1: 2017/01/10(火)05:39:00 ID:EwB
西片「高木さん、勝負しない?」

高木「いーけど、何の?」

西片「ズバリ、笑ったら負け対決!」

高木「えー。それで前西片ボロ負けしてたじゃん」

西片「ルールは簡単。互いに相手をくすぐって、笑わなかった方の勝ちさ」

高木「西片脇腹弱いのに」

西片「ふふ……前のオレとは違うのだよ、高木さん」

高木「ふーん」

3: 2017/01/10(火)05:41:21 ID:EwB
>>2
だいたいあってる

4: 2017/01/10(火)05:44:07 ID:EwB
西片「この鉄棒に掴まるとちょうど腕がピンと伸びた状態になるだろ。
   で、地面に木の枝で丸を描いて、ここに足を置く。鉄棒から手を放したり丸から足が出たら反則負け」

高木「なるほどねー」

西片「勝負はターン制。片方が耐えて、片方が笑っちゃったら笑った方の負け。両方耐えたり両方笑ったりした場合は差がつくまで延長する。
   一回の時間は一分。これはオレの携帯で測るよ」

高木「それにしても西片」

西片「?」

高木「なんかやらしーこと考えてない?」

西片「そ、そんなことあるわけないだろ!」

高木「でも、くすぐるってなると身体に触るわけだし、どさくさに紛れて胸とか触らないでね」

西片「やらないよ!」

高木「アハハ……」

5: 2017/01/10(火)05:47:57 ID:EwB
西片「まあ、そう言われるとも思って、準備してきたのさ。くすぐるための道具をね」

高木「何、羽根とか?」

西片「いや、これだよ」

高木「ボールペン?」

西片「高木さんに直接触ったらセクハラかもしれないから、オレはこれを使うよ。もちろん高木さんは直接触って構わないよ」

高木「オッケー」

6: 2017/01/10(火)05:52:27 ID:EwB
西片「じゃ、高木さん先攻で。鉄棒を掴んで、足を円の中に置いて、制限時間一分。スタート」

高木「えいっ」ツンッ

西片「うっ」

高木「あはは、やっぱ脇腹弱いまんまじゃん。えい、えいっ」ツンツン

西片「くく……」

高木「人差し指でぐりぐりっ」グリグリ

西片「あははははは!」

7: 2017/01/10(火)05:56:35 ID:EwB
高木「笑っちゃったねー。十秒しか経ってないよ」

西片「くそー」

高木「これで私が耐えたら私の勝ちだね」

西片「じゃあ高木さん、鉄棒を握って」

高木「はーい」

西片「(ククク……。高木さんめ、かかったな!)」

高木「わ、思ったより身体が引っ張られる感じだねー」

8: 2017/01/10(火)06:01:08 ID:EwB
西片「じゃあ行くよ。スタート! まずは脇腹を……」ツンツンッ

高木「やっぱボールペンなんかじゃダメだよ」

西片「(くっ、ケロっとしやがって……。脇腹効かないって話は本当だったのか)」

高木「ほら、もう十秒。西片はここで笑っちゃったね」

西片「くそー、このまま負けちゃうのかー? (棒)
   (と言いつつ、徐々に位置を上にずらして……)」ツンツン

9: 2017/01/10(火)06:04:33 ID:EwB
高木「んっ……」

西片「(やはりな! 高木さん、あのとき口を滑らせたのは迂闊だったよ。オレは確かに聞いた。『ワキは弱い』と!)」

高木「……っ!」

西片「もう三十秒か。あばら骨の方に移ってみたけどあまり効かないみたいだし、やはり脇腹に懸けるしかないのか?」

高木「……」

西片「(と見せかけてワキの下を一気に!)」グリグリグリ

高木「……ぷっ」

西片「(どうだ、こそばゆいだろ高木さん!)」グリグリグリグリ

高木「あはっ、あはははは!」

11: 2017/01/10(火)06:07:42 ID:EwB
西片「ククク、笑っちゃったね。これで勝負は第二ラウンドへ持ち越しだ」

高木「はー、はー、こそばゆかった。でも、あんなに脇腹弱いんじゃ西片に勝ち目はないんじゃないかな」

西片「(バカめ! オレの狙いは初めからこの勝負に勝つことじゃないのさ。
    オレの目的は……高木さんをくすぐり続けること! このルールなら高木さんを笑わせる限り高木さんをくすぐり続けることができる!
    高木さんにとってはこのオレのくすぐりにただ耐えなければならないというだけで十分に屈辱だろう……)」

高木「ねえ、西片。このままじゃつまらないからさ、ルール付け加えない?」

西片「えっ?」

12: 2017/01/10(火)06:12:03 ID:EwB
高木「笑っちゃっても一分経つまではくすぐり続けるの。で、その間に手を放したり足を動かしたりしたら反則負け」

西片「(そ、そんな……! もともとオレはくすぐりを真面目に耐える気がなかった。長時間くすぐられるのは苦しいから……。
    でもそのルールでは一分間絶対にくすぐられ続けなければならない! これじゃあオレが与えられる苦痛もどっこいどっこいだ)」

高木「それとも、一分もくすぐられ続けるのは耐えられない?」

西片「そ、そんなことないよ! そのルールでいこう!」

高木「やったー。西片をくすぐり続けるの楽しみだなー」

西片「(逆に考えるんだ。一分間耐えさえすれば、今度は高木さんを一分間くすぐり続けられるんだ。そしたら笑い悶える高木さんが見られる。
    オレはそれだけで満足だ……)

13: 2017/01/10(火)06:16:33 ID:EwB
高木「じゃ、鉄棒握ってー」

西片「う、うん」

高木「よーい……、スタート! こちょこちょこちょ~」コチョコチョ

西片「ぶっ! あはははははは!」

高木「あはは、弱すぎだよー」コチョコチョ

西片「(何だこれ、さっきと全然違うぞ! 完全に笑わせにかかってる!)」

14: 2017/01/10(火)06:22:52 ID:EwB
高木「まだ五秒しか経ってないけど、あと五十秒ちょいはそのままガマンしてね」コチョコチョコチョ

西片「(こ、こんなのを五十秒? つらすぎる!)」

高木「脇腹って揉まれるのもこそばゆいんだよね」モミモミ

西片「あはっ、高木さん! それはマジで、氏ぬ! あはははは」

高木「あと四十秒~」モミモミ

西片「(無理だ……。こんなの耐えられない!)」

15: 2017/01/10(火)06:27:45 ID:EwB
高木「指を立てて、食い込ませてみよっと」グリグリ

西片「あは、あはははは! もう無理だって!」パッ

高木「……」ニー

西片「あ……」

高木「手、放しちゃったね」

西片「(くそっ! でもあんなん無理に決まってるだろ!)」

高木「じゃ、西片の番ね」

西片「え?」

16: 2017/01/10(火)06:32:33 ID:EwB
高木「これで私が手を離さずに一分間耐えられたら私の勝ち」

西片「あ、うん……。
   (そうか、勝手に負けた気になってた)」

高木「じゃあ掴まるよー」

西片「(さっきのは過ぎたことだ。今は高木さんをくすぐることにだけ集中しろ!)」

高木「はい、タイマー」

西片「よーい、スタート!」グリグリッ

17: 2017/01/10(火)06:37:02 ID:EwB
西片「(もうさっきみたいなじらしは不要! 全力でこそばしてやる!)」グリグリグリ

高木「プッ……くく……」プルプル

西片「(あれ? 前より反応悪くないか? もう十秒経ってる。さっきの高木さんはワキをくすぐられてすぐに笑ったのに)」

高木「慣れればたいしたことないねー。んっ……。これなら一分笑わずにいけるかも」

西片「(な、何だって!? それじゃあオレは二重に敗北じゃないか!)」

18: 2017/01/10(火)06:40:04 ID:EwB
高木「ねえ、西片」

西片「えっ?」

高木「やっぱりボールペンだと弱いんだよ。手使っていいよ」

西片「い、いいのかい高木さん……?」

高木「でもヘンなところ触らないでね」

西片「触らないよっ!」コチョコチョコチョ

高木「ん……、あはっ、あははは」

19: 2017/01/10(火)06:43:59 ID:EwB
西片「(ワキを手でくすぐったら流石に効いてる。それにしても……)」コチョコチョ

高木「あははははは! に、西片! こそばっ、あははは!」

西片「(どうもいけないことをしているような……。何か高木さん汗かいてるし……。
    腰くねくねしてるし……。指先で筋肉の動きとか分かるし……)」

高木「あはっ! くくっ……、ん~……、あっ、あはははは!」

西片「(いや、そんなことを気にしてる場合じゃない! 高木さんの手を放させなければオレの負けなんだ!
    よし、あばら骨の隙間に指を突き立てて……!)」グリグリ

高木「ひゃあはっ! そこダメえへへへへへっ!!」

西片「(脇腹を揉みしだいて、へその周りを指先でこしょこしょして!)」モミモミコショコショ

高木「んんっ!? あはは! 服の中、あははははっ!!」

20: 2017/01/10(火)06:47:38 ID:EwB
西片「(あと二十秒!? マズい……。どこだ? どこをくすぐれば手を放す?)」

高木「ひゃあんっ! あはっ、きゃはははは!」

西片「(そうだ、脚だ! 太ももを両手で掴むように!)」モミモミ

高木「きゃああああっ!? 脚っ、触って、あはははははは!!」

西片「(膝小僧とひざ裏を同時に!)」コショコショコショ

高木「ふぁあっ! いやあははははははっ!」

西片「(背中! 首筋!)」サワサワサワ

高木「きひぃいひひひひひひ!! あはは! あははははははははっ!!」

西片「(あとはどこをくすぐればいい? そうだ、靴を脱がして足の裏を)」グイッ

21: 2017/01/10(火)06:50:08 ID:EwB
ピピピピピ……

西片「えっ……」

高木「はー、はー、はー」ゼーゼー

西片「(タイマーが鳴ってる……)」

高木「私の勝ち」ニッ

西片「(しまったああああああ!!)」

22: 2017/01/10(火)06:52:38 ID:EwB
――帰り道――

高木「くすぐられてるときの西片の顔! アハハ……」

西片「(結局負けてしまった……。でも妙に満足感があるような……)」

高木「にしても西片、ヘンなとこ触らないでって言ったのに」

西片「さ、触ってなかっただろっ!?」

23: 2017/01/10(火)06:54:24 ID:EwB
高木「いやー、セーラー服の中に手入れられたり、太もも触られたり、靴脱がそうとされたりするとは思わなかったよー」

西片「(そ、そういえば……)」

高木「よっぽど私のことくすぐりたかったんだね」

西片「ち、違っ!」カッ

高木「あはは、顔真っ赤!」

西片「(くそー……)」

高木「西片ってくすぐりフェチだったんだね」

西片「……フェチ?」

24: 2017/01/10(火)06:55:08 ID:EwB
――西片の家――

PC動画女「AHAHAHAHA! STOOOOP! OMG! AHHHHHHHHHHAHAHAHA!」

西片「な、何だこれ……」

終わり

引用元: 西片「高木さん、くすぐり対決しない?」