晴「なにかしこまってんだよ。オレの時も集まったばかりだろ？」

　私より一足先に二十歳になった晴さんが言います。
　そんな晴さんはプロサッカーの道は歩まなかったものの、高校女子サッカーで名を残しつつ、アイドルとして復帰。
　その高いフィジカルで派手なダンスパフォーマンスをこなすことで定評があり、スポーツバラエティでは芸能人サイドのエースとして引っ張りだこの人気アイドルです。
　あれだけ育った胸でなんであんなに動けるんでしょうか？　もげないんですかね？

梨沙「それはアンタが『ありすと合同で良い？』って聞いたら別々にやりたいって駄々こねたからでしょーが」

　そういう梨沙さんは今や知らない人がいないレベルのダンスシンガー。スタイル抜群でキレッキレの激しいダンスをこなし、そして歌唱力も高いという、非の打ち所がないスペックで若い女の子の憧れの女性です。
　かっこいい女性とは、というアンケートがあれば真っ先に第一候補に挙がります。
　晴さんとのユニットであるビートシューターは今や音楽番組に常連の有名ユニットになりました。

桃華「まあまあ、せっかくの誕生日ですもの。きちんと祝った方が楽しいですわ」

　と優しくフォローするのは桃華さん。母性の塊です。
　桃華さんは堅実にアイドルを続け、歌唱力の高い正統派アイドルとしての地位を盤石に。そして最近では実力派女優として有名になり始めています。
　家の力でごり押し、なんて最初は言われてましたが、そういった誹謗中傷を全て実力でねじ伏せてきた伝説が既にいくつもあり、業界内では未来の女帝なんて言われてます。
　何より過去に私の窮地を救ってくれた恩人です。女神ですね。

梨沙「ということであんたら成人なった組はじゃんじゃん飲みなさい。私はもう酔っ払いの介護する覚悟を決めてきてるわ！　ありすが面倒臭そうなのは予想してるから安心しなさい！」

ありす「初めてお酒飲むのにすでに厄介って決めつけられてる！？」

晴「あー、うん。予想できる。大丈夫だ、オレもついてる」

ありす「晴さんまで！？　なんでですか、これでも普段は清純派女優兼歌手として売ってる私ですよ？」

晴「自称清純派、だろ？　そもそも10代から既婚者で子持ちの清純派ってなんだよ。堂々と薬指に指輪してテレビ出やがって」

ありす「心の底から純愛なので清純派でしょう？」

梨沙「これ、ビールを一口飲んだだけの状態だから本気で言ってるやつってのがヤバいわよね。既に厄介だわ」

桃華「あの時にせっかく裏から手を回したのに、今じゃ自称清純派としてバラエティで毒舌芸人にネタにされるようになってしまいましたわねえ……」

梨沙「歌手としての実力は高いし、作詞作曲までやってるし、新人アイドル発掘してプロデュースとかまでやってんのに、バラエティではネタ枠」

晴「逆にここまでやっててネタ枠にされるってもう笑うしかないよな」

ありす「最近あまり会えてないのに皆さんからの評価、辛辣すぎません……！？」

梨沙「テレビや動画サイトのあんたの様子見てたらみんな同じ感想なるわよ。清純派(笑)って扱いじゃない」

晴「もう幸子と一緒にバラエティに欠かせない存在だもんな」

梨沙「クイズ番組では芸能人サイドのブレインとして頼りにされてるのに、このギャップ。もはや唯一無二じゃない、褒めてるのよ」

ありす「それならいいんですけど……」

梨沙「ほんとそういうチョロいところは変わらないわねえ」

ありす「酷いっ！？」

桃華「それにしても、今日はPちゃまと過ごさなくて良かったのですの？　やっと二十歳の誕生日ということでPちゃまも待ち遠しかったでしょうに」

　そうそう、そして私、旧姓橘ありすは当時からの担当プロデューサーと正式なお付き合いをしていましたが、子供を授かったこともあり、16歳の誕生日に入籍しました。
　当時はかなりのスキャンダルとなりかけたのですが、３４６プロの手回しや桃華さんや皆さんの大人の権力で封頃していただきました。
　私もちょっと万が一のために自分で有効そうなカードを集めていたので、一大スキャンダルにもかかわらず、一瞬で沈静化されました。

　芸能界って怖いですね、ほんと。

　今は夫であるPさんと二人三脚で幅広い仕事を手がけてます。
　妊娠期間中はアイドルとして活動できなかったりしたので、その間にできることを、とやっていたら女優兼歌手のはずなのに、自分の仕事がよくわからないものになってるここ最近です。
　私がメインでプロデュースしたアイドルたちも人気が出始めて忙しくなってきています。

　そんなこんなしてたらまだまだ二十歳の若者が変な権力持ててしまいました。
　芸能界って怖いですね、ほんとのほんとに。

ありす「そう！　聞いてくださいよ、もう！　『せっかく集まれる日なんだから行っておいで。介抱する準備しとくから』って送り出されたんですよ！？　そんなしっかりしてないように見えますか！？」

　しかし出かけた時のことを思い出したらちょっと腹が立ってきました。怒りにまかせてビールに口をつけます。
　あ、案外ごくごくいけますね。こう飲むと気持ちが良いんですね、納得です。
　大人はストレスがたくさんありますもんね……

梨沙「さすがありすの旦那ね。しっかりわかってるじゃない」

ありす「どこを根拠に皆さんはそういう判断してるんですか！」

　ごくごく。美味しいです。あ、なくなってしまいました。
　店員さんを呼ぶためにボタン押しましょう。ぴんぽーん。

晴「言いながらもう１杯目飲み干してるからな……普段から飲んでるとかじゃないよな？　大丈夫だよな？」

ありす「当然。スキャンダルの危険性は十分わかってますから今日まで我慢してきましたよ。最近はうちの子も手がかからなくなってきてますが、まだまだ目が離せないですし」

桃華「ありすさんのお子さんにも久々に会いたいですわね。最後にお会いしたのはもう半年くらい前でしょうか？」

ありす「そういえば年明けの時以来かもしれませんね。浅い時間でしたら二次会は私の家でやりましょうか？　飲み過ぎたらダメですけど……あ、店員さん、生おかわりお願いします」

梨沙「どの口が言うのやら……予想通りすぎて逆に怖いわ」

　ちょうどボタンで呼ばれた店員さんが来たのでビールを追加オーダー。私以外の皆さんはまだ全然飲んでないですね。梨沙さんはまだ未成年だからソフトドリンクですが。

店員「え、生ビールですか？　失礼ですが、年齢確認させていただいてもよろしいでしょうか」

ありす「あ、大丈夫です。飲むのは私です」

店員「いえ、その、お客様の年齢が……」

　私がビールを頼んだらなぜか店員さんが申し訳半分、訝しさ半分で変なことを言ってきます。まあ、今日でジャスト二十歳ですからね、仕方ないです。

ありす「紛らわしくてすみません。一応今日で私も成人したので大丈夫ですよ」

　ここは冷静に大人な対応をしましょう。免許証を提示して、説明して終わりです。

店員「ええ！？　申し訳ございません、てっきり中学生くらいかと……」

ありす「中学生！？」

晴「ぷはっ！　中学生って！　ぎゃはははははは、中学生、高校生どころじゃなしに中学生って！！！」

梨沙「ﾌﾟｯ……ダメよ、晴、そういう見た目のコンプレックスで笑っちゃダメよ、高校生に見られるのかと思ってたけど……ﾌﾟﾌﾟｯ……中学生……」

ありす「いくらなんでも中学生は酷いですよ！　そりゃ若く見られることに越したことはないんでしょうけど！！」

店員「ま、誠に申し訳ございません！」

晴「まあまあ、仕方ない仕方ない、怒ってやんなって。実際中学生から身長も何も変わってないんだから」

ありす「失礼な！　身長は２センチくらい伸びましたよ！　大体身長なら晴さんもあんまり変わってないでしょう！」

梨沙「でも晴はありすと違って一部が大きくなったからねー」

晴「なっ……///」

ありす「結局胸ですか、胸が全てと言うんですか！　もげてしまえ！」

晴「ぎゃーーーー！　やめろばか！」

　あまりの理不尽な現実に私は晴さんの豊満なバストを鷲掴みにしてやります。
　しかしすぐ後悔しました。なんですかこの圧倒的な戦闘力の差は。

ありす「なんで……なんでそんなに皆さんは胸が育つんですか……私はまだ小学生の時のブラジャーが使えるのに……」

晴「勝手に人の胸を揉んで勝手に落ち込むな！」

ありす「だっておかしくないですか？　バストアップの情報を私だって必氏に調べて実践しましたよ。なのに何もしてない晴さんがここまで大きくなるのはズルいでしょう！？　どんなズルを使ったか白状してください。っていうかスポーツに邪魔ですよね、それ。もいで私にください」

店員「あ、あのビールお持ちしました」

晴「ズルなんかしてねーし怖いこと言うな！　ほら、ビール来たから落ち着け！」

ありす「ビールありがとうございます。そうですね、落ち着きましょう」

　そうです。今更慌てても仕方ないです。こういう時のビールと先ほど学んだばかりです。
　ごくごく。美味しい。もうなくなってしまいました。

ありす「あ、店員さん、生をもう１杯お願いします」

桃華「一口で飲み干さないでくださいまし！？」

梨沙「これは、アタシの覚悟は甘かったかしら……？」

　ただビールを飲んだだけなのに周りが驚いてますね。私、何かしてしまったのでしょうか？
　まるでネット小説の無双系主人公の気分です。

ありす「しかし本当に納得いきません。そりゃ私だってバストアップ法がガセばかりなのはわかってます。でもですよ、好きな人に揉んでもらったらエOチしたら大きくなるとか、出産したら大きくなるとか、そのあたりの情報は精度の高い情報じゃないですかね！？　この辺りなら全然通ってきた私がAAカップで、何も経験してない晴さんが巨O化するなんて理不尽です、不条理です！」

晴「う、うるせー！！」

ありす「だって晴さん処Oじゃないですか！　こちとら思春期の頃から週７でPさんに愛してもらってましたよ！？　そして今じゃ二児の母！　なのに小学生の頃のブラがぴったりサイズ！！　意味がわからない！」

梨沙「あははははははは」

晴「おいやめろ！　梨沙、笑ってないでこの自称清純派の馬鹿を止めてくれ！　お前酒飲まないストッパー役の予定だっただろ！　っていうかしょ、処Oとか言うな！」

ありす「ちゃんとバストケアのために母乳とミルクの配分を計算しつつ、胸が張りすぎないように学校の保健室で搾乳して冷凍保存まで手伝ってもらってたのに！」

梨沙「あーっははははは！　合理的合理的って言ってるありすが母乳併用してたのってそういうことだったのね」

ありす「母乳神話についてはちゃんと論文読みましたからね！　搾乳しすぎも良くない！　でもバスト維持のためには出産後に胸が張りすぎてクーパー靱帯が伸びないように注意して搾乳するんです！」

晴「搾乳連呼すんなばか！」

ありす「AAAカップからAAカップにしかなりませんでしたけどね！！！　も出産も迷信ですよちくしょう！　PさんとのエOチ頻度言いましょうか！？」

梨沙「あはははははははあーっはっはっはっは」

晴「まじで今すぐその口を閉じろ！　清純派とか女優以前に芸能人としてヤバいこと言ってる！」

ありす「巨Oにこの苦しみがわかってたまりますか！」

桃華「まあまあ、皆さん落ち着いて。ありすさんも小学生の頃から同じ下着を使い続けられるなんて物持ちが良くてすごいことですわよ。体型なんて人それぞれ。ありすさんは仕事と子育てと学業を両立した立派なレディ、いえ、それどころかスーパーレディなのですからもっと胸を張ってくださいまし」

ありす「ふぇえ……桃華さん……優しい……好き」

晴「桃華の巨Oは許すのかよ……」

　桃華さんの母性溢れる胸に飛び込んで泣きます。晴さんは酷い。

桃華「はいはい、ありすさんは頑張ってますわ。よしよし」

ありす「桃華さん好き。私、桃華さんと結婚します」

晴「もうお前既婚者だろうが。Pと離婚するのかよ」

ありす「は？　離婚するわけないでしょう？　晴さん、まだPさんのこと狙ってるんですか？　消しますよ？」

晴「ね、狙ってねえよ！　っていうか一気に冷たい声と顔になるな、マジで怖い」

　おっと、晴さんが不穏なこと言うから思わずかなり低い声が出てしまいました。

梨沙「もう晴は玉砕してからとっくに切り替えてるから安心しなさい。私が数日間かけて慰めてあげたんだから」

晴「お、おい、やめろ」

桃華「そういえば、ありすさんの妊娠がわかった時の晴さんの様子は大変でしたねえ」

梨沙「そーそー。Pとありすがデキてるなんてとっくに暗黙の了解だったのにねえ」

晴「ち、ちくしょう、店員さーん、生おかわり！」

店員「はーい！」

ありす「あ、生２つでお願いしまーす！」

桃華「ペース速すぎません！？」

ありす「せっかくなので一緒に頼んでおこうかな、と」

晴「とか言いながら飲みきってやがる……」

ありす「というかね、晴さん。ボタンを押して店員さん呼ぶんですよ？　酔ってますか？」

晴「お前に言われたくねーよ！」

～～それからしばらくワイワイキャッキャ～～

ありす「それでぇ～、Pさんがかっこよくてぇ、うちの子もほんと可愛くてぇ～この前なんてうちの子ほんと天才かなって～」

晴「その親バカ話はもう何回も聞いた」

ありす「なんですかぁ！　本当にぃ晴さんはなんなんですかぁ！　このけしからん脂肪が諸悪の根源かぁ！！」

晴「やめろ、服の中に手を入れんな――ってホック外すな馬鹿！」

ありす「胸が大きくてもここ感じるんですかぁ？　ほれほれぇ」

晴「あっ……や、やめっ……」

ありす「へぇ処Oなのに感じやすいんですねぇ～？　じゃあこっちは～？」

晴「ちょ、やめっ……まじでやめろ、馬鹿！」ﾎﾟｶｯ

ありす「痛ぁっ！　晴さんがぶったぁ！　泣きます！」

晴「泣くなよ！？　大人なんだろ！？」

ありす「まだ二十歳なんてぇ社会から見れば子供ですぅ～」

晴「こいつ本当に……ってやめろズボンの中はまじでやめろ！！」ﾎﾟｶｯ

ありす「いーたーいーうわーん」

梨沙「……想像以上に酷い結果になったわ」

桃華「ですわね。私も途中からお酒を控えて正解でした」

梨沙「桃華の選んだ通りの個室のお店で良かったわ……有名になったアイドルと女優のこんな姿、外に出せないわよ」

桃華「万が一があっても、本家資本系列のお店です。簡単に隠蔽させられます」

梨沙「こわっ……桃華もそういうところ、ほんと躊躇なくなったわねえ……」

桃華「私も大人になった、ということですわ。汚い大人ですけどもね」

ｺﾝｺﾝｶﾞﾗｯ

P「おーす、色々大丈夫か？」

晴「ぷ、P……！？　やめ、見んなっ！」

ありす「あ、Pさんだぁ！　大好きぃ！　ちゅー！」

P「うむっ！？　って酒臭っ！」

ありす「愛する妻とキスして酒臭いとは何事ですかぁ！　説教しますよ！」

P「待て待て待て、どうしてこうなった。酔い潰れるのは予想してたけどさ」

梨沙「P、ごめんなさい……アタシが甘く見すぎてたわ……しゅがは姐さんの相手で修行してたからなんとかなると思ってたの……ありすの厄介さは現時点であの大人組レベルだわ……レベルで言えば楓さんに匹敵するわね」

ありす「Pさぁん好き好き大好きぃ愛してますちゅー」

P「あー、なるほどなあ……まあ、ありすのお義母さん見てたからなんとなく予想してたが、そうか、これほどか……」

ありす「ちゅー！！！」

P「はいはいちゅー」

ありす「Pさんとちゅーできたぁ幸せぇ」

梨沙「もはや清純派の欠片もないわね……」

桃華「そういえばお子さんたちはどうされてますの？」

P「お義母さんが『娘が暴走すると思うので迎えに行ってあげてください』ってことで今世話してくれてる。もう寝てるだろうけどさ」

桃華「まあ、大体お見通しだったってことですわね……」

ありす「Pさぁん、早く３人目欲しいですよね、私がんばりますよぉ」

P「そしてこれは日本語が通じないパターンだな、把握した。このまま連れて帰るわ」

梨沙「そうしてちょうだい……まあ、今日の様子は録画しといたから後で楽しめるわよ」ﾆﾔﾆﾔ

P「ほぅ、それは興味あるな？　あとで共有しといてくれ」

梨沙「おっけー、楽しみにしときなさい」

ありす「Pさぁん、Pさぁん」ｽﾘｽﾘ

P「今日は妻のありすのために集まってくれてありがとうな。そして迷惑かけてすまん」

桃華「私たちも本当に楽しかったので気にしないでくださいまし。こう集まれるのも幸せなことですし」

P「そう言ってもらえると助かる」

晴「もう子供も夏休みだろ？　今度、海とか連れて行こうぜ」

P「おー、いいな。うちの下の子も遊ばせられるくらいには大きくなったしな」

梨沙「ただ今回の迷惑料は高いわよ？　私の誕生日の時に期待してるわ♪」

P「ははっ、梨沙は相変わらずだなあ、ほんと。もちろんそこはきちんとお礼するさ」

梨沙「さっすが。まあ、でもPも無理しすぎて奥さんに心配かけさせてんじゃないわよ。ありす、惚気まくってたけど、心配もかなりしてたわよ」

P「あーうん、それはまあ、なんとかする」

桃華「なんとかせずにありすさんを寂しくさせたらPちゃまを無理矢理昇格させて社内ニートにさせますので覚悟してくださいまし？」

P「社内の目が痛くなるやつ！　でも安心してくれ。今のプロジェクト、もう少ししたら発表するから、そしたら楽になるし、意味もわかるはずだから」

梨沙「このタイミングで言っちゃったら、もう何を考えてるかモロバレだけどねー？」

P「そういうところは本当に大人になりやがって……予想通りだよ、きっと」

梨沙「まあ、知らんぷりしながら楽しみにしとくわ」

P「大人な対応で助かる」

ありす「Pさぁん、私ももう大人ですよぉ？　中学生とか言われたんですけどぉ！　大人ですよぉ！」

P「はいはい、ありすは大人ありすは大人」

ありす「もうしばらく制服でエOチしませんからぁ！」

P「ばっ……大声で言う……な……」

梨沙・桃華・晴「…………」

P「……ははっ」

梨沙「この口リコン」

～～オマケ～～

ﾌﾟﾙﾙﾙ
P「あ、お義母さん、ご迷惑をおかけしてすみません。予想通りでしたね。ありすは回収してきました」

ありす「むー、愛する妻の前で別の女と電話ですかぁ！？」

P「お義母さんとの電話だ！　あ、聞こえちゃいましたか。こんな感じで、っておい、ありす、電話返せ！」

ありす「お母さーん。Pさんと私は愛し合ってまーす。幸せでーす」

P「はぁ、もう……」

ありす「え、子供の世話は明日まで見るから楽しんでおいでってぇ、それはさすがにダメだよぉ。私だって母親になったんだからぁ」

P「は？　ちょっと待て」

ありす「普段頑張ってる誕生日プレゼントぉ？　でもぉ……せっかくの二十歳なんだから？　んーーー、わかった、甘える。ありがとう。朝帰りでも良いって、もーお母さん！」

P「おいおいおい、酔っ払ったありすを押しつけるつもりか、お義母さん？　まあ、このまま連れて帰ったら子供が起きるしなあ」

ありす「わかった、本当にありがとう。朝までPさんと楽しんでくる！」

P「明日にちゃんと誕生日パーティーの用意してたんだがな……まあ、もういいか、はぁ……」

ありす「それじゃPさぁん！　コンビニでお酒買ってホテル行きますよぉ！」

P「大声で何言っちゃってんの！？」

ありす「朝帰りでもぉ良いってぇ親に言われるってことはぁ、次の子供を期待されてる、ってことでぇ間違いないです。ありす的統計データが示しています！」

P「そういうこと言う親じゃないだろ！」

ありす「レッツ子作りぃーー！！！」

P「やめろ、声のボリューム落とせ！」

ありす「えー、Pさんは二十歳になった私としたくないんですかぁ？」

P「そりゃ……したい、けどさ。あーーーもう、わかったわかった」

ありす「素直でよろしい。褒美にノルマは4回としてあげましょう」

P「なんのノルマだよ、まったく……」

ありす「中出し回数です」

P「言うな！」

ありす「はーい、たった今ノルマ5回に増えましたぁ」

P「はぁ……もう目立つ前にちゃっちゃとコンビニ寄ってホテル行くぞ」

ありす「ゴム買ったら怒りますからね！！」

P「だからそういうこと言うなって言ってんだよ！」

おわり
平和な世界線

本当は、本当は、誕生日にしっかり投下したかった……
全然時間取れなくて突貫作業で急いで書いたのに、でも間に合わなかった……
ごめんね、ありすちゃん……

来年はちゃんともっと書きます
愛故に

乙
笑ってる梨沙が面白かった