1: 2015/01/21(水) 23:21:05.88 ID:GQ59esKU0


美希「…そんなに悲しい顔しないでほしいの」


美希「これで、もう会えなくなるわけじゃないんだし」


美希「出会ったこと、後悔してるなんて思ってないよ?」


美希「ミキも、楽しかったよ。もちろん、別れるのは悲しいけど…」


美希「でもプロデューサーは、これからもミキのプロデューサーなの」



2: 2015/01/21(水) 23:21:59.99 ID:GQ59esKU0


美希「…へぇ、そのTシャツ、気に入ってるんだ」


美希「それ、ミキがあげたTシャツだよ。ちょっと、嬉しいな」


美希「今まで、いっぱいプレゼントし合ったよね」


美希「…うん、このネックレスも、そうだったね」


美希「すっごく気に入ってるんだ。ミキの一番なの」


美希「プロデューサーは、いつもミキのこと、誰よりもわかっててくれたよね…」


美希「…」


3: 2015/01/21(水) 23:22:32.23 ID:GQ59esKU0


美希「あっ、見て…!」


美希「こんな綺麗な夕焼け、久しぶりに見たの…」


美希「…こんな風に、『いいな』って思える瞬間にね?」


美希「ミキは、『生きてるなぁ』って感じるの」


美希「プロデューサーとつきあってたときも、たくさんそう思ったよ」


美希「たくさんステージに立たせてくれたし、たくさんキラキラできたのはプロデューサーのおかげなの」

4: 2015/01/21(水) 23:23:22.13 ID:GQ59esKU0


美希「…ううん」


美希「ダメだよ。もう、手はつなげないの」


美希「これからはもう、ミキじゃないでしょ?」


美希「もう、だからそんな悲しそうな顔しちゃダメだって言ってるの!」


5: 2015/01/21(水) 23:23:58.56 ID:GQ59esKU0


美希「…ほんとは、ミキだって泣きたいよ」


美希「ほーら、こうやって口角あげて…!」


美希「あはは。プロデューサーのその笑顔、ミキ、好きだよ」


美希「ミキ的には、下手っぴな笑顔ってカンジだけどね。でも」


美希「その笑顔だけで、プロデューサーがどんな人かすぐにわかるから」

美希「不器用で、口下手で、でも優しくって」


美希「たぶん、一生忘れられないんだろうなぁ」


美希「…だから、別れたってこの時間がなかったことになるわけじゃないの」


美希「今までのこと、全部…」


6: 2015/01/21(水) 23:24:43.77 ID:GQ59esKU0


美希「初めて会ったとき、ミキ、けっこうキツイこと言っちゃってたね」


美希「いまさらだけど、ごめんね」


美希「それから、付き合いはじめてから、何回もわがまま言って困らせちゃったっけ」


美希「何回も手をつないだよね。現場でも、ちょっとだけ」


美希「…ミキもプロデューサーも、わがままに、自由に恋してたね」


7: 2015/01/21(水) 23:25:35.23 ID:GQ59esKU0


美希「なんでそんなこと急に言うかって?」


美希「…ミキにも、わかんないの。もう、ここで言っておかないとずっと言えない気がしちゃって」


美希「なんでだろうね。なんでミキは泣いてるんだろうね…?」


美希「あ、その歌…。ミキの好きな歌なの」


美希「…プロデューサーの歌声、好きだったなぁ。もう聞けなくなるの、残念だな」


美希「さっきは、もう会えなくなるわけじゃないっていったのに。ヘンだね」


8: 2015/01/21(水) 23:26:38.01 ID:GQ59esKU0


美希「…ありがとう。プロデューサーの声を聞くと、つい落ち着いちゃうの」


美希「プロデューサーにとってミキも、いつもそうでありたいな」


美希「ふふ。そんなこと言うな、なんて言っちゃダメなの」




9: 2015/01/21(水) 23:27:55.29 ID:GQ59esKU0


美希「…プロデューサーが、ミキのこと、大切にしてくれたからだよ」


美希「プロデューサーがミキのこと、せいいっぱい愛してくれたから」


美希「そのおかげでミキも、アイドルとして、人として」


美希「せいいっぱい成長できたの」

10: 2015/01/21(水) 23:28:32.95 ID:GQ59esKU0


美希「だから、プロデューサーとつきあってたときのこと、ずっと忘れないよ」


美希「今度は、ミキがプロデューサーを成長させる番なの」


11: 2015/01/21(水) 23:29:02.29 ID:GQ59esKU0


美希「…うん、ごめんね。もう元には戻れないよ」


美希「ミキもプロデューサーも、よくわかってるでしょ?」


美希「…でも」


美希「こんなふうになるんだったら、もっと手もつないでおけばよかったなぁ」


12: 2015/01/21(水) 23:29:34.08 ID:GQ59esKU0


美希「もっとプロデューサーのおうちにも行きたかったの」


美希「海にも行ってないし、動物園も、ショッピングも。観覧車だって乗りたかったな」


美希「もっと好きだって言えばよかったの」


美希「キスだって、まだしたことないのに」


13: 2015/01/21(水) 23:30:30.44 ID:GQ59esKU0


美希「…だから、新しい恋人といろんなところに行って、いろんなこと、してあげてね?」


美希「誰よりも、プロデューサーのこと、知ってるから」


美希「誰よりも、プロデューサーのこと、好きだったから…」


美希「手はつながないけど、プロデューサーのこと全部、わかるよ」


美希「プロデューサーは、もっと女の子に『好き』って言わないとダメだよ?」


美希「ミキだって、ホントはもっと言ってほしかったんだから…」


14: 2015/01/21(水) 23:31:22.57 ID:GQ59esKU0


美希「…ミキ、もうこんなふうに誰かを好きになれないって思うな」


美希「プロデューサーも、なんて、言われなくてもわかってるの」


美希「でも、だからこそ…」


15: 2015/01/21(水) 23:32:28.81 ID:GQ59esKU0


美希「…あーあ、こんなにかわいいトップアイドルと別れちゃうなんて、相手はどんな男の子だったんだろう?」


美希「きっとものすごーくかっこよくて、ものすごーく優しい人なんだろうなぁ」


美希「…だから! そんなすごい男の人はこれから、絶対に新しい恋人と幸せにならなきゃいけないの!」


16: 2015/01/21(水) 23:33:07.60 ID:GQ59esKU0


美希「もう…! いいから聴いてて…!」


美希「…いままで、恋人として愛してくれて、ありがとう」


美希「明日からは、ただのアイドルとプロデューサー、だね」


17: 2015/01/21(水) 23:34:02.58 ID:GQ59esKU0


美希「これまで、ふたりでたくさん泣かせあったよね」


美希「だから、最後くらいは笑ってバイバイしたいの」


美希「プロデューサーは、美希の思い出の中で、いつも笑ってるから」


美希「だからミキもプロデューサーの中で、いつまでも笑っていたいな!」


18: 2015/01/21(水) 23:34:37.67 ID:GQ59esKU0


美希「…それじゃあ、ここでお別れだね」


美希「ミキのこと、何度もここまで送ってくれたよね」


美希「優しかったハニーのこと、ミキ、ずっと忘れないの!」


19: 2015/01/21(水) 23:35:13.02 ID:GQ59esKU0

美希「…うん、バイバイ!」


美希「明日からよろしくね、プロデューサー!」

20: 2015/01/21(水) 23:35:47.46 ID:GQ59esKU0

おしまい。

22: 2015/01/21(水) 23:36:18.60 ID:GQ59esKU0

23: 2015/01/21(水) 23:37:36.32 ID:GQ59esKU0

曲は1:40秒あたりから。
美希にカバーしてほしいなーと思ったから書いた。
美希の曲って片思いとか失恋とか悲しい曲ばっかりなんだろう、とてつもなく似合ってるのも事実だけど…!
おまえらは美希にどんな曲をカバーしてほしい?


引用元: 美希「恋人」