1: 2022/08/05(金) 21:12:52 ID:EeEMShAr.net
栞子「ぶーー!!!!!」

歩夢「栞子ちゃん!?」

栞子「なんなのですか!?このクッキーは!!!」

歩夢「し、栞子ちゃん?」

栞子「酷い味です!!校内への毒物の持ち込みは禁止されてますよ!!?」

歩夢「栞子ちゃん…」

栞子「こんな物をお皿に乗せて机の上に置くなんて!最低すぎます!!!」

歩夢「ああ…」

せつ菜「ふふ…わたしの作ったクッキー、毒物なんですね…」

栞子「え?」

歩夢(あーあ…しーらない…)

4: 2022/08/05(金) 21:16:53.68 ID:EeEMShAr.net
せつ菜「ふふふ…わたしは毒物を作ってしまったんですね…」

栞子「……ち、違います!」

せつ菜「何がですか?わたしのクッキーが毒物ってことですか?」

栞子「わ、わたしは………そ、そうです!まるで毒物のような中毒性があるなと!!」

せつ菜「中毒性?」

栞子「はい!1枚食べたら止まらないっていう…」

せつ菜「1口目で吐き出してましたよね?」

栞子「」

せつ菜「なんなら、酷い味と言ってましたよね」

栞子「そ、それは……」

7: 2022/08/05(金) 21:20:22.47 ID:EeEMShAr.net
栞子「その…」

せつ菜「いいんです 無理にフォローしなくても」

栞子「…」

せつ菜「何だか最近気づいていたんです わたしの作る料理を、みなさんが避けていると」

せつ菜「でも、信じたくなかった わたしの料理でみなさんに迷惑をかけていると信じたくなかった」

栞子「そ、そんなこと…」

せつ菜「ですが、栞子さんのおかげではっきりわかりました わたしの料理は求められていません」

せつ菜「なぜなら、毒物だからです」

栞子「」

歩夢(これはもう手の施しようがないよ…)

9: 2022/08/05(金) 21:21:46.64 ID:EeEMShAr.net
せつ菜「ありがとうございます!栞子さん!」

栞子「…え?」

せつ菜「栞子さんのおかげで、自分の力がよくわかりました!これからはもう料理は作りません!」

栞子「…」

せつ菜「あはは!あは……あはは………」グスッ

栞子「………」

歩夢(…)


栞子「はぁ…せつ菜さんは乙女心というものをわかってませんね」

せつ菜「え?」

歩夢(は?)

12: 2022/08/05(金) 21:24:39.11 ID:EeEMShAr.net
栞子「わたしは、このクッキーを独り占めしたかったのですよ」

せつ菜「!?」

栞子「せつ菜さんなら、ツンデレという言葉をご存知でしょう?」

せつ菜「…はい」

栞子「それと似たようなことですよ 口では酷い味だの毒物だの言っても」

栞子「心の中ではとても美味しいと思っているのです」

せつ菜「!!!」

栞子「そして、そんな美味しいクッキーをみなさんで分けるなんて、わたしは嫌だと思ったのです」

栞子「だから敢えて酷い味と言うことでみなさんの食欲を無くし、わたしが独り占めする」

栞子「これがわたしの計画だったのです」

せつ菜「栞子さん…」

15: 2022/08/05(金) 21:26:21.33 ID:EeEMShAr.net
栞子「なのでわたしは別にクッキーがまずいとk」

せつ菜「栞子さんっ!!!」ダキッ

栞子「ひゃあっ!?」

せつ菜「大好きです!!だーーーいすきです!!!!!」

栞子「は、離れてください!」

せつ菜「もう全部栞子さんにあげちゃいます!!」

栞子「え?」

せつ菜「なんなら、あ~んってしてあげます!!」

栞子「はあ!?」

せつ菜「恥ずかしいですけど、栞子さんになら…///」

栞子「」

歩夢(ぷふっ)

18: 2022/08/05(金) 21:28:36.64 ID:EeEMShAr.net
………

せつ菜「あ~ん♡」

栞子「あ、あむ……もぐもぐ…ぐぷっ…」

せつ菜「ふふふ♡次が残りの1枚ですね♡」

栞子「そ、それは急ですね…」

せつ菜「あ~ん♡♡♡」

栞子「あむ…ぶっ……ごくん………」

せつ菜「美味しかったですか?」

栞子「は、はい…とても…」

せつ菜「ふふふ♡」

栞子(ああ…よくやく終わりました…)

せつ菜「…実は、まだ生地が残ってるんです♡」

栞子「え?」

せつ菜「栞子さんのために、もっと焼いてきちゃいますね///」スタスタ

栞子「そんな……」

19: 2022/08/05(金) 21:31:20.52 ID:EeEMShAr.net
せつ菜「ではまた!直ぐに戻ってきますね!」

パタン

栞子「…」

歩夢「…」

栞子「…」

歩夢「…」

栞子「……うぷっ………」

歩夢「ささっ」スッ

栞子「!」

歩夢「よく頑張ったね げーしようか」

栞子「…」

ウブッ…カポッ……ゲェェェェェェエエエ………ゲボロシャァァァァァァァァアアアア!!!!!



せつ菜(栞子さんが無理をしていることにはすぐ気付きました)

せつ菜(それでも、体を張ってわたしのために頑張ってくれたんです)

せつ菜(いつか必ず、栞子さんが心から美味しいと言えるような料理を作ってみせます)

せつ菜(…その日まで、待っててくださいね!!!!!)

20: 2022/08/05(金) 21:32:43.78 ID:EeEMShAr.net
半年後、彼方ちゃんも唸るほど美味しい料理をせつ菜ちゃんが作ってくるのは、別の話

21: 2022/08/05(金) 21:32:50.66 ID:EeEMShAr.net
終わり

22: 2022/08/05(金) 21:33:17.61 ID:koIaOs+y.net
せつ菜ちゃん……

25: 2022/08/05(金) 21:33:25.89 ID:jzQ3kS1/.net
感動した

26: 2022/08/05(金) 21:33:41.57 ID:8xa/bbWL.net
泣いた

引用元: 栞子「おや、これはクッキーですか?1枚いただきますね」パクッ 歩夢「あ、ちょっ…」