1: 2018/01/18(木) 19:04:06.74 ID:7cS772Ee0
2: 2018/01/18(木) 19:04:57.12 ID:7cS772Ee0
──────
スペルビア帝国・上層
レックス「もう少しでアルバ・マーゲンだね」
ビャッコ「帝都の宿の温泉、少しばかり懐かしいですね」
サイカ「へぇ、温泉あるんか? 楽しみやなぁ!」
カグツチ「そうらしいわね、私は入ったことないんだけど」
ヒカリ「結構いい具合だったわよ。……カグツチが入ると沸騰しちゃいそうね」
カグツチ「なに言ってるのよ、そんなわけないじゃない……それを言うならホムラこそ沸騰させちゃうんじゃないの?」
サイカ「遠赤外線? やらなんやら出してる言うとったもんなぁ」
ヒカリ「あの子は……まぁ周りはちょっと熱めのお湯になるかもね」シュゥン
ホムラ「また私のことストーブ扱いしてませんか……?」
3: 2018/01/18(木) 19:08:22.05 ID:7cS772Ee0
ジーク「…………なぁメレフ」
メレフ「私は女湯に入るぞ」
ジーク「まだなにも言うてへんやん」
レックス「まだって言っちゃてるよ……」
トラ「もも……あの時はごめんだも」
メレフ「いや、いいさ……トラは私が男だと思っていたのだろう?」
ハナJK「ご主人……いくらなんでもありえませんも……」
トラ「反省してるも……」
メレフ「悪いのは私が女だと知っていながら茶化していたこの男だからな」
ジーク「ちょっ、冗談やって……なぁボン?」
レックス「あれはジークが悪いよ、うん」
メレフ「だそうだが?」
4: 2018/01/18(木) 19:09:56.31 ID:7cS772Ee0
ジーク「ワイを見捨てるんかボン!? 漢の同盟はどこにいってしまったんや!」
レックス「だってメレフ怖いし……」
ニア「ふぅ……はぁ……」
レックス「……ニア?」
ニア「……ぇ、なに……?」
レックス「いや、なんかしんどそうだったから……大丈夫?」
ニア「ちょっと疲れただけ……平気だよ」
レックス「……そう? 顔も赤いし……体調悪いなら休もうか」
ニア「平気だって……帝都まであと……すこ、し……」フラッ
レックス「──ニアっ!」ギュッ
ビャッコ「お嬢様!?」
ニア「ご、めん……ちょっと、キツい……かも」
5: 2018/01/18(木) 19:11:53.06 ID:7cS772Ee0
──────
宿屋・ジャルカマロ
ニア「んぅ……迷惑、かけるね……」
カグツチ「いいから、ちゃんと横になってなさい」
ヒカリ「ちょっと失礼……」ピトッ
ヒカリ「割と高めの熱みたいね……はい、水飲める?」
ニア「……んくっ、ごくっ……ありがと……」
レックス「ニア……大丈夫、じゃないよな……」
ニア「平気だよ……しばらく横になって、休めば……」
レックス「そっか……ブレイドは風邪ひかないんじゃ?」
ジーク「ニアはマンイーターやからな……普通のブレイドみたいにはいかへんのやろな」
6: 2018/01/18(木) 19:13:01.79 ID:7cS772Ee0
レックス「なるほど……ごめん、気付けなくて」
ニア「いいって……アタシも、隠そうとしてたんだし……」
レックス「でも……こんなんじゃオレ、ドラ──」
ニア「ドライバー失格、なんて言うなよ」
レックス「…………」
ニア「……アンタ以外のドライバーなんて、考えられないし」
レックス「……ごめん」
メレフ「……大勢でいたら気も休まらないだろう、私たちは退室しよう」
ビャッコ「レックス様も無理なさらないよう……」
レックス「ああ……」
7: 2018/01/18(木) 19:15:29.87 ID:7cS772Ee0
…………
レックス「額のタオル、温くなってきたし取るね」
ニア「……ん、ありがと」
レックス「……さっきは無責任なこと言ってごめん」
ニア「いいよ、アタシも……ちょっと強く言っちゃったし」
レックス「……うん」
ニア「でも、アタシのドライバーがレックス以外考えられないってのは……ホント」
レックス「わかってる、オレだって他のやつに渡すつもりなんてないし」
ニア「……そっか」
レックス「はい、タオル……どう?」
ニア「気持ちい……ありがと……レックスも、そろそろ戻りなよ……」
レックス「……でも」
ニア「アタシは平気だって、移っちゃったら大変だろ?」
レックス「……しっかり寝てるんだぞ?」
ニア「わかってるよ、ガキじゃないんだし……」
レックス「じゃあ、おやすみ……お大事に」
ニア「ん、おやすみ」
8: 2018/01/18(木) 19:17:40.14 ID:7cS772Ee0
──────
ニア「…………んぅ」
ニア「……うわ、外真っ暗じゃん……結構寝てたんだな……」
レックス「すぅ……すぅ……」
ニア(ベッドに顔伏せてる……)
ニア「……出て行ったんじゃなかったっけ」
ニア「…………タオル、まだ冷たい……まさか、アタシが寝てる間ずっと……?」
ニア(移っちゃうから、って言ったのに……もう、バカだなぁ)ナデナデ
レックス「……ん……あれ、オレ……寝ちゃって……!」ガバッ
ニア「あ、ごめん……起こすつもりはなかったんだけど」
レックス「いや、平気……具合どう? よくなった?」
ニア「そう……だね、寝る前よりはずっと楽かな」
レックス「そっか、よかった……」
9: 2018/01/18(木) 19:22:19.60 ID:7cS772Ee0
ニア「……出て行きなって言ったよね?」
レックス「う、それは……」
ニア「ったく……もう心配ないから自分たちの部屋戻りなってば」
レックス「いや、ここで看病する」
ニア「移っちゃったらどうすんのさ」
レックス「なんとかは風邪ひかないって言うから大丈夫」
ニア「……強情だね」
レックス「わかってたことだろ?」
ニア「……そうだね、そういやアタシのドライバーはとんでもない頑固者だったよ」
レックス「そーいうこと」
ニア「誇るとこじゃないぞ、もう……」
ニア「……ほんとはさ、なんかやたら寂しかったんだ……具合悪い時って心も弱っちゃってさ」
レックス「……知ってるよ」
ニア「だから……ありがと」
レックス「どういたしまして。あ、そうだ……食欲ある?」
ニア「んー……言われてみると結構お腹空いたかも」
レックス「回復してきた証拠かな……わかった、ちょっと待ってて」
10: 2018/01/18(木) 19:23:39.11 ID:7cS772Ee0
…………
レックス「はい、おかゆ温めてもらってきたよ」
ニア「あ、いい匂い……」
レックス「ホムラが作ってくれたんだ」
ニア「そっか……後でお礼言っとかないとな」
レックス「そうだね……はい、あーん」
ニア「は? いや自分で食べられるってば」
レックス「病人が強がるなって」
ニア「別に強がってないよ……恥ずかしいし」
レックス「いいから、ほら」
ニア「……あー、ん」パクッ
11: 2018/01/18(木) 19:29:00.71 ID:7cS772Ee0
ニア「うわっ……なにこれ、すごい美味しい……」
レックス「身体が必要としてるんじゃない?」
ニア「そういうもんかね……」
レックス「きっとね。ほい、あーん」
ニア「……まさか全部それで食べさせるつもり?」
レックス「そうだけど?」
ニア「……はっずいなぁ」
レックス「誰も見てないし気にすんなよ、ほら」
ニア「…………あーん」
12: 2018/01/18(木) 19:30:07.67 ID:7cS772Ee0
…………
ニア「……ごちそうさま」
ニア(ほんとに全部食べさせてくれた……)
レックス「食器片付けてくるけど……なにか欲しいものある?」
ニア「んー……」
レックス「遠慮しなくていいからな」
ニア「じゃあ……汗拭くためのタオル……出来ればあったかいやつがいい」
レックス「おっけー、待ってて!」
ニア(……なんだかすごい献身的だな)
ニア(主人に尽くす犬みたい……あっ想像すると結構かわいい……)
レックス「お待たせ」ガチャ
ニア「レックス……お手」
レックス「え? ……はい?」ポンッ
ニア「んふっ」
レックス「えぇ? な、なに?」
ニア「な、なんでもない……ふふ……」
13: 2018/01/18(木) 19:31:12.12 ID:7cS772Ee0
レックス「よくわかんないけど……とりあえずタオル、ちょっと熱いから気をつけて」
ニア「ふふ……ありがと」
レックス「なんか思ったより元気そうだね」
ニア「平気だって言っただろ?」
レックス「まぁそうだけどさ……安心したよ」
ニア「心配かけたね……さて、身体拭くかな……」
レックス「あ、出て行くからちょっと待って」
ニア「なんで?」
レックス「なんでって……脱ぐんだろ?」
ニア「……今更じゃない? お互い、その……見たのにさ」
レックス「い、いやそれとこれとは……」
14: 2018/01/18(木) 19:35:04.89 ID:7cS772Ee0
ニア「ていうかさ、レックスが拭いてよ」
レックス「は、はぁ!? なんでだよ!」
ニア「遠慮しなくていいんでしょ?」
レックス「そこは遠慮しろよ! てか恥ずかしくないの!?」
ニア「もう見られてるし……」
レックス「さっきまであーんで恥ずかしがってたくせに……!」
ニア「なんか吹っ切れたわ……ほらはーやーくー」
レックス「…………後悔するなよ?」
ニア「しないしない」
レックス「……じゃああっち向いてるから服脱いで」
ニア「脱がせてくんないの?」
レックス「……吹っ切れすぎじゃない?」
ニア「アタシ、病人……オッケー?」
レックス「こいつ……」
15: 2018/01/18(木) 19:41:25.92 ID:7cS772Ee0
…………
レックス(脱がせるだけでどっと疲れた気がする……)
ニア「見ないで脱がすとは……やるじゃん」
レックス「……もうとっとと拭いて終わろ……」
ニア「冷めてるなぁ」
レックス「ニアが病人のくせに元気すぎるんだよ……ほんとは治ってんじゃないの?」
ニア「……げほっ、ごほっ……まだ本調子じゃないかな」
レックス「演技が雑すぎる……」
ニア「じゃあよろしくねー」
レックス「はいはい……」フキフキ
ニア「……んっ……んっ」
レックス「変な声出すなよ」
ニア「ごめん、わざとじゃないんだけど」
レックス「はい、ばんざーい」
ニア「んー」
16: 2018/01/18(木) 19:42:31.17 ID:7cS772Ee0
レックス「……よし、こんなもんかな」
ニア「……前は?」
レックス「さすがに前は自分でやってください」
ニア「……ヘタレ」
レックス「ほっとけ」
ニア「すっきりしたよ、ありがと」
レックス「なによりだよ……」
ニア「それにしても、レックスが尽くすタイプだとはねぇ」
レックス「そうかな?」
ニア「ずいぶん献身的だったじゃん?」
レックス「まぁ……そりゃ大切な人のためだしね」
ニア「……あ、そ」カァァ…
レックス「これは照れるの……よくわかんないなぁ」
ニア「う、うっさい」
17: 2018/01/18(木) 19:43:46.16 ID:7cS772Ee0
…………
レックス「まだ本調子じゃないなら、そろそろ寝ないと」
ニア「さっきまで寝てたからあんまり眠くないんだよね……」
レックス「横になって目瞑ってれば眠れるよ、ほら」
ニア「うん……もうひとつワガママ言っても、いい?」
レックス「ん、いいよ」
ニア「アタシが寝れるまで……手、握っててほしい」
レックス「……どう?」ギュッ
ニア「うん……安心、する……移しちゃったらごめんね……」
レックス「そのときはニアに治してもらおうかな」
ニア「……へへ、任せておきなよ……すぅ……すぅ」
レックス「……おやすみ、ニア」
18: 2018/01/18(木) 19:45:14.47 ID:7cS772Ee0
──────
翌朝
ニア「ニア様、完全復活!」
ビャッコ「お嬢様にはやはり元気な姿がお似合いです」
メレフ「ふ、全くだな」
トラ「一時はどうなることかと思ったも!」
ニア「大げさだなぁ、トラは」
ホムラ「一晩で回復してよかったですね」
ニア「ホムラもおかゆ、ありがと……美味しかったよ」
ホムラ「ふふ、それならよかったです」
ニア「ハナもありがとね、宿まで運んでくれたんでしょ?」
ハナJK「お安い御用でしたも!」
19: 2018/01/18(木) 19:45:53.91 ID:7cS772Ee0
レックス「オレの看病のおかげでもあるよな!」
ニア「……アンタほんとにピンピンしてるね」
レックス「だから大丈夫だって言ったろ?」
サイカ「こういうのは入れ替わりでレックスが体調崩す、みたいな流れがお約束なんやけどねー」
ジーク「なんとかは風邪ひかへんっちゅーことやな?」
レックス「……ジークに言われたくないなぁ」
サイカ「あの時の意趣返しのつもりなん? 意地悪いで王子ぃ」
ジーク「なんでや!」
おしまい
20: 2018/01/18(木) 19:46:56.38 ID:7cS772Ee0
短い上に稚拙ですが以上です、ありがとうございました
ニアレク結婚しろ(合言葉)
次はもうちょっと糖度高めのニアレク書きたいです
あとそのうちヒカレクSSも書こうかなと思います、たぶん
ニアレク結婚しろ(合言葉)
次はもうちょっと糖度高めのニアレク書きたいです
あとそのうちヒカレクSSも書こうかなと思います、たぶん
21: 2018/01/18(木) 22:31:35.47 ID:I6SLvqs20
ニアレクは心を癒してくれますね
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