1: 2013/08/27(火) 22:36:41.33 ID:7ZscUsOc0
申し訳ないのですが、いつものあの人ではありません。
思いついちゃったので、せっちゃんさんでいきます。



2: 2013/08/27(火) 22:38:54.74 ID:7ZscUsOc0

雪菜「言いたい事が言えない……変わりたいのに変われない」

雪菜「とにかく変わりたいって田舎から出てきたのに……うまくいかない。虚しい、苦しい」

モバP「ほう、それは良くないなァ」

雪菜「!?」


3: 2013/08/27(火) 22:40:08.87 ID:7ZscUsOc0

雪菜「だ、誰ですか、貴方!?」

モバP「おっといけない。始めまして、ワタクシ、こういうものです」

雪菜「アイドルプロダクションの……プロデューサーさん?」

モバP「まあ、話を聞いてくださいよ。あそこの喫茶店で……コーヒー一杯ただで飲めるくらいの気持ちでいいからさ?」

雪菜「は、はあ……そこまでいうなら」

4: 2013/08/27(火) 22:43:04.56 ID:7ZscUsOc0

モバP「ほうほう、小物集めに……メイクが趣味。それはいい! メイクは魔法です、女性を輝かせる!」

雪菜「ええ、私お化粧大好きなんです! あの……アイドルになれば、もっと可愛くなれますか?」

モバP「ハッキリ言いましょう。わかりません」

雪菜「ええええ!? そこでハッキリ、なれるよ、って言わないんですか!?」

モバP「ええ、お陰で私はスカウトの成功率が事務所の中で最下位です」

雪菜「は、はぁ……」

5: 2013/08/27(火) 22:46:08.88 ID:7ZscUsOc0

モバP「雪菜さん、夢を叶えるのに一番大切なことはなんだと思いますか?」

雪菜「え? えーと……努力と……根性?」

モバP「正解です。でもそれだけじゃない」

雪菜「じゃ、じゃあ本当の正解は?」

モバP「そりゃあもう、たくさんです。一つずつ挙げて行ったら日が暮れてしまいますよ」

雪菜「……一番大切なものじゃ、なかったんですか? それなのに一つじゃない?」

モバP「ええ、その通り」

6: 2013/08/27(火) 22:49:45.48 ID:7ZscUsOc0

モバP「アイドルとしての活動には、本当に沢山の事象が絡みます。それこそ、運だって必要不可欠な要素です」

モバP「でも……それもこれも、まずスタートラインに立たなければ、絶対になれない」

雪菜「スタート……ラインに……」

モバP「そうです! 勇気を出して希望を持って、進まねばはじまらない」

雪菜「でも……私は今までうまくいったことが……」

モバP「そんな過去は捨てましょう」

雪菜「これからも、うまくいくかどうかわからないですし……」

モバP「それこそ、未来を祈るしかありません」

7: 2013/08/27(火) 22:52:23.98 ID:7ZscUsOc0

モバP「新しい事を始めるのに、不安になるのはわかります」

モバP「事実、今あなたのファンは……目の前にいる私だけ。まだ一人だけだ」

雪菜「あら……プロデューサーさんは、私のファンになってくれたんですか?」クスッ

モバP「それはもう! そうでなければ、貴方をスカウトなんてしません!」

モバP「もし、この手を取ってくれるなら……貴方を精一杯サポートし、励まし、アイドルへの道を示してあげましょう」

モバP「どうですか? 貴方の夢で……輝かしい光を、操ってはみませんか?」

雪菜「……少し……考えさせて下さい」

8: 2013/08/27(火) 22:56:15.52 ID:7ZscUsOc0
――その日の夜

雪菜(あの後プロデューサーさんと別れて、家に帰った後……私は悩み抜いた)

雪菜(不安な独りきりの夜……寂しさと恐ろしさが襲ってくる)

雪菜「アイドル……確かに憧れを感じる世界だ……でも……」

雪菜「もし、失敗したら……? 怖くて一歩踏み出せない……」

雪菜「……でも……スタートラインに立たないと……何も始まらない……」

雪菜「何もせず、ここで待つの?」

雪菜「……よし、決めた!」

9: 2013/08/27(火) 22:59:22.19 ID:7ZscUsOc0
――次の日

モバP「来てくれましたか、素晴らしい! 貴方は勇気ある人だ!」

雪菜「はい……私! 変わりたいんです! だから……よろしくお願いします!」

モバP「こちらこそ、よろしくお願いします! ……そうですね、貴方が好きな言葉で言うならば!」

モバP「輝くメイクを! 魔法のメイクを! 君にしてあげましょう!」

10: 2013/08/27(火) 23:01:50.79 ID:7ZscUsOc0
――それから

雪菜(トレーニング、苦しい! く……やっぱり、夢を叶えるのは大変だ……!)

雪菜(どんなに頑張っても、うまくいかない……レッスンが進まない時もある……)

雪菜(なりたい自分になれない……悲しい……)

雪菜(マイナス思考が、止まらない……やっぱり私に、アイドルは無理だったの……?)

11: 2013/08/27(火) 23:06:27.32 ID:7ZscUsOc0

雪菜「やっぱり……私には無理だったんでしょうか……」

モバP「ふむ……だいぶネガティブですね」

モバP「……雪菜さん。まだ貴方に、ちょっとでも諦めきれない気持ちはありますか?」

雪菜「それは……! あります。変わりたいと、思っていますから」

モバP「結構。ならば、私に付いて来て下さい」

12: 2013/08/27(火) 23:08:04.62 ID:7ZscUsOc0
――ライブ会場

雪菜「これは……」

モバP「ちょうど、貴方の先輩に当たるアイドル達のライブです」

モバP「今は一人のお客として、見てみてください」

雪菜「……はい……」

13: 2013/08/27(火) 23:10:26.61 ID:7ZscUsOc0

――ライブ後

モバP「さて、どうでしたか雪菜さん」

雪菜「……すごかったです……」

モバP「そうですね……彼女らは、とてもとても煌びやかだ」

モバP「専属のメイクさんもついています。その技術、凄いものでしょう? キメ細やか肌、チェリーなリップ、とろけるようなキュートな瞳……」

雪菜「煌めくネイル、髪を飾って、綺麗に仕上がっていた……だけど……」

モバP「だけど?」

雪菜「それは素晴らしかったけど……それは、決定打じゃない」

14: 2013/08/27(火) 23:15:38.18 ID:7ZscUsOc0

雪菜「なんというか……彼女らが、本当に楽しそうに、皆を楽しませたいと、伝わってきた……」

モバP「そう! その通りなんです!」

モバP「メイクは魔法ですが……それは、あくまで外見だけです」

モバP「自らが楽しみ、人々を楽しませる……それは心の内から出てくるもの」

モバP「その両方が合わさって……本当の魔法のメイクになるんです」

雪菜「魔法のメイク……そうか……そうですよね……」

雪菜「プロデューサーさん、私……まだ諦めません。スポットライトを浴びて……私を、皆を輝かせたい!」

モバP「ええ! それでいいのです! それが分かったなら大丈夫です、貴方は変われます! 強くなれます!」

15: 2013/08/27(火) 23:21:37.69 ID:7ZscUsOc0

――さらに数ヵ月後

雪菜(アレから地道にトレーニングと仕事を続け、やっと私も舞台に立つ事ができた……)

モバP「やあ、雪菜さん! 準備は万端のようですね!」

雪菜「あ、プロデューサーさん! はい……今日はメイクのノリ、いいんです♪ ホラ、目元のパールとか……小悪魔ウェーブとか!」

モバP「うーむ……確かに素晴らしい! シルクのような肌、艶やかなリップ、果実のような甘い匂い……とても綺麗に仕上がっています! 思わず抱きしめたくなるほどです!」

雪菜「だ、だき!?!?」

16: 2013/08/27(火) 23:31:53.31 ID:7ZscUsOc0

モバP「おっといけない……私が抱きしめたらセクハラでした」

雪菜「あ、あはは……」

モバP「雪菜さん、貴方が抱きしめるべきは……あの舞台のスポットライト、そしてファンの皆さんの声援です」

雪菜「ええ……プロデューサーさん、私……アイドルの世界を目指してよかったです!」

モバP「それは何より! でも、これは終わりではありませんよ」

雪菜「わかってます! この舞台を……次のステージも! 私の全てを込めてきます!」

モバP「ええ……さあ、幕が上がります! いってきなさい、雪菜さん!」

雪菜「はい! 今度は、私が皆に……魔法のメイクをしてあげます!」



                              終わり

17: 2013/08/27(火) 23:35:18.63 ID:7ZscUsOc0

元ネタはjealkbの「makemagic」です。


……なんでこの歌詞で、遊戯王の映画の主題歌になったんでしょうね?
そんなわけで雪菜さん、お誕生日おめでとうございます。

18: 2013/08/27(火) 23:42:06.81 ID:X/aOT7WAO

19: 2013/08/27(火) 23:50:08.03 ID:cRf5a8yKo
オゾンより下なら問題ないー


20: 2013/08/28(水) 00:18:02.03 ID:CVVviK8To
せっちゃん単品とか初めてかも

おっつおっつ、せつなァ!

引用元: 井村雪菜「落ち着いてくださいよぉ」