1: ◆LYNKFR8PTk 2018/01/14(日) 20:00:18.59 ID:xzE2qAft0
サウル「またとはなんですかドロシー、これは神に仕える者として必然の行為……」

ドロシー「必然じゃないですー」

サウル「……ああ!! ドロシーと話してる間に女性が行ってしまったではないですか!!」

ドロシー「よかったですねー」

サウル「ぐぬぬ……」


2: 2018/01/14(日) 20:01:12.57 ID:xzE2qAft0
サウル(おかしい……私は何故こうも上手くいかないのか……)

サウル(今じゃ仲間の中での私のイメージは『エセ神父』、『ナンパ男』……)

サウル(しまいには仲間の女性に近づこうとすると逃げられる始末……)

サウル(どうにかして私のイメージを変えなければ……)

ドロシー「なにボーッとしてるんですか?」

サウル「……ん?」

ドロシー「はい?」

サウル(今、唯一私に近づいてくれる女性はドロシーだけ……)

サウル(ということは……)

サウル(……)

サウル(……)

サウル「そうか!!」

ドロシー「!!!?」ビクッ

3: 2018/01/14(日) 20:01:39.75 ID:xzE2qAft0
ドロシー「ちょっと! 脅かさないでくださいよ、びっくりしたじゃないですか」

サウル「ああ、すまなかった」

サウル「……と、それはともかくドロシー。 喉、乾いてませんか?」

ドロシー「私ですか? まぁ確かに……」

サウル「そうでしょう。 では飲み物を持って来ますよ」

ドロシー「え、いいですよ。 私、自分で持って来ます」

サウル「まぁまぁそう言わずに。 先程の戦闘で疲れてるでしょうし」

ドロシー「……」

4: 2018/01/14(日) 20:02:09.52 ID:xzE2qAft0
サウル「どうぞ」

ドロシー「……ありがとうございます」

ドロシー「……」ゴクゴク

ドロシー「……どういう風の吹きまわしですか?」

サウル「?」

ドロシー「いつもの神父様だったら私にこんな事しないですよね」

サウル「……ドロシー、私は気づいてなかったのです」

ドロシー「はい?」

サウル「私の一番身近にいる女性……それはドロシーだということを」

ドロシー「……!!」

5: 2018/01/14(日) 20:02:35.27 ID:xzE2qAft0
サウル「私と多く話してる人も……」

サウル「私のナン……布教を止めてるのも……」

サウル「ドロシーではありませんか」

サウル「こんな日頃お世話になってるのなら……私も恩返しをしないといけない」

サウル「私はそう思ったのです」

ドロシー「……」

サウル「さて、次は……」

サウル「肩でも揉みましょうか」

ドロシー「!!」

6: 2018/01/14(日) 20:03:09.90 ID:xzE2qAft0
ドロシー「なっ……」

サウル「どうです? こってないですか?」

ドロシー(近い!!///)

ドロシー「なんでいきなり肩揉んでるんですか!! こってるなんて一言も言ってませんよ!!」

サウル「おっと、失礼しました」

ドロシー「……ったく」

サウル「……ドロシー、私にして欲しいことはないですか?」

サウル「料理でも作りますか?」

ドロシー「……いいです」

7: 2018/01/14(日) 20:03:39.92 ID:xzE2qAft0
サウル(ふふふ……どうです、仲間の皆さん)

サウル(この光景を見た女性の方達は恐らく……)

サウル(『まぁ、サウルさん素敵』『本当はあんなに優しい人だったのね』と見直すに違いない)

イグレーヌ(また何かやってるわ)

セシリア(彼女……嫌そうね)

サウル「……」

サウル(心なしか変な目で見られてるような)

8: 2018/01/14(日) 20:04:21.61 ID:xzE2qAft0
別の日

サウル「ふうむ……特に大きな変化はない」

サウル「この作戦は失敗だったか……?」

ドロシー「……」

サウル「おや、どうしましたドロシー」

ドロシー「お金渡すんでお菓子買って来てください」

サウル「はい?」

ドロシー「わ、私に尽くすって言ったじゃないですか!!//」

サウル「いや、そんな事言ってませんよ!!?」

ドロシー「!! い、いや!! だからあれ、恩返し!! 恩返しって言ったじゃないですか!!」

ドロシー「いいから早く!! 買って来てください!!」

サウル「……やれやれ、しょうがないですね」









ドロシー「……」

9: 2018/01/14(日) 20:04:56.88 ID:xzE2qAft0
サウル『こんな日頃お世話になってるのなら……私も恩返しをしないといけない』

サウル『私はそう思ったのです』








ドロシー「……」

サウル「買ってきましたよ」

ドロシー「……ありがとうございます」

ドロシー「……あれ」

ドロシー(私、お菓子としか言ってないのに……これ、私の一番の大好物だ)

ドロシー「……神父様、どうしてこれを買って来たんですか?」

サウル「どうしてって……ドロシーの大好物だからですよ」

ドロシー「知ってたんですか?」

サウル「知ってますよ。 どれだけ一緒にいると思ってるんですか」

ドロシー「!!」

10: 2018/01/14(日) 20:05:24.93 ID:xzE2qAft0
ドロシー(知ってくれてた……神父様が……私のことを……)

ドロシー(私の事を……ちゃんと見てくれてるって事なのかな?)

ドロシー「……」

サウル「さて、次はなんですか?」

サウル(こんな無意味な事、早く終わらせたいのですが……)

ドロシー「神父様」

サウル「なんです?」

ドロシー「……好きです」

サウル「へ?」

11: 2018/01/14(日) 20:06:01.98 ID:xzE2qAft0
ドロシー「だ、だから!! 好きだって言ったんです!!」

ドロシー「神父様はいつも変態で……女の人ばっかと話して……」

ドロシー「好きになる要素なんて……どこもないのに……」

ドロシー「なのに私は……神父様の事を考えると……何故か……」

ドロシー「胸が……苦しくなって……」

サウル「……」

ドロシー「……って言うのはどうですか!!」

サウル「は?」

12: 2018/01/14(日) 20:06:45.71 ID:xzE2qAft0
ドロシー「ほ、ほら!! この間神父様も私を騙したじゃないですか!! だからお返しです!!」

サウル「いや、騙すも何も私はドロシーを騙そうとした事は一回も……」

ドロシー「じゃあ私もう行きますんで!! もう私の為にあれこれしなくていいですからね!!」ダッ

サウル「あ……ドロシー!!」

サウル「……」

サウル「……よく分からないが……この作戦は失敗のようですね」













ドロシー「……」

ドロシー「……バカ」

ドロシー「私のバカ……」

13: 2018/01/14(日) 20:07:16.19 ID:xzE2qAft0
サウル「……おや、あそこに美しい女性が……」

サウル「やはり私にはこれしかありませんね」

サウル「……ああ神よ、今日という日の出会いに……」

終わり

14: 2018/01/14(日) 21:46:16.31 ID:iAq9WJS8o
懐かしいっすね

引用元: サウル「おお、神よ……」ドロシー「またやってるんですか」