1: 2008/06/07(土) 12:44:00.02 ID:GGpGr/sK0
キョン「はて? そうじゃったかの?」
長門「……」コクリ
キョン「おぉ、そうかいそうかい」
長門「……」
キョン「いや~、最近物忘れが激しくてかなわんわい」
長門「……そう」
キョン「ところでメシはまだかの?」
長門「……食べたばかり」
キョン「そうかいそうかい」

2: 2008/06/07(土) 12:46:08.47 ID:GGpGr/sK0
キョン「ところでここはどこじゃ?」
長門「……部室」
キョン「高校の?」
長門「……」コクリ
キョン「なんと!」
長門「?」

キョン「わしは大丈夫だと思ってたんじゃが、夢遊病に……!」

長門「……違う」

3: 2008/06/07(土) 12:48:45.59 ID:GGpGr/sK0
キョン「ところでさっきの別嬪さんと小僧はどこへ行ったんじゃ?」
長門「……」
キョン「なんじゃ、わからんのか」
長門「……」
キョン「いやいや、あの子はまるで天使のようじゃったな」
長門「……」
キョン「ひょっひょっ! しかもええチチとシリじゃったわ!」
長門「……そう」

4: 2008/06/07(土) 12:52:25.87 ID:GGpGr/sK0
キョン「わしがあと10歳若ければ放っとかんのにのう」
長門「……そう」
キョン「そうじゃとも」
長門「……」
キョン「ところで喉が渇いたんじゃが」
長門「……そう」

キョン「あ~、このままじゃ喉が渇いてポックリいきそうじゃ」

長門「!? 今すぐお茶を煎れる」
キョン「おや、なんか催促したみたいですまんの」

6: 2008/06/07(土) 12:57:05.23 ID:GGpGr/sK0

古泉「今回も、きっと涼宮さん絡みでしょう」
みくる「ふえぇ、お尻撫でられましたぁ!」
古泉「ご愁傷様でした」
みくる「あ、でも何故かそんなに嫌じゃないんですよね」
古泉「ふむ?」
みくる「妙に明るいというか、開放的というか……」
古泉「確かに。いつもの彼とはかなり違いますね」
みくる「なんて表現すればいいんでしょう?」

古泉「……ファンキー、ですかね」

7: 2008/06/07(土) 13:02:02.15 ID:GGpGr/sK0
古泉「とりあえず彼のことは長門さんに任せましょう」
みくる「大丈夫ですかね?」
古泉「……急いで彼がああなった原因を探りましょう」
みくる「……そうですね」
古泉「そろそろ長門さんが彼を部室から遠ざけてくれているはずです」
みくる「わたし達は、涼宮さんに色々聞いてみましょう」

10: 2008/06/07(土) 13:07:08.55 ID:GGpGr/sK0
キョン「ひぃ、はぁ……! ちょ、ちょっとゆっくり歩いてくれんか?」
長門「……」
キョン「ふぅ……も、もっと年寄りを労わらんといかんぞ」
長門「……そう」
キョン「あいたたた、腰が……!」
長門「……問題ない」
キョン「ひょ? なんでわかるんじゃ?」

長門「……ゆっくり歩いて女子の観察をしようとしているのはわかっている」

キョン「……てへっ☆」

11: 2008/06/07(土) 13:08:27.26 ID:GGpGr/sK0
>>9
らっきょ増えたよ

13: 2008/06/07(土) 13:13:41.51 ID:GGpGr/sK0
キョン「あの別嬪さんはあとから合流したりせんのか?」
長門「……しない」
キョン「なんじゃ、つまらんのう」
長門「……」
キョン「あの小僧はいらん」
長門「……そう」
キョン「そうじゃとも」
長門「……」
キョン「これからどうするんじゃ?」
長門「……家に帰る」
キョン「そうかいそうかい。家は……確かこっちじゃったな」
長門「……違う」
キョン「……こりゃいかんな。本格的にボケてきたようじゃ」
長門「……問題ない」
キョン「ひょ?」

長門「……わたしがいる」

14: 2008/06/07(土) 13:19:48.03 ID:GGpGr/sK0
キョン「ん? なんじゃあの小僧は」

谷口「じゃあなキョン!」

キョン「見るからに馬鹿そうな顔をしとるわい」
長門「……」
キョン「どれ、こっちも手を振りかえしてやるとするかの」
長門「……」
キョン「ほっほ! 年長者を呼び捨てにするから無礼と思ったが、中々良い奴そうじゃ」
長門「……そう」
キョン「遠くから見るのは良いが、友人にはなりたくないタイプじゃな」
長門「…………そう」
キョン「そうじゃとも」

15: 2008/06/07(土) 13:24:53.84 ID:GGpGr/sK0
古泉「結局、涼宮さんは来てすぐに帰ってしまいましたね」
みくる「ええ、今日中に解決するのは難しそう……」
古泉「とりあえず今日のところは長門さんに任せるとしましょう」
みくる「長門さんには失礼なんですけど……不安です」
古泉「勝負は明日の不思議探索ですね」
みくる「……はい」
古泉「どうしました? 浮かない顔をして」
みくる「長門さんには失礼なんですけど……大丈夫でしょうか?」
古泉「……」
みくる「あの、古泉くん?」
古泉「……」
みくる「しょ、勝負は明日ですね!」

17: 2008/06/07(土) 13:30:15.69 ID:GGpGr/sK0
キョン「マンションか」
長門「……」コクリ
キョン「確か一軒家に住んでいた気がするんじゃが……」
長門「……気のせい」
キョン「そうかいそうかい」
長門「……そう」
キョン「とりあえずゆっくりしたいわい」
長門「……」コクリ

18: 2008/06/07(土) 13:37:51.83 ID:GGpGr/sK0
キョン「ん? やけに靴が少ないの」
長門「……ここには、あなたとわたし達だけで住んでいる」
キョン「わたし達?」
長門「わたしと、もうひとりの孫」
キョン「ふむ、そういえばそうだった気がするわい」
長門「……」

朝倉「おかえり~、って、キョンくん?」

長門「今の彼は、いつもの彼ではない」
朝倉「え? 見た目はいつも通りだけど?」
長門「中身に問題がある」

キョン「ただいま! わしの可愛い孫よー!」

朝倉「えっ!?」

20: 2008/06/07(土) 13:44:12.81 ID:GGpGr/sK0
キョン「いやいや立派じゃ」
朝倉「これってさ、どういうこと?」
長門「彼の精神年齢が高齢者レベルになっている」
キョン「ちち、しり、ふともも……ええのう、ええのう!」
朝倉「それでいて見た目は普段と一緒、か」
長門「……」コクリ
キョン「隙ありっ! たぁーっちぶべっ!!」

朝倉「……これってさ、かなり厄介な状況よね」
長門「……」コクリ

キョン「な、殴ることはないじゃろ! もっと年寄りを労わらんか!」

21: 2008/06/07(土) 13:51:29.02 ID:GGpGr/sK0
キョン「ふぅ……やっぱり我が家が一番じゃな」
朝倉「……ねぇ」
キョン「なんじゃ?」
朝倉「あのさ……服、着てほしいんだけど」
長門「……」コクリ

キョン「え、嫌じゃよ」

朝倉「え」
長門「……理由が聞きたい」
キョン「だって今日暑いんじゃもん」
朝倉「でもほら、目のやりどころに困るっていうかさ……」
長門「……」コクリ

キョン「ほっほ! じじいの裸なんぞ気にせんでもええじゃろ」

朝倉「あ、うん……そうよね」
長門「……」

23: 2008/06/07(土) 13:58:51.79 ID:GGpGr/sK0
キョン「風呂、入りたいんじゃが」
朝倉「あ、今日はシャワーでいい?」
キョン「風呂、入りたいんじゃが」
長門「……」
キョン「風呂、入りたいんj」
朝倉「おじいちゃん、すぐにお風呂沸かすから待っててね」
キョン「おお、シャワーでも構わんのじゃがすまんのぅ!」
長門「……」
キョン「いや~、こんなに親切な孫が二人もいてわしは幸せじゃ!」
朝倉「はぁ……まぁ、いいんだけどさ」
長門「……厄介」

キョン「あ、ついでにお茶のおかわりも頼めるかな?」

25: 2008/06/07(土) 14:08:09.09 ID:GGpGr/sK0
キョン「月・火・水・木・キンに~くま~ん♪」

朝倉「……お風呂で歌ってるわね」
長門「……」
朝倉「それで、これからどうするつもり?」
長門「……明日の不思議探索で涼宮ハルヒと会う予定になっている」
朝倉「なるほどね、そこで情報を引き出すんだ」
長門「……」コクリ

キョン「わしのパンツがないんじゃが?」

長門「っ!?」
朝倉「ま、前!! 前隠してってば!」
キョン「ひょ? お前さんら、なんで照れてるんじゃ?」
朝倉「そ、そんなことはいいからさ///」
長門「……ゴクリ」

キョン「ほっほっほ! まだまだ若いもんには負けんよ!」

26: 2008/06/07(土) 14:18:21.53 ID:GGpGr/sK0
朝倉「……どうしてわたし達が正座しなくちゃいけないの?」
長門「……」

キョン「さて、単刀直入に聞くが、どうしてわしは若返ってるんじゃ?」

朝倉「え、何、どういうこと?」
長門「?」
キョン「気付いたらSOS団の部室に居るし、体は若返っとるし訳がわからん」
朝倉「おじいちゃん、わたし達が誰かわかるの?」
キョン「長門と朝倉じゃろ」
長門「……説明して」

キョン「ほっほ! それじゃあ一から説明するとしようかの」

27: 2008/06/07(土) 14:28:02.44 ID:GGpGr/sK0
朝倉「つまりさ、キョンくんは始めっからわたし達をからかってたってわけ?」
キョン「そうじゃな。お前さん達からしてみればそういうことになるじゃろう」
長門「……」
キョン「まぁ、わしもただの夢だと思ってたんじゃから勘弁してくれい」

朝倉「もう一度確認するけど、本当にあなたの中身は老人なの?」

キョン「そうじゃよ。と言っても、この時期より前のことしか思いだせんが」
長門「……つまり、老人になった時の精神が、
   それに伴った記憶を持たずにこの時代の肉体に宿った」
キョン「そうかもしれん」
朝倉「……それとも、単に精神年齢だけが老いてしまったか、よね」
キョン「かもしれん」

28: 2008/06/07(土) 14:36:43.51 ID:GGpGr/sK0
キョン「どちらにせよ、わしはお前さんらやSOS団の皆のことを覚えとるよ」
長門「……もっと早く言って」
キョン「いやいや、せっかくだから楽しまなきゃ損じゃろう!」
朝倉「あなた、歳をとると随分変わるのね」
キョン「ほっほっほ!」
キョン「……長門、ちょっとこっち来なさい」
長門「?」
キョン「ほっほ、相変わらず素直で良い子じゃのう」ナデナデ
長門「……///」
キョン「朝倉もこっちおいで」
朝倉「え、わたしも?」
キョン「お前さんも、相変わらず美人じゃな」ナデナデ
朝倉「ちょ、っていうかさ、どうしてわたしはお尻を撫でるの!?」

キョン「ほっほっほ!」

30: 2008/06/07(土) 14:48:08.15 ID:GGpGr/sK0
翌朝

キョン「ほれ、起きんかお前たち!」

朝倉「ん……まだ……朝の五時じゃない……」
長門「……すぅ……すぅ」
キョン「早起きは三文の得、それに、今日は不思議探索じゃろう」
朝倉「っていうかさ、そんなに楽しみなの?」
長門「……すぅ……すぅ」
キョン「おお、もちろんじゃとも」

キョン「歳をとると、この不思議探索が素晴らしいものだとわかるんじゃよ」

朝倉「そういうもの?」
キョン「そうじゃとも」
長門「……すぅ……すぅ」
キョン「ほれ長門、さっさと起きんか!」

キョン「ほっほ! 楽しみでならんわい!」

31: 2008/06/07(土) 14:51:52.71 ID:GGpGr/sK0
休憩
落ちたらおわりでいいや

41: 2008/06/07(土) 15:17:48.73 ID:GGpGr/sK0
キョン「おう、三人共。今日は遅かったな」
長門「……ねむい」

ハルヒ「あら、今日はいつもと違ってやけに気合が入ってるじゃないの」
古泉「……おや、今日は二人共来れないと思っていたんですが」
みくる「え、ええ。だってまだキョンくんは……」
ハルヒ「ん? 何か言った?」
古泉「いえ、何でもありませんよ」
みくる「は、はいっ! 気のせいですよぅ」
ハルヒ「ふ~ん、ま、いいわ」

キョン「うむ、相変わらず二人共可愛いな!」

ハルヒ「は、はぁ!? い、いきなり何言い出すのよ!///」
みくる「ふ、ふえええっ!///」

キョン(……おっと、いきなりボロを出してしまったわい)

44: 2008/06/07(土) 15:25:35.60 ID:GGpGr/sK0
キョン(昨日、わしが不思議探索に参加するのは反対されたからのう)
キョン(ボロを出さないと約束して許可を貰ったんじゃが……)
キョン(ううむ、あいやしかし)

ハルヒ「どうしたのよキョンったら、お、驚くじゃないの……///」
みくる「キョンくんったらそんな、恥ずかしい……///」

キョン(こりゃたまらんのう!)

キョン「……いやいや、俺はいつも思っていることを正直に言ったまでだぞ」
ハルヒ「い、いつもって……///」
みくる「そんなぁ……///」
キョン「本音を言うと、こぞ……古泉は邪魔だけどな」
古泉「……」

ハルヒ「と、とりあえず喫茶店に入るわよ!」

48: 2008/06/07(土) 15:33:39.52 ID:GGpGr/sK0
キョン(ほっほ! 花が両手におさまりきらんわい!)

キョン「いやしかし、やっぱり制服もいいが私服もいいな」
ハルヒ「あ、ありがと」
みくる「ふえぇ!」
キョン「ほっほっほ! 眼福眼福!」

prrrrr! prrrrr!

古泉「電話ですよ」

キョン「ぬぐうあっ!? ペースメーカーがあっ!」

ハルヒ「え、ちょ、ちょっとキョン!?」
みくる「お、落ち着いて深呼吸してください!」
古泉「み、皆さんも電源を切って!」
長門「……!……!?」

キョン「なんちゃって☆……あ、もしもし?」

朝倉『あのさ、もう少し普通にできないの!?』

50: 2008/06/07(土) 15:40:03.04 ID:GGpGr/sK0
キョン「あ~、お前か」
朝倉『あのね、涼宮さんに不信感を与えないでほしいんだけどな』
キョン「ふむふむ」
朝倉『全く……心配だから見に来てみれば』
キョン「なるほど」
朝倉『やっぱりさ、今日は大人しくしてた方がいいと思うの』
キョン「ほうほう」
朝倉『それじゃあさ、適当に理由を言って帰るように』
キョン「おう、わかった」
朝倉『それじゃあね』
キョン「じゃあな」

ハルヒ「誰からだったの?」
キョン「気にするな。それで……」

キョン「早速だが、不思議探索のグループを決めようか!」

54: 2008/06/07(土) 15:49:43.30 ID:GGpGr/sK0
古泉「いえ、今日は全員で行動した方がいいでしょう」
みくる「はい、その方が色々と……フォローもききますし」
長門「……」コクリ
キョン「なんだ、つまらんな」
ハルヒ「二手に分かれた方が効率があがると思うわ」

キョン「お、じゃあハルヒ、今日は二人で一緒に行動するか!」

古泉・みくる・長門「!?」
ハルヒ「えっ、えっ?」
キョン「善は急げだ! 金、ここに置いとくからな!」
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョンっ!?」

古泉「さ、最悪のパターンですね、これは」
みくる「こ、これじゃあキョンくんのフォローが出来ないですよぅ~!」
長門「……尾行する。救援を呼ぶ」


朝倉「あのじじい、話を聞いてなかったんじゃないの!?」

57: 2008/06/07(土) 15:56:31.15 ID:GGpGr/sK0
キョン「ひぃ……ふぅ……」
ハルヒ「……ねぇ」
キョン「な、なん……ゲエホゲホッ!」
ハルヒ「あんた、こんなに体力無かったっけ?」
キョン「あいやいや……ふぅ、気分的にな」
ハルヒ「なにそれ、わけわかんない」
キョン「わからなくても良いんじゃ……ないか?」
ハルヒ「まぁ、いいわ」
キョン「よしよし」
ハルヒ「……あの、さ」
キョン「ん?」
ハルヒ「手……にぎりっぱなしなんだけど」

キョン「あぁ、腕組むか?」

ハルヒ「~~~っ!/// ば、バカキョン!」

59: 2008/06/07(土) 16:05:24.93 ID:GGpGr/sK0
キョン「なんだよ、腕組む位いいだろ」
ハルヒ「い、いい? これはデートじゃないんだからね!」
キョン「ほっほ! 腕組む位で大袈裟な」
ハルヒ「大袈裟じゃないわよ! ムカつく笑い方ね!」
キョン(おっと、こりゃいかん)
キョン「……いいじゃないか、腕組もうぜ」
ハルヒ「むぅ……」

キョン「あ、今の子、すっげぇ可愛かった!」

ハルヒ「はぁ!?」
キョン「ひょ、あのお姉さんも美人で最高!」
ハルヒ「このバカキョン!」
キョン「ハルヒが腕組んでくれないから他の女の子に目がいっちゃうなぁ」
ハルヒ「くっ! こ、この……!」
キョン「ほっほっほ! えっとなんじゃったか……そう、ぱねぇ! ぱねぇ!」

ぎゅっ!

キョン「……お」
ハルヒ「こ、これでいいんでしょバカキョン!///」
キョン「うむ」

61: 2008/06/07(土) 16:11:16.71 ID:GGpGr/sK0
古泉「意外なほど素直に腕を組みましたね」
みくる「あぁっ、話し方が所々おじいちゃんになってます!」

長門『どう』
朝倉『とりあえず、この近辺にあの二人の知人の姿は無し』
長門『警戒を続けて。姿を確認し次第、こちらに連絡を』
朝倉『うん、任せて。そっちもお願いね』
長門『わかった』

古泉「これからどうするつもりでしょうか」
みくる「長門さんはどう思いますか?」
長門「今の彼の行動は予測不能」

63: 2008/06/07(土) 16:19:20.29 ID:GGpGr/sK0
キョン「う~ん、やはり可愛い子を連れて歩くのは気分がいいな!」
ハルヒ「~~~っ!///」
キョン「ほれ見ろハルヒ、俺たち注目を集めてるぞ」
ハルヒ「……な、なんであんたはそんなに平然としてるのよ」
キョン「照れるな照れるな!」
ハルヒ「なんか、今日のあんた変。すっごく変」
キョン「そうか?」
ハルヒ「いつもはもっとこう……じじ臭いのに」
キョン「……」
ハルヒ「な、何よ? そんなにじっと見て、あたしの顔に何かついてる?」

キョン「……ほあっほあっほっほっほ!!」

ハルヒ「何? な、なんでそんなに大笑いするのよ」
キョン「ほっほあっほ……ゲエホゲホゲホ!」
ハルヒ「む、むせるほど笑うな!」

65: 2008/06/07(土) 16:30:43.86 ID:GGpGr/sK0
キョン「ひぃ……ふぅ……あいや、すまんすまん」
ハルヒ「むぅ~っ」
キョン「むくれるなって、口がアヒルみたいになってるぞ」

つんっ

ハルヒ「むゆっ!?」
キョン「おおっ、この顔は面白い」
ハルヒ「お、女の子の唇つっつくなんて、やっぱり今日のあんた変よ!?」
キョン「まあまあ、今日はいつもより若いってことで」
ハルヒ「……」
キョン「ほっほ、眉間にしわを寄せるな。せっかくの可愛い顔が……」

prrrrr! prrrrr!

キョン「……ん、ちょっと待ってくれ。電話だ……もしもし?」
長門『許容範囲を超えた。すぐに集合場所に戻って』
キョン「おやおや」
長門『……これは、絶対』

キョン「もうちょっとだけ……切れちゃったか」

159: 2008/06/08(日) 02:09:23.83 ID:E22ghEL50
一同「……」

キョン「なんだ、俺の顔に何かついてるか?」

ハルヒ「今日のキョン変。すっ……ごく変!」
キョン「まさかお前に変だと言われる日が来るとはな」
ハルヒ「うるさいわね。ねぇキョン? あんた一体どうしちゃったの?」
キョン「あいやいや、少しばかり大人になっただけだ」
ハルヒ「だーかーらー! いつもの方がもっとじじ臭いって言ったでしょ!」
キョン「あら、そうだったか?」
ハルヒ「とぼけないでよ!」

古泉(ボケてるんでしょうね)
みくる(とぼけてるのか、痴呆なのか……)

163: 2008/06/08(日) 02:16:02.34 ID:E22ghEL50
長門「……今日のあなたには問題がある」
キョン「ひょ?」

長門「不思議探索はデートではない」

キョン「おおう、手厳しいなぁ」
ハルヒ「そ、そうよ! 有希の言う通りだわ!」

長門「……これに関してはあなたも同じ」

ハルヒ「えっ? あ、あたし!?」
長門「……」コクリ
ハルヒ「あたしの何が問題だっていうの!?」
長門「あなたは自ら進んで彼と腕を組んだ」
ハルヒ「あ、あれは……その……」
長門「……慎みが足りない」
ハルヒ「あぅ……ごめん」

キョン「ほっほ! 二人して怒られちまったな」

165: 2008/06/08(日) 02:24:01.44 ID:E22ghEL50
ハルヒ「あんたのせいよ!」
キョン「まあまあ、落ち着けハルヒ。……ところで長門?」
長門「?」

キョン「どうして、ハルヒから腕を組んできたと知ってるんだ?」

長門「!」
キョン「まさかとは思うが、別行動した俺たちを観察してたんじゃないよな?」

長門(……監視されていると彼は知っていた)
長門(今、わたしを追及する理由は特にないと思われる)
長門(……どうして?)

長門「……偶然見かけた」
キョン「そうかそうか、偶然なら仕方ないよな」
長門「……」

キョン「まあ、お互いどうも真面目に探索をしてなかったみたいだし、
    ここは両成敗ということでいいんじゃないか? なあ、ハルヒ」
ハルヒ「そ、そうね。なんか色々納得いかないけど……それでいいわ」

167: 2008/06/08(日) 02:31:01.04 ID:E22ghEL50
解散後

長門「……どうして」
キョン「どうしてとは……何のことじゃ?」
長門「涼宮ハルヒの前で、あなたはわたしを問い詰めた」
キョン「ああ、あれのことか」
長門「……説明して」
キョン「うむ、まぁいいじゃろ」
長門「……」

キョン「わしはな、お前さんがハルヒを糾弾したのが嬉しかったぞ」

長門「?」
キョン「ちょこびっと前は、そういった事は無かったじゃろ?」
長門「……」コクリ
キョン「これからは、どんどん言いたい事は言いなさい」
長門「……しかし、それでは閉鎖空間の発生などの問題が起こる可能性がある」

キョン「ほっほっほ! そりゃ困ったもんじゃのう」

長門「……今のあなたは、困っているようには見えない」

168: 2008/06/08(日) 02:39:18.60 ID:E22ghEL50
ハルヒ「今日のあいつ、変だったわね」
古泉「ええ、いつもの彼とは違いましたね」
ハルヒ「妙にオープンというか……」

みくる「す、涼宮さんは!」

ハルヒ「ど、どうしたのみくるちゃん、急に大声出しちゃって」
みくる「涼宮さんは……いつものキョンくんの方がいいと思いますよね?」
ハルヒ「えっ?」
みくる「きっと、今日は何かあったんですよ」
ハルヒ「……うん、そうかもしれない」

ハルヒ「正直あたし、もうちょっとキョンが若者っぽくなればいいなと思ってたのよ」

169: 2008/06/08(日) 02:47:38.17 ID:E22ghEL50
長門「……それに、理由をまだ聞いていない」
キョン「ああ、ちょっとしたフォローじゃよ、あれは」
長門「?」
キョン「お前さん、感情的になってわしらを
    監視していたことを自分からバラしてたからの」
長門「……しかし、誤魔化せた」
キョン「ああ、あれはハルヒにも負い目があるからじゃぞ」
長門「?」
キョン「“自分も真面目にやっていなかった”から、
    ハルヒはそのことに関して深く追及できなかったわけじゃ」
長門「……」
キョン「いやいや、ちょっとばかし焦ったわい」
長門「……」
キョン「お前さんが感情を表わすのは喜ばしかったがの」ナデナデ
長門「……」
キョン「相手の気持ちを考えられるようにならんとな」
長門「……そう」
キョン「ほっほ! そうじゃとも」

173: 2008/06/08(日) 02:59:08.28 ID:E22ghEL50
古泉「若者っぽく……ですか? どうしてまたそんなことを?」
ハルヒ「……キョンを見るとちょっとイライラしてたのよ」
みくる「えっ、なんでですか?」
ハルヒ「う~ん……事なかれ主義で平凡だから、かな」

古泉(なるほど、つまり涼宮さんは彼がそうでない状態になるようにした、と)
みくる(でも、キョンくんがそうなる精神年齢は過去には存在しなかった)
古泉(やれやれ、困ったものですね。つまり彼は老人にならないと)
みくる(涼宮さんの言うところの若者らしくならない、ってことよね……)

ハルヒ「でも、やっぱりキョンはいつものじじ臭い方がいいわ」
古泉「おや、それはまたどうして」
ハルヒ「う~ん……」
みくる「なんでなんですか?」
ハルヒ「い、いいじゃないどうだって!」

ハルヒ(……主導権を握られてるようだからなんて、口が裂けても言えるわけないじゃない)

175: 2008/06/08(日) 03:10:39.41 ID:E22ghEL50
キョン「まぁ、そろそろあの二人がなんとかわしを元に戻す頃じゃろ」
長門「……」
キョン「ほっほ! 楽しかったぞい」
長門「……今日のあなたは、やはりおかしかった」
キョン「ひょ? 何がじゃ?」
長門「……精神的に老いていただけではないように感じられた」
キョン「そうかいそうかい」
長門「……上手く言語化出来ない」
キョン「ほっほっほ! お前さんが言ったんじゃぞ」
長門「?」

キョン「“わたしはあなたの孫”……じゃとな」

キョン「孫の成長を喜び、間違いを正し導くのはジジィとして当然のことじゃよ」

長門「……そう」
キョン「ほっほっほ! 欲を言えばチチの方の成長も見たい所じゃがな」
長門「……」
キョン「ほっほっほっほ!」

176: 2008/06/08(日) 03:23:06.12 ID:E22ghEL50
翌日

キョン「あっつ!?」
みくる「あ、昨日言われたお茶の温度で出しちゃった。ごめんねキョンくん」
キョン「いえ、いいんですよ朝比奈さん。
    って古泉、お前、何子置くつもりだ?」
古泉「ああ、すいません。昨日のあなたの老獪さからこの位かと」
キョン「なんだそりゃ、俺は名人か。
    ところで長門、肩が痛いんだが」
長門「……肩揉みは強めが良いと言われた」

キョン「なあ、なんで皆妙に俺をじじい扱いするんだ?」

ハルヒ「……そりゃ、あんたがじじ臭いからじゃない?」


おわり

179: 2008/06/08(日) 03:26:53.10 ID:SnI0XAKrO
もう終わりなのか・・

180: 2008/06/08(日) 03:29:17.41 ID:WuI7uVlRO
キョンには老人の記憶がないってことでおk?

181: 2008/06/08(日) 03:34:15.94 ID:Cwujmhj4O
楽しかったよ乙!

引用元: 長門「……わたしはあなたの孫」