55: 2008/05/18(日) 04:01:27.25 ID:uOLjBEDr0
古泉「ん?あれは…長門さん?」
古泉(地面に蹲って、何をしておられるんでしょうか。……声を掛けてみますか)
古泉「長門さん」
長門「……古泉一樹?」
古泉「奇遇ですね。こんなところでどうされたんですか?」
長門「………」
古泉(地面に蹲って、何をしておられるんでしょうか。……声を掛けてみますか)
古泉「長門さん」
長門「……古泉一樹?」
古泉「奇遇ですね。こんなところでどうされたんですか?」
長門「………」
61: 2008/05/18(日) 04:04:50.33 ID:uOLjBEDr0
長門「これ」
古泉「あ、……蝉ですね」
古泉(もう動いてはいないようだけど)
長門「氏んでいる」
古泉「……ええ」
長門「羽化の瞬間を観察していた。わたしが誕生したころ、まだ、この蝉は土の中」
古泉「生物はいつか氏ぬものです。蝉は一層、それが短い。人間的な主観に基づいての話ですが」
62: 2008/05/18(日) 04:07:58.34 ID:uOLjBEDr0
長門「……飛び立った姿は美しかった」
古泉「そうですね。薄緑色の、羽が透けて」
長門「あなたも見たことがある?」
古泉「昔はよく蝉取りに山奥を駆けずり回ったものですよ」
長門「……」
古泉「寂しい、ですか。長門さん」
長門「……わからない」
古泉「僕は。捕まえた蝉が動かなくなったとき、悲しいと…そう、思いましたよ」
古泉(きっとあなたも、そうなのでしょう)
古泉「そうですね。薄緑色の、羽が透けて」
長門「あなたも見たことがある?」
古泉「昔はよく蝉取りに山奥を駆けずり回ったものですよ」
長門「……」
古泉「寂しい、ですか。長門さん」
長門「……わからない」
古泉「僕は。捕まえた蝉が動かなくなったとき、悲しいと…そう、思いましたよ」
古泉(きっとあなたも、そうなのでしょう)
63: 2008/05/18(日) 04:12:41.53 ID:uOLjBEDr0
長門「……」
古泉「簡単に、埋葬しましょうか。この蝉を」
長門「命が循環するように」
古泉「はい。……生まれ変わった蝉が、また空へ飛べるように」
長門「それは、………非論理的。輪廻転生は実証されない宗教的概念。あなたが、…それを信じている?」
古泉「いえ、――現実の宗教という意味ならば、僕は何者も神に据えはしません」
古泉「ただ……」
古泉「救世主に出遭ったことなら、あります。僕のメシアに」
64: 2008/05/18(日) 04:17:40.06 ID:uOLjBEDr0
長門「……?」
古泉「はは、戯言が過ぎましたね。今のはほんのジョークです」
古泉「穴を掘りましょうか。彼の身体を収めるに足る小さな穴を」
長門「この蝉は、メス」
古泉「おや。これは失敬」
長門「―――ユニーク」
古泉「…あ」
古泉(少し、笑った?)
古泉(……綺麗な人だ、とは、前々から思っていたけれど)
古泉(参ったな……)
古泉「はは、戯言が過ぎましたね。今のはほんのジョークです」
古泉「穴を掘りましょうか。彼の身体を収めるに足る小さな穴を」
長門「この蝉は、メス」
古泉「おや。これは失敬」
長門「―――ユニーク」
古泉「…あ」
古泉(少し、笑った?)
古泉(……綺麗な人だ、とは、前々から思っていたけれど)
古泉(参ったな……)
68: 2008/05/18(日) 04:23:43.11 ID:uOLjBEDr0
長門「……埋め終わった」
古泉「はい」
長門「手伝い、感謝する」
古泉「いえいえ。僕もそうしたかったからやったんですよ」
長門「…いつか、またあの蝉が空を飛ぶ日を祈る」
古泉「長門さん……」
長門「あなたの言ったこと。言語化できない。でも、わかった」
古泉(あ、……)
古泉(今の彼女を抱きしめてみたい)
古泉(いや、何を考えてるんだ、僕は……)
72: 2008/05/18(日) 04:27:02.56 ID:uOLjBEDr0
古泉「それでは、そろそろ」
長門「……さようなら」
古泉「ええ、また明日、部室……で」
古泉「どうしてこんなに、懐かしい気がするんでしょうね」
古泉「まるで、あの日の初恋みたいだ」
古泉「初恋の幻……」
76: 2008/05/18(日) 04:30:38.61 ID:uOLjBEDr0
次の日
古泉「……と、来ておられるのは長門さんだけですか」
長門「おはよう」
古泉「おはようございます。皆さんがまだというのは珍しいですね」
長門「……」
古泉(長門さんは読書再開……僕は詰め将棋でもしますか)
長門「古泉一樹」
古泉「は、…あ、はい?」
長門「あなたに聞きたいことがある」
古泉「……と、来ておられるのは長門さんだけですか」
長門「おはよう」
古泉「おはようございます。皆さんがまだというのは珍しいですね」
長門「……」
古泉(長門さんは読書再開……僕は詰め将棋でもしますか)
長門「古泉一樹」
古泉「は、…あ、はい?」
長門「あなたに聞きたいことがある」
78: 2008/05/18(日) 04:34:35.05 ID:uOLjBEDr0
古泉「何でしょうか。僕に答えられることなら何なりと」
長門「……あなたが昨日言ったこと。『救世主』のこと」
古泉「あ、ああ。あれですか」
古泉「つまらない感傷の話ですよ。でも、急に何故…?」
長門「気になったから」
長門「…語りたくないのであれば、強制はしない。これは、わたしの希望」
古泉「……嫌だな。長門さんの御希望を、僕が軽々しく扱ったりできませんよ」
古泉「少々、恥ずかしい昔話ですが」
長門「かまわない」
長門「……あなたが昨日言ったこと。『救世主』のこと」
古泉「あ、ああ。あれですか」
古泉「つまらない感傷の話ですよ。でも、急に何故…?」
長門「気になったから」
長門「…語りたくないのであれば、強制はしない。これは、わたしの希望」
古泉「……嫌だな。長門さんの御希望を、僕が軽々しく扱ったりできませんよ」
古泉「少々、恥ずかしい昔話ですが」
長門「かまわない」
79: 2008/05/18(日) 04:35:44.29 ID:uOLjBEDr0
自分もそろそろ寝ないとやばいな、どうしよう
82: 2008/05/18(日) 04:41:01.71 ID:uOLjBEDr0
昼前まで保守して貰えたらいったん寝て続き書く
明日はフリーだから
古泉「……3年前のことです」
古泉「長門さんもご存知の通り、涼宮さんの身に何かがあった」
古泉「僕はその『とある日』の後に超能力に目覚めた」
古泉「今となっては恥ずかしい限りですが、その頃の僕は、色々とやさぐれていまして」
古泉「子供のような駄々をこねて、戦うのを嫌がっていたんです」
長門「あなたは当時思春期に差し掛かった子供。……それは、当然の反応」
古泉「はは、そう言って頂けると幾らか報われますね」
明日はフリーだから
古泉「……3年前のことです」
古泉「長門さんもご存知の通り、涼宮さんの身に何かがあった」
古泉「僕はその『とある日』の後に超能力に目覚めた」
古泉「今となっては恥ずかしい限りですが、その頃の僕は、色々とやさぐれていまして」
古泉「子供のような駄々をこねて、戦うのを嫌がっていたんです」
長門「あなたは当時思春期に差し掛かった子供。……それは、当然の反応」
古泉「はは、そう言って頂けると幾らか報われますね」
83: 2008/05/18(日) 04:43:42.10 ID:uOLjBEDr0
古泉「でも、そんな甘えは激闘の日々には命取りです」
古泉「僕は神人との戦いに不意を突かれ、弾き飛ばされた」
古泉「大怪我を負って……多分、臨氏体験というやつでしょう」
古泉「夢を見たんです」
古泉「僕は神人との戦いに不意を突かれ、弾き飛ばされた」
古泉「大怪我を負って……多分、臨氏体験というやつでしょう」
古泉「夢を見たんです」
109: 2008/05/18(日) 11:04:04.21 ID:uOLjBEDr0
長門「……夢」
古泉「あやふやなもので、余り明細は記憶していないのですが……」
古泉「僕はその夢の中で、破天荒な人と、優しい人たちに囲まれていて」
古泉「毎日楽しく笑っていたんです」
古泉「あの頃の僕は、ほとんど笑うことさえなくなっていたというのに」
長門「……」
古泉「氏に際に見る夢がこんなに素敵なら、それもいいかと思いました」
古泉「そのときです。僕は、夢の中で女性に会った」
古泉「あやふやなもので、余り明細は記憶していないのですが……」
古泉「僕はその夢の中で、破天荒な人と、優しい人たちに囲まれていて」
古泉「毎日楽しく笑っていたんです」
古泉「あの頃の僕は、ほとんど笑うことさえなくなっていたというのに」
長門「……」
古泉「氏に際に見る夢がこんなに素敵なら、それもいいかと思いました」
古泉「そのときです。僕は、夢の中で女性に会った」
112: 2008/05/18(日) 11:10:57.12 ID:uOLjBEDr0
古泉「その人の顔も形もはっきりしません。綺麗な人だったことだけ覚えています」
古泉「その女性は僕に、『待っているから』と、そう」
古泉「僕を抱き締めてくれた」
古泉「『いつか巡り飛ぶ蝉のように、あなたの力が再び宙を舞うことが、あなたの未来になる』」
古泉「……そう言われました」
長門「……それが、あなたの救世主」
古泉「思い返せば都合のいい夢話です。土壇場で自分を救ってくれる人が登場するなんてね」
古泉「それでも僕は救われた」
古泉「気がつけば僕は怪我もなく地上で眠っていたんです。同士が顔を真っ青にして探しに来てくれて」
古泉「僕は、生きる気力を、あの夢の人に貰ったんです」
古泉「その女性は僕に、『待っているから』と、そう」
古泉「僕を抱き締めてくれた」
古泉「『いつか巡り飛ぶ蝉のように、あなたの力が再び宙を舞うことが、あなたの未来になる』」
古泉「……そう言われました」
長門「……それが、あなたの救世主」
古泉「思い返せば都合のいい夢話です。土壇場で自分を救ってくれる人が登場するなんてね」
古泉「それでも僕は救われた」
古泉「気がつけば僕は怪我もなく地上で眠っていたんです。同士が顔を真っ青にして探しに来てくれて」
古泉「僕は、生きる気力を、あの夢の人に貰ったんです」
115: 2008/05/18(日) 11:16:21.85 ID:uOLjBEDr0
長門「……そう」
古泉「分析してみるなら、あれは人間の生存本能の足掻きみたいなものでしょう」
古泉「それでも……あの夢が幻であろうが、危急時に見た紛い物であろうが」
古泉「僕にとっては愛しい一瞬です。忘れ難いほどに」
長門「……よく、わかった」
古泉「漠然とした心象しかお話できずすみません」
古泉「答えにはなりましたか」
長門 コクッ
古泉「それはよかった」
117: 2008/05/18(日) 11:21:44.53 ID:uOLjBEDr0
古泉(それにしても気になる、とは)
古泉(長門さんが興味を僕に向けてくれるなんて、初めてですね…)
長門「……」
古泉(何処となく、気難しい顔をしているような)
古泉(そんな顔をされてしまったら、こっちの方が気になりますよ)
古泉「……どう、したんですか。僕の話に何か疑問点でも」
長門「そう、ではない」
古泉「では、――!?」
長門「!」
長門「古泉一樹!」
古泉「な、……これは?」
長門「情報フィールド展開。一時的に情報を凍結保護」
古泉(……手が、透けている…?)
古泉(長門さんが興味を僕に向けてくれるなんて、初めてですね…)
長門「……」
古泉(何処となく、気難しい顔をしているような)
古泉(そんな顔をされてしまったら、こっちの方が気になりますよ)
古泉「……どう、したんですか。僕の話に何か疑問点でも」
長門「そう、ではない」
古泉「では、――!?」
長門「!」
長門「古泉一樹!」
古泉「な、……これは?」
長門「情報フィールド展開。一時的に情報を凍結保護」
古泉(……手が、透けている…?)
118: 2008/05/18(日) 11:25:55.22 ID:uOLjBEDr0
長門「……うかつ」
長門「広域宇宙生命体からの干渉」
長門「あなたの『過去』に介入して、次元を圧迫している」
古泉(手の色が消えそうだ…これは、つまり)
古泉「攻撃行動があったんですか。過去の、僕に?」
長門「厳密には上書きされかかった状況を、現状の『今』とせめぎあっている状態」
長門「早急に改変を食い止める必要がある。そうでなければ――」
古泉「僕の存在がこの世から抹消される採算が高い」
古泉「……そういうことですか」
長門「……」
長門「広域宇宙生命体からの干渉」
長門「あなたの『過去』に介入して、次元を圧迫している」
古泉(手の色が消えそうだ…これは、つまり)
古泉「攻撃行動があったんですか。過去の、僕に?」
長門「厳密には上書きされかかった状況を、現状の『今』とせめぎあっている状態」
長門「早急に改変を食い止める必要がある。そうでなければ――」
古泉「僕の存在がこの世から抹消される採算が高い」
古泉「……そういうことですか」
長門「……」
119: 2008/05/18(日) 11:32:05.36 ID:uOLjBEDr0
古泉(「機関」は……事態を把握しても多分、出来ることは少ない)
古泉(相手が過去に介入してくる別の情報生命体では)
長門「今は分離しかかった情報を繋ぎ止めている。あまり、時間はない」
古泉「了解しました。この場は、あなたに従うのが最善のようだ」
古泉「僕はどうすればいいのでしょうか」
長門(古泉一樹。……冷静。この状況においてもこの対応はさすが)
長門(……でも、違う?)
長門(心拍数の上昇。認識し難いレベルでの震え。……怖がっている)
長門(救いたい)
古泉(相手が過去に介入してくる別の情報生命体では)
長門「今は分離しかかった情報を繋ぎ止めている。あまり、時間はない」
古泉「了解しました。この場は、あなたに従うのが最善のようだ」
古泉「僕はどうすればいいのでしょうか」
長門(古泉一樹。……冷静。この状況においてもこの対応はさすが)
長門(……でも、違う?)
長門(心拍数の上昇。認識し難いレベルでの震え。……怖がっている)
長門(救いたい)
120: 2008/05/18(日) 11:35:58.10 ID:uOLjBEDr0
コンコン
みくる「あ、あのぅ、こんにちは。遅れちゃってごめんなさい」
古泉・長門「!」
みくる「……?あれ、お二人だけですかぁ」
みくる「涼宮さんとキョンくんがまだなんて、珍しいですね」
みくる「今日は新しいお茶の葉を買ったので、みんなに……あ、あれ?」
みくる(気のせいかなあ。空気が重いような…)
みくる「あ、あのぅ、こんにちは。遅れちゃってごめんなさい」
古泉・長門「!」
みくる「……?あれ、お二人だけですかぁ」
みくる「涼宮さんとキョンくんがまだなんて、珍しいですね」
みくる「今日は新しいお茶の葉を買ったので、みんなに……あ、あれ?」
みくる(気のせいかなあ。空気が重いような…)
121: 2008/05/18(日) 11:42:02.49 ID:uOLjBEDr0
長門「朝比奈みくる」
みくる「は、はい…」
長門「あなたの力を借りたい」
みくる「わ、私の力って……?」
長門「わたしは今、かなり能力を制限されている。過去に遡行する手段が欲しい」
古泉「朝比奈さん、唐突に申し訳ありません。この腕、見えますか」
みくる(……!)
みくる(す、透けてる)
みくる「こ、こここ古泉くん…!ど、どうしちゃったんですか!」
長門「説明している時間がない。このまま行くと古泉一樹は間違いなく消滅する」
長門「……そうならないために、早く」
みくる「!」
みくる「分かりました、申請してみます…!」
みくる「は、はい…」
長門「あなたの力を借りたい」
みくる「わ、私の力って……?」
長門「わたしは今、かなり能力を制限されている。過去に遡行する手段が欲しい」
古泉「朝比奈さん、唐突に申し訳ありません。この腕、見えますか」
みくる(……!)
みくる(す、透けてる)
みくる「こ、こここ古泉くん…!ど、どうしちゃったんですか!」
長門「説明している時間がない。このまま行くと古泉一樹は間違いなく消滅する」
長門「……そうならないために、早く」
みくる「!」
みくる「分かりました、申請してみます…!」
122: 2008/05/18(日) 11:45:35.87 ID:uOLjBEDr0
みくる(許可、許可……お願い……!)
みくる(!)
みくる「と、通りました!長門さん、古泉くん、私に掴まってください!」
古泉「やれやれ、こんな緊迫時が初タイムトラベルとは」
古泉「……ついていませんね」
長門「……」
グイッ
古泉「な、長門さん。そんなに腕を引っ張らずとも」
長門「怖いときくらい、そう言えばいい」
古泉「!」
古泉「……あなたには、敵いませんね」
古泉「ありがとうございます」
みくる(!)
みくる「と、通りました!長門さん、古泉くん、私に掴まってください!」
古泉「やれやれ、こんな緊迫時が初タイムトラベルとは」
古泉「……ついていませんね」
長門「……」
グイッ
古泉「な、長門さん。そんなに腕を引っ張らずとも」
長門「怖いときくらい、そう言えばいい」
古泉「!」
古泉「……あなたには、敵いませんね」
古泉「ありがとうございます」
125: 2008/05/18(日) 11:51:57.80 ID:uOLjBEDr0
みくる「準備、大丈夫ですか」
長門「問題ない」
古泉「いつでもいけます」
みくる「それじゃあ、いきますっ」
みくる「指定のあった三年前に……」
……
ガチャ
キョン「なんだ、誰もいないのか」
ハルヒ「ほんとだ。有希もいないなんて驚きね」
キョン「でも、鞄はあるぞ、三人分」
キョン「揃ってトイレにでも行ってるのか」
キョン(この三人が居ないってのは、妙に不気味な予感しかしないな)
ハルヒ「まっ、いいわ。鞄があるんだからその内戻ってくるでしょ」
ハルヒ「それよりあんた、テストで赤点とって、夏休みが特殊補修になったら張り飛ばすわよ!」
ハルヒ「今年度もSOS団は幅広く活動予定なんだから!」
キョン「へいへい。努力しますよ」
長門「問題ない」
古泉「いつでもいけます」
みくる「それじゃあ、いきますっ」
みくる「指定のあった三年前に……」
……
ガチャ
キョン「なんだ、誰もいないのか」
ハルヒ「ほんとだ。有希もいないなんて驚きね」
キョン「でも、鞄はあるぞ、三人分」
キョン「揃ってトイレにでも行ってるのか」
キョン(この三人が居ないってのは、妙に不気味な予感しかしないな)
ハルヒ「まっ、いいわ。鞄があるんだからその内戻ってくるでしょ」
ハルヒ「それよりあんた、テストで赤点とって、夏休みが特殊補修になったら張り飛ばすわよ!」
ハルヒ「今年度もSOS団は幅広く活動予定なんだから!」
キョン「へいへい。努力しますよ」
128: 2008/05/18(日) 11:59:41.34 ID:uOLjBEDr0
3年前
みくる「着きました…」
長門「……」
古泉「う……」
古泉「これは、なかなかにシビアな…」
みくる「慣れないうちは、どうしても気持ち悪くなっちゃいます」
みくる「少し横になる時間があればいいんだけど……」
古泉「ああ、すみません。大丈夫です、何とかこのくらいなら」
古泉「いつかに団員で乗った絶叫コースターを思い返せば」
古泉「耐えられないことも」
古泉「……も……」
長門「手を貸す」
古泉「……すみません……少々、お手洗いに行ってきます」
みくる(……あ)
みくる(古泉くん、今までこんな風に長門さんに笑ってたかな)
みくる(……もしかして、そう、なのかなあ)
みくる「着きました…」
長門「……」
古泉「う……」
古泉「これは、なかなかにシビアな…」
みくる「慣れないうちは、どうしても気持ち悪くなっちゃいます」
みくる「少し横になる時間があればいいんだけど……」
古泉「ああ、すみません。大丈夫です、何とかこのくらいなら」
古泉「いつかに団員で乗った絶叫コースターを思い返せば」
古泉「耐えられないことも」
古泉「……も……」
長門「手を貸す」
古泉「……すみません……少々、お手洗いに行ってきます」
みくる(……あ)
みくる(古泉くん、今までこんな風に長門さんに笑ってたかな)
みくる(……もしかして、そう、なのかなあ)
130: 2008/05/18(日) 12:00:42.03 ID:uOLjBEDr0
>>126
すまん、考えてみたら四年前だ…
今までの全部四年前で脳内変換してください
すまん、考えてみたら四年前だ…
今までの全部四年前で脳内変換してください
132: 2008/05/18(日) 12:07:24.76 ID:uOLjBEDr0
みくる「あ、私、ここで待ってますね」
みくる(その方が、何だか二人にとってもよさそうだし)
みくる(……こんな状況じゃなかったら、素敵だなって笑顔でいられるのに)
古泉「すみません、すぐ戻りますので…」
長門「何かあったら、呼んで」
みくる「わかりました」
みくる(気をつけて……)
古泉「そういえば、大丈夫でしょうか。北高の制服を着ているとはいえ」
古泉「僕らは今この時代には部外者ですよね」
長門「大丈夫。我々の姿は見えないよう細工は完了済み」
古泉「そうでしたか」
古泉(……もう片方の手も、透け始めてる)
古泉(帰れるだろうか。あの部室に)
古泉(涼宮さんと彼が待っている)
みくる(その方が、何だか二人にとってもよさそうだし)
みくる(……こんな状況じゃなかったら、素敵だなって笑顔でいられるのに)
古泉「すみません、すぐ戻りますので…」
長門「何かあったら、呼んで」
みくる「わかりました」
みくる(気をつけて……)
古泉「そういえば、大丈夫でしょうか。北高の制服を着ているとはいえ」
古泉「僕らは今この時代には部外者ですよね」
長門「大丈夫。我々の姿は見えないよう細工は完了済み」
古泉「そうでしたか」
古泉(……もう片方の手も、透け始めてる)
古泉(帰れるだろうか。あの部室に)
古泉(涼宮さんと彼が待っている)
133: 2008/05/18(日) 12:12:48.99 ID:uOLjBEDr0
長門「……弱気にならないで」
古泉「!」
長門「わたしがついている。あなたを、解体などさせない」
古泉「頼もしいですね。長門さんが居てくれるおかげで、なんとか平静を保っていられます」
長門「わたしがもっと注意していれば、そもそもこんな面倒な事態にはならなかった」
古泉「致し方ないことですよ。過去まで手を伸ばされたのではね」
古泉「誰にも、どうにも出来なかったでしょう」
長門「……あなたを、守る」
古泉「長門さん…」
長門「だから……きっとこの手は離さない」
古泉「!」
長門「わたしがついている。あなたを、解体などさせない」
古泉「頼もしいですね。長門さんが居てくれるおかげで、なんとか平静を保っていられます」
長門「わたしがもっと注意していれば、そもそもこんな面倒な事態にはならなかった」
古泉「致し方ないことですよ。過去まで手を伸ばされたのではね」
古泉「誰にも、どうにも出来なかったでしょう」
長門「……あなたを、守る」
古泉「長門さん…」
長門「だから……きっとこの手は離さない」
136: 2008/05/18(日) 12:20:29.14 ID:uOLjBEDr0
古泉「この手が完全に透明化して、存在しなくなったら」
長門「あなたのもう片方の手を握る」
古泉「もう片方の手も消えてしまったら」
長門「あなたの全身を抱き締める」
古泉「……全て、間に合わず、消失してしまったら」
長門「そうなる前に、間に合わせる」
長門「例えそうなっても、わたしはあなたを認識し続けられる」
古泉(……)
古泉(だめだ、僕は)
古泉(……仲間に向けての激励のはずなのに、こんなにも)
古泉(この手が無事なら、長門さんを力づくで抱き寄せていたかもしれない)
長門「あなたのもう片方の手を握る」
古泉「もう片方の手も消えてしまったら」
長門「あなたの全身を抱き締める」
古泉「……全て、間に合わず、消失してしまったら」
長門「そうなる前に、間に合わせる」
長門「例えそうなっても、わたしはあなたを認識し続けられる」
古泉(……)
古泉(だめだ、僕は)
古泉(……仲間に向けての激励のはずなのに、こんなにも)
古泉(この手が無事なら、長門さんを力づくで抱き寄せていたかもしれない)
152: 2008/05/18(日) 13:14:50.80 ID:uOLjBEDr0
古泉「感謝します、――心から」
長門「あなたは生きて帰る。朝比奈みくるのお茶を飲み、涼宮ハルヒにイベントを提供し」
長門「彼とボードゲームをして、……わたしと本について語る」
古泉(……!)
古泉「はい、…はい、勿論です。生きて帰って、彼らとまた笑って、あなたと…」
古泉「……」
古泉「それと、もう一つ」
古泉「無事に元の時空へ帰れたら、その際にはお話したいことがあるんです」
古泉「とても……大切な」
長門「……わかった」
長門「その時のために、今はすべきことをする」
長門「あなたは生きて帰る。朝比奈みくるのお茶を飲み、涼宮ハルヒにイベントを提供し」
長門「彼とボードゲームをして、……わたしと本について語る」
古泉(……!)
古泉「はい、…はい、勿論です。生きて帰って、彼らとまた笑って、あなたと…」
古泉「……」
古泉「それと、もう一つ」
古泉「無事に元の時空へ帰れたら、その際にはお話したいことがあるんです」
古泉「とても……大切な」
長門「……わかった」
長門「その時のために、今はすべきことをする」
153: 2008/05/18(日) 13:19:37.51 ID:uOLjBEDr0
……
古泉「お手洗いお待たせしました」
長門「気分は」
古泉「戻りました。お手を煩わせて申し訳ありません」
長門「構わない」
古泉「朝比奈さんを随分待たせてしまっています……戻りましょう」
古泉「……いや、待て、この感覚は」
長門「……」
長門「閉鎖空間」
古泉「お手洗いお待たせしました」
長門「気分は」
古泉「戻りました。お手を煩わせて申し訳ありません」
長門「構わない」
古泉「朝比奈さんを随分待たせてしまっています……戻りましょう」
古泉「……いや、待て、この感覚は」
長門「……」
長門「閉鎖空間」
155: 2008/05/18(日) 13:24:40.62 ID:uOLjBEDr0
古泉「それもかなり規模が大きいですね」
古泉「このクラスの閉鎖空間に遭遇するなんて、そう何度もあるものでは」
ハッ
古泉「……まさか、今日は……」
長門「心当たりが?」
古泉「……ええ。でも、まさか、そんなことが……」
古泉「涼宮さんが偶然見つけて、道端で飼っていた捨て犬が氏んだ日です」
古泉「僕が過去に経験した最悪の閉鎖空間」
古泉「でも、それは……」
古泉「このクラスの閉鎖空間に遭遇するなんて、そう何度もあるものでは」
ハッ
古泉「……まさか、今日は……」
長門「心当たりが?」
古泉「……ええ。でも、まさか、そんなことが……」
古泉「涼宮さんが偶然見つけて、道端で飼っていた捨て犬が氏んだ日です」
古泉「僕が過去に経験した最悪の閉鎖空間」
古泉「でも、それは……」
157: 2008/05/18(日) 13:29:32.41 ID:uOLjBEDr0
長門「敵対勢力の介入ポイントを確認。……閉鎖空間周辺」
長門「…現地に向かわなければ対象が危険」
古泉「分かりました。向かいましょう!」
古泉「僕が何をすべきか、何となく分かった気がします」
長門「……」
長門「朝比奈みくるに信号を送った」
長門「彼女の持つTPDDなら解析可能。即座に現地へ向かう」
長門「…現地に向かわなければ対象が危険」
古泉「分かりました。向かいましょう!」
古泉「僕が何をすべきか、何となく分かった気がします」
長門「……」
長門「朝比奈みくるに信号を送った」
長門「彼女の持つTPDDなら解析可能。即座に現地へ向かう」
160: 2008/05/18(日) 13:37:23.67 ID:uOLjBEDr0
長門「わたしの手を、離さないで」
古泉「はい」
長門「ランニングモード切替。あなたの脚を一時的に強化した。……目的地まで走る」
古泉「長門さんに負けず劣らずの俊足とは、いい体験ですね」
長門「講釈は後」
古泉「ふふ、……すみません」
長門(……こんなときでも笑う)
長門(彼の笑顔は既に、彼自身と同化している?)
長門(それとも本当に彼は楽しんでいる?)
長門(分からない。でも)
長門(……握り締めた手は、暖かい)
長門(これは、わたしの主観)
長門(分からない)
163: 2008/05/18(日) 13:44:34.64 ID:uOLjBEDr0
タッタッタッタッタッタッタッタッ
古泉「はあ、はあ」
長門「……ここが閉鎖空間の境目」
古泉「何とか着きましたね。やはり、空間はどんどん拡大しています」
長門「敵対勢力は対象に取り付き人体破壊を継続中。食い止める」
古泉「はい。閉鎖空間内部に侵入します」
古泉「長門さん、少し眼を閉じて下さい」
長門「……」
古泉(……ここで口付けられる度胸があればいいのですが)
古泉「そういうわけにも、いきませんね」
古泉「侵入を開始します」
166: 2008/05/18(日) 13:50:58.66 ID:uOLjBEDr0
長門「……」
古泉「閉鎖空間に入りました。もう眼を開けて下さって結構ですよ」
長門「……ここが、そう」
古泉「ええ。僕らの四年前からの戦場です」
古泉「しかし、神人の数が……不味いな」
古泉(確かこの頃は、超能力者も全員揃っていなかった)
古泉(一人一人が、神人に対峙するのに手一杯で、同士の手助けにまで気が回らなくて…)
古泉(そんな中で僕は、もう何もかもどうでもいいと思ってた)
長門「……対象を発見」
長門「南西方向。神人三体と応戦中」
古泉(……僕、だ……)
170: 2008/05/18(日) 13:56:39.41 ID:uOLjBEDr0
古泉「飛行が不安定になっているのは…」
長門「敵対勢力の放った生命体が憑いて見えない内から破壊しているため」
長門「本来の力を十二分に発揮できていない」
長門「わたしは生命体をふるい落とす処置に入る」
長門「あなたは、神人狩の補助を」
古泉「……!」
古泉「四年前の僕を、今の僕が……助ける」
古泉「……」
172: 2008/05/18(日) 14:00:01.46 ID:uOLjBEDr0
古泉「分かりました」
長門「気をつけて。あなたの能力が抜きん出ているにしても、相手は三体」
古泉「大丈夫です。これでも僕は――神人退治のエキスパートですからね」
古泉「『四年前の僕』を、よろしくお願いします。長門さん」
長門「……言われなくても」
長門「気をつけて。あなたの能力が抜きん出ているにしても、相手は三体」
古泉「大丈夫です。これでも僕は――神人退治のエキスパートですからね」
古泉「『四年前の僕』を、よろしくお願いします。長門さん」
長門「……言われなくても」
184: 2008/05/18(日) 14:42:35.39 ID:uOLjBEDr0
・・・・・
一樹「はっ、はっ、はっ…」
一樹(だめだ、もう、これ以上は…相手を交わすだけで精一杯だ)
一樹(それに、なんだかもう、力が出ない)
一樹(……ここで氏んだら、もうこいつらを狩らなくて済むかな)
一樹(ゆっくり、いきなり真夜中に起こされたりせずに、眠れるかな)
一樹(腕がこっちに来る)
一樹(……避けられない、けどもう)
一樹(いいや)
一樹「はっ、はっ、はっ…」
一樹(だめだ、もう、これ以上は…相手を交わすだけで精一杯だ)
一樹(それに、なんだかもう、力が出ない)
一樹(……ここで氏んだら、もうこいつらを狩らなくて済むかな)
一樹(ゆっくり、いきなり真夜中に起こされたりせずに、眠れるかな)
一樹(腕がこっちに来る)
一樹(……避けられない、けどもう)
一樹(いいや)
187: 2008/05/18(日) 14:50:13.61 ID:uOLjBEDr0
長門「敵対勢力が憑依させた擬似生命体を捕捉」
長門「これで、掃討を」
長門「……!」
長門「いけない。このままでは古泉一樹が墜落する」
長門(間に合って)
一樹「う、うう……あ」
長門「全身の70パーセント損傷。生命体に食い荒らされた部位の修復開始」
一樹「い、いたい、痛い…」
長門「我慢して」
一樹「怖い、もういやだ、たたかいたくない」
長門「……」
一樹「楽になりたい」
長門「……やめて。あなたからそんな言葉を聞きたくはない」
一樹「いたいよ、…」
長門「情報統合思念体。――今一瞬で構わない。許可を」
長門「彼を救うための、許可を」
長門「これで、掃討を」
長門「……!」
長門「いけない。このままでは古泉一樹が墜落する」
長門(間に合って)
一樹「う、うう……あ」
長門「全身の70パーセント損傷。生命体に食い荒らされた部位の修復開始」
一樹「い、いたい、痛い…」
長門「我慢して」
一樹「怖い、もういやだ、たたかいたくない」
長門「……」
一樹「楽になりたい」
長門「……やめて。あなたからそんな言葉を聞きたくはない」
一樹「いたいよ、…」
長門「情報統合思念体。――今一瞬で構わない。許可を」
長門「彼を救うための、許可を」
193: 2008/05/18(日) 14:56:49.69 ID:uOLjBEDr0
一樹(いたい、こわい、いやだ、……たすけて)
一樹(……あ)
一樹(あれ……)
一樹(なんだろう、あったかい)
一樹(……何処だろう。教室…いや、それにしては狭いし)
一樹(見たことない校舎。特別、教室?)
一樹(違う。『文芸部室』だ。でも、僕の中学にそんなものはなかった)
キョン「今日は紅茶なんですね、朝比奈さん」
みくる「うふ。ケーキを古泉くんが買ってきてくれたから、それなら風味に合うのがいいかなって」
ハルヒ「うーん、みくるちゃんのお茶は緑茶でも紅茶でも美味しいわ!さすがSOS団のお茶汲みメイドね!」
長門「……モグモグゴクゴク」
古泉「ええ、全くです。朝比奈さんの淹れて下さったお茶を飲むと、喫茶店のお茶が色つき湯のようですよ」
195: 2008/05/18(日) 15:01:35.49 ID:uOLjBEDr0
一樹(なんだろう……)
一樹(懐かしいような、幸せなような)
一樹(……)
古泉「長門さん、僕のケーキも召し上がりますか?」
長門「……いいの」
古泉「はい。僕は以前にも、この店のケーキは食べたことがありますから」
長門「………もらう」
古泉「はい、どうぞ」
一樹(笑ってる。楽しそうだ)
一樹(何でかな。僕も、楽しいな)
一樹(こんな風景なら、いつまでも、見ていたいのに)
199: 2008/05/18(日) 15:10:37.12 ID:uOLjBEDr0
一樹(いいな、あんな綺麗な人とお喋りができるなんて)
一樹(……あんな、楽しそうな人達と)
一樹(あ、れ)
一樹(あの女の人、こっちを見てる。僕が見えてる?)
一樹(口が動いた。なんて言ってるんだろう)
一樹(……あ)
一樹(消えてしまった。幻、だったのかな)
長門「……幻ではない」
一樹「!」
長門「これはあなたの深層意識」
一樹「……え、あ、あなたは…!」
長門「時間がない。わたしがあなたに伝えられる言葉は少しだけ」
ギュッ
長門「『待っているから』」
長門「『いつか巡り飛ぶ蝉のように』」
長門「『あなたの力が再び宙を舞うことが、あなたの未来になる』」
一樹「……!」
長門「覚えていて。あなたを愛する人々のこと」
長門「わたしのこと」
203: 2008/05/18(日) 15:19:00.71 ID:uOLjBEDr0
一樹「あ……」
ガバッ
一樹「夢?」
一樹「閉鎖空間内だ。間違いない。それに、……」
一樹「さっきまで戦ってた神人もいない」
一樹「……あの人が、夢……?」
一樹「そんなわけない、だって」
一樹「抱き締めてくれたのに!僕のこと、励ましてくれたのに」
一樹「どこに、どこにいるんですか…!」
一樹「会いたい、もう一回、少しだけでいいから話を…!」
一樹「もう一回だけでいいから」
一樹「だれか……」
一樹「……う、ああ、あああ」
一樹「わあああああん」
古泉(一瞬の幻が、あまりにあったかくて)
古泉(あれが夢だったなんて信じたくなかった)
古泉(……たぶん、あのとき)
古泉(僕は初めて恋をしたのだろう)
205: 2008/05/18(日) 15:25:51.74 ID:uOLjBEDr0
長門「……何故、泣くの」
古泉「……すみません」
古泉「知らなかったんですよ。僕は、あの夢を自分の幻覚と思い込んだ」
古泉「幻覚だと分かっていても、消えない心を持て余した」
古泉「……夢じゃなかった……そのことが、たまらなく嬉しいのです」
長門「それは、……嬉しい、涙?」
古泉「はい」
長門「……そう」
古泉「そんな今の長門さんの、涙は」
古泉「何の涙ですか」
長門「分からない。でも、恐らく」
長門「……あなたと、同じ」
208: 2008/05/18(日) 15:29:14.95 ID:uOLjBEDr0
洗濯物とりこんでくるので小休止
216: 2008/05/18(日) 15:49:15.33 ID:uOLjBEDr0
古泉「では、……お揃いですね」
長門「そう」
古泉「あまり、格好良くはありませんが」
長門「それでもいい」
古泉「ふふ、そうですね。偶には、……いいかもしれませんね」
長門「……手、直った」
古泉「はい。先ほど、長門さんが処理を完了された頃に」
古泉「その、……」
長門「?」
古泉「手が戻ったら一番最初にしようと思っていたことがあるんです」
古泉「……少しだけ、あなたを抱き締めることを、許してもらえるでしょうか」
長門「……」
古泉「……」
長門「……いい」
古泉「……!!」
ギュッ
古泉(僕の救い主、僕の初恋、僕の夢)
古泉(全部違う。違うんだ。彼女は……)
古泉「……長門さん」
223: 2008/05/18(日) 15:58:13.32 ID:uOLjBEDr0
古泉(夢の続きでも幻想の押し付けでもない)
古泉(対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース)
古泉(それ以前の彼女、僕を呼んでくれた少女)
古泉「……ありがとう」
長門「……」
古泉「あなたに会えたことで、僕は、本当に多くを救われた」
古泉「元の時空に戻ったら話すお約束。……今、告げても構いませんか」
長門「かまわない」
長門「わたしも……聞きたい」
古泉(地中深く眠っていた蝉のように)
古泉(今、飛び立つ瞬間に、あなたに声が届けばいいと思った)
古泉「あなたに四年前からずっと、恋をしていました」
終わり
古泉(対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース)
古泉(それ以前の彼女、僕を呼んでくれた少女)
古泉「……ありがとう」
長門「……」
古泉「あなたに会えたことで、僕は、本当に多くを救われた」
古泉「元の時空に戻ったら話すお約束。……今、告げても構いませんか」
長門「かまわない」
長門「わたしも……聞きたい」
古泉(地中深く眠っていた蝉のように)
古泉(今、飛び立つ瞬間に、あなたに声が届けばいいと思った)
古泉「あなたに四年前からずっと、恋をしていました」
終わり
227: 2008/05/18(日) 16:01:21.60 ID:uOLjBEDr0
色々gdgdですまんかった
保守してくれた人全員に感謝雨嵐
設定とかは突っ込みどころ多いと思うけど、スルーしてやってください
では、>>1を待つか……
保守してくれた人全員に感謝雨嵐
設定とかは突っ込みどころ多いと思うけど、スルーしてやってください
では、>>1を待つか……
246: 2008/05/18(日) 16:33:48.66 ID:uOLjBEDr0
引用元: 古泉「ん?あれは・・・長門さん?」
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