1: ◆..//D9l9UA 2008/06/01(日) 12:05:18.96 ID:o1NdPXRv0
キョンの暮らし

「…もう昼か」
天窓にかけたスクロールから漏れてくる日差しを、薄っすらあけた目で確認して俺はつぶやいた。
今日は土曜。学校はなくこれと言った用事もない。とかく暇な日だ

俺が住み慣れた家を出たのは四半年前。家が火事で焼けるという惨事から端を発する。
突然の惨事に呆然とする我が一家。新しい住処を探さねばならなくなった親父の下した決断はこうだった

「父さん達は隣の市にある親戚の持ってる貸家へ移る。お前は学校があるし良い機会だから、この近くで一人暮らししろ」

うちの親父様は高校生の息子に一人暮らしをさせる程の収入があるらしい。
断る理由もないので、俺は翌日には近所の不動産屋を回り部屋探しを始め、この部屋を見つけたのだった
2階建て2階・角部屋・BT別・1Kロフト付き・南向きの明るい部屋・築10年。家賃59000円。
正直無収入の高校生には過ぎた部屋だが、親父は特に何も言わず契約を済ませ必要経費を払った。
一人暮らしが決定した際に妹の キョン君だけずるーい という抗議の声があったのは言うまでもない。

まあそんなこんなで、俺の一人暮らしは始まった。

5: 2008/06/01(日) 12:21:54.61 ID:o1NdPXRv0

一人暮らしを始めて二月も経たぬうちに俺の暮らしは堕落を極めんとしていた。
朝遅くに目覚ましに起こされ朝食もとらずに学校へ行く、そして家へ帰るとPCをつけ2ちゃんねるを流し見る
日付が変わった頃に床に就きまた朝遅くに起き学校へ向かう。そんな暮らしだ。
SOS団の方は俺とハルヒの交際宣言により、たまに集まりはするものの団員が部室へ足しげく通う、と言う状態はなくなりつつあった。
最近のハルヒはもっぱら俺と放課後デートをしている。

古泉や長門が言うには俺の家が家事で全焼したのはハルヒの例の力が原因らしい。
最初俺には意味が分からなかったが、一人暮らしを始めた1週間後にどういう意味なのかを理解した。
引っ越し祝いに来ていたハルヒが俺の部屋に泊まって行ったのである

  :

古泉「おや、涼宮さん眠ってしまったようですね」
みくる「あ、本当ですね。疲れていたんでしょうか」
キョン「だが、もうそろそろ帰らないといかん時間だぞ」
古泉「起こすのは可哀想ですし、今晩はこちらに泊めてあげてはいかがですか?」
キョン「はあ?何言ってんだ」
みくる「そうですね、こんな可愛い寝顔をしている涼宮さん初めて見ました」
キョン「待て待て。ハルヒの親が心配するだろ?」
古泉「涼宮さんの親御さんのことは僕達に任せてください。大丈夫ですよね?長門さん」
長門「情報操作で可能」
古泉「では、そういうことなので。僕達はそろそろ失礼します」
キョン「あっ、おい、ちょっと待てよ」
みくる「おやすみなさい、キョン君」
長門「おやすみ」
古泉「では、月曜日に学校で」
キョン「…マジか」
ハルヒ「すぴー…」
キョン「参ったな」

6: 2008/06/01(日) 12:40:26.13 ID:o1NdPXRv0
キョン「とりあえず、風邪引いたら不味いし布団に運んどくか」
ハルヒ「すぴー…」
キョン「本気で寝てるな。ハルヒ思ったより軽いな。」

俺はハルヒを抱え床に敷いた布団へと運んだ

キョン「寝る前に風呂入っとくか」
  :
キョン「あー、いい湯だった。…さて、俺はどこで寝るかな」

まだ家財道具は揃っていないため、床に敷いた布団一式しか睡眠を取るのに適した場所は無い

キョン「一緒の布団で寝るわけにはいかんしな。仕方ない今日は床で寝るか」
ハルヒ「…キョン」
キョン「ん?なんだハルヒ起きたのか」
ハルヒ「いま何時?他のみんなは?」
キョン「今夜中の12時回ったとこだ。古泉たちは随分前に帰ったぞ」
ハルヒ「な、なんで起こしてくれないのよ!親が心配してるわ電話しなきゃ!」
キョン「ああ、親御さんには朝比奈さんが上手いこと言って誤魔化しといてくれたから大丈夫だと思うぞ」
ハルヒ「みくるちゃんが?…なら良いけど。」
キョン「つうか、人ん家来て寝るなよ」
ハルヒ「き、今日はちょっと疲れてたのよっ。仕方ないでしょ」
キョン「まあいいさ。じゃあ、俺もう寝るから。電気消していいか?」
ハルヒ「なんで、床に直接寝るのよ?」
キョン「布団は一つしかねえんだよ」
ハルヒ「…なら、い、一緒の布団で寝たらいいじゃない!」
キョン「え?」

8: 2008/06/01(日) 12:56:04.62 ID:o1NdPXRv0
ハルヒ「バカッ!変な意味じゃないわよ。ただ床で寝て風邪引いたらあたしが悪いみたいじゃない」
キョン「しかしだな」
ハルヒ「嫌…なの?」
キョン「いや、嫌とかでは決して無いんだが、なんと言うかいろいろ不味いだろ?」
ハルヒ「なにが?」
キョン「俺達恋人でもなんでもないんだぞ?こういうのは…駄目だと思う」
ハルヒ「……じゃあ。」
キョン「じゃあ?」
ハルヒ「じゃあ、あ、あたしと付き合いなさい!」
キョン「…あ?」
ハルヒ「付き合ってれば問題ないんでしょ?ならキョン、あたしと付き合いなさい」
キョン「意味分かって言ってるのか?」
ハルヒ「あ、当たり前でしょ!」
キョン「その付き合うってのは、恋人同士になるってことか?」
ハルヒ「そうに決まってるでしょ!しつこいわよ」
キョン「…はぁ。じゃあ布団入らせてもらう。俺も正直風邪引きたくないしな」
ハルヒ「待って。その前に」
キョン「な、なんだ?」
ハルヒ「キ、キスしなさい」
キョン「はあ?なんでだよ」
ハルヒ「良いから!」
キョン「いきなりかよ…分かった。」
ハルヒ「…ちょっと!どこにしようとしてるのよ!」
キョン「え?キ、キスだろ?」
ハルヒ「ホッペに決まってるでしょ!なに変な勘違いしてるのよ!」
キョン「あ、頬っぺたか。そ、そうだよな。すまん」


9: 2008/06/01(日) 12:58:54.78 ID:o1NdPXRv0
>>7
2枚目ZIPでくれ

10: 2008/06/01(日) 13:09:13.01 ID:o1NdPXRv0
キョン「…これでいいか?」
ハルヒ「良いわ。」
キョン「じゃあ、電気消すぞ」
ハルヒ「うん。」
キョン「…」
 :
 :
こうして付き合うことになった俺達は翌日部室で古泉たちに交際宣言をしたのだった。

そう、ハルヒが俺の家を火事にしたのは、これが狙いだったのだ。
俺は心底驚いた。ハルヒが俺を好きだという、その思いなど1グラムも感じていなかったし
不思議大好きなハルヒが恋愛などに興味を持っている、更にはその相手が俺である、などとは1ミリも考えていなかったのだから。
古泉は何時もの顔で笑いながら言った
「上手く行ったようで良かったです」

まんまとしてやられたものである。
この日から俺とハルヒの交際は始まった。


13: 2008/06/01(日) 13:27:22.76 ID:o1NdPXRv0

「腹減ったな。飯食べるか」
俺はロフトを降り台所へ向かう、と不意に玄関のチャイムが鳴った

「はい。」
ドアを開けた先にはハルヒが立っていた

ハルヒ「あ、起きてた?遊びに来たわよ」
キョン「ん、上がれよ」
ハルヒ「キョン、お昼食べた?」
キョン「いや、今起きたとこだ。飯はこれから」
ハルヒ「じゃあ、あたしが作ってあげる」
キョン「いいのか?じゃ頼むよ」
ハルヒ「なに食べたい?」
キョ「何でもいいよ」
ハルヒ「何でもいいって一番困るのよ。なにかテーマでもいいから決めなさいよ」
キョン「じゃあ、なんかさっぱりした物作ってくれ」
ハルヒ「さっぱりした物ね。任せなさい。」

16: 2008/06/01(日) 13:47:22.28 ID:o1NdPXRv0
  :
ハルヒ「はい。豚のポンしゃぶよ!」
キョン「凄いな。」
ハルヒ「食べてみて」
キョン「いただきます……これは、美味いな」
ハルヒ「本当?」
キョン「ハルヒ、料理も出きるんだな。本当美味いよ。俺の作る料理が残飯みたいだ、尊敬する」
ハルヒ「褒めすぎよ…バカッ」
  :
キョン「なんか幸せだよ」
ハルヒ「…うん」

ハルヒがこっちに身を寄せてくる。優しい匂いが鼻腔をくすぐる
俺にとっての初めての恋愛らしい恋愛。俺は以前では考えられないくらい、ハルヒのことが好きになっていた。
俺はハルヒを更に抱き寄せてキスをした。唇に
ハルヒの熱が伝わってくる。俺はハルヒの温かさを感じながら目を閉じた。

「キョン。大好き」
耳元で微かな声が聞こえる
「俺も好きだよ。ハルヒ」

人生初の恋愛に俺は酔いしれていた。

22: 2008/06/01(日) 14:09:04.17 ID:o1NdPXRv0
何時間そうしていただろう、ま、せいぜい数分だろうが。
抱き合った俺達の胸の辺りが少し蒸れてきた
「ハルヒ」
「ん、なに?」
横目に見たハルヒは目を閉じて今にも眠ってしまいそうに見えた

「ちょっと外出ないか?」
「やだ。もうちょっとこうしてたい」
ハルヒはそういって俺を抱きしめる腕に少し力を入れた

「仕方ないな…じゃあ後3分な。スーパーに買い物行きたいんだ」
「分かった。3分間は離さないからっ…」

24: 2008/06/01(日) 14:22:22.73 ID:o1NdPXRv0
  :
「3分経ったぞ」
俺はハルヒの首筋に軽くキスをした

「もう、変なとこキスしないでよ」
「ははっ、悪い悪い。さ、出掛けよう」
俺は膝に座ったハルヒを下ろしてジーンズに着替えた

「どこに買い物行くの?」
「ここから5分くらいのとこにあるスーパーだ」
「ふーん…何買うの?」
少し眠そうな声でハルヒが問いかける

「米が切れてるから、まずは米だな。あとは適当に肉とか野菜」
「ちゃんと栄養考えてご飯食べなきゃ駄目よ?」
「分かってるよ。でもまあ俺は面倒くさがりだからなぁ。面倒くさいとすぐレトルトで済ましちまうんだよ」
「あたしが毎日作りに来てあげたいけどね…さすがにちょっと無理ね」
「その気持ちだけで十分だ。栄養には気をつけるよ」
「うん」
「じゃ、行くか」
部屋を出て階段を下りる。

「キョン。」
「ん?…ああ。」
ハルヒの催促に俺はハルヒの手を取り、指と指とを繋いだ
満足そうな顔をしてハルヒがはにかむ。
「スーパー、どっち?」
「ああ、こっちだ」


27: 2008/06/01(日) 14:39:35.01 ID:o1NdPXRv0
「2525円になりまーす」

「キョン、お米って無洗米なの?」
店を出たところでハルヒが聞いてきた

「ああ、米研がなくていいからな。楽だろ?」
「あたし、なんか無洗米って嫌なのよね。研がないのが気になっちゃって」
「ははっ、変なとこで神経質だな」
「別に笑うとこじゃないわよっ!」
「すまんすまん。」
「もうっ」
「ハルヒ、今日はもう帰るか?」
「んーん。まだ4時だし、もう少しキョンと一緒に居る」
「そうか。じゃあ晩飯作ってくれよ。材料もいくつか買ったし」
「いいわよ。なに食べたい?」
「そうだな…キャベツ買ったから何かキャベツを使った料理が食べたいな」
「キャベツ料理ね。任せて」


29: 2008/06/01(日) 14:59:01.62 ID:o1NdPXRv0
「じゃあ、さっそく作るわ。キョンは本でも読んでて」
家に着くなりハルヒはキッチン立ち準備を始めた。案外いい嫁になるのかもしれない

「分かった。任せる。美味しいのを頼むな」
「任せてっ」
「さて…2ちゃんでも見るか。」
いつものように机の上のPCを立ち上げネットへ繋ぐ。

「SDカード暴落か~、1GBで500円以下は安いな。ハルヒとの写真も増えてきたし、新しいSD買うか…」
「『6月1日は電波の日です。』 …なんだこりゃ?
 『電波の日(でんぱのひ)とは、電波の利用が国民一般に開放されたことを記念する日。6月1日。
1950年6月1日に電波三法(電波法・放送法・電波監理委員会設置法 )が施行されたことにちなみ、
国民に対して電波利用に関する知識を普及啓発させる目的で、当時の電波監理委員会が
1951年に6月1日を電波記念日として制定した。』 へえーそんな物あるのか。」

何時も覗いている板を一通り見終わり、暇をしていると台所から良い匂いがしているのに気がついた

30: 2008/06/01(日) 15:09:55.86 ID:o1NdPXRv0
「出来たか?」
「もう少しよ。2、3分くらい」
「じゃあ、飯よそっとくよ」
「うん。お願い」

ハルヒが作ったのはロールキャベツだった。
紅いスープに薄緑のキャベツが3つ浮かんでいる
「ロールキャベツか」
「うん。トマトソースベースにしてみたの」
「食べていいか?」
「どうぞ」
「……うん。…美味い」
「ちょっと頑張ってみた」
「ハルヒは料理はどこで習ったんだ?」
「うーん、習ったてほどではないんだけど母親が晩ご飯作るの手伝ってたから、その流れで基本は覚えちゃったかな」
「そうなのか。ハルヒの母親も料理上手いんだろうな」
「あたしよりずーっと上手よ。だてに主婦歴18年やってないわ」
「いつか食べてみたいもんだな」
「そのうち招待してあげるわ」
「そりゃ楽しみだ」

34: 2008/06/01(日) 15:26:19.40 ID:o1NdPXRv0
…もう8時か

「ハルヒ、もうそろそろ帰ったほうがいいんじゃないか?」
「あ…そうね。そろそろ帰るわ」
「送ってくよ」
「え、良いわよ。10分で着くんだし」
「まあそう言うな」
「…じゃあ、お願いするわ」
そう言って腕を伸ばしてきた。
立ち上がらせろと言うサインだろう。俺はハルヒの手を引く

「だいぶ分かってきたじゃない」
「そりゃあ、な。もう付き合いだして今日でちょうど二ヶ月だしな」
「覚えてたの?」
ハルヒが少し驚いた顔を見せる。

「俺は変なとこでマメなんだ」
「本当ね。早いわねぇ、もう二ヶ月かあ」
「なんだかあっという間だったな」

45: 2008/06/01(日) 19:02:45.89 ID:o1NdPXRv0
靴を履いて外へ出る。
秋の深まってきた11月、澄んだ空気の中、空に白い月が浮かんでいる。

「うー…冷え込んでるわねえ」
薄手のコートを羽織ったハルヒが体を小さくして吐いた言葉が、空気中に白く現れる。

「寒くないか?」
「…さすがにちょっと寒いわね」
「ほれ、俺の上着貸してやるよ。上に羽織っとけ」
「そんなことしたら、キョンが寒くなるじゃない」
「俺は大丈夫だ。ほら」
「…ん、じゃあ借りるわ」
「綺麗だな」
「っな、なに言ってるのよ突然っ」
「ん?…俺さ、この季節の高く澄んだ空が好きなんだ。月が綺麗だろ?」
「え、あ、っそうね!月ね!そうね綺麗ね。月」
「ハルヒはどの季節が好きだ?」
「あたしは…夏かな。一番開放的で行動的になれる季節だから」
「ははっ、ハルヒらしいな」

47: 2008/06/01(日) 19:16:54.80 ID:o1NdPXRv0
「でもキョンが月が綺麗とか言うとちょっとイメージ狂うわね」
「そうか?俺はもともと空を見るのが好きなんだ。秋の澄んだ空も、冬の凛とした空も、春の柔らな空も、夏の清々しい空も、な」
「へーえ。なんか詩人みたいね」
「そこまでのもんじゃねーよ」
「ふふっ。…けど本当最近寒くなってきたわね」
「そうだな。あと半月もすれば冬本番だ」
「年末も近いし、冬休み中の計画立てないといけないわ」
「冬休みか…SOS団としても久しぶりに集まりたいな」
「そうね、夏の合宿以来ちゃんと集まったのって数えるくらいしかないし…」
「去年は鶴屋さんの別荘借りてスキーだったが、今年もそうするか?」
「出来れば同じようなことは避けたいけど、それが一番無難かもね」
「明日部室に集まるか。俺からみんなに声かけとく」
「うん、そうね。宜しく頼むわ」

48: 2008/06/01(日) 19:29:54.74 ID:o1NdPXRv0
そう話してるうちにハルヒの家の前に着く

「送ってくれてありがと」
「おやすい御用で」
「ふふっ。じゃあね」
「あ、ちょい待ち。」
「なに?」
俺はハルヒを抱きしめた。ハルヒの匂いが俺はとても好きだった。優しくて暖かな匂い。

「もう、キョン家の前でやめてよ恥ずかしいじゃない」
「すまん。別れる前にハルヒの匂いをな」
「匂いフェチってやつ?」
「まあ、そんなもんだろうな。ハルヒの匂い嗅いでると凄く落ち着くんだよ」
「なんかその言葉、変態っぽいわ」
「ははっ、確かにな」
「でもまあ別に遠慮しなくていいわ。キョンなら」
「ありがとう。これからも遠慮しません」
「ふふっ。ばか」
「じゃあな。」
「うん。帰り気をつけてね」
「ああ」
ハルヒが家のドアを開け中へ消えていくのを確認してから、俺は帰路へついた。

49: 2008/06/01(日) 19:46:07.00 ID:o1NdPXRv0
翌日、週明けの憂鬱さを全身に感じながら俺は目覚ましを止め布団から出た

「なぜ月曜と言うのはこんなにもダルイもんなのだろう…」
ひとりごちながら顔を洗い学校へ行く準備をする。
ハルヒと付き合いだしてから登下校はハルヒと一緒にすることが多くなった
家に居るハルヒを俺が迎えに行き、そこから二人であの坂を上る。
部屋を出た俺は急ぎ足でハルヒの家へ向かう

「キョン、遅いわよ」
「すまん、少し準備に時間がかかった」
「もう。遅刻したら責任取りなさいよ」
「大丈夫だろ。まだ20分ある」
「朝はもっと余裕持って起きなさいよ。どうせ今日も朝ごはん何も食べてないんでしょ?」
「まあな、少しでも長く寝ていたくてな」
「なにか胃に入れておかないと午前中頭働かないわよ」
「…そうかもしれん」
「はい、カ口リーメイト。どうせなにも食べてないだろうと思って持ってきてあげたわよ」
「気が利くな。ありがとう」
「彼女だからこれくらい普通よ」
「そうか。ありがたいことだ」

52: 2008/06/01(日) 20:19:03.67 ID:o1NdPXRv0
学校に着くと教室は相変わらずの騒がしさだった

「なんとか間に合ったわね」
ハルヒがそういうと同時に朝のチャイムが鳴り響き、担任が教室に入ってきた

「みんな、おはよう。出席取るぞー…」
  :
「今日は連絡事項は特に無い。じゃあHR終わり」
担任が立ち去り入れ替わりに社会の教師が入ってきて、授業が始まった。

放課後、俺とハルヒは久しぶりにSOS団部室へと足を進めていた
「部室に行くの久しぶりだな」
「一ヶ月ぶりくらいかしら。」

部室にはすでに古泉、朝比奈さん、長門の三人が揃っていた。

56: 2008/06/01(日) 20:38:52.89 ID:o1NdPXRv0
古泉「涼宮さん、お久しぶりです」
ハルヒ「古泉くん、久しぶり。有希とみくるちゃんも」
長門「(コク)」
みくる「ひさしぶりです。一月振りくらいですね」
ハルヒ「最近会えなくてごめんね」
古泉「いえ、構いませんよ。涼宮さんの作った団ですから、涼宮さんが自由にすれば」
みくる「それで、今日集まったのは、冬休みの計画を立てるからだってキョン君に聞いたんですけど」
ハルヒ「ええ、そうよ。今年も冬合宿を行おうと思ってるの」
古泉「冬合宿…もうそんな季節ですか」
ハルヒ「昨年は鶴屋さんの別荘を借りて行ったでしょ?それで今年はどうしようかなっと思って」
キョン「俺は寒い冬を脱して南国へ逃げ出したいな」
ハルヒ「なに言ってるのよ。寒い季節は寒い季節として味わうべきよ」
古泉「一つだけでしたら、心当たりがあります」
ハルヒ「へえ、どんなところ?」
古泉「僕の知り合いの方がスキー場の近くに建てたログハウスなんですが
    今年は忙しくて使う予定が無いから、僕に使わないかと連絡がありました。隣の県にある有名なスキー場です」
ハルヒ「ログハウスか。良いわね」
古泉「よろしければ僕から連絡を取って段取りを建てておきますが」
ハルヒ「そうね、みんなそれでいいかしら?」
みくる「はい、わたしは。」
キョン「ログハウスってのが良いな。俺はいいぞ」
長門「(コク)」
ハルヒ「じゃあ決定ね。古泉くんお願いできるかしら?」
古泉「お任せください。詳細が決まりましたら連絡差し上げます」
ハルヒ「よろしくね」

58: 2008/06/01(日) 20:55:18.76 ID:o1NdPXRv0
それから数週間が経ち、終業式を終えた後、俺達は部室に集まった

古泉「冬合宿の詳細ですが、12/27~12/30の3泊4日の予定になりました。
    参加者は、僕達SOS団の5人と鶴屋さん、あと妹さんの計7人です。送り迎えや宿泊中の食事のなどは新川さんが引き受けてくれることになりました
    この冊子に詳細が記してあるので、目を通しておいてください。僕からは以上です」
ハルヒ「じゃあ、四日後に会いましょう。」
みくる「わかりました」
古泉「朝9時に駅前に集合です。よろしくお願いしますね」
ハルヒ「みんな、明日はクリスマスイブよ。良いクリスマス過ごしてね。じゃあ、バイバイっ。キョン、帰りましょ」
キョン「ん、おう。じゃあ朝比奈さん、長門、古泉、また四日後にな」
古泉「ええ」
みくる「キョン君、さようなら」
長門「(コク)」

62: 2008/06/01(日) 21:10:33.62 ID:o1NdPXRv0
「楽しみねぇ」
俺達は手を繋いで坂を下りていた。

「そうだな、いろいろ準備しなきゃならんが」
「あ、そうか。妹ちゃんのところ行くのよね」
「ああ、妹にもこの冊子渡しとかないといけないしな。今日はあっちの家に泊まるよ」
「そうなんだ、明日は?」
「明日もあっちに居るかな。久しぶりに家族で集まるからな」
「明後日は…?」
「大丈夫。明後日はちゃんと帰ってくるよ。クリスマスだしな」
「本当?」
「本当だ。大丈夫。俺だってハルヒとクリスマス過ごすの楽しみにしてるんだぜ?」
「…うんっ」
「朝には帰ってくるから、こっち着いたらハルヒの家行くよ。それから買い物に行こう」
「うん。分かった。楽しみしてる」
「じゃあ、俺電車だから、ここで」
「気をつけてね」
「ああ。着いたらメールするよ。また明後日にな」
「ばいばいっ」

ハルヒと別れた俺は電車に乗り隣の市にある家族の住む貸家へ向かった。


俺の幸せな日常は続いていた。怖いくらいに…


キョンの暮らし #1 完

 

63: 2008/06/01(日) 21:14:01.69 ID:wrUx+phx0
とりあえず乙

66: 2008/06/01(日) 21:30:50.44 ID:ybA3zJatO
乙~!
続き楽しみにしてる

67: 2008/06/01(日) 21:34:36.29 ID:6HvLgYrQO

言い夢見ろよ

引用元: キョンの暮らし