心「だってはぁとの『カワイイ』ってさ、この歳の女子の言う『カワイイ』とはちょっと違くない？」

ちひろ「そうですか？　心さん、私服と発言が奇天烈なだけでかわいいと思いますよ？」

心「え？　これは怒ればいいの？　お礼を言えばいいの？」

ちひろ「お礼にしておきましょう。怒っても得になりませんし」

ちひろ「まぁ、冗談は置いといて。美紗希ちゃんが心さんにお願いしたの間違ってないと思います」

心「そ、そぉ？」

ちひろ「はい。大人になっても理想や夢に向かってまっしぐら。女の子の可愛いくなりたいって想いにまっすぐですから」

心「へへっ……ありがと☆」

ちひろ「どういたしまして。ところで、お茶おかわりもらえません？」

心「自分でやれや☆」

ちひろ「チッ……。これだけおだてておけば木に登るかと思ったんですが。ダメですか」

心「だからはぁとは忙しいって言ってんだろ☆」

心「そりゃちひろちゃんはいきなり電話してきてうちに上がり込んでるだけだから暇だろうけどさ！　はぁとはお仕事してるの！」

ちひろ「それが仕事中に心さんに絡まれる私の気持ちですよ」

心「……」

ちひろ「……」

心「まぁ……それはそれ、これはこれで……」

ちひろ「誤魔化さないでくださいー」

ちひろ「心さんも要ります？」

心「お願いー。さっきのハーブティーまだあるから使っていいぞ☆」

ちひろ「はーい」

心「てか、ちひろちゃんは帰んないの？」

ちひろ「あー……。なんかもうめんどくさいなって」

ちひろ「お風呂も借りちゃいましたし、雨すごいですし」

心「まぁビッタビタになってうちまで来たもんね、ちひろちゃん」

ちひろ「トラックに水跳ねられちゃったんで……さすがに心が折れました」

ちひろ「心さんのアパートが近くて本当に助かりました」

心「いきなり電話で『家に居ますか……』って氏にそうな声出されたら何事かと身構えちゃったろ☆」

ちひろ「状況を説明するより見せた方が早いかなと。はい、どうぞ」

心「さんきゅ☆」

心「いや、でもさ。めっちゃ深刻な感じで電話来てすぐピンポンじゃん？　で、扉開けたらビッタビタのちひろちゃん」

心「『あ、これドラマとかでよく見る奴だ。なんかこれからとんでもない事に巻き込まれる奴だ』ってなるじゃん？」

ちひろ「ドラマの見過ぎですよ。現実はそんなドラマチックには出来てません」

心「はぁとはこれからきっと『彼氏にフラれたんです……』とかって言う告白されるんだろうなぁ……コラムどうしよ……って気持ちだったんだぞ☆」

ちひろ「心さん」

心「ん？」

ちひろ「仮にです。仮に私が失恋したとして、心さんに相談すると思いますか？」

心「え？　しないの？　友達でしょ？」

ちひろ「友達なのは合ってますが、いつまで経ってもプロデューサーさんと進展のない心さんに恋愛相談して何が得られるんですか？」

心「てめぇ☆」

ちひろ「言われたくないなら早く進展してくださいよ……。あ、そこ誤字です」

心「お、どもども☆」

心「私達には私達なりのペースがあるんで……」

ちひろ「はぁー……」

心「おい☆　ため息デカいぞ☆」

ちひろ「まぁいいですよ。当人同士の問題です。私が口を挟むのは野暮ってもんです」

ちひろ「お二人は割れ鍋に綴じ蓋ですから」

心「なんか貶されてる？」

ちひろ「気のせいです」

ちひろ「というわけで、今日泊めてください」

心「何がと言うわけなんですか、ちひろさん」

ちひろ「もう色々めんどくさいんで。ご飯作るんで冷蔵庫開けますね」

心「開けてもいいけどなんもないぞ☆」

ちひろ「なんでですか……」

心「いやぁ、ちょーっと節約しようと思って。ギリギリまで買い物控えてる」

ちひろ「なんでまた急に」

心「増税あったじゃん？」

ちひろ「ありましたね。あ、なるほど。なんか買ったんですね」

心「おう☆　ミシン、新しくしちゃいました☆」

ちひろ「おぉー！　おめでとうございます！」

心「ありがと☆」

心「まぁ……忙しくてまだ使えてないんですがね……」

ちひろ「最近仕事増やしてるのって大きい出費したからですか？」

心「うん☆　さすがに良いお値段したからね。ちょっと取り戻さないと」

心「そういや夏の残りのそうめんがどっかにあったはず」

ちひろ「探してみるので、心さんは仕事してていいですよ」

心「助かるー」

心「ちひろちゃんは増税前になんか買ったの？」

ちひろ「いえ、特にこれと言った大きい買い物はしてないですよ。消耗品を多めに買ったくらいです」

心「ちひろちゃんなら『増税前の今がチャンス』とか言って何か買ってるかと思ってた☆」

ちひろ「必要なものは揃ってましたし、買い替えを考えてるものも特にはありませんでしたから」

ちひろ「あ、あったあった」

ちひろ「増税前の今がチャンスっての小売りの常套句でしたけど、安いからって理由で買い物するのがそもそも一番無駄な買い物だと思うんですよ」

ちひろ「本当に必要なら増税前でも増税後でも関係なく買いますしね。それなら出費を最初から減らす方が良いと思いまして」

心「あー、なるほどなぁ。確かにそれは言えてるかも」

ちひろ「ベーコンあったりします？」

心「冷蔵庫になければないー」

ちひろ「じゃあハムでいいか……。えっと卵と……牛乳ちょっと入れて……」

心「あ、なんか美味しそうな匂い……」

ちひろ「もう出来るので机空けてください」

心「はーい」

ちひろ「はい、お待たせしました。カルボナーラ風そうめんです」

心「おおー！　美味しそう！」

心、ちひろ「「いただきます」」

心「ん～スウィーティー☆」

ちひろ「結構おいしいですね、これ。適当に作っちゃいましたけど」

心「だねぇ☆　カルボナーラうどんは作った事あるけど、そうめんは初めて☆　美味しい！」

ちひろ「ありがとうございます」

ちひろ「まぁ泊めてもらうお礼だと思ってくれれば」

心「気にしなくていいのに☆」

ちひろ「心さんに借りを作るのはめんどくさい事になりそうで嫌なんで……」

心「なんだと、てめぇ☆」

ちひろ「冗談です」

ちひろ「コラムは書けました？」

心「一通りは、かな。後で読み直して誤字脱字とか変なとこ直したら終わり！」

ちひろ「お疲れ様でした」

心「ありがと☆」

心「とりあえずご飯食べたらはぁともお風呂行ってくる☆」

ちひろ「じゃあチェック私がやっておきましょうか？」

心「いいの？」

ちひろ「そのくらいなら大した手間じゃないですし」

心「じゃあお願いしよっかな☆」

ちひろ「了解です。洗い物もやっておくのでゆっくりお風呂どうぞ」

心「……どうして急にそんな優しいの？　何か企んでる？」

ちひろ「しばきますよ」

ちひろ「普段、ちょこちょこ手伝ってもらってるからそのお返しです」

心「なるほど☆　じゃあお言葉に甘えよっかな☆」

心「ご馳走様っ！　じゃあお風呂行ってくるね☆」

ちひろ「はい。じゃあ私は食べつつコラムの原稿チェックしてます」

心「任せた☆　じゃあ行ってきま～す」

ちひろ「ごゆっくりー」

ちひろ「……ふふっ」

ちひろ「『オトナ女子のカワイイの秘訣は大好きな友達と楽しく過ごすコト』ですか」

ちひろ「じゃあ私もきっとかわいくなれますね。楽しく過ごせてますから♪」

End

以上です。

19日20日とバンナムフェスでしたね。
両日共に参加しましたがとても楽しかったです。普段触れないアーティストさんやコンテンツに触れると言うのは良い刺激になりました。
次はアイドルマスターで東京ドームに行きたいですね。
バンナムフェス参加された皆さん、お疲れ様でした！

では、お読み頂ければ幸いです。

乙でした
いい関係だなあ