1: 2022/07/17(日) 15:55:05.52 ID:jS7AEcV5.net
※アニメ時空パラレル、侑ちゃんがミアちゃんを先輩呼びだったら?の世界です

2: 2022/07/17(日) 15:56:43.16
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだベイビーちゃん?」

侑「今度のライブの曲作ってみたんです、聞いてくれませんか?」

ミア「ふーん、じゃあかけてみてよ」

侑「はい!」ガチャガチャ

~~♪

ミア「なかなか良いじゃないか」

侑「ほんとですか!?」

ミア「ああ、でもボクからしたらまだまだだね」

侑「むぅ……」

ミア「ほら、ここのメロディが切り替わるところ、コード進行の変わり方と少しアンバランスで勢いが微妙に乗り切らないだろ?」

侑「なるほど……」

ミア「あとこのサビ前のリズムとるところは金管楽器で少し上から吊り上げてあげるとふわふわした感じがでてもっと良くなると思う」

ミア「それにこれはこうで……あれは……」

侑「えへへ」

ミア「何笑ってるんだ?」ムス

侑「その、ミア先輩にこんなに教えてもらえるなんて幸せだなーって」ニヘヘ

ミア「……///」ゴホン

ミア「ほんとなら高くつくからな」

侑「感謝してます!」

ミア「出世払いよろしく頼むよ」

侑「えぇー!? そりゃないよミア先輩ー!」

ミア「ははっ、頑張れよ」ナデナデ

ミア(それだけ期待してるってことだなからな)

3: 2022/07/17(日) 15:58:01.63
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「背比べしましょう!」

ミア「は?」

侑「だって私とミア先輩って身長同じくらいじゃないですか」

ミア「そうか? ボクは156cmだけど」

侑「ふふっ、私も156cmです」

ミア「嘘だろ……ベイビーちゃんは絶対ボクより小さい」

侑「そんなことないですよー、ほら比べてみましょう?」

ミア「ああ、はっきりさせよう」

侑「じゃあほら、背中向けてください」

ミア「ん」

侑「背中合わせますね」ピタッ

ミア「……」

侑「……」

ミア「ねえ、これってどうやって計るんだ?」

侑「てへっ」ペロッ

ミア「……」ゲシッ

侑「や、やめてくださいよー!」

5: 2022/07/17(日) 15:59:38.49
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「背比べしましょう!」

ミア「はぁ? それならこの間断念しただろ」

侑「今度はちゃんと測ります」

ミア「どうやって?」

侑「それじゃあまずはミア先輩は壁に背中をつけてください」

ミア「ああ」

侑「そしたらこのペンで……」

ミア「……ちょっと待った」グググ

侑「どうしたんですか?」

ミア「ここは寮なんだから勝手に書き込んだらボクが怒られるだろ」

侑「たしかに」

ミア「たしかにじゃないよ」

侑「むぅ……また持ち越しですね」

ミア「……この付箋を使うのは? どうせ比べるだけだからすぐ取れても問題ないだろ?」

侑「さすがミア先輩! それでやりましょう」

ペタッ

ペタッ

―――

侑「それじゃあ先輩また!」

ミア「ああ」

侑「あ、付箋はがしていかないと」

ミア「いいよ、それくらいボクがやっとく」

侑「さすが先輩! それじゃあまた明日!」

ミア「また明日」

ミア「……付箋、か」

ミア「……」

6: 2022/07/17(日) 16:00:52.02
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「……あれ? そのポスターどうしたんですか?」

ミア「へ、部屋のイメージチェンジさ、良いだろ?」

侑「たしかにかっこいいかも!」

ミア「ふふん」

侑「でも、そこの壁使っちゃったらもう背比べできないじゃないですかー」

ミア「もう昨日やったから良いだろ?」

侑「えー、だってミア先輩の成長を感じられる記録になると思ったのに……この前の写真もわざわざ新しく『ミア先輩成長記録?』ってアルバム作って入れたのに……」ボソボソ

ミア「へ、へぇ……」ヒキッ

ミア「まあボクはまだまだ大きくなるから、期待しててよ」

ミア「そのうちベイビーちゃんを見下ろしながら歩けるようになるさ」

侑「それはやっぱりなんか複雑かも……。ミア先輩は私と同じ身長でいてください!」

ミア「ははっ、ボクは待たないからね」

侑「……まあでもミア先輩の不健康生活じゃ身長は期待できないか」

ミア(……今日から早寝しよ)

7: 2022/07/17(日) 16:02:38.54
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「呼んでみただけです?」

ミア「」イラッ

ミア「やることないなら帰ったら?」

侑「そ、そんなこと言わないでくださいよ~」

侑「だってミア先輩の部屋の方が自分の部屋より集中できるし、機材揃ってるし、可愛い先輩でトキメキ充電できるし捗るんです~」

ミア「ボクは捗らないけど」

侑「」ギクッ

侑「そうですよね……ミア先輩はプロだもん、あんまり邪魔しちゃダメですよね……」

ミア「……」

侑「これからは……ここに来るのは……」

ミア「お、おい」

侑「もう少し減らします!」

ミア「」ズサー

ミア「来るのはやめないのかよ!」

侑「え、だってそんなことしたら私氏んじゃいます」

ミア「……ふふっ、まあまだまだベイビーちゃんだもんな」

ミア「仕方ない、ちゃんとボクが見ててあげないと」

侑「ミア先輩……!」

ミア「あと」

侑「なんですか?」

ミア「最近は多かったから来るのを減らしてくれるのはちょっと助かる、でも」

ミア「……本当に迷惑だったらとっくに追い出してるから」

侑「ミア先輩……一生着いていきます!」

ミア「……やめてくれ、目眩がする」

侑「えぇー!?」

ミア「ははっ」

ミア(それにつけあがるからベイビーちゃんにはまだ内緒だけど、ベイビーちゃんのお陰で今までより自分が好きだと言える曲がかけるようになった気がするんだ)

8: 2022/07/17(日) 16:04:49.29
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「ピザって10回言ってみてください」

ミア「なんで?」

侑「いいからいいから」

ミア「pizza, pizza, pizza, pizza, ……はい」

侑「じゃあここは?」

ミア「elbow」

侑「ううー、英語の授業じゃないのに……」

ミア「はは、何をしたかったのか分からないけど甘いよ」

侑「も、もう一回!」

ミア「しょうがないな」

侑「好きって10回言ってみてください!」

ミア「好き、好き、好き、……はい」

侑「私も好きです、先輩?」

ミア「」

侑「……」

ミア「……」

侑「な、なにか言ってくださいよ!」

ミア「……あー、ごめんごめん、呆れて言葉を忘れてた」

侑「むー、ミア先輩が怒ってうわーー!ってなる作戦だったんだけどなぁ……」

ミア「だからまだまだベイビーちゃんなんだよ」

侑「あはは、精進します」

ミア「そこは精進しなくて良い……」

9: 2022/07/17(日) 16:06:57.92
侑「ミア先輩、ミア先輩!」コンコン

シーン

侑「あれ、ミア先輩お出掛け中かな?」

ピッピッピ

侑: ミア先輩~

ミア: (Helloのスタンプ)

侑: いまどこですか?

ミア: 内緒

侑: ("教えてウルウル"なスタンプ)

ミア: (Noのスタンプ)

ミア: 教えたら来るだろ?

侑:行かないですから!

侑: ("教えてウルウル"なスタンプ)
侑: ("教えてウルウル"なスタンプ)
侑: ("教えてウルウル"なスタンプ)

ミア: 駅前のハンバーガー屋

侑: 今行きますね!

ミア: (Oh my GOOOOOSHなスタンプ)

11: 2022/07/17(日) 16:08:33.73
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「エアコンつけて良いですか……」

ミア「ああ、たしかに今日は季節外れに暑いし、機材をこんだけ動かしてたら発熱もすごい」

侑「やったー!」タチアガリ

ミア「うわ、ベッドにベイビーちゃんのお尻の形の染みできてるんだけど」

侑「えっ嘘」

ミア「ジョークだよ」

侑「も、もう! 焦っちゃいましたよ~」

ミア「ベイビーちゃんにも恥じらいがあったんだね」

侑「……まあ、そりゃありますよ」

ミア「ふふっ」

侑「~///」カァー

ミア「可愛いね、ベイビーちゃん」

侑「からかわないでくださーい!///」

12: 2022/07/17(日) 16:11:26.47
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「ん?」

侑「ピアノ教えてください!」

ミア「キミももうそこそこ弾けるだろ?」

侑「でももっと上手くなりたくて……」

ミア「はあ、専門外だからあんまり自信ないけどいいよね?」

侑「もちろん!」

ミア「~~」ポロロン

侑「わぁ……先輩すごいです!」

ミア「ありがとう」

侑「先輩って音楽関係だと何でもできますよね」

ミア「いや、さすがに何でもはできないよ」

侑「ちなみに作曲以外だと何が専門です?」

ミア「……」

侑「?」

ミア「……作曲だけだよ。ボクの専門は」

侑「そ、そうですか……すみません」

ミア「なんで謝る?」

侑「いや……なんとなく?」

ミア「そうか」ハハハ

侑「……先輩、悩みがあったら力になりますからね!」

ミア「……それは心強いね」

13: 2022/07/17(日) 16:13:14.69
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「ハンバーガー買ってきました!」

ミア「へぇ、気が利くじゃないか」パクッ

ミア「……それで、狙いは?」

侑「ね、狙いなんてそんな……」

侑「た、ただ課題をちょっと見てほしくて……」

ミア「だろうと思ったよ、見せてごらん」

侑「はい! ここのピアノコードなんですけど、なんかしっくりこなくて……」

ミア「どういうイメージで作ったの?」

侑「ゲーム音楽っていう課題だったので、ほのぼの動物ゲームをイメージしてます」

ミア「なるほど……」

ミア「そうだな……ちょっとまとまりすぎてるから、ここで外れた音を出してゆるい雰囲気出すのはどう?」

侑「なるほど……そしたら、ここのメロディも合わせてこんな感じにすると良いですかね」

ミア「良いね、ちょっと弾いてみてよ」

侑「はい!」

侑「~~♪」ポロロン

ミア「……」

侑「~~♪……どうですか?」

ミア「ははっ、ベイビーちゃんにしちゃ上出来だよ」

侑「やったー! ミア先輩のお陰ですよー!」ギュ

ミア「……」ボコッ

侑「……いったーい!」ワーン

ミア「いつも言ってるだろ、暑くるしい」

侑「先輩は厳しいなぁ……」トホホ

14: 2022/07/17(日) 16:15:21.97
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア『ゴホッゴホッ……今日は帰ってくれ』

侑「ミア先輩、授業にいなかったので心配してたんですよ」

ミア『ありがとう……とりあえず今日はキミの面倒は見れないから、帰ってくれるとたすかる』

侑「せ、先輩に迷惑はかけないですって!」

ミア『今日はいるだけで迷惑なんだ』

侑「分かりました……じゃあお見舞いだけ渡させてください」

ミア『ありがとう、玄関でもらうよ……部屋には入るなよ』ガチャ

侑「はい! こちらです」

ミア「たすかるよ……」フラッ

侑「せ、先輩!?」ダキッ

ミア「悪い……体がふらついて……」

侑「……やっぱり私が看病します」

ミア「……いや」

侑「絶対出ていきませんからね」

ミア「……ありがとう、頼む」

15: 2022/07/17(日) 16:19:37.75
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「……」zzz

侑「寝ちゃったか」

侑「ミア先輩の寝顔かわいいなぁ」

侑「……」パシャ

侑「そうだ、先輩が寝てる間に夕御飯を用意しとこう……"侑"だけに」プクク


ミア「……ん」パチッ

ミア「寝ちゃってたか」

ミア「ベイビーちゃんは……さすがにもう帰ったみたいだね」

ミア「あれ、机の上のこれは……」

===

ミア先輩!

夕御飯作っておきました。
早く元気になってくださいね
そしてまた色々教えてください!

ミア先輩のベイビーちゃんより♥

===

ミア「まったく……手が掛かるよホントに」ニコッ

ミア「……へぇ、これが日本で病気の人用に作る料理なのか」

ミア「なんかドロッとしてて気持ち悪いな……」

ミア「……」パクッ

ミア「……Yum」

17: 2022/07/17(日) 16:20:38.54
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「知ってますか? イクラはロシア語でもイクラなんですよ!」ドヤァ

ミア「イクラってなんだ?」

侑「え、あの鮭の卵のことですよ」

ミア「ああ、salmon roeのことか」

侑「へぇ、英語ではそうやって言うんですね」

ミア「ああ。他にも表現はいくつかあるけどね、salmon caviarとか、red caviarとか」

侑「でも全部一語じゃないんですね」

侑「あっ、でもタラコは日本でも言葉2つくっ付けただけだなあ……」

ミア「言語って面白いよな」

侑「はい!」

ミア「何の単語を知ってるかとかじゃなくて、さっきのベイビーちゃんみたいに、言語同士の差とか成り立ちを考えることがきっと一番大事なんだろうね」

侑「さっすがミア先輩、ためになります!」

18: 2022/07/17(日) 16:23:19.90
・ペア作曲編


侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「課題のペア作曲、どうします?」

ミア「ああ、ボクが適当に作っとこうか?」

侑「いや、ダメですよ! 作るからには良いものにしたいし、先生も二人で協力して作るように言ってたじゃないですか」

ミア「はは、ベイビーちゃんは真面目だね」

侑「今回は気合いが入ってるんで!」

ミア「どうしたんだ?」

侑「だってミア先輩と一緒に曲を作るの本当に楽しみで……」

ミア「へえ、ボクについてこれる?」

侑「ふふっ、私だって成長してるんですよ。ついていけるよう頑張ります」

ミア「それは楽しみだ」

19: 2022/07/17(日) 16:24:43.17
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「どうやって曲作り進めましょう?」

ミア「うーん……ボクも他人と一緒に作る経験はほとんどないし……」

ミア「とりあえず方向性を決めようか」

侑「そうですね、どういうのが良いかなー」

ミア「ボクはクールな感じが良いかな」

侑「私も二人で作るならクールな曲が良いなって思ってました! あとは色気のあるメロディも良いですよね」

ミア「そうだね、そしたらKPOPの男子アイドルとかの歌みたいな感じの曲はどう?……ほらこんな感じ」カタカタターン

侑「おお、かなり良い気がします! こういう曲ってなんかコード進行が複雑そうですね」

ミア「よく分かったね、ボクがよく作るような洋楽と比べると、こういう曲は遊び心が入った進行が多いよ」

侑「それじゃあ味を出すのに持って来いですね」

ミア「それはどうかな、ボクは王道なコードでこそ隠しきれない味が出るっていうのもあると思う」

侑「なるほど……たしかに……」

20: 2022/07/17(日) 16:26:15.38
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「ああ、もう少し具体的に曲の場面を決めよう」

侑「えー、何で言おうとしたことが分かったんですか?」

ミア「ベイビーちゃんの考えそうなことくらいお見通し」

ミア「で、どうしようか」

侑「うーん……クール……色気……難しいですね……」

ミア「こういうのは身近なものからイメージを広げていくのが良いよ」

侑「なるほど……」

侑「うーん……」

侑「私たちに身近なものって言ったらやっぱり学校だし……」

侑「そうだ! クールな生徒が先生をドキドキさせちゃうのとかどうですかね?」

ミア「クールなのは先生じゃなくて生徒の方?」

侑「はい! 大人な先生をドキドキさせちゃうクールさと色気を表現できたら面白いかなって」

ミア「……面白い」

侑「え?」

ミア「良いイメージが湧きそうだ、やるねベイビーちゃん」

侑「あはは、照れます」

ミア「……」

侑「ミア先輩?」

ミア「何でもない、早速取りかかろう」

侑「はい!」

21: 2022/07/17(日) 16:27:32.64
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「最初は私が作り始めるので、終わったらレビューしてもらって良いですか?」

ミア「持ち帰ってやるか?」

侑「いえ、ここでできるまでちょっとやってみます」

ミア「わかった、そしたら3時間くらいでキリが良くなるまでボクは寝てるよ」

侑「はい!」

ミア「できたら起こしてくれ」

侑「はーい!」

22: 2022/07/17(日) 16:28:20.37
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「……ん、朝か?」

侑「あはは、違いますよ。イントロのメロディとコード作ってみたので聞いてほしいなと」

ミア「……ああ、そうだった。どれどれ」

侑「……」ドキドキ

~~♪

ミア「うん、悪くない。ボクのイメージにも近いよ」

侑「ほんとです?!」

ミア「ただ、ここのメロディなんだけどもう少し掴みは滑らかにしたいかな。それからコードは反対にここで一癖入れて興味を引きたい」

侑「なるほどなるほど」

ミア「それと……」ペラペラ

侑「お、おお……」

ミア「……悪い、一気に話しすぎた」

侑「いえ、全部しっかりメモりました。ありがとうございます!」

ミア「……そっか。ならok」

侑「じゃあ言われたところ直してみます!」

ミア「ああ、明日楽しみに待ってる」

23: 2022/07/17(日) 16:28:54.06
侑「それなんですけど……先輩、しばらく泊めさせてくれませんか?!」

ミア「は?」

侑「お願いします!」

ミア「嫌だよ、第一寝る場所はどうするのさ」

侑「私は床で寝るので……」

ミア「So crazy......」

侑「先輩……ダメ、ですか……?」ウルウル

ミア「ぐっ」

侑「しぇんぱい……」ウルウル

ミア「……はぁ……分かったよ」

侑「やったー!」

ミア「ただし、今日はちゃんと帰って着替えとか荷物持って来てくれ」

侑「えー、身長同じなんですからミア先輩の服貸してもらおうと思ってたのに」

ミア「図々しいな……。とにかく一旦帰ること!」

侑「分かりました、泊めてもらえるならなんでも言うこと聞きますよ!」

24: 2022/07/17(日) 16:30:14.79
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「……おかえり」

侑「荷物持ってきました」

ミア「明日から来てもらうつもりだったんだけど」

侑「えー? でももう来ちゃいましたよ」

ミア「はぁ……分かった。入って」

侑「おじゃまします」

ミア「それで続きはどうする?」

侑「今からやります! 言われたところは早く直したいので」

ミア「わかった。じゃあボクはまた寝てるから」

侑「はい!」

侑(せっかくのお泊まりだからミア先輩とももっと交流を深めたかったんだけどなぁ……)

侑(ま、でも先輩らしいか)

侑「よし、頑張ろう!」

26: 2022/07/17(日) 16:32:44.55
侑「よしっ! できた!」

侑「やっぱり先輩のアドバイスはすごいなー! 私の書きたい世界をもっとくっきりさせてくれる」

侑「よし! せんぱー……」

侑「……もうこんな時間か」

侑「起こしちゃ悪いよね、じゃあ私も……」

ミア「……起きてるよ」

侑「ミア先輩!? いつの間に」

ミア「そりゃあんだけ大きな声で喜ばれたら起きるだろ」

侑「あっ/// す、すみません……」

ミア「いや、いいよ。元々起きるつもりだったから」

侑「え?」

ミア「ほらベイビーちゃん、聞かせて?」

侑「……はい!」

27: 2022/07/17(日) 16:33:15.69
~~♪

ミア「OK! すごくよくなったよ」

侑「ミア先輩のおかげです」

ミア「まあそうだね」

侑「えーー!?」

ミア「ジョーク。ベイビーちゃんの力がついてきてる証だよ」

侑「……えへへ」

ミア「仕上げはまた全体見てからに回すとして……とりあえず今はここまでで良いかな」

侑「ありがとうございます!」

ミア「それじゃあベイビーちゃんはベッド使ってくれよ」

侑「え? ミア先輩は?」

ミア「今までベイビーちゃんに頑張ってもらったからね」

ミア「……ここからはボクの番」

侑「せ、先輩!?」

ミア「ほら早く横になれよ、明日も授業だろ」

侑「……分かりました。先輩あとは頼みます!」

ミア「……それでいい」

侑(ベッド……あったかいな……♪)

28: 2022/07/17(日) 16:40:34.36
ミア「ベイビーちゃん、ベイビーちゃん」

侑「むにゃ……」

ミア「もう朝だぞ」

侑「あれ……あゆむ……?」

ミア「……」

ミア「ほら、起きろ」ペシペシ

侑「わ、わあ!? ミア先輩!? あっ、そうだ私先輩の家に……」

ミア「……朝御飯は買ってある?」

侑「あっ」

ミア「はあ……カップ麺でいいか?」

侑「くれるんですか!?」

ミア「今日だけだぞ」

侑「ありがとうございます……!」

侑「ちなみに曲はどんな感じですか?」

ミア「Aメロ書いてみたから帰ってきたら聞いて」

侑「わあ……! 楽しみすぎる!」

29: 2022/07/17(日) 16:42:01.68
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「……ん」

侑「当てられてますよ」

ミア「……ああ、答えておいてくれ」

侑「ええ!?」

ミア「……むにゃ」

侑「さすが先輩、マイペース……」

30: 2022/07/17(日) 16:44:51.03
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「さっそく先輩の書いた部分聞かせてください!」

ミア「ほら」イヤホンヒョイ

~~♪

侑「わあ……さすが先輩。私のイメージより良いです!」

ミア「ふふん、当たり前だろ」

侑「……でも」

ミア「ん?」

侑「ここにこういう音入れてみたいなぁ……」

ミア「……」

侑「あっ、ごめんなさい! 生意気ですよね」

ミア「いや……良いかもしれない」

ミア「ここがこうで……これで……」ブツブツ

侑「ミア先輩……?」

ミア「悪い、ちょっと作り直すから待っててくれ」

侑「は、はい!」


ミア「……っし。こんなもんかな」

ミア「ごめん、ベイビーちゃん、待たせたね」

侑「……」zzz

ミア「おっと、もうこんな時間か……ごめんよ、待たせすぎた」サラッ

ミア「……あれ、机の上にカ□リーメイト置いてある」

ミア「……ベイビーちゃんかな」

31: 2022/07/17(日) 16:48:29.92
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「……ん、べいびーちゃん?」

侑「朝ですよ」

ミア「……ん」

侑「布団被らないでくださいよー」

ミア「ん」

ミア「……なんか良い匂い」

侑「えへへ、照れますよー///」クネクネ

ミア「キミじゃない」

侑「あ、お味噌汁作ったんです! インスタントですけど」

ミア「ああ、その匂いか」

侑「先輩のも作りましたよ、食べてください!」

ミア「ん、わかった。いただくよ」

ミア「……向こうではあまりない味だけど落ち着く味だね」

侑「ですよね! あ、先輩が良ければ毎日作りに来ますよー?」

ミア「いや、毎日は来ないでくれ」

侑「くぅー、お味噌汁作戦、失敗!」

32: 2022/07/17(日) 16:50:24.56
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「昨日作ってた部分、今朝こっそり聞いたんですけど……」

ミア「ああ」

侑「さいっこうにトキメキましたっ!!」

ミア「はは、そうだろ」

侑「さっそくこの続き私が作っても良いですか?」

ミア「ああ、お願い」

侑「あとミア先輩、今日はベッドで寝てくださいね。昨日は私が寝ちゃったせいで床で寝させちゃったので……」

ミア「心配しなくてもずっとそのつもりだよ。ベイビーちゃんに取られなければね」

侑「も、もう! ……その、ごめんなさい」

ミア「はは、気にするなよ。ベイビーちゃんのしたことにいちいち怒ってたら大変だろ?」

侑「うーん、それはなんか複雑……」

ミア「そうだ、寝るまでの間今日は横で一緒に見てて良いか?」

侑「え、はい、良いですけど……」

ミア「邪魔?」

侑「いや、そうじゃなくて……やっぱり私の作曲じゃ信頼できないですか……?」

ミア「ははははは、違うよ」

侑「え?」

ミア「最近のベイビーちゃんはすごく成長してるよ」

侑「じゃあなんで」

ミア「だからしっかりその成長度合いを一回見てみたいと思ってね」

侑「……頑張ります!」

ミア「楽しみにしてるよ」

ミア(それにボクもベイビーちゃんから学びたい部分があるから、ね)

33: 2022/07/17(日) 16:52:13.10
侑「うーん……ここは……こうかな?」

ミア「……」

侑「で、ここはこういう感じで……」

侑「いや、やっぱりこっちかな」

侑「良い感じ」

侑「ここからはちょっと盛り上げたいから……」

侑「うーん……」

ミア「こんなフレーズはどう?」ポロロン

侑「いいですね!」

侑「もうちょっと滑らかに繋ぐためにここをこう変えて……」ポロロン

ミア「Excellent」

侑「ここは一旦溜めたいから……」

侑「……こう!」

ミア(……まだまだ未熟なのに、曲がすごく色づいている。ベイビーちゃんらしいね)

侑「ここはー……うーん……」

侑「……」

侑「ぐぐぐぐ……」

侑「わーー、ミアせんぱーい!」

ミア「……あははっ」

侑「何がおかしいんですか?」

ミア「いや、なんでもないよ」

ミア「それより……そこならボクだったらこういう感じにやるかな」ポロロン

侑「へぇ……収まりが良くなりましたね。勉強になります」

ミア「ふふ、まだまだ吸収してくれ」

34: 2022/07/17(日) 16:53:04.83
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「ん?」

侑「もう遅いですし先輩は寝てください」

ミア「ベイビーちゃんは?」

侑「もう少し先輩に言われたとこ意識して進めてみます」

ミア「ok。無理するなよ」

侑「はい!」


侑「よーし、こんなもんかな」

侑「……ミア先輩、ぐっすり寝てる」

ミア「……」zzz

侑「ふふ、可愛い」ナデナデ

侑「さ、私も寝ないと……」

35: 2022/07/17(日) 16:55:08.46
侑「ミア先輩、ミア先輩!!」

ミア「……なんだ? もう朝か?」

侑「やばいです! 寝坊しました!」

ミア「Really!? What time is it!」

侑「8時10分です……」

ミア「……まだ間に合うだろ、急ぐぞ!」

侑「は、はい!」


ミア「はぁはぁ……あとすこし」

侑「ギリギリでしたね……」

女子生徒「うぅ……」シャガミ

侑「! あれは一年生……?」

侑「あ、あの大丈夫?」

女子生徒「う……」

ミア「お、おいベイビーちゃん」

侑「具合悪い?」

女子生徒「ちょっとお腹が痛くて……うっ……」

侑「それは大変だよ。今まで良く頑張ったね。歩ける?」

女子生徒「は、はい、なんとか」

侑「そっか。じゃあ肩貸してあげるから一緒に保健室行こ?」

女子生徒「い、良いんですか?」

侑「もちろん」

侑「ごめんなさいミア先輩、先に……」

ミア「はぁ……先輩が後輩を見捨てるわけないだろ。……ほらボクにも肩貸して」

女子生徒「ありがとうございます……!」

侑「先輩……!」

ミア「まあボクはそもそも別に遅刻とかどうだっていいから」

侑「もう、かっこつけちゃって」

ミア「うるさい」

36: 2022/07/17(日) 16:55:53.26
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「なんだ?」

侑「ひどくないですか、今時廊下に立たせるなんて……」

ミア「ああ、まさか大学生になってから立たされる経験をするとは思わなかった」

侑「ごめんなさい……」

ミア「なんで謝るんだ? ベイビーちゃんは悪くないだろ」

侑「でもお泊まりでミア先輩に迷惑かけてるし……」

ミア「ボクはキミより先輩だよ、ちゃんと自分でメリットとデメリット考えて選んでるし自分で責任はとるさ」

ミア「だから信頼してほしいな」

侑「……そうですね、思い上がりでした」

ミア「だからキミはこれからも思いのまま行動すれば良いよ」ニコッ

侑「せっ先輩……!」ダキッ

ミア「あつくるしい」ゲシッ

侑「いっっっった!!」

ミア「ほら、こんな風にちゃんとあしらってあげるからさ」ニカッ

侑「そんなぁ~~!!」

37: 2022/07/17(日) 16:59:48.07
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「ん?」

侑「今日はどういう感じで進めましょう?」

ミア「あぁ、今日は……軽く今までの通して確認しつつ早めに寝よう」

侑「え?」

ミア「最近頑張りすぎだろ、休憩も大事」

侑「えー?ミア先輩がそれ言うんですか?」

ミア「ああ。今回はボク一人じゃないからね。こういうのはちゃんと歩調を合わせないと上手く行かない」

侑「ミア先輩……!」

ミア「まあ、もちろん実力を合わせるために手を抜く気はさらさらないけどね」

侑「えへへ、任せてください!」

侑「よーし、たくさん休むぞー!」

38: 2022/07/17(日) 17:01:38.02
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「ん?」

侑「いいんですか? ベッドまた借りちゃって……」

ミア「昨日はたくさん使わせてもらったから、キミもしっかり休んでくれよ」

侑「でも……」

ミア「じゃあおやすみ」

侑「ちょ、先輩!?」

侑「……あの、先輩」

ミア「ん」

侑「やっぱり……一緒にベッドに入りませんか?」

ミア「What!? 何言ってるんだよ」

侑「だって、先輩にもしっかり休んでほしいし……それに……一緒に寝たらもっと仲良くなってより良い曲が書ける気がしませんか!?」

ミア「……しないね」

39: 2022/07/17(日) 17:02:33.22
侑「うぅ……でももう私は決めましたよ!」

ミア「何を」

侑「先輩が一緒にベッドに来てくれないなら、私が一緒に床で寝ます」

ミア「はぁ?」

侑「……もう何を言っても無駄ですからねー」ゴソゴソ

ミア「はぁ……わかったよ、ベッドで寝ればいいんだろ?」モゾモゾ

侑「えへへ」

ミア(……せまい)

侑「一緒に寝てくれて嬉しいです」ギュッ

ミア「お、おい! 寝ながら抱きつくのはやめろ///」

侑「先輩……だめ……?」

ミア「ぶっ……!///」

ミア「だめ!/// くっついてくるならボクは寝ないからな!」

侑「ちぇっ、わかりましたよー」

侑「……それなら背中くっつけるくらいは良いですか?」

ミア「……それくらいなら」

侑「やったー」ピト

侑「背中は預けますよ、先輩」キリッ

ミア「はいはい、さっさと寝てくれ」

侑「はーい♪」

40: 2022/07/17(日) 17:06:44.17
ミア「んっ……朝か……」

ミア「?」

ミア「体が……動かない……?」

ミア「もしかしてold hagか?」チラッ

侑「……zzz」ギュー

ミア「……なんだ、baby hagか」

ミア「ほら、くっつくな。起きろ」ゲシゲシ

侑「ぐへっ」

侑「あ、朝から暴力なんてひどいですよ~~」

ミア「さっさと起きろ、出掛けるぞ」

侑「え? 出掛ける? 曲は?」

ミア「今日は夕方まで休みにしてリフレッシュしよう」

侑「いいんですか?」

ミア「ああ。その代わりそこからは休みなしになるけどね」

侑「ひえっ」

ミア「だからしっかり気持ちを充電しに出掛けよう」

侑「行きます!」

侑「あ、でも……」

ミア「ん?」

侑「私外用の服制服しか持ってきてないですよ。しかも昨日洗っちゃったし……」

ミア「……パジャマで家までダッシュするしかない」

侑「えーー?!」

ミア「……」

侑「あっ、そうだ。そしたら最初計画してたみたいに先輩の服借りればいいじゃん!」

ミア「は?」

侑「お願いします、ね?」

ミア「嫌だ」

侑「でも先輩が急にお出掛けなんて言うから……」

ミア「……はぁ、今日だけだよ」

侑「あはは、やったー」

42: 2022/07/17(日) 17:11:46.53
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「なんだ?」

侑「似合ってますか?」

ミア(元々キリッとした顔立ちだからボーイッシュな服装が映えるし、その細い手足がビッグシルエットの服から伸びているのも正直……)

ミア「……良く似合ってる」

侑「えへへ、ありがとうございます」

侑「こうやってお揃いで歩くと仲良しみたいでいいですよね」

ミア「そう見えるのか?」

ミア(そういえば確かにさっきから周りから良くみられているような……)

侑「照れてますー?」

ミア「まさか」ムッ

侑「ほんとかなぁー」ニヤニヤ

ミア「……そしたらさ」

侑「?」

ミア「こうやって腕組んだらもっと仲良しに見えるのかな?」ガシッ

侑「えっ!?///」

ミア「ふふっ、照れてるのか?」

侑「先輩……それはずるいですよ……///」ボソッ

ミア「ん?」

侑「なんでもありませーん♪」ギュッ

ミア「うわ、腕に抱きつくな。歩きにくいだろ」

侑「えー、先輩からしてきたくせに……♥」

ミア「……そこの曲がり角までだぞ」

侑「はーい♪」

43: 2022/07/17(日) 17:13:53.60
???「あっ、あれは……」

???「おーい、せんぱーい!」

侑「あっ、かすみちゃん!」

ミア「……」

かすみ「えへへ、お休みの日に先輩に会えるなんてかすみんラッキーですぅ♪」

侑「あはは、私もラッキーだよ」ナデナデ

かすみ「えへへ~、……いけない買い物に急がないと!」

かすみ「それじゃあお邪魔しました~」フリフリ

侑「またねー!」

ミア「今のは確か……」

侑「同好会のかすみちゃんですよー。えへへ、可愛いでしょう?」

ミア「……キミはああいう子犬ちゃんみたいなのが良いのか?」

侑「?」

ミア「……なんでもない、行こうか」

侑「は、はい!」

44: 2022/07/17(日) 17:24:58.03
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「ん」

侑「今日は楽しかったです」

ミア「ああ、ボクも楽しかったよ。やっぱりベイビーちゃん見てると飽きないね」

侑「そ、そんな……照れますよー///」

ミア「褒めてないけど」

侑「あはははは」

ミア「ふふっ」

侑「あーー!」

ミア「どうした?」

侑「写真撮ってない!」

ミア「そういえばそうだね」

侑「ツーショット撮りましょ、先輩なんかカッコいいポーズして!」

ミア「え、は?」

侑「ほら、撮りますよーはいチーズ」v

ミア「か、カッコいいポーズ……」✓

パシャッ

侑「あはは、ミア先輩良いポーズw」

ミア「ははっ、まあね」

ミア「せっかくだからボクのスマホでも撮らせてよ」

侑「はい!」

ミア「じゃ、くっついて」グイッ

侑「えへへ」

ミア「Say cheeeze!」

侑「cheeeeze!」

Snap!!

45: 2022/07/17(日) 17:28:20.47
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「なんだ?」

侑「おかえりなさい?」

ミア「な、なんだよ」

侑「ミア先輩、こっちに来てから一人ですよね? たまにはこうやってお出迎えがあったら嬉しいかなーって」

ミア「……」

侑「♪」ニコニコ

ミア「……ただいま」

侑「はい、おかえりなさい♪」

ミア(なんでだろうね、ここに来るよりずっと前、ステイツにいたときより今が一番居心地が良いのは……)

46: 2022/07/17(日) 17:30:09.67
侑「せんぱーい」

ミア「ん?」

侑「今日はどういう感じに進めましょうかー」ダラーン

ミア「今日はサビ作って、このまま明日には全体を作ってそこから調整していこう」

侑「ついに来ましたね!」

ミア「ああ、それじゃあやるぞ!」

侑「おー!」


次の日

ミア「うーん、ここはこうで……ここは……」

侑「ミア先輩、晩御飯買ってきましたよ。ほらあーん」

ミア「ありがとう」パクッ

ミア「いや、ここの音は……」ブツブツ

侑「ふふっ」


さらに次の日

侑「あっ、ここはこんな感じがいいかも!」ベチョベチョ

侑「あれ? もしかしてこれも良いんじゃ……」

ミア「……髪くらい乾かしてからやれよ」ブオオオオオ

侑「あ、ありがとうございます先輩」

侑「あっ、また思い付いちゃったかも!」ブツブツ

ミア「ベイビーちゃんはほんとに作曲バカだなぁ……」ブオオオオオ

47: 2022/07/17(日) 17:31:50.41
さらにさらに次の日

ミア「ぐう……な、なんとか全体整った……」

侑「や、やりましたね……」

ミア「ベイビーちゃん……ボクのやったとこチェックしてみてくれ」

侑「は、はい! 任せてください!」

侑(先輩がすすんでチェックを任せてくれるなんて!)

侑「……あっ、こことここ、こういう方がいいかも」

侑「ここはこういうやり方もあるんだ、すごいなぁ……」ブツブツ

ミア「ははっ、これだけやってまだまだbrush upさせる気力、大したもんだよ」

侑「先輩、ここお願いします!」

ミア「……先輩として期待に応えないとね。任せてよ」

侑「はい!」

ミア「それからベイビーちゃんのやったとこ、チェックつけといたから確認して」

侑「は、はいっ!」

侑「……好きだなぁ」

ミア「……!?」

侑「私、ミア先輩にチェックしてもらうの大好きです」

ミア「あ、あぁ……なんだ」

侑「いつもワクワクときめいちゃうんですよ」

侑「先輩は私のこと全部知ってるかのように、私の知らないことたくさん教えてくれるから」

侑「えへへ、今回も楽しませてもらいますね」

ミア「……ん」

48: 2022/07/17(日) 17:34:00.65
ゆうミア「できたーーー!」

侑「やり遂げましたね……」

ミア「ああ……悔いはないよ」

侑「せ、先輩! 氏んじゃだめです!」

ミア「いや、氏なないけど……」

ミア「……楽しかったよ。ベイビーちゃんと一緒に作るの」

侑「先輩?」

ミア「キミにはボクには見えない景色が見えてるし、ボクはキミを見ることでボク自身を見つめ直すこともできた」

ミア「素敵な景色をありがとう」

侑「先輩……!」

侑「……やっぱり氏ぬんですか?」

ミア「いや氏なないって言ってるだろ」

侑「だって氏亡フラグみたいなこと言うから……」

ミア「氏亡フラグ……?」

侑「あはは、まあでも先輩にそんなに想ってもらえてすごく嬉しいです」

侑「私も先輩ラブですよ?」

ミア「いや、そこまでは言ってない」

侑「がーん!」

ミア「口で言うな」

侑「あははははは」

ミア「ふふふふふ」

49: 2022/07/17(日) 17:36:18.08
侑「先輩」

ミア「ん」

侑「……その、また一緒に曲作ってもらえますか?」

ミア「それはどうしようかな」

侑「えぇ?!」

ミア「はは、ジョークジョーク。たまにならいいよ」

侑「約束ですよー?」

ミア「ああ」

侑「……それと」

ミア「ん?」

侑「実は今回の曲の歌詞をこっそり作ってみました!」

ミア「へえ、やるじゃないか。見せてよ」ズイッ

ミア「……良い歌詞だ」

侑「えへへ」

侑「あの……それで……えっと……」

ミア「……」ウツムキ

侑「いや……なんでもありません」

ミア「そうか……」

侑「そ、そうだ、曲完成のお祝いに二人で焼き肉行きませんか!?」

ミア「花の女子高生二人が? 焼き肉?」

侑「あ、いまいちでしたか?」

ミア「その逆さ、最高だね。すぐに行こう」

侑「やったー!やきにくやきにくー♪」

ミア「Foooooooooo!!」

侑(いつかこの歌を、先輩と二人で歌えたら良いな♪)


ペア作曲編 完

50: 2022/07/17(日) 17:38:43.78
※このとき二人は徹夜のしすぎで深夜テンションでした

51: 2022/07/17(日) 17:41:09.96
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「私と先輩ってどっちが胸大きいですかね」

ミア「……なんかこの感じ久しぶりだな」

ミア「当然ボクの方が大きいよ」

侑「えー、そうですかね」

ミア「比べるまでもない」

侑「確かに……バストも……ヒップも先輩の方が……」ジロジロ

ミア「……なんか目付きがいやらしい」バッ

侑「そ、そんなことないですよ!」

侑「でもやっぱり納得行きません!」

ミア「はあ?」

侑「触って比べましょう!」ジュルッ

ミア「……」

侑「……」

ミア「……」ゲシッ

侑「いった!!」

52: 2022/07/17(日) 17:42:13.18
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「ん?」

侑「なんでナチュラルに私の胸触ってるんです?」

ミア「そりゃベイビーちゃんが言い出したんだろ、どっちが大きいか触って比べようって」

侑「それだったら私もミア先輩の……」

ミア「ベイビーちゃんはだめだ」

侑「なんで?!」

ミア「目が工口だから」

侑「ず、ずるいですよ! 私だって!」

ミア「うわ、急に押すなよ!」

侑「えへへ、先輩を下敷きにしちゃいました。行きますよー!」

ミア「や、やめろ!」

侑「ふふ……」サワッ

ミア「あっ……///」ビクッ

侑「え?」

ミア「……」

侑「……いや、その……ごめんなさ……」

ミア「……覚悟はできてるよね?」バサッ

侑「さ、さっきと立場が逆転……」

ミア「……おしおきだよ」ワシワシワシワシ

侑「ぎゃああああああああああああ!!!!」

53: 2022/07/17(日) 17:43:20.06
侑「ミアちゃん、ミアちゃん!」

ミア「!?」

ミア「せ、先輩はどうしたんだよ、ベイビーちゃん」

侑「えー、だってミアちゃんはミアちゃんだもん」

ミア(敬語もなくなってるし……)

ミア「……はあ、で、用件は?」

侑「そうそう、新しいライブの曲作ってみたから聞いて欲しいんだ!」

ミア「……ちょっと頭痛いからあとにしてくれ」

侑「ええ?! 大丈夫、熱あるんじゃない?」ピタッ

ミア「お、おい、いきなりおでこくっつけるな」

侑「……ちょっと熱いかも」

侑「一緒に保健室いこ。歩ける?」

ミア「だ、大丈夫だって」

侑「もうミアちゃん、ちゃんと体大事にしないとだめだよ」

ミア「いや……」

侑「ミアちゃんに何かあったら私……私……」

ミア「ベイビーちゃん……」

侑「誰に曲作り助けてもらえば良いのー!?」

ミア「は?」

侑「あはは、半分冗談だよ」

ミア「半分かよ」

ミア「まったく、キミは敬語なくなっても変わらないな……」


ミア「……ん、夢か」

ミア「こっちのベイビーちゃんも悪くないな……なんて」フフッ

54: 2022/07/17(日) 17:43:52.55
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだよ」

侑「ふふふ、驚かないでくださいよ」

ミア「もったいぶるなよ」

侑「えへへ、見てください! シンセサイザーのプラグイン買っちゃいました!」

ミア「へー、ちょっと聞かせてよ」

侑「いいですよ、ほら」

ミア「……うん、良い音だ」

侑「くぅー、ですよねっ!」

ミア「こういうの、高校生には高いだろ」

侑「はい……お年玉に手を出しちゃいましたよ……」

ミア「お年玉?」

侑「お正月に親戚からもらうお金のことです」

ミア「へえ、大事なお金なんだね」

侑「でも後悔はしてませんよ!」

侑「これからもっと良い曲つくるぞー!」

ミア「はは、それは楽しみだ」

55: 2022/07/17(日) 17:44:57.05
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「ん?」

侑「ひー、外暑くて氏にかけましたよ」

侑「そうだ、氷作っといてくれました?」

ミア「ああ……言われた通り準備したけど……なにするんだ?」

侑「えへへーかき氷器持ってきました」

ミア「You are genius! 珍しく良いことするじゃないか」

侑「ふっふっふ、さっそく作りますよ」シャリシャリシャリ

侑「はい、一丁お待ち!」

ミア「ありがとう」

ミア「ところでシロップは?」

侑「あ」

ミア「おい」

侑「あはは……砂糖水で食べましょ……」


ゆうミア「……うまっ」

56: 2022/07/17(日) 17:46:00.15
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「なんだ?」

侑「あの……告白されました……」

ミア「へぇ、告白かぁ……告白!?」

ミア「ジョークだろ?」

侑「これが、ジョークじゃないんですよ……///」

ミア「相手は?」

侑「普通科の頃の友達です……」

ミア「……」ギュッ

侑「せ、先輩……?」

ミア「……受けるのか?」

侑「私こういうの慣れてなくて……ミア先輩にアドバイスもらおうかなって……モテそうだし」

ミア「ま、まあね。……ベイビーちゃんはどうしたいんだ?」

侑「うーん、嫌いな子じゃないんですけど、やっぱりそういうのって分からなくて……」

ミア「なんとなく分かったよ」

侑「アドバイスください!」

ミア「ああ。でもボクが言えるのは『じっくり考えてやれ』、それだけだね」

侑「……そうですよね」

ミア「……あんまりボクが何か言うのはフェアじゃないから」ボソッ

侑「え?」

ミア「なんでもない。というかボクの方が年下なんだけど、自覚ある?」

侑「えへへ、つい先輩頼っちゃいました……」

侑「よし、いっぱい考えます!」

ミア「ああ」

侑「ところで先輩、離してくださいよー」

ミア「……もう少しだけ」

57: 2022/07/17(日) 17:47:10.38
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「ん」

侑「……聞かないんですか?」

ミア「……」

侑「……お断りしてきました」

ミア「!」

ミア「……そうか」

侑「泣いてました、相手の子」

ミア「……」

侑「つらいですね、人の大好きを受け入れてあげられないのって」

ミア「ああ」

侑「私、同好会の活動が大切で、先輩とのこの時間も大切で、だから他のことにあんまり時間を使えなくて……」

侑「だから……」

ミア「……よく、がんばったな。ベイビーちゃん」ナデナデ

侑「っ!」

侑「……」ギュッ

侑「うぅ……うう……ヒック……」ポロポロ

ミア「……」

侑「うぅ……私には……泣く資格なんて……ないのに……」ボロボロ

ミア「……それがベイビーちゃんの良いところだよ」

侑「そんなこと……ないですよ……ウク……」ボロボロ

ミア「……」ヨシヨシ

侑「うわぁぁぁぁん!」ボロボロボロ

ミア(まったく、今だけだからな)ギュッ

58: 2022/07/17(日) 17:49:08.73
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「スクールアイドルのエOチな歌見つけたんですよ!」

ミア「は? 聞き間違えか?」

侑「スクールアイドルのエOチな歌見つけたんですよ!」

ミア「聞き間違えじゃなかったか……ちょっと前までのナーバスなベイビーちゃんはどこに行ったんだ……」

侑「いつまでもナーバスじゃいられませんからね!」

ミア「その前向きさを無駄遣いするな」

ミア「第一スクールアイドルだろ? そんなのあるわけない」

侑「じゃあちょっと聞いてみてくださいよ~」

ミア「わかったよ」

侑「はいこれです!」フンス

~~♪
君の激しさ届く
そう繋がりたい今のすべて
~~♪

ミア「……」

~~♪
Carnival 止まらない無理だよ Carnival 感じ続けて
私、君と君のパッション離さないよ
Say yes,Come on!!
~~♪

ミア「……確かにこれは」

ミア「……かなりセクシー、だね」

侑「ですよねー! 私も昨日見つけてドキドキしちゃいました!」ドヤァ

ミア「ドヤ顔で言うことじゃないだろ……」

侑「そうやってクールなふりしてますけどミア先輩顔赤いですよー?」

ミア「!///」バッ

侑「なーんて冗談です」ニヤニヤ

ミア「はめたな……!」

侑「いやー、やっぱりミア先輩は話が分かりますね!」

ミア「その言葉、一番嬉しくないタイミングだよ……」

59: 2022/07/17(日) 17:50:19.31
侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「……聞いたよ、ランジュ帰国するんだってね」

侑「そうなんです! 一体どうしたらいいか……」

ミア「任せろ。ボクの最高の曲でランジュを連れ戻す」

侑「ほ、本当ですか!? でもなんでそこまで……」

ミア「……ボクにはランジュが必要なんだ」

侑「え? それってどういう……」

ミア「なんでもない」

侑「……」


ミア「ふう、完成だ」

侑「見せてください!」

侑「……これって」

ミア「どうかしたか?」

侑「……いえ、素晴らしい曲だと思います」

ミア「だろ。さっそくあの頑固娘を連れ帰ってくるよ、ふふ」

侑「……」

60: 2022/07/17(日) 17:53:18.05
侑「ミア先輩……」

ミア「……笑いに来たのか?」

侑「そんなこと!」

ミア「笑えよ! 情けないよな、あんなに自信満々で曲を渡しに行ったのにランジュには全然響かなかった」

ミア「ボクの曲なんて結局その程度だったのさ」

ミア「ただ無難に万人受けするだけで、誰かの心を動かしたりなんてできない」

ミア「その程度の音楽しかボクにはできない、そうだろ!?」

侑「そんなことない!」

ミア「キミに何が――」

侑「分かります! だって……」

侑「だって私は先輩の曲に心を動かされた人だから」

ミア「っ! 上っ面だけのお世辞なんていらないんだよ!」

侑「私は先輩の曲と出会ったから私らしい曲を書けるようになりました」

侑「先輩の曲があったから私はランジュさんの魅力を知りました」

侑「先輩の曲を聞いたからもっとたくさん曲を書きたいって思いました」

ミア「そんなの……」ポロ

侑「そんなのなんて言わないでください」

侑「私にとっては全部とっても大切なものなんです」

ミア「あ……」ヒック

侑「だから先輩、泣かないでください」

ミア「な、泣いてなんか!」ポロポロ

侑「ほら、拭いてあげますから」フキフキ

ミア「やめ、さわるな!」ポロポロ

侑「先輩は私の涙を受け止めてくれましたから、今度は私の番です」ギュッ

ミア「うう……やめろ……ボクは泣いたりなんてしない……」ポロポロ

侑「……はいはい」

61: 2022/07/17(日) 17:55:01.53
ミア「すぅ……すぅ……」

侑「寝ちゃった」

ミア「……マム……」

侑「先輩……そうだよね、まだ14歳だもん。寂しいですよね……」ナデナデ



ミア「……ん」

侑「あ、起きました?」

ミア「あ」

ミア「っ~~~///」

ミア「ベイビーちゃん、さっきのは忘れてくれ!」

侑「忘れませーん♪」

ミア「なっ! あ、あれは動揺しただけなんだよ、ボクはもっとcoolなんだからな」

侑「わかってますよ~。でもたまにはああいう先輩も見せてくださいね」

ミア「……たまに、ね」

侑「ふふっ」

ミア「はぁ……」

ミア「ところでランジュはどうする? 正直ボクにはもう何もできることがない」

侑「私にいい考えがあります」

ミア「へえ、聞かせてもらおうじゃないか」

侑「先輩の曲を使うんです」

ミア「はああああ!?」

62: 2022/07/17(日) 17:57:09.74
ミア「ボクの曲を使うってどういうことだよ。もうそれは失敗しただろ」

侑「それはあの曲がランジュちゃんの曲じゃなかったから」

ミア「あれがランジュの曲じゃない……?」

侑「はい。あの曲は」

侑「"ランジュちゃん"と"みんな"の曲です!」

ミア「!?」

ミア「ちょっと待ってくれ、もう一回譜面を確認する」

侑「どうぞ」

ミア「……本当だ。これはランジュの曲じゃない」

ミア「なんで……」

侑「それは、ミア先輩が誰よりもランジュちゃんのことを分かっているからじゃないですか?」

ミア「……そっか、そういうことか」

侑「はい!」

ミア「よし、そうとなったら曲を作り直さないと。あと2日……なんとか間に合う!」

侑「待ってください」

ミア「なんだよ、もう時間がない」

侑「ミア先輩がランジュちゃんにこだわる理由、やっぱり聞かせてもらって良いですか?」

ミア「……」

侑「同好会のみんなに協力してもらうためにも、先輩の気持ちが知りたいです」

ミア「……わかった。パートナーだもんな」

63: 2022/07/17(日) 17:59:44.98
ミア「ランジュはすごい奴だ」

侑「はい」

ミア「あいつのパフォーマンスはたくさんの人を魅了する」

ミア「そんなあいつにボクの曲を歌ってもらえばボクの居場所ができる」

侑「居場所……?」

ミア「ボクの実家、テイラー家は有名な音楽一家だってのは知ってるだろ?」

侑「えーー!? そうだったんですか?!」

ミア「……まあいい、とにかくボクの生まれは音楽、特に歌の名門なんだ」

ミア「でもボクは歌えない」

侑「……」

ミア「いや、正確には歌えなかったんだ」

侑「歌えなかった……?」

ミア「昔はボクもただ家族と一緒に楽しく歌ってたさ、家族と一緒にステージで歌うのが夢だった」

ミア「でも、初めて一人ステージに上がった日、ボクは歌えなかった」

ミア「テイラー家に生まれた娘にかけられる期待の眼差しの数、その重さをそこで初めて知ったんだ」

ミア「情けないことにね、ボクはもうステージに上がれなくなった」

侑「そんな……」

ミア「はは、でもそんなことで挫けるボクじゃない」

ミア「ステージに上がらなくてもボクはテイラー家としてやっていけるんだ、そう証明するために氏ぬ気で作曲に励んだ」

ミア「それが今のボク」

侑「……さすが、先輩です」

64: 2022/07/17(日) 18:02:02.36
ミア「ありがとう。で、そんなボクの曲を世に広め続けるためにボクにはランジュが必要だって」

ミア「そう思い込んでた」

侑「!」

ミア「でもボクは本当はただ、アイツを救いたかっただけなんだ」

ミア「自分には無理だって夢を諦めたボクだからこそ、諦めようとしているアイツの気持ちが誰よりも分かるから、だから助けたかった」

ミア「はは、何言ってんだよって感じだけどさ」

侑「……やっぱり私、先輩のこと好きだなあ」

ミア「な、なんだよ急に、気色悪いな」

侑「えへへ。話してくれてありがとうございます」

侑「同好会も本気でランジュちゃんと向き合います!」

ミア「ああ、頼む!」

65: 2022/07/17(日) 18:03:20.10
侑「ランジュちゃん!」

ミア「ランジュ」

ランジュ「何よ、今更もう何を言っても無駄よ」

ミア「何も言わないさ、ただこれ」ホイ

ランジュ「これ、この前の曲......? いや、ちょっとちがうわね」

ミア「じゃあ、あとは頼んだよ、同好会」


歩夢「ランジュちゃん」

愛「ランジュ!」

せつ菜「ランジュさん!」

かすみ「ショウ・ランジュ!」

璃奈「ランジュさん」

しずく「ランジュさん」

彼方「ランジュちゃん」

エマ「ランジュちゃんっ」

果林「ランジュ」

栞子「……ランジュ」

~~♪

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会「「「一緒に歌って!」」」

ランジュ「っ......!」

66: 2022/07/17(日) 18:06:15.94
侑「ミア先輩、ミア先輩」

ミア「いいのか、こんな端っこにいて。まだランジュの同好会入部歓迎パーティの途中だろ」

侑「だからですよ」

ミア「?」

侑「やっぱり私、もう一人同好会に入って欲しい人がいるんです」

ミア「……そういうことか、いいよ」

ミア「作曲も一人じゃ大変だろ」

侑「それもありますが、違います」

ミア「……」

侑「私、ミア先輩に同好会で歌って欲しいんです」

ミア「……やっぱりそう来るか、でも」

侑「これ、どうぞ」

ミア「これは……?」

侑「先輩がランジュちゃんのために曲を作ってる間に準備しました。先輩のための曲です」

ミア「……すごくいい曲だ、歌いたいと心から思う」

ミア「だけど……」

侑「テイラー家のプレッシャーを私が肩代わりしてあげることはできません」

侑「でも……」ギュッ

ミア「!」

侑「怖いときは私が先輩の手を握ります」

侑「苦しいときは私が先輩の胸をさすります」

侑「嬉しいときはいっしょにはしゃぎます」

侑「寂しいときは私がバカな話を持って来ます」

侑「だから、もう一度踏み出してみませんか――私と一緒に!」

67: 2022/07/17(日) 18:07:23.53
ミア「っ!」

ミア「はぁ……」

侑「先輩……?」

ミア「……ベイビーちゃんにそこまで言われて逃げたら、それこそテイラー家どころかステイツ生まれの恥だね」

侑「それじゃあ……!」

ミア「ああ、やってみるよ」

侑「やったあああああああああああ、せんぱあああああい!」ギュウウウウウ

ミア「お、おい」

侑「わああああああん」ベショベショ

ミア「うわ、なんでキミが泣いてるんだよ! 濡れるだろ、離れろ!」

侑「だって~~~!!」ビエーン

ミア「まったく、ベイビーちゃんはボクがいないとダメだな」ハハ

68: 2022/07/17(日) 18:08:55.90
侑「ミア先輩」

ミア「ん」

侑「ステージに上がってください」

ミア「は?」

侑「さっそく先輩のステージお披露目しましょう」

ミア「い、いま?!」

侑「今です」

ミア「わかったよ」

ミア(ステージへ……)

ミア「……」

ミア「……悪い、やっぱり怖い」

侑「それじゃあ私が手を握らないとですね」ギュッ

ミア「だめだ、やっぱり……」

侑「先輩、目瞑ってください」

ミア「わかった……」ギュッ

侑「ふぅ~」

ミア「ひぁっ!」ゾクゾク

ミア「Screw you! 何するんだ!」

侑「緊張解けましたよね?」フフ

ミア「確かに……」

侑「もう一回目を瞑ってください」

ミア「?」

侑「私がステージまでエスコートします」

ミア「……頼む」

69: 2022/07/17(日) 18:11:46.89
侑「ミア先輩、つきましたよ」コソコソ

侑「まだ、目を開けなくて大丈夫ですから、歌ってください」コソコソ

侑「手は握ったままですから」コソコソ

ミア(ありがとうベイビーちゃん)ギュッ

ミア「すぅ~~~......」

ミア「~~♪」

侑(すごい……これが先輩の歌声……奇麗……)

侑(みんなはどんな顔で聞いてるんだろう)

侑(!)

侑(ふふ、やっぱりみんななら)

ミア「~~♪……」

侑「先輩、目を開けてください」コソコソ

ミア「……」パチリ

ミア(ランジュ、栞子、璃奈、子犬ちゃん、それにみんなの笑顔)

ミア(あったかい。心がポカポカする)

ミア(ボクにとって観客は恐怖の対象だった)

ミア(でもやっとわかったよ、これが観客から力をもらうってことなんだな)

侑「ふふ、最高のメンバーでしょう?」コソコソ

ミア「ああ」

侑「いけそうです?」

ミア「……」コクリ

ミア「伴奏を頼む」

侑「! はい!!」

ミア「うるさい……まあ今日くらいは、いいか」ニコッ

70: 2022/07/17(日) 18:16:51.30
―――
――


侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「なんだ?」

侑「久しぶりに背比べましょうよ!」

ミア「はあ? 久しぶりって1ヵ月くらいしか経ってないだろ」

侑「今日は朝から鉄棒にぶらさがったので!」

ミア「しょうがないな、ほらあっちの壁に背中くっつけて」

侑「はーい!」


侑「前に測ったときからどのくらい伸びたんでしょうね」

ミア「さあね」

侑「あのポスターさえなければまた同じところで測れたのに~」

ミア「……」

侑「あ、そうだ。先輩、いまからカラオケいきませんか!?」

ミア「急だね」

侑「えへへ、先輩と二人で歌いたい曲があるんです!」

ミア「そりゃ楽しみだ。急がなくっちゃ」

侑「えへへ、レッツゴー!」ギュッ


侑「ミア先輩、ミア先輩!」

ミア「ん?」

侑「大好きっ!」

ミア「……ボクもだよ、ベイビーちゃん」



おしまい

71: 2022/07/17(日) 18:19:29.63
おまけ


かすみ「あ、ミア子!」

ミア「み、ミア子……?」

かすみ「侑先輩はかすみんの先輩なんだからね!」

ミア「ふうん、じゃあベイビーちゃんの先輩であるボクは子犬ちゃんの先輩だね」

かすみ「こ、子犬ちゃん!?」

かすみ「かすみんムッカーです!」ガルルルル

ミア「よしよし、遊んであげるから」ナデナデ

かすみ「かすみんより子供のくせに~!」

かすみ「これでもくらえー! かすみん特製コッペパンバーガー!」ズボッ

ミア「うあ、いきなり口に押し込むな」ムゴゴゴゴ

かすみ「はい、お水」

ミア「あ、ありがとう」

かすみ「ふふっ、どう? 本場のハンバーガーとは似ても似つかないでしょ!」

ミア「ああ……でもすごく美味しい! なあかすみ、レシピ教えてくれよ!」

かすみ「ええ!? そ、そんなのなくてもかすみんがいつでも作ってあげるけど……」

ミア「本当か!? 今度かすみの家行って良いか? 一緒に作らせてよ」

かすみ「ふっふっふ、そこまで言うなら特別にかすみんへの弟子入りを認めましょう!」

ミア「子犬ちゃん師匠」

かすみ「こらっ!」


侑「なんかミア先輩いきなりかすみちゃんと仲良くなってる……」ガーン



おまけおわり

72: 2022/07/17(日) 18:20:25.44
完結したので上げておきます
読んでくださった方、レスくれた方、ありがとうございました

73: 2022/07/17(日) 18:24:00.12
おつ、よかったぞ

引用元: 侑「ミア先輩、ミア先輩!」