1: 2013/06/02(日) 19:25:46.35 ID:o/qY7Fcc0
アニ「私があいつのこと……氏に急ぎ野郎のことが好きだって言ったら、どうする?」

ライナー「ん?氏に急ぎ野郎?一体誰のことだ?」

アニ「な゛っ!?」

ライナー「ベルトルト、お前は知ってるか?」

ベルトルト「ううん、知らないな」

ライナー「だそうだ。すまないが後学のためにその氏に急ぎ野郎ってのが誰なのか教えてくれないか?」

アニ「……るくせに」ボソッ

ベルトルト「ん?何か言ったかいアニ?」

アニ「……誰のことだか、わかってるくせに」

10: 2013/06/02(日) 19:33:51.98 ID:o/qY7Fcc0
アニ「……あぁもう!わかった!わかったよ!」

ライナー「どうしたアニ、急にヒステリックな声を出して。まさかあの日か?」

ベルトルト「ライナー、さすがにそれは下品だよ」

アニ「言うよ!言えばいいんだろ!」

ライナー「まぁまぁ落ち着け」

ベルトルト「そうそう。これは『もしも』の話なんだろ?アニが変に気を張る必要なんてないじゃないか」

アニ「……」

アニ「もし、もしも」

アニ「もし私がエレンのことを好きだって言ったら、どうする?」

ベルトルト「うーん、どうするもなにもねぇ」

ライナー「俺たちは前々から知ってたわけだし、何を今更としか言えんな」

アニ「!?」

ベルトルト「まぁ気付いてないと思ってるのはアニ本人ぐらいだろうね」

ライナー「エレン本人も気付いてないだろうがな」

アニ「はっ、はぁっ!?」

12: 2013/06/02(日) 19:38:29.11 ID:o/qY7Fcc0
アニ「……あんたたち、騙したんだね」

ライナー「よしてくれ。騙したなんて人聞きの悪い」

ベルトルト「僕たちはちょっとアニをからかっただけじゃないか」

アニ「くっ……」

ライナー「………………で?」

アニ「?」

ベルトルト「アニはその話を僕たちに話して、一体なにがしたかったのかな?」

ライナー「まさか俺達にエレンとの仲をとりもてとでも頼むつもりだったのか?」

ベルトルト「わかってるよねアニ?そんなことが許されないことくらい」

アニ「……」

16: 2013/06/02(日) 19:43:56.63 ID:o/qY7Fcc0
アニ「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

アニ「……ごめん」

アニ「……少し、浮かれすぎてたみたいだ」

ライナー「……そうか」

アニ「初めてだったんだ。こんな生活は」

アニ「正直に言えば楽しかったんだ。いや、現在進行形で楽しい」

アニ「だから、勘違いしちゃったんだろうね」

アニ「私があいつらと同じ、普通の人間なんじゃないかってね」

ベルトルト「そっか」

18: 2013/06/02(日) 19:52:32.89 ID:o/qY7Fcc0
アニ「今の話は忘れて」

ライナー「……さて、どうしたもんかベルトルト」

ベルトルト「……うん、さしあたっての大きな障害はやっぱりミカサじゃないかな」

ライナー「だな。直接対決は避けられないだろう」

ベルトルト「緩衝材兼内通者としてアルミンをこっちに引き込むのはどうだろう?」

ライナー「うむ。あいつもエレンとの付き合いは長いらしいからな。いい情報源になるだろう」

アニ「……?」

アニ「……あんたたち、何を?」

ライナー「はぁ?何言ってんだお前?」

ベルトルト「エレンをものにするための作戦会議でしょ?言い出しっぺが何を言ってるんだ」

アニ「あんたたち……」

アニ「……」グスッ

ライナー「おいベルトルト。アニのやつまたベソかき始めたぞ」

ベルトルト「最近めっきり減ったと思ってたけど、やっぱりアニは泣き虫アニだね」

アニ「うる……さい」グスッ

19: 2013/06/02(日) 19:54:28.54 ID:o/qY7Fcc0
ちょっとタンマ

31: 2013/06/02(日) 20:25:44.43 ID:o/qY7Fcc0
ライナー「……と言っても、まぁあまり過度の期待はするなよ?」

ベルトルト「うん。僕たちにできることなんて精々問題を先送りにして相談に乗ってあげるくらいだからね」

ライナー「いずれ来る『その時』から逃れることはできない。ただそれでも」

ベルトルト「『その時』が来るまでの間くらいは、アニには普通の女の子でいて欲しいんだ」

アニ「……」グスッ

ライナー「……なぁアニ。俺たちだって、エレンたちと同じように幼なじみだろ?」

ベルトルト「アニはもっと僕たちに頼ってもいいんだよ?むしろもっと頼るべきだ」

ライナー「そういうことだ。わかったか?」

ベルトルト「わかったのなら、作戦会議の続きをしよう。いいね?」

アニ「……うん、わかった」グスッ

32: 2013/06/02(日) 20:27:12.32 ID:o/qY7Fcc0
アニ「……ありがとう」グスッ



アニ「ライナー兄、ベルトル兄」ニコッ

33: 2013/06/02(日) 20:27:59.32 ID:o/qY7Fcc0
(おわり)

35: 2013/06/02(日) 20:30:45.15 ID:o/qY7Fcc0
続きまして



アルミン「誰も僕のことなんか」

37: 2013/06/02(日) 20:32:18.79 ID:GjLwjM6T0
短編集だったか

41: 2013/06/02(日) 20:36:48.16 ID:o/qY7Fcc0
エレン「なーアルミン……」


ミカサ「アルミン、ちょっと……」


ジャン「てめぇ!ふざけんじゃねぇぞ!」
エレン「なんだと!?」
アルミン「やめなよ二人とも!」


サシャ「アルミン、私全然食べ足りないんですけど」
アルミン「うん、僕の分はあげないからね」


コニー「アルミン、座学の宿題を教えて欲しいんだが」
アルミン「うん、いいよ。って一問目から……」


アルミン「……はぁ」

43: 2013/06/02(日) 20:45:13.72 ID:o/qY7Fcc0
マルコ「どうしたの?アルミン?」

アルミン「あぁマルコか……。なんでもないよ」

マルコ「そうかい?なんだか疲れてるように見えるけど……?」

ライナー「あの馬鹿どもに振り回されてくたびれてるんだろう」

アルミン「あ、ライナー……」

マルコ「あぁ、なるほどね」

ライナー「さっきも散々だっな。ミカサとアニやつめ……」

アルミン「ふふ、あれぐらい慣れっこだよ」

マルコ「本当に大丈夫かい?」

アルミン「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、マルコ」

アルミン「……って、あっ!昨日は僕が大浴場の掃除当番だった!」

ライナー「大変だな。変わってやろうか?」

アルミン「ありがとうライナー。でも大丈夫さ!」

45: 2013/06/02(日) 20:51:30.36 ID:o/qY7Fcc0
アルミン「……とは言ったものの」

アルミン「この大浴場をひとりで掃除するのはやっぱりきついなぁ」

アルミン「うぅ、腰が痛い……」

アルミン「やっぱりライナーに変わってもらった方が良かったかなぁ」

アルミン「いやいや、なまけちゃダメだぞアルミン・アルレルト」

アルミン「僕はみんなに比べて身体能力で大きく劣っている」

アルミン「浴場のブラシがけも立派な筋肉トレーニングだ!」

アルミン「よぅし、頑張るぞ!!」

アルミン「…………でもやっぱり疲れるなぁ」

「あれ?男湯の掃除当番はアルミンなんだ?」

47: 2013/06/02(日) 20:57:19.99 ID:o/qY7Fcc0
アルミン「……あ、クリスタ?」

クリスタ「大変そうだね?お疲れさま」

アルミン「どうして男湯なんかに?」

クリスタ「今日の女湯の掃除当番は私なの。掃除をしようと思ったら男湯から声が聞こえてきたから来ちゃった」

アルミン「そ、そっか」

クリスタ「やっぱり浴場の掃除って疲れるよね」

アルミン「そうだね。半分も終わってないのにクタクタだよ」

クリスタ「……ねぇ、アルミン?」

アルミン「ん?」

クリスタ「男湯の掃除、手伝ってあげよっか?」

アルミン「えぇっ!?」

57: 2013/06/02(日) 21:30:58.71 ID:o/qY7Fcc0
アルミン「そんな、悪いよ」

クリスタ「いいからいいから!二人でやった方が早いでしょ?」

アルミン「まぁ確かにそうだけど」

クリスタ「そのかわり、男湯が終わったら女湯を手伝ってね?」

アルミン「そういうことか。まぁ一人で一つをやるより二人で二つをやった方が効率はいいかもね」

クリスタ「でしょ?じゃあ決まりだね」

アルミン「うん、わかっ……」

アルミン「ってそんなのダメだよぉぉぉ!!」

59: 2013/06/02(日) 21:40:49.42 ID:o/qY7Fcc0
クリスタ「え?どうして?」

アルミン「だだだだって僕が女湯に入ることになるんだよ!?そんなのダメだよ!?」

クリスタ「みんなが入ってる時ならまだしも、誰もいないんだから大丈夫だよ」

アルミン「そういう問題じゃないよ!」

クリスタ「もう……アルミンは真面目すぎるなぁ」ゴシゴシ

アルミン「ちょっ、クリスタ!?なんで掃除始めてるのさ!?」

クリスタ「ふふっ、もう遅いよ。私はアルミンを手伝ったんだからアルミンにも私を手伝ってもらわなきゃね!」ゴシゴシ

アルミン「ずずずるいよ!クリスタ!やめて!掃除をやめてよ!」グイッ

クリスタ「きゃっ!?」

ズテーン!

61: 2013/06/02(日) 21:48:21.83 ID:o/qY7Fcc0
アルミン「いたたた……」グッショリ

クリスタ「うう……」ビッチョリ

アルミン「!?ごごごごめんクリスタ!!」

クリスタ「……ぷっ。あは、あはははは」

アルミン「クリ……スタ?」

クリスタ「あはははは!!はー、はー……ふぅ」

クリスタ「二人ともびしょ濡れになっちゃったね」

アルミン「うん、ごめんね僕のせいで」

クリスタ「ううん、気にしてないよ。ただ……」

アルミン「ただ?」

クリスタ「身体が濡れて気持ち悪いから早くお風呂に入りたいかなぁ……なんて」

アルミン「……はいはい、わかったよクリスタ。僕の負けだ」

アルミン「二人で協力して掃除をしようか」

クリスタ「うんっ!!」

62: 2013/06/02(日) 21:55:49.84 ID:o/qY7Fcc0
別の日

ミカサ「アニ、もうやめるべき。エレンが迷惑している」

アニ「私にはそうは見えないけどね。あんた少しこいつに対して過保護過ぎじゃない?」

ミカサ「……」ゴゴゴ

アニ「……」ゴゴゴ

アルミン「(ああ、また二人が喧嘩を……)」キリキリ

クリスタ「アールミンっ!」

アルミン「ん?どうしたのクリスタ?」

クリスタ「今二人の仲裁に入ろうとしたでしょ?」

アルミン「うん。さすがに本気の喧嘩はまずいからね」

クリスタ「うーん……。私には二人が仲良くじゃれあってるようにしか見えないんだけどなぁ」

アルミン「じゃれあってる?あのミカサとアニが?」

クリスタ「そうそう。だってさ……」

アルミン「いや、でもさすがにあれは……」

サシャ「(……お?)」

64: 2013/06/02(日) 22:01:26.00 ID:o/qY7Fcc0
また別の日

クリスタ「アルミン!」

アルミン「なにクリスタ?」

クリスタ「座学の教材を片付けるんでしょ?私も手伝うよ!」

アルミン「いいよいいよ。これぐらいなら僕一人でも……」

クリスタ「いいの!二人で運んだ方がアルミンも楽でしょ?」

アルミン「まぁ確かに……」

クリスタ「でしょ?」

アルミン「じゃあお願いしようかな。ありがとうクリスタ」

クリスタ「どういたしまして!」

コニー「(……ん?)」

65: 2013/06/02(日) 22:06:39.29 ID:o/qY7Fcc0
またまた別の日

エレン「ふぁぁ……眠い」

アルミン「そんなおっきなあくびをして……だらし無いよエレン」

エレン「悪い悪い。昨日はライナーたちと夜更かしし過ぎちゃってさ」

アルミン「全く……。休みだからってあんまり気を抜いちゃダメだよ?」

エレン「わかってるさ。そんなことより飯だ飯」

クリスタ「あっ、アルミン!エレン!おはよう!」

クリスタ「ここ空いてるよ!一緒に朝ごはん食べよ!」

アルミン「せっかくだしお邪魔しよっか、エレン」

エレン「おう、そうだな」

ミーナ「(なんだか最近……)」

66: 2013/06/02(日) 22:17:55.06 ID:o/qY7Fcc0
ミカサ「アルミン。相談がある」

アルミン「……あぁ、どうしたのかなミカサ?」

ミカサ「気になる異性を振り向かせる方法を教えて欲しい」

アルミン「うぅん、そんなこと言われてももなぁ」

ミカサ「アルミンなら知っているはず」

アルミン「えぇ!?なんでさ!!」

ミカサ「アルミンには既に実績がある」

アルミン「実績?」

ミカサ「女子寮でクリスタが誇らしげに言っていた。アルミンと付き合うことになっt」

クリスタ「だめぇぇぇぇぇ!!!」ドンッ

ミカサ「ぶふっ!?」

クリスタ「ミ、ミカサ!ちょっとだけあっちでお話しましょ!ね?ね?」

ミカサ「ク、クリスタ……。今のはみぞおちにモロに……」

クリスタ「話はあとで聞くから!ね!あっちに行きましょ!!」ズルズル

アルミン「……行ってしまった。なんだったんだろう一体」

67: 2013/06/02(日) 22:19:19.76 ID:o/qY7Fcc0
アルミン「……それにしても」

アルミン「エレンもいい加減ミカサの気持ちに気付くべきだよ」

アルミン「相手の行為に気付かない鈍感野郎なんて恋愛小説の中でしか許されないよ」

アルミン「全くもう」

68: 2013/06/02(日) 22:20:40.77 ID:o/qY7Fcc0
(おわり)

70: 2013/06/02(日) 22:22:29.85 ID:o/qY7Fcc0
続きまして



ジャン「今、俺が為すべきこと」

74: 2013/06/02(日) 22:30:43.27 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「……くそっ」

ジャン「マルコ……なんで氏んじまったんだよ」

ジャン「昼間はみんなにあんな啖呵を切っちまったけど」

ジャン「……やっぱり怖ぇ」

ジャン「氏ぬのが怖ぇよ」

ジャン「……なぁマルコ、お前は何を思って戦ったんだ?」

ジャン「何を思って氏んだんだ?」

ジャン「わからねぇ……わからねぇ!!」

ジャン「怖ぇよ……怖ぇよマルコ!!」

ザッザッ

ジャン「ッ!?だっ、誰だ!?」

「……消灯時間を過ぎているというのに外出とは」

キース「……いい度胸をしているな。キルシュタイン」

ジャン「きょっ、教官!?」

76: 2013/06/02(日) 22:42:02.81 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「もっ、申し訳ありませんっ!!」

キース「……まぁいい。事情はわからんでもない」

ジャン「……はっ」

キース「その変わりといってはなんだが、少し私の話相手になれ」

ジャン「は、はぁ」

キース「そう畏まるな。貴様はもう訓練兵ではないのだからな」グビッ

ジャン「(何を飲んでるんだ?)」

キース「ん?あぁこれか。ただのぶどう酒だ」

ジャン「……はぁ」

キース「私は弱い人間だからな。酒を飲まないと現実と向き合うことすらできん」

キース「……貴様も飲むか?」

ジャン「いえ!結構です!」

キース「……そうか」

ジャン「(泥酔という訳じゃないみたいだが、やっぱり少し酔ってるのか?)」

77: 2013/06/02(日) 22:47:51.78 ID:o/qY7Fcc0
キース「……ボットの遺体を発見したそうだな」

ジャン「……ッ!?」

キース「惜しい才覚を亡くした」

ジャン「……はい」

キース「戦闘技術こそ他の成績上位者に劣っていたものの、冷静沈着な思考と指揮官適性の高さには目を見張るものがあった」

キース「もしこの戦いを生き延びていれば、優秀な指揮官となっていただろう」グビッ

ジャン「……私も、そう……思います」

78: 2013/06/02(日) 22:55:32.18 ID:o/qY7Fcc0
キース「61名」

ジャン「?」

キース「先のトロスト区防衛戦で戦氏した104期訓練兵の数だ」

ジャン「……ッ!?」

キース「そのうち、帰りを待つ親族がいた者が48名」

キース「つい先程まで、その48名の親族に宛てて戦氏通知を書き連ねていたところだ」

ジャン「なっ!?」

ジャン「(そんなの……教官がする仕事じゃねぇだろ!!)」

81: 2013/06/02(日) 23:08:38.91 ID:o/qY7Fcc0
キース「なぁキルシュタイン」

キース「私は、私は兵士たちを送り出した親族のみなに合わせる顔がない」

ジャン「教官……」

ジャン「(あの教官が弱音を……。酔っているだけじゃない、相当参っているんだ)」

ジャン「(いや、精神的な摩耗を酒で誤魔化しているのか)」

キース「私は、覚悟もなく技術的にも未熟な兵士が戦地へ赴くことの危険性を誰よりも知っている。……知っているつもりだった」

キース「だからこそ私は、そのような悲劇を繰り返さぬようこの道を選んだのだ」

キース「だというのに……」

キース「……私のしてきたことは、全て無駄だったのだろうか」

83: 2013/06/02(日) 23:14:37.52 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「(俺は……)」

『どうしたキルシュタイン!もう限界か!』

『諦めても構わんぞ!その瞬間に貴様は巨人の餌だがな!』

『無能な兵士は戦場で味方をも頃す!!』

『貴様らのような無能なクズどもができる唯一の人類への貢献はここで氏ぬことだ!!』

ジャン「(……訓練兵を卒業して、実戦を生き延びた今だからこそわかる)」

ジャン「(教官の俺達への想いを……教官の俺達への愛を!!)」

ジャン「き、教官!!」

87: 2013/06/02(日) 23:31:49.83 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「畏れながら申し上げます!!」

ジャン「キース・シャーディス教官殿の練兵には一切の不合理が存在せず、優秀な兵士を育成するにあたりこれ以上なく適当なものでありました!!」

ジャン「104期を首席で卒業したミカサ・アッカーマン訓練兵は、駐屯兵団精鋭部隊のイアン隊長より『兵百の戦力に相当する』との評価を頂きました!」

ジャン「加えて、次席、三席、四席の成績で卒業したライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、アニ・レオンハートの三名もそれぞれが自身が持つ力を遺憾無く発揮し、初陣を無事生還することが出来ました!」

ジャン「そして最後に、我ら104期訓練兵が戦力の中核を為したガス補給所奪還作戦!」

ジャン「これら我ら104期訓練兵の輝かしき功績は、ひとえに教官殿の練兵があったからこそであります!!」

ジャン「だから……だから!!」

ジャン「あんたは何一つ間違っちゃいない!」

ジャン「あんたの言うことはいつだって正しかった」

ジャン「あんたがいたからこそ、俺は、俺たちは今を生きているんだ!!」

90: 2013/06/02(日) 23:43:57.24 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「はぁっ……はぁっ……」

キース「……何故、泣いているのだ」

ジャン「わかりません!」

キース「……」

キース「……ふっ」

キース「……私も年老いたということか」

キース「キルシュタイン訓練兵……いや、ジャン・キルシュタイン」

ジャン「はっ!」

キース「貴様の言葉、確かに私の心に届いたぞ」

キース「礼を言わせてもらおう」

ジャン「はっ!」

91: 2013/06/02(日) 23:49:04.01 ID:o/qY7Fcc0
キース「……戦氏者の火葬の場で貴様は調査兵団へ行くとみなに豪語したらしいな」

ジャン「はい」

キース「その気持ち、今でも変わってはいないか?」

ジャン「はい!」

キース「……そうか」

キース「……ジャン・キルシュタイン」

キース「初陣を経験し、実戦の恐怖をその身に刻みこまれても尚修羅の道を行かんとするその志は称賛に値する」

キース「訓練兵ではなく、一人の人間として私は貴様を尊敬する」

ジャン「ッ!?あ、ありがとうございます!」

キース「氏ぬなよ。キルシュタイン」

ジャン「はっ!!」

92: 2013/06/02(日) 23:52:06.57 ID:o/qY7Fcc0
ジャン「……これで、後戻りはできなくなった」

ジャン「……なぁマルコよ」

ジャン「もし氏後の世界があるのなら、そこで見ていてくれ」

ジャン「俺やライナー、エレンたちが巨人どもを駆逐していく様をよ」

ジャン「もう五、六十年もしたら俺もそっちに行くからよ」

ジャン「……それまで待っていてくれよ」

94: 2013/06/02(日) 23:54:02.53 ID:o/qY7Fcc0
(おわり)

96: 2013/06/02(日) 23:56:35.27 ID:o/qY7Fcc0
続きまして



明日仕事だから寝ます

97: 2013/06/02(日) 23:59:13.88 ID:oRdZWVyI0
うむ乙であった

一人が書き続ける短編は久し振りだったな

98: 2013/06/03(月) 00:00:31.87 ID:PPfwZmH80
乙乙乙

引用元: アニ「もしさ、もしもの話だよ」ライナー「おう」