1: ◆TDuorh6/aM 2017/03/07(火) 15:58:04.53 ID:ztCysv+YO

2: 2017/03/07(火) 15:58:39.34 ID:ztCysv+YO



フレデリカ「フンフンフフーン、二つ目の信号右ねー」


杏「いやここ事務所なんだけど」


フレデリカ「ほらほら杏ちゃん、ちゃんとウインカー付けなきゃだめだよ?」


杏「どうしろってのさ」


フレデリカ「実はねー、こないだアタシ達カーナビの収録したんだー」


杏「唐突だね…あたしたち?」


フレデリカ「えっとねー、杏ちゃん以外の三人で」


杏「なんで杏ハブられたんだろ」


フレデリカ「真面目にやりそーだからじゃない?」


杏「メーカーは何を求めてるの?」


3: 2017/03/07(火) 15:59:13.65 ID:ztCysv+YO


フレデリカ「とゆー訳で、はい!」


杏「いやカーナビ渡されても杏免許ないんだけど」


フレデリカ「自転車に付けてねー」


杏「自転車じゃバイナビじゃん」


フレデリカ「お探しの職種を入力してねー」


杏「現在進行形でアイドルなんだけど」


フレデリカ「時にはエンジン止めて休むのも大切だよー?アイドリングストップだけに」


杏「しかもオススメの職業芸人って出てきたんだけど」


フレデリカ「現在進行形なのにねー?」


杏「遺憾の意を示したいね」


フレデリカ「如何とすべきかねー?」


杏「いかんでしょこの流れ。完全に芸人だもん」


4: 2017/03/07(火) 15:59:48.06 ID:ztCysv+YO


杏「で、これハンドルに付ければいいのかな」


フレデリカ「バッテリーは3時間くらいはもつと思うよー」


杏「それじゃ、ちょっと飴屋行ってくるよ」


フレデリカ「みんなの分のお土産よろしくねー」


杏「あいよー、どうせ杏の家に集まるんでしょこの後」


フレデリカ「お茶入れてまってるねー」


杏「まぁいいや、それじゃまた後でね」


5: 2017/03/07(火) 16:00:27.46 ID:ztCysv+YO


杏「さて、起動して…ん?ナビゲーションする人を選んでね?」


杏「藤原肇、鷺沢文香、フレデリカ、双葉杏…なんで一人だけフルネームじゃないんだろ」


杏「あと杏声当ててないんだけど」


杏「まぁいいや、一番平和そうな肇ちゃんにしとこうかな」


ピッ


「選んでくれてありがとうございます、杏ちゃん」


杏「…これリアルタイムで収録してるっぽいね、いつもの流れ的に」


「ご、ごほんっ…目的地を入力して下さい」


杏(気付いてないフリしといてあげよっか)


杏「へー、音声入力も対応してるんだ。それじゃ近場の飴屋で」


「…神田の古書店、で…よろしいでしょうか?」


杏「よろしくないよ。あと今の声完全に文香ちゃんじゃん」


「文香さんは少し黙っていて下さい。では、〇〇飴屋でよろしいですね?」


杏「あいよーナビゲーションよろしく」


6: 2017/03/07(火) 16:01:36.25 ID:ztCysv+YO


「杏ちゃんの今の速度ですと、約10分ほど直進です」


杏「うん、普通にメートルで教えてナビゲーションして欲しいかな」


「仕方ありませんね。150メートル程直進です」


杏「杏そんな遅くないよ!」


「あ、右手に陶芸体験教室がありますよ!」


杏「頼んでない」


「不安なんですか?大丈夫ですよ、私が一から教えて差し上げますから」


杏「道教えてくれない?」


「まさか、怖じ気づいてるんですか?」


杏「…肇ちゃん、ナビ」


「ごめんなさい」

7: 2017/03/07(火) 16:10:37.45 ID:ztCysv+YO


杏「ん、交差点だけど横断歩道ないね。直進したいんだけど、これ歩道橋使わなきゃいけないタイプ?」


「いえ、一度右折して頂ければ20メートル先に横断歩道があります」


杏「あいさー」


「きちんと手を上げて渡って下さいね」


「押しボタンの隣に旗がありますから、それを使うと安全かと思います」


「あ、杏ちゃん。きちんとヘルメットかぶってますか?」


杏「心配性の母親かよ!」


「わ、私は杏ちゃんが心配なだけです!あぁ道に迷って泣いてないでしょうか…」


「今直ぐにでもそちらに向かってあげたいくらいです」


「怪しい人に声を掛けられたら交番に」


杏「肇ちゃん」


「はい」


杏「文香ちゃんとチェンジして」


「はい」

8: 2017/03/07(火) 16:11:14.31 ID:ztCysv+YO


「ふふ…私が肇さんより優れている事が証明されてしまいましたね」


「文香さん大丈夫ですか?地図読めます?」


「あら、肇さん…地図なんて言う難しい言葉をご存知なのですね」


「は?」


「何か?」


杏「喧嘩すんな。あとそっちも地図見てんのかよ」


「…ごほんっ、失礼しました…そのまましばらく直進したら、100メートル先の信号を左折です」


杏「ラジャー。あれ、こっちのナビだと右折って表示されてるんだけど」


「あ、すみません…右折でした」


杏「次ミスったらチェンジね」


9: 2017/03/07(火) 16:11:49.86 ID:ztCysv+YO


「…心地良い天気ですね」


杏「雨降りそうなんだけど」


「こたつも、まだまだ片付けられそうにありません」


杏「おいお前らもう杏の家にいんのか」


「あ…もう直ぐ右折です。そうすれば…」


杏「ん、もう到着?」


「ブックオンです…」


杏「自分で行きなよ」


「潰して来て下さい…」


杏「自分でやりなよ」


10: 2017/03/07(火) 16:12:22.72 ID:ztCysv+YO



「さて、もう直ぐ右手に????飴屋です」


杏「いや今日は????飴屋休みだから〇〇飴屋って設定したんだけど」


「あら…少々お待ち下さい」


ピッ、ピッ


「〇〇飴屋…設定、と…出来ました。それでは…ナビゲーション、開始します」


杏「今そっちで使ってるナビ寄越せよ!」


「直ぐ…着いてしまいますよ?」


杏「文香ちゃんはナビを何の為に使うと思ってるのさ」


「道は、困難であればある程…成し遂げた時の達成感を


杏「フレデリカちゃんにチェンジで」


11: 2017/03/07(火) 16:21:10.33 ID:ztCysv+YO


「フンフンフフーン、二つ目の信号にカラスがいっぱい居るから喧嘩売らないでねー」


杏「一言目から不穏なナビだね。あとどっから見てるのさ」


「150メートル先の信号を右折、その先の信号を右折、そのあと道なりに曲がれば今の位置に戻れるよー」


杏「最後雑だし戻ってんじゃん」


「あ、この一本道は右に左折ねー」


杏「頭が腹痛並みに意味が分からないよ」


「でねー、今右手に見えるのが」


杏「ツアーガイドかな?」


「ハローワーク!」


杏「職業は探してないって言っただろ!」


12: 2017/03/07(火) 17:47:54.34 ID:ztCysv+YO

杏「もういいや、最後の頼みの綱が自分になるなんてね」


杏「ねぇ、双葉杏のナビにして貰っていい?」


「えー、フレちゃん出番少なくない?」


杏「最初にあったでしょ」


「しょーがないなぁー。杏ちゃんはワガママなんだからー」


ピッ


杏「よし、私よ。〇〇飴屋まで」


「い、いやだっ!お家かえりたい」


杏「…どこで杏の声収録したんだろ」


「地球は回り続けるから全身を空に放り投げれば届け飴屋の元へっ!」


杏「あ、これ歌詞継ぎ接ぎして作ってやがる」

13: 2017/03/07(火) 17:49:02.94 ID:ztCysv+YO


杏「自分がこんなに頼りないなんて…適当に誰かに変えといて」


「これが本当の替え玉大作戦だ!」


「沈黙の戒律はーー」


杏「狂詩曲やめろぉ!周りに痛い目で見られるだろ!華麗に杏の周りから離れてくから!」


「そう、カレーだけだからっ!」


杏「ナビしろよ」


「いも」


杏「馬鹿にしてんの?!」


14: 2017/03/07(火) 17:51:23.11 ID:ztCysv+YO



杏「…ん、この道知ってる」


「あ、杏ちゃんそこ右に曲がると杏ちゃんの家だよー」


「飴は買っておきましたので…お肉と野菜をお願いします」


「ガスも切れてしまっているので、補充お願いしますね」


杏「はぁ…そんだけでいいの?」


「ポテチ、ピザ、ゲーム、マンガ、エビ、鯛を希望しまーす」


杏「私は黙ってろ!」


15: 2017/03/07(火) 17:52:15.63 ID:ztCysv+YO

フレデリカーナビ語呂いい
お付き合い、ありがとうございました

16: 2017/03/07(火) 19:18:03.14 ID:RLuWbQ8do
おつ
肇ちゃんと文香ちゃんが仲良くて何より
杏のナビがフレちゃんよりフリーダム

引用元: フレデリカ「カーナビごっこ」