1: 2016/09/14(水) 21:53:51.828 ID:N9wjZIgj0.net
澪「ただいま~…」ガチャ

澪「…って、ひとり暮らしだから返事なんて帰ってこないけど」

澪「なんかおもしろいテレビやってないかな」ポチッ

テレビ「それでは今話題の現役女子高生シンガーソングライター、YUIさんの登場です!」

唯「こんばんは~」

澪「…」

澪「唯…お前はいったいいつまで高校生でいるつもりなんだ?」

澪「お前は…私達は、もう大人になったんだぞ」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

4: 2016/09/14(水) 21:56:40.243 ID:N9wjZIgj0.net
唯「それでは聴いてください!『ごはんはデザート』!」ジャララン

澪「…」

ブチッ

澪「あーあ…仕事で疲れてるのになんで唯を見なくちゃいけないんだ。シャワー浴びて寝よ…」

澪「ビール冷やしとかなきゃ」

5: 2016/09/14(水) 21:58:52.682 ID:N9wjZIgj0.net
澪「あー…最近は第三のビールも味が良くなったな」ゴクゴク

澪「スーパーの4割引の惣菜はいいツマミになるし」パクッ

澪「…」

澪「私、幸せなのかな…」

澪「もう私も25歳…いい大人になっちゃった」

7: 2016/09/14(水) 22:00:55.563 ID:N9wjZIgj0.net
澪「あの頃は良かった…」

澪「毎日馬鹿やって笑ってればそれで幸せだった…」

澪「なのに今は何をしても充たされない…」

澪「寂しい…」

澪「寂しいぃよぉぉ!!!」

ドンッ!

澪「!」ビクッ

澪「し、しまった…隣の人に壁ドンされちやった…」

9: 2016/09/14(水) 22:03:29.920 ID:N9wjZIgj0.net
澪「けど25歳独身がこんなに孤独だなんて夢にも見なかったな」

澪「律もムギも仕事が忙しかったりして全然会えてないし…」

澪「唯に至っては芸能界デビューしてるし」

澪「あ」

澪「そうだ…梓は近所に住んでるんだった」

澪「2年ぶりに電話してみるか!」

10: 2016/09/14(水) 22:04:35.549 ID:N9wjZIgj0.net
澪「…」プルルルル

澪「…」プルルルル

澪「…」プルルルル

澪「…」プルルルル

澪「…」プルルルル

12: 2016/09/14(水) 22:05:56.949 ID:N9wjZIgj0.net
澪「…」プルルルル

ガチャ

澪「!」

「おかけになった電話は、現在使われておりません」

澪「…」

澪「あんのクソ猫がぁぁっ!!」ガシャーン

13: 2016/09/14(水) 22:07:32.239 ID:N9wjZIgj0.net
ドンッ!

澪「!」ビクッ

澪「しまった…つい…」

澪「クソッ!気分悪い!」

澪「あんなに可愛がってやったのに薄情な奴だ!」グビグビ

14: 2016/09/14(水) 22:13:25.345 ID:N9wjZIgj0.net
澪「あーあ…彼氏でもいればこの虚しい気持ちも無くなるのかなぁ…」

澪「でも男なんて今までロクな奴に出会ったことないし…」

澪「裏切られて傷付くのも嫌だし…」

澪「…」

澪「そういえば…」ガサゴソ

澪「あった!同僚が貸してくれた『ツンデレ王子さまが耳元でささやくCD』!」

澪「これで癒されるか…」カチャッ

15: 2016/09/14(水) 22:16:04.558 ID:N9wjZIgj0.net
澪「…」

澪「…」

澪「…」

澪「落ち着かねぇよ!」ドグシャァ!

澪「気持ち悪いよ!無駄に立体音響使うな!」バギッバギッ

ドンドン!

澪「!」

澪「げ、玄関のドア叩かれてる…?」

澪「こんな時間に誰が…」

17: 2016/09/14(水) 22:17:53.695 ID:N9wjZIgj0.net
澪「は、はーい…」ソーッ

??「何時だと思ってんの!迷惑考えろ!」

澪「すすすいませぇん…」

澪「…って、あれ?」ガチャ

梓「あ」

澪「あ」

澪「なんで梓が…」

19: 2016/09/14(水) 22:19:52.444 ID:N9wjZIgj0.net
梓「ご無沙汰です…澪先輩」

澪「何もないけど…お茶くらい出すよ」

梓(酒臭い上に床に散らばったCDの残骸…)

梓(この人どんな荒んだ生活送ってるんだろ…)

澪「あはは…それは気にしないでもらえるかな」

梓「あ、はい」

20: 2016/09/14(水) 22:25:19.709 ID:N9wjZIgj0.net
澪「まさか梓が隣に住んでるなんて思いもしなかったよ」

梓「私もしょっちゅう騒音で悩まされてる隣人が澪先輩とは思いませんでした」

澪「いや…なんかその、ごめん…」

梓「いいです。これからは気をつけてください」

澪「そうだ!携帯の番号変えただろ!さっきかけたのに繋がらなかったぞ!」

梓「あ~去年携帯変えたんですよ。連絡したはずだったんですが…」

澪「私には来てないぞ!」

梓「澪先輩、彼氏にフラれたショックで携帯投げ捨てたんじゃないですか?」

澪「な…なんでそれを知ってる…」

梓「冗談のつもりだったんですけど」

21: 2016/09/14(水) 22:28:45.311 ID:N9wjZIgj0.net
澪「とにかく!梓、私達はもういい大人だ!」

梓(話逸らした…)

澪「これからは大人の女として恥ずかしくない生き方をしなくちゃいけない!」

梓「は、はぁ…」

澪「唯のことは知ってるな?」

梓「すごい人気ですよね。でもまさか年齢詐称をするなんて思ってませんでした」

澪「あんな女にならないために!私達は生きる指針を決めるんだ!」

梓(めんどくさ…適当にあしらっとこ)

22: 2016/09/14(水) 22:33:46.446 ID:N9wjZIgj0.net
梓「でも具体的にどうするんですか?私には澪先輩がくたびれたOLにしか見えないんですが」

澪「…っぐ!」グサッ

澪「梓、いかに年をとったとはいえ…私達はまだ世間一般的に見れば美人の類だ」

澪「やるんだよ!もう一度!あの頃のように輝く!」

澪「芸能界デビューだ!!」

梓「お邪魔しました~」

澪「待って!最後まで聞いて!」ガシッ

梓「離してください!私の中の澪先輩のイメージをこれ以上悪くしないでください!」ジタバタ

23: 2016/09/14(水) 22:37:30.126 ID:N9wjZIgj0.net
梓「…」トボトボ

梓(まさか徹夜で澪先輩に付き合わされるとは…)

梓「ねむ…」

梓「とにかく持って帰ってきた仕事だけ済ませて寝よ…」

梓(澪先輩…私にはあなたみたいに夢を見る資格はないんです)

梓「…」カタカタカタ

梓「…」ッターン!

梓(なんせ今の私は…工口ゲのシナリオライターなんですから)

24: 2016/09/14(水) 22:42:08.449 ID:N9wjZIgj0.net
上司「いや~AZの書くシナリオは凄いねぇ」

上司「主人公を信頼しきってる幼馴染にここまでひどいことさせるなんて」

上司「まさに外道だよ!」

梓「…」ペコリ

同僚「流石だな…AZ…」

同僚「あぁ…この業界でヒット作を連発させるだけのことはある…」

同僚「あんなに可愛いのに、書くシナリオはえげつねぇもんな」

同僚「あずにゃんペロペロ」

梓(帰りたい…)

25: 2016/09/14(水) 22:45:04.174 ID:N9wjZIgj0.net
イケメン「AZ、今晩付き合ってよ」

梓「奢りですか?」

イケメン「金なら心配いらないぜ」

梓「肉食いたいです」

イケメン「任せて~最高級の肉出す店連れてってあげるよ」

26: 2016/09/14(水) 22:46:56.666 ID:N9wjZIgj0.net
イケメン「でさ~」ペラペラ

梓「…」バクバク

イケメン「その時上司がさぁ~」ペラペラ

梓「…」バクバク

イケメン「AZ聞いてる?」

梓「その肉焼けてますけど食べないんですか?」

イケメン「俺、肉苦手でさ~」

梓「じゃあいただきます」バクバク

29: 2016/09/14(水) 22:51:44.420 ID:N9wjZIgj0.net
梓(ふぅ…これでしばらく肉は食べなくていい)

??「当店のお肉はいかがですか?」

梓「はいっ!最高でした!」

紬「それはよかったです~」

梓「ムギ先輩?!何故ここに!」

紬「ここは私が経営してる焼肉屋さんなのよ~」

イケメン「え?なに?AZの知り合い?」

梓「それはよかったです!あ、イケメンさんごちでした!」

梓「さぁムギ先輩!久しぶりに会ったんですし、あっちでもっと話しましょう!」ダッ

イケメン「ちょ、待てよ!」

店員「お客様、お会計を…」

イケメン「今それどころじゃ…」

店員「お会計を…」ガシッ

イケメン「あ…あ…」

店員「18万7438円になります」

イケメン「あぁ~」ぐにゃ~

30: 2016/09/14(水) 22:57:23.893 ID:N9wjZIgj0.net
梓「いや~まさかムギ先輩が焼肉屋さんをやってるなんて」

紬「食べ物だけじゃなくて色んな事業をしてるのよ。まぁ平たく言えばお金持ちなりの社会勉強ね」

梓「もしかして最近急成長してる『麦屋グループ』って…」

紬「父から初期資金の50万円だけ借りて、私が築いたのよ」

梓「ただの世間知らずのお嬢様じゃなかったんですね…」

紬「この世界は才能こそ全てよ~」

32: 2016/09/14(水) 23:02:43.552 ID:N9wjZIgj0.net
梓「こんな高そうなバーに連れてきてもらっちゃってなんか申し訳ないです」

紬「私のお店なんだから気にしないで。マスター、ドンペリ開けてくれる?」

和「かしこまりました」

梓「なんで何気なく和先輩がバーテンやってるんですか」

紬「和ちゃんは大学在学中にその道を目指してフランスに修行にまで行ったのよ」

梓「初耳ですが…」

和「言ってなかったもの。はい、ドンペリよ」コポポ

和「じゃあ私カウンターに行くね」

33: 2016/09/14(水) 23:08:03.935 ID:N9wjZIgj0.net
紬「へぇ…澪ちゃんがそんなことを…」

梓「はい…私、澪先輩をかっこいいと思ってたのにショックでした」

紬「みんな大人になって変わっていくものよ。あなたも私もね」

梓「…」

紬「それで、梓ちゃんはどうしたいの?」

梓「私は…」

紬「ううん、やっぱりやめておきましょう。答えを急く必要はないもの」

梓「ありがとうございます…」

紬「たしかにあの頃はとっても楽しかったし、戻りたいとも思うけど…だからと言って今の日常を壊す勇気は…きっと出てこない。私はそう思うわ」

梓「ムギ先輩…」

紬「今日は楽しかったわ。また、いつでも連絡してね」

梓「はい!」

35: 2016/09/14(水) 23:10:17.321 ID:N9wjZIgj0.net
紬「ただいま…」

律「おーおかえりー」

紬「今日梓ちゃんと偶然会ったわ」

律「へー梓元気だった?」

紬「そうね…色々悩んでるみたいだけど、頑張っているそうよ」

律「ふーん…すげーなー」

紬「ねぇ、りっちゃん…」

律「なにー?」

紬「いつまでこの家にいるつもり?」

36: 2016/09/14(水) 23:13:35.027 ID:N9wjZIgj0.net
律「そりゃ仕事見つけたらすぐ出てくよー」

紬「でも…もうそう言って2年近く経つわ…」

律「…っ!」ガンッ

紬「ひっ!?」

律「私だってなぁ!!好きでこんなヒモみたいなことしてねぇんだよ!!」

律「でも…でも…!」

律「目の見えない私が…まともな仕事につけるわけないだろ…」ポロポロ

紬「りっちゃん…」

37: 2016/09/14(水) 23:16:20.708 ID:N9wjZIgj0.net
紬「大丈夫よ…ひどいこと言ってごめんね。一緒にゆっくりがんばりましょう!」ギュッ

律「ムギ…」

紬「心配いらないわ…私が支えるから」

律「ありがとう…」

律(いつからだろう)

律(ムギに嘘しかつけなくなったのは…)

39: 2016/09/14(水) 23:19:07.386 ID:N9wjZIgj0.net
律(最初は…仕事で忙しく駆け回るムギの気を引きたかった)

律(目が見えなくなったなんて見え透いた嘘で)

律(すぐバレると思った。怒られたら寂しかったと訴えるつもりだった)

律(でもムギは…何も言わなかった…)

40: 2016/09/14(水) 23:21:05.981 ID:N9wjZIgj0.net
律(次第に嘘を取り繕うのに嘘を重ねていって…)

律(もう取り返しがつかなくなった)

律(本当は…ただムギの側にいたいだけなのに)

律(ムギの優しさが、私を苦しめる)

41: 2016/09/14(水) 23:25:22.109 ID:N9wjZIgj0.net
紬「りっちゃん、私明日から北海道に出張しなくてはならなくなったの。当分の食事だけど…」

律「大丈夫だって。見えなくてもご飯の匂いくらいはわかるよ」

紬「毎日執事に家を訪ねてもらうよう言ってあるから…もし何かあったら私に連絡して」

律「がってんしょーち!」ビシッ

紬「もう…」クスクス

律「…」

律(ムギ…ごめん…)

律(やっぱり私は…もうムギの側にいちゃいけないんだ…)

45: 2016/09/14(水) 23:36:17.297 ID:N9wjZIgj0.net
律「はぁ…」トボトボ

律(外に出たのはいいけどムギにもらったお金は置いてきたし…)

律(所持金470円とか笑えねぇよ…)

憂「あ」

律(うぇ?!憂ちゃん!?)ギクッ

憂「律さん…?どうしたんですかそのサングラス…それに杖まで」

律「あははー!もしかして憂ちゃん?お久しぶり!実は目が見えなくなっちゃってさー!」

49: 2016/09/14(水) 23:40:12.616 ID:N9wjZIgj0.net
憂「そうなんですか…大変ですね」

律「まったく笑えねーよなーまさか私が…」

憂「…」

憂「本当に…笑えません…」

憂「下手な芝居です」

律「えっ…」

50: 2016/09/14(水) 23:45:04.170 ID:N9wjZIgj0.net
律「な、何を…」

憂「サングラスで隠してるつもりでしょうけど、さっきから視点がちゃんと私に向いてますし…」

律「それは…」

憂「それに杖の使い方、ちゃんと習ってないですね」

律「ご…」ワナワナ

憂「ご?」

律「ごめんなざぁぁぃぃい!!」土下座

52: 2016/09/14(水) 23:49:18.038 ID:N9wjZIgj0.net
憂「いや、別に責めてないですよ?でもなんでそんな嘘を?」

律「これには深い訳が…」

憂「はぁ…」

憂「私の家が近いんで、そこで話しませんか?」

律「え…?唯の家は…」

憂「あぁ…ひとり暮らししてるんで気にしなくても大丈夫ですよ」

53: 2016/09/14(水) 23:53:08.900 ID:N9wjZIgj0.net
憂「どうぞ」ガチャ

律「お邪魔します…」

憂「何もありませんけどゆっくりしてください」

律「本当にこの部屋生活感がない…」

憂「あんまり部屋にいないんで手が行き届かないんですよ」

律「でもまさか唯にゾッコンの憂ちゃんが唯と離れるなんてな」

憂「あぁ…そのことですか」

憂「仕方ないです。お姉ちゃんは2年前に亡くなりましたから」

律「…え?」

56: 2016/09/15(木) 00:00:41.564 ID:G8A4pMfw0.net
憂「突然のことでしたから…私も当時はとても弱ってしまって…」

律「待って待って!」

律「私は何も知らないぞ!ムギだって!」

憂「言わなかったんです。いえ、言えませんでした」

憂「澪さんも紬さんも…梓ちゃん、それに律さんも…」

憂「みんなが新たな道を歩み始めていた時に、お姉ちゃんがその足枷になってしまうのを見たくなかったんです」

律「バカ野郎!」

律「なんで…なんでそんな大事なことを!教えてくれなかったんだ!」

57: 2016/09/15(木) 00:14:56.476 ID:G8A4pMfw0.net
憂「お姉ちゃん、今日は律さんがこの部屋に来たんだよ」

憂「お姉ちゃんが亡くなったって知って、やっぱりすごくショックだったみたい」

憂「隠し通すのは…無理だったね」

憂「お姉ちゃん」

憂「どうしてみんなを…私を置いて逝くの?」

憂「もう…お姉ちゃんの背中に追いつけなくなっちゃったよ」

58: 2016/09/15(木) 00:17:50.668 ID:G8A4pMfw0.net
ジリリリ

憂「おはよう、お姉ちゃん」

憂「今日も1日がんばるね」

マネージャー「YUIちゃん起きてる?」

憂「あ、ちょっと待ってもらえますか」

うい「時間が」

UI「かかるんで…」

YUI「もう少し…」

唯「おっはよーございます!」

マネージャー「お、おはよ…」

60: 2016/09/15(木) 00:20:19.232 ID:G8A4pMfw0.net
マネージャー「今日はスケジュールすごいハードだけど大丈夫?」

唯「はいっ!がんばります!」

マネージャー「その意気だよ~」

唯「スカイハイ!」

マネージャー「YUIちゃんは個性的だね」

61: 2016/09/15(木) 00:24:59.716 ID:G8A4pMfw0.net
スタッフ「おっかれしたー!」

マネージャー「YUIちゃんもおつかれさま~家まで送るね」

唯「人と会う約束してるんで、駅前の『個室居酒屋トンちゃん』に行ってもらえますかー?」

マネージャー「YUIちゃん、未成年なんだから…」

唯「ちゃんと変装するし大丈夫ですっ!」

マネージャー「あはは…今回だけだよ」

62: 2016/09/15(木) 00:27:30.976 ID:G8A4pMfw0.net
憂「お久しぶりです」

紬「やっと主役の到着ね」

澪「…」

梓「…」

律「…」

憂「懐かしい面子です。何年振りですか?」

澪「御託はいい。憂ちゃん、全部教えてくれないか」

澪「唯のこと…」

憂「…」

63: 2016/09/15(木) 00:30:36.724 ID:G8A4pMfw0.net
憂「その前にいいですか?」

梓「憂!なんで本当のことを言ってくれなかったの!」

律「梓…落ち着け…」

憂「みなさん、この何年かお姉ちゃんと音信不通でしたよね?今更本当のことを知って何になるんですか?」

紬「知りたいのは当たり前のことよ!たしかに忙しくて連絡を取れてなかったけど…」

紬「唯ちゃんは大切な仲間なんですもの!」

64: 2016/09/15(木) 00:34:40.217 ID:G8A4pMfw0.net
澪「私達は自分のことで精一杯だった…言い訳するつもりはないよ。本当に唯には申し訳ないと思ってる…」

梓「でも…でも…!唯先輩は…ずっと私達の仲間だったんだよ!氏んだことも知らないなんて…悲しすぎるよ!」

律「私はずっと…ムギにひどい嘘をついて騙してた…そんな私に謝る勇気をくれたのも…ずるいけど唯のおかげなんだ…」

紬「りっちゃん…」

憂「わかりました…全てを話します」

65: 2016/09/15(木) 00:37:01.660 ID:G8A4pMfw0.net
憂「その前に…会わせたい人がいるんです」

憂「すぐそこまで来ているので入ってきてもらいます」

憂「…」プルルルル

憂「…ぃよ…き…て…」コソコソ

梓「いったい誰を…」

67: 2016/09/15(木) 00:41:53.837 ID:G8A4pMfw0.net
唯「みんなひっさしぶり~!!」ドンッ

澪「唯?!」ビクッ

梓「なん…で…憂はここに…」

紬「ゆ、幽霊…?」ビクビク

律「」気絶

憂「すみません。律さんが嘘をついたので私も嘘で仕返ししちゃいました」

憂「お姉ちゃんはこの通り元気です」

唯「憂もひどいよ~勝手に人をおばけにするんだもん!」プンスカ

憂「ごめんね~」

68: 2016/09/15(木) 00:44:21.712 ID:G8A4pMfw0.net
唯「でも、私の犠牲のおかげで離れ離れになってたけいおん部のみんながまたひとつになれたね!」エッヘン

梓「もう!どれだけ心配したと思ってるんですか!」

唯「何年も連絡してこないあずにゃんこそどれだけ心配したと思ってるの!」

梓「うぐ…」ぐうの音も出ない

澪「でもよかった…本当に…生きてて…」

69: 2016/09/15(木) 00:48:04.127 ID:G8A4pMfw0.net
唯「これからはみんな定期的にちゃんと会うことにしよう!いいよね!」

澪「あぁ」

紬「異論はないわ」

梓「もちろんです!」

律「」まだ気絶中

憂「私もお姉ちゃんの名前をもっと売り出せるようにがんばるね!」

唯「憂もこれを機にテレビでちゃんと本当のことを言って平沢憂として出演しなさい!」ビシッ

憂「ふぇぇ…」

澪「よかった…まるで夢みたいだ…またみんながひとつに…」

71: 2016/09/15(木) 00:52:43.026 ID:G8A4pMfw0.net
紬「そう、これは夢よ」

澪「!?」

澪「どういうことだ!?なんだこの部屋は!みんなはどこに行った!」

紬「もう…一気に質問責めしないでほしいわ」

紬「これはみんなの願望を歪ながらも叶えた幸せな世界だというのに」

澪「ムギ…お前はいったい…」

紬「私はただの役者に過ぎないわ…そしてあなたも…」

澪「嘘だ…律は…梓は…憂ちゃん…唯…」

紬「これは長い絶望の物語の始まりよ。澪ちゃん、あなたにその結末を見る覚悟があるのかしら」

澪「嫌だ…こんなの…ちが…」

73: 2016/09/15(木) 00:56:41.828 ID:G8A4pMfw0.net
ビーッ

紬「時間ね…」

紬「さぁ、行くわよ」グイッ

澪「ムギ…?いったいどこに…」

紬「次の世界も…ハッピーエンドだといいわね」

澪「や、やめろ…私は認めないぞ…」

澪「こんなの認めないぞっ!!」

第1部 完

74: 2016/09/15(木) 00:57:09.519 ID:aZ/16y8Ya.net
まさか続くのか

引用元: 澪「嘘つきどもの楽園」