1: 2014/03/08(土) 20:59:36.94 ID:TvOaOW1R0

3: 2014/03/08(土) 21:01:22.63 ID:TvOaOW1R0

――――


前川みく「よしよしハナコチャン、今日もいい天気だにゃ~」ナデナデ


ワンッワンッ


渋谷凛「何してるの、みく?」


みく「おおっ、凛チャン!おっはにゃあ☆」


凛「うん。おはよう、みく。それで、何してるの?」


みく「ハナコチャンと遊んでるんだにゃ!」


凛「見たら分かるよ。どうしたの?」


みく「いやぁ~、今日はお気に入りの猫カフェに行こうと思ったんだけどね?」


みく「なんと!今日はお休みだったのにゃぁ……」


みく「それで、凛チャンの家に遊びに来たのにゃ!はぁ~、ハナコチャンは癒されるにゃぁ~」ギュッ


凛「そうだったんだ」


5: 2014/03/08(土) 21:03:27.36 ID:TvOaOW1R0

凛「じゃあ、これ持って」


みく「ん?リード、かにゃ?」


凛「うん。今から行こうと思ってたけど……ハナコの散歩、みくに任せるよ」


みく「にゃにゃぁ~っ!?」


凛「ほら、私も行くから。ね?」


みく「うにゃぁ~……みくは猫派なのに……」


凛「ハナコは特別なの?」


みく「もちろん!こんなに懐いてくれるのはハナコチャンだけにゃあ!」


凛「ならなおさらだよ。ほら、犬の散歩なんて初めてでしょ?」


みく「そ、それは……そうだけど」


凛「はい、決まり。ほらほら」


みく「にゃぁ~っ!今日の凛チャンはゴーインにゃあ~!!」


6: 2014/03/08(土) 21:05:01.65 ID:TvOaOW1R0

凛「なら、ハナコに聞こっか」


凛「ねぇハナコ、今日は私とみく、どっちがいいの?」


ワンッワンッ


凛「ほら、ハナコもみくがいいって言ってるよ?」


みく「にゃ、にゃんと……!」


凛「猫カフェに行こうとしてたんだし、この後暇でしょ?」


みく「うぅ……わ、わかったにゃ!ハナコチャン、一緒に行くにゃ!」


ワンッワンッ


みく「にゃぁっ?!は、ハナコチャン!早すぎるにゃあ!!」グイグイッ


凛「ふふっ……待ってよハナコ」


みく「凛チャンっ、みくのことも心配してにゃあ~っ!!」


7: 2014/03/08(土) 21:06:10.81 ID:TvOaOW1R0

――――


高垣楓「あっ……上手くできました……♪」


ガチャッ


凛「おはようございます」


凛「……何してるの、楓さん?」


楓「あら、凛ちゃんおはよう。お茶でもいかがですか?」


凛「うん、ありがとう……あ、茶柱だ」


楓「やっと茶柱、出たんですよ」


凛「そうなんだ……よかったの?」


楓「?」


凛「せっかくの茶柱なのに」


楓「いいんですよ。気にしないでください」


8: 2014/03/08(土) 21:07:43.97 ID:TvOaOW1R0

楓「せっかくの茶柱だから、です」


楓「だって、めったに出ることがないんだから、茶柱が立ったら幸せでしょう?」


楓「ですから、幸せのおすそ分けです」


凛「……そっか。ありがとう、楓さん」


楓「それでなんですけど、凛ちゃん。今とーっても喉が渇いてたりしませんか?」


凛「?」


楓「茶柱を立てるのに夢中になりすぎちゃいまして……ほら」


凛「わっ、こんなにお茶淹れてたの?」


楓「はい、やり過ぎちゃいました。私ってば、おっちょこちょいですね……ふふっ」


9: 2014/03/08(土) 21:09:25.17 ID:TvOaOW1R0

楓「でも大変だったんですよ?私左利きですから、急須が逆になっちゃいますし」


凛「そうだね……って、どうするの、このお茶?」


楓「……事務所に来たみんなに配っちゃいましょうか」


楓「あ、茶柱のお茶はみんなには内緒ですよ?凛ちゃんだけ、特別です」


凛「うん……じゃあ、いただきます」



凛「なんだか、ほっとするね」


楓「暖かいお茶ですから、ホットしますよ……ふふふ」


凛「……ふふっ」クスッ


楓「あっ、今の凛ちゃんとっても可愛かったです!もう一回、もう一回!」


凛「……嫌です」フイッ


楓「むー……」


10: 2014/03/08(土) 21:10:54.43 ID:TvOaOW1R0

――――


多田李衣菜「♪~♪~~」ブンブン


ガチャッ


凛「お疲れ様……」


凛「何してるの、李衣菜?」


李衣菜「おおっ、凛ちゃんいいところに!」


李衣菜「この曲すっごく格好いいんだけど……ほら、凛ちゃんも聞いてみてよ!」


凛「うん、ヘッドホン借りるね」




凛「へぇ……凄く格好いいね。なんてアーティストなの?」


李衣菜「……えっと、なんだっけ……」


李衣菜「あ、忘れた訳じゃないよ?ちょっと思い出せないだけ……」


凛「それって、忘れてない?」


11: 2014/03/08(土) 21:12:32.91 ID:TvOaOW1R0

凛「曲のデータから、アーティストの名前見れなかったっけ?」


李衣菜「はっ!そうだったね。えーっと……そうそう、これだよ」ポチポチ


凛「あ、このアーティスト聞いたことある。確かCMの曲とかやってたはず」


李衣菜「でしょ?私もそれで知ったから、いくつかストアからダウンロードしてみたんだ!」


凛「へぇー……いいね、このギターソロが好きだな」


李衣菜「うんうん、分かってるね凛ちゃん!」


凛「……そういえば、李衣菜はギター、弾けるようになったの?」


李衣菜「へっ?あ、うん、弾けるように、なったよ?」ポリポリ


凛「そうなんだ。私もベース、最近練習しててさ」


12: 2014/03/08(土) 21:13:26.54 ID:TvOaOW1R0

李衣菜「それって、CDデビューの時の?」


凛「うん。あの時は持ってるだけだったけど、ちょっとずつ練習してるんだ」


凛「元々楽器にも興味があったし、弾けたら格好いいなって思ってさ」


李衣菜「そ、そうだねー……」


凛「いつかライブでセッションとかもあるかなって思ったんだけど……今度プロデューサーに聞いてみよっか」


凛「あ、こんな時間だ。またね、李衣菜」


李衣菜「うん。またね、凛ちゃん」




バタンッ


李衣菜「……あれ、一人で練習してるの、誰も知らないはず……だよね?」


李衣菜「なつきちにも秘密にしてたんだけど……うーん、凛ちゃんは鋭いなぁ」


李衣菜「……負けてられないね、帰ったらまた練習しようっと!」


13: 2014/03/08(土) 21:14:33.80 ID:TvOaOW1R0

――――


パシャッ


高森藍子「……♪」


凛「何してるの、藍子?」


藍子「あ、凛ちゃん!一枚撮ってもいいですか?」


凛「う、うん……いいけど」


藍子「では……はい、チーズ♪」


パシャッ


凛「えっと、それで……何してるの?」


藍子「これですか?事務所の写真を撮ってるんです!」


藍子「見慣れた風景ですけど、今日の事務所は今日しか撮れませんからね」


14: 2014/03/08(土) 21:16:30.67 ID:TvOaOW1R0

凛「そんなに、すぐ変わっちゃうの?」


藍子「みんなが持ってきたものが置いてあったり、机が整理されてたりしてるんですよ」


藍子「だからいつ撮っても、同じ写真はないんです」


凛「あ、確かに……みんな、何でもかんでも持ってくるもんね」


凛「ねえ藍子、事務所の写真見てもいい?」


藍子「もちろんです♪はい、どうぞっ!」


凛「へぇ……アルバムにまとめてるんだね」


藍子「ええ、見たいって思った時に、すぐに見れますから」


藍子「それに……データで見るよりも温かみがあるような気がしませんか?」


凛「……うん。なんだか、分かるかも」


15: 2014/03/08(土) 21:17:43.70 ID:TvOaOW1R0

凛「へぇ……いっぱい撮ってるんだね」ペラッ


藍子「あ、凛ちゃんが写ってる写真もありますよ?確かこの辺りに……ありました」ペラッ


凛「えっ……い、いつ撮ったの、これ?」


藍子「私が事務所に来てすぐかな……ふふっ、凛ちゃんはまだ表情が固いですね」


凛「そ、そうかな?」


藍子「だって、最近の凛ちゃんはもっといい笑顔してますよ?」


藍子「昔はちょっとだけ、怖い人かなって思いましたけど……ほら、さっきの写真見てください」


藍子「ねっ?」


凛「うぅ……は、恥ずかしいからやめてよ」


藍子「それだけ、凛ちゃんも変わったんですよ」


16: 2014/03/08(土) 21:19:21.99 ID:TvOaOW1R0

――――


神崎蘭子「ククク……これぞ我が力を開放せし呪具か……!」


凛「何してるの、蘭子?」


蘭子「む、蒼き歌姫か!フッ……魂の共鳴を感じる……」


凛「え、どうしたの?」


蘭子「我を生みせし火の国より捧げられた、禁断の呪具よ!」


凛「へぇ、格好いいアクセサリーだね。蘭子のお母さんから?」


蘭子「如何にも!然れば我が友、歌姫にも力を授けん!」


凛「貰っていいの?」


蘭子「これほどの呪具、我が手中に持て余すは愚策よ」


蘭子「我が手には、この漆黒の十字さえあれば良し」


凛「うん、やっぱり蘭子には黒が似合うよ」


17: 2014/03/08(土) 21:22:21.51 ID:TvOaOW1R0

凛「でも、こんなにいっぱい……あ、これとか私に似合いそうかな」


蘭子「ククク……それは其方が手にすると、火の国からの文に予言されていたわ」


凛「もしかして、蘭子のお母さんがこれを選んでくれたの?」


蘭子「母なる大地の予言は絶対なり」


凛「そうなんだ……これは卯月に似合いそう。こっちは未央かな?」


蘭子「ほう……流石は歌姫ね」


凛「蘭子のお母さん、私達の事も見てくれてるんだね」


蘭子「……最近、家に帰っても凛ちゃんや他のみんなのことばっかりで、ちょっと淋しいですけどね」


凛「……そんなことないよ。ちゃんと蘭子のこと、見ててくれてるんじゃない?」


凛「多分、蘭子がみんなと仲良くしてるのが嬉しいんじゃないかな」


18: 2014/03/08(土) 21:24:14.52 ID:TvOaOW1R0

凛「お母さんからの手紙、持ってる?」


蘭子「……よ、予言はどこに……あ、あった」


凛「ごめんね蘭子、ちょっと見せて」


凛「えっと……ほら、これ。『我が魔王にも心開けし戦友が増え、我が心は獄炎の都が如く脈動するばかり』って」


蘭子「……そこまで、読んでなかった」


凛「今度、蘭子のお母さんに伝えてあげて。みんな蘭子と仲良しだってさ」


蘭子「うぅ……凛ちゃぁん……!!」


凛「あー、ほら、泣かないの」


蘭子「な、泣いてないですよ!」


凛「はいはい、落ち着いた?」


蘭子「大丈夫ですってば!」


20: 2014/03/08(土) 21:25:18.69 ID:TvOaOW1R0

――――


アナスタシア「カクダート ザブノー……えっと、むかしむかし、あるところに……?」


凛「何してるの、アーニャ?」


アーニャ「あ、リン。お疲れさま、です」


凛「うん、お疲れ様。それは絵本?」


アーニャ「はい。プロデューサーが日本語の練習に、って」


凛「えっと……流石に絵本は酷いんじゃないかな……?」


アーニャ「あ、違いますよ?文字はちゃんと、読めます」


アーニャ「今度、ビブリオチェーカ……えっと、図書館で、読み聞かせするそうです」


凛「ああ、そうなんだ」


アーニャ「本を読んで聞いてもらうのもいい、って言われました」


凛「うん、確かにそうかも」


21: 2014/03/08(土) 21:26:20.11 ID:TvOaOW1R0

アーニャ「でも……あまり自信、ないです」


凛「そうかな?アーニャは日本語、上手だと思うけど」


アーニャ「日本語、文字は読めます。でも、ロシア語の発音、先に来ます」


アーニャ「だから、全部日本語で読むの、難しいです……」


凛「そうなんだ……」


アーニャ「だから、プラークティカ。練習です」


凛「偉いね、アーニャ」


アーニャ「そうだ、リン。聞いてください」


凛「私が?」


アーニャ「ダー。これも練習、です」


22: 2014/03/08(土) 21:27:21.66 ID:TvOaOW1R0

アーニャ「ゾールシュカ……あ、シンデレラ、です」


凛(最初から不安だなぁ……)


アーニャ「むかしむかし、あるところに……可愛くて、優しい女の子、いました」


アーニャ「でも……女の子のお母さんとお姉さん、ニェドープリィ……えっと、意地悪?でした」


アーニャ「ある日、お城の王子様から、ターニェツ……えっと、ダンス……?あの、リン、これは」


凛「それは舞踏会だよ……アーニャ、ちょっと貸して?」




凛「……シンデレラは王子様と結婚して、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……って、なんで私が」


アーニャ「ハラショー……リン、さすがです……!!」


凛「……ま、いっか。アーニャ、これで大丈夫?」


アーニャ「ダー。リンのおかげで、分かりました。読み聞かせ、頑張りますね」


アーニャ「……スパシーバ、リン」


23: 2014/03/08(土) 21:28:39.94 ID:TvOaOW1R0

――――


本田未央「むっ……!」ジーッ


未央「むむむっ……!!」ジーッ


凛「……何してるの、未央?」


未央「おおっ、しぶりんいいところに!」


未央「この二つの服さ、どっちがいいと思う?」


凛「えっと……とりあえずお店入ろうよ。ウィンドウだけ見て悩むよりいいと思うんだけど」




未央「で、しぶりんはどっちがいい?」


凛「どっちがいいって……うーん」


凛(未央が着る服だよね?だったらこっちかな)


凛「こっちの明るいオレンジとかいいんじゃない?」


24: 2014/03/08(土) 21:29:57.65 ID:TvOaOW1R0

未央「ええっ、しぶりんはそっち!?」


未央「ふむー……でも案外似合うかもねっ」


凛「えっ?」


未央「えっ、どしたのしぶりん?」


凛「待って待って、未央が着る服じゃないの?」


未央「いやいや、しぶりんが着る服……あっ!」




未央「……誰のとかは置いといて、とにかくしぶりんの好みを聞きたいなーって」ピュー


凛「未央、口笛吹けてないよ……」


未央「い、いやー……ばれちゃったか。ごめんしまむー」


凛「卯月もなの?ねえ、どういうこと?」


未央「あ、あはは……これはね、ホワイトデーのお返しなんだ」


25: 2014/03/08(土) 21:31:38.24 ID:TvOaOW1R0

凛「お返しって……そんな高いの、貰えないよ。大したものもあげてないのに」


未央「ううん、しぶりんに貰ってほしいんだ」


未央「……しぶりんがいなかったら、さ。ニュージェネレーションもなかったのかなって」


凛「そう、かな」


未央「うん。だってさ、私達の中だったらいつも、しぶりんが最初に走ってったじゃない」


未央「だから、私やしまむーも、頑張ってしぶりんを追い越そう!って、頑張れたのかもなーってさ」


未央「……だから、私やしまむーからのプレゼントってことで!しぶりんお願い!」


凛「そっか。わかった」


未央「……っ!やったっ!」


未央「じゃあ、こっちの明るいオレンジかなー」


凛「えっ、そ、それにするの!?」


未央「えー?だって、しぶりんが選んだんじゃん!」


26: 2014/03/08(土) 21:32:43.98 ID:TvOaOW1R0

――――


北条加蓮「♪~~」


凛「……何してるの、加蓮?」


加蓮「んー?次の髪型はどうしようかなーって思ってさ」


凛「……自分ので試してよ」


加蓮「まあまあ、それより見てよこれ。ツインテール凛ちゃん!」バァーン


凛「ねぇ、恥ずかしいんだけど」


加蓮「とりあえず写メってPさんに送ろっか」


凛「ちょ、なんでプロデューサーに送るの!?」


加蓮「いいからいいから。はいチーズ」カシャッ


凛「加蓮!お、怒るよ!!」


27: 2014/03/08(土) 21:34:04.40 ID:TvOaOW1R0

凛「……で、なんでまだいじってるの?」


加蓮「次は何が似合うかなーって」


凛「それ、最初の目的忘れてない?」


加蓮「ううん、忘れてないよ?」


凛「次の髪型はどうしようって……あ、まさか」


加蓮「そう!次の凛の髪型、どうしようかなって!」


凛「……はぁ」


加蓮「せっかく凛はこんなにいい髪してるんだから、もっと色々やってみようよ」


28: 2014/03/08(土) 21:35:09.87 ID:TvOaOW1R0

凛「私は別に……このままでいいと思うんだけど」


加蓮「だからほら、こうやって結んでみたりしようよ」


加蓮「Pさん喜ぶかもよ?」


凛「ぷ、プロデューサーは関係ないでしょ!」


凛「……そういえば加蓮、最近ずっと同じ髪型だよね?プロデューサーに何か言われたの?」


加蓮「えっ!?そ、そんなことないよ?」


凛「ほら、加蓮だって」


加蓮「あ……」


凛「……ふふっ」クスッ


加蓮「あははっ」クスクス


凛「今度、奈緒と三人で同じ髪型にしてみよっか」


加蓮「それいいね、面白そう」


29: 2014/03/08(土) 21:37:11.95 ID:TvOaOW1R0

――――


神谷奈緒「ああっ、ついに最終巻……!!」ガタッ


凛「何してるの、奈緒?」


奈緒「あ、凛!見ろよこれ!」


凛「それ、この前奈緒が貸してくれた漫画?」


奈緒「そうそう!ついに最終巻出たんだよ!あー、待ち遠しかった……!」


凛「へぇー……」


奈緒「あれ、凛はどこまで読んだんだ?」


凛「まだ三巻までかな」


奈緒「なんだよー……早く読んでよ、ネタバレできないじゃん」


凛「いいでしょ、読むの遅いんだし」


奈緒「ほら、もっと読んで読んで!」


凛「もう……どうしたの、奈緒?」


30: 2014/03/08(土) 21:38:15.70 ID:TvOaOW1R0

奈緒「だってさ……周りじゃ誰も知らない漫画だったから」


奈緒「ほら、みんなにももっと知ってほしいなって……」


凛「誰も知らないの?」


奈緒「うん。比奈さんあたり知ってるかと思ったら、誰も知らないってさ」


奈緒「だから凛に貸したんだけど」


凛「……えっ?」


奈緒「うん。凛が最初」


凛「そうなんだ……なんで私なの?」


奈緒「んー……だって、凛ってあんまり漫画とか読まないだろ?」


凛「確かにそうだね」


奈緒「だから、かな」


31: 2014/03/08(土) 21:40:22.58 ID:TvOaOW1R0

奈緒「凛って、あんまりアニメとかも見ないだろ?」


凛「うん。よく見るのは歌番組とかだし」


奈緒「あんまりそういう雑誌とかも読まないみたいだからさ」


奈緒「だから、みんなと話すきっかけになったらなって思ったんだけど……」


凛「……その割には、誰も知らない漫画を推すんだね」


奈緒「い、いいだろ!?あたしのお気に入りの漫画なんだし……」


凛「メイドさんがご主人様のために戦ってる漫画が?」ニヤニヤ


奈緒「や、やめろってば!もう、凛!!」


凛「……ありがとね、奈緒」


奈緒「お、おう……あ、凛知ってる?これ、カバーを外すとさ」


凛「……あっ、ここにも漫画描いてあるんだ……ふふっ、面白いね」


32: 2014/03/08(土) 21:42:36.97 ID:TvOaOW1R0

――――


島村卯月「これでよし、ですっ!準備完了!」


凛「何してるの、卯月?」


卯月「あ、凛ちゃん!何って、見ての通りお掃除だよ!」


凛「……確かに、ちょっと物で溢れかえってきたもんね」


卯月「だから、今日という今日は綺麗にしないと!」


凛「うん。私も手伝うよ」




卯月「……でも、不思議だよね」


凛「何が?」


卯月「こうして見てると、同じ風景の事務所って、ないんだなーって」


凛「……それ、前に藍子も言ってた」


卯月「藍子ちゃんもですか?」


33: 2014/03/08(土) 21:44:20.87 ID:TvOaOW1R0

卯月「いつも誰かが何か持ってきますし、プロデューサーさんはすぐ散らかしますから」


凛「うん……ほら、すぐ書類で机埋め尽くしちゃうもんね」


卯月「だから、今日は凛ちゃんと一緒にお掃除だよっ!」




凛「これで、かなり綺麗になったんじゃない?」


卯月「そうだね……あとはプロデューサーさんの机かな」


凛「……でも、書類は流石に触っちゃ駄目だよね」


卯月「うん……じゃあちょっとだけ片付けちゃおう」


凛「……触っちゃ駄目って言ったよね?下手に弄ったらプロデューサー怒るんじゃない?」


卯月「大丈夫、絶対大丈夫だよ!」


凛「……もう、卯月ったら」


34: 2014/03/08(土) 21:45:33.10 ID:TvOaOW1R0

卯月「えっと、こうやって……あ」


凛「どうしたの、卯月?」


卯月「ほら、この写真」


凛「……これ、事務所に入った時の私達だよね」


卯月「私に凛ちゃんに未央ちゃん、プロデューサーさん……うん、あの時の写真だよ」


凛「懐かしいな……あの頃は本当に、事務所も殺風景だったよね」


卯月「うん。あの頃から見たら、事務所も変わったのかもしれないけど」


卯月「こうして変わらないものも、あるのかなって思うんだ」


凛「……そうだね」


凛「ねえ、卯月。私と卯月と未央、ニュージェネレーションはずっと、何があっても一緒だよ」


卯月「ふふっ、どうしたの凛ちゃん?」


卯月「……うん。ずっと友達で、ライバルで……仲間だからね」


35: 2014/03/08(土) 21:48:08.38 ID:TvOaOW1R0

――――


凛「……何してるの、プロデューサー?」


P「ん、なんだ凛か。休憩中だよ、座ってばっかじゃ疲れるからな」


凛「お仕事終わりそう?」


P「まだ全然。どうする?先に帰るか?」


凛「ううん、終わるの待つよ」


P「そうか。しばらく掛かるし、のんびり待っててくれ」


凛「わかった」




凛「プロデューサー、コーヒー淹れたけど飲む?」


P「おお、助かる。ありがとな」


凛「ううん、いいよ。お仕事頑張ってね」


36: 2014/03/08(土) 21:50:36.07 ID:TvOaOW1R0

P「よし、やっと終わった……!」


凛「本当?お疲れ様、プロデューサー」


P「ごめんな、残業に付き合わせて」


凛「いいよ、私が言い出したんだし」


P「……そうか」




凛「ねえ、プロデューサー。あの時の写真、大事に飾ってるんだね」


P「ん?あの時?」


凛「アイドルが私達しかいなかった時の写真」


P「ああ、あれか」


P「なんて言うか……記念だからな。あれからこの事務所が始まったんだし」


37: 2014/03/08(土) 21:51:45.09 ID:TvOaOW1R0

凛「プロデューサーはさ、私がその頃から変わったように見える?」


P「ん……難しいな。変わっているし、変わっていないところもある」


凛「……そっか」


P「みんな、成長したんじゃないか?でも、あの頃のままずっと、前に向かって走っているからな」


P「……凛が一番成長したのは、みんなにいじってもらえるようになったところじゃないか?」


凛「えっ、ちょっと……どういうこと、プロデューサー?」


P「みんな、大したことなくても凛に話しかけたり絡んでいったりするだろ」


P「最初は皆、怖がってたらしいからな。そういうことをすると凛に避けられるんじゃないかって」


凛「……そうだったんだ」


P「仕方ないさ。でも、うちの事務所は凛に負けず劣らず個性的な子ばかりだったからな」


凛「うん。最初は私もびっくりしたよ」


38: 2014/03/08(土) 21:55:26.20 ID:TvOaOW1R0

P「その中でも輝いていられるんだから、凛は今のままでいいんじゃないか?」


凛「……そっか」


P「凛は凛のままでいい、それだけだろ」


凛「うん。ずっと、私は私のまま……どこにだって、走り出すだけだもんね」


凛「ありがと、プロデューサー」


P「そうか。それじゃ、送ってくから帰る準備……」


凛「あのさ、プロデューサー。今日は遅くなるから晩ご飯いらないって、お母さんに伝えてきてるんだ」


P「おいおい……どこがいいんだ?」


凛「どこでもいいよ。どこでもいいからさ」


凛「早く私を連れ出してほしいな……なんてね」



40: 2014/03/08(土) 21:57:10.07 ID:TvOaOW1R0
以上で終わりです

ありがうございました

41: 2014/03/08(土) 22:01:51.56 ID:hak1bP520

おもしろかった

引用元: 渋谷凛「何してるの?」