from ハルヒ
Subject 無題
バーカ。キョンのバカ。
バカキョン。


……時と場合を考える。まあそれには程遠い女だとは知っていたが……
こんな時間にこれほど意味がないであろうメールが届いたのは初めてだ。
チェーンメールってやつだ。もしくは迷惑メール。開いて、見て、閉じる。終了。

ってしてしまうと、明日学校でうるさく言われるのだろうか？
言われないだろ。言われたとしても、俺になんの非が？この時間、健全な高校生は普通に考えて夢の中。
そうじゃないヤツも居るかも知れないが、俺はそうだ。

…
……一度ぐらいなら、返信してやってもいいか。
折角こんな時間まで起きてたんだ。こっちも迷惑なメール送って、すやすやと眠ってやろう。

from ハルヒ
Subject Re2
アホってなによ！失礼ね！
起きてたのね…早く寝なさいよバカキョン。


最初に言ってきたのはお前だろ。失礼ってのはおかしい。
起きてないだろうと思ってメールしてきたのか。やっぱり厄介だなハルヒは。

言われなくともすぐに眠る。
用がないならメールするな……とは言わないが、時間を考えてくれ。

送信。

from ハルヒ
Subject Re4
明日って数学あったわよね？宿題したの？
あんたのコトだから、やってないんでしょうけど。

寝ると言ってるだろうが。続けようとするな。
……宿題か……いかん、完全に忘れてた。
今からする気にもならない。当たり前だろ？当たり前だ。
明日写させてもらおう。こんな時間にこんなやりとりをさせられた代わりに。

……しかしこいつ、健全な女子高生なのに
絵文字や顔文字の一切も使わないのな。まあ……それはそれで、ハルヒらしいか。

送信。
っと、保存じゃない、送信。

from ハルヒ
Subject Re4
うるさいわね。ああいうのは嫌いなの。
めんどうでしょ？いちいち変換したりするのが。

嫌よ。やってないなら今からすればいいじゃない。
どうせこんな時間まで起きてるってことは、暇だったんでしょ？
その時間にやらなかったキョンが悪いわ。やっぱりバカキョンね。


ならせめて、語尾に（笑なりｗなりﾜﾗなりを付けてみろと。……いいや、キャラじゃないか。
あんなに騒がしいハルヒが、これじゃウチのオヤジみたいに見えるな。
しかしなんでこんな時間にまでこいつにバカにされないといけないんだ。

まぁいい。宿題は国木田にでも写させてもらう。
ジュースの一本、カ口リー○イトの一箱でも握らせれば十分だろ。
今から宿題をする気もなければ、お前とメールする気もなし。

送信。

from ハルヒ
Subject Re6
失礼ね！あたしだってあんたとメールする気なんてないわよ！
ただちょっと寝付けなかったから、適当にメールしただけ。

そういえばキョンって、妹ちゃんからもキョンって呼ばれてるわよね。
なんで？


……続ける気マンマンじゃないか。ビックリだよ。
それに、前に説明しなかったか？どうでもいい理由さ。俺も困ってる。
しかしこいつ……返信してくるの早いな。この辺りはさすが女子高生か？

そういえば俺、今女の子とメールしてるんだな。
それも涼宮ハルヒと。大人しくしていれば、誰でもチラ見してしまうような子と。
まああくまでも、大人しくしていればってわけだが。
こんなのでも羨ましがられたりするのか？　俺なら……しない。できれば代わってもらいたい。

送信。

from ハルヒ
Subject Re8
あ、そう言ってたわね。忘れてた。
妹ちゃんからもキョン君って呼ばれるなんて、そうそうないわよね。そういうの。
ねー？キョン君？


あぁもう。迷惑と言ってる傍から。
いつもそう呼ばれてる人からそう呼ばれるならいいが、お前に「キョン君」なんて言われると
背中から腰にかけてがムズムズする。やめろ。できればそう呼んでくれるのは、朝比奈さんだけにしておいてほしい。

ハルヒのアドレスって、これなんて読むんだ？
単語……じゃないな。適当な羅列？　あぁ、こいつ携帯買ってからアドレス変えてないのか。
今時居るんだな、そういうやつ。登録していないと、それこそ開く、見る、閉じるの一連動作になってしまいそうだ。

送信。

from ハルヒ
Subject Re10
照れちゃってるのキョン君？
かわいいわねー。顔さえ見えなければ、だけどねｗ

面白いから、キョンの登録名キョン君にしておいたわ。
キョン君からの鎌ってメールが届くたびににやにやしてあげる。
幸せに思いなさいよね？


そうかいそうかい。なら俺も、登録名「ハルにゃん」だ。
文句は言わせない。明日、お前が忘れた頃に見せてやる。受信メールも編集して
夜中にトイレに行けないハルヒがガタガタしながら俺にメールしてきたんだってな。

あの中からｗを選んだのか。何故にそれを。
素直に絵文字でいいじゃないか……意味わからずに使ってるんだろうな。

送信……っと、あれ？
続けて送ってきやがった……何？

from ハルにゃん
Subject Re10
アドレスは変えてるわよ。
変えないと変なメール沢山くるんだもの。
このアドレスも、適当に考えたんだけどね。


……一度で送れ。二度に分けるな。
そうすれば、ハルヒがカチカチとボタンを押している間に
俺もすやすやと夢の中に入っていけたのかもしれないのに……

こうなってしまうと、あいつが切り出すまで眠る気になれない。
俺の意地というか、あいつが寝た頃に変なメールを沢山送ってやる。

送信。

…
……
……返ってこないな。
眠ったか？さすがに……眠ったのか。

よし、それなら俺の反撃だ。なにを送ってやろうか？
谷口の変顔？　いや、あれはそんなに面白くなかった。
前に受信したチェーンメール……あいつがそういうのに引っかかるわけないよな。

……めんどうだな。
そもそもなんで俺が、ハルヒ相手にこんな時間にこんなことを考えないといけないんだ？
何故こいつがこんなに元気なのかはわからないけど、俺はさすがにもうそろそろ……


あ。
返ってきた。なんだよ、起きてるのかよ。
……？

from ハルにゃん
Subject Re12
なに考えてるのよ！消しなさいそんな名前！
あんたがそうするんだったら、あたしもずぅーっとこのまま変えないからね。
そのうち実際にキョン君って呼んでやる。変に勘違いされちゃえ。

ｗって笑の頭文字とかじゃないの？
コレがすぐに変換して使いやすいもの。意味もそんな感じでしょ？いいじゃない。

ちょっとキョン、テレビ点けなさいよ。
なんか面白い番組やってるわ。みくるちゃんソックリな子が出てるわよ？


……長い。別に全部に返答してくれなくてもいいし、わざわざ改行も挟まなくても。
もしかすると、ハルヒあんまりメールとか使わないのか？
そういえば……長門とメールするとも、朝比奈さんとは……するかもしれないが、なにかが一方的だろう。
古泉となんて想像すらできないな。そうか、そうだよな。

……仕方ない。そういうことなら、もう少しだけメールに付き合ってやるよ。
認めたくはないが、俺だって長くメールすることはバカな男友達とぐらいしかないし。
で、なんだ、ＴＶ？こんな時間なにかやってるのか？どれ、朝比奈さんのような天使が出てるなら仕方ない。

…
……どれもこれも砂嵐、気象情報じゃないか。
あぁ、懐かしいなぁこの曲。小学生の頃、よくＴＶで流れてた気がする。

ハルヒの嘘つきめ。
送信。

from ハルにゃん
Subject Re14
いいじゃない長くても。眠れないの。
あんたもそうでしょ？ちょっとぐらい長いのなんて気にしないの。
改行しないほうが見やすい？じゃあそうする。
やーいキョンひっかかったｗ残念ね？みくるちゃんなんてドコにもいませんー。
こんな時間まで鼻の下伸ばしてるあんたの表情が頭に浮かんできたわ。バーカ。

前半三行、なんか可愛いな。語尾に「の」がつくハルヒはなんだか新鮮だ。
こんな感じで……もう少し大人しければなぁ。いや、かなり大人しければ。

ってこの野郎。いや、この女。
無駄なウソをつきやがって……確かに期待はしたが、鼻の下は伸びていない。
というか男なら誰だって、あの可愛い顔らしきものが見えるってなら
どこにだって目をやる。そういうもんだ。

……ちょっとトイレ。
あーもー。完全に眠気がなくなってしまったじゃないか。バカハルヒ。

from ハルにゃん
Subject Re12
ちょっとキョン？
眠った？

from ハルにゃん
Subject Re12
こらー。
返事しろキョン君！


あのな。
世界はお前中心に廻っているのかもしれないけど
俺はお前中心じゃないんだ。返信ぐらい遅れる。
なんだなんだ、そんなに鎌ってほしいのか？　まったく……まったく。ちょっと可愛いって思ったじゃないか。

まあいい。
そろそろ眠らないと、本当にキツい。
丁度いい、この辺りで終了。このまま続けても、中身がないやりとりだろ？
おやすみハルにゃん。あとキョン君って言うな。むずむずする。


……寝ると言ってるだろうが！
あぁもう、今度は電話？ふざけるな。出ない。絶対出ないぞ。
…

キョン「なんだよ」
ハルヒ「あ、お、起きてるじゃないの！　ちゃんと返信しなさいよね！」

キョン「大声を出すな。時間を考えろ」
ハルヒ「うるさいわねー。眠れないの」
キョン「知らん。俺は眠れそうだったんだ」
ハルヒ「団長を差し置いて眠ろうだなんて許さないわよ」
キョン「なんだおｓれ、初めて聞いた」
ハルヒ「寝ちゃだめだからね？　……キョ、キョン君」
キョン「！　そ、そそっ、それで呼ぶなって！　むずむずするだろうが」
ハルヒ「あはは！　やっぱり照れてたのね？　キョンくーん♪」
キョン「…」

ハルヒ「でも呼んでるこっちも恥ずかしいわね」
キョン「だろ？　ハルにゃん」
ハルヒ「！！　そっ、それで呼ばないでよ気持ち悪い！！」

キョン「お互い様だ。どうだ、俺の気持ちがわかったか」
ハルヒ「……消したんでしょうね」
キョン「？　なにを？」
ハルヒ「だから、あたしの登録名」
キョン「あぁ、あれか？　あ……まあ、なんだ。最初から変えてないよ」
ハルヒ「え？　そうなの？」
キョン「めんどうだろそんなの。ハルヒは本当に変えてたのか？」
ハルヒ「そそ、そんなわけないじゃない！　言ってみただけよ！　いちいち登録名変えるなんて、めんどうだもん！」
キョン「……あぁそうかい」

キョン「で、なんだよ。もう切っていいか？」
ハルヒ「まだ眠くない」
キョン「知らん」

ハルヒ「なんで起きてたの？」
キョン「なんとなく」
ハルヒ「ずっと？　一回も寝てない？」
キョン「おぅ」
ハルヒ「なにしてたの？」
キョン「別に」
ハルヒ「好き」
キョン「ふーん」
ハルヒ「……人の話、聞いてないでしょ？」
キョン「聞いてるよ」
ハルヒ「ウソ。じゃあ今、あたしなんて言ったか言ってみなさいよ」
キョン「好きって言っただろ？　で、なにが？」
ハルヒ「！！！！　ききっ、聞えてるならちゃんと反応しなさいよ！　ツッコみなさいよバカ！」
キョン「こんな時間なのに元気だなお前は……」

キョン「……ふぁーっ」
ハルヒ「ちょっと、アクビしないでよ」
キョン「無理を言うな」

ハルヒ「眠い？」
キョン「眠いよ。さっきからそう言ってるだろ？」
ハルヒ「勝手に眠ったら怒るわよ。あたしが眠るまで、電話切るの許さないから」
キョン「何故お前にそんな……だけど時間の問題だ。もう布団の中だしな」
ハルヒ「あたしもよ」
キョン「そうか」
ハルヒ「……うつ伏せ？」
キョン「仰向け」
ハルヒ「あー、そっか。……うん、ふふっ」
キョン「？　なんだよ、気持ち悪いな」
ハルヒ「うるさいー」

ハルヒ「明日ねぇ、放課後有希の家の方に行ってみようと思うの」
キョン「元気だな……多分俺は、すぐ帰ってすぐ爆睡だぞ」

ハルヒ「なに言ってるのよ。あんたも着いてきなさいよね」
キョン「……ふざけんな」
ハルヒ「いいじゃない。お互い様」
キョン「誰の所為でこんな時間まで起きてると思うんだよ」
ハルヒ「あたしの所為だっていうの？」
キョン「おう」
ハルヒ「メール返してきたのはあんたでしょ。だからキョンの所為。しーらないっ」
キョン「……まったく。自分勝手だなお前は」

キョン「お前もなんでこんな時間まで起きてるんだよ」
ハルヒ「キョンには関係ないでしょー」
キョン「ふざけろ」

ハルヒ「ねぇキョン？」
キョン「んだよ」
ハルヒ「別にー」
キョン「切るぞ」
ハルヒ「あ、ちょっ、まちなさいよ！　怒るわよ！」
キョン「あのなぁ」
ハルヒ「えっとね、白夜って知ってる？」
キョン「ビャク？　なに？」
ハルヒ「白い夜って書いて、白夜。知らない？　知らないわよね」
キョン「知ってるよ。あれだろ、夜なのに明るく見えるとか、そういうの」
ハルヒ「…」
キョン「なんとか言えよ」

ハルヒ「アレが見たいなーって」
キョン「無理だ。日本じゃ到底拝めない」
ハルヒ「わ、わからないでしょそんなの」

キョン「位置的に無理なんだって。日本で確認できるなら、地球の回転がエラいことになる」
ハルヒ「…」
キョン「知らなかった？」
ハルヒ「！　知ってたわよ！」
キョン「ウソだ」
ハルヒ「ウソじゃない！」
キョン「……なんだ」
ハルヒ「なによ」
キョン「あの、間違っても本気で見たい！　なんて思わないでくれよ？　なにか、それはマズいと思うから」
ハルヒ「？？」
キョン「……もう眠いよハルヒ。マジで限界だって」
ハルヒ「だーめ」
キョン「可愛い声出しても、無理なもんは無理だ」
ハルヒ「だ、出してないわよそんな声！　……布団に潜ってるから、そう聞えるだけよ」
キョン「？　暑いだろ？　潜るなよ。変なの」
ハルヒ「…」

ハルヒ「…」
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「……寝たか」

ハルヒ「起きてるわよ」
キョン「寝ろよ」
ハルヒ「白夜見たい」
キョン「無理だって。見れそうなトコ、行ってこい」
ハルヒ「ドコよ？」
キョン「さぁな。南極とかじゃないのか？　そこまでは知らない」
ハルヒ「……連れて行きなさいよ」
キョン「あ？」
ハルヒ「なんでもないわよ。　……眠い？」
キョン「何度も言ってるじゃないか」

ハルヒ「じゃあね、コレ守ったら寝てもいいわよ」
キョン「あいあい。わかったよ、守ってやる」
ハルヒ「て、適当に返事してるんじゃないわよ！」

キョン「ったく、なんだよ？」
ハルヒ「……さっき言ったこと」
キョン「あ？　なんか好きとかどうとか？」
ハルヒ「それじゃないわよ！　今さっき！」
キョン「…」
ハルヒ「やっぱり聞いてない」
キョン「えーと」
ハルヒ「白夜を観に、いつかあたしを連れて行きなさい」
キョン「……なんで俺が」
ハルヒ「守るって言った。キョン言ったもん」
キョン「だーかーら。それは日本じゃムリなんだって」
ハルヒ「……じゃあわかったわよ。明日。明日の放課後、ちゃんと付き合いなさい。これ以上は譲らないわ」
キョン「わーったよ。付き合ってやる」
ハルヒ「え？　あ、　……うん///」
キョン「？」

キョン「じゃあ寝るぞ」
ハルヒ「仕方ないわね」

キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「いや、切れよ」
ハルヒ「あんたが切りなさいよ」
キョン「おぅ」
ハルヒ「あ、待って！　待ちなさいっ！」
キョン「んだよもう」
ハルヒ「……なんか言うことあるでしょ」
キョン「ないよ」
ハルヒ「寝るんならあるでしょ！　おやすみとか、また明日とか！」
キョン「オヤスミハルヒ。また明日」
ハルヒ「……聞えない」
キョン「…」

キョン「ハルヒ、おやすみ。また明日、学校でな」
ハルヒ「うん。　おやすみ……キョン」

ったく。
なんだこれ、寝る意味あるのかこの時間。
なんでこんな朝まで……あいつもそうとう暇なんだな。

最後の方、ちょっと可愛い声になっていた。
まあハルヒに限らず、眠そうな女の子ってのはそういうもんだと思う。
朝比奈さんなど、それだけで何人ものボディーガードができてしまうだろう。

白夜か……あいつ、マジでそんなもの観たいなんて思わないでくれよ。
これ以上に眠れない夜なんて勘弁だ。もう二度と夜中にあいつのメールなんぞ受け取らない。
明日、いや今日か……間に合うか？　間に合わないな。確実に。

その上放課後までハルヒに付き合うなんて……
あの体力はどこから沸いてるんだよ。全く。俺にその秘訣を教えて欲しいぐらいだ。

さあ寝るぞ。
それが例え、寝ると言える時間じゃなくても……少しは意味があるはず。そう願いたい。
そして俺が明日遅刻しても、宿題を忘れてもそれは全部ハルヒの所為だ。
俺に罪はない。



そう。俺はハルヒに振り回されただけ。
ハルヒって名の、夜も変わらず迷惑に騒ぎ立てる……世間知らずの白夜にな。

あ、終わりとか完ってつけるの忘れた。
>>45で終わりです。はい！落とせ落とせ！寝ろおまいら！あと俺！

眠れない夜ー。ハルにゃんの所為ー。
朝から用があるのに、パジャマ着てネムネムなハルにゃんを想像すると想像が止まらない！

気がつけばリアルタイムのような会話に。
いいよなぁ。こういうの。ハルヒずっと布団の中でもんぞもんぞしてそう。可愛い。
あと俺に白夜の知識なんてありません。ググレば一番上にソープのＨＰが出るぐらいしか知りません。

おやすみー。
寝不足な人は、アレだ。あんたもハルヒとメールしてたんだよとかそんなの。

終わりかよ

お疲れ～
ハルにゃんかわゆすwwww

おつ