1: 2010/09/19(日) 21:56:36.12 ID:MZNKdcdq0
男「パターン?」

女「そうパターン」

男「それと俺が魔法を使えるようになったこととどう関係が?」

女「もし、それを悪用したら、悪いことがおきる」

男「ほうほう」

女「逆に、一般的に善行を行えば、結果的に善いことが起きる」

男「なんだかわかる気がするけど・・・・・」

女「いきなり魔法を使えるようになりました、ってのに対する私からのアドヴァイス」

3: 2010/09/19(日) 22:01:45.10 ID:MZNKdcdq0
男「俺としては、もっとこう、驚いたり、慌てたり、疑ったり、そういうのを期待してたんだけど・・・」

女「『魔法が使えるようになったんだけど、どうしよう?』っていうから・・・」

男「ストイックすぎるだろ・・・」

女「そういわれても・・・」

男「しかも微妙にニッチな方向のアドヴァイスだし」

女「世の中にはフラグが地雷原の様に設置されていると聞くわ、だから、まず心構えから・・・」

男「ラノベの読みすぎです」

女「否定はしません」

4: 2010/09/19(日) 22:04:35.17 ID:MZNKdcdq0
女「なんにせよ、一体どうしたの魔法なんか使えるようになっちゃって」

男「いや、なんか、変な発光体が夢に現れて、なんかわけわかんないこといって、バァーって光が俺を包んで」

女「なんだその使い古された感じ」

男「そんなこと言われても・・・」

女「もっと夢のある展開にしようよ」

男「夢だけに?」

女「夢だけに」

男「・・・」

女「・・・」

5: 2010/09/19(日) 22:07:56.47 ID:MZNKdcdq0
女「まぁ、いいや。それで、具体的にどんな魔法なの?」

男「こう、ほら、見て、手のひらから・・・火がでちゃった!!」

女「バカヤロー!!」

男「グハッ・・・!!」

女「なんてありきたりな魔法使ってんだ!!」

男「いつも冷静な女が・・・」

女「クソ、クソ、まさしくクソな状況だぜ・・・」

男「女怖い」

6: 2010/09/19(日) 22:12:11.68 ID:MZNKdcdq0
女「・・・ふぅ、失礼。ともかく、問題は『日常パターン』か『非日常パターン』かのどちらかが問題です」

男「??」

女「いまどき手のひらから火が出せたってなんら変わらない日常を過ごすパターンだって考えられます」

男「どんなパターンだそれ・・・」

女「とはいえ、夢の中の謎の発光体という点から見ると、『非日常パターン』の可能性が高いです』

男「ほうほう」

女「そう考えると、『悪いお婆さん』的なものより、『剣と魔法と』的な方向かもしれません」

男「具体的には?」

7: 2010/09/19(日) 22:15:45.36 ID:MZNKdcdq0
女「勇者いる、お姫様いる、勇者覚醒、悪い魔王倒す、ハッピーエンド」

男「なんてわかりやすい」

女「男は実は勇者様だったのです」

男「わぉ」

女「感動を魔法で表現して」

男「はい、手のひらから火がっ」

女「バカヤロー!!」男「ぐはっ」

男「・・・理不尽です」

女「魔法だってのにそのしょぼい火の方が理不尽もいいところ」

8: 2010/09/19(日) 22:18:26.98 ID:MZNKdcdq0
男「いや、やろうと思えばすっごいのできるよ」

女「そうなの?殴り損?」

男「殴られ損です」

女「まぁ、いいや。ともかく、近日中になんらかのアクションがあります」

男「断定しちゃった」

女「むしろ、近日中になければその後は一切何もないと考えてもいいです」

男「言い切るなぁ」

女「そして、きっと敵とかなんかそういう感じのが現れます」

男「マジか」

女「マジです。パターンです」

9: 2010/09/19(日) 22:21:56.72 ID:MZNKdcdq0
女「とはいえ、味方のパターンもあります」

男「それのがいいなぁ」

女「始まりの方に重要な登場人物を出すのが楽だからです」

男「誰が楽なの?」

女「推理小説でははじめに氏体を置け、との言葉も残されております」

男「まじかぁ」

女「ちなみに、味方の場合でもであったその直後に敵が現れます」

男「結局ですか」

女「結局です」

10: 2010/09/19(日) 22:24:18.06 ID:MZNKdcdq0
男「それで、まとめるとどうすればいいの?」

女「まぁ、順当に普通の生活を送ってください」

男「なんだよ、結局ですか」

女「どういう出方でくるか、さえわかればこっちのものです。パターン的に最初の戦闘ではうまいこと氏にません」

男「その自信は一体どこから」

女「長年のラノベ脳がはじき出しました」

男「至極不安だ」

女「まぁ、とりあえず今日は帰りましょう」

男「・・・そうッスね」

11: 2010/09/19(日) 22:25:45.08 ID:MZNKdcdq0
------そして数日後・・・

女「・・・」

女「・・・」

男「・・・」

女「え?」

男「・・・」

女「ちょ、え、あれ、なんで、ええーと、あれ?」

12: 2010/09/19(日) 22:31:49.56 ID:MZNKdcdq0
女「なんでそんな喋れなくなるまで怪我してるの?」

男「・・・」

女「確かに生きてるし、じきに目を覚ます、ってお医者さんも言ってたけど」

女「一体、昨日なにがあったの?」

女「なんで私は『あなたのご両親から、電話で、見舞いに来てくれと、怪我した次の日に』言われたの?」

女「うん、わかるよ。あなたが怪我をした当日に、いくら仲がいいたって、私を呼ぶという選択肢はないでしょう」

女「お母様もお父様も混乱していた。ひどく、狼狽していた。焦燥感に包まれていた」

女「けど、ね。うん、いや、的外れなことをいってるのかな私・・・」

女「今はそんなことよりも、あなたを純粋に心配するほうが先なのに」

13: 2010/09/19(日) 22:36:04.79 ID:MZNKdcdq0
女「いや、心配はしている。けれど、疑問にも満ちている」

女「あるいは、心配だけしているほうが人間的なのかもしれないけど」

女「けど、あくまで私はストイック。悲しいほどに」

女「なんにせよ、怪我の回復を祈る。目が覚めることを」

女「・・・」

女「都合よく目は覚ましません」

女「奇跡の涙、そういうパターンもあります」

女「でも、それも残念だったのはさっき証明されたしね」

女「あるいは、私の涙や祈りではダメ、なのかもね・・・」

14: 2010/09/19(日) 22:41:16.49 ID:MZNKdcdq0
女「さて男、ちょっと私の一人ごとに付き合ってください」

女「薄情な私は今もパターンを探っているわけですが」

女「正直、このパターンは想像できないですし、ありえないと思います」

女「とはいえ、世の中は物語とは違う。ええ、そうでしょう」

女「物語的なパターンなんて現実には通用しない。ええ、そうです」

女「しかし、私にはこれしかない。魔法という物語のアイテムがある以上、この考え方でいくつもりです」

女「というわけで、私が考えた結論は」

女「この後、味方があなたを一瞬で回復させ、非日常に完全に突入するパターン」

女「それと、改造人間になるパターン」

女「・・・なんてね」

15: 2010/09/19(日) 22:44:53.59 ID:MZNKdcdq0
女「正直いえば、もうほとんど思いつきません」

女「そうして、さらにさらにさらに考え付いたパターンがあります」

女「それは、主人公ではない。という可能性です」

女「それなら男が怪我した理由がわかります」

女「主人公に魔法の恐ろしさ、物語に非情さ、命の重み、それを知らせる役割です」

女「主人公が一般人である、闘争に巻き込まれたこと、氏を間近で経験したことがない、のが必要になりますが」

女「さて・・・どうなんでしょう・・・」

------コンコン

女「はい」

16: 2010/09/19(日) 22:50:47.06 ID:MZNKdcdq0
??「ッ!!・・・すいません、ここは男さんの病室ですか?」

女「・・・ええ」

??「先客がいた」ヒソヒソ

??2「ノックして確認しても中に人がいたときのことを考えてないさいよ」ヒソヒソ

??「んなこといってもよー」ヒソヒソ

??2「ほんとあんたはバカっ!」ヒソヒソ

女「あの、どうぞ?」

??「ああ、失礼します」

17: 2010/09/19(日) 22:54:23.40 ID:MZNKdcdq0
女「失礼ですが、男の・・・?」

??「ああ、実は昨日戦いに・・・イテッ」

??2「オホン、男さんの『事故』の現場に居合わせたものです」

女「・・・」

ヒ「あ、私はヒロインといいます。こっちが主人公」

主「イッテー、あ、どうもです」

女「私は女といいます」

女「・・・ふむ」

22: 2010/09/19(日) 23:04:42.22 ID:MZNKdcdq0
女(主人公が一般人である、闘争に巻き込まれたこと、氏を間近で経験したことがない、のが必要になります)

女(どこのバカがいったんだ)

女(こいつらが主役なのはパターン的には間違いないだろう。もちろん、可能性だが)

女(しかし、なんだこの軽さ。命の重みをわからせる、だって?)

23: 2010/09/19(日) 23:07:55.54 ID:MZNKdcdq0
女(そういう物語の構図をとらないのか?)

女(闘争における少年の葛藤。いや、確かに古ぼけていて、他の真新しいパターンだってありそうだ)

女(しかし、だとすれば男のこの怪我には一体なんの意味が?)

女「・・・」

ヒ「あ、あの~」

女「はい?」

ヒ「男さんは、最近なにか変わったことってありました?」

24: 2010/09/19(日) 23:10:46.82 ID:MZNKdcdq0
女「・・・いえ、とくには・・・」

ヒ「そう、ですか・・・」

女(なんだこの表情。ホッとしたのか? それとも・・・?)

女(・・・ふむ)

女「あ、でも・・・」

女「最近変な夢を見たって、それでなんかソワソワして・・・」

女「そのくらいしか・・・」

ヒ「そ、それは」

女(戸惑いつつも、納得のいった感じだな)

25: 2010/09/19(日) 23:15:22.57 ID:MZNKdcdq0
ヒ「ヒソヒソ」
主「ヒソヒソ」

女(というか、コイツらはまともな精神構造をしていないのか? 勇者は他人の家のに不躾に上がることが許されているとでも?)

ヒ「あの、ちょっといいですか?」

女「・・・ええ」

女(なんだ? 男の腕を?)

ヒ「やっぱり・・・」

主「そうか?」

ヒ「うん、でも、この感じならすぐに・・・」

主「女さん。、この人は、きっと怪我もすぐよくなる。事故にももうあわないだろう」

女「え?」

26: 2010/09/19(日) 23:16:25.45 ID:MZNKdcdq0
ヒ「ちょ、あ、すいません。怪我の回復を祈ります。で、ではっ」

主「ちょ、おま、引っ張るな・・・」

------ガラガラ、ピシャン

女「・・・」

女「クソやろうが」

27: 2010/09/19(日) 23:19:25.68 ID:MZNKdcdq0
女「おほん、失礼。ともかく、腕を見てみましょうか」

女「ふん、長袖であの時は知らなかったが、こんなところに痣が」

女「いや、ここはスティグマと呼ぶべき?」

女「私の知識にはないなぁ。東洋っぽくはない。西洋風という雰囲気だけ」

女「痣は消えかかっている」

女「・・・」

28: 2010/09/19(日) 23:23:03.43 ID:MZNKdcdq0
女(どうやら完全なモブに近い扱いか・・・)

女(とりあえず、この痣はスケッチしておこう)

女「カキカキ・・・」

女「さて、それじゃあ、男。私はいくよ」

女「クソやろうどもはクズだけど、言葉には間違いがないでしょう」

女「夢の正体は無差別な能力覚醒。それを利益とするやつら。それに敵対するクソやろう」

女「スティグマは一定の理由で消える。怪我の直りはその副作用」

女「確証はない。うん、確証はない」

29: 2010/09/19(日) 23:28:43.65 ID:MZNKdcdq0
女「けれど、ねぇ、いったよね。悪いお婆さんの話」

女「それって、誰が悪いと決めるのかな?」

女「善と悪なんてナンセンス。所詮言葉」

女「物語の展開とそれに対する判定」

女「悪いお婆さんなんていない」

女「いるのは、己の独断によって、己が感情によってお婆さんを裁いたくそやろう」

女「うん、世の中はそういうもの。わかるよ。殺人には罪が下る。窃盗には罪が下る」

女「けどね、結局、個人に限定すれば、そんなのは関係ないの」

女「ワタシが、誰を、悪いお婆さんと決めるかは、ワタシの勝手なの」

30: 2010/09/19(日) 23:31:40.94 ID:MZNKdcdq0
女「けどね、結局は飲み込まれるんだ」

女「クソやろうどもの論理に、物語に」

女「こんなワタシの前に現れるのは、悪い魔法使い」

女「『力を与えよう。さぁ、復讐を果たせ』ってね」

女「うん、うん。わかるよ」

女「わかる・・・わかる・・・」

女「くそやろうが・・・」

31: 2010/09/19(日) 23:35:56.41 ID:MZNKdcdq0
女「ねぇ、男。どうするのが正解なのかな?」

女「私はただのモブとして、ここでフェードアウトするのかな?」

女「私が物語りの流れに気付いても、それを物語の中核に悟られなければ、それは無いと同義」

女「けれど、物語は私を悪役とする」

女「物語は善が勝つ。善の勝たない物語は物語じゃない。ただの記録だ。事実だ」

女「どう考えても、彼らは善だった」

女「ねぇ、善とか悪とか関係ないだって。笑っちゃうよね」

女「どうすれば・・・いいのかな?」

女「ねぇ、男?」

36: 2010/09/19(日) 23:45:03.52 ID:MZNKdcdq0
------女、自宅

女「てゆーか医者とくそやろうも大丈夫つってんだから大丈夫だろ」

女「心配して損したぜ、なんつって」

女「・・・なんつって」

女「だめだ、ジッとしていると男のことしか考えられない」

女「そんなにも私は男のことが大事だったのか」

女「ある意味感謝、ファッキンジーザスクソヤロウ」

37: 2010/09/19(日) 23:48:17.56 ID:MZNKdcdq0
女「ところでキーポイントはこの紋章です」

女「グーグル先生の、登場です」

女「世界、紋章、紋章かなぁ・・・まぁいいか」

カチカチ

女「ふむふむ」

女「スティグマっと・・・」

カチカチ

女「なんという厨二世界・・・まともじゃねー」

39: 2010/09/19(日) 23:52:31.33 ID:MZNKdcdq0
女「なんにせよ、それっぽいのはなし」

女「となると、伝承系統から連なる物語ではなさそうだ」

女「裏の社会では有名とかだったら・・・いや、それでも類似するやつは表側にあってもおかしくない」

女「けど、既存の紋章には類似がない。いや、なさすぎる」

女「そもそも完全に幾何学的な、数学的な感じだもんな」

女「これっていう特色もない、モチーフもない。ただの直線と曲線の集合」

女「しかし、ソロモンとか陰陽五行とかでもない」

41: 2010/09/19(日) 23:56:57.05 ID:MZNKdcdq0
女「結論、わかんない」

女「・・・」

女「・・・」

カキカキ、キュキュ

女「やってしまった・・・油性マジック」

女「しかしラノベ脳の私はやらざるおえない」

女「これで火とかでないかなぁ」

ボッ

女「マジか」

42: 2010/09/20(月) 00:01:50.09 ID:FCLqV4Il0
女「どんだけ単純なんだよ」

女「あ、でも紋章が消えた・・・」

女「・・・」

女「なんかバカらしくなってきた・・・」

女「というかこんなバカらしいことで男は・・・」

女「・・・」

女「あーもう、決めた。こんなバカどもは私が頃す。頃しつくす」

女「一片も容赦しねー」

女「けれど、ここで早まってはいけない」

女「男が目覚めたら、聞いてみよう。どうしたほうがいいか、どうもしないほうがいいか」

女「さすが私。狂気には支配されないぜ」

43: 2010/09/20(月) 00:05:33.44 ID:FCLqV4Il0
------数日後、病室

男「医者も吃驚の回復。親も驚愕の回復。世界が呆然の回復」

女「私も愛してる回復」

男「え?」

女「どうしたの愛してる? そんな呆けた顔して愛してる?」

男「なにそれ、俺が寝ている間に流行ったの?」

女「そんなことはない愛してる。私が愛していると思っているから愛してる」

男「・・・」

女「・・・」

女「あいして・・」

男「わかったから」

44: 2010/09/20(月) 00:07:59.40 ID:FCLqV4Il0
女「気付いたのです愛している。私は男を愛しているということに愛してる」

男「嫌いになりそうだ」

女「ごめんなさい」

男「でも、嬉しい愛してる」

女「ほんと愛してる?」

男「嘘はいわない愛してる」

女「失って初めて気付くってチープだよね」

男「俺は失われたのか・・・」

45: 2010/09/20(月) 00:14:13.64 ID:FCLqV4Il0
女「さて、話をスピーディーに進めます」

男「くだらなくも愛に満ちた会話でした」

女「男は帰り道突然戦闘に巻き込まれる。謎の悪役くさいおっさんがニヤッと笑うと
  男をボコボコにし、主人公さん達を牽制。人質は氏ななければ良い。悲しい事実に
  うろたえつつも上手いことやった主人公さん達。しかし、男が能力持ちであることを知った
  おっさんはその力のほとんどを奪い、主人公さん達を返り討ち。男は残された力を使い
  脅威の回復、そして今にいたる」

男「説明ありがとう」

女「どういたしました」

50: 2010/09/20(月) 00:42:02.42 ID:QN0f5Jt60
女「しかし、なんで反撃しなかったの?」

男「いやー、なんかこう、変に怯えたというか」

女「怯えた?」

男「そう、なんか、もう胸いっぱいで頭いっぱいみたいな」

女「それはきっと恋でしょう」

男「おっさい怖い」


51: 2010/09/20(月) 00:44:08.30 ID:QN0f5Jt60
女「それはきっと物語の抑制力が働いたのではないかと愚考します」

男「ほうほう」

女「もちろん確証はありませんが・・・・あ、そうそう」

男「なんですか女さん?」

女「さっそくですがちょっと実験があります」

男「??」

女「と、その前に予備知識」

カキカキ、キュキュ

女「はいファイアー」

男「おお」

52: 2010/09/20(月) 00:47:54.37 ID:QN0f5Jt60
------病院内、待合室

男母「あら、女ちゃん。なんか逆に悪かったわねこんなバカ息子のことで」

女「いいえ、いいえ。まぁまぁ」

男母「あらあら、まぁまぁ」

女「いやはや、もぅもぅ」

男母「にゃーにゃー、わんわん」

男「・・・」

男父「クックドゥードゥードゥー」

男「対抗しなくていいから」

53: 2010/09/20(月) 00:52:04.68 ID:QN0f5Jt60
女「一通りの挨拶はすませた。あした披露宴です」

男「つっこみません。勝つまでは」

男父「ブルルルルヒヒーン」

女「時に母上様。マジックです。種も仕掛けもありません。あるのは男への愛だけ。はいっ!!」

男母「あらあら、恋の炎がメラメラ」

男父「キャインキャインっ!!」

女「ふむ」

男「??」

女「いや、失礼。それでは、役所で実印を結婚してきます」

女母「はい、いってらっしゃい」

男父「バババババビロロロロロr-カカカカヒュ」

54: 2010/09/20(月) 00:54:09.37 ID:QN0f5Jt60
男「実印どこにあったっけ・・・」

女「とりあえず一つ目の検証が済みました」

男「き○がいの子供だということしか・・・」

女「一般人にこれを見せることはできる」

男「ほうほう」

女「次です」

55: 2010/09/20(月) 00:59:38.45 ID:QN0f5Jt60
女「とはいえ、実はもう検証済みだったりします」

男「??」

女「知り合いの雑誌記者。大学教授。織由無道住職に連絡がなぜか付きません」

男「最近は??が多いです。知恵熱がでそうです」

女「偶然か、何らかの意図があるのか。ともかく、何故か連絡がつきません」

男「その心は」

女「物語の抑止力の証明になればいいな、と」

56: 2010/09/20(月) 01:02:32.84 ID:QN0f5Jt60
男「つまり?」

女「物語に関係のない外部からの影響は排除する。物語とはそれ自体がクローズドサークルだということです」

男「ふむふむ」

女「まぁ、証明には弱いですが、面倒なので証明されたことにします」

男「てきとーだなぁ」

女「別に誰かを説得させなければならないわけではないから良いのです」

男「たしかに」

57: 2010/09/20(月) 01:04:21.76 ID:QN0f5Jt60
女「さて、となると私があんまり嗅ぎまわるのもあぶないのですが・・・」

男「たしかに」

女「一度物語りに触れている男君がいればなんとかなるんじゃねーかなぁって・・・」

男「たしかに」

女「たしかにっていえばいいと思ってんの?」

男「たしかに」

女「ナ行の二つ目の文字は?」

男「たしかに」

58: 2010/09/20(月) 01:07:22.61 ID:QN0f5Jt60
女「はい、というわけで話を戻します。具体的には51に」

男「メタ」

女「こんなにも能天気で危険が危ないとチラッといったけど止めようともしない男がおっOいになる理由はここだと思うのです」

男「実は面白そうであればなんでもよかったりする性格です」

女「気が合いますね」

男「いえぇ」

女「いえぇ」

60: 2010/09/20(月) 01:09:35.70 ID:QN0f5Jt60
女「さて、ではちょっとここでキャッチーなフレーズをトゥギャザーしようと思います」

男「そういうの大切だね。ビックカットだね」

女「はい、ではご清聴」



女「『私たちの物語を、始めます』」

61: 2010/09/20(月) 01:18:27.01 ID:QN0f5Jt60
女「相手は主人公とヒロイン」

女「そしてその敵もしかり」

女「理不尽な物語は私たちを飲み込もうとするでしょう」

女「でも、私は、男を使い捨てた物語を許さない」

女「カメを苛める子供達を助け」

女「シンデレラのガラスの靴を壊し」

女「勇者を頃し、魔王を頃す」

女「そんな・・・」

女「『私たちの物語を、始めます』」

62: 2010/09/20(月) 01:21:06.31 ID:QN0f5Jt60
女「あと、何パターンかやっておく?」

男「ちなみにどんなパターンがあるの?」

女「うーん・・・あ、あの、物語の数だけ」

男「上手いこと言ったね」

女「我ながら」

女「ところで・・・」

男「ん?」

女「付き合わせるけど、いい?」

男「俺たち付き合ってるんだろ?」

女「そだ、ね」

男「それに、面白ければなんでもいいんだ」

女「そうだね、面白ければいい」

男「そして、面白くないことは抹殺」

女「いえす」

63: 2010/09/20(月) 01:23:53.87 ID:QN0f5Jt60
あれ、そこそこ綺麗にまとまってんじゃね?
第一部完じゃね?

引用元: 男「悪いお婆さん?なんのこと?」女「パターンの話」