1: 2007/07/23(月) 18:28:02.82
その日私はいつもの様に授業を受けて、
いつもの様に掃除をキョンに押し付けて、
いつもの様に全速力で部室へ向かっていった。
ただいつもと違っていたのは部室に入った記憶が無いこと、
目が醒めたらそこが病室であったことである
いつもの様に掃除をキョンに押し付けて、
いつもの様に全速力で部室へ向かっていった。
ただいつもと違っていたのは部室に入った記憶が無いこと、
目が醒めたらそこが病室であったことである
5: 2007/07/23(月) 18:33:25.96
病室、とはいっても目覚めた直後は自分がいる空間、
置かれている状況をもちろん素直に認識することは出来なかったが、
時間が経つにつれて鮮明になってくる両目と、
病室に入ってきた看護師さんを見て
自分が何らかの理由で「病院」にいるらしい、ということが判った
置かれている状況をもちろん素直に認識することは出来なかったが、
時間が経つにつれて鮮明になってくる両目と、
病室に入ってきた看護師さんを見て
自分が何らかの理由で「病院」にいるらしい、ということが判った
6: 2007/07/23(月) 18:40:05.89
「あ、目が醒めたんですね!?」
看護師さんは私を見るなり驚いた様な声を揚げ、直ぐにナースコールを繋いだ
そんな様子を見て、
大袈裟な看護師だなあ。とか
そんなに私は重体だったのかな。
などと私の中で色々と状況の推理が始まっていった
看護師さんは私を見るなり驚いた様な声を揚げ、直ぐにナースコールを繋いだ
そんな様子を見て、
大袈裟な看護師だなあ。とか
そんなに私は重体だったのかな。
などと私の中で色々と状況の推理が始まっていった
7: 2007/07/23(月) 18:43:36.93
結果から言ってしまうと、体に異常は見当たらないとのことであった。
最も倒れて意識を失って異常がないなんて変な話だけれど。
一応2~3日は様子を見て検査を兼ねた入院をすると
駆け付けた両親と共に説明を受けた
最も倒れて意識を失って異常がないなんて変な話だけれど。
一応2~3日は様子を見て検査を兼ねた入院をすると
駆け付けた両親と共に説明を受けた
14: 2007/07/23(月) 18:56:24.21
両親の顔は明らかにやつれていた。
聞くところによると丸二日程意識を失っていたということだ。
それならば先程の看護師の反応もまぁ納得のいくものなのかもしれない
両親は明日の早朝また改めて見舞いに来ると言い残し、病室を後にした。
一人になった私はあてもなく目を天井に泳がせていたが、
それも飽きてしまい暫くの間目を閉じてみた。
するとなんだか今置かれている状況が嘗てのあの事件と凄く似ている事に気付いた。
だったらアイツは私のお見舞いに来てくれてたのかな
聞くところによると丸二日程意識を失っていたということだ。
それならば先程の看護師の反応もまぁ納得のいくものなのかもしれない
両親は明日の早朝また改めて見舞いに来ると言い残し、病室を後にした。
一人になった私はあてもなく目を天井に泳がせていたが、
それも飽きてしまい暫くの間目を閉じてみた。
するとなんだか今置かれている状況が嘗てのあの事件と凄く似ている事に気付いた。
だったらアイツは私のお見舞いに来てくれてたのかな
15: 2007/07/23(月) 19:05:28.93
目を開けてみた
今度は差し込む光が眩しい病室が映った
どうやら私はあのまま眠ってしまった様だ。
あれがもし夢だとしたらあの時ふと浮かんだ疑問は深層心理なのかな
そんなことを考えている内に、昨日約束していた通り両親が重そうな荷物を抱えながら病室に入り、
持ってきた使いきれそうにない品々を逐一私に説明していった
今度は差し込む光が眩しい病室が映った
どうやら私はあのまま眠ってしまった様だ。
あれがもし夢だとしたらあの時ふと浮かんだ疑問は深層心理なのかな
そんなことを考えている内に、昨日約束していた通り両親が重そうな荷物を抱えながら病室に入り、
持ってきた使いきれそうにない品々を逐一私に説明していった
16: 2007/07/23(月) 19:09:31.28
正直な所、私はこの一連の出来事に少し疲れてしまった
だから、両親が心配そうにしながら病室を去ってドアを閉めた時はホッとしたし、
再びドアが空いて看護師さんが朝食を持ってきた時は少し体をこわばらせてしまった
だから、両親が心配そうにしながら病室を去ってドアを閉めた時はホッとしたし、
再びドアが空いて看護師さんが朝食を持ってきた時は少し体をこわばらせてしまった
19: 2007/07/23(月) 19:14:26.40
薄くて味気のない朝食を食べ終わった後、改めて部屋を見回してみた。
すると昨晩は薄暗くて気付かなかったが花瓶に一輪の花が挿してあるのが目に留まった。
私は花に詳しくないから名前は分からないけれど、
白くて、どこか上品で、良い香りのする花だった
すると昨晩は薄暗くて気付かなかったが花瓶に一輪の花が挿してあるのが目に留まった。
私は花に詳しくないから名前は分からないけれど、
白くて、どこか上品で、良い香りのする花だった
26: 2007/07/23(月) 19:20:42.45
その後はすることもないので両親が買ってきた雑誌や文庫本に目を通していた
ただ、内容は不思議と頭の中に全く入り込んでこない。
暇を渇望する人に限って暇を与えられるとそれを持て余してしまいがちだと言うが、
暇が大嫌いな私の場合も同様であるようだ。
要するに暇の上手い潰し方を心得ていないのだ
ただ、内容は不思議と頭の中に全く入り込んでこない。
暇を渇望する人に限って暇を与えられるとそれを持て余してしまいがちだと言うが、
暇が大嫌いな私の場合も同様であるようだ。
要するに暇の上手い潰し方を心得ていないのだ
30: 2007/07/23(月) 19:25:44.16
雑誌をその辺に放り散らかして窓の向こうを眺めていると、暫くしてドアを叩く音が聞こえた。
私は首を動かさずに
「どうぞ」とだけ答えて景色を見る作業に戻った
ドアが空いた音がして、またすぐにドアが閉まる音がした。
どうやら看護師さんではない様だ
私は首を動かさずに
「どうぞ」とだけ答えて景色を見る作業に戻った
ドアが空いた音がして、またすぐにドアが閉まる音がした。
どうやら看護師さんではない様だ
37: 2007/07/23(月) 19:32:48.40
「涼宮さぁ~~ん!」
振り返る前に彼女はそう声を上げ、私に抱きついてきた
半ば狂った様に泣きじゃくるそれをたしなめつつ、私は目を上の方に向けた
お馴染ともいえる面子が私に向かってそれぞれ笑みを浮かべていてくれた
振り返る前に彼女はそう声を上げ、私に抱きついてきた
半ば狂った様に泣きじゃくるそれをたしなめつつ、私は目を上の方に向けた
お馴染ともいえる面子が私に向かってそれぞれ笑みを浮かべていてくれた
48: 2007/07/23(月) 19:47:46.58
「調子の方はどうだ」
「なんともないわよ。ピンピンしてる」
暫くそんなやりとりを交して、話は私が昏睡状態だった時に移った
「涼宮さんの意識が戻らない間は僕らも気が気ではなかったんですよ」
「まぁ・・・・・その時一番取り乱していたのは彼でしたが・・・・・・・」
古泉君の話にいちいち訂正を加えつつ、キョンはどこか恥ずかしそうに
「今日はこれで帰る。一応明日も来てやるぞ」
とぶっきらぼうに遺し
皆もそれに続く様に部屋を後にした
「なんともないわよ。ピンピンしてる」
暫くそんなやりとりを交して、話は私が昏睡状態だった時に移った
「涼宮さんの意識が戻らない間は僕らも気が気ではなかったんですよ」
「まぁ・・・・・その時一番取り乱していたのは彼でしたが・・・・・・・」
古泉君の話にいちいち訂正を加えつつ、キョンはどこか恥ずかしそうに
「今日はこれで帰る。一応明日も来てやるぞ」
とぶっきらぼうに遺し
皆もそれに続く様に部屋を後にした
51: 2007/07/23(月) 19:53:17.46
「キョンの分際で偉そうに・・・・・・」
「それはさっきのお友達のこと?」
思わず口から漏れた独り言に答えたのは、SOS団が退室するのと入れ違いに
夕食を運びに入ってきた看護婦さんだった
「それはさっきのお友達のこと?」
思わず口から漏れた独り言に答えたのは、SOS団が退室するのと入れ違いに
夕食を運びに入ってきた看護婦さんだった
56: 2007/07/23(月) 19:58:32.41
彼女は手際よく配膳を済ませながら、
「お友達が多くていいわねぇ」
とか
「さっきのキョン君てのはどの子?」
など私に話し掛けてきたが、こういう会話が本来苦手な私は適当にそれらを受け流していった
「明日もキョン君に会えるといいわね。ウフフ・・・・・・・・」
彼女は何か誤解した様だ
「お友達が多くていいわねぇ」
とか
「さっきのキョン君てのはどの子?」
など私に話し掛けてきたが、こういう会話が本来苦手な私は適当にそれらを受け流していった
「明日もキョン君に会えるといいわね。ウフフ・・・・・・・・」
彼女は何か誤解した様だ
58: 2007/07/23(月) 20:04:03.15
そんな彼女にうんざりしつつ、ふと聞いておきたいことを思い出した
「この花は誰が持ってきてくれたんですか」
「さぁ・・・・・・確か貴方が病院に運ばれて暫くしたらもう挿してあったと思うけど?
誰が持ってきたかまでは分からないわね」
花は昨日より水々しさを失っている様だった
「この花は誰が持ってきてくれたんですか」
「さぁ・・・・・・確か貴方が病院に運ばれて暫くしたらもう挿してあったと思うけど?
誰が持ってきたかまでは分からないわね」
花は昨日より水々しさを失っている様だった
62: 2007/07/23(月) 20:05:46.90
ちょっとうんこと風呂入ってくる
71: 2007/07/23(月) 20:23:24.13
その夜は中々眠りに就くことが出来なかった
体はどこも痛くないし悪くない筈なのになんだかとても息苦しい
いつ眠ったかこそ覚えてはいないが、
それは大分時間が経ってからのことだと思う
体はどこも痛くないし悪くない筈なのになんだかとても息苦しい
いつ眠ったかこそ覚えてはいないが、
それは大分時間が経ってからのことだと思う
73: 2007/07/23(月) 20:32:13.41
目が覚めると、私の服は汗が滴りそうな位びっしょりと濡れていた
「悪い夢でも見たの?」
そう言いながら母はキツク絞ったタオルで拭き、
着替えを用意してくれた
幾分か快適になったからか、気持ちも少しづつ上向いてきた
「今日検査して問題がなければ明日には退院できるそうよ」
母は嬉しそうな表情を浮かべ、外で待っていた父を連れて部屋を離れた
「悪い夢でも見たの?」
そう言いながら母はキツク絞ったタオルで拭き、
着替えを用意してくれた
幾分か快適になったからか、気持ちも少しづつ上向いてきた
「今日検査して問題がなければ明日には退院できるそうよ」
母は嬉しそうな表情を浮かべ、外で待っていた父を連れて部屋を離れた
85: 2007/07/23(月) 20:49:17.22
また暇な時間が出来てしまったが、
みくるちゃんの差し入れがあったのを思い出したのでそれを開けてみることにした。
編み物セット
私の性にはとても合いそうもない。何やら手紙も沿えられていたので目を通してはみたが、
編み形についての説明が延々と書かれていただけだったので、
早々に読むのを切り上げ、仕方ないので昨日の雑誌をもう一度読みなおすことにした
みくるちゃんの差し入れがあったのを思い出したのでそれを開けてみることにした。
編み物セット
私の性にはとても合いそうもない。何やら手紙も沿えられていたので目を通してはみたが、
編み形についての説明が延々と書かれていただけだったので、
早々に読むのを切り上げ、仕方ないので昨日の雑誌をもう一度読みなおすことにした
88: 2007/07/23(月) 20:59:36.15
気付くと日は傾き始めていた。
初めは食指の動かなかった
有紀の差し入れとルービックキューブと知恵の輪の差し入れは
やってみると案外熱中してしまい、効率よく暇を潰すことが出来た
外した知恵の輪を元に戻そうと悪戦苦闘していると、ドアをノックする音が聞こえてきた
訪問者の予想は大体はついていた
事実「どうぞ」
と返事をして入ってきた人物はそれに間違いはなかった。
ただ、人数とその様子についてはその限りではなかった
初めは食指の動かなかった
有紀の差し入れとルービックキューブと知恵の輪の差し入れは
やってみると案外熱中してしまい、効率よく暇を潰すことが出来た
外した知恵の輪を元に戻そうと悪戦苦闘していると、ドアをノックする音が聞こえてきた
訪問者の予想は大体はついていた
事実「どうぞ」
と返事をして入ってきた人物はそれに間違いはなかった。
ただ、人数とその様子についてはその限りではなかった
92: 2007/07/23(月) 21:10:26.38
「他のみんなは?」
「古泉はアルバイト。朝比奈さんは学校の仕事。
長門は・・・・・家の用事だとさ」
「そう・・・・・」
「お前が眠っている間
皆予定をやりくりして見舞いに来てたからな。仕方ないさ。」
私の寂しげな様子を察したのかキョンはそうすぐにフォローしてくれた
「つまりいつも暇なのはあんた位ってことね」
「ほっとけ」
久し振りに交す気兼ないやりとりはとても楽しかった
只、話の時々でキョンの表情はどこかくもっている様にも見えた
「古泉はアルバイト。朝比奈さんは学校の仕事。
長門は・・・・・家の用事だとさ」
「そう・・・・・」
「お前が眠っている間
皆予定をやりくりして見舞いに来てたからな。仕方ないさ。」
私の寂しげな様子を察したのかキョンはそうすぐにフォローしてくれた
「つまりいつも暇なのはあんた位ってことね」
「ほっとけ」
久し振りに交す気兼ないやりとりはとても楽しかった
只、話の時々でキョンの表情はどこかくもっている様にも見えた
95: 2007/07/23(月) 21:19:53.12
「やっぱり入院といったら林檎だよな。病院で林檎を剥くのって
一度やってみたかったんだよ」
「何馬鹿な事言ってるのよ。それに林檎位私が剥くわよ」
「いいから、いいから」
キョンは持参したナイフをなめらかに滑らせて林檎の皮を剥いていった
「・・・・・・上手なのね」
「昔、妹が風邪引いた時に剥いてやろうとして上手く出来なかったから
その後練習したんだよ。
指を何回か切っちゃったけどな」
一度やってみたかったんだよ」
「何馬鹿な事言ってるのよ。それに林檎位私が剥くわよ」
「いいから、いいから」
キョンは持参したナイフをなめらかに滑らせて林檎の皮を剥いていった
「・・・・・・上手なのね」
「昔、妹が風邪引いた時に剥いてやろうとして上手く出来なかったから
その後練習したんだよ。
指を何回か切っちゃったけどな」
98: 2007/07/23(月) 21:26:33.12
「そうなの・・・・・・・」
妹想いな一面を知ってなんだかからかってやりたくもなったけれど、
あえてそういうことはしなかった
「ねえ、あの花は誰が持って来てくれたの?」
「ん?・・・・・ああ、あれは俺が持ってきたんだよ」
「とってもいい香りがするわ」
「花屋さんに選んでもらったんだ。名前は忘れちゃったけどな。
手持ちがなかったから一輪しか用意出来なかったけどさ」
それまで順調にゆっくりと下に向かっていた林檎の皮は
突然地面に落ちてしまった
妹想いな一面を知ってなんだかからかってやりたくもなったけれど、
あえてそういうことはしなかった
「ねえ、あの花は誰が持って来てくれたの?」
「ん?・・・・・ああ、あれは俺が持ってきたんだよ」
「とってもいい香りがするわ」
「花屋さんに選んでもらったんだ。名前は忘れちゃったけどな。
手持ちがなかったから一輪しか用意出来なかったけどさ」
それまで順調にゆっくりと下に向かっていた林檎の皮は
突然地面に落ちてしまった
101: 2007/07/23(月) 21:34:28.07
「どうしたの?」
「なんでもない。・・・・・・・ホラッ食えよ」
「なんでもないってことはないでしょう!」
それでも執拗にキョンは林檎を薦めてくる。
皿に並べられたうさぎはとても不格好であった
「・・・・・・・・・一体どうしたのよ」
体を小刻に震わせ顔を地面に向けたキョンはついに私の問いに答えなかった
「なんでもない。・・・・・・・ホラッ食えよ」
「なんでもないってことはないでしょう!」
それでも執拗にキョンは林檎を薦めてくる。
皿に並べられたうさぎはとても不格好であった
「・・・・・・・・・一体どうしたのよ」
体を小刻に震わせ顔を地面に向けたキョンはついに私の問いに答えなかった
106: 2007/07/23(月) 21:42:05.70
部屋は暫く無言に包まれた
キョンは自分で切った林檎を一つ摘んで、
半分程かじった。
咀噛する音が部屋に響いた。
今度は私も一つ摘んでそれをやはり半分かじった
とてもすっぱい。
キョンは下をむいたままだ
キョンは自分で切った林檎を一つ摘んで、
半分程かじった。
咀噛する音が部屋に響いた。
今度は私も一つ摘んでそれをやはり半分かじった
とてもすっぱい。
キョンは下をむいたままだ
109: 2007/07/23(月) 21:52:23.01
残りの半分の林檎を口に含み終わったキョンは
静かに立ち上がり棚に置いていた鞄を持ち上げた
声をかけたいけれどかけられそうな様子でもない。
食べかけの林檎をもてあましながら、
私はキョンの背中をじっと見つめていた
「最初は嫌々だったけどさ、今はSOS団で良かったと思ってるぜ」
ドアノブを回して足を外に踏み出した時キョンは突然呟いた
キョンは腕で顔を拭っていた
静かに立ち上がり棚に置いていた鞄を持ち上げた
声をかけたいけれどかけられそうな様子でもない。
食べかけの林檎をもてあましながら、
私はキョンの背中をじっと見つめていた
「最初は嫌々だったけどさ、今はSOS団で良かったと思ってるぜ」
ドアノブを回して足を外に踏み出した時キョンは突然呟いた
キョンは腕で顔を拭っていた
113: 2007/07/23(月) 22:02:08.42
「なによそれ」
私が問いつめ様にも、キョンは逃げる様に部屋を走り去ってしまった
この一連の不可解な出来事に私は酷く動揺した
何か悲しむべき事実があるのだろうか。
キョンが転校でもするのだろうか?
あらゆる可能性を探して見たが、決定的なものを見付けることは出来なかった
コンコンッ
ドアをノックする音が聞こえてきた
今度は自らドアノブを回した
そこに立っていたのはキョンでもなく、みくるちゃんでもなく、有紀、古泉君、そして両親でもなかった
「涼宮さんですね?検査のことなんですが・・・・・・」
私が問いつめ様にも、キョンは逃げる様に部屋を走り去ってしまった
この一連の不可解な出来事に私は酷く動揺した
何か悲しむべき事実があるのだろうか。
キョンが転校でもするのだろうか?
あらゆる可能性を探して見たが、決定的なものを見付けることは出来なかった
コンコンッ
ドアをノックする音が聞こえてきた
今度は自らドアノブを回した
そこに立っていたのはキョンでもなく、みくるちゃんでもなく、有紀、古泉君、そして両親でもなかった
「涼宮さんですね?検査のことなんですが・・・・・・」
117: 2007/07/23(月) 22:13:55.54
ああ、そうか
その瞬間私の中で全てが一本に繋がった
キョンの不審な態度の意味が。キョンの最後に残した言葉の意味が。
医者の説明はまったく耳に入らなくなっていた
「・・・・・・ですから、検査は急を要します。今から検査を始めます。いいですね?」
私はだらんと頭を垂れた
その瞬間私の中で全てが一本に繋がった
キョンの不審な態度の意味が。キョンの最後に残した言葉の意味が。
医者の説明はまったく耳に入らなくなっていた
「・・・・・・ですから、検査は急を要します。今から検査を始めます。いいですね?」
私はだらんと頭を垂れた
121: 2007/07/23(月) 22:21:57.79
「検査が始まるまで暫くこの部屋で待機していて下さい」
最早私を支配しているのはどうしようもない不安と絶望だけである
ドアノブに手を掛けた。
力が入らない。
肩がブルブル震えてしまっている
この先のことを考えるとどうして泣かないでいられるだろうか。
なんで両親はあんなに平気そうな顔をしていられたのか。
もう一度ドアノブを回してみた
ドアはゆっくりと奥に開いた
最早私を支配しているのはどうしようもない不安と絶望だけである
ドアノブに手を掛けた。
力が入らない。
肩がブルブル震えてしまっている
この先のことを考えるとどうして泣かないでいられるだろうか。
なんで両親はあんなに平気そうな顔をしていられたのか。
もう一度ドアノブを回してみた
ドアはゆっくりと奥に開いた
122: 2007/07/23(月) 22:27:34.92
パンッパンッ!
「おめでとう!」
訳が分からなかった
なんでキョンがここに?なんでみくるちゃんが?有紀が?古泉君が?
なんでクラッカーを鳴らしているの?
「お前、自分の誕生日も忘れたのか?」
「おめでとう!」
訳が分からなかった
なんでキョンがここに?なんでみくるちゃんが?有紀が?古泉君が?
なんでクラッカーを鳴らしているの?
「お前、自分の誕生日も忘れたのか?」
125: 2007/07/23(月) 22:31:37.33
「・・・・・・・誕生・・・日?」
「やっぱり忘れてたのか」
「今日は涼宮さんの誕生日なんですよ?」
「え・・・・・・?私、検査を・・・・・・・」
「ここは僕の知人の病院、とまで言えば良いですか」
「やっぱり忘れてたのか」
「今日は涼宮さんの誕生日なんですよ?」
「え・・・・・・?私、検査を・・・・・・・」
「ここは僕の知人の病院、とまで言えば良いですか」
130: 2007/07/23(月) 22:37:48.09
話によるとつまりこういうことらしい
SOS団は私の両親と私の面会の際に私の誕生日が近いことを知らされ
その前に私が目覚めたので、誕生会を開くことを密かに計画していたのだという。
「最初は驚かすつもりはなかったんですよぉ?」
「僕も反対したんですがね・・・・彼がどうしてもというので、
仕方なく病院の医師にも協力をあえいだ訳です」
SOS団は私の両親と私の面会の際に私の誕生日が近いことを知らされ
その前に私が目覚めたので、誕生会を開くことを密かに計画していたのだという。
「最初は驚かすつもりはなかったんですよぉ?」
「僕も反対したんですがね・・・・彼がどうしてもというので、
仕方なく病院の医師にも協力をあえいだ訳です」
132: 2007/07/23(月) 22:43:24.39
「・・・・・・・・・・・・」
「迫真の演技だっただろ?あれ大変だったんだよ、涙出すのに目薬使ってさ・・・・・・
あっでも妹の話は本当だけd・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・キョン、覚悟は出来てるんでしょうね?」
お☆わ☆り
「迫真の演技だっただろ?あれ大変だったんだよ、涙出すのに目薬使ってさ・・・・・・
あっでも妹の話は本当だけd・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・キョン、覚悟は出来てるんでしょうね?」
お☆わ☆り
引用元: 涼宮ハルヒの入院
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