1:2017/08/02(水) 21:31:05.128
不良「お、こんなところに深淵があるぜ!」
金髪「ホントだ!」
長身「覗いてやろうぜ!」
深淵「やだっ……やめてっ!」
不良「うひょ~、さすが深淵っていわれるだけのことはある。すげえ深さだ!」
金髪「たまんねェな!」
長身「お前らばかりずるいぜ。オレにも覗かせろよ」
深淵「いやぁぁぁぁぁっ!」
男「やめろ!!!」
金髪「ホントだ!」
長身「覗いてやろうぜ!」
深淵「やだっ……やめてっ!」
不良「うひょ~、さすが深淵っていわれるだけのことはある。すげえ深さだ!」
金髪「たまんねェな!」
長身「お前らばかりずるいぜ。オレにも覗かせろよ」
深淵「いやぁぁぁぁぁっ!」
男「やめろ!!!」
2:2017/08/02(水) 21:32:02.727 ID:keF5mZDLp.net
深淵を覗いているとき、深淵を覗いているのだ。
5:2017/08/02(水) 21:32:44.452 ID:ExSrxJmr0.net
深淵なのだ覗くのだ深いのだ
11:2017/08/02(水) 21:34:43.552
不良「なんだテメェ!?」
男「ムリヤリ深淵を覗くのはやめろ! 嫌がってるじゃないか!」
不良「ンだとォ……!?」
金髪「お楽しみを邪魔しやがって……」
長身「深淵があったら覗きてェと思うのが、男の本能だろが!」
男「どうやらお前たちには覗かれる恐怖を教える必要があるようだ」
男「ぼくがお前たちを覗いてやる」
不良「おもしれえ! やってみやがれ!」
男「ムリヤリ深淵を覗くのはやめろ! 嫌がってるじゃないか!」
不良「ンだとォ……!?」
金髪「お楽しみを邪魔しやがって……」
長身「深淵があったら覗きてェと思うのが、男の本能だろが!」
男「どうやらお前たちには覗かれる恐怖を教える必要があるようだ」
男「ぼくがお前たちを覗いてやる」
不良「おもしれえ! やってみやがれ!」
14:2017/08/02(水) 21:35:56.805 ID:U8Wi8kF30.net
アツい展開やな
16:2017/08/02(水) 21:38:06.629
男「まず、不良……」ジロッ
不良「あ?」
男「お前は見かけによらず、絵本が好きだな?」
不良「な!?」ギクッ
男「きっと図書館で何度も絵本を借りてるにちがいない」
不良「!?」ギクギクッ
不良「や、やめろぉぉぉ!!!」
不良「あ?」
男「お前は見かけによらず、絵本が好きだな?」
不良「な!?」ギクッ
男「きっと図書館で何度も絵本を借りてるにちがいない」
不良「!?」ギクギクッ
不良「や、やめろぉぉぉ!!!」
20:2017/08/02(水) 21:40:18.461
男「次に、そっちの金髪」ジロッ
金髪「な、なんだよ」
男「お前はヤンキーぶってるが、実は勉強好きだろう? 典型的な“書いて覚えるタイプ”か」
男「それも……左利き!」
金髪「ぐ!」
金髪(なんで分かったんだ……!?)
金髪「な、なんだよ」
男「お前はヤンキーぶってるが、実は勉強好きだろう? 典型的な“書いて覚えるタイプ”か」
男「それも……左利き!」
金髪「ぐ!」
金髪(なんで分かったんだ……!?)
22:2017/08/02(水) 21:43:37.697
男「それから、一番でかい奴」ジロッ
長身「……!」
男「お前は背は高いが……あっちのサイズにはコンプレックスがあるようだ」
長身「うわぁぁぁぁぁっ!!! やめてくれぇぇぇぇぇっ!!!」モジモジ
金髪「まずいぜ、こいつどんどんオレらのことを覗いてきやがる!」
長身「ひいいいっ!」
不良「ちくしょう、覚えてやがれぇ!」
スタタタタッ!
長身「……!」
男「お前は背は高いが……あっちのサイズにはコンプレックスがあるようだ」
長身「うわぁぁぁぁぁっ!!! やめてくれぇぇぇぇぇっ!!!」モジモジ
金髪「まずいぜ、こいつどんどんオレらのことを覗いてきやがる!」
長身「ひいいいっ!」
不良「ちくしょう、覚えてやがれぇ!」
スタタタタッ!
24:2017/08/02(水) 21:46:43.158
男「大丈夫かい?」
深淵「あ、ありがとう……助かったわ」
深淵「だけど、すごいね……どうして不良たちの秘密や弱点が分かったの?」
男「簡単な推理さ」
男「不良は右手に『ぐりとぐら』の絵本、左手に使い古された図書館の貸し出しカードを持っていた」
男「だから絵本好きだと分かった」
深淵「他の二人は?」
男「金髪の男は、左手に巨大なペンだこができていた。日頃から勉強しまくっている証拠だ」
男「長身の奴はズボンの股間部分にトウモロコシを入れていた」
男「ズボンをもっこりさせて、サイズを大きく見せるためにね」
深淵「すごい推理力……」ドキン…
深淵「あ、ありがとう……助かったわ」
深淵「だけど、すごいね……どうして不良たちの秘密や弱点が分かったの?」
男「簡単な推理さ」
男「不良は右手に『ぐりとぐら』の絵本、左手に使い古された図書館の貸し出しカードを持っていた」
男「だから絵本好きだと分かった」
深淵「他の二人は?」
男「金髪の男は、左手に巨大なペンだこができていた。日頃から勉強しまくっている証拠だ」
男「長身の奴はズボンの股間部分にトウモロコシを入れていた」
男「ズボンをもっこりさせて、サイズを大きく見せるためにね」
深淵「すごい推理力……」ドキン…
25:2017/08/02(水) 21:48:15.465 ID:+ezexcLXr.net
やはり天才か
26:2017/08/02(水) 21:51:05.750
深淵「だけど、推理力があるってことは当然、好奇心もあるってことよね」
男「まぁね」
深淵「あなたは気にならないの? 私という“深淵”を覗きたくならないの?」
男「気にならない、といえばウソになるが、ムリに覗こうとは思わないよ」
深淵(なんてステキな人なの……)
深淵「あの……よかったら一緒にお茶しませんか」
男「いいとも!」
男「まぁね」
深淵「あなたは気にならないの? 私という“深淵”を覗きたくならないの?」
男「気にならない、といえばウソになるが、ムリに覗こうとは思わないよ」
深淵(なんてステキな人なの……)
深淵「あの……よかったら一緒にお茶しませんか」
男「いいとも!」
27:2017/08/02(水) 21:51:53.506 ID:VXGTRKoJ0.net
深淵に覗かれる時深淵もまた覗かれてるのだ
28:2017/08/02(水) 21:52:39.256 ID:gJbNJ7Xea.net
これは巧妙な深淵を覗くスレ
29:2017/08/02(水) 21:54:32.998
―カフェ―
店員「ブレンドコーヒーと、紅茶です」
男「ありがとうございます」
深淵「なぜブレンドコーヒーを?」
男「さっきのように、ぼくはちょっと見ただけですぐ他人の底を覗けてしまうから」
男「こういう底の見えない飲み物の方が好きなのさ。なんていうか、落ち着くんだよね」
深淵「……っ!」ドキン…
店員「ブレンドコーヒーと、紅茶です」
男「ありがとうございます」
深淵「なぜブレンドコーヒーを?」
男「さっきのように、ぼくはちょっと見ただけですぐ他人の底を覗けてしまうから」
男「こういう底の見えない飲み物の方が好きなのさ。なんていうか、落ち着くんだよね」
深淵「……っ!」ドキン…
30:2017/08/02(水) 21:55:42.350 ID:tPlkFMTJd.net
天才かよ
31:2017/08/02(水) 21:56:51.483
男「――今日は楽しかったよ」
深淵「私も……」
男「よかったら、また会えるかな?」
深淵「うん……ぜひ会いたい」
男「じゃあ連絡先を交換しよう。近いうちにまた会おう!」
深淵「うんっ!」
深淵「私も……」
男「よかったら、また会えるかな?」
深淵「うん……ぜひ会いたい」
男「じゃあ連絡先を交換しよう。近いうちにまた会おう!」
深淵「うんっ!」
32:2017/08/02(水) 21:56:58.173 ID:o2jnLfdza.net
これは深・淵(ふかみ・ふち)という名前の女の子に違いない
33:2017/08/02(水) 22:00:00.442 ID:+ezexcLXr.net
深淵ちゃん可愛い
34:2017/08/02(水) 22:01:02.294
―自宅―
男(深淵……見るのは初めてだったけど、ものすごい深さだった……)
男(いくら目を凝らしても、底があるのかどうかすら分からないほどに……)
男(だけど、決して悪い気分じゃない。むしろ、その底知れなさが心地よかった)
男(う~む、ぼくは彼女のことをどう思ってるんだろう?)
男(自分の気持ちが分からない……!)
男(深淵……見るのは初めてだったけど、ものすごい深さだった……)
男(いくら目を凝らしても、底があるのかどうかすら分からないほどに……)
男(だけど、決して悪い気分じゃない。むしろ、その底知れなさが心地よかった)
男(う~む、ぼくは彼女のことをどう思ってるんだろう?)
男(自分の気持ちが分からない……!)
37:2017/08/02(水) 22:05:36.129
―学校―
男「おはよう」
友人「おっす」
男「……お前、今日遅刻しそうになっただろ?」
友人「!」ギクッ
友人「な、なんで分かった!?」
男「パジャマのまんま登校してるからな」
友人(なんて推理力だ……!)
男「おはよう」
友人「おっす」
男「……お前、今日遅刻しそうになっただろ?」
友人「!」ギクッ
友人「な、なんで分かった!?」
男「パジャマのまんま登校してるからな」
友人(なんて推理力だ……!)
38:2017/08/02(水) 22:07:31.667
友人「さすがだぜ……」
友人「お前にかかれば、この世に分からないことなんてないのかもな」
男「いや、そんなことはないさ……」
友人「?」
キーンコーンカーンコーン…
男「おっと授業か。早く学校終わらないかなぁ」
友人(勉強好きで学校好きのこいつが、こんなこというなんて珍しいな)
友人「お前にかかれば、この世に分からないことなんてないのかもな」
男「いや、そんなことはないさ……」
友人「?」
キーンコーンカーンコーン…
男「おっと授業か。早く学校終わらないかなぁ」
友人(勉強好きで学校好きのこいつが、こんなこというなんて珍しいな)
40:2017/08/02(水) 22:11:28.677 ID:WYGYCY4n0.net
>>38
男も友人に覗かれてるやんけ
男も友人に覗かれてるやんけ
39:2017/08/02(水) 22:10:44.464
放課後――
男「……」
男(深淵に電話をかけてみよう)ピッポッパッ
男「深淵ちゃん」
深淵『なぁに?』
男「今度の休み、デートしないか?」
深淵『喜んで!』
男「……」
男(深淵に電話をかけてみよう)ピッポッパッ
男「深淵ちゃん」
深淵『なぁに?』
男「今度の休み、デートしないか?」
深淵『喜んで!』
41:2017/08/02(水) 22:15:00.395
休日――
―海岸―
ザザァン… ザザァン…
深淵「わぁーっ、キレイ!」
男「君は海が好きなのか」
深淵「うん」
深淵「ほら私って深淵でしょ。だから自分と正反対の浅いところが好きなの」
深淵「こういう浅瀬なんかだーい好き」バシャバシャ
男「なんとなく分かるよ、その気持ち」
―海岸―
ザザァン… ザザァン…
深淵「わぁーっ、キレイ!」
男「君は海が好きなのか」
深淵「うん」
深淵「ほら私って深淵でしょ。だから自分と正反対の浅いところが好きなの」
深淵「こういう浅瀬なんかだーい好き」バシャバシャ
男「なんとなく分かるよ、その気持ち」
42:2017/08/02(水) 22:16:15.502 ID:pkXffuV7r.net
浅瀬w
43:2017/08/02(水) 22:17:40.595 ID:+Oy0ptmja.net
そこで浅瀬ちゃんが登場する訳ですね
44:2017/08/02(水) 22:18:35.167
男「よーし、じゃあ水のかけ合いでもしよっか!」
深淵「うん、やろうやろう!」
バシャバシャッ ザバッ バッシャーン
男「やったなー!」バシャッ
深淵「そっちこそ!」ザバッ
男「アハハハハ……」
深淵「ウフフフフ……」
深淵「うん、やろうやろう!」
バシャバシャッ ザバッ バッシャーン
男「やったなー!」バシャッ
深淵「そっちこそ!」ザバッ
男「アハハハハ……」
深淵「ウフフフフ……」
46:2017/08/02(水) 22:22:34.733
―映画館―
映画『うおおおおおっ! 悪を倒すぞォォォォォ!!!』チュドドーン
映画『キミを愛してるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!』
ズガァァァン! ドゴォォォォン! バゴォォォォン!
男「……」
深淵「……」
映画『うおおおおおっ! 悪を倒すぞォォォォォ!!!』チュドドーン
映画『キミを愛してるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!』
ズガァァァン! ドゴォォォォン! バゴォォォォン!
男「……」
深淵「……」
47:2017/08/02(水) 22:25:56.069
男「なんていうか、ずいぶん浅い映画だったね。典型的なB級映画だったよ」
深淵「でも私はああいう中身のないクソ映画の方が好き。ほっとするから」
男「ぼくも気楽に見れたよ」
男「深い内容だと、かえって結末が読めちゃってつまらないもの」
深淵「あなたの推理力は天下一品だものねー」
深淵「私たちって気が合うのかもね!」
男「そうだね!」
深淵「でも私はああいう中身のないクソ映画の方が好き。ほっとするから」
男「ぼくも気楽に見れたよ」
男「深い内容だと、かえって結末が読めちゃってつまらないもの」
深淵「あなたの推理力は天下一品だものねー」
深淵「私たちって気が合うのかもね!」
男「そうだね!」
48:2017/08/02(水) 22:27:03.046 ID:dbtMR+9P0.net
会話が浅い
51:2017/08/02(水) 22:30:40.824
―高級レストラン―
店員「あさりご飯でございます」ニコッ
男「このレストランのあさりご飯はおいしいんだ」
深淵「へぇ~」モグッ
男「どう?」
深淵「あっさりしてて、おいしいっ!」
男「気に入ってくれてよかったぁ~」
男(深淵は浅いのが好きだから、あさりも好きだというぼくの推理は正しかった!)
店員「あさりご飯でございます」ニコッ
男「このレストランのあさりご飯はおいしいんだ」
深淵「へぇ~」モグッ
男「どう?」
深淵「あっさりしてて、おいしいっ!」
男「気に入ってくれてよかったぁ~」
男(深淵は浅いのが好きだから、あさりも好きだというぼくの推理は正しかった!)
52:2017/08/02(水) 22:33:10.037
デートが終わり――
男「今日は楽しかったよ」
深淵「私も」
男「また一緒に……デートしようね」
深淵「……うん!」
男「じゃあ、またね!」
深淵「さよなら!」
男「今日は楽しかったよ」
深淵「私も」
男「また一緒に……デートしようね」
深淵「……うん!」
男「じゃあ、またね!」
深淵「さよなら!」
53:2017/08/02(水) 22:37:06.346
それからというもの――
男「今日はどこ行く?」
深淵「プールに行かない? あんまり深くないところ! 深さ50cmぐらいの!」
~
深淵「あーあ、浅草や浅間山に行ってみたいなぁ~」
男「どこかの大型連休で一緒に行こうよ!」
~
男「この推理小説、面白いんだ。読んでみてよ」
深淵「わぁっ、ありがと~!」
…………
……
男「今日はどこ行く?」
深淵「プールに行かない? あんまり深くないところ! 深さ50cmぐらいの!」
~
深淵「あーあ、浅草や浅間山に行ってみたいなぁ~」
男「どこかの大型連休で一緒に行こうよ!」
~
男「この推理小説、面白いんだ。読んでみてよ」
深淵「わぁっ、ありがと~!」
…………
……
54:2017/08/02(水) 22:40:29.388
しばらくして――
深淵「ねえ……」
男「うん?」
深淵「よかったら今日、うちの家に来ない?」
男「いいのかい?」
深淵「うん、お父さんやお母さんにも会ってもらいたいの」
男(やっぱり深淵にも家族はいるのか……)
深淵「ねえ……」
男「うん?」
深淵「よかったら今日、うちの家に来ない?」
男「いいのかい?」
深淵「うん、お父さんやお母さんにも会ってもらいたいの」
男(やっぱり深淵にも家族はいるのか……)
56:2017/08/02(水) 22:46:28.524
―深淵の家―
深淵父「おっほん」
深淵父「君が、娘のボーイフレンドかね」
男「はい」
深淵母「あらまぁ、なかなかいい男じゃないの。深淵もやるじゃない」
深淵「えへへ……」
男(やはり両親は深淵以上の深さの持ち主のようだ……全く底が見えない。まるでブラックホール!)
深淵父「コホン」
深淵父「君が優秀な人間だというのは認めよう。しかし、ハッキリといっておきたいことがある」
男「なんでしょう?」
深淵父「おっほん」
深淵父「君が、娘のボーイフレンドかね」
男「はい」
深淵母「あらまぁ、なかなかいい男じゃないの。深淵もやるじゃない」
深淵「えへへ……」
男(やはり両親は深淵以上の深さの持ち主のようだ……全く底が見えない。まるでブラックホール!)
深淵父「コホン」
深淵父「君が優秀な人間だというのは認めよう。しかし、ハッキリといっておきたいことがある」
男「なんでしょう?」
57:2017/08/02(水) 22:49:29.053
深淵父「君に娘を覗く覚悟はあるか?」
男「!」
深淵母「あなた!」
深淵父「お前は黙っていなさい」
深淵父「君が娘と親しく付き合うなら、娘を覗く時が必ず来る」
深淵父「だが、深淵を覗く者は必ず……深淵に覗かれることになる」
深淵父「文字通り、全てをな」
ゴゴゴゴゴ…
男「……!」
深淵父「君にその覚悟はあるのか?」
男「!」
深淵母「あなた!」
深淵父「お前は黙っていなさい」
深淵父「君が娘と親しく付き合うなら、娘を覗く時が必ず来る」
深淵父「だが、深淵を覗く者は必ず……深淵に覗かれることになる」
深淵父「文字通り、全てをな」
ゴゴゴゴゴ…
男「……!」
深淵父「君にその覚悟はあるのか?」
58:2017/08/02(水) 22:50:40.974 ID:Q/gR6Yc0r.net
シリアス
59:2017/08/02(水) 22:53:19.489
男(ぼくは自分の心ですら自分で分かっていない)
男(そんなものを彼女に覗かせていいのだろうか?)
男(もしかしたら、心のどこかで彼女に対して邪な気持ちを抱いてるかもしれない)
男(もしそれを覗かれてしまったらっ……!)
男「ぼくはっ……ぼくはっ……!」
深淵父「もし覚悟がないのであれば、娘と付き合うのはやめてもらおう」
深淵父「覗く覗かれるの関係でなくば、君も娘も不幸になってしまうからな」
深淵「男君……!」
男(駄目だ……言い返せない! ぼくには……覚悟がない!!!)
男「失礼します!」ダッ
深淵「ああっ!」
深淵父「これでよかったのだ……我らは深淵、しょせん人間とは相容れぬのだ」
深淵母「あなた……」
男(そんなものを彼女に覗かせていいのだろうか?)
男(もしかしたら、心のどこかで彼女に対して邪な気持ちを抱いてるかもしれない)
男(もしそれを覗かれてしまったらっ……!)
男「ぼくはっ……ぼくはっ……!」
深淵父「もし覚悟がないのであれば、娘と付き合うのはやめてもらおう」
深淵父「覗く覗かれるの関係でなくば、君も娘も不幸になってしまうからな」
深淵「男君……!」
男(駄目だ……言い返せない! ぼくには……覚悟がない!!!)
男「失礼します!」ダッ
深淵「ああっ!」
深淵父「これでよかったのだ……我らは深淵、しょせん人間とは相容れぬのだ」
深淵母「あなた……」
60:2017/08/02(水) 22:53:58.940 ID:X4QG8m9P0.net
異種族だったのか
61:2017/08/02(水) 22:56:07.368
―自宅―
男(あのお父さんがいってることは正しい)
男(半端な覚悟の者が深淵を覗いたところで、自分も深淵も不幸にするだけだ)
男(つまり、あの場から逃げたぼくの判断も正しかったことになる)
男(なのになぜだ!? なぜ、ぼくの心はザワザワしたままなんだ!?)
男(ぼくはどうすれば――!?)
男(あのお父さんがいってることは正しい)
男(半端な覚悟の者が深淵を覗いたところで、自分も深淵も不幸にするだけだ)
男(つまり、あの場から逃げたぼくの判断も正しかったことになる)
男(なのになぜだ!? なぜ、ぼくの心はザワザワしたままなんだ!?)
男(ぼくはどうすれば――!?)
62:2017/08/02(水) 22:58:41.305 ID:QAU3ux890.net
なんだこれ
63:2017/08/02(水) 23:00:08.600
―学校―
友人「おっす」
男「……おはよう」
友人「なんか、やつれてないか?」
男「そんなことないと思うけど」
男「それよりお前、今朝はうな重を食べただろう?」
友人「いや……朝メシはウィダーinゼリーだったけど」
男「!!!???」
男(推理が……わずかに外れたッ!? こんなバカな……ッ!)
友人「お前が推理を外すなんてどうしちまったんだよ!? 何があったんだよッッッ!?」
男「実は……」
友人「おっす」
男「……おはよう」
友人「なんか、やつれてないか?」
男「そんなことないと思うけど」
男「それよりお前、今朝はうな重を食べただろう?」
友人「いや……朝メシはウィダーinゼリーだったけど」
男「!!!???」
男(推理が……わずかに外れたッ!? こんなバカな……ッ!)
友人「お前が推理を外すなんてどうしちまったんだよ!? 何があったんだよッッッ!?」
男「実は……」
66:2017/08/02(水) 23:03:59.815
友人「なるほど……深淵を覗くべきか、覗かぬべきか、ねえ」
男「ぼくは自分がどうしたいのか、自分の気持ちすら分からないんだ」
友人「ふっふっふ、ならいつもと立場逆転だな」
友人「オレは分かるぜ……お前の本当の気持ちがな」
男「な、なんだって!? ――教えてくれ!」
友人「なにバカなこといってやがる」
友人「お前だって本当はもう分かってるんだろ?」
友人「今みたいに“最後の後押し”をして欲しかったんだろ? 世話が焼ける奴だぜ」フッ
友人「行けよ、先生には早退したって伝えとく」
男「……ありがとう、親友!」
男「ぼくは自分がどうしたいのか、自分の気持ちすら分からないんだ」
友人「ふっふっふ、ならいつもと立場逆転だな」
友人「オレは分かるぜ……お前の本当の気持ちがな」
男「な、なんだって!? ――教えてくれ!」
友人「なにバカなこといってやがる」
友人「お前だって本当はもう分かってるんだろ?」
友人「今みたいに“最後の後押し”をして欲しかったんだろ? 世話が焼ける奴だぜ」フッ
友人「行けよ、先生には早退したって伝えとく」
男「……ありがとう、親友!」
68:2017/08/02(水) 23:09:08.014
男(深淵に電話をかけよう)ピッ
男「もしもし、深淵ちゃん?」
深淵『……なに? 私を覗く覚悟もない底の浅いあなたがなんの用?』
男「それについては……すまなかった。弁解の余地もない」
男「だけどもし、君がもう一度ぼくにチャンスをくれるというのなら――」
男「もう一度、君に会いたい……!」
深淵『私、その言葉を待ってた……!』
男「それじゃ……初めてデートした海岸で会おう」
深淵『私、待ってる……! 浅瀬でっ……!』
男「もしもし、深淵ちゃん?」
深淵『……なに? 私を覗く覚悟もない底の浅いあなたがなんの用?』
男「それについては……すまなかった。弁解の余地もない」
男「だけどもし、君がもう一度ぼくにチャンスをくれるというのなら――」
男「もう一度、君に会いたい……!」
深淵『私、その言葉を待ってた……!』
男「それじゃ……初めてデートした海岸で会おう」
深淵『私、待ってる……! 浅瀬でっ……!』
70:2017/08/02(水) 23:12:32.217
―海岸―
ザザァン… ザザァン…
男「待たせた?」
深淵「ううん、今来たとこ」
男「それじゃ、ぼくの本当の気持ちを単刀直入に伝えさせてもらうよ」
男「今こそ、君のことを覗きたい……!」
深淵「ええ、思う存分覗いて……!」
男「……いくよ!」ジロジロジロッ
ザザァン… ザザァン…
男「待たせた?」
深淵「ううん、今来たとこ」
男「それじゃ、ぼくの本当の気持ちを単刀直入に伝えさせてもらうよ」
男「今こそ、君のことを覗きたい……!」
深淵「ええ、思う存分覗いて……!」
男「……いくよ!」ジロジロジロッ
71:2017/08/02(水) 23:15:33.912
男「深いなぁ……なんて深さだ……」
深淵「んっ……」
男「底がまるで見えない……。深さが何百、いや何千メートルあるか、見当もつかない……」
深淵「ああっ……」
男「だけど、全然怖くない……どこまでもどこまでも覗ける……」
深淵「んふうっ……」
男「さ、もっと深くまで覗くよ……」
深淵「い、いいよっ! とことんやっちゃってっ!」
深淵「んっ……」
男「底がまるで見えない……。深さが何百、いや何千メートルあるか、見当もつかない……」
深淵「ああっ……」
男「だけど、全然怖くない……どこまでもどこまでも覗ける……」
深淵「んふうっ……」
男「さ、もっと深くまで覗くよ……」
深淵「い、いいよっ! とことんやっちゃってっ!」
72:2017/08/02(水) 23:15:42.038 ID:wYMmTEbxr.net
ジロジロジロッ
73:2017/08/02(水) 23:20:16.275
深淵(他人からここまで深くまで覗かれるのは初めて……! なんて快感なのかしら!)
深淵(でも、これ以上覗かれたら……私は彼のことも覗いてしまう!)
深淵(なぜなら“深淵は誰かに覗かれた時、その誰かを覗いてしまう”から! これは本能!)
深淵(どんなに相手のプライバシーを尊重しようとしても、止められない!)
深淵(もう我慢できないっ!)
深淵(私、彼の中を覗いちゃう!)
深淵「――――!」
深淵(でも、これ以上覗かれたら……私は彼のことも覗いてしまう!)
深淵(なぜなら“深淵は誰かに覗かれた時、その誰かを覗いてしまう”から! これは本能!)
深淵(どんなに相手のプライバシーを尊重しようとしても、止められない!)
深淵(もう我慢できないっ!)
深淵(私、彼の中を覗いちゃう!)
深淵「――――!」
74:2017/08/02(水) 23:24:26.076
ぼくは深淵が好きだ。
ぼくは深淵が好きだ!
ぼくは深淵が好きだ!!
ぼくは深淵が好きだ!!!
ぼくは深淵が好きだ!!!!
ぼ く は 深 淵 が 大 好 き だ ! ! ! ! !
深淵「あああああああああああああああああっ!!!!!」
ぼくは深淵が好きだ!
ぼくは深淵が好きだ!!
ぼくは深淵が好きだ!!!
ぼくは深淵が好きだ!!!!
ぼ く は 深 淵 が 大 好 き だ ! ! ! ! !
深淵「あああああああああああああああああっ!!!!!」
75:2017/08/02(水) 23:27:48.412
男「今の必要以上に黄色い声……どうやらぼくを覗いてくれたようだね」
深淵「……うん」
男「じゃあ今度はぼくの口からちゃんと言おう」
男「好きだっ!」
男「ぼくは一生かけて、君の底の底まで覗いてみせる!」
深淵「ふんっ! そう簡単に覗かせないんだからっ!」
深淵「……うん」
男「じゃあ今度はぼくの口からちゃんと言おう」
男「好きだっ!」
男「ぼくは一生かけて、君の底の底まで覗いてみせる!」
深淵「ふんっ! そう簡単に覗かせないんだからっ!」
76:2017/08/02(水) 23:31:44.844 ID:GbdkZcxrp.net
なにこの闇の深いスレ
77:2017/08/02(水) 23:31:48.130
男「いーや、絶対覗いてみせる!」
深淵「いーえ、私の底はそう浅くないわよ!」
アハハハハ… ウフフフフ…
……
深淵父「フッ、深淵を覗いて、呑まれない人間がいたとはな……」
深淵母「人間もまだまだ奥が深い、ということね」
おわり
深淵「いーえ、私の底はそう浅くないわよ!」
アハハハハ… ウフフフフ…
……
深淵父「フッ、深淵を覗いて、呑まれない人間がいたとはな……」
深淵母「人間もまだまだ奥が深い、ということね」
おわり
78:2017/08/02(水) 23:34:23.941 ID:wYMmTEbxr.net
乙
深淵を覗いてしまった気分
深淵を覗いてしまった気分
79:2017/08/02(水) 23:34:24.290 ID:E7cFHLI00.net
乙
お前天才だわ
お前天才だわ
82:2017/08/03(木) 00:13:47.155 ID:wHbHCqW/H.net
乙
素晴らしい
素晴らしい
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