1: 2017/02/05(日) 00:16:49.19 ID:OcJ3yBbg.net
~部室~
鞠莉「という訳で、来週の節分の日、マルのお寺の節分イベントのお手伝いをしマース!!」
曜「幼稚園の子達を豆まきに招待して、私たちが鬼役になるんだよね」
千歌「なんだか楽しそう! よーし、はりきって鬼になるぞー!」
善子「フフフ、トゥインクルスター☆堕天使ヨハネちゃんにお任せよっ!」
果南「ダイヤは、怖い鬼役とかぴったりそうだよね~」
ダイヤ「なっ! どういう意味ですか!!」
ワイワイ
善子(でもせっかくなら、本格的で迫真の堕天使役――もとい、鬼役をこなしてみたいわね・・・・・・)
鞠莉「という訳で、来週の節分の日、マルのお寺の節分イベントのお手伝いをしマース!!」
曜「幼稚園の子達を豆まきに招待して、私たちが鬼役になるんだよね」
千歌「なんだか楽しそう! よーし、はりきって鬼になるぞー!」
善子「フフフ、トゥインクルスター☆堕天使ヨハネちゃんにお任せよっ!」
果南「ダイヤは、怖い鬼役とかぴったりそうだよね~」
ダイヤ「なっ! どういう意味ですか!!」
ワイワイ
善子(でもせっかくなら、本格的で迫真の堕天使役――もとい、鬼役をこなしてみたいわね・・・・・・)
2: 2017/02/05(日) 00:17:42.08 ID:OcJ3yBbg.net
善子「ね、ね、ルビィ」ヒソヒソ
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「しっ、静かに。ちょっと、頼みがあるんだけど・・・・・・」ボソボソ
ルビィ「?」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「しっ、静かに。ちょっと、頼みがあるんだけど・・・・・・」ボソボソ
ルビィ「?」
3: 2017/02/05(日) 00:18:45.41 ID:OcJ3yBbg.net
~女子トイレ~
ルビィ「ええっ・・・・・・ルビィのおうちに!?」
善子「そう! ルビィの家って、古い旧家だし」
善子「昔のお面・・・・・・能面みたいなやつとか、あるんじゃない?」
ルビィ「確かに、庭の隅のお蔵の中に、そんなのがあったような・・・・・・」
善子「ね、お願い! それ、ヨハネに貸して!」
ルビィ「ええっ!? で、でもぉ・・・・・・」
善子「だって、どうせ鬼役やるなら、本格的にやってみたいじゃない」
善子「それに昔のお面とか、いかにもオカルトチックなアイテムだし!」
ルビィ「ええっ・・・・・・ルビィのおうちに!?」
善子「そう! ルビィの家って、古い旧家だし」
善子「昔のお面・・・・・・能面みたいなやつとか、あるんじゃない?」
ルビィ「確かに、庭の隅のお蔵の中に、そんなのがあったような・・・・・・」
善子「ね、お願い! それ、ヨハネに貸して!」
ルビィ「ええっ!? で、でもぉ・・・・・・」
善子「だって、どうせ鬼役やるなら、本格的にやってみたいじゃない」
善子「それに昔のお面とか、いかにもオカルトチックなアイテムだし!」
4: 2017/02/05(日) 00:20:16.09 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「そういうのは、花丸ちゃんに相談した方が・・・・・・」
ルビィ「花丸ちゃんのおうちも、お寺だし」
善子「ずら丸って、そういうことにはちょっとうるさそうじゃない」
善子「『古いものを無闇に使ったらバチが当たるずら~!』って感じに」
ルビィ「だ、だけど・・・・・・」
善子「ね、ね、お願いルビィ! ヨハネとリトルデーモン4号の仲でしょ~?」
ルビィ「うゅぅ・・・・・・」
ルビィ「花丸ちゃんのおうちも、お寺だし」
善子「ずら丸って、そういうことにはちょっとうるさそうじゃない」
善子「『古いものを無闇に使ったらバチが当たるずら~!』って感じに」
ルビィ「だ、だけど・・・・・・」
善子「ね、ね、お願いルビィ! ヨハネとリトルデーモン4号の仲でしょ~?」
ルビィ「うゅぅ・・・・・・」
5: 2017/02/05(日) 00:21:14.95 ID:OcJ3yBbg.net
~放課後 黒澤家の蔵~
ギィ…
ルビィ「うう・・・・・・やっぱり、勝手に入ったら、怒られるよぉ・・・・・・」
善子「大丈夫、大丈夫。ダイヤさんは生徒会の仕事だし、お父さんとお母さんも、留守なんでしょう?」
善子「お面をひとつ、借りるだけなんだから大丈夫よ」
ルビィ「ううう・・・・・・」
善子(にしても、この蔵の中、すごい埃っぽい・・・・・・もう何年も人が入ってないみたい)
善子(所狭しと、色んなものが仕舞われてるし・・・・・・)
ギィ…
ルビィ「うう・・・・・・やっぱり、勝手に入ったら、怒られるよぉ・・・・・・」
善子「大丈夫、大丈夫。ダイヤさんは生徒会の仕事だし、お父さんとお母さんも、留守なんでしょう?」
善子「お面をひとつ、借りるだけなんだから大丈夫よ」
ルビィ「ううう・・・・・・」
善子(にしても、この蔵の中、すごい埃っぽい・・・・・・もう何年も人が入ってないみたい)
善子(所狭しと、色んなものが仕舞われてるし・・・・・・)
6: 2017/02/05(日) 00:21:49.40 ID:OcJ3yBbg.net
善子「ルビィ、お面はどこにあるの?」
ルビィ「ルビィも、小さい頃にちょっとだけ覗いたことがあるだけだから・・・・・・」
ルビィ「お父さんには、勝手に中に入ったらいけない、って言われてるし」
善子「しょうがない、手分けして探しましょ。ルビィはそっちをお願い」
ルビィ「み、見つけたらすぐ出るからね! 約束だよ!」
善子「分かったわよ」
ガサゴソ
ルビィ「ルビィも、小さい頃にちょっとだけ覗いたことがあるだけだから・・・・・・」
ルビィ「お父さんには、勝手に中に入ったらいけない、って言われてるし」
善子「しょうがない、手分けして探しましょ。ルビィはそっちをお願い」
ルビィ「み、見つけたらすぐ出るからね! 約束だよ!」
善子「分かったわよ」
ガサゴソ
8: 2017/02/05(日) 00:24:15.73 ID:OcJ3yBbg.net
善子(埃っぽい蔵の中を探し始めて、10分ほど経った頃――)
善子「・・・・・・ん?」
善子(私は、蔵の奥の方に、古びた行李があるのを見つけた)
善子(周りの荷物の陰になって、まるで隠されているかのように置かれている行李――)
善子(・・・・・・なんだろう?)
ゴソゴソ…
ズズズ…
善子(引っ張り出すと、意外と軽い)
善子(行李の蓋の上には、変色と虫食いでボロボロになった和紙が貼られていて、)
善子(かろうじて読めた、その和紙に書かれていた文字は――)
『鬼 封 面』
善子「・・・・・・!」
善子「・・・・・・ん?」
善子(私は、蔵の奥の方に、古びた行李があるのを見つけた)
善子(周りの荷物の陰になって、まるで隠されているかのように置かれている行李――)
善子(・・・・・・なんだろう?)
ゴソゴソ…
ズズズ…
善子(引っ張り出すと、意外と軽い)
善子(行李の蓋の上には、変色と虫食いでボロボロになった和紙が貼られていて、)
善子(かろうじて読めた、その和紙に書かれていた文字は――)
『鬼 封 面』
善子「・・・・・・!」
9: 2017/02/05(日) 00:25:27.24 ID:OcJ3yBbg.net
善子(『きふう、めん』――って読むのかしら?)
善子(でも、『鬼』と『面』ってことは――この中に、鬼のお面が!?)
ググッ…
カパッ
善子「・・・・・・?」
善子(行李を開けると、さらにその中に、古びて黒ずんだ木箱が入っていた)
善子(随分、古そうな木箱だったけど――)
善子(異様だったのは、その木箱に、べたべたと紙が貼られていたこと)
善子(変色して、虫食いだらけだけど――文字みたいなのが書いてある)
善子(これ――お札? お札が、木箱にいくつも貼ってあるの?)
善子(でも、『鬼』と『面』ってことは――この中に、鬼のお面が!?)
ググッ…
カパッ
善子「・・・・・・?」
善子(行李を開けると、さらにその中に、古びて黒ずんだ木箱が入っていた)
善子(随分、古そうな木箱だったけど――)
善子(異様だったのは、その木箱に、べたべたと紙が貼られていたこと)
善子(変色して、虫食いだらけだけど――文字みたいなのが書いてある)
善子(これ――お札? お札が、木箱にいくつも貼ってあるの?)
11: 2017/02/05(日) 00:26:36.69 ID:OcJ3yBbg.net
善子(私は――直感した。オカルト雑誌や、心霊番組で、何度も見たことがある)
善子(きっとこの中には、いわくつきの、『ヤバいやつ』が入ってる――!)
善子「」ワクワク…
善子(だけど、不思議と私の中では、怖いという気持ちより、好奇心が勝ってた)
善子(興味はあったけど、今まで本物といえるような、オカルトアイテムは見たことがなかった――)
善子(一体、この中に、何が――?)
ビリリッ…
善子(きっとこの中には、いわくつきの、『ヤバいやつ』が入ってる――!)
善子「」ワクワク…
善子(だけど、不思議と私の中では、怖いという気持ちより、好奇心が勝ってた)
善子(興味はあったけど、今まで本物といえるような、オカルトアイテムは見たことがなかった――)
善子(一体、この中に、何が――?)
ビリリッ…
12: 2017/02/05(日) 00:27:11.13 ID:OcJ3yBbg.net
善子(私は、好奇心に負け)
善子(まるで――何かにとり憑かれたかのように)
善子(木箱の、蓋と箱の継ぎ目に貼り付けられた、お札を剥がして・・・・・・)
カパッ…
善子(箱の中には――ボロボロの布に包まれた、“何か”)
善子(恐る恐る、その布をめくると――)
善子(現れたのは、)
善子「・・・・・・・・・!!」
善子(まるで――何かにとり憑かれたかのように)
善子(木箱の、蓋と箱の継ぎ目に貼り付けられた、お札を剥がして・・・・・・)
カパッ…
善子(箱の中には――ボロボロの布に包まれた、“何か”)
善子(恐る恐る、その布をめくると――)
善子(現れたのは、)
善子「・・・・・・・・・!!」
13: 2017/02/05(日) 00:28:23.89 ID:OcJ3yBbg.net
善子(出てきたのは――)
善子(“お面”だった)
善子(でもそれは、私が想像していた、能の般若の面などとは、似ても似つかない――)
善子(まるで土をこねて、そのまま焼いたかのような、黒ずんだ土面――)
ゾゾゾゾッ!!
善子「――!!!」
善子(“お面”だった)
善子(でもそれは、私が想像していた、能の般若の面などとは、似ても似つかない――)
善子(まるで土をこねて、そのまま焼いたかのような、黒ずんだ土面――)
ゾゾゾゾッ!!
善子「――!!!」
14: 2017/02/05(日) 00:29:19.66 ID:OcJ3yBbg.net
善子(その面を見た瞬間――激しい悪寒が、私の全身を襲った)
善子(のっぺりとしていて、でもどこか、苦しむように歪んでいて)
善子(目のくぼみ、鼻のふくらみ、歪んだ口元、それらがかろうじて人の顔の面だということを示していた)
善子(口元と鼻に空いた穴、そして、目のくぼみに空いた、ふたつの黒い穴――)
善子(まるで、そのふたつの穴の奥の目と、目が合ったような気がして――)
善子「!!!」ゾクッ!!
善子(駄目だ――これは、本当にヤバいやつだ!!)
善子(見ちゃ駄目なやつだ!! 見たら駄目だ!!)
善子(駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ――)
善子(のっぺりとしていて、でもどこか、苦しむように歪んでいて)
善子(目のくぼみ、鼻のふくらみ、歪んだ口元、それらがかろうじて人の顔の面だということを示していた)
善子(口元と鼻に空いた穴、そして、目のくぼみに空いた、ふたつの黒い穴――)
善子(まるで、そのふたつの穴の奥の目と、目が合ったような気がして――)
善子「!!!」ゾクッ!!
善子(駄目だ――これは、本当にヤバいやつだ!!)
善子(見ちゃ駄目なやつだ!! 見たら駄目だ!!)
善子(駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ――)
15: 2017/02/05(日) 00:30:44.49 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「善子ちゃん!」
善子「!!」ビクッ!
ルビィ「ね、あっちで見つけたよ! これ、能面っていうのかな? 鬼のお面!」
ルビィ「・・・・・・? 善子ちゃん、そんなところで、どうしたの?」
善子「なっ・・・・・・なんでもないわよ!」
ササッ!
善子(私は、“これ”はルビィにも見せちゃいけないやつだと思って――)
善子(咄嗟に、木箱から取り出したお面を、包んでいた布ごと、傍らに置いていた自分の鞄の中に突っ込んだ)
善子「!!」ビクッ!
ルビィ「ね、あっちで見つけたよ! これ、能面っていうのかな? 鬼のお面!」
ルビィ「・・・・・・? 善子ちゃん、そんなところで、どうしたの?」
善子「なっ・・・・・・なんでもないわよ!」
ササッ!
善子(私は、“これ”はルビィにも見せちゃいけないやつだと思って――)
善子(咄嗟に、木箱から取り出したお面を、包んでいた布ごと、傍らに置いていた自分の鞄の中に突っ込んだ)
16: 2017/02/05(日) 00:31:23.35 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「善子ちゃん、今、何か仕舞った・・・・・・?」
善子「な、なんでもないったら!!」
善子「わ、私・・・・・・なんか、気分悪いから・・・・・・」
善子「も、もう帰るっ! ごめん!」
バッ!
ルビィ「あ、善子ちゃん!?」
善子「な、なんでもないったら!!」
善子「わ、私・・・・・・なんか、気分悪いから・・・・・・」
善子「も、もう帰るっ! ごめん!」
バッ!
ルビィ「あ、善子ちゃん!?」
17: 2017/02/05(日) 00:33:13.14 ID:OcJ3yBbg.net
~その夜、善子の部屋~
善子母「・・・・・・大丈夫? 本当に、ご飯食べなくていいの?」
善子「うん・・・・・・なんか、気分悪いから・・・・・・」
善子「ひとりにさせて・・・・・・」
善子母「あんまり調子が悪いようなら、明日、病院に行きなさいよ」
パタンッ
善子「・・・・・・・・・」
善子母「・・・・・・大丈夫? 本当に、ご飯食べなくていいの?」
善子「うん・・・・・・なんか、気分悪いから・・・・・・」
善子「ひとりにさせて・・・・・・」
善子母「あんまり調子が悪いようなら、明日、病院に行きなさいよ」
パタンッ
善子「・・・・・・・・・」
18: 2017/02/05(日) 00:33:57.07 ID:OcJ3yBbg.net
善子(私の鞄の中には、あのお面が入ってる・・・・・・)
善子(なんだか、触ることすら怖くて。そのまま、部屋の隅に置いてある)
善子(気のせいかな。お面を入れた鞄から、冷たい冷気みたいなのが、流れてくるような・・・・・・)
ゾク…
善子(き・・・・・・気のせいよ。あまりに気持ち悪いお面だったから、そんな風に感じるだけよ)
善子(だけど・・・・・・気持ち悪いお面とはいえ、勝手に持ってきちゃった訳だし・・・・・・)
善子(明日、ルビィに謝って、返そう。そうしよう)
善子(あんな気持ち悪いお面、ずっと手元に置いておきたくないし・・・・・・)
善子(とりあえず・・・・・・なんだか、体が重いけど・・・・・・寝よう・・・・・・)
善子(・・・・・・・・・)
善子(なんだか、触ることすら怖くて。そのまま、部屋の隅に置いてある)
善子(気のせいかな。お面を入れた鞄から、冷たい冷気みたいなのが、流れてくるような・・・・・・)
ゾク…
善子(き・・・・・・気のせいよ。あまりに気持ち悪いお面だったから、そんな風に感じるだけよ)
善子(だけど・・・・・・気持ち悪いお面とはいえ、勝手に持ってきちゃった訳だし・・・・・・)
善子(明日、ルビィに謝って、返そう。そうしよう)
善子(あんな気持ち悪いお面、ずっと手元に置いておきたくないし・・・・・・)
善子(とりあえず・・・・・・なんだか、体が重いけど・・・・・・寝よう・・・・・・)
善子(・・・・・・・・・)
19: 2017/02/05(日) 00:36:44.42 ID:OcJ3yBbg.net
…………
……
ゴォォォ…
メラメラ
………ア………ヅイ………
……アヅ………イ………
………アヅ…イ……アヅイ………
……
ゴォォォ…
メラメラ
………ア………ヅイ………
……アヅ………イ………
………アヅ…イ……アヅイ………
20: 2017/02/05(日) 00:37:32.59 ID:OcJ3yBbg.net
「あづいいいいいいよおおおおおおおお」
「あがぇあぅああああああああああああ」
21: 2017/02/05(日) 00:38:58.08 ID:OcJ3yBbg.net
善子「!!!」
バッ!!
善子「・・・・・・・・・・・・」ゼェハァ
チュンチュン…
善子「朝・・・・・・? 夢・・・・・・?」
善子(なんなの・・・・・・あの、夢・・・・・・)
善子(地獄みたいな、火に包まれた場所で・・・・・・)
善子(全身、焼けただれた・・・・・・人、なの? あれ・・・・・・)
善子(あれが、なにか滅茶苦茶に叫びながら、迫ってきて・・・・・・)
善子(顔が・・・・・・無かった)
ゾクッ…
バッ!!
善子「・・・・・・・・・・・・」ゼェハァ
チュンチュン…
善子「朝・・・・・・? 夢・・・・・・?」
善子(なんなの・・・・・・あの、夢・・・・・・)
善子(地獄みたいな、火に包まれた場所で・・・・・・)
善子(全身、焼けただれた・・・・・・人、なの? あれ・・・・・・)
善子(あれが、なにか滅茶苦茶に叫びながら、迫ってきて・・・・・・)
善子(顔が・・・・・・無かった)
ゾクッ…
22: 2017/02/05(日) 00:40:04.39 ID:OcJ3yBbg.net
~沼津駅前 バス停~
善子「・・・・・・・・・」
善子(体が・・・・・・だるい・・・・・・まるで、自分の体じゃないみたい・・・・・・)
善子(気分も悪いし・・・・・・やっぱり、あのお面のせい・・・・・・?)
善子(ルビィに返さないといけないから、今、鞄の中に、あのお面が入ってるけど)
善子(正直・・・・・・1秒だって、そばに置いておきたくない・・・・・・)
善子(なんなの・・・・・・!? ほんとに、これ・・・・・・)
曜「おーい、善子ちゃーん!」
善子「・・・・・・・・・」
善子(体が・・・・・・だるい・・・・・・まるで、自分の体じゃないみたい・・・・・・)
善子(気分も悪いし・・・・・・やっぱり、あのお面のせい・・・・・・?)
善子(ルビィに返さないといけないから、今、鞄の中に、あのお面が入ってるけど)
善子(正直・・・・・・1秒だって、そばに置いておきたくない・・・・・・)
善子(なんなの・・・・・・!? ほんとに、これ・・・・・・)
曜「おーい、善子ちゃーん!」
23: 2017/02/05(日) 00:40:53.70 ID:OcJ3yBbg.net
善子「あ・・・・・・曜、さん・・・・・・」
曜「おはヨーソロー!」
曜「あれ? 今日は、『だからヨハネよ!』って言わないんだ?」
善子「・・・・・・・・・」
曜「・・・・・・善子ちゃん? 調子悪いの?」
曜「なんだかすごく、顔色悪いし・・・・・・」
善子「う、うん・・・・・・ちょっと朝から、気分が悪くて・・・・・・」
曜「そう・・・・・・なんだ。無理、しないでね」
善子(駄目・・・・・・曜さんに、迷惑かける訳には・・・・・・)
曜「おはヨーソロー!」
曜「あれ? 今日は、『だからヨハネよ!』って言わないんだ?」
善子「・・・・・・・・・」
曜「・・・・・・善子ちゃん? 調子悪いの?」
曜「なんだかすごく、顔色悪いし・・・・・・」
善子「う、うん・・・・・・ちょっと朝から、気分が悪くて・・・・・・」
曜「そう・・・・・・なんだ。無理、しないでね」
善子(駄目・・・・・・曜さんに、迷惑かける訳には・・・・・・)
24: 2017/02/05(日) 00:43:32.38 ID:OcJ3yBbg.net
~1年生の教室~
善子「・・・・・・・・・」
ガラッ
ルビィ「あ、善子ちゃん!」
ルビィ「おはよう。ねえ、昨日はどうしちゃったの?」
ルビィ「急に、帰っちゃって・・・・・・お面は、もういいの?」
善子「う、うん・・・・・・ごめん・・・・・・」
善子「それで・・・・・・あの、ルビィ・・・・・・」
ルビィ「?」
善子(・・・・・・・・・)
善子(駄目・・・・・・言い出せない・・・・・・私が、あの蔵の中からお面を盗ったなんて・・・・・・)
善子(それに、ルビィにまで、悪い影響が出たりしたら・・・・・・)
花丸「・・・・・・・・・」
善子「・・・・・・・・・」
ガラッ
ルビィ「あ、善子ちゃん!」
ルビィ「おはよう。ねえ、昨日はどうしちゃったの?」
ルビィ「急に、帰っちゃって・・・・・・お面は、もういいの?」
善子「う、うん・・・・・・ごめん・・・・・・」
善子「それで・・・・・・あの、ルビィ・・・・・・」
ルビィ「?」
善子(・・・・・・・・・)
善子(駄目・・・・・・言い出せない・・・・・・私が、あの蔵の中からお面を盗ったなんて・・・・・・)
善子(それに、ルビィにまで、悪い影響が出たりしたら・・・・・・)
花丸「・・・・・・・・・」
25: 2017/02/05(日) 00:44:52.79 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「・・・・・・ねえ、善子ちゃん」
スタスタ
善子「ずら丸・・・・・・?」
花丸「何か、あったずら?」
善子「!!」
花丸「なんだか・・・・・・善子ちゃんから、すごく悪い気配を感じるずら・・・・・・」
ルビィ「は、花丸ちゃん?」
花丸「もし、何かあったなら・・・・・・」
善子「なっ・・・・・・なに馬鹿なこと言ってるのよ!」
善子「今日はほら、アレの日なの! だから、ちょっと調子悪いだけで・・・・・・!」
善子「別に、なんでもないから!」
タタタ
ルビィ「善子ちゃん・・・・・・?」
花丸「・・・・・・・・・」
スタスタ
善子「ずら丸・・・・・・?」
花丸「何か、あったずら?」
善子「!!」
花丸「なんだか・・・・・・善子ちゃんから、すごく悪い気配を感じるずら・・・・・・」
ルビィ「は、花丸ちゃん?」
花丸「もし、何かあったなら・・・・・・」
善子「なっ・・・・・・なに馬鹿なこと言ってるのよ!」
善子「今日はほら、アレの日なの! だから、ちょっと調子悪いだけで・・・・・・!」
善子「別に、なんでもないから!」
タタタ
ルビィ「善子ちゃん・・・・・・?」
花丸「・・・・・・・・・」
26: 2017/02/05(日) 00:45:57.79 ID:OcJ3yBbg.net
~放課後、屋上~
ダイヤ「さあ、練習始めますわよー」
梨子「なんだか、天気が悪いね・・・・・・」
曜「うん。今にも、降り出しそう」
善子「・・・・・・・・・」
善子(駄目・・・・・・どんどん、具合が悪くなってく・・・・・・)
善子(立ってるのも・・・・・・つらい・・・・・・)
ダイヤ「さあ、練習始めますわよー」
梨子「なんだか、天気が悪いね・・・・・・」
曜「うん。今にも、降り出しそう」
善子「・・・・・・・・・」
善子(駄目・・・・・・どんどん、具合が悪くなってく・・・・・・)
善子(立ってるのも・・・・・・つらい・・・・・・)
27: 2017/02/05(日) 00:47:05.11 ID:OcJ3yBbg.net
果南「はい、ワン・ツー、ワン・ツー」
パンパン
善子(体が、重い・・・・・・倒れそう・・・・・・)
善子(でも・・・・・・みんなに、心配かける訳には・・・・・・)
ジッ
善子「――?」
善子(視線?)
善子(向こうの、柵の間)
善子(誰かが覗いて、)
パンパン
善子(体が、重い・・・・・・倒れそう・・・・・・)
善子(でも・・・・・・みんなに、心配かける訳には・・・・・・)
ジッ
善子「――?」
善子(視線?)
善子(向こうの、柵の間)
善子(誰かが覗いて、)
29: 2017/02/05(日) 00:49:39.03 ID:OcJ3yBbg.net
善子「きゃあああああああ!!?」
千歌「善子ちゃん!?」
梨子「どうしたの!?」
善子(な、なんで、あのお面が、お面が、あそこに!?)
善子(き、消えてる・・・・・・)
善子「あ、あ・・・・・・!」
ガタガタ
ルビィ「どうしたの、善子ちゃん! しっかりして!!」
花丸「マルたちで、保健室に連れてくずら」
鞠莉「ど、どうしちゃったの? 善子・・・・・・」
曜「なんだか朝から、調子が悪そうだったけど・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
千歌「善子ちゃん!?」
梨子「どうしたの!?」
善子(な、なんで、あのお面が、お面が、あそこに!?)
善子(き、消えてる・・・・・・)
善子「あ、あ・・・・・・!」
ガタガタ
ルビィ「どうしたの、善子ちゃん! しっかりして!!」
花丸「マルたちで、保健室に連れてくずら」
鞠莉「ど、どうしちゃったの? 善子・・・・・・」
曜「なんだか朝から、調子が悪そうだったけど・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
31: 2017/02/05(日) 00:50:39.26 ID:OcJ3yBbg.net
善子「う・・・・・・うう、う・・・・・・」
善子(私が・・・・・・あのお面を、見ちゃったから? 黙って持ってきちゃったから?)
善子(私が、悪いことをした罰なの? 私が、悪かったから・・・・・・謝るから・・・・・・)
善子(許して・・・・・・お願い・・・・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・)
ルビィ「善子ちゃん、顔色が真っ青だよ・・・・・・しっかり!」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「ルビィちゃん・・・・・・もしかして、何か、知ってる?」
ルビィ「えっ・・・・・・!? そ、その・・・・・・」
花丸(これは・・・・・・)
花丸(本当に、まずいかもしれないずら・・・・・・)
善子(私が・・・・・・あのお面を、見ちゃったから? 黙って持ってきちゃったから?)
善子(私が、悪いことをした罰なの? 私が、悪かったから・・・・・・謝るから・・・・・・)
善子(許して・・・・・・お願い・・・・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・)
ルビィ「善子ちゃん、顔色が真っ青だよ・・・・・・しっかり!」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「ルビィちゃん・・・・・・もしかして、何か、知ってる?」
ルビィ「えっ・・・・・・!? そ、その・・・・・・」
花丸(これは・・・・・・)
花丸(本当に、まずいかもしれないずら・・・・・・)
32: 2017/02/05(日) 00:51:42.38 ID:OcJ3yBbg.net
善子「・・・・・・・・・」
花丸「ほら、善子ちゃん、保健室に着いたずら」
ルビィ「保健室の先生、いないみたいだけど・・・・・・とりあえず寝て、善子ちゃん・・・・・・!」
善子「・・・・・・・・・」ボーッ…
ルビィ「なんで・・・・・・善子ちゃん、こんなことに・・・・・・!」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「ルビィちゃん、やっぱり何か、知ってるね?」
ルビィ「・・・・・・!」
ルビィ「う、うん・・・・・・実は、昨日・・・・・・うちの庭にある、お蔵に入ったの・・・・・・」
花丸「蔵?」
ルビィ「あの、善子ちゃんが・・・・・・節分のイベント用に、鬼のお面がほしい、って言って・・・・・・」
ルビィ「それで、探してたんだけど・・・・・・善子ちゃん、奥の方で何かを見つけたみたいで・・・・・・」
ルビィ「それから、様子がおかしくなって・・・・・・」
花丸「・・・・・・!!」
花丸(まさか――)
花丸「ほら、善子ちゃん、保健室に着いたずら」
ルビィ「保健室の先生、いないみたいだけど・・・・・・とりあえず寝て、善子ちゃん・・・・・・!」
善子「・・・・・・・・・」ボーッ…
ルビィ「なんで・・・・・・善子ちゃん、こんなことに・・・・・・!」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「ルビィちゃん、やっぱり何か、知ってるね?」
ルビィ「・・・・・・!」
ルビィ「う、うん・・・・・・実は、昨日・・・・・・うちの庭にある、お蔵に入ったの・・・・・・」
花丸「蔵?」
ルビィ「あの、善子ちゃんが・・・・・・節分のイベント用に、鬼のお面がほしい、って言って・・・・・・」
ルビィ「それで、探してたんだけど・・・・・・善子ちゃん、奥の方で何かを見つけたみたいで・・・・・・」
ルビィ「それから、様子がおかしくなって・・・・・・」
花丸「・・・・・・!!」
花丸(まさか――)
33: 2017/02/05(日) 00:53:39.75 ID:OcJ3yBbg.net
善子「・・・・・・・・・」ゼェゼェ
善子「私、が・・・・・・悪いの・・・・・・」
ルビィ「善子ちゃん!?」
善子「ごめん・・・・・・ルビィ・・・・・・私、悪い子なの・・・・・・」
善子「蔵の、奥で・・・・・・行李に入った、木箱を見つけて・・・・・・」
善子「その中に、あった・・・・・・お面、を・・・・・・持って帰っちゃって・・・・・・」
花丸「――お面!!?」ガタッ!
善子「だから・・・・・・こんな、ことに・・・・・・!」ポロポロ
花丸「お面!? 善子ちゃん、そのお面、見たずら!!?」
善子「お面は・・・・・・私の、鞄の中に、あるから・・・・・・」
善子「ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」ポロポロ
善子「私、が・・・・・・悪いの・・・・・・」
ルビィ「善子ちゃん!?」
善子「ごめん・・・・・・ルビィ・・・・・・私、悪い子なの・・・・・・」
善子「蔵の、奥で・・・・・・行李に入った、木箱を見つけて・・・・・・」
善子「その中に、あった・・・・・・お面、を・・・・・・持って帰っちゃって・・・・・・」
花丸「――お面!!?」ガタッ!
善子「だから・・・・・・こんな、ことに・・・・・・!」ポロポロ
花丸「お面!? 善子ちゃん、そのお面、見たずら!!?」
善子「お面は・・・・・・私の、鞄の中に、あるから・・・・・・」
善子「ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」ポロポロ
34: 2017/02/05(日) 00:55:02.72 ID:OcJ3yBbg.net
ブス…
善子「・・・・・・・・・?」
ブス……ブス……
善子(なに、これ・・・・・・)
善子(何かが、焼け焦げたような、臭い)
善子(誰かが)
善子(保健室の扉の陰から、覗いて、)
善子「・・・・・・・・・?」
ブス……ブス……
善子(なに、これ・・・・・・)
善子(何かが、焼け焦げたような、臭い)
善子(誰かが)
善子(保健室の扉の陰から、覗いて、)
36: 2017/02/05(日) 00:56:36.04 ID:OcJ3yBbg.net
善子「いいいいいやああああああああっ!!!!」
善子「お面が、お面があああああああああっ!!!!」
ルビィ「善子ちゃん!!?」グスッ
花丸「しっかりするずら!!」
善子「来ないで来ないで来ないで来ないでぇぇぇぇぇ!!!!」
善子「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだああああああっ!!!!」
善子「熱いっ!! 熱い熱い熱い熱いいいいい!!!!」
善子「あづいいいいいいよおおおおおおおお」
善子「あがぇあぅああああああああああああ」
ドスンバタン!!
善子「お面が、お面があああああああああっ!!!!」
ルビィ「善子ちゃん!!?」グスッ
花丸「しっかりするずら!!」
善子「来ないで来ないで来ないで来ないでぇぇぇぇぇ!!!!」
善子「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだああああああっ!!!!」
善子「熱いっ!! 熱い熱い熱い熱いいいいい!!!!」
善子「あづいいいいいいよおおおおおおおお」
善子「あがぇあぅああああああああああああ」
ドスンバタン!!
37: 2017/02/05(日) 00:57:55.94 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「ルビィちゃん、善子ちゃんの体、押さえつけて!!」
ルビィ「だ、だけど・・・・・・すごい力・・・・・・!!」
ルビィ「どうしちゃったの、善子ちゃん!?」ポロポロ
花丸「気休めぐらいにしか、ならないだろうけど・・・・・・!!」
花丸「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄・・・・・・」
花丸「舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是・・・・・・」
バシッ! バシッ!
ルビィ(花丸ちゃんが、お経?を詠んで、善子ちゃんの肩とか背中をバシバシ叩いて、)
ルビィ(それでもしばらく、善子ちゃんは叫びながら暴れて、私は必氏で善子ちゃんの体に抱きついてて――)
ルビィ「だ、だけど・・・・・・すごい力・・・・・・!!」
ルビィ「どうしちゃったの、善子ちゃん!?」ポロポロ
花丸「気休めぐらいにしか、ならないだろうけど・・・・・・!!」
花丸「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄・・・・・・」
花丸「舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是・・・・・・」
バシッ! バシッ!
ルビィ(花丸ちゃんが、お経?を詠んで、善子ちゃんの肩とか背中をバシバシ叩いて、)
ルビィ(それでもしばらく、善子ちゃんは叫びながら暴れて、私は必氏で善子ちゃんの体に抱きついてて――)
38: 2017/02/05(日) 00:59:47.14 ID:OcJ3yBbg.net
善子「ううううぐうううう・・・・・・」
ルビィ「お、収まったの!?」
花丸「その場しのぎにしか、なってないずら・・・・・・このままじゃ、善子ちゃんは・・・・・・!」
ガラッ!
ダイヤ「何か、大きな音と、叫び声が聞こえましたが・・・・・・!!」
鞠莉「What!?」
果南「一体、どうしたの!?」
千歌「・・・・・・!? 善子ちゃん・・・・・・!?」
ルビィ「お、おねぇちゃ・・・・・・みんな・・・・・・」グスッ
ルビィ「お、収まったの!?」
花丸「その場しのぎにしか、なってないずら・・・・・・このままじゃ、善子ちゃんは・・・・・・!」
ガラッ!
ダイヤ「何か、大きな音と、叫び声が聞こえましたが・・・・・・!!」
鞠莉「What!?」
果南「一体、どうしたの!?」
千歌「・・・・・・!? 善子ちゃん・・・・・・!?」
ルビィ「お、おねぇちゃ・・・・・・みんな・・・・・・」グスッ
39: 2017/02/05(日) 01:01:04.36 ID:OcJ3yBbg.net
曜「善子ちゃん・・・・・・!? 善子ちゃん!?」
梨子「目の焦点が合ってない・・・・・・何があったの!?」
ダイヤ「一体・・・・・・これは、どうしたというのです!?」
善子「ああっ・・・・・・あうああああああっ!!」
花丸「曜ちゃん、果南ちゃん、善子ちゃんを押さえて!!」
果南「善子、しっかり!!」
曜「す、すごい力・・・・・・!!」
千歌「なんなの、善子ちゃん、病気なの!?」グスッ
梨子「救急車呼ばなきゃ・・・・・・!!」
梨子「目の焦点が合ってない・・・・・・何があったの!?」
ダイヤ「一体・・・・・・これは、どうしたというのです!?」
善子「ああっ・・・・・・あうああああああっ!!」
花丸「曜ちゃん、果南ちゃん、善子ちゃんを押さえて!!」
果南「善子、しっかり!!」
曜「す、すごい力・・・・・・!!」
千歌「なんなの、善子ちゃん、病気なの!?」グスッ
梨子「救急車呼ばなきゃ・・・・・・!!」
41: 2017/02/05(日) 01:02:03.25 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「ううん・・・・・・!! オラのお寺に、運んでほしいずら!!」
鞠莉「Why!?」
千歌「な、なんで!?」
花丸「それと、ダイヤさん・・・・・・!! 今すぐ、黒澤家の人たちを集めて!!」
ダイヤ「お父様や、お母様を!? それは・・・・・・」
花丸「昨日、ルビィちゃんと、善子ちゃんが・・・・・・“蔵”に、入って・・・・・・」
花丸「善子ちゃんが・・・・・・『鬼封面』を、見たらしいずら・・・・・・」
ダイヤ「!!!!」
鞠莉「Why!?」
千歌「な、なんで!?」
花丸「それと、ダイヤさん・・・・・・!! 今すぐ、黒澤家の人たちを集めて!!」
ダイヤ「お父様や、お母様を!? それは・・・・・・」
花丸「昨日、ルビィちゃんと、善子ちゃんが・・・・・・“蔵”に、入って・・・・・・」
花丸「善子ちゃんが・・・・・・『鬼封面』を、見たらしいずら・・・・・・」
ダイヤ「!!!!」
43: 2017/02/05(日) 01:03:13.89 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「ルビィぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!!」
ガシッ!!
ルビィ「ぴぎぃっ!?」
ダイヤ「なんということを・・・・・・!! なんということを!!!」
ダイヤ「あれほど、あれほど蔵には入ってはいけないと、お父様から言われていたでしょう!!?」
ルビィ(お姉ちゃんは、今まで見たことのないほどの剣幕で――)
ルビィ(私の両肩を掴んで、涙を流しながら、叫んでいた)
ガシッ!!
ルビィ「ぴぎぃっ!?」
ダイヤ「なんということを・・・・・・!! なんということを!!!」
ダイヤ「あれほど、あれほど蔵には入ってはいけないと、お父様から言われていたでしょう!!?」
ルビィ(お姉ちゃんは、今まで見たことのないほどの剣幕で――)
ルビィ(私の両肩を掴んで、涙を流しながら、叫んでいた)
47: 2017/02/05(日) 01:05:13.85 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「ご、ごめん、なさ、おねぇちゃ・・・・・・!!」ボロボロ
ダイヤ「善子さんは、見たの!!? 見たの、あの木箱の中身を!!!!」
ルビィ「た、たぶん・・・・・・!!」ガタガタ
ダイヤ「貴方は、見たの!!? 見たの、ルビィ!!!!」
ルビィ「み、見て、ない、よ・・・・・・!!」グスッヒグッ
鞠莉「ダイヤ!!」
花丸「落ち着くずら!!」
ダイヤ「・・・・・・・・・っ」ハァハァ
ダイヤ「・・・・・・!!」
ギュッ
ダイヤ「うう・・・・・・うう、う・・・・・・!!」ポロポロ
ルビィ「おねぇ、ちゃ・・・・・・ごめん、なさい・・・・・・ごめ・・・・・・!!」ボロボロ
ダイヤ「善子さんは、見たの!!? 見たの、あの木箱の中身を!!!!」
ルビィ「た、たぶん・・・・・・!!」ガタガタ
ダイヤ「貴方は、見たの!!? 見たの、ルビィ!!!!」
ルビィ「み、見て、ない、よ・・・・・・!!」グスッヒグッ
鞠莉「ダイヤ!!」
花丸「落ち着くずら!!」
ダイヤ「・・・・・・・・・っ」ハァハァ
ダイヤ「・・・・・・!!」
ギュッ
ダイヤ「うう・・・・・・うう、う・・・・・・!!」ポロポロ
ルビィ「おねぇ、ちゃ・・・・・・ごめん、なさい・・・・・・ごめ・・・・・・!!」ボロボロ
48: 2017/02/05(日) 01:06:34.98 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ(・・・・・・それから、すぐにお父さん、お母さん、家の使用人さんたちが集まってきて)
ルビィ(お父さんも、お母さんも、血相を変えてて)
ルビィ(お父さんが、小さく一言、『なんということを・・・・・・』って呟くのが、聞こえました)
ルビィ(そして、善子ちゃんは、使用人さんが運転する車に押し込まれて)
ルビィ(私たち全員と一緒に、花丸ちゃんのお寺に急行しました)
ルビィ(すぐに、善子ちゃんのお母さんもやって来て・・・・・・善子ちゃんのお母さんは、泣いていました)
ルビィ(お父さんも、お母さんも、血相を変えてて)
ルビィ(お父さんが、小さく一言、『なんということを・・・・・・』って呟くのが、聞こえました)
ルビィ(そして、善子ちゃんは、使用人さんが運転する車に押し込まれて)
ルビィ(私たち全員と一緒に、花丸ちゃんのお寺に急行しました)
ルビィ(すぐに、善子ちゃんのお母さんもやって来て・・・・・・善子ちゃんのお母さんは、泣いていました)
50: 2017/02/05(日) 01:09:08.91 ID:OcJ3yBbg.net
~花丸の寺 本堂~
花丸「ルビィちゃんのお父さん、お母さん・・・・・・」
花丸「単刀直入に言います。善子ちゃんは、昨日、蔵に入って、『鬼封面』の封印を解いて、面を見てしまいました」
花丸「しかも、その面をそばに置いたまま、一晩を過ごしてしまいました」
黒澤母「・・・・・・!!」
黒澤父「なんてことだ・・・・・・!」
花丸「ご存知の通り、『鬼封面』の呪力は強力です」
花丸「このままだと・・・・・・善子ちゃんは、確実に狂い氏にます」
善子母「そん、な・・・・・・!!」
善子母「ううううっ・・・・・・!!」
花丸「ルビィちゃんのお父さん、お母さん・・・・・・」
花丸「単刀直入に言います。善子ちゃんは、昨日、蔵に入って、『鬼封面』の封印を解いて、面を見てしまいました」
花丸「しかも、その面をそばに置いたまま、一晩を過ごしてしまいました」
黒澤母「・・・・・・!!」
黒澤父「なんてことだ・・・・・・!」
花丸「ご存知の通り、『鬼封面』の呪力は強力です」
花丸「このままだと・・・・・・善子ちゃんは、確実に狂い氏にます」
善子母「そん、な・・・・・・!!」
善子母「ううううっ・・・・・・!!」
51: 2017/02/05(日) 01:10:40.98 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「うう・・・・・・うううう・・・・・・!!」
ルビィ「うわぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ガバッ
ダイヤ「ルビィ・・・・・・!!」
ルビィ「ごめんなさいごめんなさい!! ルビィが、言いつけを守ってれば、こんなことには・・・・・・!!」
ルビィ「ごめんなさい、善子ちゃん、ごめんなさい!! うわあああぁぁぁんっ!!!」
梨子「そ・・・・・・そんな・・・・・・!!」
鞠莉「善子が・・・・・・氏ぬ・・・・・・!?」
千歌「やっ・・・・・・やだよ、そんなの!!!」
千歌「どうにかならないの!? 助けられないの!?」ポロポロ
ルビィ「うわぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ガバッ
ダイヤ「ルビィ・・・・・・!!」
ルビィ「ごめんなさいごめんなさい!! ルビィが、言いつけを守ってれば、こんなことには・・・・・・!!」
ルビィ「ごめんなさい、善子ちゃん、ごめんなさい!! うわあああぁぁぁんっ!!!」
梨子「そ・・・・・・そんな・・・・・・!!」
鞠莉「善子が・・・・・・氏ぬ・・・・・・!?」
千歌「やっ・・・・・・やだよ、そんなの!!!」
千歌「どうにかならないの!? 助けられないの!?」ポロポロ
53: 2017/02/05(日) 01:12:35.47 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「もう時間はありません――」
花丸「今すぐ、ここで、祓います」
黒澤母「!!」
黒澤父「しかし――!!」
花丸「はい。運悪く、父と祖母は、京都のお寺さんに出向いていて、不在です」
花丸「今、この寺に残っているのは、オラひとり」
花丸「だから――」
ゴクッ
花丸「――オラがやります」
花丸「先程――父とも、電話で話して、決めました」
花丸「今すぐ、ここで、祓います」
黒澤母「!!」
黒澤父「しかし――!!」
花丸「はい。運悪く、父と祖母は、京都のお寺さんに出向いていて、不在です」
花丸「今、この寺に残っているのは、オラひとり」
花丸「だから――」
ゴクッ
花丸「――オラがやります」
花丸「先程――父とも、電話で話して、決めました」
54: 2017/02/05(日) 01:14:25.52 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「花丸さんが――!?」
黒澤父「無茶だ!! 年若い君が、『鬼封面』の呪を祓うなど――!!」
花丸「でも――こうするしか、ないんです」
花丸「父の帰りを待っていたら、確実に善子ちゃんは手遅れになります」
花丸「オラは、そんなの、嫌だ――!! 善子ちゃんは、オラたちの、大切な友達ずら!!」
ルビィ「・・・・・・・・・!!」
花丸「オラだって怖い・・・・・・だけど・・・・・・!」カタカタ
花丸「オラは、大切な友達を――助けたいんです!!」ポロッ…
黒澤父「無茶だ!! 年若い君が、『鬼封面』の呪を祓うなど――!!」
花丸「でも――こうするしか、ないんです」
花丸「父の帰りを待っていたら、確実に善子ちゃんは手遅れになります」
花丸「オラは、そんなの、嫌だ――!! 善子ちゃんは、オラたちの、大切な友達ずら!!」
ルビィ「・・・・・・・・・!!」
花丸「オラだって怖い・・・・・・だけど・・・・・・!」カタカタ
花丸「オラは、大切な友達を――助けたいんです!!」ポロッ…
73: 2017/02/05(日) 22:08:12.95 ID:OcJ3yBbg.net
ザァァァーッ
ビュウウウッ
ガタガタ…
花丸「うん――お父さん」
花丸「準備、出来たずら」
ルビィ(お堂の中で、正座する花丸ちゃん)
ルビィ(千歌ちゃんが、その横に立って、花丸ちゃんのお父さんと通話の状態にした携帯電話を、花丸ちゃんの耳に当てています)
ルビィ(そして、花丸ちゃんの目の前には、)
ルビィ(奇声を上げながら暴れて、曜ちゃんと果南ちゃんに押さえつけられている、善子ちゃん――)
善子「あづうううういいいいああああああ!!!!」
曜「善子ちゃん・・・・・・!!」
果南「もう少しの、辛抱だから・・・・・・!!」
ビュウウウッ
ガタガタ…
花丸「うん――お父さん」
花丸「準備、出来たずら」
ルビィ(お堂の中で、正座する花丸ちゃん)
ルビィ(千歌ちゃんが、その横に立って、花丸ちゃんのお父さんと通話の状態にした携帯電話を、花丸ちゃんの耳に当てています)
ルビィ(そして、花丸ちゃんの目の前には、)
ルビィ(奇声を上げながら暴れて、曜ちゃんと果南ちゃんに押さえつけられている、善子ちゃん――)
善子「あづうううういいいいああああああ!!!!」
曜「善子ちゃん・・・・・・!!」
果南「もう少しの、辛抱だから・・・・・・!!」
74: 2017/02/05(日) 22:10:15.67 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「うん――うん」
花丸「全部、用意したずら」
ルビィ(押さえつけられている善子ちゃんの、四方の床には、お皿に盛った塩)
ルビィ(そして花丸ちゃんのそばには、大きな桶に入れた水?と、火の灯った蝋燭、お札・・・・・・)
花丸「うん――大丈夫」
ギュッ…
花丸「――始めるずら」
花丸「全部、用意したずら」
ルビィ(押さえつけられている善子ちゃんの、四方の床には、お皿に盛った塩)
ルビィ(そして花丸ちゃんのそばには、大きな桶に入れた水?と、火の灯った蝋燭、お札・・・・・・)
花丸「うん――大丈夫」
ギュッ…
花丸「――始めるずら」
75: 2017/02/05(日) 22:13:48.73 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄」
花丸「舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是」
パシャッ!
パシャッ!
善子「うあああああいいいいいい!!!」
ルビィ(花丸ちゃんが、お経を唱えながら、桶の中の水をすくって、善子ちゃんに浴びせて――)
ルビィ(水をかけられるたび、善子ちゃんは大声で叫び、暴れようとする)
鞠莉「ジーザス・・・・・・」
梨子「ううっ・・・・・・善子ちゃん・・・・・・」グスッ
ダイヤ「・・・・・・・・・っ」ギュッ
花丸「舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是」
パシャッ!
パシャッ!
善子「うあああああいいいいいい!!!」
ルビィ(花丸ちゃんが、お経を唱えながら、桶の中の水をすくって、善子ちゃんに浴びせて――)
ルビィ(水をかけられるたび、善子ちゃんは大声で叫び、暴れようとする)
鞠莉「ジーザス・・・・・・」
梨子「ううっ・・・・・・善子ちゃん・・・・・・」グスッ
ダイヤ「・・・・・・・・・っ」ギュッ
77: 2017/02/05(日) 22:16:54.73 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減」
花丸「是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法」
ポッ…
ハラハラ
ルビィ(続いて、花丸ちゃんはお経を唱えながら、手に持ったお札に、蝋燭で火を点け――)
ルビィ(桶の水の中に、その灰を落とし、それを水に溶かすように手でとく)
ルビィ(そして――)
花丸「ごめん、善子ちゃん――我慢して」
花丸「曜ちゃん、果南ちゃん!! 口、開けさせて!!」
花丸「是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法」
ポッ…
ハラハラ
ルビィ(続いて、花丸ちゃんはお経を唱えながら、手に持ったお札に、蝋燭で火を点け――)
ルビィ(桶の水の中に、その灰を落とし、それを水に溶かすように手でとく)
ルビィ(そして――)
花丸「ごめん、善子ちゃん――我慢して」
花丸「曜ちゃん、果南ちゃん!! 口、開けさせて!!」
78: 2017/02/05(日) 22:19:38.20 ID:OcJ3yBbg.net
ズゾッ!
花丸「無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽 乃至無老氏 亦無老氏尽」
花丸「無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故・・・・・・!」
ルビィ(花丸ちゃんは――灰を溶かした水にひたした手を、善子ちゃんの口に突っ込みました)
善子「げあぎぃいええぇぇぐううううう!!!!」
ルビィ(善子ちゃんは一層激しく暴れ、突っ込まれた花丸ちゃんの手に食いつき――)
ルビィ(花丸ちゃんの表情が、痛みに歪んだ――その時、)
ドンッ!
ルビィ「!!?」ビクッ
花丸「無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽 乃至無老氏 亦無老氏尽」
花丸「無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故・・・・・・!」
ルビィ(花丸ちゃんは――灰を溶かした水にひたした手を、善子ちゃんの口に突っ込みました)
善子「げあぎぃいええぇぇぐううううう!!!!」
ルビィ(善子ちゃんは一層激しく暴れ、突っ込まれた花丸ちゃんの手に食いつき――)
ルビィ(花丸ちゃんの表情が、痛みに歪んだ――その時、)
ドンッ!
ルビィ「!!?」ビクッ
79: 2017/02/05(日) 22:22:14.49 ID:OcJ3yBbg.net
ドンッ! ドンドンッ!!
ルビィ(お堂の中に、何かを激しく叩くような音が響きわたりました)
ルビィ(それは――天井から聞こえて)
ルビィ(天井裏で、誰かが飛び跳ねているのかと――思いましたが)
ルビィ(明らかにそれは、部屋の内側から、天井を叩くような音で――!!)
チカチカッ
曜「うわぁ!? 電気が点滅してる!?」
ドドドンッ!! ドンッ!!
梨子「いや、いやあああ・・・・・・!!」ポロポロ
千歌「な、なんなの・・・・・・なんなの!?」グスッ
ルビィ(お堂の中に、何かを激しく叩くような音が響きわたりました)
ルビィ(それは――天井から聞こえて)
ルビィ(天井裏で、誰かが飛び跳ねているのかと――思いましたが)
ルビィ(明らかにそれは、部屋の内側から、天井を叩くような音で――!!)
チカチカッ
曜「うわぁ!? 電気が点滅してる!?」
ドドドンッ!! ドンッ!!
梨子「いや、いやあああ・・・・・・!!」ポロポロ
千歌「な、なんなの・・・・・・なんなの!?」グスッ
80: 2017/02/05(日) 22:24:57.00 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃」
花丸「三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提――」
花丸「・・・・・・うぅ・・・・・・まずい・・・・・・オラには・・・・・・」
花丸「どうしよう、お父さん・・・・・・うん、うん・・・・・・」
花丸「うん――わかった」
キッ!
花丸「みんな、お経唱えて!!」
花丸「一緒に詠んで!!」
千歌「ええっ!?」
鞠莉「お、オキョーなんて・・・・・・」
梨子「し、知らないよぉ・・・・・・!!」
花丸「三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提――」
花丸「・・・・・・うぅ・・・・・・まずい・・・・・・オラには・・・・・・」
花丸「どうしよう、お父さん・・・・・・うん、うん・・・・・・」
花丸「うん――わかった」
キッ!
花丸「みんな、お経唱えて!!」
花丸「一緒に詠んで!!」
千歌「ええっ!?」
鞠莉「お、オキョーなんて・・・・・・」
梨子「し、知らないよぉ・・・・・・!!」
81: 2017/02/05(日) 22:27:56.14 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「“南無阿弥陀仏”って唱えるだけでいいずら!!」
花丸「それで、心の中で、善子ちゃんを助けたいって強く念じて!!」
花丸「早く!!!!」
ルビィ(その時――)
ルビィ(私は、見てしまいました)
ルビィ(気づいてしまいました)
ルビィ(天井の、影)
ルビィ(私たちの、誰の影でもない)
ルビィ(四つんばいになって、天井に張り付いた影のようなモノが、)
ルビィ(尋常でない速さで、天井を這いずり回っていることに――)
花丸「それで、心の中で、善子ちゃんを助けたいって強く念じて!!」
花丸「早く!!!!」
ルビィ(その時――)
ルビィ(私は、見てしまいました)
ルビィ(気づいてしまいました)
ルビィ(天井の、影)
ルビィ(私たちの、誰の影でもない)
ルビィ(四つんばいになって、天井に張り付いた影のようなモノが、)
ルビィ(尋常でない速さで、天井を這いずり回っていることに――)
82: 2017/02/05(日) 22:30:19.75 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・・・・!!」
「「「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・・・・」」」
ルビィ(私たちは、とてつもない恐怖と、花丸ちゃんの剣幕に、一心不乱になって唱え続けました)
ルビィ(みんな、泣いていたと思います。泣きながら、必氏で唱えました)
ルビィ(お願い・・・・・・助けて助けて助けて・・・・・・!!)
ルビィ(どうか・・・・・・善子ちゃんと・・・・・・私たちを、助けて・・・・・・!!)
ドンドンッ! ドンッ!!
善子「あづいいいいあづあああいいいいあああああ!!!!」
花丸「故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪」
花丸「能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰・・・・・・!!」
「「「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・・・・」」」
ルビィ(私たちは、とてつもない恐怖と、花丸ちゃんの剣幕に、一心不乱になって唱え続けました)
ルビィ(みんな、泣いていたと思います。泣きながら、必氏で唱えました)
ルビィ(お願い・・・・・・助けて助けて助けて・・・・・・!!)
ルビィ(どうか・・・・・・善子ちゃんと・・・・・・私たちを、助けて・・・・・・!!)
ドンドンッ! ドンッ!!
善子「あづいいいいあづあああいいいいあああああ!!!!」
花丸「故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪」
花丸「能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰・・・・・・!!」
83: 2017/02/05(日) 22:32:19.82 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶!!」
ズボッ!
善子「おごえおおおおおお!!!」
ゴボボッ!
ベチャベチャッ!
ルビィ(花丸ちゃんが、善子ちゃんの口から、手を引き抜くと――)
ルビィ(善子ちゃんの口の中から、灰色のドロドロした塊が、吐き出されました)
花丸「やった・・・・・・!! 出た!! 出たずら、お父さん!!!」
花丸「助かる・・・・・・!! 善子ちゃんは、助かるずら!!!」
ズボッ!
善子「おごえおおおおおお!!!」
ゴボボッ!
ベチャベチャッ!
ルビィ(花丸ちゃんが、善子ちゃんの口から、手を引き抜くと――)
ルビィ(善子ちゃんの口の中から、灰色のドロドロした塊が、吐き出されました)
花丸「やった・・・・・・!! 出た!! 出たずら、お父さん!!!」
花丸「助かる・・・・・・!! 善子ちゃんは、助かるずら!!!」
84: 2017/02/05(日) 22:34:50.61 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ(それから、さらに10分ほど、花丸ちゃんはお経を唱えながら、善子ちゃんの体に水を振りかけ――)
ルビィ(やがて、善子ちゃんは、すっかり大人しくなり)
ルビィ(天井を蠢いていた影も、大きな音も、消えていました)
ルビィ(その時――私は、気づきました)
ルビィ(善子ちゃんの四方の床に置いてあった、真っ白だったはずの盛り塩が、腐ったように黒ずんでいることに――)
花丸「お、終わった・・・・・・出来た・・・・・・出来た・・・・・・!!」
花丸「・・・・・・うわあああああん!! 良かった、良かったずら、善子ちゃああああん!!!」
ルビィ「うう、うわああぁぁぁぁんっ!! わぁぁぁぁぁん!!!」
ルビィ(やがて、善子ちゃんは、すっかり大人しくなり)
ルビィ(天井を蠢いていた影も、大きな音も、消えていました)
ルビィ(その時――私は、気づきました)
ルビィ(善子ちゃんの四方の床に置いてあった、真っ白だったはずの盛り塩が、腐ったように黒ずんでいることに――)
花丸「お、終わった・・・・・・出来た・・・・・・出来た・・・・・・!!」
花丸「・・・・・・うわあああああん!! 良かった、良かったずら、善子ちゃああああん!!!」
ルビィ「うう、うわああぁぁぁぁんっ!! わぁぁぁぁぁん!!!」
85: 2017/02/05(日) 22:36:24.40 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「う・・・・・・う、う」
梨子「ぐすっ、ひぐっ」
千歌「ううっ・・・・・・うわあああん!!」
ルビィ(みんな、大泣きでした)
ルビィ(花丸ちゃんも、私も――お姉ちゃんも、千歌さんも、曜さんも、梨子さんも、鞠莉さんも、果南さんも)
ルビィ(善子ちゃんのお母さん、私のお父さんやお母さんまで――)
ルビィ(本当に怖かったのと、それが過ぎ去った安堵で、みんな泣いていたんだと思います)
ルビィ(ただひとり、目を閉じた善子ちゃんだけが、魂が抜けたかのようにぐったりしていました――)
梨子「ぐすっ、ひぐっ」
千歌「ううっ・・・・・・うわあああん!!」
ルビィ(みんな、大泣きでした)
ルビィ(花丸ちゃんも、私も――お姉ちゃんも、千歌さんも、曜さんも、梨子さんも、鞠莉さんも、果南さんも)
ルビィ(善子ちゃんのお母さん、私のお父さんやお母さんまで――)
ルビィ(本当に怖かったのと、それが過ぎ去った安堵で、みんな泣いていたんだと思います)
ルビィ(ただひとり、目を閉じた善子ちゃんだけが、魂が抜けたかのようにぐったりしていました――)
86: 2017/02/05(日) 22:39:25.67 ID:OcJ3yBbg.net
~花丸の寺 離れ~
善子「」スー…スー…
花丸「とりあえず、善子ちゃんは大丈夫だと思うずら」
花丸「だけど、心配だから、善子ちゃんの周りにいたみんなも含めて、オラのお父さんに後でお祓いしてもらうずら」
ダイヤ「善子さんのお母様には、別の部屋で、私の両親が事情を説明しておりますわ」
曜「あ、あの・・・・・・その、事情、ってやつ・・・・・・」
果南「私たちにも、説明してもらえない?」
千歌「正直、訳がわからないよ。なんで、こんなことになったのか・・・・・・」
千歌「善子ちゃんの身に、何が起きたのか」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「そうですわね。最早、皆さんは部外者ではありませんし」
ダイヤ「ただし、これから話すことは、他言無用でお願いいたします」
善子「」スー…スー…
花丸「とりあえず、善子ちゃんは大丈夫だと思うずら」
花丸「だけど、心配だから、善子ちゃんの周りにいたみんなも含めて、オラのお父さんに後でお祓いしてもらうずら」
ダイヤ「善子さんのお母様には、別の部屋で、私の両親が事情を説明しておりますわ」
曜「あ、あの・・・・・・その、事情、ってやつ・・・・・・」
果南「私たちにも、説明してもらえない?」
千歌「正直、訳がわからないよ。なんで、こんなことになったのか・・・・・・」
千歌「善子ちゃんの身に、何が起きたのか」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「そうですわね。最早、皆さんは部外者ではありませんし」
ダイヤ「ただし、これから話すことは、他言無用でお願いいたします」
87: 2017/02/05(日) 22:42:27.84 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「事の発端は――善子さんが、私の家の蔵で、ある“面”を見てしまったことですわ」
ダイヤ「その面の名は、『鬼封面』」
鞠莉「キフーメン?」
ダイヤ「鬼を封じる面、と書いて『鬼封面』ですわ」
ダイヤ「これは、黒澤家に昔から伝わる――」
ダイヤ「有り体に言えば、“呪いの面”ですの」
梨子「の、呪い!?」ビクッ
ダイヤ「その面の名は、『鬼封面』」
鞠莉「キフーメン?」
ダイヤ「鬼を封じる面、と書いて『鬼封面』ですわ」
ダイヤ「これは、黒澤家に昔から伝わる――」
ダイヤ「有り体に言えば、“呪いの面”ですの」
梨子「の、呪い!?」ビクッ
88: 2017/02/05(日) 22:44:32.41 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「この面の力は、強力で――見てしまった者が、どうなってしまうかは、善子さんを見ればわかる通り」
花丸「今は、善子ちゃんの鞄に入ったまま、本堂のご本尊の前に置いてあるずら」
花丸「流石に、あの面自体の呪いを祓うことは、マルには出来ないから――」
花丸「いや、完全に祓うことは、マルのお父さんにだって無理」
花丸「せいぜい、力を弱めて、封じることぐらいしか出来ないずら」
ダイヤ「それほど強力な呪力を持っている、と言えばおわかり頂けますでしょうか」
曜「だ・・・・・・だけど、そんなにヤバい呪いのお面が、なんでダイヤさんの家に・・・・・・?」
花丸「今は、善子ちゃんの鞄に入ったまま、本堂のご本尊の前に置いてあるずら」
花丸「流石に、あの面自体の呪いを祓うことは、マルには出来ないから――」
花丸「いや、完全に祓うことは、マルのお父さんにだって無理」
花丸「せいぜい、力を弱めて、封じることぐらいしか出来ないずら」
ダイヤ「それほど強力な呪力を持っている、と言えばおわかり頂けますでしょうか」
曜「だ・・・・・・だけど、そんなにヤバい呪いのお面が、なんでダイヤさんの家に・・・・・・?」
89: 2017/02/05(日) 22:54:10.43 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・ここからは、身内の恥ずべき逸話をさらすことになりますわ」
ダイヤ「私の家、黒澤家が、この内浦の網元の家柄であることは、皆さんも知っておりますわね?」
ダイヤ「今でこそ、名ばかりの網元ではありますが、昔の時代にあっては、漁村における網元とはその地の支配者であるも同義」
ダイヤ「かつての黒澤家は、並の大名に勝るとも劣らない威勢を誇っていたと聞いています」
ダイヤ「そして――その頃の黒澤家には、“分家”が存在していたのですわ」
鞠莉「ブンケ――!?」
果南「そんな話、初めて聞いたよ!?」
ダイヤ「もう、大昔――江戸時代頃の話ですし――」
ダイヤ「――“分家”は、闇に葬られましたから」
ルビィ「・・・・・・!」ゾク…
ダイヤ「・・・・・・ここからは、身内の恥ずべき逸話をさらすことになりますわ」
ダイヤ「私の家、黒澤家が、この内浦の網元の家柄であることは、皆さんも知っておりますわね?」
ダイヤ「今でこそ、名ばかりの網元ではありますが、昔の時代にあっては、漁村における網元とはその地の支配者であるも同義」
ダイヤ「かつての黒澤家は、並の大名に勝るとも劣らない威勢を誇っていたと聞いています」
ダイヤ「そして――その頃の黒澤家には、“分家”が存在していたのですわ」
鞠莉「ブンケ――!?」
果南「そんな話、初めて聞いたよ!?」
ダイヤ「もう、大昔――江戸時代頃の話ですし――」
ダイヤ「――“分家”は、闇に葬られましたから」
ルビィ「・・・・・・!」ゾク…
90: 2017/02/05(日) 22:56:30.13 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「分家の名は、『重須(おむす)家』と申しました」
ダイヤ「当時の内浦は、表を黒澤家、裏を重須家が支配する構造になっていたそうですわ」
梨子「表と、裏――?」
千歌「どういうこと?」
ダイヤ「網元として、地元の漁業権を掌握し、“表”で村を支配するのが黒澤家」
ダイヤ「そして、分家である重須家は――表向き、黒澤家が出来ない、“裏”での仕事を請け負っていたと聞きます」
果南「“裏”での仕事?」
ダイヤ「警察的な立場――と言えば、聞こえはいいですが」
ダイヤ「その実、黒澤家、重須家に徒(あだ)なすものを取り締まる――」
ダイヤ「率直に言えば、粛清し、“恐怖”で村を支配する」
ダイヤ「そういった、黒澤家の負の面――“裏”稼業を一手に担っていたそうですわ」
曜「なっ・・・・・・!?」
ダイヤ「当時の内浦は、表を黒澤家、裏を重須家が支配する構造になっていたそうですわ」
梨子「表と、裏――?」
千歌「どういうこと?」
ダイヤ「網元として、地元の漁業権を掌握し、“表”で村を支配するのが黒澤家」
ダイヤ「そして、分家である重須家は――表向き、黒澤家が出来ない、“裏”での仕事を請け負っていたと聞きます」
果南「“裏”での仕事?」
ダイヤ「警察的な立場――と言えば、聞こえはいいですが」
ダイヤ「その実、黒澤家、重須家に徒(あだ)なすものを取り締まる――」
ダイヤ「率直に言えば、粛清し、“恐怖”で村を支配する」
ダイヤ「そういった、黒澤家の負の面――“裏”稼業を一手に担っていたそうですわ」
曜「なっ・・・・・・!?」
91: 2017/02/05(日) 22:58:21.47 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「漁村において、漁獲物を盗むことは、極刑にあたりました」
ダイヤ「ですから重須家は、特にそうした、漁獲物を盗んだ人間に対しては、熾烈な私刑を加えたそうですわ」
ダイヤ「無論、その過程で命を落とした方も多くいらっしゃるでしょう」
千歌「そんな・・・・・・昔の内浦で、そんなことが・・・・・・」
ダイヤ「ですが、事実ですわ。そして、私の黒澤家の先祖が、そうした行為に手を染めていたことも事実」
ルビィ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・話を戻しますわ。そんな中、ある貧しい百姓が、黒澤家の漁獲物の盗みに手を染めてしまった」
ダイヤ「記録によると――天明年間のことだそうですから、今から200年以上も前のことですわね」
梨子「天明って、確か――江戸の、天明の大飢饉の――」
ダイヤ「そう。当時、大飢饉の影響で、貧しい農民、漁民は生活に困窮し、餓氏する者が後を絶たなかった」
ダイヤ「そんな中、窮乏の極みに達したひとりの貧しい百姓が、黒澤家の漁獲物を盗んだのですわ」
ダイヤ「ですから重須家は、特にそうした、漁獲物を盗んだ人間に対しては、熾烈な私刑を加えたそうですわ」
ダイヤ「無論、その過程で命を落とした方も多くいらっしゃるでしょう」
千歌「そんな・・・・・・昔の内浦で、そんなことが・・・・・・」
ダイヤ「ですが、事実ですわ。そして、私の黒澤家の先祖が、そうした行為に手を染めていたことも事実」
ルビィ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・話を戻しますわ。そんな中、ある貧しい百姓が、黒澤家の漁獲物の盗みに手を染めてしまった」
ダイヤ「記録によると――天明年間のことだそうですから、今から200年以上も前のことですわね」
梨子「天明って、確か――江戸の、天明の大飢饉の――」
ダイヤ「そう。当時、大飢饉の影響で、貧しい農民、漁民は生活に困窮し、餓氏する者が後を絶たなかった」
ダイヤ「そんな中、窮乏の極みに達したひとりの貧しい百姓が、黒澤家の漁獲物を盗んだのですわ」
92: 2017/02/05(日) 23:00:28.48 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「すぐさま重須家に捕らえられたその百姓は、苛烈な拷問を受けた」
ダイヤ「しかし、重須家は、それだけでは飽き足らず――」
ダイヤ「ある、恐ろしい“刑”を、その百姓に下したのです」
千歌「・・・・・・・・・」ゴクッ
ダイヤ「重須家は、盗みを働いた百姓と、その妻、幼い子どもを、土蔵に閉じ込め――」
ダイヤ「――火を放ったのですわ」
鞠莉「なっ・・・・・・!?」
ダイヤ「しかも――百姓に対しては、ただ頃すだけではなく」
ダイヤ「顔面を、硬い粘土で覆った」
曜「ね・・・・・・粘土・・・・・・!?」
ダイヤ「しかし、重須家は、それだけでは飽き足らず――」
ダイヤ「ある、恐ろしい“刑”を、その百姓に下したのです」
千歌「・・・・・・・・・」ゴクッ
ダイヤ「重須家は、盗みを働いた百姓と、その妻、幼い子どもを、土蔵に閉じ込め――」
ダイヤ「――火を放ったのですわ」
鞠莉「なっ・・・・・・!?」
ダイヤ「しかも――百姓に対しては、ただ頃すだけではなく」
ダイヤ「顔面を、硬い粘土で覆った」
曜「ね・・・・・・粘土・・・・・・!?」
93: 2017/02/05(日) 23:03:39.46 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「口と鼻には、呼吸のための穴を空け」
ダイヤ「百姓が、呼吸困難で氏ぬことのないように――最後まで、火に焼かれて、苦しみぬいて氏ぬように――」
ルビィ「・・・・・・・・・っ!!」ゾッ…
ダイヤ「そうして、百姓とその家族は、逃げ場のない土蔵の中で焼き殺され――」
ダイヤ「焼け跡には、“焼き上がった”土の面が残る」
ダイヤ「つまり――彼らは、生きたまま、“デスマスク”を作ったのですわ」
梨子「うっ・・・・・・!!」
鞠莉「い・・・・・・イカレてる・・・・・・」
ダイヤ「百姓が、呼吸困難で氏ぬことのないように――最後まで、火に焼かれて、苦しみぬいて氏ぬように――」
ルビィ「・・・・・・・・・っ!!」ゾッ…
ダイヤ「そうして、百姓とその家族は、逃げ場のない土蔵の中で焼き殺され――」
ダイヤ「焼け跡には、“焼き上がった”土の面が残る」
ダイヤ「つまり――彼らは、生きたまま、“デスマスク”を作ったのですわ」
梨子「うっ・・・・・・!!」
鞠莉「い・・・・・・イカレてる・・・・・・」
94: 2017/02/05(日) 23:05:13.77 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「そう――正気の沙汰ではありません」
ダイヤ「二度と黒澤家、重須家に徒なす者が出ないようにと、見せしめの意味もあったのでしょうね」
ダイヤ「黒澤家の血を引く者として――先祖と、分家の行いに、恥ずべき思いですわ」
果南「それじゃ・・・・・・まさか・・・・・・」
果南「善子が見た、お面っていうのは・・・・・・!!」
ダイヤ「――その通りですわ」
ダイヤ「百姓と、その家族を焼き頃して作り上げた土面こそが、『鬼封面』です」
ルビィ「そんな・・・・・・」
ルビィ「そんな、ひどいこと・・・・・・!」カタカタ
ダイヤ「二度と黒澤家、重須家に徒なす者が出ないようにと、見せしめの意味もあったのでしょうね」
ダイヤ「黒澤家の血を引く者として――先祖と、分家の行いに、恥ずべき思いですわ」
果南「それじゃ・・・・・・まさか・・・・・・」
果南「善子が見た、お面っていうのは・・・・・・!!」
ダイヤ「――その通りですわ」
ダイヤ「百姓と、その家族を焼き頃して作り上げた土面こそが、『鬼封面』です」
ルビィ「そんな・・・・・・」
ルビィ「そんな、ひどいこと・・・・・・!」カタカタ
96: 2017/02/05(日) 23:06:42.93 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「・・・・・・“鬼”という言葉には、想像上の怪物という意味の他に、“人間に害なすもの、徒なすもの”という意味も含まれてるずら」
花丸「当時の、黒澤家や重須家の人たちにとっては、自分たちの財産である漁獲物を奪うような者は、最早人間ではない」
花丸「人間以下の存在、畜生、“鬼”同然――そんな風に思ってたのかもしれないずら」
ルビィ「・・・・・・・・・」
花丸「そして、そんな“鬼”共を、逆らわないように“封じこめた”面――」
果南「それが――『鬼封面』の正体って訳だ」
花丸「当時の、黒澤家や重須家の人たちにとっては、自分たちの財産である漁獲物を奪うような者は、最早人間ではない」
花丸「人間以下の存在、畜生、“鬼”同然――そんな風に思ってたのかもしれないずら」
ルビィ「・・・・・・・・・」
花丸「そして、そんな“鬼”共を、逆らわないように“封じこめた”面――」
果南「それが――『鬼封面』の正体って訳だ」
97: 2017/02/05(日) 23:09:27.80 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「しかし――話は、それだけでは終わらなかったのですわ」
ダイヤ「百姓を焼き頃した後――焼き上がった『鬼封面』は、重須家に飾られていた」
ダイヤ「それから、間もなく――重須家の当主が、発狂して氏んだ」
梨子「・・・・・・!!」
ダイヤ「次の日には、当主の奥方と弟が、同じく狂って氏んだ」
ダイヤ「その次の日には、4人の子どもたちも、もろとも――」
千歌「・・・・・・っ」ゾッ…
ダイヤ「僅か、3日3晩のうちに、重須家の全員が息絶え――」
ダイヤ「あっさりと、重須家は断絶してしまったのですわ」
曜「嘘・・・・・・」
ダイヤ「百姓を焼き頃した後――焼き上がった『鬼封面』は、重須家に飾られていた」
ダイヤ「それから、間もなく――重須家の当主が、発狂して氏んだ」
梨子「・・・・・・!!」
ダイヤ「次の日には、当主の奥方と弟が、同じく狂って氏んだ」
ダイヤ「その次の日には、4人の子どもたちも、もろとも――」
千歌「・・・・・・っ」ゾッ…
ダイヤ「僅か、3日3晩のうちに、重須家の全員が息絶え――」
ダイヤ「あっさりと、重須家は断絶してしまったのですわ」
曜「嘘・・・・・・」
98: 2017/02/05(日) 23:11:35.66 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「面の呪いであると噂が立ち、黒澤家は面を処分しようとしましたが――」
ダイヤ「面を処分しようとした者、触れた者、ただ見ただけの者ですら、氏んでしまったのですわ」
鞠莉「アンビリーバブル・・・・・・」
ダイヤ「どれだけ、その面に、焼き殺された百姓の強い怨念が籠っているか、おわかりになるでしょう」
ダイヤ「進退窮まった黒澤家の人間達は、村の寺の住職に相談した」
梨子「まさか、それが――!」
花丸「そう――」
花丸「マルの、ご先祖ずら」
ダイヤ「面を処分しようとした者、触れた者、ただ見ただけの者ですら、氏んでしまったのですわ」
鞠莉「アンビリーバブル・・・・・・」
ダイヤ「どれだけ、その面に、焼き殺された百姓の強い怨念が籠っているか、おわかりになるでしょう」
ダイヤ「進退窮まった黒澤家の人間達は、村の寺の住職に相談した」
梨子「まさか、それが――!」
花丸「そう――」
花丸「マルの、ご先祖ずら」
100: 2017/02/05(日) 23:14:36.35 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「でも、流石のご先祖でも、怨念と呪力の塊になった面を祓うことは出来なかった」
花丸「そこで、ご先祖と黒澤家の人たちは――『鬼封面』を、封印し――」
花丸「それを代々、黒澤家で管理することに決めたずら」
果南「黒澤家で、管理――!?」
曜「なんでそんな、危ないものを――」
ダイヤ「贖罪――のつもりだったのかもしれませんわね」
ダイヤ「かつて、村を支配するため、残酷な刑罰で人を殺めた家の血筋を引く人間――」
ダイヤ「そうした、“罪の意識”を、決して消さないように」
ダイヤ「そうして黒澤家は、代々封印した『鬼封面』を、表に出ないように管理し続けてきたのですわ」
花丸「そこで、ご先祖と黒澤家の人たちは――『鬼封面』を、封印し――」
花丸「それを代々、黒澤家で管理することに決めたずら」
果南「黒澤家で、管理――!?」
曜「なんでそんな、危ないものを――」
ダイヤ「贖罪――のつもりだったのかもしれませんわね」
ダイヤ「かつて、村を支配するため、残酷な刑罰で人を殺めた家の血筋を引く人間――」
ダイヤ「そうした、“罪の意識”を、決して消さないように」
ダイヤ「そうして黒澤家は、代々封印した『鬼封面』を、表に出ないように管理し続けてきたのですわ」
101: 2017/02/05(日) 23:18:13.10 ID:OcJ3yBbg.net
ダイヤ「これは、黒澤家の人間が18歳を迎えた時、代々語り継がれることになっていますの」
ダイヤ「ですから私も、この事実を知ったのは、つい先日」
ダイヤ「今回は、この事実を知らないルビィが、善子さんを蔵に引き入れてしまい――」
ダイヤ「このような事態になってしまったのですわ」
ルビィ「うぅ・・・・・・ううう・・・・・・!」
ルビィ「そんな・・・・・・そんな、怖いものがあるなんて、し、知らなくて・・・・・・!!」
ルビィ「ごめん、なさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・!!」ボロボロ
ダイヤ「ですから私も、この事実を知ったのは、つい先日」
ダイヤ「今回は、この事実を知らないルビィが、善子さんを蔵に引き入れてしまい――」
ダイヤ「このような事態になってしまったのですわ」
ルビィ「うぅ・・・・・・ううう・・・・・・!」
ルビィ「そんな・・・・・・そんな、怖いものがあるなんて、し、知らなくて・・・・・・!!」
ルビィ「ごめん、なさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・!!」ボロボロ
102: 2017/02/05(日) 23:20:29.70 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「ルビィちゃん・・・・・・ルビィちゃんのせいじゃないずら」
ルビィ「ううん・・・・・・ルビィが、ちゃんとお父さんの言いつけを守ってれば、善子ちゃんは・・・・・・!!」
ダイヤ「ええ――ルビィだけのせいではありません」
ダイヤ「元は、黒澤家の先祖が行った非道が招いたこと」
ダイヤ「ごめんなさい・・・・・・善子さん・・・・・・」
ダイヤ「ごめんなさい・・・・・・」ポロポロ…
花丸「ダイヤさん・・・・・・」
ザァーッ…
ルビィ「ううん・・・・・・ルビィが、ちゃんとお父さんの言いつけを守ってれば、善子ちゃんは・・・・・・!!」
ダイヤ「ええ――ルビィだけのせいではありません」
ダイヤ「元は、黒澤家の先祖が行った非道が招いたこと」
ダイヤ「ごめんなさい・・・・・・善子さん・・・・・・」
ダイヤ「ごめんなさい・・・・・・」ポロポロ…
花丸「ダイヤさん・・・・・・」
ザァーッ…
104: 2017/02/05(日) 23:27:20.10 ID:OcJ3yBbg.net
~節分の日、花丸の寺の境内~
ワイワイ
キャハハハ
「ふくはーうち! おにはーそと!」
パチーン
梨子「きゃっ! 痛いっ!」
曜「こらー、やったなー!」
千歌「ちかっち鬼が、食べちゃうぞー!」
ワーワー
アハハハ
善子「・・・・・・・・・」
ワイワイ
キャハハハ
「ふくはーうち! おにはーそと!」
パチーン
梨子「きゃっ! 痛いっ!」
曜「こらー、やったなー!」
千歌「ちかっち鬼が、食べちゃうぞー!」
ワーワー
アハハハ
善子「・・・・・・・・・」
105: 2017/02/05(日) 23:31:19.21 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「ふふっ。千歌ちゃんたち、すっかり幼稚園のみんなの人気者ずら」
花丸「案外みんな、鬼役が似合ってるずらね」
善子「まあね・・・・・・子どもっぽいだけじゃない?」
花丸「でも、善子ちゃんが元気になって、ほんとに良かったずら」
善子「うん・・・・・・ありがとね、ずら丸。ずら丸がなんとかしてくれてなかったら、私・・・・・・」
ルビィ「本当に・・・・・・本当にごめんね、善子ちゃん」
ルビィ「ルビィと、うちにあったお面のせいで・・・・・・!!」
善子「ああもう、それはもう聞き飽きたから~! あれから、ルビィもダイヤさんも、顔を合わせれば謝ってばっかり!」
善子「もういいって・・・・・・それに、元はと言えば、私が悪いんだから」
善子「・・・・・・ごめんね」
ルビィ「善子ちゃん・・・・・・」
花丸「案外みんな、鬼役が似合ってるずらね」
善子「まあね・・・・・・子どもっぽいだけじゃない?」
花丸「でも、善子ちゃんが元気になって、ほんとに良かったずら」
善子「うん・・・・・・ありがとね、ずら丸。ずら丸がなんとかしてくれてなかったら、私・・・・・・」
ルビィ「本当に・・・・・・本当にごめんね、善子ちゃん」
ルビィ「ルビィと、うちにあったお面のせいで・・・・・・!!」
善子「ああもう、それはもう聞き飽きたから~! あれから、ルビィもダイヤさんも、顔を合わせれば謝ってばっかり!」
善子「もういいって・・・・・・それに、元はと言えば、私が悪いんだから」
善子「・・・・・・ごめんね」
ルビィ「善子ちゃん・・・・・・」
106: 2017/02/05(日) 23:33:07.55 ID:OcJ3yBbg.net
善子「・・・・・・あのお面は、結局どうなるの?」
ルビィ「うん。花丸ちゃんのお父さんに、改めてお祓いをしてもらって、封印して・・・・・・」
ルビィ「また、黒澤家で預かることに決めたよ」
善子「・・・・・・怖くないの?」
ルビィ「うん・・・・・・怖いよ、正直」
ルビィ「でも、あんな話を聞いた後じゃ・・・・・・ますます、他のどこかに置いておいたらいけない、って思って」
ルビィ「お姉ちゃんの言ってた通り・・・・・・ご先祖様が、酷いことをしちゃったなら・・・・・・」
ルビィ「子孫の私たちも、そのことを忘れずに、ちゃんと責任もって守り続けないといけない、と思うから」
花丸「勿論それは、マルの家も同じ」
花丸「もしまた、ルビィちゃんたちに何かがあったら、マルが絶対助けるずら!」
善子「そっか・・・・・・」
善子「強いのね。ずら丸も・・・・・・ルビィも」
ルビィ「うん。花丸ちゃんのお父さんに、改めてお祓いをしてもらって、封印して・・・・・・」
ルビィ「また、黒澤家で預かることに決めたよ」
善子「・・・・・・怖くないの?」
ルビィ「うん・・・・・・怖いよ、正直」
ルビィ「でも、あんな話を聞いた後じゃ・・・・・・ますます、他のどこかに置いておいたらいけない、って思って」
ルビィ「お姉ちゃんの言ってた通り・・・・・・ご先祖様が、酷いことをしちゃったなら・・・・・・」
ルビィ「子孫の私たちも、そのことを忘れずに、ちゃんと責任もって守り続けないといけない、と思うから」
花丸「勿論それは、マルの家も同じ」
花丸「もしまた、ルビィちゃんたちに何かがあったら、マルが絶対助けるずら!」
善子「そっか・・・・・・」
善子「強いのね。ずら丸も・・・・・・ルビィも」
107: 2017/02/05(日) 23:36:29.46 ID:OcJ3yBbg.net
善子「・・・・・・・・・」
善子「福は内・・・・・・鬼は外、か」
善子「あんな目に遭った後じゃ、鬼は外、っていうのも馬鹿に出来ないわね」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「節分では、“福は内、鬼は外”って言って、豆をまくのが定番だけれど」
花丸「実は、地方によっては――特にお寺では、“福は内、鬼も内”って言うところもあるずらよ」
善子「鬼も内?」
ルビィ「鬼なのに・・・・・・?」
花丸「仏様の前では、鬼はいないとするお寺――他にも、鬼を神様として祀ってる神社とか」
花丸「そうやって、鬼を追い払わないところも、意外と多いずら」
善子「へぇ・・・・・・」
ルビィ「知らなかった」
善子「福は内・・・・・・鬼は外、か」
善子「あんな目に遭った後じゃ、鬼は外、っていうのも馬鹿に出来ないわね」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「節分では、“福は内、鬼は外”って言って、豆をまくのが定番だけれど」
花丸「実は、地方によっては――特にお寺では、“福は内、鬼も内”って言うところもあるずらよ」
善子「鬼も内?」
ルビィ「鬼なのに・・・・・・?」
花丸「仏様の前では、鬼はいないとするお寺――他にも、鬼を神様として祀ってる神社とか」
花丸「そうやって、鬼を追い払わないところも、意外と多いずら」
善子「へぇ・・・・・・」
ルビィ「知らなかった」
108: 2017/02/05(日) 23:41:13.99 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「――あのお面のことを、『鬼封面』なんて呼ぶのも、間違ってるのかもしれないずら」
善子「どういうこと?」
花丸「あのお面を被せられた人は、鬼でもなんでもない、普通の人間だったはず」
花丸「だけど、昔の人たちは、彼を人間以下の存在、忌物として扱い、“鬼”として命を奪った――」
ルビィ「・・・・・・・・・」
花丸「この前も言った通り、“鬼”とは“人間に害なすもの、徒なすもの”――」
花丸「もしくは、“忌むべきもの、恐ろしいもの”という意味もあるずら」
花丸「でも、そんなものは、人間の弱い心、邪な心が生み出しただけ」
花丸「そんなことを思って、誰かを“鬼”扱いする人の心こそ――マルは、“鬼”そのものだと思うんだ」
善子「・・・・・・・・・」
善子「どういうこと?」
花丸「あのお面を被せられた人は、鬼でもなんでもない、普通の人間だったはず」
花丸「だけど、昔の人たちは、彼を人間以下の存在、忌物として扱い、“鬼”として命を奪った――」
ルビィ「・・・・・・・・・」
花丸「この前も言った通り、“鬼”とは“人間に害なすもの、徒なすもの”――」
花丸「もしくは、“忌むべきもの、恐ろしいもの”という意味もあるずら」
花丸「でも、そんなものは、人間の弱い心、邪な心が生み出しただけ」
花丸「そんなことを思って、誰かを“鬼”扱いする人の心こそ――マルは、“鬼”そのものだと思うんだ」
善子「・・・・・・・・・」
109: 2017/02/05(日) 23:43:09.83 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「“鬼”も、見方を変えれば神様にだって変わる」
花丸「鬼を追い払おうとするだけじゃなく、時には受け入れる心もあれば――」
花丸「悲しい出来事だって、起こらなくなるかもしれないずら」
善子「・・・・・・・・・」
ルビィ「そう、だね・・・・・・」
ルビィ「そうかもしれない」
善子「鬼も内、か・・・・・・」
花丸「鬼を追い払おうとするだけじゃなく、時には受け入れる心もあれば――」
花丸「悲しい出来事だって、起こらなくなるかもしれないずら」
善子「・・・・・・・・・」
ルビィ「そう、だね・・・・・・」
ルビィ「そうかもしれない」
善子「鬼も内、か・・・・・・」
110: 2017/02/05(日) 23:45:42.54 ID:OcJ3yBbg.net
~花丸の寺 門前の石段~
ルビィ「じゃあね、花丸ちゃん」
善子「また明日!」
花丸「うん――あ、そうそう、善子ちゃん」
花丸「もう大丈夫だとは思うけど――念のため、しばらくは定期的にお寺に来てね」
花丸「お父さんに、簡単なお祓いをしてもらうから」
善子「わかったって。まったく、ずら丸は心配症なんだから」
ルビィ「じゃあね、花丸ちゃん」
善子「また明日!」
花丸「うん――あ、そうそう、善子ちゃん」
花丸「もう大丈夫だとは思うけど――念のため、しばらくは定期的にお寺に来てね」
花丸「お父さんに、簡単なお祓いをしてもらうから」
善子「わかったって。まったく、ずら丸は心配症なんだから」
111: 2017/02/05(日) 23:48:16.89 ID:OcJ3yBbg.net
花丸「お面の力は、強力だから――約束ずらよ、善子ちゃん!」
善子「もー、わかったー! それと、善子じゃなくてヨハネ!」
善子「じゃあねー」
タタタ
ジッ
善子「・・・・・・・・・?」ピクッ
善子「もー、わかったー! それと、善子じゃなくてヨハネ!」
善子「じゃあねー」
タタタ
ジッ
善子「・・・・・・・・・?」ピクッ
112: 2017/02/05(日) 23:50:34.43 ID:OcJ3yBbg.net
ルビィ「・・・・・・? どうしたの、善子ちゃん?」
善子「あ、ううん・・・・・・なんでもない」
善子(一瞬、視線を感じた気がしたけど・・・・・・)
善子(気のせいよね)
善子「待ってよー、ルビィ!」
タタタ
……
…………
……………………
善子「あ、ううん・・・・・・なんでもない」
善子(一瞬、視線を感じた気がしたけど・・・・・・)
善子(気のせいよね)
善子「待ってよー、ルビィ!」
タタタ
……
…………
……………………
114: 2017/02/05(日) 23:51:47.56 ID:OcJ3yBbg.net
終わり
少し遅れてしまいましたが節分ネタで書いてみました!
楽しんで頂けたなら幸いです(σ`・∀・´)σ
少し遅れてしまいましたが節分ネタで書いてみました!
楽しんで頂けたなら幸いです(σ`・∀・´)σ
126: 2017/02/06(月) 13:21:54.44 ID:jDKJ4KqN.net
乙、面白かった怖かった
サンシャインは舞台が田舎な分こういう因習めいたホラーが似合うな
サンシャインは舞台が田舎な分こういう因習めいたホラーが似合うな
引用元: 花丸「呪いの鬼の面」
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