1: 2008/05/23(金) 10:38:40.34 ID:2h2oGrXf0

谷口「うおっ」
どささーっ
友1「おい何やってんだよおめーっw」
友2「何もないとこで転んでるwワロタwww」
国木田「もう谷口ったらー早しないと移動教室遅れちゃうよ」
谷口(誰一人大丈夫の言葉も掛けてくれないなんて…おまえら…)
TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」新キャラクターソング Vol.07
3: 2008/05/23(金) 10:40:58.66 ID:2h2oGrXf0

古泉「大丈夫ですか?」
谷口「へ…」
古泉「これ、貴方の教科書ですよね」
谷口「お、おう…サンキュ!良い奴だなお前!」(転んだ時落しちまったんだなー)
古泉「いえいえ、それではどうかお気を付けて」


4: 2008/05/23(金) 10:44:58.20 ID:2h2oGrXf0

友人1「今の奴確か9組の…」
友人2「テライケメンwwwイケメン氏ね」
谷口「あいつ涼宮ハルヒの仲間達の一人じゃなかったか?確か良くキョンといる…」
国木田「ああ、そういえば何か前にも見たことあるような…」

5: 2008/05/23(金) 10:48:35.94 ID:2h2oGrXf0

友人2「つーかさwww何であいつ等いつもキョンといんの?
みんな顔良い奴ばっかじゃんwwwキョン一人浮いてね?」
友人1「地味に失礼だなお前…」
谷口「そういう事言うのは良くねーぞ」
友人2「うはwwwゴメスwwww」
国木田「同じ部活の仲間みたいなものなんでしょ?僕も良く知らないけどさ」
谷口「みたいだな。それにしても俺あいつと今初めて喋ったな。どんな奴なんだろ」

7: 2008/05/23(金) 10:54:37.98 ID:2h2oGrXf0

友人1「俺の友達9組にいるんだけどさ、あいつ教室じゃいつも一人らしいぜ」
友人2「ぼっちwwwざまあwww」
谷口「2ー」
友人2「すみません…」
友人1「いやぼっちっつーよりも自分から壁作ってるみたいな?やけに他人行儀みたいな感じらしくてさ。
その癖女子には告られまくりモテまくりらしいが」
友人2「女なんて所詮は男を顔で選ぶよな」
国木田「僕らだってそうじゃない?」
友人2「はい……」

8: 2008/05/23(金) 10:56:49.14 ID:2h2oGrXf0

谷口「ほー…。つーかあいつ名前なんつったけ?」
友人1「あっー…と…、! 古泉、そうだ古泉だ」
谷口「はー…古泉ねえ…。そういや古泉って顔してたわ」
国木田「どんな顔?」

9: 2008/05/23(金) 10:58:46.54 ID:2h2oGrXf0
昼飯時

谷口「キョン!飯食おうぜ」
キョン「ん?ああ」
国木田「どうしたの、何かあんまり元気ないね」
キョン「まあちょっと色々あってな…」
谷口「また涼宮に振り回されてんのかお前は」

10: 2008/05/23(金) 11:02:51.14 ID:2h2oGrXf0

谷口「涼宮といえばだがお前古泉と仲良いよな?」
キョン「仲良くねえし。何でお前の口から古泉の話題が…」
国木田「今日廊下で転んだところに優しい言葉を掛けて貰ったんだよね」
谷口「大体お前達が優しくなさなすぎなんだよ!もっと労わって!」
キョン「ほー…」

11: 2008/05/23(金) 11:06:54.84 ID:2h2oGrXf0
放課後 部室

キョン「なんだまだお前一人だけか」
古泉「ええ、時期に皆さんも揃う事でしょうが」
キョン「そういや古泉」
古泉「はいなんでしょう?」
キョン「今日お前廊下で谷口を助けたらしいな」
古泉「いえ助けたという程の事は…」
キョン「ハルヒ以外の人間にまで媚び売って日々疲れないのか?」
古泉「…。いえ、媚など売ったつもりは…」

24: 2008/05/23(金) 16:11:14.14 ID:2h2oGrXf0


谷口「WAWAWA忘れ物~♪おっと、あったあった」
谷口「んじゃー帰るかな」
すたすたすたすた
谷口「ん?ありゃ…」
古泉「…」
谷口「よっ!」背中に手をばしん
古泉「!」

25: 2008/05/23(金) 16:15:52.96 ID:2h2oGrXf0

古泉「あ…貴方は…」
谷口「よう!昼間はサンキュー。お前今帰りかよ。遅いな!」
古泉「貴方の方こそ。何か部活でも?」
谷口「いんにゃ。ただ忘れ物に気付いて引き返してきたんだよ」
古泉「それほど大切な物だったのですか?」
谷口「明日提出のプリントでよー。俺ただでさえ赤点スレスレなのにこれ以上先公に眼を付けられたらやばいんだわ」



26: 2008/05/23(金) 16:21:43.29 ID:2h2oGrXf0

古泉「それは大変ですね」
谷口「大変どころじゃねーんだぜーそれにしたってお前は勉強できそうな顔してるよな」
古泉「いえいえそんな事は…」
谷口「そーかぁ?この前のテスト学年何位位だったよ」
古泉「ええ…っと…。…確か20番代位ですが…」
谷口「うおすげっ。やっぱ頭いいじゃねーか」

27: 2008/05/23(金) 16:24:30.00 ID:2h2oGrXf0

谷口「そういや9組って理数系の特別進学クラスだもんな」
谷口「すげーじゃんお前っ」 背中ばしばし
古泉「! は…はあ…」
谷口「俺なんか下から数えた方が早いんだぜー全く」
古泉「そ…それは困りものですね…」

29: 2008/05/23(金) 16:27:49.51 ID:2h2oGrXf0

谷口「じゃあそろそろ俺帰るわ!」
古泉「そうですか」
谷口「お前結構普通な奴だな」
古泉「へ?」
谷口「おっとすまん。変な意味じゃねーんだが…俺が馬鹿で鈍感なだけなのかもしんねーけど壁とかなさそうだし」
古泉「…」
谷口「んじゃ、そういう訳で!」
古泉「ええ…」
古泉「……」
古泉「あ…あの」
谷口「?」
古泉「勉強…よろしければですが、僕が教えてあげましょうか?」
谷口「え!まじで!?」

30: 2008/05/23(金) 16:30:36.16 ID:2h2oGrXf0
翌日

谷口「ちーっすキョン」
キョン「ああ」
谷口「何だお前テンション低いなー」
国木田「谷口は相変わらず高いよね。今朝なんか特に」
谷口「俺はいつでも100%だからな!」
キョン「なんじゃそりゃ」

31: 2008/05/23(金) 16:33:13.36 ID:2h2oGrXf0

授業中

教師「えーではこの問題、分かるか谷口」
谷口「ギクッ」
谷口「えー…っと…」
谷口「わ…わっかりぁせん…」
キョン(あほの谷口め…)

34: 2008/05/23(金) 16:48:46.33 ID:2h2oGrXf0

谷口「ひゅーさっきは散々な目にあったぜ」
キョン「お前は本当にあほだな」
谷口「なんだよーおれとおまえはどっこいどっこいじゃないかー仲良くしようぜ」
キョン「ええい、纏わりつくな鬱陶しい」

35: 2008/05/23(金) 16:55:06.84 ID:2h2oGrXf0
夜7時 某マック

古泉 きょろきょろ
谷口「おお!こっちこっち!」
古泉「! すみませんこんな遅くに」
谷口「遅くっつってもまだ7時だしなwwwwお前部活あるんだろ?しょうがねえじゃん。
って俺教えてもらう立場なのに偉そうだな!」
古泉「いえいえ…というか僕からの申し出ですのに…」
谷口「あっはっは。まあ取り敢えず細かい事は気にせずにいこうぜ」

38: 2008/05/23(金) 18:00:21.46 ID:2h2oGrXf0

古泉「…ですからここの公式を当て嵌めるわけです」
谷口「ふむふむ…ああー!そういう事か!そこらの教師より分かりやすいなお前っ」
古泉「それは光栄ですね」
谷口「つーかお前さ、なんで同級生の俺達に対して敬語なんだ?」
古泉「これは…そういう、癖がついてしまったんですよ」
谷口「…?癖ねえ…」

43: 2008/05/23(金) 22:11:42.01 ID:2h2oGrXf0

谷口「うおー外暗っ…今何時だよ」
古泉「九時半ですね」
谷口「すっかり遅くなっちまったな、すまん」
古泉「いえいえ。それにしてものみ込みが早かったですね」
谷口「はっは、単純だからな」
古泉(そういう問題だろうか…?)「もっと勉強を重ねて行けばぐっと成績が上がると思いますよ」
谷口「マジか!うおぉ、なんか燃えてきたわ」

44: 2008/05/23(金) 22:14:04.60 ID:2h2oGrXf0

国木田「わっ!珍しっ!谷口が参考書なんか読んでる」
友人2「おまwwwどうしたwww頭うったかwww」
谷口「ははん、ちょっとばかり勉学って奴に目覚めてな」
友人1「こりゃー天変地異の前触れだなw」

45: 2008/05/23(金) 22:18:10.57 ID:2h2oGrXf0

ハルヒ「きょうのSOS団ではみくるちゃんに―――…」
みくる「ふぇえ!?そんな事できませんん」
キョン「こらハルヒ、朝比奈さんにそんな無茶振りすんなっおい古泉も何か言ってやれ」
古泉「いやはや、僕としてはなんとも」
キョン「お前って奴は…本当にハルヒの言いなりだな。たまにはノーと言える日本人になれっ」
古泉「ふふ、肝に銘じておきます」

48: 2008/05/23(金) 22:22:07.44 ID:2h2oGrXf0

国木田「谷口、今日の放課後ゲーセンいかない?」
谷口「あー…俺パス」
友人1「最近付き合い悪いなお前」
谷口「すまんすまん。代わりにキョンを誘ったらどうだ?」
国木田「キョンはいつも通り部活じゃないの?」
谷口「何か今日は活動はないらしいぞ」
国木田「ふーん…」(ていうか何で谷口が知ってるんだろ?別にいいけど)

49: 2008/05/23(金) 22:25:36.26 ID:2h2oGrXf0
放課後

谷口「よ!古泉!待ったか?」
古泉「いえいえ、今来たところです」
古泉「というか、このような場所で勉強などに及んでも注意されないのでしょうか?」
谷口「はっはっは!お前マックとかでは何も言わなかったのに何で今更んな事いってんだよ」
古泉「ファミリーレストランというとなんだかもろ食事する場所、というイメージがあるので…」
谷口「何だそれ!あっはっはっは」
古泉「そ、そんなに笑わないで下さいよ!」

50: 2008/05/23(金) 22:28:12.03 ID:2h2oGrXf0

谷口「つーかお前せっかく部活ねえのにいいのか?俺の勉強見るのなんかに付き合ってくれてさ。
バイトとかもあって色々忙しいんだろ?」
古泉「今日はたまたま暇だったんですよ。気にしないで下さい」
谷口「ほー…。まあ俺にとっちゃ有り難いにこした事ねーんだけどあんま無理すんなよ」
古泉「え…」
谷口「何かお前顔色悪いからさ」
古泉「そ…そうでしょうか…」

53: 2008/05/23(金) 22:31:09.00 ID:2h2oGrXf0
授業中

教師「じゃー…この問題を…谷口!」
谷口「へい! いーっと、…答えは-5y」
教師「当たっている…だと!?」
谷口「やっほーい」

55: 2008/05/23(金) 22:35:35.62 ID:2h2oGrXf0


国木田「ちょっとどうしちゃったの谷口!」
谷口「へ?」
友人2「さっきのだよwwwお前万年赤点すれすれの癖にwwww」
谷口「ははん!ちょっとばかりすげー家庭教師が出来たからな!」
友人2「マジかよwwwおいてかんといてwwww」
国木田「あーそれで最近付き合い悪かったんだ」
谷口「本当有り難いぜ」

キョン「……」
ハルヒ「ちょっとキョン!今あたしの話聞いてた!?」
キョン「あ、すまん」

56: 2008/05/23(金) 22:40:45.30 ID:2h2oGrXf0
数日後

古泉「ここだけ抑えておけば明日のテストはばっちりでしょう」
谷口「ふむふむふむ! いやーサンキュ!マジ頼りになるなお前!」
古泉「お互い頑張りましょうね」
谷口「おうよ! つーかさ、」
古泉「? 何でしょうか?」
谷口「テスト終わっても俺とまた連んでくれよな!」
古泉「!」
谷口「勉強とかそういうの抜きでお前と遊んでみたいしよ!お前カラオケとか得意か?」
古泉「……」
谷口「古泉?」
古泉「有り難うございます。…嬉しいです」
谷口「はっは、なら決まりな!」


57: 2008/05/23(金) 22:42:08.30 ID:2h2oGrXf0
テスト中

谷口(おお!本当に古泉の言った所出てやがる!)
谷口(とける!とけるぞおおおおお)

国木田(谷口なんかぶつぶつ言ってる…)

61: 2008/05/23(金) 22:46:47.95 ID:2h2oGrXf0
翌日

友人2「氏wwwんwwwだwww」
友人1「ふー…。二日間に渡るテスト責めもようやく終わりやがったな」
国木田「みんなでぱーっと何処か行かない?」
友人2「いいなwwwww歌って全部忘れようぜwwwww」
友人1「お前は本当にカラオケ好きな」
谷口「あ、誘いたい奴いるんだけどいいか?」
国木田「? キョンには声掛けるけど…」
谷口「キョンを誘うのは勿論だけどさ。古泉なんだけど、いいか?」
3人「「な…なんだってー!?」」


63: 2008/05/23(金) 22:49:16.58 ID:2h2oGrXf0

友人1「何で小泉?お前転んだ時の事まだ恩にきてんの?」
友人2「テラ一途wwwwwwwww」
谷口「うんにゃ。あの後色々あって仲良くなってさー」
友人1「あ…あの古泉とかよ!?」
谷口「あいつすげー良い奴!」
国木田「へー。全然ジャンル違うのに意外だなー」

64: 2008/05/23(金) 22:53:59.86 ID:2h2oGrXf0

ハルヒ『今日はテスト明けって事で活動は無しよ!古泉くん達にもそう言っといて!』

キョン「ったく…なんで俺が…」
キョン「お…古泉…」
キョン「おい、古泉!」
古泉「なんでしょうか?」
キョン「今日は活動無いらしいぞ。ハルヒからの伝言だ」
古泉「はい、分かりました」

65: 2008/05/23(金) 22:56:33.07 ID:2h2oGrXf0

谷口「おー、古泉!キョン!」
キョン「谷口」
古泉「こんにちは」
谷口「今日さ、国木田達とカラオケいく感じになってんだがお前ら来ないか?」
キョン(…お前「ら」?)
古泉「ええ、ちょうど今日の活動も無くなったようですので」
キョン「…」

66: 2008/05/23(金) 22:59:20.66 ID:2h2oGrXf0

谷口「じゃーあとで校門に集合な!」
古泉「分かりました」
タッタッタッタッタッタ
キョン「お前谷口と仲良かったのか?」
古泉「ええ、まあ」
キョン「初耳だぞ」
古泉「言ってませんでしたから」
キョン「俺には色々口煩くちょっかい出したり根掘り葉掘り聞いてくる癖に」
古泉「…申し訳ありません」
キョン「別に謝られたって困るんだが…」

68: 2008/05/23(金) 23:04:08.62 ID:2h2oGrXf0

友人2「カラオケwwカラオケww」
友人1「お前はしゃぎ過ぎ」
国木田「あ、谷口!古泉は誘えたの?」
谷口「おうバッチシよ!キョンもな!」
友人2「イケメンとかw来ると俺霞むだろーがwwつーかキョンも来んのかよwww」
国木田「何か不満あるの?」
友人2「だってあいつ男子と女子じゃ態度違い過ぎるだろw正直イラッとするわw」
谷口「俺だって女子の前ではとびきりダンディになるじゃないか」
友人1「それはないw」

70: 2008/05/23(金) 23:06:25.84 ID:2h2oGrXf0

キョン「つーかさ」
古泉「はい?」
キョン「俺ハルヒと付き合う事になった」
古泉「! …本当ですか?」
キョン「嘘吐いてどうする」
古泉「…。そうですか。付き合う以上はどうかいたわってあげて下さい」
キョン「…ああ」

75: 2008/05/23(金) 23:11:01.79 ID:2h2oGrXf0
カラオケにて


友人2「あいらwwwwwwwwびゅwwwww今だけはwww悲しい歌www」
友人1「次の歌誰?」
谷口「あ、俺俺ーで、その次のが」
キョン「俺のだな」
谷口「つーか古泉全然歌ってねーじゃん」
古泉「すみません、そういうのには疎い方でして」
谷口「ドラえもんの主題歌とかなら分かるよな」
古泉「はあ…かろうじて」
谷口「じゃあそれ歌おうぜ!俺も歌う!割り込み予約そいやっ」

78: 2008/05/23(金) 23:17:03.80 ID:2h2oGrXf0

谷口「あんな事いいなあー」
古泉「で…出来たらいいなー」

友人2「ちょwwwwwwwwwドwラwえwもwんwwwとかwww」
友人1「谷口はともかく古泉まであんな捨て身にならなければ男子高校生では歌えないだろうソングを…」

79: 2008/05/23(金) 23:19:37.87 ID:2h2oGrXf0

国木田「はー、うたったね。そろそろ帰る?」
友人1「だな」
キョン「外暗いしな」
友人2「またこようぜwwwww」
友人1「じゃ、今日はこれで解散なー」

81: 2008/05/23(金) 23:22:54.80 ID:2h2oGrXf0



谷口「お、古泉!お前もこっち側かよ。こっちは今まで俺だけだったんだよなー途中まで一緒に帰ろうぜー」
古泉「はい…といいたいところですがこれからバイトなのであまり御一緒出来ませんが」
谷口「うげっ!お前こんな遅い時間からもバイトやってんのかよ」
古泉「…ええ、まあ」

82: 2008/05/23(金) 23:27:19.02 ID:2h2oGrXf0
数日後

友人2「テスト結果きたwwwww俺涙眼wwwwww」
友人1「まあこんなもんだろーな」
谷口「…」
国木田「谷口はどうだった?」
谷口「…全教科…平均点もしくはそれ以上いってやがる…」
一同「「な…なんだってー!?」」

83: 2008/05/23(金) 23:29:57.94 ID:2h2oGrXf0

谷口「うおおー感激だぜ!早速古泉に報告せねば!」
だだだだだだっ

友人2「何で古泉やねん」
国木田「ていうかキョンどこだろ」
友人1「なんか授業終わった途端出てったの見たけど…」

85: 2008/05/23(金) 23:35:39.46 ID:2h2oGrXf0

谷口「うおー古泉ー! くらえ感激のタックル」
古泉「ぐはっ… その様子ですとテストの結果は…」
谷口「もうめちゃくちゃやばかったぜ!何時も赤点すれすれだった俺が平均点以上を…!」
古泉「おめでとうございます」
谷口「お前のおかげだぜ!」

87: 2008/05/23(金) 23:41:08.53 ID:2h2oGrXf0

谷口「それにしてもお前今日はまた一段と疲れた顔してるな」
古泉「そうでしょうか」
谷口「俺にはそう見えるが」
古泉「貴方以外に指摘される事はありませんが」
谷口「じゃあ俺の思い違いかー?」
古泉「さあ…どうでしょうね」
谷口「はははっ、なんじゃそりゃ」

110: 2008/05/24(土) 10:25:57.59 ID:YkeJOa5b0

古泉宅 洗面所

ザーッ

古泉(疲れてる……か、)
古泉(極力察しられないように振る舞ってきたつもりでしたが…)
古泉(…最近、閉鎖空間が生じる回数がいやに増えている…)
古泉(彼と涼宮さんが付き合う事になった辺りからずっとだ…)





112: 2008/05/24(土) 10:32:56.62 ID:YkeJOa5b0

古泉「少しお話よろしいでしょうか?」
キョン「何だよ…つーか声おかしいぞ、風邪か?移すなよ」
古泉「少々喉が痛む程度ですので…。…本題に入りますが、直球にいきます。
最近涼宮さんとは上手くいっていますか?」
キョン「…」
古泉「最近の彼女の精神は今までに無い位不安定です」
キョン「俺がそうさせてるってか?」
古泉「…ええ、その可能性が高いと感じられます」

113: 2008/05/24(土) 10:38:54.73 ID:YkeJOa5b0

キョン「…あいつを…大事にしなきゃ色々大変な事になるって事位分かってる…」
古泉「…」
キョン「でもそうしなきゃいかんって思うほど行動が空回っちまうんだよ。あいつ我儘だしな」
古泉「ならば何故付き合う事を選択したんですか?」
キョン「…っ俺だって人の子だよ。普通に青春を謳歌したいと位思ってもいけないのかっ」
古泉「そう言う事を言ってるのではありません」
キョン「そういう事だろっ。何なんだよもう、俺はいちいちハルヒと自分との出来事を
お前に報告しないといけないのかっそれがどんな些細な事でもよっ」
古泉「それが閉鎖空間が生じる糧となるなら僕には堪りません」
キョン「…」
古泉「が、貴方も堪ったものじゃないでしょうね」
キョン「…」
古泉「失礼します。お気分を害してしまって申し訳ありませんでした」

114: 2008/05/24(土) 10:43:27.07 ID:YkeJOa5b0

古泉「…」
ガチャッ
古泉「! 朝比奈さんに長門さん…いつから扉の前に…」
みくる「あ…あの…内容は良く聞き取れなかったんですが…キョンくんと口論…になってましたよね?」
古泉「そういう事になりますね」
みくる「あの…あまりキョンくんを刺激しないであげて下さい…」
長門「彼は大切な鍵」
古泉「…。はい、分かりました。申し訳ありません」

116: 2008/05/24(土) 10:48:35.99 ID:YkeJOa5b0
廊下

古泉「…」
谷口「お!古泉!ちーっす」
古泉「おはようございます」
国木田「あれ、ちょっと声おかしいね」
古泉「軽い風邪のようでして」
谷口「マジかよ!あ、じゃあこれやるわ。普通の飴だが無いよりはいいぞ」
古泉「…」
古泉「有り難う…御座います」

117: 2008/05/24(土) 10:50:56.26 ID:YkeJOa5b0


古泉「ごほっごほっ」
古泉(身体がだるい…しかしこれからバイトに向かわなければ…)
古泉(最近閉鎖空間の問題やらで大分寝不足だ…)
古泉(…喉が痛い…)

118: 2008/05/24(土) 10:54:56.98 ID:YkeJOa5b0

古泉(…?ポケットになにか…)
古泉(…!彼がくれた飴…)
古泉「……」びりっ ぱくっ
古泉(……冷たくて気持ちが良い…)
古泉(だけどどこか暖かく感じる…)

121: 2008/05/24(土) 11:05:35.78 ID:YkeJOa5b0

国木田「ねえ谷口、これあげるよ」
谷口「? うおおお、遊園地の無料入場券!?いいのかよ!」
国木田「うんいいよ。僕も母さんから貰ったんだけど流石にこの歳で彼女居る訳でもないのに
遊園地ってどうかなって思ってさ」
谷口「はぁー!?いいじゃねえか別に!一緒に行こうぜ遊園地!」
国木田「ええー。谷口と2人で…というか男2人で行くなんて空し過ぎる…」

122: 2008/05/24(土) 11:09:45.06 ID:YkeJOa5b0

谷口「んだよ国木田のやつー」
谷口「…ん?」
国木田「どうしたの谷口?」
谷口「やべ、携帯が!携帯がねえぞ!」
国木田「ええー、どこやったのさ」
谷口「分かんねー!あ、昼休み屋上でごろごろしてた時かもしんねー!」
谷口「ちょっくらいってくらぁ!」
国木田「授業に遅れないようにねー!」



129: 2008/05/24(土) 11:49:50.85 ID:YkeJOa5b0
屋上

谷口「WAWAWA忘れ物ー」
ガチャ
古泉「!」
谷口「! 古泉じゃねーか!いやあ良く会うな俺達。もうすぐ授業始まんぞー」
古泉「ええ、そうですね。ちょっと風にあたりたい気分でしたので。貴方は?」
谷口「いやちょっと忘れ物…あ、やっぱりあったわ」
古泉「それ、貴方のだったんですか」
谷口「おうよ!無事で良かった良かった!つーかノドの調子は?どうだ?」
古泉「ええ、大分痛みが引いてきました」
古泉「貴方の下さった飴のおかげです」


130: 2008/05/24(土) 11:51:11.83 ID:YkeJOa5b0

谷口「そっか。そりゃ良かった」
古泉「ええ」
谷口「…なあ古泉!」
古泉「はい?」
谷口「遊園地行こうぜ!」
古泉「…へ?」

131: 2008/05/24(土) 11:53:03.08 ID:YkeJOa5b0

谷口「国木田からチケット貰ったんだが誰も付き合ってくれなくてさ」
古泉「は…はあ」
谷口「男2人だからこそいいんだろうが!ナンパの可能性が広がるってもんさ」
古泉「ふふ、そうでしょうか」
古泉「…」
古泉「いいでしょう、付き合わせて頂きますよ」
谷口「うぉー、やりぃ」

133: 2008/05/24(土) 11:55:15.58 ID:YkeJOa5b0

谷口「じゃあ俺戻るわ!」
古泉「ええ」
たったったった
ばたんっ
谷口(…屋上に入った時の一瞬だけだったが…)
谷口(あいつの背中、かなり小さくみえたな………)
谷口(ありゃ絶対なんか悩み持ちって奴の背中だぜ)

136: 2008/05/24(土) 12:05:20.72 ID:YkeJOa5b0


ハルヒ「はぁ…」
古泉「おや涼宮さん、どうかしましたか」
ハルヒ「あら古泉くん…。ちょっと色々あって…あ、知ってるんだっけ、あたしとキョンの事」
古泉「ええ、まあ、一応は」
ハルヒ「あんまり上手くいかないのよ。お互いの主張がどうにも噛みあわなくて」
古泉「そうですか…しかし彼は涼宮さんの事を胸の中ではきちんと思っていますよ」
ハルヒ「そうかしら…最近それすら疑問だわ」
古泉「そうでなければ告白を受けたりはしないでしょう」
ハルヒ「…そうね!有り難う古泉君。ぐだぐだ考えるなんてあたしらしくないわっ。キョンを信じるっ。」
古泉「ええ、そうしてあげて下さい。何せ彼も不器用ですから」

138: 2008/05/24(土) 12:09:53.09 ID:YkeJOa5b0

古泉「………」
古泉(今僕は、上手く笑えていたでしょうか…)

140: 2008/05/24(土) 12:13:43.87 ID:YkeJOa5b0
次の週の日曜日 遊園地


谷口「しかし見事にカップルや家族連ればっかだな」
古泉「ええ、大分僕達浮いてます」
谷口「という訳でここは一発ナンパだぜ!待ってろ古泉、今からあそこにいる
Aランクの女子2人組を5秒で落としてきてやる!」
古泉「は、はあ…」


谷口「5秒で振られた…」
古泉「ア、アイスクリーム食べますか?」

142: 2008/05/24(土) 12:19:24.52 ID:YkeJOa5b0

谷口「お化け屋敷かー。まあ子供だまし程度だとは思うが一応入ってみるか?」
古泉「ええ、興味深いです」

おばけ役の人A「ばー」
谷口「うぎゃあああ!」
おばけ役の人B「どろろん」
谷口「ほげげげげげ!」
おばけ役の人C「ひゅるーり」
谷口「うわをおおおお!」

古泉(おもしろい…)





143: 2008/05/24(土) 12:24:03.61 ID:YkeJOa5b0
谷口「くっ…なかなかやりやがるな今時のお化け屋敷ってやつぁ…」
古泉「ふふふ、そうでしたね」
谷口「次どこいく?」
古泉「あれとか乗ってみたいです」
谷口「ジェットコースター…だと!?」

144: 2008/05/24(土) 12:26:01.60 ID:YkeJOa5b0
ガッガッガッガッガッガッ

谷口「こういうのってよー…上ってる時が一番怖くねえか?」
古泉「そうなんですか?」
谷口「そうなんですかってお前…」
古泉「わっ…凄い見晴…」

ガクンッ 

古泉「!」
谷口「!」

ゴオオオオオオオオオオ

谷口「あああああああっ」
古泉「っ………!!」




145: 2008/05/24(土) 12:28:59.02 ID:YkeJOa5b0

谷口「ぜえ…はあ…」
古泉「し…舌を噛みました…」
谷口「絶叫系って奴は何回乗っても慣れねえわ…」
古泉「でも楽しかったです!あ、次あれ乗りたいです!」
谷口「バイキング…だと!?」
古泉「あとあれも!」
谷口「! 上まで普通に上がっていって一気半端ねえスピードでに下に落ちる奴…だと!?」

152: 2008/05/24(土) 13:53:43.44 ID:YkeJOa5b0

谷口「ぜえ…はあ…はあ…。お前…見かけによらずデンジャラスチックなもんが好きなんだな…」
古泉「ええ!楽しかったです。」
谷口「っと…もうこんな時間か!そろそろ昼にするか?」
古泉「そうしましょうか」

153: 2008/05/24(土) 13:55:25.82 ID:YkeJOa5b0


谷口「カップル多いなーむきーっ」もぐもぐ
古泉「ふふ、そうですね」もぐもぐ
谷口「つーかさお前」
古泉「はい?」
谷口「彼女とかいねーの?」
古泉「いませんよ」


154: 2008/05/24(土) 13:57:00.43 ID:YkeJOa5b0

谷口(まあいたらたまの休日俺みたいのと遊園地きたりしないか)
谷口「ほーう。じゃあ好きな奴は?」
古泉「え…っと」
谷口「お、いるのかよ」
谷口「ええ…まあ」

155: 2008/05/24(土) 13:57:45.63 ID:YkeJOa5b0

古泉「ええ…まあ」
だったごめん

156: 2008/05/24(土) 13:59:12.49 ID:YkeJOa5b0

谷口「マジかよ!告ったりしねえの?」
古泉「ええ…叶わぬ恋なので」
谷口「…彼氏持ちとかか?」
古泉「まあ…そんな所です」
谷口「…それは切ないな…」
古泉「慣れましたよ、もう」

159: 2008/05/24(土) 14:06:42.71 ID:YkeJOa5b0

谷口「新しい恋に走り出そうとは思わんのか?」
古泉「…どうでしょう。」
谷口「まあどちらにせよ気力がいる事だよな、そういうのって」


160: 2008/05/24(土) 14:10:13.72 ID:YkeJOa5b0




谷口「ふー、もうほとんど回ったな」
古泉「ええ、随分日が暮れてきましたね」
谷口「後のってないのってなんだろーな」
古泉「あれ位じゃないですか?」
谷口「観覧車か…」

161: 2008/05/24(土) 14:12:49.13 ID:YkeJOa5b0


谷口「扉閉める奴に凄い眼で見られたな」
古泉「良い年した男子高校生2人での乗車ですもんね…」
谷口「それにしても観覧車何か乗ったの何年ぶりだろーなぁ」
古泉「僕は初めてです」
谷口「!? マジかよ」

162: 2008/05/24(土) 14:18:11.36 ID:YkeJOa5b0

古泉「観覧車もジェットコースターもお化け屋敷も、もっと言えば
誰かと一緒にファミリーレストランで勉強をするのもカラオケにいくのも」
古泉「僕にとっては全部初めての体験で、とても楽しかったです」
古泉「誘って下さって、有り難うございました」
谷口「お前…一体普段どんな真面目ちゃん生活を…」
古泉「そういう使命なんです」

163: 2008/05/24(土) 14:24:15.17 ID:YkeJOa5b0

谷口「使命…?」
古泉「あまり詳しくは他言出来ない決まりなのですが」
谷口(宗教か何かか…?)
古泉「それは僕自身の感情を押し頃して遂行しなければならないのです」
谷口「…」
古泉「時に、おかしくなりそうになる時があります」

165: 2008/05/24(土) 14:33:24.29 ID:YkeJOa5b0

古泉「なんて…訳の分からない話をしてしまってすみません」
谷口「…古泉」
古泉「はい」
谷口「俺馬鹿だから何か良く…詳しい事は分からんが、耐え切れなくなったら俺んとここいよ!
古泉「…」
谷口「いつでも話聞くからさ」
古泉「…有り難う、ございます」

古泉の瞳はめっきり乾いていたのになぜか俺には眼の前の男が泣いているように思えた

168: 2008/05/24(土) 14:40:12.89 ID:YkeJOa5b0



谷口「すっかり暗くなっちまったな」
古泉「ええ、今日は本当に有り難うございました」
谷口「こっちこそ。じゃあ俺はこっちだからまた明日な!」
古泉「ええ!」
谷口「じゃあなー!」たったったったっ
古泉「また明日…」
古泉「…ごほっごほごほごほっ…」
古泉「…咳止め、切れちゃいましたか…」

169: 2008/05/24(土) 14:43:18.14 ID:YkeJOa5b0

古泉「ごほっ…」(早いうち家に帰って…)
古泉「――っ……!」(この感覚は…!またもや閉鎖空間が…っ)


172: 2008/05/24(土) 14:51:30.49 ID:YkeJOa5b0

翌日


古泉「おはようございます」
キョン「…おお」
古泉「昨日、またも閉鎖空間が生じました」
キョン「…」
古泉「しかしどういう訳か最近生じる閉鎖空間には引き金である筈の貴方が取り込まれる事は無く
ただ神人が暴れているというだけのパターンばかりです」
キョン「…」
古泉「これは恐らく自分の不安定な心境を貴方には察しられたくない、またはその事によって貴方を
困らせたくないという彼女の深層心理が反映してるのでしょうね」
キョン「…」

173: 2008/05/24(土) 14:54:57.32 ID:YkeJOa5b0

古泉「正直に言いますとこう毎晩の様に神人と戦わせれては僕もいい加減骨が折れてきます」
キョン「…」
古泉「貴方が悩める立場にある事はよく分かっています。しかし貴方は彼女がそのような能力を持っている事を承知で
涼宮さんの告白を受け取ったのでしょう?」
古泉「付き合った以上は覚悟を決めていた筈です。ですからいい加減もう少し」
キョン「…煩い」

174: 2008/05/24(土) 14:59:58.35 ID:YkeJOa5b0


キョン「これは俺達の問題だ、お前に口出しされる覚えは無い」
古泉「…」
古泉「…確かに、今の言葉は閉鎖空間が生じる度に戦闘に駆り出される僕の不満でしかないかもしれません」
古泉「しかし1人の男としても、不安定な涼宮さんをこれ以上見てられないという気持ちも大きいのです」
キョン「…なんだって?」

175: 2008/05/24(土) 15:06:06.00 ID:YkeJOa5b0

キョン「お前…ハルヒの事…」
古泉「しかしそれは今はどうでもいい事です」
キョン「よくないだろ!一体どういう事だよ!」
古泉「落ち着いて下さい」
キョン「そうか…お前…そうやって俺をじわじわ追い詰めてハルヒと破局させようって魂胆だったのか」
古泉「それは思い違いです。いいですか、僕はただ」
キョン「お前は何時だってその低い腰と敬語で俺を計ってたって事か…
取れるもんならくれてやるよハルヒなんて!お前にそれが出来るかどうかは知らんがな!」

176: 2008/05/24(土) 15:08:54.10 ID:YkeJOa5b0

ガタッ

キョン「!」
古泉「涼宮さん!」
ハルヒ「…何なのよそれ…」
ハルヒ「ッ…キョンの馬鹿!!」だっ
キョン「おい待てよっ!」だっ
古泉「…っ」

177: 2008/05/24(土) 15:11:00.13 ID:YkeJOa5b0

長門「…」
古泉「…長門さんまでいらしたんですか…」
長門「外は雨が降っている」
古泉「…はい」
長門「それにも構わず涼宮ハルヒは外にへと飛び出そうとしている。」
古泉「…」
長門「それ程心が乱れている。彼の言葉によって」
古泉「…」
長門「彼にあんな台詞を言わせてのはあなた」
長門「あなたの責任」

192: 2008/05/24(土) 16:34:32.35 ID:YkeJOa5b0

古泉「…僕の責任…」
古泉「…確かに、そうですね」
長門 こくん
古泉「…少し、彼らの様子を見てきます」
長門「…」

195: 2008/05/24(土) 16:40:37.12 ID:YkeJOa5b0
ざああああ

古泉「…」
古泉(余計な事を…言ってしまったようだ)
古泉(本来なら彼らの機嫌を損ねないように自分の意見を押し殺さねばいけないのに…)
古泉(この立場の人間として失格だ…)
古泉(…雨が冷たい)

196: 2008/05/24(土) 16:47:28.44 ID:YkeJOa5b0

古泉(…涼宮さんと彼を探さなくては…)

たったったった

古泉(? あそこに人影が…)
ハルヒ「何よもう!追いかけてこないで!さっき…あんな事言った癖に」
キョン「すまん…ハルヒ」 がしっ
ハルヒ「離してよ!」
キョン「さっきのは言葉のあやだ…本当にお前をくれてやるなんて思ってる訳が無い」
キョン「お前が好きだ、ハルヒ」
ハルヒ「…っ」
ハルヒ「ばかきょん…っ」 
キョン「ハルヒ…」
ハルヒ「…て」
キョン「ん?」
ハルヒ「抱きしめてくれたら、許してあげるわ」
キョン「…分かった。こうか?」 ふわっ
ハルヒ「ええ…。キョン…」
キョン「こんなに濡れちまって…本当にすまんな…」


古泉「………」

199: 2008/05/24(土) 17:04:11.06 ID:YkeJOa5b0

ガチャッ

みくる「古泉君!ズブ濡れじゃないですか!」
古泉「ええ、そうですね」
みくる「…事情は長門さんから聞きました。災難でしたね」
古泉「朝比奈さん…」
みくる「でも」
古泉「!」
みくる「あれだけ彼を刺激しないで下さいといったのに」
古泉「…申し訳ありません」
みくる「キョンくんは私たちにとってとっても大切な存在なんです」
古泉「…はい。」

201: 2008/05/24(土) 17:11:03.23 ID:YkeJOa5b0
保健室

古泉「失礼します」
保険医「あれまあ、どうしたのそんなに濡れちゃって」
古泉「ちょっと友人で外でふざけていたらこんな事になってしまいまして…タオルをお借り出来ませんでしょうか?」
保険医「はいはい、タオルね。わたしこれから職員会議が有るから急がなくちゃなんないんだけど
タオルの場所分かる?あそこの引き出しの上から2番目にあるんだけど」
古泉「では勝手に使用させて頂きますね」
保険医「そうしてちょうだい。風邪には気を付けてね。じゃあ」

がらららっ ばたん

202: 2008/05/24(土) 17:13:12.05 ID:YkeJOa5b0
すたすた かたんっ、

古泉(あった…では一枚借りよう)
古泉「…っごほっ…ごほっごほっ…」
古泉(…?おかしい、まだ咳止めが切れる時間じゃない…)
古泉(雨に濡れて悪化してしまったのだろうか…)

203: 2008/05/24(土) 17:19:49.78 ID:YkeJOa5b0

古泉「ごほっごほごほっ」
古泉「ごほっごほ…ごほっ」
古泉(苦しい…止まらな…っ)

咳のせいで溢れた生理的な物なのかそれとも違うのか
僕の眼からはみっともなくもだらだらと涙たちが零れて行った

207: 2008/05/24(土) 17:50:37.29 ID:YkeJOa5b0
翌日

ガチャッ

ハルヒ「みんなー揃ってる?」
みくる「いいえ…古泉君の姿が見えないです」
キョン「風邪で休みらしいぞ」
ハルヒ「そう、心配ね…」
長門「…」

209: 2008/05/24(土) 18:04:38.68 ID:YkeJOa5b0

体育の時間

谷口「喰らえーっ俺のスライディングシューット」
ずささささーっ
谷口「ほ…ほぎゃああ擦りむいたっ」
友人1「また谷口がアホやった」
友人2「つーかwww結構立派に擦り剥けてやがるwww俺血ぃ無理www」
教師「谷口保健室行ってこーい」



212: 2008/05/24(土) 18:07:53.92 ID:YkeJOa5b0

谷口「おばちゃーんっ擦り剥いたっー」
保険医「あれあれ…ちょっと消毒してあげるから」
谷口「しみるのやなんすけどー」
保険医「大丈夫大丈夫しみないタイプだから」

214: 2008/05/24(土) 18:11:48.05 ID:YkeJOa5b0


谷口「思いっくそしみやがった…」
保険医「あ、机にある来室者記入用紙に名前とクラス書いといてね」
谷口「へいへい…ん?」
谷口「おばちゃん、この古泉ってーの…昨日の日付の所にかいてある奴」
保険医「ええ?ああー、あの美形で背が高い子?」
谷口「なんか具合悪かった系だったんすか?」
保健室「なんかずぶ濡れでねえ、タオル借りに来たんだけど今日は結局風邪で休みだってさ」
谷口「え…マジっすか…」

216: 2008/05/24(土) 18:15:25.18 ID:YkeJOa5b0

谷口(んー…見舞いにいくつってもなあ…家分からんし…)
谷口(まあそこは教師に聞きゃあ教えてくれるとは思うが)
谷口(俺ちょっと馴れ馴れしくし過ぎか?家にまで押し掛けていいもんか…)
谷口(…でもなんかほっとけんしなあ…)

218: 2008/05/24(土) 18:30:22.84 ID:YkeJOa5b0

谷口(ここが古泉のマンションかー…)
谷口(おっし。ここまで来たならとことんおせっかいな馬鹿キャラで特攻するとすっか)
ピンポーン
谷口「こいずみー!いるかー!?リンゴ買って来たぞー!すり下ろそうぜーぃ」
………
谷口(静かだなー…)

220: 2008/05/24(土) 18:31:38.15 ID:YkeJOa5b0

谷口(寝てんのか?じゃあせめてこの見舞いの品だけでもドアノブんとこぶら下げとくか)
がさがさ ガチャッ
谷口(! 開いとる…)

222: 2008/05/24(土) 18:35:07.71 ID:YkeJOa5b0

谷口「こいずみー?いんのかー?」
谷口「…?」
谷口「古泉ー?入るぞ? お邪魔しまーっす」


223: 2008/05/24(土) 18:38:26.63 ID:YkeJOa5b0


谷口「古泉ーっ…あ・いた」
古泉「…っあなたは…あれ、玄関開いてました?」
谷口「おうばっちり。不法侵入しちまったぜ」
古泉「ふふふ…そうでしたか…」
谷口「大丈夫かよお前、喉がらがらだぜ。何か息上がっとるし」
古泉「ええ…何とか…」

225: 2008/05/24(土) 18:40:30.37 ID:YkeJOa5b0

谷口「あ、これ見舞い品な。りんごとりんごと桃缶だっ」
古泉「有り難う…ございます…」
古泉「…お見舞いに…来てくれたんですか……」
谷口「まあおちょくり半分ってところだけどな」
古泉「ふふ…そう…ですか…」

227: 2008/05/24(土) 18:44:10.75 ID:YkeJOa5b0

谷口「マジで大丈夫かよお前…汗すげーぞ…熱あんのか?」
古泉「……」
谷口「どれちょっくら俺のマジカルハンドで計ってや…っつぁっちぃ!!何だこれ!お前どんだけ熱あるんだよ!
普通ただの風邪だけでこんなに熱上がるもんなのか!?」

229: 2008/05/24(土) 18:47:19.97 ID:YkeJOa5b0

古泉「…最近…いやに忙しくて…あまり…睡眠もとれず…結構…前から…
風邪…みたいなものは…ひいてたん…ですが…ごまかしてました…」
谷口「っ…。だったら!何でおれなんかの勉強や遊びの誘いに付き合うんだよお前!
だったら病院とか行った方がよっぽど…」
古泉「…楽しかったんです…」
谷口「古泉…」
古泉「氏んでもいいなって思う位…楽しかった…」

233: 2008/05/24(土) 18:50:12.34 ID:YkeJOa5b0

谷口「お…おいっ…何言ってんだお前!か…風邪とか位じゃ人間中々氏なんぞ!」
古泉「ふふ…ただの比喩表現ですよ…」
谷口「そ…そうか…」
古泉「本当…貴方は…その持前の天真爛漫さで僕を癒してくれました…」
古泉「その癖鋭く僕の心の靄を顔色で察してくれて…」
古泉「嬉し…かった…」


235: 2008/05/24(土) 18:52:58.99 ID:YkeJOa5b0

谷口「古泉…おい、お前」
古泉「でも僕はそんな楽しい…あなたとの時間の中でもどうしても…心の奥底では涼宮さん達の事を…気にしていた」
古泉「気にしざるおえなかった」
古泉「正直ちょっと…疲れます」
古泉「しかしそれすら全て…僕の空回りで終わってしまう…」

237: 2008/05/24(土) 18:55:44.73 ID:YkeJOa5b0

谷口「古泉…?よく意味が分からん…なんでここで涼宮の話題が…」
古泉「僕は…ずっと一人で感情を制御してきて…それが使命だとしても…」
古泉「…辛かった…」
谷口「…古泉……」
古泉「…ふふ、おかしな人だ…」
古泉「何で貴方が泣くんですか…」

239: 2008/05/24(土) 18:58:36.21 ID:YkeJOa5b0

谷口「知らん…っ」
谷口「俺にも分からん…」
谷口「…」
谷口「…古泉、お前は人前では泣けないタイプだろ」
古泉「…ええ、そうかもしれません…」
谷口「しかし俺はクラス男子で集まってタイタニックを見た時映画終了後も1時間ずっと泣いてた男だ…」
古泉「ふふ…、なんですかそれ」
谷口「…だからっ」
谷口「だから俺に泣かせろ、古泉」

240: 2008/05/24(土) 19:01:46.72 ID:YkeJOa5b0

古泉「…あなたに…なら…」
古泉「あなたになら、言えるかも…しれません…」
谷口「…?なんだ?」
古泉「聞いて…下さいますか?大半の人なら馬鹿げた話だと…笑うでしょう」
谷口「聞くさ。聞くとも。言ってみろ」
古泉「…っ僕は…」
長門「そこまで」

243: 2008/05/24(土) 19:07:18.54 ID:YkeJOa5b0

谷口「お前は…6組の長門…か?」
古泉「…っ」
長門「古泉一樹。貴方は部外者に気を許し過ぎた」
長門「それだけならまだしも涼宮ハルヒに対する重要な事柄を他人に漏らそうとまでした」
長門「貴方は、失格」

244: 2008/05/24(土) 19:10:40.81 ID:YkeJOa5b0

谷口「言ってる意味がよく分からんが失礼じゃないかお前?
つーかお前と古泉は涼宮と愉快な仲間たちの一員じゃないのかよっ?」
長門「黙って」
谷口「……」
長門「それに加え古泉一樹、貴方は身体を酷使し過ぎた」
長門「恐らくもう使い物にはならない欠陥品にへと成り下がっている筈」
古泉「…」
谷口「!?」

245: 2008/05/24(土) 19:15:22.45 ID:YkeJOa5b0

長門「機関から許可は取った。使い物にならなくなった古泉一樹は
主に涼宮ハルヒに関連する記憶さえ掻き消せばあとは好きにして良いとの事」
古泉「…」
長門「貴方も」
谷口「!」
長門「少し古泉一樹に関わり過ぎた。記憶情報を操作する必要がある」
古泉「…そんな…っ」

249: 2008/05/24(土) 19:23:43.45 ID:YkeJOa5b0

長門「貴方に意見を言う権利は無い」
古泉「ですがっ…」
谷口「おい、古泉!記憶情報を操作ってなんなんだよ!?俺とお前はどうなっちまうんだ!?」
長門「貴方の頭から古泉一樹の存在を都合良く消し去るだけ」
谷口「な…!?」
長門「勿論その他涼宮ハルヒの記憶にも、突然消えた古泉一樹は家の事情で転入したという風に脚色しておく」

251: 2008/05/24(土) 19:27:06.10 ID:YkeJOa5b0

谷口「何じゃそらっふざけんなよっそんな事させてたまるかっ」
長門「上からの命令は絶対」
長門「情報操作の力も絶対」
長門「…今から貴方の脳内の記憶の情報操作を行う」
谷口「ばっ…やめ…っ!?…っちくしょ、身体が動かねえっ」
古泉「っ…!僕もですっ…!」

253: 2008/05/24(土) 19:33:35.81 ID:YkeJOa5b0

長門「開始。」
古泉「っ!」
谷口「っ!」
長門「残り0分58秒で貴方の頭から今までの古泉一樹に関しての記憶が消え去る」
長門「ここ数日の貴方達の間で起きた出来事達は全て無かった事にされる」
谷口(マジで身体が動かねえっ…この今の状態がこの女が言ってる事が嘘ではねーっつー事を証明してやがるっ…
じゃあ俺は本当に古泉の事忘れちまうのかよ!?そんなのは絶対にごめんだっっ)
古泉「っ…谷口っ…さん!」
谷口「っ…なんだ!?」
古泉「短い間…でしたけど…僕、本当に楽しかったです!」
谷口「ばっ…!何お別れモードに突入してんだよ!!!」
長門「残り約45秒」

256: 2008/05/24(土) 19:40:32.03 ID:YkeJOa5b0

古泉「僕、こっちの世界でなるべく友人を作らないように頑張ってきました」
古泉「ですが貴方と知り合って僕は怖い位に友情の素晴らしさと言う物に魅せられてしまって」
古泉「結果、貴方までこのような眼に合わせてしまう事になってしまいました!申し訳ありません!」
長門「残り30秒」
谷口「っ…馬鹿野郎!」
谷口「俺だってすっげー楽しかった!お前大人びてる振りしてなんかほっとけねーし!ギャップ狙いかこの野郎!」
谷口「お前と友達になれた事、俺は誇りに思うぞっ」

259: 2008/05/24(土) 19:45:50.99 ID:YkeJOa5b0
長門「残り15秒」

古泉「友達…ああそう呼んで…くれるのですね、なんて光栄な事でしょうかっ」
古泉「僕、忘れませんっ例え記憶が何度消されようが厚塗りされようが貴方といたあの楽しい日々をっ」
古泉「僕は忘れたくありませんっ」
長門「8,7,6」
谷口「俺もっ!」
谷口「俺もだっ!勉強とか、お前が教えてくれたとこ生かしてすげえ有名になってやるっ」
長門「2,1」
古泉「ふふっ…なんですかっ…それ…」
長門「0」
谷口「ぐあっ」

261: 2008/05/24(土) 19:49:39.66 ID:YkeJOa5b0

がくんっ ばたっ

長門「これで目が覚めた時には彼の頭からここ数日間の記憶が消えている」
古泉「…僕の記憶も、消して下さい」
長門「そのつもりでいる」


263: 2008/05/24(土) 19:51:23.03 ID:YkeJOa5b0

古泉「…」ぼろっ
古泉「…」ぼろぼろぼろ
長門「何故泣くの」
古泉「さあ…何故でしょうね…」

265: 2008/05/24(土) 19:53:34.88 ID:YkeJOa5b0

古泉「僕はこの後…どうなるのでしょうか。好きにしていいと、言われたのでしょう?」
長門「私の家に来てもらう」
古泉「!? どういう…事ですか?」
長門「上からの許可はある。体力の衰えと共に力も消えかけているあなたはお払い箱」
古泉「そんな事はどうでもいいのです、何故僕が長門さんの家に…」

266: 2008/05/24(土) 19:54:56.14 ID:YkeJOa5b0

長門「私は、彼に対して今言いえない感情を抱いている」
古泉「彼…とは谷口くんの事でしょうか?」
長門「…」(こくり)
古泉「それは…一体、どのような感情なのでしょう」
長門「おそらく、嫉妬に近い」

271: 2008/05/24(土) 19:59:51.78 ID:YkeJOa5b0

古泉「なっ…」
長門「勿論今回のこの判断は上が下したもの。私の意思は関係無い」
長門「しかしその先の古泉一樹の処理を好きにしていいと聞いた時に私の胸はどうしようもなく昂ぶった」
古泉「……」
長門「この先貴方の瞳に私以外の人間が映る事は無い」
長門「させない」

276: 2008/05/24(土) 20:05:23.43 ID:YkeJOa5b0

○○年後

ニュースキャスター『日本を代表する精神科医である谷口医師の元に多くのカウセリング志願者が集いパンク状態に―』

古泉「うわあ、やっぱりすごいんですね頭が良い人のちからって」
長門「一樹」
古泉「はい、長門さん」
長門「入浴の時間。首輪の解除を許可する」
古泉「はい。きょうも長門さんが洗ってくれるんですか?」
長門 こくんこくん

終わり

277: 2008/05/24(土) 20:07:02.08 ID:Ba6LMkYh0
えええええええええええええええ

278: 2008/05/24(土) 20:07:36.66 ID:aUwwUjQw0
なにそれええええええええええええええええええええええええええええ

281: 2008/05/24(土) 20:10:23.54 ID:YkeJOa5b0

とんでも無い終わり方ですみませんでした。
最後の方で台詞を喋ってる古泉の表情はレOプ目少女のあれでお願いします。
保守して下さった皆さんどうも有り難う。谷口が大好きです。

291: 2008/05/24(土) 20:22:11.99 ID:FQdt4Z2gO
>>1乙wwwwwww
俺も長門にwwwwwwww

引用元: 谷口と古泉と