1: 2012/10/09(火) 21:37:38.99 ID:KuIbah/X0

アイドルマスターとザ・シェフとのクロスです。実はもう一つクロスをしておりますが気にしないでください。
ザ・シェフ超合本1
2: 2012/10/09(火) 21:39:16.60 ID:KuIbah/X0

某レストラン

伊織「へえー、だから美味しいのね。こんなに料理で感動したのは久しぶりよ!」

伊織の父「なるほど、グルメの君がこんなパッとしない店を推薦したのはこういう訳があったのか」

グルメな友人「はい、味沢匠は知る人ぞ知る凄腕の料理人です。しかも出張専門の請負人。こんな機会は滅多にないと思いまして」

グルメな友人「しかも依頼料が法外なんですよ。しかしそれだけの価値はあると思いますよ」

伊織の父「ううむ。確かにこれならいくら出しても惜しくはないな」

伊織「本当ね。出てきたメニューが古典的なフレンチだからどうかと思ったけど、これならまた食べたいわね」

グルメな友人「噂ではリッツホテルで最年少でシェフになったとか……」

伊織の父「ほほう、あのフランスで最も格調高く名門ホテルでか。そいつはすごいなー」

味沢「気に入っていただきましたか?」

伊織「えっ、あっ、はい!」

グルメな友人「はっはっは。リッツホテルなど有名な店ではこうやって料理人が挨拶に来るんだよ」

5: 2012/10/09(火) 21:41:31.34 ID:KuIbah/X0

グルメな友人「おっと、紹介しよう。こちらは水瀬財閥の水瀬氏に娘の伊織さんだ。伊織さんは何とアイドルとして活躍もしているんだ」

味沢「そうですか」

伊織「初めまして水瀬伊織です」ペコリ

グルメな友人「伊織さんは765プロに所属していてもう大人気なんだよ」

味沢「あいにくとテレビはあまり見ないもので」

伊織(むー)

伊織の父「ふむ、そういえば思い出したぞ。味沢匠。確か人の心を打つ料理を作るとか」

伊織の父「私の友人が言っておったが一つの料理で息子と新しい執事の考え方を変えたと。しかも違う悩みをだ」

グルメな友人「それは聞いたことありますよ。引退を決意した力士を説得したり詩の絶望に震えていたお嬢さんに生きる希望を与えた」

グルメな友人「ほかにも頑なな心を解きほぐしたりと、ほんと凄い人ですよ」

6: 2012/10/09(火) 21:43:00.07 ID:KuIbah/X0

味沢「いえ、私はただ料理を作るだけです。大したことはしておりません」

味沢「では、ごゆっくり」ペコ。

グルメな友人「やれやれ、いつもながらそっけない人だよ」

伊織の父「」ところで伊織、いつまでアイドル活動をしてるつもりなのかね

伊織「もちろん、トップにしてスーパーアイドルになるまでよ」

伊織の父「やれやれ誰に似たのかお前も頑固だな。言っておくがこれ以上の──」

伊織「分かっているわよ。私自身の力で成し遂げてみせるんだから!」




7: 2012/10/09(火) 21:45:39.36 ID:KuIbah/X0
765プロ

小鳥「もうー、プロデューサーさん、また徹夜して!」

小鳥「しかもソファーで仮眠? 体を壊してしまいますよ」

P「だけど音無さん、今度のフェスに大型合同ライブ。さらに番組改編に向けて仕事が山積みなんだ。今頑張らずにいつ頑張るんだよ」

小鳥「けど、こんなに根を詰めて体を壊したら元も子もありません。もう少し私たちを頼ってください!」

P「けど、音無さんもかなり仕事を抱えているでしょう。律子も自分の仕事で手一杯だし、社長は……」

小鳥「健康ドックで入院中ですものね。悪いところが見つかって少し長くなるみたいですし。でも、社長代行まで抱えたら──」

8: 2012/10/09(火) 21:46:36.22 ID:KuIbah/X0

P「分かってるよ、今日で少し一息がつく。とりあえず今晩は徹夜せず早く帰れるさ。そうだな……日付が変わる頃かな」

小鳥「全然早くありません! それと──」チラリ。

小鳥「……春香ちゃんが作っていった夜食、また残したんですか?」

P「すっ、少しは食べたさ。でもやっぱり食欲が沸かなくて……」

小鳥「はあー、とりあえず春香ちゃんの見えないところに処分してくださいね。残したと知ったら悲しみます」

P「分かってるさ。俺のためにみんなが夜食を置いてくれて行くのはありがたく感じてるよ。けどどうしてもな……」

小鳥(……全くどうしたものかしらね)

小鳥「とにかくシャワーを浴びて無精ひげを剃ってきてください! そんなだらしない格好でみんなに会わせるわけにはまいりません!」

P「だから分かってるよ」スタスタ。ガチャ。

小鳥「はあー。アイドルのためのシャワールームがプロデューサーさん専用になってきたわね」

9: 2012/10/09(火) 21:47:55.28 ID:KuIbah/X0

──少し経って。

春香「プロデューサーさん夜食、きちんと食べてくれたかな……」

小鳥「もちろんよ。ほら、空になっているでしょう」

春香「──そうだね」

美希「今日はミキがハニーのためにおにぎり作ってきたの。おかかマゼマゼと鮭まぜまぜだよ。ハニー、食べてくれるかな」

小鳥「ええっ、きっと食べてくれるわよ」

伊織「──それであいつは?」

小鳥「営業先に出かけているわ」

伊織「そう……」

あずさ「こんなこともあろうかと私も事務のやり方は教わっているんですけどねー。プロデューサーさんはどうして頼ってくれないのかしら」

ハム蔵「ヂュイ、ぢゅい」

響「ハム蔵もそれぐらいの事務作業ならこなせると言ってるぞー。忙しいなら猫の手ならぬハム蔵を使えばいいさー」

10: 2012/10/09(火) 21:49:54.07 ID:KuIbah/X0

小鳥「あははは、頼もしい限りね」

律子「……ごめんなさいね。私がもう少し仕事ができればプロデューサー殿に負担かけなくて済むのに」

小鳥「仕方ありません。一気に仕事が押し寄せてきたんですから。こういう時のためにもう少し人を雇おうと常々言ってるんですけど」

貴音「とにかくこちらが出来ることをして少しでもプロデューサーに負担をかけないようにいたしましょう」

真「そうだね。何が出来るか分からないけどやれることは少しでもやろうよ」

雪歩「冷蔵庫に疲労回復効果抜群のお茶を淹れておきましたー」

伊織「──ちょっと喉が乾いたからオレンジジュースを飲んでくるわね」



事務所の給湯室というか台所。

ゴミ箱ガサガサ。ばさっ、

伊織「やっぱり残しているわね。多分、春香も薄々気付いているでしょうけど……全くあの頑固者はー、皆に心配ばかりかけて……」

11: 2012/10/09(火) 21:52:02.51 ID:KuIbah/X0

“グルメの友人”「味沢さんは頑なになった人の心を解きほぐしたりとか」

伊織「そうだわ、あの人に頼めばもしかしたら──」ピッピ、

伊織「新堂? 少し頼みたいことがあるの。ええっ、お願いね」

伊織「さて、依頼料は高いと聞いていたけど幾らぐらいなのかしら? 今自分が使える額は……五十万。まあ、これだけあれば足りるでしょう」


さて伊織が気づかないように見つめる視線。銀髪がたなびく。いったい誰なのやら。

12: 2012/10/09(火) 21:54:20.54 ID:KuIbah/X0

バー「レモンハート」

マスター「おっ、いらっしゃい、久しぶりだね」

P「今日は早く帰れたからね。久しぶりにマスターの一杯を飲んで寝ようかと」

マスター「早い? おいおい、もう十二時を回ったよ。頑張るのは良いけど体だけは壊すなよ」

P「ははっ、分かっているよ。マスター、いつものをお願い」

マスター「はい、少し待っててね」スイッ、

P「おっ、ありがとう」グイ。

マスター「あっ、それは……」

P「んっ、いつもと味が違うな」

マスター「そりゃあそうでしょう。それはこちらのお客さんのなのだからさ」

黒衣の男「───」

P「あっ、すみません。マスターこちらの方に代わりを。もちろんこれも合わせて俺のお代に入れて置いてくれ」

マスター「了解です。味沢さん、すみませんね。もう少しお待ちくださいね」

13: 2012/10/09(火) 21:55:30.52 ID:KuIbah/X0

P「ハハッ、ホント失礼しました」

味沢「いえ、別にいいですが」

P「あなたも仕事帰りですか」

味沢「…………まあ、そんな所です」

P「んー、何をしてるのかな。あっ、分かった、お医者さんでしょう。黒ずくめですし」

マスター「おっと、残念。味沢さんは料理人だよ。しかも知る人ぞ知るという凄腕のね。しかも出張専門の請負料理人さ」

P「へえー、さすらいの料理人か。カッコイイなー。包丁片手に昨日は北へ、今日は東へと渡り歩くわけか」

マスター「珍しいのはPさんもでしょう。765プロでアイドルのプロデュースをしてるんだから」

味沢「765プロ」ピクリ

P「あっ、知ってるんですか? 嬉しいなー」

味沢「いえ、そういうのには疎いもので……」

P「やれやれ、まだまだ有名じゃないか。もっと頑張らないとなー」

マスター「だから頑張るのは良いけど顔色悪いよ。倒れないように気を付けないと」

P「大丈夫ですよ、体だけは頑丈ですから」

14: 2012/10/09(火) 22:00:14.67 ID:KuIbah/X0

マスター「でもね、一人で抱えずに皆に相談したら……」

P「みんなも忙しいですし、これは俺の仕事です──味沢さんなら俺の気持ちが分かるでしょう」

P「流離いの料理人ということは一人で何でもこなさなければならないそれが定めであり宿命じゃないのかな」

P「とにかく俺はみんなをトップアイドルにするために──」

味沢「いい加減にしてもらえませんかな。私はここでゆっくり酒を飲みたいんだ」

味沢「つまらない自慢や愚痴を聞くためでない」

P「うっ、すみません」

マスター「ごめんなさいね、調子に乗って」

味沢「──」マスターから貰った酒を飲み干す。

味沢「ではこれで──それから、お節介かもしれませんが空きっ腹に強い酒を飲むのはやめた方がいいですよ」

15: 2012/10/09(火) 22:04:27.38 ID:KuIbah/X0

──某所

伊織「時間通りに来てくれたようね」

味沢「仕事の話ですから。でっ、どういったご用件で」

伊織「あなたに夜食を作って欲しいの。相手はコイツよ。765プロの事務所でいつも徹夜してるわ」

味沢「それは別にいいですが私は高いですよ」

伊織「ええっ、ここに五十万を用意したわ。これで究極にして至高の夜食を作ってちょうだい」

味沢、なぜかニヤリと笑う。

17: 2012/10/09(火) 22:08:48.12 ID:KuIbah/X0

──765プロ、深夜

P「ふうー、疲れたなー。でもまだまだ頑張らないとな。さて、もうひと踏ん張りするか」

ガチャ、バタ。

P「誰だ? 鍵はかけておいたはずだぞ」

味沢「失礼、765プロからの依頼で貴方に夜食を作りに参りました。

P「あっ、あんたは? 何故ここに?!」

味沢「ですから765プロからの依頼です。こうやって鍵も持っているのが証拠です」」

P「……やれやれ伊織辺りか。余計なことしてくれて……悪いけど食欲がないんだ。帰ってくれないか。

味沢「そういうわけには参りませんな」」

18: 2012/10/09(火) 22:14:49.41 ID:KuIbah/X0

P「何……だと?」

味沢「私は高額な報酬をもらってここに来ているのです。このまま帰っては依頼人たちに合わせる顔がありません」

味沢「とにかく私は料理を作ります。勿論、それを食べる食べないはあなたの自由ですが」

P「やれやれ分かったよ。キッチンはそっちだ。適当に作ってくれ。俺は仕事を続けるから」

味沢「分かりました。では」

 トントン、ぐつぐつ。

P(何だろう……すごく胃が揺さぶられるというか、腹が減って仕方がない。ああ、良い匂いだな)

味沢「出来ました。チキンスープのリゾットです。」

19: 2012/10/09(火) 22:20:25.58 ID:KuIbah/X0

P「細かく刻んだ野菜とご飯を入れて煮込んだチキンスープか……まあ、夜食向けだな」

味沢「まさか不センス料理のコースでも出ると思いましたか。この時間となるとあまり胃に負担のかかる料理は避けたほうがいい」

味沢「これは常識ですよ」

味沢「さ、冷めないうちにどうぞ」

P、スプーンをとって一口すする。

P「なっ、なんだこの料理はー!!!



P「ウマイではないかー!!!!」!


ガツガツムシャムシャズズー!!



P「はっ、一気に飲み干してしまった。一体何が起こったんだ?」

20: 2012/10/09(火) 22:26:56.48 ID:KuIbah/X0
味沢「やれやれ……早食いも体に悪いというのに」

P「ううっ、なんという料理だ。いや、今でうまいと思った料理は何度も食べたさ」

P「けど、我を忘れて貪り当然としたのは初めてだ。いや、さすが流離いの凄腕料理人だな」

P「えっと、もっと食べたいのだけど……」

味沢「残念ながらこれで終わりです」

P「ああっ、やっぱりー。おっ、まだ残ってるぞ。うん舐め取っても恥でないよな」

P「しかし、伊織には気を使わせたよ。反省しないと」

味沢「……一体何の話です?」

P「えー、味沢さんを雇ったのは伊織でないのか? 彼女ぐらいしかこんな事できないだろ」

21: 2012/10/09(火) 22:31:45.87 ID:KuIbah/X0

味沢「確かに彼女に呼ばれました。しかし依頼は断ったのです」

P「えっ、何故?」

味沢「簡単な話です。依頼料が足りなかったからです。私の相場は百万単位。今回は二百万を提示しました」

味沢「それにたいして彼女は五十万しか用意してなかったのです。全然足りません」

味沢「水瀬財閥のお嬢さんといえど自由にお金が使えるわけではありません。まだ子供なのですから」

P「じゃあ、誰の依頼でここに?」

味沢「言ったでしょう。依頼人は765プロと」ニヤリ。

P「えっ?」

22: 2012/10/09(火) 22:39:32.78 ID:KuIbah/X0
──再び某所

伊織「二百万?! そんな……」

味沢「びた一文まけるつもりはありませんよ」

伊織「ううっ、この五十万を手付金として支払うわ。残金はきっと払う。だから──」

味沢「こういう稼業は現金即決。それが常識です」

伊織「……」

味沢「水瀬グループならば腕のいい料理人は何人もいるでしょう。中には日本の老舗とも言える店も有しておりますし」

味沢「彼らに頼めば安く上がるのではないですか」

伊織「──ダメよ」

伊織「確かにあんたに匹敵する料理人ならいるわ。でもダメなの。違うの」

伊織「あいつに必要なのは美味しい料理じゃない。心を打つ料理なの。それを作れるのはあんたしか居ないわ」

味沢「そう申されても以来量が足りなければ話になりませんな」

伊織、携帯を取り出して電話をかける。

伊織「パパ、お願いがあるのだけど──」

23: 2012/10/09(火) 22:45:21.43 ID:KuIbah/X0

貴音「ふっ、その必要はありませぬ」 貴音、伊織の携帯を取って通話を切る。

伊織「貴音、どうしてここに?」

貴音「味沢匠。あなたの料理をりっつほてる時代に味わったことがございます。真、美味でした」

貴音「伊織、足りない分は出しましょう」

伊織「でっ、でも百五十万よ。そんなに持っているの」

貴音「いいえ、残念ながら到底足りませぬ」

伊織、ズコーとこける。

伊織「じゃあどうするのよ!」

貴音「ふっ、それは知れたこと。絆を束ねて団結するのです」

25: 2012/10/09(火) 22:53:23.86 ID:KuIbah/X0

春香「伊織ちゃん、一人で抱えるのはプロデューサーさんと同じだよ」

千早「私たちも少しだけお手伝いをさせて」

あずさ「うふふ、運命の人のための結婚資金取り崩してしまいましたー。でもあまり変わりませんよね」

やよい「みんなごめんなさい。当分の間おかず一品減るけど許してね」

真「自由に出来るお金は少ないけど何とか用意したよ」

雪歩「私もです! 出来る限り持ってきました」

律子「ごめんね伊織。こういうのは率先して行わないといけないのは私なのに」

亜美「うふふ→親の目を盗んで」

真美「真美たちの貯金通帳からお金を降ろしてきたぜ→。真美たちまだ小さいからとお給金が自由に使えないからね→」

27: 2012/10/09(火) 23:02:27.35 ID:KuIbah/X0

小鳥「はい、これ。少ないけど足しにしてね」

美希「ミキも持ってきたよ。ハニーのためなら別にいいの」

響「みんなごめん。少しのあいだ餌が減るけど自分頑張るから我慢してくれよー」

伊織「あっ、あんたたち……本当に馬鹿よ。こんなことにお金を使う──なんて」

貴音「いいのです。これでプロデューサーの心に春が戻れば。あの方は今、頑固にこびりついておりますゆえ」

貴音「これで二百万。耳を揃えて用意しました。さあ、これで究極にして至高の夜食メニューを」

味沢「いいだろう。報酬がきちんと貰えれば何も言わない。だが──もう少し水瀬グループの力を借りたい」

味沢「確か日本で屈指の老舗レストランがあったな。そこで貰いたいものがある」

伊織「何が欲しいというの?」

味沢、再びニヤリとする。

29: 2012/10/09(火) 23:09:52.74 ID:KuIbah/X0

──765プロ 深夜。

P「スープストック?」

味沢「ええ、水瀬グループのレストランからスープを分けてもらいました。だからこそ、その味が出たのです」

P「へえー、そうなんだ。でも味沢さんが人の手を借りるなんて……なんかイメージに合わないな」

味沢「残念ながらそのスープは到底私には作れませんから」

P「特別な材料でも使っているのかな」

味沢「いいえ、普通の鶏です。ただ──開店当初から何十年も継ぎ足しつつ煮込み続けたスープですが」

P「なっ、何十年も?! すげえ……」

味沢「本場フランスでも行ってする店は少なくなりました。伝統をひたすら守り続けた結果の味。それがこのスープです」

31: 2012/10/09(火) 23:17:03.77 ID:KuIbah/X0

P「……それがこの感動を生んだのか。何年も何十年もじっくり煮込んで」

味沢「結果というのはすぐに求めることは出来ない好例です。それと……一人では到底成し得ないということでもあります」

味沢「スープの火は二十四時間絶やす事無く続けなければなりません。当然、交代で番をするわけですよ」

P「──何が言いたいのです?」

味沢「いえ、そのスープの味の秘密を述べただけですよ」

味沢「では、これで失礼いたします」

P「………………」

33: 2012/10/09(火) 23:23:37.60 ID:KuIbah/X0
──765プロ

あずさ「音無さん、この書類はこうでいいのかしら?」

小鳥「ええっ、それでお願いします」

貴音「判子、判子はどこですー?」

千早「ライブの進行スケジュールはこれでいいと思いますよ」

春香「そうだね、後は……」

やよい「うっうー、計算終わりましたー。決済終了です」

真「ええと、備品で足りないのは……」

雪歩「はい、765プロです。あっ、いつもお世話になっております」

美希「あふぅ、こっちの書類の整理は終わったのー」

律子「じゃあ、ちょっと行ってくるからあとはよろしくね」

34: 2012/10/09(火) 23:30:49.85 ID:KuIbah/X0

亜美「は→い。任せておいて→」

真美「うし、お掃除おわりまちたー!」

響「はい、プロデューサー、ハム蔵がこっちの企画書をまとめてくれたぞー」

ハム蔵「ぢゅい、ぢゅい」

P「やれやれすっかりみんなに迷惑をかけたな」

伊織「もっと早くからこうすれば良かったのよ。ほんと、頑固なんだからさ」

P「ははっ、味沢さんの依頼料。なんとかみんなに返すよ」

伊織「いらないんじゃない。みんな好きでやったわけだし。あっ、てもやよいにはすぐに返したほうがいいかも」

P「……だな。でも、みんなには本当に世話になった。何とかして返さないと」

伊織「ふふっ、私はそうね、味沢さんの料理をまた食べたいかしら」

P「そうだな、あの人の料理をもう一度じっくり味わいたいかな」

35: 2012/10/09(火) 23:36:41.32 ID:KuIbah/X0

伊織「──それはそうと貴音、味沢さんの料理をリッツホテル時代に食べたと言っていたけど……それってかなり前の事よ」

伊織「味沢さんは若く見えるけど結構長いあいだ請負料理人をしてるし──いったいどういう事なの?」

貴音「うふふっ、それはもちろん──とっぷしぃくれっとです」



765プロのビルを味沢が見上げる。無言で振り返り黒いコートを着てカバンを手に立ち去る。

終わり。

36: 2012/10/09(火) 23:39:53.64 ID:KuIbah/X0
以上であります。ちょっとマンガを見て思いつきました。自分的に新章より
古いバージョンが好みです。なお、自分はつい最近に書き始めたもの。
前にレモンハートのクロスを書いた方とは別人です。あれも好きな作品ですね。
多くのアイマスのSSを読んで自分も書こうと思いましたから。少しでもみんなに喜ばれる話を書きたいです。
保守された方、本当にありがとうございました。

37: 2012/10/09(火) 23:45:15.18 ID:fGxVL/5Z0
おつ!
久々にザ・シェフ読むとするわ

38: 2012/10/09(火) 23:46:36.71 ID:j5VeTson0

引用元: 伊織「幻の料理人味沢匠……?」