かのん「もう、なんの騒ぎ？ 部室の外まで聞こえてるよ？」

すみれ「なんかこの子が私との赤ちゃんができたとか言ってて」

かのん「えっ、すみれちゃん、手を出しちゃったの？」

すみれ「出してないったら、出してない！」

すみれ「そもそも女同士でできるわけないでしょうが！」

夏美「できますの！」

夏美「す、好きな方とキスをすればできますの/////」

すみれ「はい？ キス？」

かのん「やっぱりしたんじゃん！」

すみれ「いや、キスなんてしてな──あっ」

かのん「心当たりあるんだ！？」

ふむ

すみれ「したっていうか、事故ったら、事故なのよ」

すみれ「夏美と話してたら可可がぶつかってきて、よろめいた先に夏美がいて、たまたま唇が重なっちゃったの」

かのん「そっか、確かにそれは事故だね」

かのん「でも、それで赤ちゃんができちゃったんだから責任は取らないとだね」

すみれ「いや、だから女同士じゃ子供はできないし、そもそもキスじゃ子供なんてできないでしょ！」

夏美「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かのん「現にできてるでしょ！ 事故とはいえすみれちゃんがキスしたせいなんだよ！？」

夏美「かのん先輩……！」

全員妊娠してそう

すみれ「そもそもどうして赤ちゃんができたって思ったのよ？」

夏美「昨日帰った後にご飯を食べていたら、その、戻してしまいましたの……」

夏美「そういえば月のモノが遅れているので四季さんに妊娠検査薬を作ってもらったら、陽性でしたの……」

かのん「完全にできてるじゃん！ 認知してあげなよ！」

すみれ「キスだけで赤ちゃんができるわけないでしょうに……」

すみれ「多分戻しちゃったのは練習がきつかったからだし、四季の妊娠検査薬はそもそも信用できないし──」

すみれ「ん？ あれ、っていうか、好きな人とのキスで妊娠するっていうことは私の事好きなの！？」

夏美「//////」ｺｸﾝ

すみれ「そ、そうだったのね/////」

すみれ「私の事好きでいてくれてるのは嬉しいけど、赤ちゃんなんてできてないから心配しなくていいわよ」

四季「できてる。私の発明は嘘をつかない」ｽｯ

すみれ「うわぁっ！？」

すみれ「びっくりしたったら、びっくりした……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

四季「夏美は妊娠してる、これは紛れもない事実」

かのん「ほら、四季ちゃんもこう言ってるよ！」

すみれ「いや、この子は失敗を認めたくないだけでしょ……」

夏美「すみれ先輩……」ｳﾙｳﾙ

かのん「最低！ こんなに夏美ちゃん苦しんでるんだよ！？」

すみれ「だから、キスだけじゃ赤ちゃんなんてできないっての！」

千砂都「ちょっと、なんの騒ぎ！？」

可可「グソクムシがまた何かやらかしたのデスか！？」

恋「確かに構図的には3対1のようですが……」

すみれ「夏美が私とキスしたせいで妊娠したとか言ってて……」

千砂都「えっ」

すみれ「女同士じゃ子供はできないしキスじゃ妊娠しないっていってるのに──」

千砂都「ねえ、すみれちゃん、それ本気で言ってる？」ｼﾞﾄｯ

すみれ「え？」

可可「見損ないマシタ」

可可「気に障るけど性根までは腐ってないと思っていマシタが、人間のクズだったようデスね」

恋「夏美さん、辛かったですね……」ｿｯ

夏美「すみれ先輩が、全然認知してくれなくて……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

千砂都「ほら、夏美ちゃん泣いてるよね？」

可可「すみれが泣かせたのデスよ？」

すみれ「で、でも……」ｵﾛｵﾛ

恋「……すみれさん、動揺する気持ちは分かります」

恋「でも、本来のすみれさんは人の気持ちがわかる人ですよね？」

恋「夏美さんの気持ちもわかってあげてください」

すみれ「え、あれ、私がおかしいの……？」

メイ「話は聞かせてもらったけど、私が尊敬するLiella!のすみれ先輩はそんなんじゃねえ」

メイ「後輩妊娠させて、泣かせてるような人じゃねえだろ！」

四季「さすがメイ、かっこいい」

すみれ「……」

すみれ「そう、よね……」

すみれ「ねえ、夏美」

夏美「……はい」

すみれ「本当にできちゃったのよね？」

夏美「……」ｺｸﾝ

すみれ「そう……」

すみれ「ごめんね、ちょっと動揺しちゃってたみたい」

すみれ「動揺して記憶が混濁してるんだけど、女の子同士でも好きな気持ちがあればキスで子供できるのよね？」

夏美「そう言ってますの……」

すみれ「なら、結婚しましょう、夏美」

夏美「えっ」

すみれ「私も、夏美のことは好きったら、好きよ」

すみれ「順番はおかしいかもしれないけど、私と結婚して欲しい」

すみれ「2人で協力して赤ちゃんを育てましょう」

すみれ「わたしたちの子供なんだから」

夏美「すみれ先輩……！」ﾊﾟｱｱｱｱｱｱｱｱ

ハッピーエンドか

かのん「よかったね、夏美ちゃん」

千砂都「すみれちゃん、もう夏美ちゃんのこと泣かせちゃダメだよ？」

可可「まったく、世話の焼けるグソクムシデス……」

恋「よかったです……！」ｳﾙｳﾙ

四季「おめでとう」

メイ「すみなつてぇてぇ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

きな子「ん？ なんの騒ぎっすか？」

すみれ「私たち結婚することになったのよ」

きな子「えっ、女の子同士でっすか！？ 都会っすねー」

きな子「でもなんで急に結婚するっすか？」

すみれ「私と事故でキスしちゃったせいでこの子が妊娠しちゃって」

きな子「えっ？」

きな子「お、女の子同士じゃ妊娠しないっすよね？」

すみれ「えっ？」

夏美「あっ！」

すみれ「あ？」

夏美「き、きな子さんに説明するの忘れてましたの……」

すみれ「……どういうことったら、どういうこと？」

夏美「え、えっと、ドッキリですのー」ﾃｯﾃﾚｰ

すみれ「はあ？」

四季「夏美は妊娠してない」

かのん「女の子同士じゃ妊娠しないよ」

千砂都「キスで子供もできないし」

恋「えっ！？」

可可「騙されマシタね、グソクムシ！」

すみれ「……」

えっ！？

夏美「で、でも、すみれ先輩のこと好きなのは本当ですの！」ｱｾｱｾ

夏美「ま、まさかOKをもらえるとは思ってなくて多少焦りましたが……」

すみれ「……」ｼﾞﾄｯ

夏美「ごめんなさい……」ｼｭﾝ

すみれ「はあ……」

すみれ「まあ、こんな機会でもないと気持ち伝えられないしね……」

すみれ「念の為確認だけど、キスしても子供はできないのよね？」

可可「できるわけありマセン」

すみれ「そうよね、よかった」ｱｺﾞｸｲｯ

夏美「へ？」

すみれ「んっ」ﾁｭｯ

夏美「す、すみれ先輩……！？/////」

すみれイケメンすぎる

すみれ「子供ができないんなら、いくらでも夏美とキスできるじゃない」ﾁｭｯ

すみれ「折角両想いなんだし」ｸｽｸｽ

夏美「ほ、ほわぁ/////」

千砂都「ちょ、ちょっとすみれちゃん何してるの！？」ｱｾｱｾ

すみれ「ドッキリなんてされたから、ほんの仕返しの不意打ちキスだけど？」ﾁｭｯ

夏美「んっ……❤」

恋「あ、あわあわ……」

かのん「れ、恋ちゃんは見ちゃダメ！」ｱｾｱｾ

可可「場所くらい弁えろデス！ 発情グソクムシ！」

きな子「ほえー、やっぱり都会は進んでるっすねー」

四季「メイ、私達もする？」

メイ「しねーよ」

おわり

ええやんええやん

乙