1: 2012/10/09(火) 19:32:10.36 ID:VLS+n+jf0
ハグリッドの小屋

ハーマイオニー「賢者の石、賢者の石、っと……ニコラス・フラメルが作った、黄金と、永遠の命の水を生成することができるという代物ね」

ロン「君がどこにでもそのかるーい読書にうってつけなご本を持ち歩いていて助かったよ。それにしても、おったまげー」

ハニー「へぇ。ホグワーツで、そんな代物が守られていたのね」

ハグリッド「あぁ、俺ぁなんちゅうことを。ダンブルドア先生様との約束で誰にも話しちゃなんねぇのに……」

ハニー「大丈夫よ、ハグリッド。あなたは私の豚として正しいことをした、そうでしょ?さ、使える豚にはご褒美をあげなきゃ、ね?」フーッ

ハグリッド「おっほぉー!お前さんの息を俺みてぇな豚の耳に吹きかけてもらえるなんて光栄、光栄だハニー!ヒンヒン!」

ロン「いいかいハーマイオニー、今のハニーの心情は『本当は抱きついてありがとうって言いたいのに!』さ」

ハーマイオニー「勉強になるわ」

ハニー「……ロン?私の豚?」

ロン「なんだいハニー!」

ハニー「口をつぐんでヒンヒン鳴くか、向こう脛を蹴飛ばされるか、どちらがいいかしら」

ロン「どっちもさ、もちのロンでね!!ヒンヒン!」


ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」
3: 2012/10/09(火) 19:33:45.45 ID:VLS+n+jf0
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」の続きやで堪忍な
とりあえず半端で終わったけ、賢者の石編書ききるで

9: 2012/10/09(火) 19:39:51.61 ID:VLS+n+jf0
ハーマイオニー「それにしても、あのトロールを入れたのは誰だったのかしら、って、ハグリッドと話そうとしただけだったのだけれど」

ハニー「思った以上の収穫ね。流石よ、ハグリッド。あなたは出来る豚ね」

ロン「それじゃ、あのデカブツは――あ、君のことじゃないよハグリッド――どこかの誰かが、そのなんだか凄い石を盗むために入れたってことなのかな」

ハグリッド「は、ハニーに褒められるのはとんでもなく嬉しいが、お前さんら、このことにはあんまり関わっちゃいけねぇ!いかん、いかん!」

ハーマイオニー「そうは言っても、ハグリッド。私達、巻き込まれちゃったのよ。知らん振りできないわ」

ハニー「私達が豚を倒した後、先生たちがやってきたわよね?」

ロン「あぁ。マクゴナガルやら、卒倒してたはずのクィレルやら、それに、ダンブルドアまで」

ハーマイオニー「ほとんどの先生が、あの場にいたわね……あっ。でも……スネイプ先生だけは、いらっしゃらなかったわ」

12: 2012/10/09(火) 19:46:09.14 ID:VLS+n+jf0
ロン「ビンゴだね」

ハニー「あの童O……まだ虐められ足りないのかしら」

ハグリッド「お、おめぇさんらそりゃ早とちりもいいところだぞ!?ほら、スネイプ先生はあれだ、医務室で入院しちょるんだろうが!」

ハーマイオニー「でもあの場に、いなかったことは確かよね」

ロン「大方騒ぎに乗じて、医務室から抜け出したんだろうさ。あっ、ひょっとしたら怪我をしてるっていうのも、嘘なのかもしれない」

ハニー「豚にすらしたくもない性根ね、始めて目を見た時から分かっていたけれど」

ハーマイオニー「あぁいう人が苦手なのね、ハニー」

ハニー「勘違いしないで、グレンジャー。私が恐れるのは退屈と体重計だけ、それだけよ」

ハーマイオニー「……ヒンヒン」

ハニー「っ!や、やめ、やめてよ、は、はー……ハーマイオニー」

ハーマイオニー「よろしい。ふふっ」

ロン「あ、僕はいないものとして、続けて、どうぞ」

ハグリッド「俺もだ」

ロン「ハグリッド、どんな近眼相手でもそりゃ無理があるよ」

14: 2012/10/09(火) 19:51:15.42 ID:VLS+n+jf0
ハニー「私の豚?ハグリッド?あなたならきっと知っているのよね?その石っていうのが、どこに、あるか?」ツツーッ

ハグリッド「うっ、そ、そりゃそうだが、いかん!いかんぞ!俺ぁお前さんを危険な目にあわせっちまうわけにいかねぇ!ダメだ!」

ロン「口を割らないならその腕をツツーッてされるの代わってくれよハグリッド!僕はハニーの一番の豚だぞ!!」

ハーマイオニー「全く意味のないことをさせないの。ハグリッド?きっと、あなたがハニーと金庫に行った日に取り出したっていうのが、その石なのよね?」

ハグリッド「うっ、お、お前さんらはちーとばっか頭が回りすぎちょる!いかん、いかんぞ、は、ハニー!俺は教えん!あの仕掛け扉のことなn……あぁ!!」

ハニー「はい、ありがとう」フーッ

ハグリッド「おっほぉー!ありがてぇ、ありがてぇ!ヒンヒン!」

16: 2012/10/09(火) 19:56:25.44 ID:VLS+n+jf0
ハグリッド「もうこれ以上は絶対に喋らんぞ!あぁ、ハニー!お前さんの命令でも、だ!お、俺ぁダンブルドア校長の任してくれたもんを破っちゃいけねぇ!」

ハニー「ふぅん、中々にあのご老人も手懐けているようね……」

ロン「君の豚達に対する愛情ほどじゃないよ、ハニー!僕はいつも受け止めているよ、ハニー!」

ハーマイオニー「……仕掛け、扉……あっ」

ハニー「……ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「……ダメよ。ハグリッドの、言う通りだわ。これは、生徒がこれ以上関わっちゃ、いけ……あっ」

ハニー「ハーマイオニー?私、あなたと同じ部屋になってから、ほんとはずっと、こうしたかったの」ツツーッ

ハーマイオニー「あ、あぁ、ダメ、ダメよハニー、ダメ……ロンたちがみてるわ、あ、見てなきゃいいって話じゃ……///」

ロン「つづけて」

ハグリッド「どうぞ」

22: 2012/10/09(火) 20:02:28.60 ID:VLS+n+jf0
ハーマイオニー「ふーっ、ふぅ、わ、私の方が上手(うわて)だと、思ってたのに!」

ハニー「残念ね、ハーマイオニー。まだまだあなたじゃ常に私の上には立てないわ」

ロン「たとえすこーし君の素を知っていても、ってね」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!」

ハグリッド「なんの話かわかんねぇが、ハーマイオニー……おめぇさん、何を気づいたっちゅうんだ?」

ハーマイオニー「あ、あのね。石が守られているのは……四階の廊下、あの三頭犬の足元にあった仕掛け扉の向こう、じゃないかしら」

ハグリッド「!?」

ロン「へーぇ、奴さんの足元はそうなってたのかい?僕はハニーの足を舐めるので精一杯だったよ」

ハニー「私も、跪かせた三頭犬の肉球に夢中だったわ」

ハグリッド「し、しまった!フラッフィーじゃなく俺が守っちょれば、ハニーにモフモフしてもらえたのか!!」

ハーマイオニー「ハグリッド、あなた、校長先生との約束を守る気はあるの……?」

24: 2012/10/09(火) 20:08:19.96 ID:VLS+n+jf0
ハニー「賢者の石っていうものがこの城にあって」

ロン「それで、そいつはあの四階の廊下の仕掛け扉の中にあって」

ハーマイオニー「そして、そこはあの三頭犬が守っている、ということね?」

ハグリッド「あ、あぁ、なんちゅうこった!また口を滑らしちまって、俺、俺ぁもう酒はやらんぞ!」

ロン「いや君しらふだよ」

ハニー「この私という存在に常に酔っているのよ、そうよねハグリッド?だからあなたは何も悪くないの。平気よ、この私が許してあげる」

ハグリッド「は、ハニー……お前さん、お前さんは、天使だ……」

ハーマイオニー「重症ねぇ」

ロン「何言ってるのさ、ハグリッド!女神、ハニーは僕らの女神だろ!?」

ハーマイオニー「……もう何も言うまい、だわ」

26: 2012/10/09(火) 20:14:24.00 ID:VLS+n+jf0
翌日

ロン「それで、ハニー。どうする?今すぐ命令してくれれば、僕、あの廊下に飛びこんじまうけど」

ハニー「いいえ、別にいいわ。永遠の命だの黄金だのに、興味はないもの」

ロン「あー、そうだね。君なら自力で手に入れられそうだ、何せ僕らのハニーだもの」

ハーマイオニー「私の親友をどんどん超人にしないで。でも、スネイプが何をしたいのか、は」

ハニー「気になるわね、えぇ。あの童O、それでハーレムでも築く気かしら」

ロン「僕は君だけがいればいいよ、ハニー!」

ハニー「当たり前でしょう、私の豚」

ロン「ヒンヒン!」

ハーマイオニー「そんな小さなことなのかしら……あぁ、でも良かったわ。今日からスネイプ先生の授業は再開だそうだもの」

28: 2012/10/09(火) 20:18:43.67 ID:VLS+n+jf0
ロン「そりゃいいや、奴さんの面を見て、何を考えてるのか暴いっちまおう」

ハニー「言っておくけれど、あれは私の豚になんてしないわよ?」

ハーマイオニー「承知しているわ……あ、あそこを歩いているの、スネイプ先生じゃなぁい?」

ロン「ほんとだ。顔の包帯は取れてるな、でも……おいおい、なんだいあいつ。足を引きずってるぜ」

ハニー「ふぅん。まるで大きな獣にでもやられたようじゃない?それとも、誰かの折檻でも受けたのかしら」

ロン「ハニー、ハニー!僕は君に何をされても次の瞬間には飛び起きるよ、ハニー!」

ハーマイオニー「ロン、ちょっと黙って……あ、スネイプ先生に気づかれてしまったわ」

スネイプ「…………」

32: 2012/10/09(火) 20:26:39.93 ID:VLS+n+jf0
ハニー「ごきげんよう、スネイプ先生?」

スネイプ「……」

ハニー「すっかりご体調もよろしいようで、なによりだわ」

スネイプ「……」

ハニー「……」

ロン「おい!ハニーを無視するなんて、いくら先生でもやっていいことと悪いことがあるんではないですか、先生!」

ハーマイオニー「ロン、抑えて、抑えて頂戴。そんな口を先生に利いてはいけないわ」

スネイプ「……やはり見た目はリリーそのもの……しかし、この目、この目が……」ブツブツブツブツブツ

ハニー「?」

スネイプ「いやむしろこの目のせいで台無し、台無しではないかリリーという完璧な芸術に……そうまるで完成間近の魔法薬にハチミツを……」ブツブツブツ

スネイプ「……その反抗的な目が気に食わん、ポッター。グリフィンドールから5点減点」

ハニー「はぁ……?」

ロン「おい!おいふざけるなよ!ハニーをからかっていいのは僕r」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだい僕らのハニー!ヒンヒン!」

34: 2012/10/09(火) 20:33:17.15 ID:VLS+n+jf0
地下廊教室

スネイプ「この授業では、非魔法族生まれの者も魔法族生まれの者も、はたまたたとえ、魔法界の英雄様であっても?等しく我輩の前ではおちこぼれであり、また出来損ないである」

スネイプ「特に、奢り高ぶった女王様気分の者は、よーく聞いておくことですな?いいですかな、グリフィンドールの?天下を獲るとかいう、英雄のお嬢さん?」

ドラコ「ぷぷっ」

ハニー「……」

ロン「ハニー、あのイヤミ野郎をぶっ飛ばす準備はグリフィンドール生全員すんでるぜ」

ハニー「いいわよ、全く、嫌味がお子様ね。相手をするだけ無駄だわ」

ハーマイオニー「本当に、スネイプはあなたのこと、嫌っているのね」

ハニー「……そのようね、えぇ。私だって同じだわ」

38: 2012/10/09(火) 20:39:25.22 ID:VLS+n+jf0
スネイプ「私語は慎めと以前言ったはずだが?」

ハニー「えぇ、あなたが突然ドングリのお坊ちゃんみたいに泣きながら鍋に飛び込んだ日にね、聞いたわ」

スネイプ「反抗的な態度にグリフィンドールから5点減点。それと、『聞きました、“先生”』」

ハニー「あら、私を先生と呼んでいただかなくても結構よ?」

ロン「ヒューッ、ハニー!たまんねぇぜ!」

ハーマイオニー「は、ハニー、ダメよ、そんな挑発的な……あぁ」

スネイプ「……グリフィンドールから十点減点」

41: 2012/10/09(火) 20:42:54.58 ID:VLS+n+jf0
スネイプ「授業を始める……その前に、ポッター」

ハニー「何かしら、先生?」

スネイプ「アスフォデルの球根に、ニガヨモギを煎じたものを加えると、何にn」

ハニー「『生ける屍の水薬』、眠り薬です、先生」

スネイプ「……」

ハニー「あなたがお長い休暇を取っている間に、私、教科書のだいたいの事は覚えてしまったのだけれど?ふふっ」

ロン「君と仲良くなるためだぜ、ハーマイオニー」

ハーマイオニー「なぁにそれ可愛い」

スネイプ「……傲慢な態度に十点減点!」

ハニー「どうぞ、お気がすむまで。必氏になっちゃって」

43: 2012/10/09(火) 20:47:44.94 ID:VLS+n+jf0
ロン「ごっそり減点されっちまったな……あぁハニー、君を悪く言ったように聞こえたら僕を蹴っ飛ばしてくれ。あの、スネイプの野郎め」

ハーマイオニー「あれから何度も事あるごとにハニーから減点していったわね……ハニー、平気?」

ハニー「別に、あれくらいでは答えないわ。幸い、次の『妖精の呪文(呪文学)』の豚は、私がノートをめくるだけて点をくれるもの」

ロン「あぁ、なにせ君のノートのめくり方と来たら、まるで混沌とした世界を新たに創り返る様を見せられているようなものな」

ハーマイオニー「書ききったページをめくって真っ白になっただけだと思うわ」

46: 2012/10/09(火) 20:55:14.68 ID:VLS+n+jf0
ロン「ともあれ、あれくらいの減点、へっちゃらさ」

ハーマイオニー「ハニーが言うのは分かるけど、どうしてあなたまでそんなに自信満々なの?」

ロン「あぁ、なにせ今度の土曜日は、クィディッチだろ?」

ハニー「私の初試合、ね。豚を増やすチャンスだわ」

ロン「その通り。そして、僕らのハニーがシーカーをするチームが負けるなんてありえない」

ハーマイオニー「なるほど。その点数をあてにしている、ということね。シーカーって、どんなポジションだったかしら」

ハニー「取れば試合終了で、チームに一五〇点が加算される『スニッチ』を獲るポジションよ。私にうってつけね、ひれ伏させてあげるわ」

ロン「あぁ、実際練習じゃぁどのスニッチもすぐにハニーに飛び寄って『獲ってください!』って言わんばかりだったそうだしね、兄貴によると」

ハーマイオニー「そう……あぁ、でも不安だわ。何かあったら、って思うと」

ハニー「あら、心配してくれるの?」

ハーマイオニー「あたりまえよ!あなたは大事な、お友達で……」

ハニー「あっ……あ、あり、ありが、と」

ロン「あー、悪いね。僕ちょっとトイレ、ホントごめんよ、なぁに、すぐにスッキリしてくるさ、もちの僕で」

49: 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0
土曜日・クィディッチ競技場

解説「な、なんということでしょう!!グリフィンドールの期待の新星、あの、は、ハニー・ポッターが!」

ハニー「っ、っ!!おとなしく、しなっ、さいよ!!」

ハーマイオニー「ほ、箒のコントロールを失って、暴れまわられているわ!」

ロン「ど、どうなってんだ!?ハニーの飛行の腕前で、あんなことになるはずが……まさか、誰かが悪戯を!?あのフォイフォイ野郎か、ちっくしょうマーリンの髭!髭!!」

ハグリッド「いんや、ありえねぇ、そいつぁありえねぇぞ、ロン!ありゃぁ最新型のニンバス2000だっちゅうし、箒なんて代物に生徒がちょっかいなんざ、かけられねぇ!」

ハーマイオニー「……それが生徒なら、ね!ロン、あそこ!スリザリンの応援席、見て頂戴!」

ロン「な、なにさ!今、僕はハニーの健康的な太ももを見るのに忙しいkいやいやHAHAHAハニーの心配を……」

ハーマイオニー「いいから見なさい!あそこ!クィレル先生が固唾を呑んで見守ってる後ろ!スネイプが……まばたき一つせず、ハニーを睨んでるわ!!」

ロン「な、なんだって!あの野郎!ハニーの豚は僕だぞ!!!」

ハーマイオニー「いっぺんそれから離れなさい!!!!」

55: 2012/10/09(火) 21:07:15.29 ID:VLS+n+jf0
ワーーーワーーーー!!

グリフィンドール生「スニッチを燃やせーーーーー!!!」
グリフィンドール生「ハニーの制服の中に入りやがったスニッチは浦山氏刑じゃああああああ!」
グリフィンドール生「勝ち負けなんざどうでもいい!そのスニッチをよこせーーーーーー!!」

フーチ「いけません!試合に使われたスニッチは大事に保管される決まりで、下がりなさい!下がりなさい!

ワーワーワーー!!

ハグリッド「……クィディッチ競技場は、大変な騒ぎになっちょるな」

ロン「なぁハグリッド、君ならあの審判のフーチ先生からスニッチを奪ってこられるんじゃ……」

ハーマイオニー「バカなことを言っていないで。ハニー、平気?」

ハニー「えぇ、全然。全然平気よ。勝てて、良かったわ」

ハーマイオニー「そういうことじゃなくて……怖かったわよね」

ハニー「この私が、怖い?冗談。冗談キツイわ、ハーマイオニー」

ハーマイオニー「あなたの強情もね。はい、お茶よ」

ハニー「……美味しい」

59: 2012/10/09(火) 21:14:11.81 ID:VLS+n+jf0
ハニー「それじゃ、あの童O教師の仕業なのね」

ロン「あぁ、大方こないだ君にこっぴどくあしらわれたのに腹がたったんだろうさ。全く、ご褒美だって思えないのかな」

ハグリッド「それだから豚になれっちゅうことだ……いや、いやいやいや!お前さんら、なんでスネイプ先生を疑う!?」

ハーマイオニー「だって、ハグリッド。私達、見たじゃないの。スネイプ先生がハニーから目を離さず、何かブツブツ言っているところ!」

ハグリッド「お、大方また自制するために必氏だったんだろうて……大体なぁ、ホグワーツの教師がそんな理由で生徒に呪いなんざ……」

ハニー「じゃぁ、こっちの線はどうかしら。あの童O教師は、私がハロウィーンの日に自分が何をしていたのか検討をつけている、と気づいて」

ロン「!そうか、邪魔される前に……君を!?殺そうと!?野郎、屠頃してやる!!」

ハーマイオニー「ハニーの豚はあなたの方だから屠殺はおかしいわロン、落ち着いて!

62: 2012/10/09(火) 21:22:12.17 ID:VLS+n+jf0
ロン「落ち着いてるさ!落ち着きすぎてチャドリー・キャノンズの優勝パレードをしたい気分だよ!!」

ハグリッド「そりゃぁこの上なく錯乱しちょるってことだ、ロン、やめろ!スネイプ先生はそんなこたぁしねぇ!」

ハニー「ハグリッド?やけにあの童O教師を庇うのね……?」

ハグリッド「うっ……は、ハニー。俺達のハニー。そんな目で、見ねぇでくれ……うぅ」

ハニー「……私、私の豚たちには、精一杯、一杯一杯、優しくしてきたつもりだけれど?」

ハグリッド「うー、うーぅ、ハニー、これぁ俺だけの問題じゃねぇんだ……」

ハニー「……そう。なら……信じるわ」

ハグリッド「どんな罰でも受ける!豚から畜生になってもえぇ!だから……へ?」

ハニー「私の大事な豚の言うことだもの、信じてあげる。あなたはずっと、私に使える豚であることを示してきたもの、ね?」

ハグリッド「は、ハニー……」

ハニー「……わたし、あなたを。信じて、いいのよね?」

ハグリッド「…………」

ロン「あ。ハグリッドの奴、失神してら」

ハーマイオニー「人ってあまりにも可愛いものを見ると意識失うのね」

ハニー「誰のことを言っているのかしら、私、想像もつかないわ。美しいのは否定しないけれど」

65: 2012/10/09(火) 21:29:41.72 ID:VLS+n+jf0
冬休み

ハーマイオニー「いぃ?私がいない間に、二人で四階の廊下に行かないこと!」

ハニー「えぇ、そうしないでいてあげる。約束するのは私の方だけれど」

ロン「ハニーが行けって言ったら僕ぁハニーの言うことに従うよ、何においても。何せ僕、ハニーの一番の……」

ハーマイオニー「一番の豚ならハニーのことを考えて行動しなさい!全く、あなたは……あぁ、やっぱり私もクリスマス休暇、城に残ろうかしら」

ハニー「ダメよ。あなたには、あなたを待ってる家族がいるんでしょ」

ロン「僕ん家は両親と妹で長男のビルんちに行ってるからね。まぁそうでなくとも僕はハニーといたろうけど」

ハーマイオニー「ハニー……でも私、とっても寂しいわ。手紙、書くわね」

ハニー「ふぅん。それなら私の白豚にしっかり調教をしておかないと、ね。私の時間をかけた手紙がどこかに行ってしまわないように、だけど」

ロン「おい、ハニーのふくろうの白豚、この冬君はどうやらゆっくり寝る暇はないらしいぜ」

白豚「ピピィー!?」

67: 2012/10/09(火) 21:37:37.97 ID:VLS+n+jf0
クリスマス

フレッド「メリークリスマス、愛し君!我らがグリフィンの勝利の女神様、ハニー・ポッター!」

ジョージ「哀れな子羊の僕らに、暫しの間君と合間見えたことの感動と喜びを堪能する時間を!」

ハニー「ハァーイ、メリークリスマス。そんなに敬愛していただけるのなら、首輪を受け取ってもいいのよ?」

フレッド「おーっとお嬢さん、そいつを受け取るわけにはいかないのさ、とってもとってもステキな申し出なのだけどね」

ジョージ「君にはロニーを任せてる、僕らの面倒までみてもらわなくって結構さ。優しい君の思いだけ受け取っておこう」

ハニー「……あなたたちって」

ロン「やぁ、ハニー!僕らのハニー!ヒンヒン!」

ハニー「あら……ふふっ、私の豚、いいえ、トナカイさん?衣装は気に入ってくれた?」

ロン「もちのロンさ!僕、これ、一生着ることにするよ!ヒンヒン!」

69: 2012/10/09(火) 21:42:41.77 ID:VLS+n+jf0
ロン「だぁーれもいない談話室っていいなぁ」

ハニー「この私と、ロンの兄弟だけだものね」

ロン「パーシーは勉強だなんだって降りてこないし、フレッド、ジョージは方々で遊びまわっているものな」

ハニー「私達も宿題はやるべきだけれど、こう寒いとその気にもならなわね」

ロン「あぁ、ごめんよハニー!暖炉の火を強くするかい?」

ハニー「いいえ、そっちはいいわ。でもちょっと体勢を変えるから、もう少し上に移りなさい?」

ロン「合点さ!たとえフカフカのソファーでも、君が座るときは常に僕はマットだよハニー!」

ハニー「あなたは出来るトナカイさんね」

71: 2012/10/09(火) 21:48:04.16 ID:VLS+n+jf0
ロン「うーん、っと……ハハハ、ハニーは強いなぁ」

ハニー「……」

ロン「えーっと、こりゃぁ僕は手詰まりかもしれないや。困った、困っちまうなぁ」

ハニー「ロン。私のトナカイ、私の豚」

ロン「……なんだい、ハニー」

ハニー「回りくどいのは嫌いよ。いい?手なんて抜いたら、承知しないわ」

ロン「……あー」

ハニー「……」

ロン「クイーンを、前へ。チェック・メイト」

ハニー「……女王で幕引きなんて、私へのあてつけかしら」

ロン「ち、違うんだハニー!ごめん、ごめんよハニー!でもチェスはこの豚いいやトナカイな僕の唯一のとりえなのさ、ごめん!ごめんよハニー僕のハニー!」

ハニー「どうして謝るの、誇りなさい。この私に一度でも一泡ふかせたのだから」

ロン「一度?」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!もう一回やろうか、ハニー!君とやるチェスは最高さ!!」

73: 2012/10/09(火) 21:52:48.86 ID:VLS+n+jf0
ハニー「そういえば、プレゼントが届いているのよね」

ロン「あー、そうだね!チェスなんてやめっちまおう、うん!」

ハニー「……駒落ちしてもらっても勝てないなんて」

ロン「忘れようハニー、君は最高だよハニー。さっ、君へのこの小山ほどもあるプレゼントを開けちまおう。日が暮れるよ」

ハニー「訓練された豚が大勢増えたおかげね。あっ、お菓子はあなたにあげるわ、ロン。いつもよく働くご褒美よ」

ロン「ホントかいハニー!」

ハニー「もう二度と体重計にデカイ顔はさせないわ」

76: 2012/10/09(火) 21:56:36.15 ID:VLS+n+jf0
ハニー「これって、なぁに?古臭いマントかしら。最後に開けるというのに、外れを残してしまったようね」

ロン「……あぁ、ハニー。僕、それ、もしも僕が思っている物と同じなら。きっと、とんでもなく貴重な物だ。君の存在の次に」

ハニー「当然ね、私は至高で最高で究極だから。それで、なぁに?回りくどいのは嫌いよ、何度も言わせないで」

ロン「それ、それは……『透明マント』だ、ハニー!すっごいや、流石ハニー、貢物もハニー級ってわけさ!」

ハニー「『透明マント』??」

80: 2012/10/09(火) 22:01:15.71 ID:VLS+n+jf0
ロン「ほら、見てみなよ!君がマントで覆った部分が、すっかり消えてなくなっちまった!」

ハニー「これは……ふぅん。少し、確かにすこーし、凄いわね。流石の私も、存在を消すことはできないもの」

ロン「君はどこでもいつでも輝いているからね、あぁ。あっ、手紙だ、ハニー!マントが入っていた包みに、手紙があるみたいだよ」

ハニー「……『君のお父さんが亡くなる前にこれを私に預けた』」

ハニー「『君に返す時が来たようだ』」

ハニー「『上手に使いなさい  アルb~~~~』」

ロン「……だ、誰からだろうね、ハニー。あぁ、僕はこの城の最高の校長先生がそんなにおとぼけなはずがないと信じているよ」

ハニー「豚の素質あり、かしら」

84: 2012/10/09(火) 22:05:55.42 ID:VLS+n+jf0
深夜

ロン「クリスマスパーティーは凄かったね、ハニー」

ハニー「えぇ、まさかハグリッドが『どじょうすくい』をしっかり出来てしまうなんて」

ロン「君からの無茶ブリは僕らにとっての使命と同じさ、あぁ」

ハニー「当然よ……さぁ、もう寝ましょうか。あの子への手紙も書きおえたところだもの」

ロン「あぁ、それ手紙だったのかい。ハニー、君のことだから素晴らしい長編小説をたしなめているところかと」

ハニー「あら、なんだかこの寒空に放り出されたいトナカイさんがいるようね?」

ロン「今の僕はクリスマスのトナカイさ!飛んで見せるよ、ハニー!君のためにね!」

ハニー「そう、今度乗させていただくわ。おやすみ」

85: 2012/10/09(火) 22:08:39.82 ID:VLS+n+jf0
ロン「……」

ハニー「……」

ロン「女子寮に、行かないのかい?」

ハニー「行くわ、もちろんよ。あなたは?」

ロン「あぁ、僕もすぐに。ここでハニーを見送ったら、すぐに寝室に上がって、疲れっちまったからそのままベッドに直行さ!君の夢を見れるといいな!」

ハニー「……そう」

ロン「ハニー。僕らのハニー」

ハニー「なぁに?」

ロン「無茶をしちゃ、駄目だぜ。おやすみ」

ハニー「……えぇ」

87: 2012/10/09(火) 22:12:05.32 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……本当は、ロンも一緒に誘って。このマントを使って、色々探ってみたかった、けれど」

ハニー「……このマントは、私の……『お父さんが亡くなる前に』……」

ハニー「……」

ハニー「今日だけ。今夜だけ、一人で行かせて。この大事なマントを……わたしだけで。ごねんね」

ハニー「……なんでだろう。こんな薄いマントなのに」

ハニー「あったかい、な」

ギィィッ、バタンッ

90: 2012/10/09(火) 22:16:30.52 ID:VLS+n+jf0
ハニー「見えないと分かっているけれど、なんとなく、廊下の真ん中は歩きがたいわね」

ハニー「……そもそも、私。このマントを使って、何がしたいのかしら」

ハニー「ニコラス・フラメルのことはとっくに分かっているし、賢者の石が守られている場所の検討もついている」

ハニー「……ふふっ。いいえ、理由なんていいの」

ハニー「ただ、このマントを……前に使っていた人と、同じように」

ハニー「わたしの親だもの、きっとこうして、夜中に出歩いていたに違いないわ」

ハニー「こうやって、同じ事をしてみれば……思い出が、無くったって……」

ガシャンッ!!!

ハニー「っ!あぁ……廊下の所々にある、甲冑……この私としたことが、しまったわ。つい、ボーッと」

フィルチ「誰だ!誰かいるのか!?!?」

ハニー「っ!?」

93: 2012/10/09(火) 22:23:52.31 ID:VLS+n+jf0
スネイプ「どうしたのだ、フィルチ。我輩のクリスマスのパトロールに着いて行くと言い出したのは君だろう」

ハニー「……童Oの僻みってやつかしら」

フィルチ「スネイプ教授!今、確かに誰かがここで……そう!この甲冑のあたりで、音が!」

ハニー「……まずいわ。近づいてきてる」

スネイプ「ふむ……何者の影も見えん、が……なるほど?なにやら懐かしい気配がするようだ」

ハニー「……」

スネイプ「フィルチ、廊下のそちらの端を。我輩はこちらを歩く。彫像の影まで丹念に、『手で触って』探すのだ。いいな?」

フィルチ「仰せの通りに!」

ハニー「まずい、わ……あっ、あそこの、教室……扉が、少し開いてる」

ハニー「……音は、たてないように。慎重に、よ。この私がコソコソするだなんて、屈辱だわ……覚えておきなさい、童O教師」スーッ

98: 2012/10/09(火) 22:27:22.07 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……行ったようね」

ハニー「ふーっ。焦ってなんていないけれど。少し、疲れたわ……もう大丈夫でしょう、マントを脱いでしまいましょう」

ハニー「それで、この教室は何かしら。あまり考えずに歩いていたから、何階かも……あら?」

ハニー「こんなホコリだらけの、カビ臭い教室に……どうしてこんなに大きくて、立派な鏡が?」

ハニー「……」

ハニー「『すつうを みぞの のろここ のたなあ くなはで おか のたなあ はしたわ』」

ハニー「……心の、望み?」

100: 2012/10/09(火) 22:32:13.62 ID:VLS+n+jf0
ハニー「ふぅん。面白そうじゃない」

ハニー「私の望み、そうね……このホグワーツの全員を、ヒンヒン言わせること」

ハニー「そんな望みを、見事当ててみせる、っていうわけ?鏡風情が生意気だわ」

ハニー「……さぁ」

ハニー「……私の、完璧に美しい姿しか、映っていないのだけれど?」

鏡 スゥゥゥゥッ

ハニー「! 像が乱れて、渦巻いていくわね……へぇ、何かおかしなことが起きるのは本当みたい」

ハニー「さぁ、それじゃあ。見せてみなさい。あらゆる生徒が、私の足元に五体投地する、姿……を」

ハニー「……えっ」

ハニー「……」

ハニー「……大人になった、わた、し……?」

102: 2012/10/09(火) 22:35:22.71 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……いいえ、少し。少し、違うわ。目……私の目は、こんなに綺麗なグリーンじゃない」

ハニー「それに……となりにいる、男の人。黒い髪、あちこちツンツン逆立ってる……それで。私と同じ、ハシバミ色の、目」

ハニー「……」

ハニー「私の、両親?」

リリー『……』ニコッ

ジェームズ『……』ニッ

105: 2012/10/09(火) 22:39:06.26 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……へぇ」

ハニー「やっぱり、そうね。完璧な私だもの……とっても、とっても、綺麗な人だわ」

リリー『……』ニコッ

ハニー「それに……それにつりあうくらい、素敵な人。私も、こんな人を……見つけられるのかしら」

ジェームズ『……』ニッ

ハニー「……言いたいことが山ほどあるわ」

ハニー「全く、この私を置いていってしまうなんて。あなたたちはとても不幸者よ。まぁ、氏んでしまうことが既にそうだったかもしれないけれど」

ハニー「この私の、生まれた瞬間からそんなに美しくなる様を見る権利を、放棄してしまうなんて」

ハニー「まったく、まったく。子不幸者だわ、あなたたち」

109: 2012/10/09(火) 22:42:31.93 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……ねぇ」

リリー『……』ニコッ

ハニー「……私は、とっても幸せな家庭にいたみたい。だってそうだもの。私みたいに綺麗な母親、それに」

ジェームズ『……』ニッ

ハニー「こんなに素敵な父親もいるんだもの。毎日が楽しかったに違いないの」

ハニー「……そうでしょ?」

リリー『……』コクッ

ジェームズ『……』コクッ

ハニー「……なら、どうして。どうして  氏んで、しまうのよ」

112: 2012/10/09(火) 22:45:42.14 ID:VLS+n+jf0
ハニー「どうして、この私を置いていってしまったの」

ハニー「どうして、どうして!私をあんなところでに預けてしまったの」

ハニー「どうして、どうしてどうして!幸せなあなた達が氏んでしまわなければならなかったの!どうして。どうして」

リリー『……』

ジェームズ『……』

ハニー「何も、言って、くれないの。私……私」

ハニー「わたし、ずっと……会いたかったんだから……パパ……ママ!!!」

117: 2012/10/09(火) 22:51:08.26 ID:VLS+n+jf0
ハニー「ロン、おはよう。いい天気ね」

ロン「やぁハニー!僕の……あー、ハニー?」

ハニー「なぁに?私の美しい顔がどうかしたの、今され見惚れることないでしょう」

ロン「何を言うのさ僕はいつだって……それはいいのさ。君、なんだか目が腫れているようだけど?」

ハニー「……そうね。そうかもしれないわ」

ロン「っ、どうしたのさ、おったまげー。君らしくないね、ハニー。謙虚な君もステキだけどね!」

ハニー「……ねぇロン、あなたに見せたいものがあるの、今夜」

ロン「へぇ!そりゃめちゃくちゃ楽しみだよ、ハニー!あー、でもほら。君は少し、寝たほうがいい。クマもあるみたいだし……」

ハニー「えぇ……きっとあなたも、喜んでくれると思うわ」ニコッ

ロン「…………」

119: 2012/10/09(火) 22:56:56.39 ID:VLS+n+jf0
ロン「すっごいや、ハニー!僕、僕!!」

ハニー「えぇ。ふふっ、可愛い豚さんにご褒美よ。あなたの、家族が――」

ロン「僕、僕!ハニーから、おったまげるくらいでっかい首輪を貰ってるよ!」

ハニー「……えっ」

ロン「あぁ、それにリードも!えっ、そ、そんなものまで!?ちょ、ちょっと待ってくれよハニー、僕らのハニー!それは心の準備がさぁ!」

ハニー「……」

ロン「すっごいや!ね、ねぇハニー?この鏡って、も、もしかしてその……未来を映す鏡、とか……?」

ハニー「……私の両親は、私の横に立ったりしないわ。ずっとね」

ロン「えっ、なんだい!?わ、わぁーぉ、ハニー!君って……あー、この辺にトイレってあるかな」

ハニー「外にでも行って済ませてきなさい、幸いそう高い階じゃないようだから」

121: 2012/10/09(火) 23:00:43.34 ID:VLS+n+jf0
ロン「ねぇ、ハニー。僕らのハニー。ココアはどうだい?」

ハニー「いらないわ」

ロン「それじゃ、ほら。色々暖炉で炙って食べたけど、君、これが気に入っていたろう?マシュマロさ。どうだい?」

ハニー「お菓子は全部あなたにあげる、って言ったはずよ。二度も言わせないの」

ロン「……なぁ、ハニー。あの鏡のことを考えているんだろう?」

ハニー「……いつから私の心を勝手に読むようになったのかしら」

ロン「割と最初からさ、あぁ。悪かったよ、君がその……あの鏡に、両親を見ていたなんて、思ってなくって」

ハニー「それは、いいの。で、私があの鏡のことを考えていたら、どうだというの?私の豚?」

123: 2012/10/09(火) 23:05:23.06 ID:VLS+n+jf0
ロン「……あの鏡、なんだかおかしいよ。もう、あそこには行かない方が良い」

ハニー「……いつから私に指図できるようになったの?」

ロン「指図なんかじゃないさ、お願いだよ。ハニー、君、君……酷いクマだ、ハニー」

ハニー「そう、メイクにはもう少し時間をかけないといけないわね。朝の出迎えを十分遅らせなさい」

ロン「ハニー、お願いだよ……僕、僕は」

ハニー「あなたは私の豚、そうよね」

ロン「……」

ハニー「……わたしがパパとママに会える、唯一の機会なの」

ロン「……ハニー」

ハニー「……私の、邪魔をしないで。いいわね?」

ロン「……」

ハニー「ロン?私の可愛い豚?」

ロン「ヒンヒン、さ。ハニー」

126: 2012/10/09(火) 23:08:31.86 ID:VLS+n+jf0


ハニー「……」キィィッ

ハニー「……」

ハニー「パパ、ママ」

ジェームズ『……』ニッ

リリー『……』ニコッ

ハニー「わたし、幸せだわ。もう、賢者の石なんてどうでもいい、勝手にすればいい。わたし……やっと、会えた。大事な大事な、パパと……ママに……」



ダンブルドア「やぁ、ハニー。今日も来たのかい?」

ハニー「!? だ、ダンブルドア、校長!?」

131: 2012/10/09(火) 23:13:59.04 ID:VLS+n+jf0
ダンブルドア「隣に腰掛けてもよいかの。ほっほ、若いお嬢さんとこうして床に座るなんて、何十年ぶりかの」

ハニー「……先生ほどのいい男なら、そう月日は経っていないように思うわ」

ダンブルドア「これは嬉しい、君に言われるとことさらのう。のう、ハニー。君はとても似ておる。その鏡にうつる姿と瓜二つじゃ」

ハニー「見えるの、ですか?」

ダンブルドア「いいや、この鏡がうつすのは使用者の望みのみじゃ。そしてわしは、君の望みを推測したに過ぎん」

ダンブルドア「ほっほ、その様子じゃと、当たっていたと思っていいかな?」

ハニー「……えぇ。わたし……私がずっと見たかった、両親の姿……」

ダンブルドア「いいや、ハニー」

ダンブルドア「あれは君の両親ではない。あれは望みじゃ、君の、”ただの”望みなのじゃ」

ハニー「っ」

134: 2012/10/09(火) 23:20:44.90 ID:VLS+n+jf0
ダンブルドア「この鏡の虜になってしもうた者は、これまでに何百人とおる」

ダンブルドア「既に説明したことじゃが、この鏡は使用者の望みを映し出してくれるのじゃ」

ダンブルドア「……一番強い望み、心の奥底にある願望を。君は両親を想った、じゃからその望みが映った」

ダンブルドア「ロナルド・ウィーズリーは何より君の下にいたかった、じゃからその姿が映った」

ダンブルドア「のう、ハニー。じゃがこれは、手に入る物でも、未来のことでも、ないのじゃよ」

ダンブルドア「ただの、望みなのじゃ」

ハニー「……」

ダンブルドア「現実であるか、果たして可能なものかさえ判断できず。この鏡の前でおかしくなってもうた者は数え切れん」

ダンブルドア「現実が辛いものであれば、ことさらのう。だが、じゃ。ハニー」

ダンブルドア「夢にふけったり、生きることを忘れてしまうことはよくない……手に入る望みも、何も。無くなってしまうのではないかね?」

ハニー「……」

140: 2012/10/09(火) 23:30:35.48 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……先生、お言葉ですが」

ダンブルドア「うむ」

ハニー「私は、どうやっても。この望みを、手に入れることは、叶いませんわ」

ダンブルドア「うむ、そうじゃろう。ジェームズと、リリーは……氏んでしまった。まっこと、悲しいことじゃ」

ハニー「そんな私が――わたしが、これにすがって、なにが悪いと、言うんですか」

ダンブルドア「……」

ハニー「わたし、ずっと、ずっと!パパとママに、会いたかった!だから、だったら、それが叶うここにずっといたい!!だって、わたし、わたし……」

ダンブルドア「それが君の人生かね」

ダンブルドア「生きる者の責任を果たさず、ここで望みに魅入られれていくのが、君の生きる理由なのかね」

ハニー「……」

ダンブルドア「君は、ずっと一人だったのかね。違うんじゃ、ハニー。君は望んだ、両親の姿を。これだけで、よーくわかるはずじゃ」

ダンブルドア「君は覚えてなくとも、君は両親をずっと愛していた。そして両親は君を――たとえ氏んでしまっていたとしても――愛し続けている結果なのじゃ」

ハニー「!」

ダンブルドア「君の本物の両親は、果たして本当にそこの鏡に映る幻か?……そうじゃないんじゃ、ハニー」

ダンブルドア「現実に生きる君を、しかと支えておるよ。ジェームズなどは、きっとうるさいことじゃろうて」

142: 2012/10/09(火) 23:38:34.05 ID:VLS+n+jf0
ハニー「……先生、わたし――いいえ。私」

ダンブルドア「うむ、その目じゃ。まっこと、目はジェームズの生き写しじゃのう、ほっほ。当時の先生の一部はすくみ上がることじゃろうな」

ダンブルドア「さて……ロン、もう出てきなさい、ハニーは大丈夫じゃ」

ロン「あ……ハニー。ごめん、僕」

ハニー「……」

ロン「どうしても、君を方っておけなかった。だから、マクゴナガルに相談して、それで、ダンブルドア、が……」

ハニー「……ロン。それに、今はいないけど……ハーマイオニー」

ハニー「……手に入らない望みなんて、なんてちっぽけなんだろう。私にはもう、そんなもの目に入らない」

ハニー「……今を生きて、パパとママには……あっちに行ってから、たくさんたくさん。今度は二人にも話しをしてもらうわ」

ハニー「それまで、ロン。私の豚として、その……しっかり、着いてきなさい!いいわね!」

ロン「!あぁ、もちの、もちの僕さ!僕らのハニー!」

143: 2012/10/09(火) 23:44:04.54 ID:VLS+n+jf0
ダンブルドア「この鏡はもう明日には移してしまおう」

ダンブルドア「じゃが、再び出くわしたとしても。君はあぁはならないじゃろうて」

ハニー「当然だわ。むしろ、なぁに?私、何かおかしな事をしていたかしら。ねぇロン?」

ロン「いいやハニー!君はいつだって君らしいよ!全部全部君だからね!」

ハニー「なんだか言い方に含みがあるけれど。何が言いたいのかしら、ヒンヒン鳴いて答えなさい」

ロン「ヒンヒン!ハニーは最高ってことさ!」

ハニー「あぁ、そう。そういえば、ダンブルドア校長?一つ質問をよろしいかしら」

ダンブルドア「なにかね、ハニー?今のも既に質問じゃが、もう一つだけ許そう」

ハニー「先生があの鏡を見ると、何が映るのですか?」

ダンブルドア「おーぅ、そうじゃな。あたたかいベッドにくるまって眠るところかのう。ほら、もうおかえり。チッチチッ」

145: 2012/10/09(火) 23:49:02.16 ID:VLS+n+jf0
冬休み明け

ハーマイオニー「……」

ロン「……」

ハニー「……私の豚を、私に断りなく正座させないでくれるかしr」

ハーマイオニー「ハニーは黙ってて!ロン、あなたがいながらなんてことなの!!」

ロン「ごめんよハーマイオニー、だけど僕は、ほら。結果的にハニーのためになると思って」

ハーマイオニー「結果論じゃないの!もう!ハニーが勝手気ままに動くのはしょうがないとして!あなたがしっかり止めないと駄目でしょう!?」

ハニー「ちょっと待ちなさい、ちょっと。それじゃ私がまるで、世話をされているようじゃないの」

ハーマイオニー「夜の廊下にちょっとでも涙目になったのなら黙ってなさい!」

ハニー「な、なによ!!うるさいわよグレンジャー!」

ハーマイオニー「ヒンヒン!ヒン!」

ハニー「やめなさいよ!!!」

ロン「あー、幸せだなぁ。でもどうせならハニーに踏まれながら眺めてたいなぁ」

149: 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0
ロン「新学期になったけど、特に変わりはないね」

ハニー「えぇ。スネイプ教授様様は相変わらず子供のような嫌味を並べて粋がっているわ」

ハーマイオニー「でもそれって、裏を返せばあの人のたくらみが上手くいっていない、ってことよね。きっと」

ロン「あの場ではハグリッドを信じるって言ったけど、やっぱり怪しいものな」

ハニー「えぇ、そうね。何せ突然、今度のクィディッチで審判をする、って言い出したもの」

ロン「な、なんだって!?」

ハーマイオニー「!?は、ハニー!危険よ、そんな!」

ロン「あの野郎!!ハニーのふとももを間近で見ようって魂胆か、マーリンの髭!!」

ハーマイオニー「あなたいい加減にしなさいよ!それに日頃そのふ、ふともも!に踏みつけられているのは誰よ!というか、今も!!」

ハニー「ロンのすわり心地はとてもいいわよ、試してみる?」

ハーマイオニー「遠慮させてもらうわ!」

ロン「こっちこそ!」

ハニー「ロン、私の豚。少しヒンヒン鳴いてなさい。そろそろハーマイオニーが般若になるから」

154: 2012/10/09(火) 23:59:37.05 ID:VLS+n+jf0
クィディッチ第二戦

ロン「えーっと、なんだっけ?ロコモーター・モルフォイ?」

ハーマイオニー「ロコモーター・モルティス、よ!足縛りの呪文を、スネイプが少しでも変な動きをしたらかけてあげるわ……フォイはどこからきたのよ」

ドラコ「やぁ、スリザリンの応援席が満杯でね。汚くても仕方ないから、ここを使わせてもらおうか」

ロン「……そこから来たみたいだぜ」

ハーマイオニー「……召還呪文なんてありえないわ」

ドラコ「な、なんだその目は。ふんっ、まぁいい。どうせいまからほえ面かくのは君たちだ」

156: 2012/10/10(水) 00:04:22.07 ID:yRu1OPvD0
ロン「へぇ。そのほえ面っていうのは、ハーマイオニーの般若面、もしくはレッドキャップ面よりおっそろしいのかい」

ハーマイオニー「ロン」

ロン「や、やめろよ。ハニー以外がそれで僕を脅すのはやめろよ!」

ドラコ「この試合、ポッターはどれだけ箒に乗っていられるだろうね。賭けるかい、ウィーズリ……おぉっと!」

ドラコ「すまないね!君みたいな貧乏コソコソイタチにはそんな金、ありっこないか!ハハッ!」

ロン「こいつ……ハニー以外が僕を……」

ハーマイオニー「やめて、今はやめなさい、ロン。ほら、試合が始まるわ……スネイプ、なんて意地悪な顔をしているのかしら」

ロン「もとからだろ。ハニーに心を痛めながら言わせれば、童O臭い負け犬の……」

ドラコ「だだだ、誰が童Oだって!?」

ロン「うん、もう君黙ってろよ」

159: 2012/10/10(水) 00:12:07.93 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「飛んで、ハニー!……えっ、えっ?どうして今、ファールをとられたの!?」

ロン「!? ハニーが審判の飛行を故意に妨げた!?ふざけるな!お前がハニーのふともも触ろうとしたんだろ!!!」

ドラコ「ハッハハハ!なぁお前たち、グリフィンドールがどんな風に選ばれるか知ってるかい?」

ハーマイオニー「あ、キャプテンのウッドが抗議に行ったわ。体格が良い五年生の、オリバー・ウッドが」

ロン「熱血漢だよな、あぁ。クィディッチ一筋だから、ハニーも豚の序列には加えないであげたとか……なっ!?さらにペナルティ二つだって!?」

ドラコ「……き、気の毒な人が選ばれてるんだ、そうだろ?ポッターは親がいない、ウィーズリーは金が無い」

ハーマイオニー「あぁ……決められてしまったわ。なんてことなの」

ロン「先制点は、あっちか。くっ、ハニー。早いとこ勝負を決めないといけないよ。スニッチのめ、今日は雌だな?」

ドラコ「……あー、ロングボトム!君も選手になるべきだね!おつむが……」

160: 2012/10/10(水) 00:13:04.10 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「あぁ!もう!またファールだわ!」

ロン「ちっくしょう!マーリンの……」

ドラコ「……聞けよ!」

ロン「うるさい!!隣の肉だるまにでも話てろ!!」

ドラコ「こ、こいつらは皮肉混じりの会話が通じないんだよ!うるさいな!バカなんじゃないぞ!ちょっと鈍いだけだからな!!」

グラップ「……」

ゴイル「……」

162: 2012/10/10(水) 00:16:03.05 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「あ、あぁ!ロン、ハニーが!ハニーが急降下を始めたわ!」

ロン「なんだって!?」

ドラコ「いいぞ、おいウィーズリー!ポッターは豚の君にあげる金貨の一枚でも見つけたのかも……」

ネビル「マルフォイ!ぼ、僕、君百人分の豚の価値があるんだぁあああうわああああああ!!」

ドラコ「な、なんだこのうわやめろよせうわああああ!?!?!?」

ロン「あぁ、ネビルのやつ。なんだかハニーとこの間話していると思ったら……漢だぜ、漢だぜ君。豚の中の」

ハーマイオニー「やった!やったわ!ハニーがスニッチを獲った!試合終了よ!すっごい、こんなに早くとっちゃうなんて!さいっこうよ!ハニー、ハニー!愛してる!!」

165: 2012/10/10(水) 00:21:10.29 ID:yRu1OPvD0
ロン「やったな、ハニー!おいやめろよ!ハニーの靴を一番に舐めるのは僕だぞ!やめろよ!祝いのペロペロは僕が先だぞ!

ハニー「えぇ、当然の結果よ。ふふっ、この子ったらまったく、いつかのハーマイオニーみたいで……あら?」

ハーマイオニー「……」

ハニー「ハーマイオニー?ねぇ、どうしてそんなに離れたところで黙っているの?私、あなたからもお祝いの言葉がほしいのだけれど」

ハーマイオニー「あ、あぅ……お、おめで、と」

ロン「触れないであげなよ、ハニー。まったく、『つい口が滑ったの!』を百回は聞いたぜ」

168: 2012/10/10(水) 00:25:16.59 ID:yRu1OPvD0
ロン「ハニー、事前にネビルを豚にしておいたのは流石だね」

ハニー「えぇ、スネイプにべったりなマルフォイのことだもの。何かしてくるでしょうね、と思って。あなた達にもナイショで……ごめんね?」

ハーマイオニー「覚えてないわ、夢中だったから」

ハニー「あら、私に?」

ハーマイオニー「違うわよ!その、あの、そう!芝生が綺麗だったのよ!」

ハニー「えっ、あっ、そ、そう。そうなの、ステキね」

ロン「ハーマイオニー、誤魔化し方が下手だね君は。芝生なんて、この校庭にだってどこにでも……あれ?」

ロン「向こうの……校舎の裏をコソコソ歩いてる、あれって」

ハーマイオニー「え?……足をひきずっている、わね」

ハニー「……スネイプ?……禁じられた森に、なんの用があるのかしら」

169: 2012/10/10(水) 00:29:04.39 ID:yRu1OPvD0
禁じられた森

フィルチ「ひっ、ひぃっ!セブルス、どうして、君にこんなところで……」

スネイプ「このことは、二人だけの問題にしよう。そう思いましてな?」

ハニー「……ハーマイオニー、しっかり掴まっているのよ」

ハーマイオニー「え、えぇ。私達が箒に乗って上から追いかけてきた先で、スネイプ先生が……フィルチ先生に、詰め寄っているなんて」

ロン「ゼハァ、ゼハァ、そして僕、ゼハァ、は、全力疾走、さ。なぁに、ハニーに鍛えてもらったからね!平気、さ!」

ハニー「黙ってなさい」

ロン「ヒンヒン!」

171: 2012/10/10(水) 00:30:28.39 ID:yRu1OPvD0
すまん。マジすまん。クィレル

174: 2012/10/10(水) 00:38:25.10 ID:yRu1OPvD0
クィレル「ふ、二人、だけ?セブルス、私としては、君個人とはなにも……」

スネイプ「『賢者の石』のことは、生徒諸君に知られてはまずい。そうだな?」

ロン「!今、賢者の石って!」

ハーマイオニー「あの様子……闇の魔術に対する防衛術の先生のクィレル先生に、突破の方法を聞きだすつもり?」

スネイプ「もうあの野獣を出し抜く術を知ったのですかな?」

クィレル「なにが、わたしには、何のことだか……」

スネイプ「クィレル。我輩を、敵に回したくなければ……何がいいたいのか、よぉくご存知のはずだ」

ハニー「……下衆だとは思っていたけれど」

スネイプ「あなたの怪しげなまやかしについて、お教えいただこう?それに……どちらに対して忠誠を誓うのか」

クィレル「……」

スネイプ「今一度よく考えることだ。近々またお話しすることになりますな。失礼」

クィレル「……」ドサッ ブルブルブル

176: 2012/10/10(水) 00:42:37.71 ID:yRu1OPvD0
談話室

ハーマイオニー「きっと、石を守るのは三頭犬だけじゃないのだわ」

ハニー「えぇ、そうね。色々な、人を惑わせるような魔法がたくさんかけられて」

ロン「僕は君一人でイチコロだけど……それで、『闇の魔術に対する防衛術』の教師のクィレルを脅して、自分の側にひきこもう、ってわけ?」

ハーマイオニー「少しオドオドしてらっしゃるけど、ホグワーツで教える一流の教師ですもの」

ハニー「むしろオドオドしているから、かも、ね」

ロン「……それじゃ、石が守られるのはクィレルがスネイプに反抗出来ている間、ってこと?そんなもん、三日ともたないぜ、やれやれ」

178: 2012/10/10(水) 00:50:38.08 ID:yRu1OPvD0
数週間後

ロン「意外にもってるなぁ、クィレルの奴……僕、奴さんのこと見直したよ。もちろん君にはいつも見惚れているけどね、ハニー」

ハニー「えぇ、そうね。私はむしろ、ロン。私の豚なあなたがパンクしないかどうかの方が気になるのだけれど」

ロン「……それなら頼むよ僕らのハニー。ハーマイオニーへこの復習地獄から解放するよう頼んでくれよ」

ハーマイオニー「『石』の危機は重大よ、けど!試験だってずっとずっと重大なの!ロン、あなたは基礎がなってないわ!」

ロン「あのねぇハーマイオニー!試験はずっとずっと先のことだ!『石』は明日にでも……」

ハーマイオニー「ずっとじゃないわ、もう十週しかないのよ!?あぁ、あと一月前から準備するべきだったわね……」

ロン「ハーマイオニー、この城の危機と進級、君はどっちが大事なのさ」

ハーマイオニー「なるほど。平和になったこのお城で、あなたは私達の後輩になりたいわけね?」

ハニー「マット代わりを探さないといけないわ」

ロン「ハニー、僕らのハニー!君のマット代わりは僕だけだよヒンヒン!ヒン!」

ハニー「それなら頑張りなさい、ロン。良い事をしてあげるから」

ロン「ヒンヒン!」

ハグリッド「ヒンヒン!」

ハーマイオニー「増えてしまったわ……って、ハグリッド?どうしてあなたが、図書館に……?」

180: 2012/10/10(水) 01:00:08.78 ID:yRu1OPvD0
ハグリッド「ハッ!しもうた、誰にも会わねぇつもりだったのに身体が勝手に……よ、ようおめぇさんら!なぁに、ちょっと、散歩だ!」

ロン「散歩で、図書館ねぇ。きっと君は少し羽を伸ばしたかったら裁判所にでも行くんだろうな」

ハニー「ハグリッド?背中に何を隠したの?」

ハグリッド「あっ、い、いや、なんでも、なーんでもねぇ!」

ハニー「ハ、グ、リ、ッド?」ツツーッ

ハグリッド「おっほぉー!こ、これですはい!すいませんでさぁ!」

ハーマイオニー「あ、本なのね……これって」

ロン「……ハグリッド、何のつもりさ」

ハニー「『趣味と実益を兼ねたドラゴンの育て方』……?」

ハグリッド「あー、いや、ほら。おめぇさんらと一緒、ちーっとその、勉強で」

ロン「ホグワーツにスニジェットでも降らせるつもりかい」

ハーマイオニー「ロン、失礼すぎるわ」

ハニー「何をするつもりなの、ハグリッド?」フーッ

ハグリッド「おっほぉー!い、いや、いけね、いけねぇ!ここじゃ、ここじゃ駄目だ!駄目だ、あとで俺んちにこい!じゃ、じゃあな!」

183: 2012/10/10(水) 01:04:51.36 ID:yRu1OPvD0
ハグリッドの小屋

ロン「……正気かよ、ハグリッド!」

ハーマイオニー「まぁ……これ、本物の?ドラゴンの、卵なのね?」

ハグリッド「あ、あぁ……その、たまたま飲んじょった店で、こいつを持っていた物好きがおってな」

ハグリッド「俺ぁ昔っからこいつを飼ってみたくて、それで、賭けポーカーで……」

ハニー「……そいつ、なんだか怪しくないかしら」

ロン「その通りさ流石ハニー!あのな、ハグリッド!違法のドラゴンの卵をもってるやつがそんじょそこらにいるかい!?」

ハグリッド「あぁ、奴さん、それで処分に困ってたみてぇだ。俺にくれるときもせいぜいしたっちゅうとった」

ハーマイオニー「そういうことじゃ……あら?」

ハニー「どうしたの?私に見惚れた?」

ハーマイオニー「私どれだけあなたに恋焦がれてるの。違うわよ。違うったら。違うから。あのね、窓の外……誰か、いたような?」

185: 2012/10/10(水) 01:08:50.34 ID:yRu1OPvD0
ロン「ま、まずいぞ!こんなもんを持ってるのを、見られたら!」

ハグリッド「だ、誰だ!?誰かおるんか、おい!?」

……

フォーイッ!

ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

ハグリッド「……なんだ、ただのフォイか」

ハニー「そうね、ただのフォイね」

ロン「フォイじゃ仕方ないな、猫とかなら怪しいけど、フォイだもんな」

ハーマイオニー「そうね……フォイだものね」


窓枠の下ドラコ「!?……!?!?!?!?」

192: 2012/10/10(水) 01:13:54.31 ID:yRu1OPvD0
ロン「とにかく、ハグリッド。考えなおしてくれよ……僕の二番目の兄貴を知ってるだろ、チャーリーさ」

ハグリッド「あぁ……奴さん、ドラゴンに関しちゃ凄かった」

ハーマイオニー「それだわ!ロンのお兄さんに、引き取ってもらいましょ!」

ハニー「ロン、チャーリーはどんな感じなの?」

ロン「えーっと、背は低いけど筋肉ムキムキマッチョマンのあれさ」

ハニー「豚にしがいがありそうね」

ハーマイオニー「そこはどうでもいいの。ハグリッド?そうしてもらいましょう?」

ハグリッド「うー……だが、だが……あっ、あぁ!ほら、見ろ!見ろ!孵るみてぇだ!見ろ!」

ロン「あ、ほんとだね……う、わぁ」

ハニー「……しなびた蝙蝠傘のような生き物ね」

ハーマイオニー「……あー、ハグリッド?」

ハグリッド「美しい……ハニー、おめぇさんと同じくらい、すんばらしい生き物だ」

ロン「ぶっとばすぞ!!!!!」

ハニー「いい反応ね、ロン」

195: 2012/10/10(水) 01:20:08.13 ID:yRu1OPvD0
ロン「……君の手で孵してやれたんだ。もう満足だろ、ハグリッド」

ハグリッド「だが、だがよぉ。俺ぁこいつが大人になるまで、ここで」

ハーマイオニー「……ハグリッド、この本によると、そのノルウェー・リッジバックは、一週間で三倍ずつ大きくなるのよ……?」

ハニー「火を吹くのも他のドラゴン種に比べ早い、と。私、やよ。このせまっくるしいけど心地いいあなたの家がなくなるのは」

ハグリッド「は、ハニー……」

ロン「……あ、これ僕らの説得とか正直いらなかったね」

ハーマイオニー「……そういえばそうね」

ハニー「私の魅力の前には万事解決、そういうことね」




ガチャッ

フィルチ「いんや、そうはいかないこともあるみたいですなぁ。悪ガキどもの女王様」

ドラコ「はっはーー!ざまぁないな、ポッター!!お前は掴まるフォイだ!!!」

ハニー「……自分で言ってんじゃないわよ」

199: 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0
マクゴナガル「…………」

ロン「……おっかないなぁ、マクゴナガルの顔」

ハーマイオニー「静かにしてっ!」

ハニー「ヒンヒンもだめよ、ロン……先生、夜中に抜け出したことは申し訳なく思います。だけど、私達」

マクゴナガル「いいえ、ポッター。どんな理由があろうとも、たとえ友のためを思っていようとも、規則破りは規則破りです……そちらの」

ネビル「……」

マクゴナガル「……あなたがたの帰りが遅いのを心配して出てきたという、ロングボトムも。例外ではありません」

ネビル「ハニー、ハニー。ごめんなさい、ぼく、鈍臭いから、君に迷惑を……」

ハニー「いいえ、ネビル。あなたはよくやったわ、出来る豚ね」

マクゴナガル「おだまりなさい!!あなた方五人は、全員、処罰対象です!」

ドラコ「ざまぁみろ、ポッター!……あれ?いち、にぃ、さん、よん、フォイ……んなっ!?先生、どうしてこの僕まで数えられているんですか!?」

マクゴナガル「行ったはずです、どんな理由があろうとも、あなたが夜中に出歩いたという事実は変わりません!!」

201: 2012/10/10(水) 01:32:19.22 ID:yRu1OPvD0
ロン「……おったまげー」

ハーマイオニー「一人、五十点……はは、は。たった一晩で、二百点……失って、しまったわ」

ハニー「……おまけに、今後一切、私には授業での点は加算されない、ですって」

ネビル「ごめん、ごめんよ。僕、僕が余計なことしなけりゃ……」

ロン「ネビル、よせよ。君は巻き込まれただけさ、あぁ。漢だぜ君は、豚の中の」

ハーマイオニー「それって褒めているのかしら……おまけに、罰則もまた別にある、のよね」

ハニー「えぇ……一週間後、禁じられた森に、ですって」

ハーマイオニー「……怖い?」

ハニー「冗談も大概にしなさい。

203: 2012/10/10(水) 01:39:38.30 ID:yRu1OPvD0
一週間後・禁じられた森

ハグリッド「グスッ、ハニー、すまねぇ。すまねぇ。ロン、ハーマイオニー、ネビル、すまねぇ。俺ぁもうハニー一筋に生きる、ドラゴンなんか二度と、すまねぇ」

ハニー「いいのよハグリッド。少し価値は下がったけれど」

ハグリッド「うぅうう、すまんかった、すみませんだハニー、ヒンヒン!ヒン!」

ロン「もうよそうぜ、ハグリッド。僕らみんな、運がなかったのさ」

ハーマイオニー「そうね。みんな罰をうけているのだし……やめましょう」

ネビル「ぼ、僕がしっかりしてれば……うん、よそう」

ドラコ「……」

ロン「みろよネビル。あれが、集団で回りはみんな知り合い同士だから一人だけ場になじめなくてでも他所に行くわけにもいかないから黙りこくって時間が過ぎるしかない奴、だぜ」

ネビル「わぁ、ぼっちってやつだね!」

ドラコ「な、なっ!!」

ハニー「……豚達、やめなさい。コイツと同じような煽りは、あなたたちの品位を下げるだけよ」

206: 2012/10/10(水) 01:44:34.17 ID:yRu1OPvD0
ロン「なんで僕がハニーと一緒の組じゃないんだ!なんでだってんだちくしょう!マーリンの髭!」

ハーマイオニー「あなたハニーの足が汚れないようにって一々地面をスライディングしようとするんだもの」

ハグリッド「でぇじょうぶだ、ロン。ハニーには俺んちの犬、ファングがついてる。ハニーには俺以上に忠誠心見せちょるから、心配いらねぇ」


ファング「グルルルルルルル」

ドラコ「……おい、どうしてその犬っころは、ことあるごとに僕を睨む!」

ネビル「は、ハニーの敵ってみてるんじゃないかな」

ハニー「見上げた忠誠心だけど、今夜だけは他所にその警戒心を向けなさい。使えない豚は嫌いよ」

ネビル「あっ、そこは豚なんだね」

ハニー「私にとって豚は愛称だもの、譲らないわ」

210: 2012/10/10(水) 01:53:25.11 ID:yRu1OPvD0
ネビル「……ね、ねぇ、ハニー。傷ついたユニコーンの血の跡を追って、助けてあげる、んだった、よね?」

ハニー「……えぇ」

ドラコ「……じゃ、じゃあ。教えろよ、おい。君は、魔法界の……英雄、だろう」

ユニコーン「」
???「……」ブシャァッ! ジュクジュクジュクジュク

ドラコ「そ、そのユニコーンの氏体の血を吸ってる、な、なななななんだか分けのわからない化け物、は、ど、どどどどどうすれ、ば」

ハニー「……」

???「……」パッ スクッ

ネビル「ひ、ひぃ!こ、こっち、こっちに、きたああああああうわああああああああ!!!」

ドラコ「わ、わぁあああああああ!母上ぇえええええええええ!!」

ファング「キャイン!キャインキャイン!!」

ハニー「……みんな、行ってしまったわね」

212: 2012/10/10(水) 01:54:39.93 ID:yRu1OPvD0

???「……」ズルズルッ、ズルッ

ハニー「ははっ、そりゃそうよね。あなたみたいな、気味悪いのが。こっちに、近づいてくるんだもの」

ハニー「それで、どうして私はここに残っていると思う?」

ハニー「……」

ハニー「……来なさいよ、化け物!この私を、同じ目に合わせようっていうなら……受けてたつわ!」

ハニー「(わたしの腰は、抜けたまま立ちそうにないわよ!!!!もう!!もう!!!!!)」

216: 2012/10/10(水) 02:01:13.96 ID:yRu1OPvD0
ドドッドドッドドッドド!!

ハニー「えっ!?」

??「!!」ズザァァァッ!

ハニー「なに、あれ……馬の身体に、人の上半身の生き物が、あの化け物を追い払って……あっ。ケンタウルス……?」

ケンタウルス「怪我はないかい、美しいお嬢さん」

フィレンツェ「私はフィレンツェ、二つの意味で下半身が馬並みの、ケンタウルスです……ふぅ。あ、今のはきにしないで、君が美しすぎて少しね、すまない」

ハニー「…………助けてくれてありがとう。だけどとっととこの手を放しなさいこの下郎が」

フィレンツェ「っふぅ、森の賢者に流石の言い草だね、ジェームズとリリーの子」

221: 2012/10/10(水) 02:07:18.89 ID:yRu1OPvD0
ハニー「パパとママを知っているの?二人の人生最大の汚点ね、あなたと知り合ったということは」

フィレンツェ「そこまで言わなくとも。さぁ、ここを離れよう」

ハニー「待って、説明が欲しいわ。あの化け物は何?ユニコーンの血で、何をしていたの?」

フィレンツェ「それは移動しながら。さぁ、早く僕の背中に」

ハニー「……」

フィレンツェ「さぁ!」

ハニー「とりあえず、いっぺん跪きなさい。少し調教と管理が必要のようね、この駄馬は」

フィレンツェ「?」

225: 2012/10/10(水) 02:14:47.82 ID:yRu1OPvD0



フィレンツェ「すみませんでした、ハニー。僕はどうかしていたようだ、あなたのような天使にあんなまねを。お許しください」

ハニー「分かればいいの。それで、ほら。あなたの背中に乗ってあげたのだから、早く行きなさい。それと事情を説明してもらうわよ、出来損ないの豚」

フィレンツェ「えぇ……ポッター家の子。あなたはユニコーンの血が、何に使われるかを知っていますか?」

ハニー「……いいえ、悔しいけれど。角や尾の毛の用法は、『魔法薬』の授業で習ったわ。でも、血は……」

フィレンツェ「ユニコーンの血は。例え氏のふちにいる時にでも、その命を永らえさせる。そんな効果があるのです」

ハニー「!」

フィレンツェ「しかしそれは、恐ろしい代償を払った末に、です。ユニコーンは最も純粋な生き物と言って良い。人前ではトイレにも行きません」

ハニー「基準が分からないわ」

フィレンツェ「そんな純粋で無防備な生き物を頃すなど、非常で残虐で、それだけで命は傷ついてしまう」

フィレンツェ「あの生き物の血を吸うと言うのは、そういうことです。他に失う者はなにもない、そんな者だけがその行為を行うのです」

フィレンツェ「ただ命を生きながらえさせるために、呪われた命を得るためだけに」

ハニー「……」

228: 2012/10/10(水) 02:24:52.42 ID:yRu1OPvD0
ハニー「生きながら、呪われる。生きているけど氏んだようなもの、そういうこと」

フィレンツェ「……えぇ」

ハニー「でも、そんなもの……誰がそこまで必氏になるというの?生きながらの氏なんて、そんなもの、氏んだほうがマシじゃない。そうでしょ?」

フィレンツェ「えぇ、そうとも言えるでしょう……ですが、他に何かを飲むまでの間、それだけでいいとしたら?」

フィレンツェ「完全な力を取り戻す、何か。決して氏ぬことがなくなる、何か。それを手に入れる、算段がついているとしたら」

ハニー「……!」

フィレンツェ「あなたは聡い子だと信じています、何せあの二人の子ですから。今、城に、何が守られているかは知っていますね?」

ハニー「賢者の石、それで作る……命の水!そういうことね!」

フィレンツェ「えぇ」

ハニー「でも、それこそ誰が……っ!?」

フィレンツェ「……一度力の衰えた誰か。それを取り戻すことを目論んでいた誰か。ハニー・ポッター……あなたはよく知っているはずだ」

230: 2012/10/10(水) 02:26:21.40 ID:yRu1OPvD0
ハニー「それじゃ……まさか」

フィレンツェ「……今日、あなたは。僕があすこに現れなければ、星の下に消えていたかもしれない」

ハニー「出来る、豚ね……それじゃぁ、あれは!あの、化け物みたいなもの、は…ヴォルd」



ロン「ハニーを乗せるのは僕だけだあああああああ!!」

ハグリッド「ロン、ローン!飛び出してっちゃいけねぇ……ふぃ、フィレンツェ!?助けてくれたのか、ありがてぇ!ありがてぇ!」

ハーマイオニー「ハニー、ハニー!?平気、ハニー!?」

ハニー「……えぇ。怪我はないは……怪我は、ね」

235: 2012/10/10(水) 02:32:58.78 ID:yRu1OPvD0
ハグリッドの小屋

ハグリッド「あったけぇ茶だ、飲んじょくれ、ハニー。すこーしだけブランデーも入れちょる、元気がでるぞ」

ハニー「……気が利くわね、ありがとう。でも、いいわ」

ロン「いいわけないさ、ハニー!君、酷い顔だぜ……あぁ違う違う!君はいつだって最高に完璧だけど、あの、具合が悪そう、って意味で!」

ハーマイオニー「ハニー、やっぱり……」

ハニー「違う、いや、そうなんだけど、違うの……私が出会った化け物、あれはどうやら……『ヴォルデモート』だそうよ」

ハグリッド「うぉっ!?」

ロン「!?は、ハニー!?突然なんで、なんでそいつの名前が!?!?」

ハーマイオニー「……私も、本で、アナグラムになったのを見ただけだけど。えぇ、ハニー。どうしてその、今世紀最悪の闇の魔法使いが……?」

ハニー「全て繋がったの、ハーマイオニー。あいつは、生きてた。ここの城に守られてる石を使って、力を取り戻そうとしてる。ユニコーンの血はその繋ぎ、そして」

ハニー「あの、スネイプは……ヴォルデモートに味方して、あいつの復活の手引きをしてるんだわ!」

237: 2012/10/10(水) 02:44:02.18 ID:yRu1OPvD0
数日後

ハニー「……傷が痛いわ、もう。なんなのかしら」

ロン「ハニー、氷を持ってきたよ、ハニー!……大丈夫かい?」

ハーマイオニー「あの森の一件からこちら、そんな感じね。平気?」

ハニー「えぇ……こんなんじゃ、テストにも集中できやしない」

ロン「あぁハニー、よしてくれよ。僕まで酷い頭痛になっちまう」

ハーマイオニー「やるだけやったじゃない、あとは本番よ」

ハニー「……クィレルの方も、このまま持ちこたえてくれればいいのだけれど」

ロン「あぁ……あいつ、ずっとずっと根性があったな。ナヨナヨしてて頼りない、って思ってたのに」

ハーマイオニー「でも、日に日にやつれていっているわね。スネイプ先生は……」

ハニー「……あれってもはやパワハラよね、っていう嫌味の着け方をしだしたわ」

238: 2012/10/10(水) 02:46:16.90 ID:yRu1OPvD0
ロン「よっしハニー、ついにあの野郎をぶっ飛ばすかいハニー!君の豚たちの準備は万全さ!」

ハニー「……ほとんどあなたくらいのもののようだけれど」

ロン「……あー、しかたないさ。あんだけ減点くらって、マルフォイのやつが言いふらしたからな。でも大丈夫、みんなすぐに忘れて、また君の虜だよ、ハニー!僕はずっとだけどね!」

ハーマイオニー「静かになったのはいいけど……ヒソヒソされるのは嫌いだわ」

ハニー「えぇ、ほんとに……嫌いよ」

241: 2012/10/10(水) 02:53:43.16 ID:yRu1OPvD0
ロン「こんな小鬼の名前なんて、世の中に出てから使うはずないと思うんだけどなぁ」

ハーマイオニー「ロン、それは世の学生と呼ばれる人たちみんなが抱えている不満だわ。それでも尚励んだ人たちだけが、上に行くことのできる……」

ロン「わー、もう!やめてくれよ!今難しいことを言われると、マーチン・ミグズの冒険のキャラクターとごっちゃになっちまうだろ!」

ハニー「ロンの好きな漫画なのよね……あら」

ハーマイオニー「どうしたの、ハニー?」

ハニー「いいえ、そういえばそこの教室は……あの鏡があった場所よね、って」

ロン「あぁ、そうだっけ。昼間だから分からなかった……あれ?ちょっと開いているね」

ハニー「私が始めて来たときもそうだったわ。きっと、止め具がゆるくなっているのよ。使えない豚ね

ハーマイオニー「今の言いたいだけね、ハニー。閉めておきましょうか……」

 クィレル「もう、もう勘弁してください……」

ロン「!おい、いまの!」

ハニー「中でクィレルが……誰かと、話してる?」

243: 2012/10/10(水) 02:59:46.61 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「相手の声は分かる?」

ロン「駄目だ、教室の端と端とで話してんのかな。クィレルの声しか……でも姿を見ようにも、これ以上あけたら気づかれちまう」

ハニー「静かに、聴いてましょう」

 クィレル「も、もう私は……分かりました、分かりましたよ……そう、致します。うぅ」

バタンッ!

ハニー「!」

クィレル「ぅう、ぐすっ」ツカツカツカツカツカ

ハニー「……泣きながら、さっさと行ってしまったわ」

ロン「僕らに気づきもしなかったな……あ。あっちの扉も開いてる……きっと、出て行ったのは、スネイプに違いない」

ハーマイオニー「そうすると……あの口ぶりは……クィレルがスネイプの側についてしまった、ということね」

ハニー「……つまりは、ヴォルデモートのね」

ロン「ハニー、ハニー。で、できればその名前だけは……」

ハニー「何?黒豚とでも呼ぶ?」

ハーマイオニー「歴史家が聞いたら卒倒しそうだわ、ハニー」

246: 2012/10/10(水) 03:03:59.81 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「……残るは、あの三頭犬の攻略法だけ、ということね」

ロン「あぁ、クィレルも知らない風だったものな」

ハニー「あの犬じゃ、何にも障害にならないと思うのだけれど」

ロン「あぁ、君は完璧だからねハニー!犬を手懐けるのにかけちゃ天才的さ!いや何事もか!」

ハーマイオニー「みんながみんなあなたじゃないわ、ハニー。あの犬はハグリッドのものだというし……ハグリッドが教えないように、祈りましょ?」

ロン「うん?チャドリー・キャノンズのチームのモットーがなんだって?」

ハーマイオニー「……たしかにそれくらい可能性は低いけど、冗談じゃないわ」

ハニー「……一度、釘を刺しにいかないといけないわね」

ハーマイオニー「えぇ、ハニー。それは物の例えでね、本当にそんな物騒な釘はいらないの、知ってた?」

248: 2012/10/10(水) 03:11:09.41 ID:yRu1OPvD0
テスト週間

ハニー「……(ハグリッドのところに行く暇がなかったわ)」カリカリカリカリ

ハーマイオニー「……(不安だけど、仕方ないわ。今は、こっちを集中しないと)」カリカリカリカリ

ロン「……!(あ!これ、ハーマイオニーに教えてもらったところだ!)」カリカリ、カリ

ハニー「(カンニング防止用の羽ペンって凄いわ。そういえば、昔、はめられたわね。カンニングなんてしてないのに、疑われて。あの時これがあればなぁ)」カリカリカリカリ

ハーマイオニー「(ここの問題は随分簡単ね。先生ったら、手をぬいたのかしら)」

ロン「(あっ!これ、ハニーに教えてもらったところだ!あぁ、あの時のハニーの一生懸命教えてる感じ、良かったなぁ)」カリカリ

ハニー「(魔法史の最後、つまりはテストの全日程の最後……勝手に混ぜる大鍋、っと)」カキカキカキ

ハーマイオニー「(あら、ついこのあいだの最後の授業で話したところね。これはもうサービス問題だわね)」カキカキカキカキ

ロン「(あ!これ、ハーマイオニーに教えてもらっttもらってない!?!?!?)」

ジリリリリリリリリッ!

250: 2012/10/10(水) 03:15:04.66 ID:yRu1OPvD0
ロン「終わった、終わったぁーー!あぁ、ついにテストから解放されたんだ!」

ハニー「お疲れ様、どうかしら?私の豚として恥じない結果は残せそう?」

ロン「あ、うん……で、でも最後の、最後のあれはとってもむずかしかったよな!ハニー、あれは大目に……」

ハーマイオニー「えっ」

ハニー「……ロン」

ロン「えっ……ま、まぁまぁ!復習なんてやめにしようよ、ほら!いい天気だし、外に行こうよハニー!君みたいに輝く空が僕らを待ってるよ!」

ハーマイオニー「えぇ、あなたの将来のように真っ青な空が……」

ロン「やめろよ!ハニー以外が僕をいじるのは、やめろよ!……やめてよ」

253: 2012/10/10(水) 03:21:28.04 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「でも本当に、良い天気だわ」

ロン「だろ?はい、ハニー!君の座席さ!」

ハニー「ありがとう。たまには地面に直でも……」

ロン「いいや、君はまだ、ほら。本調子じゃないだろ?」

ハーマイオニー「頭痛、まだ続くの?ハニー?一度、マダム・ポンフリーに……」

ハニー「……いいえ、これは病気じゃないわ。きっと、警告なのよ。あいつが、近くにいるって」

ロン「や、やめとこうよハニー、その話は。大体、ほら。ダンブルドアもいる、そうだろう?」

ハーマイオニー「えぇ。それに、まだハグリッドはあの犬のことは誰にも話してなさそう、でしょ?」

ハニー「そうよね、そう。ハグリッドは、少しおっちょこちょいな豚だけど出来る豚よ。優しくて大きくて、それに、ドラゴンが好き……」

ハニー「……ドラ、ゴン?」

ロン「?どうしたんだい、ハニー」

ハニー「……ドラゴンの卵は非合法、そうよね」

ハーマイオニー「えぇ、そうね。1709年制定の、ワーロック法で……」

ハニー「そうよ、あの時みんなで言ったじゃない……そんなのを持ち歩いているやつが、たまたま、そんなものを欲しがるハグリッドと出会う、なんて……出来すぎよ!おかしいわ!」

255: 2012/10/10(水) 03:25:40.93 ID:yRu1OPvD0
ロン「……か、考えすぎ、さ」

ハーマイオニー「……」

ハニー「そう、かしら……あっ!」

ハグリッド「お?おー!ようお前さんたち、ハニー!元気か!?俺は今日もハニーのおかげで元気元気……」

ハニー「ハグリッド!聞きたいことがあるの!」

ハグリッド「お、おぉ?なんだ?おめぇさんにならなんでも、おっと。あのこたぁちっと駄目だが……」

ハニー「いいから、答えて!ハグリッド、ドラゴンの卵をもらったって言う相手!どんな人だったの!?どんな顔をしていたの!?」

ハグリッド「うーん?見てねぇから、わからねぇなぁ……あーあー、あー!そんな不安そうな顔をすんな!ようあることなんだ、ああいう飲み屋にゃおかしな連中が集まる、うん」

257: 2012/10/10(水) 03:30:12.23 ID:yRu1OPvD0
ハニー「話しをした!?」

ハグリッド「お、おぉ?そりゃそうだ、一緒に飲んだわけだし……」

ハーマイオニー「何を話したの、ハグリッド!いいえ、相手はその、何を聞いてきた!?あなたのこと!」

ハグリッド「あー、そうだな。俺も酒をしこたま勧められたから、あんまり覚えちゃいねぇが……俺がでけぇ生き物をたくさん飼ってる、ってことを色々」

ハグリッド「そんで、それならいいものがってんで、あの卵を出してきて。俺ぁそいつがガキん時から欲しくてたまんねぇ、って言って」

ハグリッド「でもこいつは危険だから、半端な奴には任せらんねぇって吹くもんだから……あー、言ったんだ、そうだ」


ハグリッド「俺ぁ三頭犬だって手懐けちまうんだぞ、ってな。もっともフラッフィーは大人しくってよぉ、笛の音一つで大人しくなっちまうんだ、ってな!」

ハグリッド「……あぁ、しもうた!まーたお前さんらに言っちゃいけねぇこと……あ、あれ?どうした、三人とも?うん?今日のお天気みてぇな顔だな、え?」

259: 2012/10/10(水) 03:34:54.83 ID:yRu1OPvD0
ハニー「……終わりだわ」

ロン「は、っは。は……あ、あれ。でも、待ってくれよ。ハグリッドが卵を手に入れたのは随分前の話だろ……じゃぁ、どうして」

ハグリッド「おい、おい。お前さんたち、大丈夫か?何ぞ困ったことがあんのなら、俺からダンブルドアに……あっ!しまった!今日は、ダンブルドアは留守だ!」

ハーマイオニー「だ、ダンブルドアがお留守!?こんな時に、『例のあの人』が唯一恐れた、ダンブルドアが!?」

ハグリッド「な、なんでそいつの話になっちまう!?おぉ、ついさっき、魔法省から緊急の呼び出しでなぁ。こっちに戻るのは深夜を過ぎるだろうて」

ハニー「……」

ハグリッド「なぁ、どうしたんだ?俺になんか、出来ることがあれば……」

ハニー「とりあえず、走りなさい」

ハグリッド「お、おぉ?」

ハニー「走ってふくろう小屋に行って!!!すぐにダンブルドアに手紙を出しなさい!!!『賢者の石』の事で緊急事態よ、って!行きなさい!!!!」

ハグリッド「!?!?!?!?」

260: 2012/10/10(水) 03:38:59.03 ID:yRu1OPvD0
ハニー「間違いなく、ダンブルドアを呼び出したのはスネイプの仕込みよ」

ハーマイオニー「……この機会を狙っていたのね。ダンブルドアもさすがに、テスト期間中はよほどのことじゃ学校から離れないでしょうし」

ロン「あんの野郎、あのネチネチの、腐れ……あっ」

スネイプ「おや、おや。こんにちわ?我がスリザリン寮に優勝杯をもたらした、英雄の諸君」

ハニー「……ごきげんよう、なにやらいつになく愛想よいことですね、先生?」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

263: 2012/10/10(水) 03:43:56.57 ID:yRu1OPvD0
スネイプ「こんなところで何をしているのですかな?見なさい、外は良い陽気だろう」

スネイプ「もっと慎重になるよう、願いたいものですな。こんなふうにウロウロしているのを見れば、何か、企んでいるように思えますぞ」

ハニー「……」

ロン「企んでるのは、あんたじゃないか」

ハーマイオニー「ロン……」

スネイプ「態度にも気をつけたまえ。これ以上グリフィンドールには減点される余裕はないはずだろう?」

スネイプ「警告しておこう、ポッター。これ以上夜中にうろついているのを見たら、我輩が直々に対抗処分にしてくれる。いいな」

ハニー「……」

スネイプ「……その目で我輩を睨むな!グリフィンドールから5点減点!おやおや、また遠のきましたな。では」

267: 2012/10/10(水) 03:48:01.87 ID:yRu1OPvD0
ハニー「あいつの、あの態度。気に入らない、気に入らないわ。もう、やっぱりさっさと片付けておくべきだったわね、ロン」

ロン「全くだよハニー!」

ハーマイオニー「止めきれないのが悲しいわ……どう、どうすればいいのかしら」

ハニー「……どうしようも、ないわ。連中は全部の鍵をそろえた。ダンブルドアもいない」

ハニー「……私達の日頃の態度から、どの先生にこのことを訴えかけても、信じてもらえないに決まってる」

ハニー「あのハグリッドでさえ、スネイプを最後まで信じろって言ってたのよ?多分城の先生達みんなそうなのよ」

ハニー「だから、もう。私達には、打つ手が無い」

ロン「……ハニー」

ハーマイオニー「……そんな」



ハニー「だから、もう。私が行くしかない。そうでしょ?」

269: 2012/10/10(水) 04:00:23.78 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「……は、ハニー?今、なんて?」

ハニー「私が、今夜ここを抜け出す。あの童O教師より先に『石』を手に入れる、そういうこと」

ロン「き、気は確かかいハニー!?いや、君はいつも最高さ、だけど、だけど!」

ハーマイオニー「そ、そうよ!ハニー、もしも見つかれば、退校で……」

ハニー「だからなんだっていうの!黙りなさい!!!」

ハニー「退校、処罰、減点!そんなもの知らない!だってもしもスネイプが『石』を手に入れちゃったら、この学校そのものがなくなっちゃうのよ!?」

ハニー「ヴォルデモートが全盛の時代どれだけ酷い有様だったか、聞いてるでしょ!?私達が退学にならなければ、あいつがここを見逃すわけ!?そんなわけないじゃない!」

ハニー「もし、見つかって退校になったら!そうね、私はあの大っ嫌いな家に戻って、魔法界から切り離されるんでしょう!」

ハニー「でも、それでも、あいつが復活したら同じよ!絶対にあいつは私を頃しに来る、少し氏ぬのが遅くなるだけよ!」

ハニー「でも、ここで行かなかったら!!たった一度、この時に賭けなかったら、あいつの復活を阻止することも、この学校を救うことも、なにも出来なくっちゃうじゃない!」

ハニー「そんなの、やよ!私、生きるって決めた!!生きたまま氏んでいくなんてごめんよ!私は、パパと、ママの分まで……!」

ハニー「いい!?私、わたしのパパと、ママは!今夜復活するかもしれない、そいつに!!ヴォルデモートに、殺されたの!!!」

ハニー「だから私は絶対に、そいつに屈服なんてしない!絶対に、諦める、もんですか!!」

ハニー「……怖く、たって!!絶対、行ってやるんだから!それで、そいつを……私の前で、ヒンヒン言わせてやる、そう決めたの!!!!」

272: 2012/10/10(水) 04:08:43.49 ID:yRu1OPvD0
ロン「……あぁ、ハニー。君はいつだって最高さ。でもね、僕が言いたいのは……あのマント、三人で入るにはちょいと手狭じゃないかな、ってことさ」

ハニー「……えっ」

ハーマイオニー「ハニー、あなたが行くって決めたのに。私達があなただけを行かせると思う?」

ロン「もちのロン、そんなことできないさ。なにせ僕は、ハニー!君の一番の豚さ……どこまでもね!そうだろ!」

ハーマイオニー「私だって、一番の友達なんだから。あなたの隣にいるわ、どんな時も。そうさせて、ほしい」

ハニー「……ロン、ハーマイオニー……わたし」

ハニー「……わたし、あぁ……ふふっ。二人より、足手まといかも」

ロン「ははっ、安心しなよ。腰が抜けたら僕がおぶって『例のあの人』を蹴飛ばしてやる」

ハーマイオニー「ふふっ。そこは嘘でも、頼りにしてって言って欲しかったわ」

273: 2012/10/10(水) 04:13:13.65 ID:yRu1OPvD0
深夜

ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……ねぇ、ネビル。お願い、そこをどいて……?」

ネビル「絶対、駄目だ!君たち、また抜け出すんだろ!?」

ロン「あぁネビル、漢だね君はほんっと!もう!でも、いらないところで使うなよそれを!」

ハニー「ネビル、お願い。私の豚として、私のために……」

ネビル「き、君のため!君のためだから、こうしてるんだ、ハニー!ロン、おかしいよ!どうして大事なハニーにこんなことをさせるのさ!ぼ、僕は、負けないぞ!」

ロン「あぁ、もう!どうにかしてよ」

ハーマイオニー「……ネビル、ほんとに、ほんとにごめんなさい……『ペトリフィカス・トタルス、石になれ』」

ネビル「」

ロン「……あー、まったく。幸先がいいね、こりゃ」

ハニー「石になってて、耳に感触ってあるかしら」

ハーマイオニー「それより急ぎましょ、ハニー。スネイプはもう向かっているかも」

274: 2012/10/10(水) 04:17:15.92 ID:yRu1OPvD0
四階の廊下

三頭犬「キューン、キューン、キューン」

ロン「ハニーの顔を見たらこれだよ」

ハニー「流石、犬は忠誠深いわね。良い子ね、良い子。あなたもね、豚」

ハーマイオニー「犬は譲らないのね……さっ、扉を開けましょう」

ロン「任せて、よ、っと……あー、分かってたけど、部屋と言うか。穴だなこりゃ」

ハニー「そうね……それじゃ、私が先に行くかr」

ロン「おぉっとそうなると君のマット代わりたる僕は先にスタンバッておかないとね、それじゃ!!」ヒューーーーーッ

ハーマイオニー「……」

ハニー「……出来る豚ねぇ」

ハーマイオニー「ほんと、しみじみブレないわね」

276: 2012/10/10(水) 04:23:22.03 ID:yRu1OPvD0
ロン「いたいっ!ありがとう!!ほら、ハニー。言ったとおりだろ?軟着陸だ、って」

ハニー「えぇ、そうね。どちらにしろ私はあなたの上に着地するからそうなのだけれど……ハーマイオニー、平気よ」

ハーマイオニー「……っと。驚いた、ここ、学校の何キロも下に違いないわ」

ロン「あぁ、この植物?のおかげでたすかったよな」

ハニー「私はあなたでね。出来る豚ね、ロン。あとこの植物も、そうね。ハーマイオニーを助けてくれて、よくやったわ。ありがとう」

ハーマイオニー「助かった、ですって!?二人とも、よく周りをみて!これは『悪魔の罠』で……罠、で……」

ハニー「えっ、なぁに?ふふっ、くすぐったいわ、この蔓。なでてほしいの?ほーら」ツツーッ

ロン「あー、ハーマイオニー?悪魔の……なんだって?」

ハーマイオニー「……薪はあるかしら」

ロン「火をつけたいのなら、君の右手にうってつけの物があるぜ。君はそれでも魔女かい?」

ハーマイオニー「私の頑張って見につけた魔法知識が全否定されたのよ!躍起にもなるわよ、もう!あなたってステキねハニー!」

ハニー「よく言われるわ」

281: 2012/10/10(水) 04:30:35.11 ID:yRu1OPvD0
ハニー「……わぁ」

ロン「なんだかチャラチャラ音が鳴っていると思ったら。この、次の部屋中に飛んでる鳥、全部鍵みたいだ」

ハーマイオニー「これは、フリットウィック先生が得意そうね……最初がハグリッド、次に『薬草学』のスプラウト先生……とにかく、この部屋を突破しましょうか」

ハニー「綺麗ね……ね、ハーマイオニー。それじゃこの鳥みたいな鍵の群れの中から、一個だけの本物を見つけて、あの鍵穴にさす。そういうこと?」

ハーマイオニー「えぇ、そうね。時間がかかるでしょうけど、三人で」

ハニー「箒は?」

ロン「ここさ、ハニー!しっかり磨いておいたよ、あぁ!僕が飛べなくてごめんよハニー!こんなことならトナカイ衣装を持ってくるんだった!」

ハーマイオニー「緊張感無さすぎよ」

282: 2012/10/10(水) 04:34:04.73 ID:yRu1OPvD0
ロン「あぁ、だって実際……」

ハニー「獲ったわー、多分これだと思うー」

ロン「ほら、みろ。心配するだけ無駄さ、ハニーは今世紀最年少シーカーだぜ?」

ハーマイオニー「ねぇロン、思ったのだけど」

ロン「なにさ」

ハーマイオニー「ホグワーツの人たちって、よくこれで、万全の対策とか、言えたわね」

ロン「それだけハニーが規格外に最高、ってことさ。うん、そうに違いない、一生着いていくね、あぁ」

284: 2012/10/10(水) 04:38:48.10 ID:yRu1OPvD0
ロン「……これって」

ハーマイオニー「床が、白黒。それで、あっちには白い駒、こっちには、黒い駒……とっても、大きいわ」

ハニー「……チェス、よね?ロン、私の豚?あなたの、得意な」

ロン「あぁ、そうだねハニー。僕が君に誇れる数少ない特技さ……それで、つまりはそういうことだよな」

ロン「僕らがそれぞれ駒の代わりになって、チェスをしろ。そうするまで進めない?」

騎士「左様」

ロン「合いの手どうも」

285: 2012/10/10(水) 04:43:34.43 ID:yRu1OPvD0
ロン「……気を悪くしたらごめんよ。でも、君達は二人とも、あー……チェスは、そんなに」

ハニー「あなたが誇る分にはかまわないけれど、私がなぁに?何が言いたいの?」

ハーマイオニー「えぇ、あなたには劣るわ、ロン。だから、指揮をお願いしていいかしら」

ロン「あぁ……えーっと、僕らは何と変わってもいいのかい?」

騎士「左様」

ロン「君それしか喋れないの……それじゃ、ハーマイオニー。君はルークと変わってくれ」

ハーマイオニー「えぇ、分かったわ」

ロン「ハニー、君はクイーンのところに」

ハニー「至極当然ね。それで、ロン?あなたは?」

ロン「もちろん、君を守るナイトさ!」

ハーマイオニー「!!ずるい、ずるいわ!!あなたばっかり!!あなたばっかりそうやって!!!!」

ロン「HAHAHAHAHA!悔しかったら僕に一度でもチェスで勝っておくことだったねハーマイオニーくぅーーーん!」

ハニー「……ロン。私の豚。しっかり、やりなさい」

ロン「もちのロンさ!さっ、やるぞ!」

287: 2012/10/10(水) 04:51:59.06 ID:yRu1OPvD0
ロン「~~~、~~~~へ!」

ハニー「ロンの指示通りに、駒が動いていくわね」

ハーマイオニー「私達の背丈の倍もあるから、動くだけでも迫力があるわ」

ハニー「……ねぇ、ハーマイオニー。魔法使いのチェスって、駒が直接動いて、獲るときも……直接、壊すじゃない?」

ハーマイオニー「……そうね」

ハニー「……これ、って」

ロン「……それの答えが、今からわかるよ。ポーン、二つ前へ」

ガラガラ、バキャァアアガシャアアアン!

ハニー「……」

ハーマイオニー「……」

ロン「僕らの駒が、相手の駒に粉砕された。よし、これで戦いかたは分かったよ……絶対に君たちは獲らせない。絶対に、だ」

290: 2012/10/10(水) 04:59:40.97 ID:yRu1OPvD0
~~~~~~~~~

ロン「……」

ハニー「たくさん相手の駒をとったし、とられたわね」

ハーマイオニー「大分少なくなってきたわ……これって、もしかして」

ロン「……あぁ、詰みが近い。恐らく、うん。最小手数でいけたんじゃない、かな……」

ハーマイオニー「凄いわ、ロン!さぁ、それじゃ、そのまま……」

ハニー「……ちょっと待ちなさい」

ハーマイオニー「?」

ロン「……どうしたのさ、ハニー!まぁ見ててごらん、すぐに君に僕からの勝利を……」

ハニー「待ちなさい、ロン!私の豚!待て!!!」

ハニー「……この、勝ち方!!クリスマスに、私に、勝ったのと……同じ!!」

ロン「……あぁ、そうさ。うーん、やっぱり君は誤魔化されないよな、困った」

ハニー「……ナイトを取らせて、クイーンで、チェック・メイト!そうなのね!?」

ハーマイオニー「!まさかロン、あなた!わざと、自分が!?」

ロン「……これがチェスなんだ!君達だって見てたろ、僕らの駒がいくつも獲られるのを。それと、同じさ」

336: 2012/10/10(水) 17:08:19.51 ID:yRu1OPvD0
ハニー「同じじゃ、ないわ!」

ハーマイオニー「そうよ、ロン!ダメ!」

ロン「何がダメなんだい、ここで決めなきゃ、決着までの時間が伸びちまう!

ロン「その間にスネイプが『石』を手に入れちまってたらどうするっていうんだ!?」

ハニー「だけど、だけど!ダメよ、ロン!いう事を聞きなさい!あなたは……」

ロン「あぁ、僕は君の一番の豚だ! だから、君のために犠牲になるのなんて構わない。むしろウエルカムだよハニー、ヒンヒン!」

ハニー「冗談じゃない、冗談じゃないったら!ロン、聞いて!ロン!私――わたs」

ロン「甘えるな、ハニー!君は言ったろ!怖くたって進むんだろ!!」

ハニー「っ、っ」

ロン「……さぁ、ハニー。僕らのハニー。この豚に、いつもの通り命令してくれ」

ハニー「……っ!」

ハーマイオニー「……ハニー」

ハニー「やりなさい、ロン。私の大切な、大切な豚」

ロン「あぁ、ハニー!それでこそ僕らの――僕の、ハニーさ!ヒンヒン!」

ガラガラガラッ!バキャァアアガシャアアアン!

341: 2012/10/10(水) 17:16:04.04 ID:yRu1OPvD0
ロン「」ドサッ

ハーマイオニー「ろ、ロン!」

ハニー「動かないで!ゲームはまだ、続いてるのよ!」

ハーマイオニー「あ……ごめんなさい、ハニー」

ハニー「……」

ツカッツカッツカッツカッ

ハニー「チェック・メイト。道をあけて……跪きなさい!駒風情が!!!」

ザザザザザッ

ハーマイオニー「も、もう動いて平気、なのよね?駒たちは番の端に行ったもの……ロン、大丈夫?」

ハニー「頭を打たれたように、見えたわね。でも、息はしてる。平気よ……さっ、ロンを番の隅にでも置いて、すぐに進むわよ」

ハーマイオニー「……」

ハニー「なぁに。私が、少しは悲しむかと思った。残念ね、ロンの行いは豚として褒めこそせど、泣いてやるほど感動的でも……」

ハーマイオニー「逆よ、ハニー。さぁ……ハンカチなら貸すから、それ以上噛むと、唇が切れてしまうわよ……?」

ハニー「っ、なに、を!言ってるか、分からない、わ!でもそう、ね。ホコリがついたから、借りてあげる!」

343: 2012/10/10(水) 17:21:19.88 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「落ちついた?」

ハニー「私はいつだって平常心よ、当たり前じゃないの」

ハーマイオニー「そういうことにしてさしあげるわ。次の部屋、ね……今のチェスは、きっとマクゴナガル先生の仕掛けだわ。元英国チャンプだって言っていたもの」

ハニー「私の豚に劣る時点でお話にならないわね。それじゃ、残るは?」

ハーマイオニー「『闇の魔術に対する防衛術』と『魔法薬学』の……スネイプのが、残っているわね」

ハニー「……ここまできて、あんな奴に足止めされないわ。そもそも一番奥に待っているのだろうし……さぁ、行くわよハーマイオニー」

ハーマイオニー「えぇ、もちの彼で」

ハニー「それは豚の専売特許だからやめてあげなさい」

345: 2012/10/10(水) 17:27:23.13 ID:yRu1OPvD0
トロール「」

ハニー「あのハロウィーンの時より遥かに馬鹿でかいトロールが、頭から血を流して倒れているわね」

ハーマイオニー「きっと先に行ったスネイプが倒してそのままなのよ、助かったわ。今こんなのを相手にしている暇はないもの」

ハニー「えぇ、こんな悪臭を放つ家畜以下の化け物になんて、ね。行きましょう、鼻がつまりそうだわ」

ハーマイオニー「ねぇちょっと、私も臭いがいやだから鼻を押さえたいの。ハンカチを返してくれない?」

ハニー「洗ってから返すわ、心配ないわよ」

ハーマイオニー「なんの意地なのか分からないわ、ちょっと」

ハニー「いいじゃない、ハンカチの一枚くらい。ちょ、ひっぱらないで!」

ハーマイオニー「だって、私のなのよ!?なんでそこまで……」

ハニー「は、初めて、貸し借りなんてする、から!ちゃんとしたいのっ!!!」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……忘れなさい」

ハーマイオニー「あげるわよ、それ。ふふっ」

ハニー「や、やよ。ちゃんと『柔軟仕上げの呪文』も練習したんだから」

348: 2012/10/10(水) 17:35:19.12 ID:yRu1OPvD0
ハニー「次の部屋ね……大きさも形もバラバラの、フラスコやら瓶やらが一杯?」

ハーマイオニー「きっとこれがスネイプの仕掛けだわね……一体、何をすればいいのかしら……あ!」

ボォオオオオオオ!!ボォオオオオオオオ!

ハニー「……私達が部屋の境界を過ぎた瞬間、入ってきたところも、向こう側の出口の扉も、それぞれ紫色と黒色の炎で燃え上がってしまったわね」

ハーマイオニー「……罠、かしら。ううん、違うわ、きっとこの瓶に、何かが……これ」

ハニー「何?……手紙?」

ハーマイオニー「……『前は危険、後ろは安全――二つが君を救う――一つは進んで一つは戻る――二つはイラクサ酒――三つは、毒』」

ハーマイオニー「まぁ……すごいわ!これ、魔法でもなんでもない、論理パズルよ!大魔法使いって呼ばれる人って、論理の欠片もない人がたくさんいるの!」

ハニー「ふぅん。そういうやつがここにきたら、永久にここで足止め、そういうことね。でも、私達はそうならない、そうでしょ?」

ハーマイオニー「当然よ、ちょっと待っていて…………」

349: 2012/10/10(水) 17:41:13.54 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「『毒入り瓶はいつもイラクサの左――両端は違う中身――』」

ハーマイオニー「『小人も巨人もどちらにも毒は入っていない――』」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……!分かった、分かったわ!」

ハニー「早かったわね、上出来よ。流石ねハーマイオニー、それで?」

ハーマイオニー「えぇ、ハニー!これで……」

ハニー「どれが前に進む薬で、どれが戻る薬なの?全部、どうやら一口分しか残っていないようだけれど」

ハーマイオニー「…………」

ハーマイオニー「右端の丸い瓶が、先に進むための薬。そして、一番小さいそれが、戻るための薬、よ」

350: 2012/10/10(水) 17:48:26.15 ID:yRu1OPvD0
ハニー「そう……それじゃ、あなたはこっちを」

ハーマイオニー「……小さい瓶ね」

ハニー「黙って聞いて。あなたは戻ったらロンを介抱して、前の部屋にある箒で城に戻りなさい」

ハニー「そこで、ダンブルドアが来るのを待って。あの人がいれば、きっと……まぁ、私だけでももちろん、おつりがくるけれど」

ハーマイオニー「でも、ハニー。もしもスネイプが……『例のあの人』そのものと一緒だったりしたら」

ハニー「えぇ、そうね。私、一度は幸運だった。あー、でも、こんな傷残されて、女としては幸運じゃないかも。とにかく」

ハニー「運命にまで愛されているこの私だもの。だから、二度目もきっと幸運よ、そうでしょ?」

ハーマイオニー「ハニー……あなたって、あなたって、ほん、とに……勇気のある人ね」

ハニー「……私一人じゃ無理だったわ、えぇ。悔しいことに。悔しいことにね」

ギュッ

ハニー「ハンカチ、絶対返すんだから。桐の箱でも用意しておきなさい」

353: 2012/10/10(水) 17:55:11.76 ID:yRu1OPvD0
ハニー「で、先に進む私が飲むのは、こっちの丸い瓶の薬ね」

ハーマイオニー「えぇ、ハニー……気をつけて」

ハニー「平気よ……それじゃ」

グビッ

ハーマイオニー「……」

ハーマイオニー「(これでよかったんだわ)」

ハーマイオニー「(ハニーが飲んだのは、後ろに戻る炎をすり抜けられる薬)」

ハーマイオニー「(そして、前に進むための本当の薬は……あの、小さい瓶の方)」

ハーマイオニー「(あぁ、ハニー。勇気あるハニー、でもあなたは無謀よ、ダメよ。いくらあなた一人だって……)」

ハーマイオニー「(それに、ふふっ。私の方がたくさんたくさん、呪文も覚えているわ。きっと、あなたより……)」

ハーマイオニー「(……ふふっ。あなたの無謀が移ってしまったようね。そんなの無駄よ、私なんかじゃ……)」

ハーマイオニー「(でも、その間にダンブルドア先生が帰ってきて。あなたと、一緒にここでスネイプを追い詰めれば……)

ハーマイオニー「(そのためなら、私……あなたのためなら、私……)」

355: 2012/10/10(水) 17:57:51.17 ID:yRu1OPvD0
ハーマイオニー「薬は、効いてきた?……ねぇ、ハニー」

ハニー「……」

グイッ

ハーマイオニー「実はnんっ、ふっ!?~~~っ、ぷはっ、なnん、っ!?!?!?」

ハニー「……っふぅ。ちゃんと、飲んだかしら。ハーマイオニー」

ハーマイオニー「あ……な、なに、あなた、なにして」

ハニー「ハーマイオニー、あなたの考えなんてお見通しよ」

359: 2012/10/10(水) 18:02:47.39 ID:yRu1OPvD0
ハニー「あなたが私に戻るための薬を教えるだろう、って。分かってた」

ハニー「だから、一度飲んだフリをして。あなたの思惑に乗っかったように見せたのよ」

ハーマイオニー「あ、あぁ……」

ハニー「……優しいハーマイオニー。でも、わたし。あなたをこの先に行かせることなんて出来ない」

ハーマイオニー「あ、あぁ……だ、だから、って……く、口移しをする必要がどこにあったの!?!?///」

ハニー「忘れたの?私、いつだって自分のしたいようにしているの」

361: 2012/10/10(水) 18:09:20.61 ID:yRu1OPvD0
ハニー「さっ、早く行って。薬の効果はずーっと続くわけじゃないんでしょ?」

ハーマイオニー「え、えぇ。なんだか身体が凍ったみたいな……って!そうじゃ、なくて!もう!もう!!!」

ハーマイオニー「あんな、急に!!私、私、あんなこと!」

ハニー「初めてよね、えぇ。私だって本当はあんなにいきなりは、やよ。今度は……ゆっくり味わう?」

ハーマイオニー「もう、もう!!……これであなたが、少しでも怖くなくなったなら。それで満足することに、するわ」

ハニー「怖い?ふぅん、誰が」

ハーマイオニー「震えてたじゃない、唇」

ハニー「ハーマイオニー、あのね。わたしだって緊張くらいするわよ」

363: 2012/10/10(水) 18:14:20.06 ID:yRu1OPvD0
ハニー「……行ったわね。怒ったフリして、最後は泣いてたけれど」

ハニー「……」

ハニー「……フーッ。あぁ、情けない。ロンのことで胸が痛い。ハーマイオニーのことで顔の火照りが引かない。それに」

ハニー「……震えるわよ。当たり前よ。わたし今、一人ぼっちじゃないの」

ハニー「……あぁ、そうだったわね。ダンブルドア老?私は、いつだって……一人じゃない」

ハニー「助けたいもの、全部。私が……わたしがこの手で、全部守ってみせるんだから」

グビッ

ハニー「……ケホッ!コホッ、コホッ……美味しくない」

368: 2012/10/10(水) 18:22:40.88 ID:yRu1OPvD0
最後の部屋

ハニー「……」

ハニー「……どうして、あなたが。この部屋に……どうしてあなたがここにいるの!?」

ハニー「……クィレル、先生!!」

クィレル「あぁ、そう。私だ。ポッターさん?ここで君に会えるかもしれないと思っていたよ」

ハニー「私達、てっきり……スネイプだとばかり」

クィレル「あぁ、セブルスか。っはは、アッハハハハハハハ!確かに彼はそんなタイプに見える。彼が君達の前で目立ちたがりに飛び回ってくれて助かった」

クィレル「スネイプのそばにいれば、誰だって、こ、このしょ、小心者でど、どどどもりのクィレ、クィレル先生のことを……疑いやしない、そうだろう?」

ハニー「嘘よ、何かの間違いよ……だってあいつは!私を殺そうと……」

クィレル「いや、いや。殺そうとしたのは私さ、お嬢さん。あなたの友達のミス・グレンジャーがスネイプを疑って、ローブに火をつけたとき。たまたま私にぶつかって、君から目を離してしまった」

クィレル「もう少しで君を箒から叩き落せたのに。スネイプが反対呪文を唱えてさえいなければ、もっと早く……」

ハニー「……スネイプが、私を。救おうとしてた??」

371: 2012/10/10(水) 18:28:19.57 ID:yRu1OPvD0
クィレル「あぁ、そうだ。その次の試合で審判になったのも、もう二度と私がのろいをかけられないようにするためさ」

クィレル「随分と無駄な働きをしたものだ、彼も。どうせ私が、今夜。ここでおまえを頃すのに」パチンッ

ハニー「ふんっ、指を鳴らす仕草が絵になってないわ……縄っ!?っ、離しなさい、この私に、こんなまねをして!!!」

クィレル「いい眺めだな、グリフィンドールの女王様?君はいろんなところに首を突っ込みすぎる。生かしてはおけない」

クィレル「ハロウィーンの時だって、私が入れたトロールをあんな風に」

ハニー「あなたが……あのデカブツを」

クィレル「私はあれを操る才能だけはあってね」

377: 2012/10/10(水) 18:33:31.86 ID:yRu1OPvD0
クィレル「みながトロールを探す中、スネイプだけは私を疑い、真っ直ぐに四階の廊下に向かった」

クィレル「事前に察知していた私は出くわすことはなかったが……奴はそれで足を怪我したようだな。ざまぁない」

クィレル「もっと時間があれば……だと言うのに、おまえたちが台無しにした。あのトロールを……クソッ!」

クィレル「失敗の話など、もういい。さぁ、ポッター。君は大人しくしていなさい。私はこの、興味深い鏡を調べねば」

ハニー「っ、なによこの縛り方、あなた変態ね豚以下だわ……『みぞの鏡』!?どうして、ここに」

クィレル「この『鏡』こそが『石』を手に入れる鍵なのだ。ダンブルドアのこと、こういうものを考え付くだろうと思ってい……しかし奴は今、偽の手紙でロンドンだ。帰ってくるまでの間に、調べつくしてやる」

383: 2012/10/10(水) 18:40:29.79 ID:yRu1OPvD0
ハニー「とにかく、今は喋って集中させないように……私達は、スネイプがあなたを脅しているところを見たわ!」

クィレル「あぁ、奴は脅してきた。私がどこまで知っているのかを確かめようと、何度も。初めからずーっと私を疑っていたのだ」

クィレル「私にはヴォルデモート卿がついているというのに、それでも脅せると思っていたのなら滑稽だ」

クィレル「あぁ、私がご主人様に『石』を差し出しているのが見える……だが、『石』はどこにあるんだ?」

ハニー「っ、私たち、あなたが教室から泣いて飛びだしていくところ、見たわ!あれも、スネイプが脅していたの?」

クィレル「……時には、ご主人様の命令に従うのが難しいことも、ある」

ハニー「そんなの豚の言い訳だわ。出来ないのなら、別の何かで補ってくれれb」

クィレル「黙れ!だがあの方は偉大な魔法使いだし、私は弱い……私は罰を受けた」

ハニー「……!?じゃ、じゃああの教室に、ヴォルデモートがいたっていうの!?」

385: 2012/10/10(水) 18:45:18.97 ID:yRu1OPvD0
クィレル「私のいるところ、常にあの方がいらっしゃる……さぁお嬢さん、口をつくんでくれるか。猿轡までかまされたくないだろう」

ハニー「既に私の趣味とはかけ離れてるわよこの豚以下」

クィレル「うるさい! いったい、どうなっているんだ?『石』はどこだ?鏡の中に埋まって……?」

クィレル「あぁ、ご主人様!お助けください!私目には、この仕掛けが!」

『その子を使え――その子を使うのだ――』

ハニー「!?な、なに……?今、クィレルの方から……聞いたことも無い、おかしな声が」

クィレル「おぉ、仰せの通りに!ポッター、ここにこい!」パンッ

ハニー「……縄が解けたわね。いつか十倍返しよ、あなた」

386: 2012/10/10(水) 18:50:56.09 ID:yRu1OPvD0
クィレル「さぁ、さっさと来い!この鏡の前に立つんだ!」

ハニー「うるさいわね、私に指図しないで頂戴」

クィレル「黙れ!ふんっ、少し縛られていただけで足がしびれるなんて、とんだ小娘だ」

ハニー「えぇ、そうよ。しびれてるのよ、足が。これでもかってくらいに……黙りなさい、誰が小娘よ」

ハニー「……(今一番欲しいもの。みんなを助けるために、こいつを出し抜くために)」

ハニー「(『石』!あの『石』の見つけ方を!『石』自体はどうだっていいわ。とにかく、こいつより先に!)」

ハニー「(そうよ、きっと!『石の見つけ方』を願えば!その姿が見られるはず!こいつには、適当に答えて、それで)」

ハニー「……立ったわよ。ちょっと、私の完璧な姿の後ろにあなたみたいなダサターバンが映るのはイヤ。下がりなさい」

クィレル「おまえ、立場を……まぁいい」

ハニー「……」

389: 2012/10/10(水) 18:56:34.97 ID:yRu1OPvD0
ハニー「……」

ハニー『……』ニコッ

ハニー「(あ、私だわ。笑顔も完璧ね、嘘っぽいけど)」

ハニー『……』ゴソゴソッ、ゴロッ

ハニー「(ポケットから、何か……なぁに、そのすごく綺麗な赤い石)」

ハニー『……」パチンッ☆ ストッ

ハニー「(ウィンクをして、また、ポケットに……!?)」

ハニー「(ぽ、ポケットが、重く……えっ!?えっ!?な、なんで!?なにこれ、怖い!!!)」

ハニー「(わ、わたし、『賢者の石』手に入れてしまったの!?)」

クィレル「さぁ、何がみえる!」

ハニー「わ、この私のおかげでグリフィンドールが寮の対抗杯で優勝しているところ……」

『嘘をついている……嘘をつくな、小娘……俺様が、話す……直に、話す』

クィレル「で、ですがご主人様!?まだ、お力が!」

『このためならば……使う力があるのだ。俺様を表に出せ、クィレル」

ハニー「……俺様なんて、小者臭丸出しだわ」

396: 2012/10/10(水) 19:02:40.81 ID:yRu1OPvD0
クィレル「……」

ハニー「……ターバンで隠された頭の、後ろ……に」

ヴォルデモート「ハニー・ポッター……このありさまを見ろ」

ハニー「あ……ぁ」

ヴォルデモート「ただの影と霞にしかすぎん……誰かの身体を借りて初めて形になることができる」

ヴォルデモート「しかし、俺様には常にその心に入り込ませてくれる誰かがいる……俺様の力のなせることだろう」

クィレル「そうです、そうですとも、ご主人様」

ヴォルデモート「口を挟むなクィレル……さぁ、ポケットにある『石』をよこしてもらおうか。そうすれば俺様は、完全な姿を創造できるのだ」

ハニー「っ、っ!!っ!」

ヴォルデモート「……バカなまねはよせ」

ヴォルデモート「そのすくんだ足と、抜けた腰で。何ができるのだ」




ヴォルデモート「……おじぎか?」

ハニー「っ、誰がっ!!!」

403: 2012/10/10(水) 19:10:30.82 ID:yRu1OPvD0
ヴォルデモート「そうだ、おじぎするのだ。ハニー・ポッター。命を粗末にするな、俺様の側につくのだ」

ハニー「誰が、誰があなたなんか!あなたは、私のパパとママを!」

ヴォルデモート「そうだ、おまえの両親と同じ目にあうぞ。お前の両親も、最後は命乞いをして氏んでいtt」

ハニー「黙りなさい!私の、わたしのパパと、ママが!!」

ヴォルデモート「なんと、胸を打たれるねぇ。勇敢なことだ、そうだ、俺様は勇敢な者はつねにたたえる。」

ヴォルデモート「小娘、おまえの両親は確かに勇敢だった。まずは父親を頃した。勇敢に戦ったが、俺様には遠く及ばなかった」

ヴォルデモート「……おまえの母親は氏ぬ必要はなかった。だが、おまえを守ろうとして氏んだ。おまえのせいで氏んだのだ、小娘」

ヴォルデモート「母親の氏を無駄にしたくなければ、みすみす氏ぬのではない。さぁ、『石』を……」

ハニー「黙りなさい、って、言ってるでしょ!!何度も言わせないで!」

ハニー「……わたしのママが、わたしにくれた命を!!あんたなんかの為に使ってたまるもんですか!!!」

405: 2012/10/10(水) 19:18:39.39 ID:yRu1OPvD0
ヴォルデモート「ほう……威勢のいい。それに、勇敢でもある」

ヴォルデモート「だがな、小娘。貴様は勇敢なだけで……何をもっている?」

ハニー「っ!」

ヴォルデモート「何もない、俺様と戦う術は何もない、ただわめくだけの子供が……俺様の邪魔をするな」

ハニー「……そうよ。私には……わたし、何にも力なんて、ないわ。あなたを倒せたのだって、ママのおかげだって分かった。英雄なんかじゃない、ホントは女王様でも、なんでもない」

ハニー「ただの怖がりで、臆病で……すぐに腰がぬけちゃう、ただの……生意気な女の子よ」

ハニー「でも、でも!!いや!!わたしの大事なもの全部が、あなたのせいで壊されるかもしれない、のに!」

ハニー「『何も無い』だけであなたに怯えてばかりなのは、絶対にいや!!!」

ハニー「勇気なんかじゃないかもしれないけど、わたしはあなたには、屈さない!!氏んでも、頭なんかさげない!!!」

ハニー「……このわたしを、誰だと思っているの!!」

ハニー「ヴォルデモート!あなたを一度ぶっ倒した、ハニー・ポッターよ!!!!!」

408: 2012/10/10(水) 19:26:09.88 ID:yRu1OPvD0
ヴォルデモート「……もはや同情さえ沸いてくる」

ヴォルデモート「見ろ、クィレル。これはかつての貴様のようではないか」

クィレル「っ、ご主人様、お許しを。私も若かったのです」

ハニー「……どういうこと」

ヴォルデモート「この愚かな若者は。俺様とアルバニアの奥地で出会った時、何ももたない弱き者だった」

ヴォルデモート「親からも愛されず、友もおらず?そうだな、クィレル」

クィレル「えぇ……誰もが私から離れていきました。私は私が善だと信じてやまなかった。だから、私を拒絶するものを悪として、また私からも拒絶した……」

クィレル「おぉ、なんて愚かな考えなのでしょう、ご主人様。善と悪ではなく……力と、力を求めるには弱すぎる者が存在するだけなのに……あなたに諭されることで、私は変われたのです」

ヴォルデモート「そうだろう、貴様は力を持つ者になれたのだ……誰あろう、俺様、直々の」

ハニー「……」

ハニー「ばっかみたい」

ヴォルデモート「!?」

ハニー「黒豚、薄々感づいていたけれど……あなた、思春期抜けてないわね。発想がプレティーンだわ」

410: 2012/10/10(水) 19:35:02.52 ID:yRu1OPvD0
ヴォルデモート「ぷ、プレ……待て小娘!黒豚とはなn」

ハニー「黙りなさいよ……クィレル先生、いいえ……クィリナス」

クィレル「!?どうして、名前を……」

ハニー「候補は調べておくのが私のけじめよ。ねぇ、あなたはどうして、諦めてしまったの?」

クィレル「諦める……?」

ハニー「そうよ。誰からも愛されなかった。誰からも拒絶された。そうね、凄く分かるわ」

ハニー「だって、わたしも同じだったもの」

クィレル「……」

ヴォルデモート「クィレル、小娘の言うことに耳を貸すな。クィレル!聞いておるのか!」

415: 2012/10/10(水) 19:40:18.51 ID:yRu1OPvD0
ハニー「……あなたは、わたしがどこかで行きつく先の姿なのかもしれない」

ハニー「だけど、わたしは諦めなかったわ。一度は絶望したけれど、わたしは、決めたのよ」

ハニー「愛されないなら、わたしの方から!目一杯、愛してやろう、って!」

クィレル「……!?」

ハニー「あなたはそいつに救われたつもり!?違うわ!そいつはあなたを道具にしているだけ!あなたを貶めているだけ!」

ハニー「あなたの良いところも悪いところも全部投げ捨てて、諦めて、無くさせて!あなたを都合のいい人にしているだけ!」

ハニー「そんな人との繋がり方、絶対に間違ってる!!クィリナス、わたしはあなたを諦めない!!」

ハニー「そいつの下でそんな可哀想な目にあう、あなたを放っておけない!!」

ハニー「だってあなたは、わたしだから!!どこかで泣いていた、わたしだから!」

ハニー「ヴォルデモート、あんたは怖いわ!だけど、わたしは……クィリナス!あなたは怖くない!」

ハニー「私が愛を注ぐ相手を、怖がる必要なんて、ないんだもの!そうでしょ?」

418: 2012/10/10(水) 19:50:02.86 ID:yRu1OPvD0
ヴォルデモート「クィレル!もう奴の小言は聞き飽きた!殺せ!頃して、奪って……っあああ!?」

クィレル「あ、ァ、アアアアア、うわああああああああ!?!?」

ヴォルデモート「な、なんだ!?何故だ!?なぜ、こやつと俺様を結ぶ魔法が、崩壊していくのだ!?」

ハニー「あら、当たり前よ。あなたのそれは……『あなたに心を許した者』にしか、とりつけないんでしょ?」

ヴォルデモート「こ、小娘、貴様、貴様!!クィレル!身体の動きの自由もよこせ!小娘、貴様を頃すまでは……」

クィレル「うわあああああああ!?!?」

ヴォルデモート「!?!?クィレルの手が小娘に触れたところが、焼け焦げる!?なんだ、これは!?何が起こっている、貴様!何をした!!何の力を……」

ハニー「言ったでしょ。わたしは何の力ももってない」

クィレル「あああああああ離してぇええええええ!!手、手が焼けるぁあああああ!!」

ハニー「クィリナス。私を受け入れなさい!そいつになんか、負けちゃダメ!」

ヴォルデモート「ぬぁああああああああああ!!クィレル、俺様を裏切るとどうなるか、今更言う必要は、っぐぅうううああああ!!」

クィレル「あぁ、ああ!!!」

ヴォルデモート「おじぎするのだ、クィレル!!!」

ハニー「このわたしに跪いて、ヒンヒン言いなさい!!クィリナス!!!私の可愛い豚!!!!!」


クィリナス「ヒンヒン!ヒーーーーーン!」

423: 2012/10/10(水) 19:56:54.72 ID:yRu1OPvD0
クィリナス「」ドサッ

ハニー「っ、っ、はぁ。やった、わ。あいつは、クィリナスから抜けていった……いっつ」

ハニー「……傷跡、痛い……クィリナスの手に触れたときから、割れる、くらい……」

小娘、小娘ぇ……ハニー・ポッター……

ハニー「っ!」

許さん、許さん……!

ハニー「あなた、まだ……!」

いつか……貴様を!必ず、必ず俺様が……

ハニー「い、った。あぁ、もう。意識、が……」

ギュッ

ダンブルドア「もちろん、わしがそうはさせんがのう」

ハニー「……ダンブルドア?」

ダンブルドア「ハニー、もうあやつはここにはおらん。なんとかギリギリ、わしの出番も……」

ハニー「……遅すぎるのよ、この……豚!……」ガクッ

ダンブルドア「……ヒンヒン」

424: 2012/10/10(水) 20:00:38.92 ID:yRu1OPvD0
あとは後日談なんやけどここで時間が……
よろしければ1時半まで保守してもらえれば
お願いします

425: 2012/10/10(水) 20:01:56.27 ID:6h8ALo8ri
落ちたら立て直してくれよな!

保守

続く
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

引用元: ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」