3: 2008/04/18(金) 21:33:13.35 ID:ZexFgHut0
高校の三年間、思えば長いようですごく短かった

ある冬の日、彼が文芸部室に訪問してくれて、それがキッカケで一緒に文芸部で活動して

部員には恵まれなかったけど、彼と楽しく過ごせて、恋仲になって・・・・・はぅぅ・・・

彼がいてくれたから、社交的でなく、友達のいなかった私も楽しく高校生活がすごせた

そんな彼とも、高校の卒業式でお別れ、彼は地元に残り、私は関東の女子大学に進学した

彼との別れは辛かったけれど、私達のつながりが消えるわけではない

だから、離れても頑張ろうと思った、そんな私の大学生活が始まる・・・・

4: 2008/04/18(金) 21:34:13.87 ID:ZexFgHut0
期待と不安、形容するならそれが妥当と思われる心境

私には期待のほうが大きかった

彼と過ごした事で、独りのさびしさ、友達や恋人の暖かさを感じたから

口下手な私でも友達と青春を謳歌する姿を描いていた

「新入生?どう、ウチのサークル入らない?」
「バスケとかに興味ない?マネも募集してるんだけど・・・・」

いろいろな勧誘があったけれど、わたしは文学系のサークルに入ろうと思っていた

けれど、文学サークルは存在してなかった

5: 2008/04/18(金) 21:36:48.42 ID:ZexFgHut0
結局私は、サークルには所属せずにいた

講義のレポートや課題などに追われ、忙しい毎日を送っていた

大好きな本を読む時間も制限され、最近では休み時間にしか読めなくなっていた

今日も私は、一人、本を読んでいる

そんな時、誰かの話し声が聞こえた



「ねぇ、あの子さぁ・・・いっつも本よんでない?根暗っぽいよねー」

6: 2008/04/18(金) 21:37:07.21 ID:ZexFgHut0
カクテル・パーティー効果だろうか、その声はハッキリと私の耳に届いた


「だよねー、確かにちょっと顔はいいけどさー、澄ましすぎだよね」
「まぁ、あーいう人は友達も彼氏も出来ないで一生暗く過ごすんだよね」

彼女達の笑い声は、私が今まで気にも留めなかったことを曝け出した

そう、私は・・・・・”ボッチ”だったのだ

周りを見回すと、いつの間に仲良くなったのだろうか、数人づつのグループが出来ていた

その中で独りだけ孤立した私が浮かび上がっていた

そういえば聞いたことがある



女子大ではボッチになりやすいと

7: 2008/04/18(金) 21:37:22.27 ID:ZexFgHut0
意識してしまったことで、私は急に恥ずかしくなり、トイレに逃げ込んだ

「・・・・・どうしよう・・・・友達・・・・いなかった」

一度刻み付けられると、耐え難いほどの孤独感に襲われた

中学までの私ならそんな事は気にもならなかっただろうけど

高校で友達と語り合う楽しさ、彼と過ごす幸福感を味わってしまった

そのことで、私の中で新たな感情が急速に育っていた

「独りはもう・・・・・いや・・・・・彼に・・・・電話かけよう・・・」

そう思ってかけたのは遠距離恋愛中の彼

お人よしで、優しくて、でもハートは熱い彼
私はもはや彼に依存しなくては、耐えきれなかった

『プップップ・・・・trrrrrrrrrrrrrrr』

8: 2008/04/18(金) 21:37:50.33 ID:ZexFgHut0
早く彼の声が聞きたい、彼の穏やかな声を聞きたい、その思いが私の心を支配していた

『ガチャ』

「もしもs」
『お掛けになった電話番号は、ただいま電波の届かないところにあるか、電源が・・・・』


単調な、機会音声が聞こえる

きっと掛け間違えたんだ、と都合のいい解釈をしてもう一度彼に電話をかけた



『お掛けになった電話番号h・・・・』
結果は同じだった

私は彼にも拒絶されてしまったの?

9: 2008/04/18(金) 21:38:05.07 ID:ZexFgHut0
その日はもう、気が気で無かった
私の最も信頼している彼が、私の事を・・・・

考えるだけで居た堪れない気持ちになる
結局今日の講義内容はまったく頭に入らなかった


夜九時、私と彼のいつもの電話の時間が始まる
ここで繋がらなかったら、どうしよう

有り得ないという気持ちより、恐怖の割合が多かった

恐る恐る彼とおそろいの携帯を取り出し、コールをかけた

『プップップ・・・・trrrrrrrrrrrrrrr』

私の心臓はこれ以上無いほど早く動き、口から飛び出そうな気持ち悪さに襲われた

(お願い・・・・出て・・・・・)

『ガチャ』

10: 2008/04/18(金) 21:38:21.64 ID:ZexFgHut0
「有希、今日も時間通りだったな、そんなに拘らなくてもいいのに」

彼の穏やかな声が聞こえた

その瞬間、私の目からは感涙の涙が流れ、嗚咽が止まらなかった

「ぐすっ・・・・ひぐっ・・・・よかっ・・・・ひっく・・・た」
「おい!どうした有希!何かあったのか!?」
「だ・・・だいじょ・・・ひっ・・なんで・・・・なぃ・・・・ぃぐ」
「なんでもないこと無いだろ!?どうしたんだ!何かやられたのか?事件か?事故か?」

彼の心配そうな声をよそに、私の心は喜びで満たされていった

11: 2008/04/18(金) 21:38:35.30 ID:ZexFgHut0
落ち着いてきた私は彼に全てを話した

友達の居ない事、人の会話で寂しさがこみ上げた事、電話が繋がらなくて拒絶されたと思ったこと

「そうか、出られなくて悪かった。ちょうど電池が切れてしまったんだ。すまない」
「いい・・・・私もおかしかった・・・・あなたがそんなことするはず無いのに・・・・」


それから私達はいつもどおりの会話を楽しんで、おやすみのキスで電話を切った

「私は・・・あなたがいるから・・・・大丈夫・・・・」

夜空に向かってそっと呟いて、恥ずかしくなって私は深い眠りについた

13: 2008/04/18(金) 21:38:48.86 ID:ZexFgHut0
それから、私は、自信を持って生きていけた
彼が居るという安心感と幸福感が私の原動力だ

文学サークルを作りもした、いまだに所属しているのは私一人だけれど・・・・


夏休みには彼に会える、私の気持ちはもうそこしか見えてなかった


試験の日程もしっかりとこなし、私は彼の待つ故郷へと、久々に帰省した

一刻も早く彼にあって、その優しい体で包み込んで欲しい

頭をなでて「有希、愛してるよ」とささやいて欲しい


久々の故郷は、とても蒸し暑く、太陽がまぶしく輝いていた

15: 2008/04/18(金) 21:45:58.10 ID:ZexFgHut0
私は荷物を持ったまま、彼のアパートに着いた

(こっそり入って彼を驚かせよう)

少しだけ湧いた悪戯心で、彼の部屋に侵入した

中から彼と誰かの声が聞こえた

誰だろう?声からは女の人のようだけど・・・・まさかね・・・・

「だから、佐々木よ、今日しっかり話をつけるといっているだろ!」
「いや、君は情に流されやすいからね、僕も同席するよ」
「ちゃんと有希とは別れるさ、今はお前がいるんだから」

・・・・・・え?彼は今なんて・・・・・?
私と・・・・・・別れる・・・・・・・?お前がいる・・・・・・?

私の体はまるで鉄のように動かなかった

16: 2008/04/18(金) 21:50:07.65 ID:ZexFgHut0
「ん?って有希!?お前どうしてここに!?」

彼が私に気づいたらしい、私に激しい口調でたずねてきた

「というか、今の話きいて・・・・・」
「なら好都合だよ、実はね長門さん。彼は今、私と付き合ってるの。おとなしく身を引いてくれないかな?」

彼の隣にいた利発そうな女性が話しかけてきた

「聞こえてる?あなたとはもう別れたいそうよ、ね?だからさ」

私の信じていたものがガラガラと崩れ落ちた

「アハ・・・・・・アハハハハハ・・・・・ハハハハハハハ」


自分のものとは思えない笑い声が、自分の口から発せられた

17: 2008/04/18(金) 22:01:28.05 ID:ZexFgHut0
「そっか・・・・・・・・」
私は台所から包丁を取り出し、ソレを二人に向けた

「そうなんだ・・・・あなたは・・・・私を弄んでたんだ・・・・・・」

「ま、待て有希!!早まるな!!」
彼が必氏の形相で私をなだめようとしてるのが分かる

でも、もうとまらない
「・・・・・・止められないよ」


そう言って、私は、その包丁で自らの咽喉を切り裂いた

血が噴出していくにつれ、体の力が抜けていく


誰かの悲鳴と、彼の声が聞こえたような気がした

けれども、私はその瞬間、意識を手放した


18: 2008/04/18(金) 22:03:48.97 ID:ZexFgHut0
うはwwww誰もいねぇwwwwww

キョンの人の真似してみたが、二番煎じはダメかwwwwwwwww


19: 2008/04/18(金) 22:08:54.14 ID:qS4GFFKHO
か~な~し~み~の~む~こ~お~え~と~

20: 2008/04/18(金) 22:13:02.38 ID:mpG+DIFYO
早い、早いよスレッガーさん

21: 2008/04/18(金) 22:18:42.99 ID:rcqukITB0
ハッピーエンドじゃないと!
スクイズみたいに誠が殺されるのはハッピーエンドなんだぜ?

引用元: 消失長門が大学に入学したようです