1: 2015/07/12(日) 21:41:40.40 ID:we3Mszea0
・モバマスのラブ&ピースアイドル、有浦柑奈さんのSSです
・一部キャラクターがゲーム内の設定にそぐわない部分があります、あらかじめご了承ください
・なお、作中に登場する謎の白い粉は、すべてホットケーキミックスです


2: 2015/07/12(日) 21:43:09.37 ID:we3Mszea0
凛「おはようございま――……あれ?」



幸子「ひどいです、横暴です! いくらボクが可愛くて寛容だからってぇ!」

P「我慢しなさい、すぐ終わるから!」

幸子「く、くくっ、屈辱です! ジンケンシンガイですよ!」

P「難しい言葉知ってるなぁ、幸子は……。お、これは……?」

幸子「うわぁぁぁぁん! 見ないでぇぇぇぇ!」

P「あああ、悪かった悪かった」



凛「何……あれ……」

3: 2015/07/12(日) 21:44:10.08 ID:we3Mszea0
ちひろ「あら、おはようございます、凛ちゃん」

凛「おはよう、ちひろさん。……それより、あれ、何?」

ちひろ「ああ、実は……」

P「……はい、幸子終わりー。ほら、レッスン遅れるぞ。はよ行って来い」

幸子「うぅぅ~~~!」ダッ

凛「あっ、幸子……」

幸子「凛さん……! 気を付けてくださいね! 今日は――……」

P「幸子ー、急げー!」

幸子「Pさんなんて嫌いです~~~~!」ダダッ

凛「行っちゃった……」

4: 2015/07/12(日) 21:44:45.42 ID:we3Mszea0
P「やれやれ、後で機嫌直してもらわないとな……、……凛、おはよう」

凛「おはよう。……で、プロデューサー。幸子に何してたの」ジトッ

P「持ち物検査」

凛「は?」

P「抜き! 打ち! 持ち物検査~~~!」

凛「うわぁ……」

P「はい、じゃあ渋谷凛さん、カバン寄越して」

凛「はぁ? 私も!?」

P「当然」

凛「嫌」

P「まあ、嫌だろうけど……」

5: 2015/07/12(日) 21:46:20.61 ID:we3Mszea0
ちひろ「ごめんねぇ、凛ちゃん。カバン、寄越してね?」

凛「ちひろさんまで!?」

ちひろ「トップの指示で、すべてのアイドルの持ち物チェックをするように、っていう通達なの……」

凛「なんでそんな」

P「これはオフレコなんだけどな……、実は、他の事務所で、タレントの薬物所持が見つかって」

凛「うわ……、本当にあるんだ、そういうの」

P「まだマスコミもかぎつけてないらしいけど。今のうちから、火種は摘んでおこうっていう、事務所の方針だ」

凛「でも、うちの事務所は関係ないんでしょ?」

P「だからこそ、しょうもないもらい火で火事起こさないようにしたい、ってところだな」

6: 2015/07/12(日) 21:47:01.60 ID:we3Mszea0
凛「だからって、カバンのチェックなんて……」

ちひろ「この機会に、アイドルたちの風紀の引き締めを図る、という意図もあるんです」

凛「風紀って……、学校みたい」

ちひろ「学校なら、内内で揉み消せますけど……、アイドルは常に、スキャンダルと隣り合わせですからね」

P「ドラッグに限らず、煙草、コンドーム、その他スキャンダルのタネになりそうな、怪しいものは、すべてチェックさせてもらう」

凛「セクハラ……」ジトッ

P「うーるさい! ほら、カバン出して」

凛「もうちょっと、アイドルを信用してくれてもいいと思うんだけど……」

P「ムグ……」

7: 2015/07/12(日) 21:47:41.88 ID:we3Mszea0
ちひろ「まあまあ、凛ちゃん。プロデューサーさんも、好きこのんでやっているわけではないですし」

凛「それは、そうかもしれないけど……」

ちひろ「今回は、プロデューサーさんのことを信用してあげてくれませんか?」

P「……うちのアイドルたちに限って、おかしなことはないって分かってる。でも、こういうのは、なあなあにせず、キッチリやることに意味があるんだ」

凛「はぁ……、分かったよ」

P「凛」

凛「はい、カバン」ヒョイ

P「あ、でも渡すのはちひろさんなのね……」

8: 2015/07/12(日) 21:48:39.67 ID:we3Mszea0
ちひろ「ありがとうございます、凛ちゃん」

凛「どうせ、変な物なんて、入ってないけど。今日はウォークマンと、メイクと、手帳と――……」ハッ


凛(し、しまった――……)

凛(手帳には、プロデューサーとの2ショット写真が挟んで――……!)


P「はーい、御開帳ー」

凛「あっ、あぁっ、まっ……待たれよ我が友!」

P「どうしたー、いつの間に熊本弁なんてマスターしたんだー凛ー」

凛「ちょっ! やっ! やっぱり駄目! 駄目だから!」

P「おいおい、いまさら何を言ってるんだぁ? カバンはもう、こんなに大きく口を開けて待ってるんだぜぇ?」

ちひろ「セクハラくさいですよ、Pさん」

凛「ちひろさん! せめてちひろさん一人にチェックしてもら――……」

ちひろ「……いいんですかぁぁ~~~~?」ニコォォォ

凛「邪なオーラがー……! 駄目ぇー! 悪魔的黄緑事務員無用~~~~~~~~」

P「どうしたー、いつの間に中国語なんてマスターしたんだー凛ー」

ちひろ「よぉし、どんどん調べていくぞぉう(大泉風)」

凛「ああー!! ああーーーー!!!!」





9: 2015/07/12(日) 21:49:20.18 ID:we3Mszea0





晴「渋谷選手の身体を張ったディフェンスで、ついにゴールラインは割らせなかったらしいぜ」

みちる「ふぅん。あ、カレーパン食べたい。今すぐ」





10: 2015/07/12(日) 21:50:33.19 ID:we3Mszea0





P「はーい、凛終わりー」

凛「……」ハァハァ

P「だ、大丈夫か?」

凛「平気……。それより、何もなかったよね……?」

P「あ、ああ。問題なしだ。やっぱり凛は、しっかりしてるな」

凛「うん……、何もなかったならいいの……、何もなかったなら……」ハァハァ

ちひろ「あらあら」ニコニコ

凛(ちひろさんの笑顔が怖い……)

11: 2015/07/12(日) 21:51:46.72 ID:we3Mszea0
P「さて、まだ済んでないアイドルは……、あとは、柑奈だけか」

凛「柑奈さん? でもそこにあるカバン、柑奈さんのでしょ?」

ちひろ「柑奈ちゃん、今日は来てすぐにレッスンだったから……」

P「説明する前に、荷物おいてレッスン行っちゃったんだ」

凛「そうなんだ」

P「……やっちゃうか」

凛「えっ」

12: 2015/07/12(日) 21:52:18.97 ID:we3Mszea0
P「どうせ遅かれ早かれ、柑奈の分も調べないといけないんだ。今のうちにさっさと片付けるか……」

凛「ちょっと……、本人に無断なんて、ひどくない?」

ちひろ「そうですよ、プロデューサーさん、せめて説明くらいはしてあげないと」

P「まあ、でも、柑奈なら、何となく許してくれそう。な気がする」

凛「分からなくもないけど……」





13: 2015/07/12(日) 21:53:06.27 ID:we3Mszea0





P『柑奈、聞いてくれ』

柑奈『はい! Pさん!』

P『ラブ&ピースなアイドルの柑奈……、だったら、そのバッグに入っているのは?』

柑奈『ありったけのラブ!』

P『そう、そして、それをチェックするのは、プロダクションのピースを守るため……、ということは?』

柑奈『ら、ラブ&ピース……!』

P『持ち物検査は?』

柑奈『ラブ&ピース!!』

P『持ち物検査はラブ&ピース!!』

柑奈『持ち物検査はラブ&ピース!!』





14: 2015/07/12(日) 21:53:46.39 ID:we3Mszea0





P「……いける気がする」

ちひろ「いける気がします」

凛(いける気がしてしまった……)

P「というわけで、はいドーン!」ドーン

ちひろ「もう……、プロデューサーさんから、柑奈ちゃんに説明してくださいね」

P「分かってますよ、ちひろさん。……ほら、凛、あんまり見たら駄目だぞ、人のカバン」

凛「分かってるよ……。私、向こう行ってるから」スタスタ

P「さぁて、柑奈の私物はー、っと……」

凛「……」

15: 2015/07/12(日) 21:54:34.27 ID:we3Mszea0
ちひろ「結構いろいろ、入ってますねぇ」ガサリ

P「大事なものを、肌身離さず持ち歩いてるんでしょうね。ラブを大切にする子ですから」

凛「…………」ピク

ちひろ「あら、これは……」

P「キャンドルですね。クリスマスの時のヤツかな?」

ちひろ「ああ、事務所のみんなに、お菓子をプレゼントしてたときの」

P「みんなとクリスマスを祝えたのが、嬉しかったみたいですね。俺のプレゼントだけじゃなくて、こんなキャンドルも大切に持ち歩いて……」

ちひろ「えっ、プロデューサーさん、プレゼントあげていたんですか?」

凛「…………」ピクピク

16: 2015/07/12(日) 21:56:19.06 ID:we3Mszea0
P「ええ、まぁ……、ちょっとしたものですけど」

ちひろ「へぇぇ……」

凛「………………」ピクピクピク

ちひろ「それと……、これは……えぇっ!? ナイフ!? ちょっと、プロデューサーさん!」

P「ああ――……、前の公演で使った、小道具ですね。金属製ですけど、偽物ですよ、紙も切れません」チョンチョン

ちひろ「ああ、海賊役をやったときの」

P「あの舞台、本当に嬉しかったらしくて、無理いってもらって来たんですよ」

ちひろ「プロデューサーさんが?」

P「はい、俺が」

凛「……………………」ピクピクピクピク

17: 2015/07/12(日) 21:56:56.17 ID:we3Mszea0
ちひろ「普段の柑奈ちゃんの、ほのぼのした雰囲気とは、真逆の役でしたけど……、好評でしたね」

P「本人も喜んでましたよ、役になりきると楽しい、って」

ちひろ「プロデューサー冥利につきますねぇ」

P「あはは、いやまったく」

凛「……ちょっと、プロデューサー」

P「お、どうした、凛?」

凛「さっきから柑奈さんトークで盛り上がってばっかりで、持ち物検査、進んでないように見えるんだけど?」

P「あー……、そうだったかな?」

18: 2015/07/12(日) 21:57:43.49 ID:we3Mszea0
凛「……さっさと片付けるんじゃなかったの? それを柑奈柑奈って……、いいけどさ、別に」

P「……? どうした凛?」

凛「なんでもないっ! ほら、早くやっちゃいなよ! これと! これと!」ガサゴソ

P「お、おい凛! そんなお前、勝手に……」

凛「ほら、このポーチの中も――……」ジーッ パカッ


パサッ

パサッパサッ



凛「……」

P「……」

ちひろ「……」



19: 2015/07/12(日) 21:58:28.68 ID:we3Mszea0


凛「……」

P「……」

ちひろ「……」


ガサゴソ



パサッ



凛「……」

P「……」

ちひろ「……あ、あの」

P「……ホットケーキミックス」

凛「……えっ」

20: 2015/07/12(日) 21:59:54.18 ID:we3Mszea0
P「ホットケーキミックスだな、これは」

ちひろ「……あっ、ああ! なるほど! 確かにこれは、ホットケーキミックスですねぇ!」

凛「そ、そうだね! これはもう、あらゆる角度から見ても、ホットケーキミックスだね!」

P「四袋もホットケーキミックスを持ち歩くなんて、四個……このイヤしんぼめッ!!」

ちひろ「美味しいから大丈夫ですよ! あっ、もしかしたら、事務所の皆さんに、ごちそうするつもりだったのかも!」

凛「そう、きっとそう! このホットケーキミックスの、ビニールを破いてね!」

P「それでこの、ナイフの上にちょこっと載せて!」

ちひろ「それからこのキャンドルに火をつけて軽く炙っ



P「駄目だぁー!!!!」

凛「駄目だぁー!!!!」

ちひろ「駄目だぁー!!!!」

21: 2015/07/12(日) 22:00:35.32 ID:we3Mszea0
P「……」ハァハァ

ちひろ「……」ハァハァ

凛「……そういえば」

P「凛?」

凛「私、柑奈さんに聞かれたことがあって……」

ちひろ「な、何をですか?」






22: 2015/07/12(日) 22:01:27.13 ID:we3Mszea0





柑奈『凛ちゃんって、お花屋さんの娘さんなんだよね!』

凛『そうだけど……、柑奈さん、花とか好きなの?』

柑奈『うん! お花って、きれいで匂いもよくて……、最高にハッピーだよね!』

凛『あ、う、うん』

柑奈『だからね、自分でも育ててみようと思っていて……、上手なお花の育て方、凛ちゃんに教えてほしいんだ!』

凛『育て方? うん、もちろんいいけど……、育てたい花は、もう決まってるの?』

柑奈『うぅ~ん、まだ悩んでるんだけど……、あっ、花だけじゃなくて、草もいいかも! ハーブみたいな!』


ハーブみたいな――……

ハーブミタイナ――……






23: 2015/07/12(日) 22:02:06.23 ID:we3Mszea0
P「草!」

凛「クサ!」

P「ハーブ!」

ちひろ「ハーブ!」

P「ナゾノクサ!!!」

凛「クサイハナ!!!!!」

P「ラフレシアー!!!!!!」

凛「ど、どうしよう……、私ばっちり教えちゃった」

ちひろ「教えちゃったんですか!?」

凛「そ、それはもう、懇切丁寧に……、メモまで書いて……」

24: 2015/07/12(日) 22:02:53.68 ID:we3Mszea0
P「あ~~、やっちまったなぁ~~~~~」

凛「で、でも! まだそうと、決まったわけじゃ……」

ちひろ「……そういえば、私も……」

P「ちひろさんまで!?」

ちひろ「柑奈ちゃん、最近は都会風のオシャレしてくることが、多いじゃないですか」

P「ああ、長崎にいたころは、ヒッピースタイルの服が多かったですけど……」

凛「最近は、いろんなオシャレを勉強してるみたいだね」

ちひろ「でも、この間……、久々にオーガニックなファッションで事務所に来て……」





25: 2015/07/12(日) 22:03:51.45 ID:we3Mszea0





ちひろ『あら、柑奈ちゃん、今日はいつもと雰囲気違いますね?』

柑奈『ちひろさん、おはようございます! えへ、今日は久しぶりに、ヒッピーファッションでまとめてきました♪』

ちひろ『最近のファッションも素敵でしたけど、今日のも似合ってますね!』

柑奈『えへへ、ありがとうございます! やっぱり、このスタイルの方が、ラブ&ピースって感じで落ち着きますね!』

ちひろ『その帽子も、可愛いですよ』

柑奈『嬉しいなぁ! これ、麻で作った帽子なんですよ! 麻って、手触りが好きで……』

ちひろ『へぇ~そうなんですか!』

柑奈『はい! 私、麻って大好き!』


麻って大好き――……


アサッテダイスキ――……





26: 2015/07/12(日) 22:04:29.83 ID:we3Mszea0
P「麻!」

ちひろ「アサ!」

P「大きなアサ!」

凛「大きなアサ!」

P「新しいアサが来た!!!!」

ちひろ「希望のアサだ!!!!!」

P「駄目だ……、そんな希望は駄目だよぉ……」

ちひろ「ど、どうしましょう……、あの時私が気づいていれば」オロオロ

凛「ち、ちひろさん、落ち着いて」

27: 2015/07/12(日) 22:04:58.58 ID:we3Mszea0
P「そ、そういえば、お、俺も……」

ちひろ「プロデューサーさんも!?」

P「あれは、柑奈のグラビア撮影の時……、俺は彼女の水着の食い込みを、穴が開くように見つめていたのだが……」

凛「何してんだあんた」





28: 2015/07/12(日) 22:06:12.12 ID:we3Mszea0





P『んーっふっふ、イヤー、ずばらじいでずねー』

柑奈『絶対に伝わらない古畑任三郎のモノマネはやめてください! あとどこ見てるんですかぁ!』

P『いやぁ、柑奈に水着の仕事持ってきて正解だったよ。いい感じだよ』

柑奈『あ、ありがとうございます! でも私、そんなにスタイルよくないから……』

P『何を言う! お前ほど水着の似合うアイドルは、なかなかいないぞ!』

柑奈『そうでしょうか……』

P『もちろんだとも! んっふっふ、しかし柑奈の水着姿はカード化されでいまぜんー。残念でずー』

柑奈『か、カード?』

P『サイゲさんよろしくお願いします。ほら、もうちょっとよく見せてごらんよ』ニジリニジリ

柑奈『きゃっ、やだ、もう! Pさんったら……』

29: 2015/07/12(日) 22:06:57.90 ID:we3Mszea0
撮影AD『あ、そこケーブル危ないッスよー』

P『えっ』



グイッ

バターン



P『ぐえぇっ!』バッタリ

柑奈『Pさん!! 大丈夫!?』

P『だ、大丈夫、大丈夫……』

柑奈『よかった!』ホッ

P『いてて……、こりゃ、柑奈に意地悪したバチが当たったかな』

柑奈『まったくです! ……うふふ、いいクスリですよ!』クスクス


いいクスリですよ――……


イイクスリデスヨ――……





30: 2015/07/12(日) 22:07:37.79 ID:we3Mszea0
凛「それは違う」

ちひろ「それは違う」

P「うん、これは違うな!!!!!」

凛「……」ジトー

P「う……っ」

ちひろ「プロデューサーさん……、いえ、今は柑奈ちゃんのことです」

凛「そ、そうだね」

P「そうだ、それに、彼女の名前……」

凛「カンナ?」

P「くすりの別称も……」

ちひろ「カンナビス……!」

31: 2015/07/12(日) 22:08:28.94 ID:we3Mszea0
凛「……」

P「……」

ちひろ「……」

凛「……それも、関係ないのでは?」

ちひろ「はい」

P「育ってきた環境の話だよ。聞く限りでは、柑奈のヒッピー趣味は、お爺さんの影響のようだからな」

ちひろ「た、確かに、もしお爺さんが、筋金入りのヒッピーだったら……」

凛「……どういうこと?」

P「昔のヒッピー文化っていうのは、マリファナ……くすりと縁が深かったんだよ」

凛「そ、そうなの?」

32: 2015/07/12(日) 22:09:19.58 ID:we3Mszea0
ちひろ「もちろん、皆が皆、そうだったというわけではないですが……、そういう文化だった、と言われています」

凛「へぇ……」

ちひろ「だから、ラブ&ピースを歌って心もハッピー」

P「戦争反対で世界もハッピー」

ちひろ「素敵なクサで頭もハッ



P「駄目だぁー!!!!」

凛「駄目だぁー!!!!」

ちひろ「駄目だぁー!!!!」

33: 2015/07/12(日) 22:10:02.67 ID:we3Mszea0
凛「……」ハァハァ

P「……」ハァハァ

ちひろ「……」ハァハァ

凛「……柑奈さんは」

P「……」

凛「柑奈はそんな人じゃないよ……」

P「分かってる。柑奈のラブ&ピースは、つまらない薬物に頼らないといけないような、チャチなものじゃない」

ちひろ「プロデューサーさん……」

P「でも、もし、柑奈が何か、悩んでいたとしたら……」

凛「……」

P「生まれ育った長崎から、ひとり離れて東京に出てきて……、孤独なまま、誰にも悩みを打ち明けられずにいたら……」

ちひろ「……」

P「そんなときに、いけない薬を勧められて……」





34: 2015/07/12(日) 22:10:37.01 ID:we3Mszea0





柑奈『……もう、疲れちゃったな、私……』

柑奈『……』

柑奈『これを使えば……、また前みたいに、ラブ&ピースな私でいられるのかな……?』

柑奈『……いいよね、きっとお爺ちゃんも、昔は……』

柑奈『最高にハッピーな気持ちになれば、きっとまた、ラブ&ピースを歌えるから……』

柑奈『だったら、そのためなら……』





35: 2015/07/12(日) 22:11:14.51 ID:we3Mszea0


春の木漏れ日の中で


君の優しさに


埋もれていた僕は


弱虫だったんだよね



36: 2015/07/12(日) 22:12:02.07 ID:we3Mszea0
凛「ま、まさか!」

ちひろ「もし、そうだとしたら……」

P「助けなきゃ! 柑奈を!」

ちひろ「プロデューサーさん……!」ジーン

凛「……ま、やるときはやるって、思ってたけど」


ガチャ


柑奈「お疲れ様でーす! レッスン終わりましたー!」

P「……!」ダッ

ちひろ「逃げんな」ガシッ

凛「逃げんな」ガシッ

37: 2015/07/12(日) 22:13:00.05 ID:we3Mszea0
柑奈「Pさんとちひろさん、さっきぶりです♪」

P「う、うん、そうだな」

ちひろ「お、お、お疲れ様です、柑奈ちゃん……」

柑奈「凛ちゃんも、おはよう! 今日もばっちり決まってるね!」

凛「キマってないから! 私別にキメてないから!」

P「凛……お前やっぱり……」

凛「やっぱりとか言うな!」

柑奈「いや……私服のコーディネートのことだったんだけど……、どうかした?」

凛「そそそそうだよね! う、うん、分かってる分かってる!」

P「そ、そうそう! 大丈夫だって、大丈夫。ねえ、ちひろさん」

ちひろ「も、もももちろんですよ! 全然大丈夫です!」

38: 2015/07/12(日) 22:13:59.68 ID:we3Mszea0
柑奈「どうしたんですか? 三人とも様子がおかしいですよっ!」

ちひろ「そ、そうですか?」

P「む、むしろ柑奈の様子が普通なんじゃないか? 今日はまだ……」

凛「……しぶやりんチョップ!」ゴッ

P「ぐほっ!」

柑奈「今日は、まだ……?」

P「なんでもない、なんでも……、それより……」

柑奈「はい?」

P「柑奈、これを見てくれ……」

柑奈「はい……? ってあぁっ!? 私のカバンの中身!?」

P「そうだ。悪いが、検めさせてもらった」

39: 2015/07/12(日) 22:14:54.05 ID:we3Mszea0
柑奈「わっ、わわ、どうしてですか~!?」

P「ラブ&ピース検査だ」

柑奈「ら、ラブ&ピース検査……、そっか、そうだったんですね……」



凛(……やっぱりちょっと、ハッピーな気分になってるんじゃないの? 受け答えが……)ヒソヒソ

ちひろ(いえ、まだそうと決まったわけでは……)ヒソヒソ



柑奈(うわ~~~~、ラブ&ピースのためとはいえ、Pさんにカバンの中見られちゃったよぉ~~~)

柑奈(これじゃ恥ずかし&ピースだよ~~~~!)

柑奈(しかもこんな日に限って、ホットケーキミックスを四袋も持ち歩いちゃってるし……)

柑奈(これじゃあホットケーキキチでキャラが立っちゃうよ~~~~~!)

40: 2015/07/12(日) 22:15:39.65 ID:we3Mszea0
柑奈「ほ、ホットケーキダブルピース……」ブイッ

P「……?」

凛「ヒソヒソ」

ちひろ「ヒソヒソ」

P「……コホン、それで、柑奈……すまないが」

柑奈「は、はい?」

P「これは、どういうことなのか、ちゃんと説明してくれないか?」

柑奈「せ、説明……っ!?」

42: 2015/07/12(日) 22:17:17.19 ID:we3Mszea0
柑奈(どういうことだろ……、説明しろって言われても……)

柑奈(Pさん、ちょっと怖い顔してるし、「なんのことですか?」なんて、聞きづらい……)

柑奈(でも、机に広げられてるのは、普通の私物と……、あとはホットケーキミックスだけだし……)


柑奈「え、え~っと」



柑奈(……あっ! もしかして、あのナイフ……!)

柑奈(Pさん、公演のときのものだって、忘れてて……、それで勘違いしてるのかも!)


柑奈「違いますよ、Pさん! それは単なる役のもので……」

P「ヤク!?」

凛「ヤク!!?」

ちひろ「ヤクのモノ!?!?」

柑奈「え、は、はい」

43: 2015/07/12(日) 22:18:07.46 ID:we3Mszea0
P「か、柑奈……! いつからだ! これはいつ……!」

柑奈「いつって……、ほら、オーシャンクルーズ公演のときですよ。あのときは、みんな素敵な役をもらったって、とっても喜んで……」

P「み、みんな!?」

柑奈「はい! みんな、自分たちの役に夢中になって、フラフラになるまでやりきったんですから!」

P「み、みんなヤクに夢中でフラフラに~~~~~~!!!!?」

ちひろ「[自由の海姫]大槻唯~~~~~~(SR)!!!!?」

凛「[ドランカーパイレーツ]柊志乃~~~~~~(SR)!!!!?」

ちひろ「[シーパイレーツ]衛藤美紗希~~~~~~(R)!!!!?」

P「み、みんなぁぁ……」ガクッ



柑奈「またあんな、最高にハッピーなヤクがほしいなぁ……」

44: 2015/07/12(日) 22:19:20.36 ID:we3Mszea0
P「駄目だぁー!!!!」ガバッ

凛「駄目だぁー!!!!」ガバッ

ちひろ「駄目だぁー!!!!」ガバッ


柑奈「きゃあ! ど、どうしたんですか、皆さん!? 急に抱き付いてきて!!」

P「柑奈ぁー! すまなかった、俺が頼りないばっかりにー! もう辛い思いはさせないぞー!」ギュゥー

凛「柑奈さん! 私たち仲間だから! どんなときでも、独りじゃないからぁー!」ギュゥー

ちひろ「私が、私たちがついてますからー! もう悲しい日々は終わりですからぁー!」ギュゥー

柑奈「ちょ……皆さん、苦しいですよぉ……!」アワアワ


柑奈(……でも、こうして皆さんに抱き付かれて)

柑奈(誰かの体温を、身近に感じていると……)

45: 2015/07/12(日) 22:20:20.90 ID:we3Mszea0
P「柑奈ぁ……」

凛「柑奈さん……」

ちひろ「柑奈ちゃん……」

柑奈「皆さん……」



柑奈(こうしてると、すごく、穏やかな気持ちになってきて……)

柑奈(心がふわふわして……)


柑奈「……私、今すごくハッピーな気持ちです♪」



P「駄目ぇー!!!!」

凛「駄目ぇー!!!!」

ちひろ「駄目ぇー!!!!」

柑奈「えっ!? えぇ~~~~!?!?」

47: 2015/07/12(日) 22:26:34.30 ID:we3Mszea0





晴「その後……、まあロスタイムだな」

みちる「カレーパンって、カレー入ってなかったらもっと美味しいと思わない?」





48: 2015/07/12(日) 22:27:20.23 ID:we3Mszea0
幸子「……」

P「幸子ー、ほら、いつまでもムクれてないで、こっち来て柑奈のホットケーキ食べようぜー」

幸子「……」プイッ

凛「これ、すごく美味しいよ、幸子」

ちひろ「本当に、市販のホットケーキミックスとは、思えないくらいです!」

幸子「…………」ジュル

P「持ち物検査の件は、謝るからさ、機嫌直してくれよー」

幸子「……むぅ」

柑奈「幸子ちゃん」

幸子「柑奈さん……」

49: 2015/07/12(日) 22:27:59.66 ID:we3Mszea0
柑奈「相手を許してあげること、そこからピースが生まれるんだよ」

幸子「……」

柑奈「そしてピースが深まれば……それはラブ! ラブ&ピースなんだよ!」

幸子「……ラブ&ピース」

柑奈「幸子ちゃんには、怒った顔より、ハッピーな笑顔の方が似合うと思うな♪」

幸子「柑奈さん……、はぁ……仕方ありませんね」

P「お」

柑奈「よかった♪」

50: 2015/07/12(日) 22:28:51.42 ID:we3Mszea0
幸子「柑奈のラブ&ピースに免じて、今回だけは許してあげますからね! Pさん!」

P「うんうん、ごめんな」ナデナデ

幸子「フフーン、可愛い上に優しいボクに感謝するんですよ!」

P「うんうん。柑奈ー、幸子にもホットケーキ一枚ー」

柑奈「もう出来上がりましたよ、はい、召し上がれ♪」

幸子「わぁ……! い、いただきます!」キラキラ

P「しかし、本当にうまいな、これ」モグモグ

凛「だね」ムグ

柑奈「実は、隠し味が入ってるんですよ!」

51: 2015/07/12(日) 22:29:33.59 ID:we3Mszea0
P「……隠し味は、柑奈のラブとピースって言うんだろ?」

柑奈「もちろん! ……でもそれだけじゃなくて、もう一味、入れてるんですよ」

ちひろ「へぇ、いったい何が、入ってるんですか?」モグモグ

柑奈「はい! それは……」



柑奈「自家製ハーブです!!」



P「駄目ぇー!!!!」

凛「駄目ぇー!!!!」

ちひろ「駄目ぇー!!!!」

幸子「?」モグ

52: 2015/07/12(日) 22:30:39.33 ID:we3Mszea0
おわり

有浦柑奈さん可愛い

53: 2015/07/12(日) 22:31:17.03 ID:Y6/vEnjGO
おつー
面白かった

58: 2015/07/12(日) 23:31:40.70 ID:we3Mszea0
忘れていました

当SSは、ラーメンズの「お引越し」というコントから一部設定、アイデア等を得ています
わざわざ言うほどのことでもありませんが、一応

あと柑奈さんの水着SRがほしい
ほしいなぁ

以上、よろしくご確認の程お願いいたします

59: 2015/07/13(月) 00:43:20.84 ID:Auyt99TzO
ラブアンドピース☆⌒▽⌒

引用元: モバP「柑奈のカバンから謎の白い粉が出てきた」