1: 2014/12/21(日) 16:50:22.39 ID:oJXeB6GlO
美希「久しぶりだね、春香」
春香『んーそうだね。美希もみんなも忙しくて会えないもんね』
美希「えへへっ、大人気アイドルだからトーゼンなのっ!」
春香『大人気?』
美希「むっ……そこまでじゃないとは言わせないの!」
春香『アハハっ違うよ美希』
美希「じゃぁなに?」
春香『美希のことだから超人気とか、宇宙一とか言うかと思っただけ』
美希「怪物相手に歌うのはまだ無理だから宇宙一じゃないし、超人気は春香だから」
春香『なぁにそれ、謙遜しちゃって……嫌味? 呪うよ?』
美希「春香が言うとリアリティがありすぎて怖いの」
春香『そーぉ? 一応閣下の異名を持っていたから当然かな?』
美希「そーなの」
2: 2014/12/21(日) 16:58:03.66 ID:oJXeB6GlO
春香『そういえば……最近やよいはどう? 元気?』
美希「やよいに会えてないの?」
春香『ぜーんぜん。さっき言った通り』
美希「そっか……ここはガツンと……」
春香『あははっ、ほら。みんな忙しいし』
美希「美希だって忙しくてもこーして話してるのにっ」
春香『美希は時間があれば寝てるだけでしょ』
美希「最近はそーでもないの」
春香『へぇ……なにしてるの?』
美希「クッキー作ったり、お菓子作ったり……女子力を身につけてるの」
春香『なるほどねー……私の教えたコツは掴めた?』
美希「んー……あと少し。春香の字が綺麗なら……」
春香『十分綺麗なはずだよ!?』
美希「………………」
春香『…………ほ、本当に汚かった?』
美希「じょーだんなの」
春香『もうっ! 呪うよ!』
美希「それはヤ!」
春香『えへへっ、じょーだんなの』
美希「ぐぬぬっ」
3: 2014/12/21(日) 17:04:48.00 ID:oJXeB6GlO
春香『それで? やよいは?』
美希「元気だよ。すっごく元気赤いリボンがトレードマークなの」
春香『そっかぁ……』
美希「はるかさんのキャラは頂きです! って」
春香『な、なんだってーっ!?』
美希「真実なの」
春香『くっ……こうなったら私がやよいのキャラを貰っちゃおうかなーって!』
美希「………………」
春香『………………』
美希「………………」
春香『……なんかごめん』
美希「あんまり変わらないかなーって」
春香『うん。なんとなくそんな気はしてた』
4: 2014/12/21(日) 17:15:51.86 ID:oJXeB6GlO
美希「でも、春香には春香のやよいにはやよいの良さがあるの」
美希「だからどう頑張ってもそれは真似でしかない」
美希「確かに似てるけど……でも、やっぱりやよいはやよいで春香は春香なの」
春香『急に真面目になられても反応に困っちゃうんだけど……』
美希「ミキはいっつも真面目なんだけど」
春香『ほぉう? 事務所のソファで居眠りの常習犯が何を言うかと思えば』
美希「それは疲れてるから仕方がないの!」
春香『疲れてる……ねぇ?』
美希「にやにやしないで」
春香『だってレッスンサボったのに居眠りしてたし……』
美希「陽の光には勝てなかったの」
春香『言い訳だね』
美希「言い訳なの」
5: 2014/12/21(日) 17:24:09.92 ID:oJXeB6GlO
春香『全くもう……美希はかわらないなぁ』
美希「だからそれは前の話で今はちゃんと」
春香『知ってる知ってる。美希がいっつも頑張ってること、私知ってるよ』
美希「……………………」
春香『…………美希?』
美希「そーいうのを笑顔で言うから、春香は嫌われるの」
春香『好かれない!?』
美希「あざとい」
春香『そんなつもりないってば』
美希「どーだか」
春香『ぐぬぬっ』
美希「あざとくなくなったら春香はただのリボンなの」
春香『……ただのおにぎりのくせにッ!』
美希「食べられるだけおにぎりの方が……」
春香『ハイハイ、この話は終わりーっ!』
6: 2014/12/21(日) 17:34:19.51 ID:oJXeB6GlO
美希「そういえば、この前でk……伊織が駅前の美味しいデザートを買ってきてくれたの」
春香『この前言ってた新しくできたやつ? どうだった?』
美希「中々に中々だったの」
春香『つまり?』
美希「ホイップクリームが少し弱い感じがしたの。それでも美味しいけど、他のと合わせた時に消えちゃうというか……」
春香『んー……美希は甘甘が好きなんだね』
美希「そーいうわけじゃないの。ただ、消えるのはあれかなって思っただけ」
春香『でも、クリームがほのかな甘さ、冷たさだからこそアイスの冷たさや甘さが引き立つわけでして』
春香『必ずしも甘ければいいってわけじゃぁないんだよ』
美希「ドヤ顔してるのが見え見えなの」
春香『むふっ』
美希「イラッ」
春香『あははっ、でもクリームの食感とかって意外と口に残るでしょ?』
美希「……うん」
春香『だから……別に消えたりはしてないよ。ちゃんと残ってる』
7: 2014/12/21(日) 17:40:47.85 ID:oJXeB6GlO
美希「……今度また食べてみる」
春香『伊織に買ってきて貰うの間違いじゃ……』
美希「ないの。今度自分で買ってくるの……ちゃんと2つ」
春香『えへへっ、ありがと』
美希「だれも春香の分とは言ってないの」
春香『……まぁそこまでは望まないよ』
美希「望んだって別に良いの……クッキーたくさん作ってくれたし」
春香『じゃぁ……望んじゃおっかなー』
美希「叶えるとは言ってないけど」
春香『もーっ! みーきーっ!』
美希「あははっ、じょーだんなの」
「あのー」
美希「……?」
「あの、もしかして星井――」
美希「今はプライベートかつ電話中なの」
「電話……」
美希「サインも握手もプロデューサーの許可を貰って欲しいの」
「は、はぁ……」
8: 2014/12/21(日) 17:46:06.91 ID:oJXeB6GlO
美希「………おとなしく帰ってくれたの」
春香『別にしてあげたって良かったのに』
美希「美希は春香とは違うの」
春香『そうだね』
美希「……………………」
春香『…………………』
美希「……あっ、そういえばこのまえプロデューサーが春香のためにプレゼント買ってたの」
春香『えっ?』
美希「サプライズするんだーって」
春香『なんで言うの!?』
美希「聞かなかったふり、聞かなかったふり」
春香『無茶ぶり!』
美希「じゃぁ……独り言を盗み聞きした春香が悪いってことで」
春香『納得できるかッ!』
10: 2014/12/21(日) 17:54:51.91 ID:oJXeB6GlO
美希「春香は注文が多いの」
春香『いやだって――』
美希「お店だったらおデブ一直線なの」
春香『大食いじゃないよっ!』
美希「……伊織よりキレがないの」
春香『試されてるっ!?』
美希「気づいたときには試合終了なの」
春香『誰との!?』
美希「………………」
春香『………………』
美希「直接会って話してれば伊織より上かもしれないの」
春香『はいはい、会いに来たらダメだからね? 仕事サボって』
美希「……バレた」
春香『一つ穴を開けたらみんなが困るんだから絶対ダメだからね?』
美希「言われなくても分かってるの」
11: 2014/12/21(日) 18:04:30.24 ID:oJXeB6GlO
春香『……ねぇ、美希』
美希「なに?」
春香『この前小鳥さんがお見合いするんだーっていって消息を絶ったんだけど』
美希「結果が結果だけに有給取ってるだけなの」
春香『まさか産――』
美希「自分以外全員が二次会に誘」
春香『もう止めて! 私が悪かった!』
美希「小鳥は例のアレさえなければ完璧なの」
春香『あはは……切っても切れないと思うよ』
美希「縁は切れ」
春香『それ以上はアウト!』
美希「この前なんて机に置いたままにして響が読んでたの」
春香『そ、それで?』
美希「うぎゃーで顔真っ赤」
春香『あーうん。なんとなく想像できた』
12: 2014/12/21(日) 18:13:25.84 ID:oJXeB6GlO
美希「そのあと貴音が来て、響が涙目の原因を見て」
春香『見て?』
美希「プルプルして小鳥に不潔です! って怒ってた」
春香『あちゃー……』
美希「あの小鳥は見ていられなかった」
春香『だよねぇ……』
美希「ここ最近で一番変わったのは千早さんなの」
春香『千早ちゃん?』
美希「…………………」
春香『……言うまでもないってこと?』
美希「これ言うと春香が怒りそうだから」
春香『じゃぁなんで言ったの?』
美希「どうせ、春香から聞いてくると思ったから」
春香『えへへっ、やっぱり?』
13: 2014/12/21(日) 18:24:02.84 ID:oJXeB6GlO
美希「なんと自炊に積極的になったの」
春香『おおっ』
美希「さらにファッションに興味を持ち出したの」
春香『なんですとっ!』
美希「……という希望」
春香『えー……』
美希「とりあえずこれから千早さんに会いに行く予定なの」
春香『美希も会ってなかったの?』
美希「千早さん、海外行ってたから」
春香『なるほど……って、怒る要素ないよね?』
美希「春香に何も言わずに留学しちゃったの」
春香『あははっ、別にそんなことで怒ったりしないよ』
春香『元々、私が薦めたことだしね』
美希「それは知らなかったの」
14: 2014/12/21(日) 18:34:12.93 ID:oJXeB6GlO
春香『でもそっか……それで見なかったんだね』
美希「そうなの」
春香『じゃぁこれから千早ちゃんに会えるわけだ』
美希「羨ましい?」
春香『んーん。私も会いにいくし』
美希「一緒に行く?」
春香『一緒に行く』
美希「それじゃ――」
千早「……ちょっと良いかしら」
美希「ん……あっ」
千早「頑張ってメール打って電話もしたのだけど」
美希「……えっと」
千早「事務所に携帯置きっぱなしだったわ。貴女が後で待ち合わせ場所連絡するって言ったのに」
美希「あ、あははっ……」
千早「携帯だけはしっかり持ち歩くように言われてるでしょう?」
美希「うっかりしてたの」
千早「……全く。一回事務所に帰るわよ。美希」
美希「い、いえすマム!」
春香『……なーるほど。千早ちゃんはお姉ちゃんらしくなったんだね』
15: 2014/12/21(日) 18:35:21.86 ID:oJXeB6GlO
終わり
16: 2014/12/21(日) 20:41:17.49 ID:/fHedgjKo
乙です
引用元: 美希「潜む真実に非情なる忘却を」
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