「そうだ、今日は誕生日おめでとう」
美羽「少し前にすぎちゃったけどね」
加奈「あはは、まあいいじゃない」
美羽「加奈ちゃんも、公演の方はどう? 今日から本格的なリハーサルでしょ」
加奈「それがね、いろんなトラブルが起きちゃって、もう大変」
加奈「プロデューサーも色々な所とお話回って、本当に大変そうだったよ」
美羽「そうなんだ」
美羽(だから返信がなかったんだな……仕方ないよね)
22: 2015/07/11(土) 02:19:58.03 ID:jywiZf+80
美羽「プロデューサーさんも大変だね」
――
―――
美羽「うわぁ、夜中の公園なんて始めて来た」
美羽(いつも近くを通るのに、夜中だとちょっと怖いな)
加奈「私ちょっと飲み物買ってくるね。美羽ちゃんはちょっと待ってて」
美羽「え、ちょっと……行っちゃった」
美羽(こんな時間に一人になるなんて、ちょっと怖いかも……)
美羽(加奈ちゃん、早く帰ってこないかなー……)
サッ
美羽(? 公園の入り口に誰かいる……背が大きいし、加奈ちゃんじゃないよね……)
美羽(うう、どうかこっちに来ませんように……)
ザッザッ
美羽(って、うわ! 来た!?!?)
23: 2015/07/11(土) 02:21:27.94 ID:jywiZf+80
美羽(だ、大丈夫。多分通り抜ける人だろうし)
美羽(でも、そうじゃなかったら……)
ザッザッザッ
美羽(やっぱり近づいてくる……!)
美羽「うぅ、加奈ちゃん。プロデューサーさん……」ボソッ
「美羽?」
美羽「えっ?」
美羽「もしかして……プロデューサーさん?」
24: 2015/07/11(土) 02:22:29.47 ID:jywiZf+80
P「お前、何でここにいるんだ?」
美羽「プロデューサーさんこそ、なんで」
P「公演の終わりに、加奈がお前の家まで行きたいって言ったから、近所まで送ったんだ。それでこの公園で待ってるって連絡があったから」
美羽「私も、加奈ちゃんに散歩に連れられて」
P「そう言う事か……」
加奈「うまく行ってそうだね」コソコソ
未央「ふっふっふ、我ながら見事な策略よ」
茜「お見事で――」
凛「茜、うるさくしすぎないでよ、近所迷惑なんだから」
茜「あ、はい。気を付けます」
25: 2015/07/11(土) 02:23:50.41 ID:jywiZf+80
凛「でもこんな時間に美羽を連れ出すのは少し不安だったけど」
ヘレン「安心しなさい。世界レベルの監視がついてるなから」
未央「ヘレンさんがついていてくれるとなんか私たちも安心出来るよね」
凛「そうだよね。ヘレンさんは世界というスピードの頂点だから」
未央「えっ、しぶりん何言ってるの」
凛「? 未央は分からないの?」
ヘレン「それも世界の選択よ」
凛「そっか、それじゃあ仕方ないか」
未央「なに、分かりあえてるのそこ?」
凛「大丈夫、未央もいつか分かる時が来るよ、世界が」
茜「世界って深いですね」ホエー
26: 2015/07/11(土) 02:24:44.21 ID:jywiZf+80
ヘレン「それじゃあエブリワン。そろそろ私たちは退散しましょう」
茜「そうですね。これ以上は野暮というやつです」
未央「うう、気になるけど。そうだね」
ヘレン「さあ、世界的な私のマイカーで送ってあげるわ」
凛「え、それは世界の理の中では許されない行為では?」
ヘレン「世界は、時に我々に寛大なものよ」
凛「じゃあ乗っていいんですね」パア
茜「世界って深いですねー」ホエー
未央「美羽ちゃんも気になるけど、こっちも凄く気になるよ、私」
27: 2015/07/11(土) 02:26:26.38 ID:jywiZf+80
――
―――
P「ごめんな、メール。仕事が忙しくて、気がついたのが夜になってからだったんだ」
美羽「いいですって。さっき加奈ちゃんからトラブルのことを聞きましたし」
P「まあ、メールの事も、実は加奈から聞いたんだけどな」
美羽「加奈ちゃんから?」
P「どうも、加奈も未央に聞いたみたいだったけど」
美羽「未央ちゃんが……」
P「メールを直ぐに返そうと思ったんだけど、加奈から明日、直接会って謝れって言われてさ。結局、全部が終わったのが0時回ってからだったんだ。ヘレンは先に帰ったんだけど、加奈は待っててくれて。帰りにお前にプレゼントを渡したいからって、近所まで来たんだけど」
P「一緒に行こうとしたんだけど、加奈に断られてな。だけどまさか、こんなこと企んでたなんて」
美羽「あはは」
―――
P「ごめんな、メール。仕事が忙しくて、気がついたのが夜になってからだったんだ」
美羽「いいですって。さっき加奈ちゃんからトラブルのことを聞きましたし」
P「まあ、メールの事も、実は加奈から聞いたんだけどな」
美羽「加奈ちゃんから?」
P「どうも、加奈も未央に聞いたみたいだったけど」
美羽「未央ちゃんが……」
P「メールを直ぐに返そうと思ったんだけど、加奈から明日、直接会って謝れって言われてさ。結局、全部が終わったのが0時回ってからだったんだ。ヘレンは先に帰ったんだけど、加奈は待っててくれて。帰りにお前にプレゼントを渡したいからって、近所まで来たんだけど」
P「一緒に行こうとしたんだけど、加奈に断られてな。だけどまさか、こんなこと企んでたなんて」
美羽「あはは」
28: 2015/07/11(土) 02:27:53.02 ID:jywiZf+80
美羽「……所で、プロデューサーさんは、昨日が何の日か分かりましたか」
P「……ハア」
P「美羽、俺を見くびらないでくれよな」ゴソゴソ
スッ
P「ほら、誕生日プレゼント」
美羽「プロデューサーさん、覚えててくれたんですか?」
P「覚えてるどころじゃないぞ。この日の為に俺がどれだけ頭を悩ましたか知ってるか? 出来るだけ口が堅い奴って事で、凛にも美羽がどんなのが好きそうか尋ねてさ」
美羽(だから凛さん、ちゃんとしたプレゼント用意してくれてたんだ)
P「結局、大したものを選べなかったけど。開けてみろよ」
美羽「はい」ガサガサ
美羽「これって、髪留め?」
美羽(小さなヒマワリがあしらってある)
29: 2015/07/11(土) 02:28:52.13 ID:jywiZf+80
P「ほら、いつも髪を結んでるし、それならにあうかなって」
美羽「いいですね、ヒマワリ。これからの季節にぴったしです!」
P「それだけじゃないさ」
美羽「?」
P「美羽、ヒマワリの花ことばの一つに、こういうのがあるんだ」
美羽「なんなんですか?」
P「笑顔だよ」
美羽「笑顔……ですか?」
P「そう、お前にぴったしだろ? いつもみんなを笑顔にするお前に」
美羽「プロデューサーさん……」
30: 2015/07/11(土) 02:30:13.28 ID:jywiZf+80
P「ちょっと地味だったかな?」
美羽「そんな事ないです。そんな。こと……」
P「お、おい。美羽? 泣いてるのか?!」
美羽「泣いてないですよ、そんな」ウルウル
美羽「ただ、とっても嬉しくて」
美羽「みんなを笑顔にしてあげたいと思ってるのに、みんなから笑顔ばっか貰っちゃってて私」
P「そんなお前だからだよ」
美羽「えっ?」
P「みんなを一生懸命笑顔にさせようと頑張ってる、美羽だから。みんなも美羽に笑顔になって欲しいんだよ」
P「もちろん、俺だって」
美羽「プロデューサーさん……」ウルウルウルウル
P「だからもう泣くなって!」
31: 2015/07/11(土) 02:32:28.53 ID:jywiZf+80
美羽「そんなこと言われてもー」
美羽(無理に決まってる……だって。こんなにもみんなに大事にされて)
美羽(大好きな人に、こんなこと言われて)
美羽「こんなに、幸せなんですもん」
P「美羽……」
P「そう言えば、まだ言ってなかったな。ちょっと遅くなったけど」
P「ハッピーバースデー、美羽」
美羽「26時のハッピーバースデー」 《終》
32: 2015/07/11(土) 02:33:53.52 ID:jywiZf+80
美羽、誕生日おめでとう。
遅いって? まだ26時だから大丈夫大丈夫。
読んでくれた人、ありがとうございます。
遅いって? まだ26時だから大丈夫大丈夫。
読んでくれた人、ありがとうございます。
33: 2015/07/11(土) 04:04:56.71 ID:s08HWPFxO
おつおつ
引用元: 美羽「26時のハッピーバースデー」
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