1: 2013/07/27(土) 19:33:11.35 ID:13TnMJzw0
響「え? そう?」

春香「だってオフの日とか大抵家でゴロゴロしてるんでしょ?」

響「……いや、まあ……ゴロゴロしてるっていうか、されてるっていうか……」

春香「え? されてる? そこで受動態はおかしいでしょ、響ちゃん」ゴロゴロ

千早「我那覇さん、オレンジジュースのおかわり貰っていいかしら?」ゴロゴロ

響「……もうツッコまなくていいかな?」
THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 2 -FIRST SEASON- 02 我那覇響
3: 2013/07/27(土) 19:37:20.33 ID:13TnMJzw0
千早「ツッコむとか……真昼間から卑猥よ、我那覇さん」

響「千早は真顔で何を言ってるの……」

春香「響ちゃん、私はアップルジュースが欲しいな」

響「うん春香は相変わらず人の話聞かないよね」

春香「聞いてるよ! 響ちゃんが家でゴロゴロしてるって話でしょ?」

響「……もうとりあえずジュース入れてくるさ」

6: 2013/07/27(土) 19:40:50.54 ID:13TnMJzw0
千早「……“ジュース”を……“入れる”……!? 一体“何の”ジュースを“どこに”入れるつもりなのかしらね……?」

響「もうそろそろ殴っていいかな千早」

春香「響ちゃん、暴力は何も生まないよ」

千早「そうよ我那覇さん。妄想してるだけじゃ何も産まれないわ。きちんと現実と向き合わなきゃ」

響「グーでいいかな千早」

9: 2013/07/27(土) 19:46:11.83 ID:13TnMJzw0
春香「ぷはーっ。やっぱり冷房の効いた部屋で飲むジュースは格別だね」

響「うん。なんかついついいっぱい飲んじゃうよね」

千早「あぁ……この柑橘系の芳しい香りが南国の砂浜を全裸で駆ける我那覇さんのイメージに重なるわ」

響「お願いだから今すぐそのイメージ映像を脳内から消去してくれないかな千早」

千早「そう言われてももう名前を付けて保存してしまったわ。タイトルは『私の、最高の妄想』」

響「千早さっき自分で何言ったか覚えてる?」

11: 2013/07/27(土) 19:50:20.47 ID:13TnMJzw0
春香「ごくごく。ぷはーっ。おいしい! 響ちゃん、おかわり!」

響「……どんだけ飲むんだよ春香。もう全部入れきっちゃったぞ」

春香「えーっ! そんな殺生な……」

千早「……“全部”……“入れた”……ですって?」

響「千早はもういいから」

春香「よし! じゃあこの中で一番背のちっちゃい人がひとっ走りジュースを買いに行くってことで!」

千早「客観的かつ公平な選定基準ね。異議なく同意するわ」

響「異議しかないよ!」

12: 2013/07/27(土) 19:55:12.46 ID:13TnMJzw0
春香「えーっ、ダメ?」

響「ダメも何も、それ自分に買いに行けって言ってるのと同じでしょ!」

春香「いやあそれはわかんないよ? もしかしたら響ちゃん成長期確変キターかもしれないしぃ……」

響「そんなニヤニヤした顔で言われても何の説得力も無いぞ、春香……」

千早「大丈夫よ、我那覇さん! 身長は23歳の誕生日の朝まで伸びるというわ! 自信持って!」

響「千早も別にそんな必氏に慰めてくれなくてもいいよ!」

14: 2013/07/27(土) 20:00:17.09 ID:13TnMJzw0
春香「……で、結局、響ちゃんが駄々をこねたのでじゃんけんで買いに行く人を決めることになりましたとさ」

響「いや、なんで自分が悪いみたいになってるの? ねぇ」

千早「大丈夫よ、我那覇さん。誰か一人が犯したミスは皆でカバーする……それが私達、765プロのアイドルだから」ドヤァ

響「いや自分何一つミスってないよね? なのに何で千早は一分の躊躇もなくドヤ顔できるの?」

春香「はいさい! じゃあいくよ! はるるんじゃんけん、じゃんけん……」

春香・千早・響「ぽん!」

15: 2013/07/27(土) 20:04:57.16 ID:13TnMJzw0
春香「」

響「はい、春香の負けー」

千早「勝負とは時に非情で冷酷なものね。春香、お願いね」

春香「…………」

響「いやー助かったぞ。この猛暑の中外に出るなんて自分絶対イヤだったからな」

千早「それはつまり逆説的に言うと絶対家の中で私とくんずほぐれつしたいってことなのかしら? 我那覇さん」

響「千早、頭冷やしかったらシャワー使っていいぞ」

千早「え、もうシャワー? でもまだ心の準備が……」

響「じゃあ頼んだぞー、春香」

春香「…………」

18: 2013/07/27(土) 20:11:12.96 ID:13TnMJzw0
響「? 春香?」

春香「……ところで、響ちゃんって意外とインドア派だよね」

響「またその話? その話はジュース買って来てからに……」

春香「いや、やっぱりインドア派の響ちゃんこそ、外に出るべきなんじゃないかなって……」

響「やだ」

春香「…………」

響「…………」

春香「どうしても?」

響「うん」

春香「沖縄出身なのに?」

響「暑いのは暑いの」

春香「……響ちゃんのオニ。いたいけな少女を灼熱の太陽の下に生贄に差し出そうとするなんて……」

千早「我那覇さん? シャワーはやっぱり我那覇さんから先に……」

響「うんもうめんどくさいから三人で行こうか」

19: 2013/07/27(土) 20:18:07.96 ID:13TnMJzw0
春香「あ、あっつ゛……」

千早「これは、ちょっと……尋常じゃないわね……」

響「うぅ……だから嫌だって言ったのに……」

春香「だって響ちゃんが三人で行こうとか言うから……」

響「……そもそも最初にじゃんけんで負けたのは誰だと思ってるんだよ……」

春香「てへぺろ」

千早「……まあ、過ぎたことを言っても仕方ないわ。この苦行に耐えてこそ、トップアイドルへの道も開かれるというものよ……」

響「おお、千早がなんかまともなことを言い出したぞ。暑さのあまり一周回って普通に戻ったのか? はは」

千早「とりあえず涼を得るために我那覇さんを抱きしめてもいいかしら。この気温ならむしろ互いの体温の方が涼しいはず……」

響「前言撤回するぞ」

21: 2013/07/27(土) 20:23:08.16 ID:13TnMJzw0
春香「あ、駄菓子屋さんがあるよ。あそこでアイス買わない?」

響「ああ、もうこんだけ暑かったらそっちの方がいいな……」

千早「そうね。もう流石に冗談を言う余裕もなくなってきたし……」

響(……冗談だったのか……)

千早「我那覇さん、そんな残念そうな顔を」

響「してないよ!」

春香「ああ、アイスが私を呼んでるぅ……」

22: 2013/07/27(土) 20:27:40.92 ID:13TnMJzw0
春香「はふ~、ちべた~い」

響「あ~、生き返るなぁ」

千早「ハフ、ハフハフ、ハフッ!」

響「いや千早は食べ方おかしいでしょ……」

千早「……てへぺろ?」

響「……はいさい、かわいいかわいい」

春香「……あ、なんか風も吹いてきたよ。ちょっと良い感じに涼しげかも」

響「ああ、もう夕方だし、暑さのピークも過ぎたかもね」

千早「……こうして少しずつ夏が終わり、秋に近付いていくのね……」

春香「……うん……」

響「…………」

23: 2013/07/27(土) 20:32:32.01 ID:13TnMJzw0
春香「……って! なんでいきなりしんみりしてんの!」

響「そ、そうだぞ! 千早が変なこと言うから……」

千早「……ごめんなさい。でも夏の日の夕暮れって、なんとなく物寂しい感じがしない?」

春香「それは、まあ……」

響「……あるかも」

千早「なんていうのかしら。祭りの終わり頃とか、花火を観終わった後とかに感じるような……ノスタルジックな感傷というか」

春香「……ふむ。千早ちゃんは詩人だねぇ」

響「まあでも、なんか分かる気がするな。自分も暑いの苦手だけど、暑くない夏っていうのもなんかしっくりこないっていうか……」

24: 2013/07/27(土) 20:36:18.20 ID:13TnMJzw0
千早「……まあ、四季折々の季節が楽しめるのは、この国の良いところなんでしょうけどね……ん?」

女の子「…………」

春香「どうしたの? お嬢ちゃん」

女の子「……あまみはるかちゃん?」

春香「!」

響「おお」

千早「あら」

女の子「がなはひびきちゃん、きさらぎちはやちゃん」

響「えっ」

千早「!」

春香「……ああ、よく考えたら変装も何もせずに出てきちゃってたね……」

26: 2013/07/27(土) 20:46:20.68 ID:13TnMJzw0
女の子「おうた、うたってー!」

春香「あ~、えっ、と……」

響「あっ……ご、ごめんな君、今日はちょっと……」

女の子「えーっ」

千早「いいわよ」

春香「えっ!」

響「千早!?」

27: 2013/07/27(土) 20:47:34.19 ID:13TnMJzw0
千早「別にいいじゃない。ここは大通りから外れた小道だし、人通りも少ないわ」

春香「でも……騒ぎになったら」

響「プロデューサーに、怒られるかも……」

千早「あら? アイドルがファンのために歌を歌って、怒られる理由があるのかしら?」

春香「……それは……」

響「……まあ……」

千早「アイドルはステージで歌うんじゃない。アイドルが歌った場所が、ステージになるのよ」

春香「……ん!」

響「だなっ!」

千早「……それでは一曲、歌わせて頂きます。……曲は『神SUMMER!!』」

30: 2013/07/27(土) 20:52:07.13 ID:13TnMJzw0
春香「あ……あっ、つ゛……」

響「もう全身、汗でびしょびじょだぞ……」

春香「はは……調子に乗って、夏曲メドレーなんかやっちゃったからね……」

響「最後の方は、なんかギャラリー20人くらいまで増えてたし……」

千早「……でも」

春香「ん?」

響「……千早?」

千早「……楽しかった、でしょう?」

春香「……まあ、ね」

響「……へへっ。最初の女の子も、すっごく喜んでくれてたもんな」

31: 2013/07/27(土) 20:57:23.72 ID:13TnMJzw0
千早「……私はずっと、自分の為だけに歌を歌ってきたわ。でも最近、そうじゃない理由があってもいいんだなって、思えるようなった」

春香「千早ちゃん」

響「千早」

千早「たとえ一人でも、自分の歌を聴いて、喜んでくれる人がいるのなら……その人の為に……いえ、その人の為だけに歌ってもいいんだって……そう思えるようになった」

春香「…………」

響「…………」

千早「あなた達のおかげで……ね」

33: 2013/07/27(土) 20:59:59.63 ID:13TnMJzw0
春香「そ、そんな……私達は何も……」

響「そ、そうだぞ。千早が自分でそう思えるようになったんなら、それは千早自身が頑張ったからさー」

千早「……ふふっ。まあ、なんでもいいのだけれどね」

春香・響「なんでもいいのかよ!」

千早「ふふっ。でも……」

春香「?」

響「何だ? 千早」

千早「……ありがとう」

34: 2013/07/27(土) 21:02:22.52 ID:13TnMJzw0
春香「……や、そんな、お礼とか……」

響「きゅ、急に言われても照れるぞ……」

千早「照れてる我那覇さん可愛いわ抱きしめていい?」

響「唐突に本性出しすぎでしょ! 今までの流れ台無しじゃんか!」

春香「……ぷっ」

千早「……くくっ」

響「……はははっ」

35: 2013/07/27(土) 21:05:56.17 ID:13TnMJzw0
春香「あはははは! なんなのこれ、しんみりしてたと思ってたのに……もう」

響「ホントだよもう、千早のせいで……あははっ」

千早「あら、私はいつもいたって真面目に発言しているつもりだけれど?」

響「よく言うよ。今自分も笑ってたクセに」

千早「あら我那覇さん、ちょっと可愛いからって調子に乗らないでもらえるかしら? 身長差を利用して頭わしゃわしゃするわよ」

響「ごめんそれは本気でやめて」

春香「あはははは」

37: 2013/07/27(土) 21:09:57.11 ID:13TnMJzw0
響「あーあ。もうすっかり暗くなっちゃったな。二人ともどうする? シャワー浴びてくなら、貸すけど」

千早「……さ、さんp」

響「千早は黙ってて」

春香「ありがとう響ちゃん。流石にもう汗ベタベタだから、貸してもらえると助かる」

千早「あ、でも私、着替え持ってきてないわ」

春香「あー、私も」

響「自分ので良かったら貸すけど」

春香「でも下着……」

響「あー……」

千早「? なんで二人して私を見るのかしら?」

春香「いや、何でもないよ千早ちゃん」

響「そうそう、何でもないぞ千早」

千早「?」

40: 2013/07/27(土) 21:18:12.87 ID:13TnMJzw0
春香「よし! じゃあこうしよう! 今夜は響ちゃん家に泊めてもらおう!」

千早「流石春香、名案ね」

響「相変わらずいきなり決めるな春香は……いや別にいいけども」

春香「流石響ちゃん! 大好き!」

響「む、むぐっ。は、春香苦し……」

千早「あ、我那覇さん。ベッドメイキングをするなら、その間私達は外で待っておくから」

響「うん千早はもういいから」

42: 2013/07/27(土) 21:23:27.12 ID:13TnMJzw0
春香「いやー楽しみだね、女子会夜の部!」

千早「我那覇さんとくんずほぐれつ、朝まで生我那覇!」

響「うんもういい加減ツッコまなくてもいいよね」

千早「……まあ、もう夜だし、ツッコんでくれても構わないわ」

響「いやそこで頬を赤らめられてもね? 自分リアクション取りようがないからね? 千早」

春香「響ちゃん、アップルジュースもらえるかな?」

響「自由か! っていうかもう無いって言ったでしょ!」

春香「えー、じゃあ響ちゃん、ひとっぱしり買って」

響「来ないよ!」






43: 2013/07/27(土) 21:30:18.35 ID:jG/hcV6p0
終わりなのかい?乙乙

引用元: 春香「響ちゃんって意外とインドア派だよね」