3: 2016/08/17(水) 13:19:39.14 ID:NA4F1ESK0
ちひろ「むかし、むかしあるところにおばあさんとモバPが暮らしていました」


ちひろ「ある日、おばあさんは山へ木を切りに、モバPは川で洗濯をしに行きます」


モバP「さてと、今日もおばあさんの服は頑固な汚れがひどなあ…。何をしたらこんなに汚れるんだろうか?」


ちひろ「川で洗濯をしていると、川から何やらドンブラコドンブラコと水陸両用車両が流れてきました」


モバP「…止めようないじゃん」


ちひろ「モバPさんが無視をすると、近くの川岸に車両が打ちあがってしまいました」


モバP「ええ…。これ助けんの?」


ちひろ「モバPさんが見かねた水陸両用車両を調べると車名が『桃』でありました」


モバP「だ、大丈夫ですかー?」コンコン


ちひろ「よく見るとコックピットが開いています。それを確認します」


モバP「だ、大丈夫ですか~?」


ちひろ「すると、中には赤ん坊一人だけすやすや眠っていました」


モバP「た、大変だ~。すぐに保護しなくちゃ…」


ちひろ「モバPさんは赤ん坊を抱えて家に戻っていきました」
第31話~第34話 海の回/音楽フェスの回/ようこそおいかわ牧場へ/夏祭りの回
4: 2016/08/17(水) 13:28:26.44 ID:NA4F1ESK0
ちひろ「家に戻っておろおろしていると、山へ木を切っていたおばあさんこと、木場真奈美さんが帰ってきました」


真奈美「ただ今戻ったよ。――どうしたんだいその子は?」


ちひろ「モバPさんはあった事をそのまま真奈美さんに伝えました」


真奈美「…そうか、見捨てるのも悪いし、育てるか」


ちひろ「こうして赤ん坊は二人に育てられることに。水陸両用車の『桃』を取って、桃太郎と名づけられました」


ちひろ「桃太郎はどこから身に着けたか分からないミリタリーな知識を身につけ、真奈美さんと共に山でサバイバル訓練をはじめとした厳しい修練を積みます」


真奈美「桃太郎!もっと低く、そして早く進むんだ!」


桃太郎「イエスマム!」


真奈美「なんだその構えは!?それじゃあ、初陣で戦氏するぞ!」


桃太郎「イエスマム!」


ちひろ「こうした厳しい訓練を受けた桃太郎は19になるころには立派な兵士になっていました」

5: 2016/08/17(水) 13:35:25.08 ID:NA4F1ESK0
桃太郎「父上殿!母上殿!今日もパトロールをしてきました!」


真奈美「ご苦労様。異常は無かったようだね」


桃太郎「はっ!本日も平穏無事にて報告すべきことなしであります!」


モバP「桃太郎と真奈美のおかげで村の平和が保たれているよ」


桃太郎「もったいなきお言葉であります!」


ちひろ「すると、村の遠い場所から轟音と人の悲鳴が聞こえてきました」


真奈美「何事だ?」


桃太郎「急行しましょう!」


ちひろ「そこへ向かうと、家屋は焼き払われ、家畜は奪われ、村人が呆然と立ち尽くしていました」


桃太郎「どうされたんですか!?」


村人「お、鬼がこの村に現れて、お金や家畜たちが…」


村人「ううう…。怖かったよぉ…」


真奈美「鬼め…。えぐいことをするな…」


桃太郎「父上殿。母上殿…」


モバP「どうした?」


桃太郎「私、鬼を退治しに行きます。こんな非道な行為見過ごすわけには行けません!」


モバP「き、危険だ!鬼なんて、危険すぎる!」


桃太郎「ですが!私はこんな行為をする輩を放って置くことは許せません!」

6: 2016/08/17(水) 13:44:01.09 ID:NA4F1ESK0
真奈美「良いだろう。行ってきなさい」


モバP「真奈美!」


桃太郎「母上殿。良いのでありますか?」


真奈美「私の教えたことは敵を殲滅する訓練だ。今の桃太郎なら鬼どもも駆逐できるはずだ」


桃太郎「では!」


真奈美「少し待ちなさい。家に装備がある。さすがに身一つでは鬼に敵わない。ありったけを持っていきなさい」


桃太郎「母上殿、ありがとうございます!」


ちひろ「こうして、桃太郎は軽機関銃と手榴弾、そして彼女が乗っていた水陸両用車両をもって鬼が住んでいると言われる鬼が島へと向かうことになります」


モバP「気を付けて行ってくるんだよ。何かあったらすぐに戻ってきなさい」


桃太郎「父上殿。必ず鬼の首を取って帰ってまいります」


真奈美「桃太郎は私たちの子だ。自信を持っていきなさい」


桃太郎「はっ!それでは大和亜季――もとい、桃太郎!鬼が島へ鬼の殲滅へ行ってまいります!」


ちひろ「こうして、桃太郎は鬼が島へと旅立っていきました」


モバP「行ってしまったな…」


真奈美「ああ、でも私たちの子だ。必ず帰ってくるよ」

8: 2016/08/18(木) 09:44:22.67 ID:aeslPHX10
ちひろ「桃に乗り込んだ桃太郎は鬼が島へ向けて行軍中でしたが」


チュイン!


桃太郎「被弾!敵襲!」


ちひろ「桃がどこからか銃撃を受け、桃太郎はすぐさま停車させ、敵を確認します」


桃太郎「――敵は茂みか?」


ちひろ「外が見えるギリギリのところで外を確認します」


チュインチュイン!


桃太郎「――銃声が二つ!?しかも被弾箇所は別。二人いるということか!?しかし、二人は同じ方向にいる」


ちひろ「桃太郎は軽機関銃の弾を実弾から、ゴム弾に切り替えて茂みに向って掃射しました」


桃太郎「動いた!」


ちひろ「桃太郎は動いた二人のうちの一人に銃口を向けて小刻みに連射していきます」


???「痛っ!」


???「清良さん!」


桃太郎「動くな!手を挙げて武器を捨てろ!」


???「ううう…。失敗してしまいましたぁ…」


???「我々の負けよ森久保ちゃん。降伏しましょう」


ちひろ「すると、弾を当てた方からも手を挙げて茂みから出てきました」

10: 2016/08/18(木) 10:11:29.34 ID:aeslPHX10
桃太郎「お前たちが、私を狙っていたのか?」


清良「ええ。鬼の車両だと思って」


森久保「そしたら、人間が出てきて焦ってしまいました…うう…」


桃太郎「私は桃太郎。今から鬼が島へ向かい鬼を討伐してくるのです。お二人の銃撃のスキルは見事でありました!もし、お二人が良ければ一緒に向かってくれませんか?」


清良「はい。私たちも鬼にやられ続けてきました。仲間に加えてくれると嬉しいです」


森久保「もりくぼ的には鬼と戦うのは怖いですけど…。それでも同胞がこれ以上虐げられるのはもっと怖いですから」


桃太郎「歓迎いたしますぞ!えっと、森久保殿と清良殿ですな!私は桃太郎と申します!」


ちひろ「こうして桃太郎は狙撃主として清良と森久保を仲間にして、三人で鬼が島へと向かって行きます」


桃太郎「清良殿。先ほどのケガの手当てを行います」


清良「いえ。私は医療の心得がありますから。それでもお心遣いありがとうございます。実弾ではなくゴム弾を使っていただいて」


桃太郎「無駄な殺生はするなと教えられてきましたから」


清良「なるほど…」

11: 2016/08/18(木) 10:33:47.10 ID:aeslPHX10
ちひろ「三人で鬼が島へ向かっていると、今度は謎の砦が行く手を遮ります」


桃太郎「ここにこんな砦があるとは聞いておりませんが?」


清良「私もです。もしかしたら鬼の砦かもしれませんね」


桃太郎「そうなれば、前哨戦でありますな!」


ちひろ「桃太郎たち謎の砦を落とすことに決めました。清良さんと森久保さんで外からの援護を行い、桃太郎が単身で攻城するという作戦に決まりました」


ちひろ「まず、清良さんたちは出てきた兵士を狙撃していきます」


???「ギャ!」バタリ


清良「あら?これは…」


ちひろ「桃太郎は敵の警備を潜り抜けて砦の最上部までやってきました」


桃太郎「――やけにここは機械仕掛けだ。力技だけの鬼がここまでの技術を持っているとは…」


ビービー!


桃太郎「!不覚…。こうなれば!」


桃太郎「武器を捨てろ!手を挙げろ!貴様らは包囲されている!」


???「な、何事だ!?」


ちひろ「桃太郎が銃口を向けた相手は白衣を着た少女でした。手にはスパナとドライバー。武器の類はもっていませんでした」


桃太郎「人間でありましたか。もうしわけありません」


???「全くだ。外では兵士が次々に通信不能になる!我々は鬼への警備をしているというのに!」

12: 2016/08/18(木) 10:51:02.72 ID:aeslPHX10
桃太郎「失礼!」


ちひろ「すぐに桃太郎は窓から二人に攻撃中止の合図を送りました」


桃太郎「そうとは知らず、我々があなたに攻撃を加えてしまったことは大変申し訳ありませんでした。ここに急に砦が出来たので、近隣住民も困惑しておりましたので…」


???「確かに、これは3日で作ったからな。私の方もそれを周知させるのを怠ったのはミスだ」


桃太郎「ご理解頂けて何よりであります。私は桃太郎。鬼が島へ鬼の討伐に向かう途中でありました」


???「きみがその桃太郎か。――なるほど。私はここで研究をしながら鬼の撃退を企てていた池袋晶葉だ」


桃太郎「晶葉殿。外の機械人形はもしや?」


晶葉「ほう。中々鋭いな。そうだ。これらは機械化兵。命を持たぬ兵だ。武器を持ち戦うことが出来る代物だ。とはいえ、私も彼らも実戦経験がなく、銃撃や爆撃は的当て程度しか役には立たぬが」


桃太郎「爆撃も可能でありますか!?」


晶葉「天才技術者を馬鹿にしては困る。空を飛びそこから爆弾の雨を降らすことのできるものだ」


桃太郎「素晴らしい!ぜひ我が隊への御助力をしていただければ!」


晶葉「うむ。その代り戦闘技術を教えてくれ」


桃太郎「お安いご用です。我が隊には兵士として私が、そして狙撃兵の仲間もおりますので!」


晶葉「良し。なら手打ちだな。私は君たちの後ろを付いていく」


ちひろ「こうして偉大な技術者の晶葉と機械化兵のUSAMINたちが仲間になり、一向は鬼が島へ向かいます」

13: 2016/08/18(木) 11:04:03.75 ID:aeslPHX10
晶葉「ふむ。なるほどなこういうポージングが正確なコントロールを生むのか…うむ」


森久保「も、もういいですか…。お腹つりそう…」


清良「はい。機械ということなのでぶれるということはないでしょうが、体勢は必要でしょう。鬼が島は風が強いと聞きます」


森久保「も、もう、むぅりぃー!」バタリ


桃太郎「いくら機械で命を持たぬとはいえ、動力という部分は同じです。それが寸断されれば我々と同じ氏であります。身を乗りださすぎず、視界が確保できるだけ顔を出すべきと思います」


晶葉「なるほど。USAMINには熱感知センサーも備わっているが、目で見られる情報も必要というわけか」


ちひろ「着々と力を付ける桃太郎たちに一つの関門が待ち構えていました」


ちひろ「それは海です」


桃太郎「…参ったであります。この急な潮目。この『桃』をもってしても操作は難しいであります」


晶葉「水陸両用車でも無理となると、これは本当の船が必要となるな」


清良「船もですが、確かな技術を持つ船員も必要です」


ちひろ「一同が外を見ながら困っていると巨大な帆船がやってきました。メインマストにはドクロマーク」


???「ちょっとー!そこで何悩んでんのー?唯もまぜてー!」


ちひろ「海賊船からは一人の金髪を持った少女が声をかけてきました」


桃太郎「実は鬼が島へ向かいたいのでありますが、この潮目。とても渡りきれないのであります!」


唯「この潮目はねー。唯の船ならちょちょいと渡れるよー?」

14: 2016/08/18(木) 12:20:50.28 ID:aeslPHX10
桃太郎「本当でありますか!?ぜひ乗せて頂きたいであります!」


唯「でもねー。唯は海賊なわけ。そこにお宝が眠っているって言ううわさなの。唯にも一枚絡ませてほしいな」


桃太郎「失礼ですが、鬼は屈強な兵と武器を多数持っていると聞いています、戦力的にはこの船一隻では…」


唯「あー。ゆいのコトバカにしたな~。唯の海賊団は後、この5倍は控えてるんだからねー」


森久保「ご、5倍とかむぅりぃ~」


晶葉「この船からみるに、船員は100人。砲塔は片舷に5門といったところか…」


清良「船は5席。船員は500人すごい戦力ですね」


森久保「これ、もりくぼたちいらないんじゃ…」


桃太郎「狙撃兵は貴重な戦力です!頼りにしていますぞ!森久保殿!」


森久保「ふぇぇ~」


唯「それでどうするの~?唯と手を組むの?」


桃太郎「良いでしょう!私はお宝とやらには興味がありませんし、鬼の討伐が目的なので!」


唯「へえ~。面白い人!じゃあ、どうしたら良いの?」


ちひろ「桃太郎たちは鬼が島へ奇襲するため、深夜に乗り込むことが決まりました」

15: 2016/08/18(木) 13:31:21.06 ID:aeslPHX10
――深夜


桃太郎「準備は良いでありますか?」


清良「ええ。いつでも大丈夫です」


森久保「こっちもオッケーです…」


晶葉「USAMINも出撃準備オッケーだ!いつでも最高のパフォーマンスを見せてくれてやる!」


唯「唯の部隊も配置オッケーだよ!」


桃太郎「月が雲に隠れたのを待って作戦開始であります!」


ちひろ「そして、月夜が雲に隠れた瞬間。飛行型USAMINの爆撃で鬼が島奇襲が始まりました」


???「何事だ!?」


鬼「敵の奇襲です!空から海の外から爆弾が降り注いでおります!」


???「なんだと…。監視はどうした?なぜ報告がない?」


鬼「どうやら船は黒く塗装されており、月の光が無いので気づかなかったと…」


???「ふっ。やってくれる。すぐに徹底抗戦だ。籠城の構えと同時に船を最優先に攻撃だ」


鬼「は、はいっ!」


16: 2016/08/18(木) 14:01:04.30 ID:aeslPHX10
晶葉「偵察USAMINからの報告だが、どうやら相手方は船を優先的に攻撃しているようだ」


唯「ふっふーん。唯の海賊船にケンカ吹っかけて泣きを見てもしらないよーっと!」


桃太郎「それで敵の陸上兵力は?」


晶葉「熱センサーによる熱量は7割ほど低下したとみられる。爆撃と砲撃が効果的なようだ。まだ息のある鬼は全て清良と森久保が消しているからな」


桃太郎「予定通り順調でありますな。ではこれより上陸強襲であります!」


晶葉「うむ!『桃』も兵士型USAMIN師団も準備できている。空中からの支援は任せてくれ」


桃太郎「では上陸部隊出撃!」


ちひろ「弱まったところを『桃』を使って本陣が攻撃に入ります。『桃』の装甲を活かしながら、兵士型USAMINが前方の敵を攻撃し、生き残っている鬼を次々と倒していきます」


桃太郎「この城に大将がいるはずです!全軍突撃!」


ちひろ「守るものもいなくなった大手門を破り、桃太郎たちは城の中に入っていきました。中は真っ白な壁が一面にそびえ立つ綺麗な建物でした」


桃太郎「すごい…。これは鬼の技術?」


晶葉「うむ…。壁は陶器で出来ているようだ。そして熱センサーは最奥に感じる。一人?」


桃太郎「行きましょう!」

17: 2016/08/18(木) 14:15:47.57 ID:aeslPHX10
――最奥


桃太郎「大将!もう追い詰めた!大人しく投降しろ!」


???「ふむ。機械化兵に。空襲部隊。そして狙撃兵に、海賊か…。素晴らしい仲間をそろえたようだね。桃太郎」


桃太郎「!?なんで私の名前を知っている?」


???「知っているさ。お前の幼いころからずっと見てきたからさ。桃太郎」


桃太郎「…お前は一体何者だ!」


真奈美「お前の育ての親さ。わが娘桃太郎」


ちひろ「なんと鬼が島の鬼の対象に座っていたのは、母親の真奈美さんだったのです!」


桃太郎「う、嘘であります!母上殿は鬼なんかじゃない!あんな卑劣で野蛮な人じゃ…ありません!」


真奈美「確かに、私は鬼じゃない。『鬼を束ねる人間』だ。お前が来るのを待っていたんだよ」


晶葉「少し待ってほしい。本当に育ての親なら、なぜ鬼退治なんて思わせる人物に育て上げた?脅威になる人間ならその道を踏まぬよう教育すればいいはずだぞ?」


真奈美「…言いたいことはそれだけか?」


ちひろ「真奈美さんは自分の背の倍はある大きな棍棒を片手で持ち上げて、」


真奈美「全力でかかってこい。さもなくば氏ぬぞ?」

18: 2016/08/18(木) 14:37:43.63 ID:aeslPHX10
晶葉「USAMIN出撃!敵は将一人だ!数で押し切るぞ!」


USAMIN「うわぁぁぁ!」ドドド


ちひろ「USAMINの銃撃を真奈美は華麗にかわし、」


真奈美「遅いぞ!」


ちひろ「真奈美さんの棍棒一振りで兵士USAMINの一舞台をガラクタの山へと変えてしまいました」


晶葉「ああ!USAMINが…」


真奈美「君がこの兵士の育ての親か。発想は悪くないが素直すぎるな。もっと不規則性を入れないと、すぐに全滅だぞ」


晶葉「ぐぬぬ…」


清良「足止めします!」バンバン


森久保「あんなの人間とかむぅりぃ~」バンバン


ちひろ「狙撃隊が真奈美さんを狙って引き金を引きますが、全て棍棒ではじかれてしまいます」


真奈美「銃の腕はまずまずだな。だがまだ甘い。3手先を読まなくては狙撃兵は務まらんぞ?」


森久保「銃弾って時速3000キロなんですよぉ…それを複数弾一気に弾くとか…」


真奈美「反撃はここまでかな?では、こちらもやられた同胞の敵を討つとしよう」


ちひろ「すると真奈美さんは城のてっぺんまで一っ跳び。一隻の海賊船を見つけそれに乗り込み、瞬く間に炎上させ撃沈させました」

19: 2016/08/18(木) 14:55:59.84 ID:aeslPHX10
清良「これが鬼の総大将…」


真奈美「いささかアップには歯ごたえがないな。桃太郎。いつまでふ抜けているんだ。早く起きねば、戦わねば」


真奈美「君を信じたものが氏んでいくぞ?」


唯「あ…」バタリ


森久保「む、むり…」バタリ


晶葉「こ、こんな…」バタリ


桃太郎「やめろぉ!私が相手をする!だから他の者には手を出すな」


真奈美「そう来なくては困る。君は私が教えられる全てを叩きこませた。それにその力と人を引き付ける才。今まで見てきた中で最高の人間だよ」


ちひろ「桃太郎は背中に背負った軽機関銃を真奈美さんに向けて乱射していきます」


桃太郎「うわぁぁぁぁ!」ドドドドド


真奈美「どうした?ただ闇雲に撃つだけでは氏に弾だぞ?」


桃太郎「うるさい、うるさい、うるさい!お前のせいで、お前のせいで!」ドドドドド


ちひろ「引き金を引き続け弾を無駄打ちしまくった代償は弾切れと、棍棒との熱い抱擁でした」


ドガーン


ちひろ「壁に叩きつけられた桃太郎は床に叩きつけられて、身動き一つしません」


真奈美「さあ、立て桃太郎!それで終わる訓練を積ませた覚えはないぞ!」

20: 2016/08/18(木) 16:52:16.49 ID:aeslPHX10
桃太郎「…」ユラリ


真奈美「そうだ。さて弾が切れた機関銃など杖代わりにしかならんぞ?」


ちひろ「桃太郎は銃を捨てて、もっている刀を抜きました」


真奈美「さて、どちらが最後に勝つか戦おうじゃないか」


ちひろ「真奈美さんも棍棒を捨てて刀を取り、二人の剣をぶつかる音だけが城に響きます」


真奈美「どうした!?それで終わりか?」


桃太郎「まだだ!まだ終われるか!」


ちひろ「二人が撃ち込み合いをしていると、森久保ちゃんが目を覚まします」


森久保「う、うう…。ここは…。もりくぼは鬼にやられて…あっ!」


ちひろ「森久保ちゃんが見たのは、鍔迫り合いで不利に立っている桃太郎の姿でした」


真奈美「どうした?もう終わってしまうのか?」


桃太郎「く、くそ…」


森久保「あ、危ない!」バァン!


ちひろ「森久保ちゃんが放った弾丸は、真奈美さんの頬をかすめただけでしたが、それが一瞬の隙を生みました」


真奈美「しまっ!」


ちひろ「桃太郎の刀は真奈美さんの腹部を貫きました」


真奈美「ふっ…。これも立派な一本だな…」

21: 2016/08/18(木) 17:04:58.50 ID:aeslPHX10
桃太郎「母上殿!」


真奈美「良い一本だった…。私から一本を取ったのは初めてじゃないか…」


桃太郎「ですが、訓練であれば弾は飛んできません!」


真奈美「今は、戦場だぞ…。弾ぐらい飛んでくることを予見できない奴が弱いんだ…」


桃太郎「しんじゃ、氏んじゃいやです母上殿!どうか…」


真奈美「良いんだよ。私は十分に生きたし、新しい世界を守るものが生まれたんだ…。その瞬間に立ち会えたことに感謝する…」


桃太郎「母上?母上ー!」


ちひろ「こうして、鬼の大将であった真奈美さんは息を引き取り、遺体は自宅の近くに埋葬しました。そして――」


モバP「…」


桃太郎「父上殿は、母上殿が鬼の大将をやっていたことは…」


モバP「知っていたよ。人間なのに、鬼の上に立つことも。だが、分かってほしい。真奈美さん自身、間違っていると」


桃太郎「どういうことでありますか?」


モバP「鬼の大将になったのは、そうなることで鬼を上から抑えつけて悪さをさせないようにするためだった。だから、あの人は大将を倒してその地位に着いたんだ」


モバP「だが、それでも鬼どもは悪さを止めなかった。むしろ、大将亡き後、真奈美さんのやり方に反発する輩が多かったんだ。だからお前を拾ってきたとき、覚悟を決めたんだ」


真奈美「モバP。私はこの子を屈強な戦士に育て上げる。そして日が来たら彼女に殺されるつもりだ」


モバP「本気ですか!」


真奈美「ああ、過ちを過ちと気づかぬ愚かな者どもには罰が下されなければならぬ。それは私ではない者からな」

22: 2016/08/18(木) 17:31:16.13 ID:aeslPHX10
桃太郎「だから母上殿は…」


モバP「いつか真奈美さんを超えられる人物に。と思っていたよ。日に日に成長する娘を本当に楽しそうだった。眠る時もずっと桃太郎のことを話していたぞ」


桃太郎「母、上殿…。私もすごく楽しかったであります」


ちひろ「桃太郎は母の墓前の前に立って、」


桃太郎「母上殿!私が貴女に変わってこの世界を守っていきます!ですから母上はそこで見守っていてください!」


桃太郎「敬礼!」


ちひろ「こうして桃太郎はこの世界を厳しく見守り、世界は平和になっていくのでした。めでたしめでたし」


劇終!

23: 2016/08/18(木) 17:32:35.08 ID:aeslPHX10
以上です。ここまでのお付き合いありがとうございました。

また見てね!

引用元: 【モバマスSS】童話公演 桃太郎