1: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:30:26.86
ワムウ「ヌオオオオオオ!!」
ワムウ「アアアアァァァ!!」
ワムウ「AHYYYYYY!!」
ワムウ「SHHHYYYAAAAHH!!」ポロポロポロ
カーズ「」
ワムウ「アアアアァァァ!!」
ワムウ「AHYYYYYY!!」
ワムウ「SHHHYYYAAAAHH!!」ポロポロポロ
カーズ「」
2: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:30:59.76 ID:jzfFInPN0
カーズ「...はぁ」
エシディシ「どうした、そんなあからさまな溜め息なぞついて」
カーズ「なあ、エシディシ。ワムウは連れてくるべきではなかったかもしれんな」
エシディシ「は?」
カーズ「我らの研究は、奴の精神を追いこむほどに退屈なものらしい...」
サンタナ(仮)「カーズ様の研究、嫌いじゃないぞ」
カーズ「慰めてくれるなよ、サンタナ(仮)。いや、お前の場合は本心か...だが、奴は根っからの戦士。敵がいなくては奴は満足できぬ。敵を無くすことになる私の道とは、相容れぬのかもな...」
エシディシ「考えすぎだ。なら、あの時、赤子のワムウ一人を残すことが正しい選択だったといえるか?」
カーズ「...どう転んでも責任は私にある、か。ならば...」シャキン
エシディシ「!?」
カーズ「このカーズ、ワムウの最高の敵となり、奴を苦しみから解放してくれるわ!」
エシディシ「なにをいうカーズ!」ガシィ
カーズ「離せぇ!奴をこれ以上苦しめたくはない!私は...私はぁぁぁ!」
エシディシ「落ち着けこのバカ!サンタナ、お前もコイツを抑えこめ!」
サンタナ「」コクリ
3: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:33:00.51 ID:jzfFInPN0
エシディシ「頭は冷えたか?」パンパン
カーズ「うむ...して、サンタナよ。お前の『憎き肉片』をそろそろ解除してはくれんか。いくら私でもそれなりに痛いのだ」
サンタナ「俺まだ調整できない」
エシディシ「カーズ。お前はなぜワムウを追いこんだと思ったんだ?」
カーズ「...ワムウが泣いていた」
エシディシ「は?」
カーズ「あのワムウがだぞ?お前以上の野太い雄叫びをあげ、まるで親から捨てられた赤子のように泣きじゃくっていたのだ」
エシディシ「マジかよ」
カーズ「そうだ!あのワムウをそこまで追い込んだというのなら、やはりこのカーズが奴と戦い、戦士として死なせるのが」
エシディシ「サンタナ」
カーズ「NUAHHHH―――!」ギュウウウウ
エシディシ「わかった。なら、俺がやつに真意を聞いて来よう。サンタナ、俺が戻ってくるまでそうしててくれ」
サンタナ「」コクリ
カーズ「OGOOAHHHA―――!」ギュウウウウ
4: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:33:26.46 ID:jzfFInPN0
テクテク
エシディシ「しかしあのワムウがなぁ...信じられんな」
エシディシ「ワムウ~、どこだワムウ~!?」
ドゴン
エシディシ「?」
エシディシ(なんだ今の音は?)
5: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:33:52.19 ID:jzfFInPN0
パラパラ
ワムウ「......」
エシディシ(なんだ、ワムウのあの鬼気迫る表情は...とりあえずなにがあったかを聞くとしよう)
エシディシ「ワムウよ。お前ほどの者がどうし...」
ワムウ「う...うぅ...」
エシディシ「?」
ワムウ「ウオオオオオオ!!」ポロポロ
6: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:34:21.78 ID:jzfFInPN0
ワムウ「ヌオオオオオオ!!」
ワムウ「アアアアァァァ!!」
ワムウ「AHYYYYYY!!」
ワムウ「SHHHYYYAAAAHH!!」ポロポロ
エシディシ「」
7: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:34:51.24 ID:jzfFInPN0
ワムウ「ハッ」
エシディシ「......」
ワムウ「これはエシディシ様、失礼致しました!」ザッ
エシディシ「あー...そんなかしこまらなくていいぞ」
ワムウ「いえ。私にとって、これが主に対しての自然な態度なのです」
エシディシ「...その、なんだ。気を遣いすぎるのもよくないと思うぞ」
ワムウ「?」
エシディシ「俺たちは、主従である以上に残り少ない同朋だからな。疲れたときはハッキリとそう言ってくれればいいからな」
ワムウ「...エシディシ様。無礼を承知で申し上げます。ひょっとして、なにか勘違いをされているのでは...」
8: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:35:33.10 ID:jzfFInPN0
カクカクシカジカ
エシディシ「感情をコントロールする練習だと?」
ワムウ「はい。思わぬ反撃を受けた己に怒りを感じた時や汚い手を使われ頭に血が上った時、どうすれば平静を取り戻せるかを考えていたのです」
エシディシ「それで俺の真似をしてみたというわけか」
ワムウ「ハッ。ですが、その...」
エシディシ「お前のことだ。大方、涙を流すことがむしろ集中力を切らしていたといったところか?」
ワムウ「仰る通りです」
9: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:36:03.42 ID:jzfFInPN0
エシディシ「しかしなんだ、戦闘の天才であるお前でも行き詰ることがあるんだな」
ワムウ「恥ずかしながら...」
エシディシ「...ま、いくら悩んだところで変わらんよ。そういうのは、何かの拍子でふっと思いつくものだからな」
ワムウ「なにかの拍子...それは、戦いの中でしか培えないものでしょうか」
エシディシ「さあな。ただ、お前は戦いに喜びを感じる戦士だからな。お前に限ってはそうかもしれんな」
ワムウ「......」
10: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:36:29.85 ID:jzfFInPN0
ワムウ「ひとつ...お聞かせくださいませんか?」
エシディシ「?」
ワムウ「エシディシ様は、なぜあのような方法を思いついたのですか?」
エシディシ「俺か?ふむ、なんだったかな...」
エシディシ「おお、そうだ。たしかお前とサンタナがまだ赤ん坊だった頃...」
11: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:36:57.95 ID:jzfFInPN0
******************************
カーズ「エシディシよ。今日はお前に二人の世話を頼んでいいか?」
エシディシ「えっ?」
カーズ「もう少しで進化についてわかりそうなのだ。今日中に今までの成果を纏めておきたいのでな」
エシディシ「わかった。そういうことなら引き受けよう」
12: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:37:38.95 ID:jzfFInPN0
ワムウ「オギャー、オギャー!」
エシディシ「ほーらほら、泣くんじゃないぞ。おおよしよし」
サンタナ「エンギャー!」
エシディシ「ああ、お前まで...おおよしよし」
ワムウ「おんぎゃあああああ!」
エシディシ「だ、だから泣くなって...」
サンタナ「ギャアアアアアアアア!」
エシディシ「泣くなと言っておろうが!」
岩「」ボゴォ
エシディシ(はっ、イカンイカン...まったく、俺としたことが...このチト荒っぽい性格は直さんとイカンな)
ワムウ「ウギャアアアアアア!」
エシディシ「ええい、やかましいわ!」
岩「」ドゴォン
カーズ「やかましいのは貴様だ!イチイチ物に当たるんじゃあない!」
13: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:38:18.35 ID:jzfFInPN0
エシディシ「ちょうどいい。なあカーズよ、俺のこの荒っぽい性格はどうにかならんかな」
カーズ「性格?...それは難しいな。性格とは生まれついてのもの。それを変えるのは一朝一夕ではな」
エシディシ「なんとかならねえかな。どうにかしなきゃイカンとは思うんだが」
カーズ「別にお前の性格に不満があるわけではないのだが...」
ワムウ「ビエエエェェェン!!」
エシディシ「言った側から泣くなぁぁああぁあ!」
岩「」ボコォ
カーズ「言った側からキレるなぁ!」
14: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:38:48.27 ID:jzfFInPN0
数分後
エシディシ「はぁ...」
エシディシ(赤ん坊って奴はなんでこうも無意味に泣くんだろうな...)
エシディシ(いや、ひょっとすると、何かが起きたから泣くのではなく、泣くという行為自体が意味があるのかもしれん)
エシディシ(たとえば、そう。赤ん坊は食えるものが極端に少ない。あれを喰いたい、これを喰いたいと思っても、食うことはできない)
エシディシ(当然、それを積み重ねれば苛立ちは溜まる。そして、それを発散させるための手段が必要であり、それが泣くという行為であれば...)
ワムウ「びええぇぇん!!」
エシディシ「...よし。付き合ってみるか」
15: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:39:14.02 ID:jzfFInPN0
サンタナ「おぎゃああああ!」
エシディシ「う、うぅ~」ポロポロポロ
ワムウ「わあああああ!」
エシディシ「HEYYYYYYYY!」
サンタナ「うえええぇぇえん」
ワムウ「アアアァァアン!」
エシディシ「AHYYYYYAHYYYYAHYYYY!」
サンワムエシ「「「WHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」」」
20: 2016/06/14(火) 02:43:28.77 ID:cmYJF5buO
やかましいッ!うっおとしいぞッ!
16: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:39:45.35 ID:jzfFInPN0
カーズ「ええい、なぜ貴様まで泣きわめく!余計五月蠅くなったではな...」
エシディシ「フー、スッとしたぜぇ。赤子の真似事もしてみるもんだなァ」スッキリ
エシディシ「なにが起きようが...ハッ、蚊ほども感じなくなったわ」
カーズ「...ど、どうやら落ち着いたようだな。お前がそれでいいならなにも言わんが...」
エシディシ「どうだ、カーズ。お前もやってみんか」
カーズ「やらんっ!」
17: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:40:17.02 ID:jzfFInPN0
******************************
エシディシ「とまあ、こんな感じだったかな」
ワムウ「なるほど。キッカケとは思いもよらぬところから見つかるものなのですな」
エシディシ「そうだ。だからあまり焦ることはない。その時が来れば、おのずと思い浮かぶものさ」
ワムウ「ご指導ご鞭撻、感謝いたします」
エシディシ「さて。そろそろカーズのもとへ戻るか。ま~だ妙なことを言い出す前に...」
ザッ
カーズ「ワムウ...」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
エシディシ「とまあ、こんな感じだったかな」
ワムウ「なるほど。キッカケとは思いもよらぬところから見つかるものなのですな」
エシディシ「そうだ。だからあまり焦ることはない。その時が来れば、おのずと思い浮かぶものさ」
ワムウ「ご指導ご鞭撻、感謝いたします」
エシディシ「さて。そろそろカーズのもとへ戻るか。ま~だ妙なことを言い出す前に...」
ザッ
カーズ「ワムウ...」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
18: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:41:17.16 ID:jzfFInPN0
ワムウ「カーズ様」
エシディシ「お前、サンタナはどうした?」
カーズ「サンタナは餌付け(しまつ)した...ワムウよ。貴様の気持ちはよくわかった」
輝彩滑刀「」シャキン
カーズ「このカーズ、お前の生涯最高の敵となり、責任を取ってくれるわ!」
ワムウ「...?」
エシディシ(もういい、止めるのもめんどくせえや)
エシディシ「全力で組み手をやってみたいってことだよ」
ワムウ「そういうことですか。では、このワムウ、カーズ様のご厚意に甘えさせていただきます!」
19: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:42:18.66 ID:jzfFInPN0
エシディシ(しかし、このワムウが気持ちを切り替えねばならぬほど追い詰められる時、か)
カーズ「よくぞ言った...それでこそこのカーズが認めた戦士!ゆくぞ!輝彩滑...」
ワムウ「闘技、神砂嵐!!」
カーズ「NUAHHHH―――!!!」
サンタナ「カーズ様、一瞬で吹き飛んだ」
エシディシ(そんな奴が現れるのはいつになるのやら)
終わり
21: ◆do4ng07cO. 2016/06/14(火) 02:43:30.16 ID:jzfFInPN0
終わりです。エシディシのアレってどうやって編み出したんだろうとぼんやりと考えて書きました。
読んでくださった方はありがとうございます。
読んでくださった方はありがとうございます。
22: 2016/06/14(火) 02:44:20.04 ID:iX4sxj1eo
乙
面白かった
面白かった
23: 2016/06/14(火) 08:13:45.10 ID:tiYJzYgGO
乙
引用元: ワムウ「ウオオオオオオ!!」ポロポロ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります