414: 2014/06/21(土) 20:04:08.69 ID:A7u2q5qB0
れんげ「新作の仮面ライダーの映画を観るのん!」蛍「パラダイス・ロスト!?」【前編】

~スマートブレイン社(エレベーター内)~


スマートレディ「あらぁ?おかしいわね、何で止まったままなのかしら?」


巧「ハンッ!アンタらの日頃の行いが悪いからじゃないのか?」


スマートレディ「ムッ!意地悪言う子はお姉さん嫌いです!」


ライノセラスビートルオルフェノク「黙れ!反逆者の分際で生意気な!」


スタッグビートルオルフェノク「これ以上無駄口を叩くなら王の下に付く前に我々が頃すぞ!」


流星塾~スマートブレイン社屋上にある王の玉座へ直行する特別エレベーター。
通常ならすぐにも屋上へと上がれるはずなのだが下でアギトたちが戦闘を行っている所為で途中で止まっていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)
のんのんびより 6 (MFコミックス アライブシリーズ)
415: 2014/06/21(土) 20:07:27.32 ID:A7u2q5qB0


巧「…」


スマートレディ「恐い顔しちゃって、その顔は何か企んでいる顔ね?」


巧「あぁ!俺はどうせオルフェノクの王に殺されるんだろ?なら、最後っ屁にヤツを道連れにしてやるよ…!」


ライノセラスビートルオルフェノク「貴様、我らの前でそのような戯言を!」


スタッグビートルオルフェノク「いい度胸だ!だがその前に我々がお前を…!」


スマートレディ「…」


巧は残された力を振り絞り王を倒そうと考えていた。
その言葉に怒りを感じるオルフェノクたち、だが巧はスマートレディから意外な事を言われてしまう…
(ナレーション:鈴木英一郎)


スマートレディ「いいわよ倒しても…」


巧「何?」


スマートレディ「別にいいのよ、あんなの倒しちゃっても。
もう私たちがこの世界でするべき事は全部やっちゃったんだもん♪」


巧「お前…一体何を言って…?」


スマートレディ「黒幕の方々はそもそもオルフェノクたちの世界を本当に作る事が目的じゃないのよ。
そうね、ただこの世界を混沌に陥れたかっただけなの。そしてそれはもう成功した!
後はこの世界がどうなろうが知った事ではないわ♪」


巧「ふざけんな!この世界をメチャクチャにしただけじゃなく訳の分かんねえ事言いやがって…
お前ら一体何者なんだ!?」


巧がスマートレディに疑問を投げかけた時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

416: 2014/06/21(土) 20:11:15.31 ID:A7u2q5qB0


((ブオン!)) ((ブオン!))


外から突然バイクの排気音が聞こえてきた。
その音はドンドン強くなり近付いてくるのが嫌でもわかるほどであった。
そして…



((ガッシャァァァァァン!!))



特別エレベーターの扉が破壊された!そこに現れたのは…


小鞠「巧さん!」

れんげ「助けに来たのん!」

クウガ「さぁ、行くよ!」

巧「お前ら…ちょっとタイミングが悪いぞ!」

れんげ「助けに来たのに文句言われたのん!」

小鞠「本当に口の悪い人だよ…」

クウガ、れんげ、小鞠がビートゴウラムでこのエレベーター内の扉を破り巧を助けにやってきたのだ!
しかしそう簡単には行かない、二体のオルフェノクたちが巧の救出を妨害してきた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

423: 2014/06/22(日) 20:57:47.73 ID:3U1JwoRR0


ライノセラスビートルオルフェノク「行かせるものか!」


スタッグビートルオルフェノク「お前たちはここで氏ね!」


クウガ「ここは俺が喰い止めるから!みんなは逃げて!」


れんげ「わかったのん!」


小鞠「巧さん!早く行こうよ!」


巧「待て、俺はあの女にまだ聞かなきゃいけない事が…!?」


巧はスマートレディから事の真相を聞き出そうとしたが当のスマートレディは既にその場から立ち去っていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

424: 2014/06/22(日) 20:59:36.63 ID:3U1JwoRR0


((ダダッ))


クウガ「よし、三人とも行ってくれたか。」


ライノセラスビートルオルフェノク「馬鹿なヤツだ!俺たち二人を相手にたった一人で挑むとは…」


スタッグビートルオルフェノク「俺たちはスマートブレインのエリート社員!
ラッキークローバーと同等の力を持っているのだぞ!!」


二体のオルフェノクたちは武器を手にしてクウガに襲い掛かる。


((ウィィィィン!))


それと同時にエレベーターが再び動き出して屋上に上がろうとしていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


スタッグビートルオルフェノク「ほぅ、エレベーターが動き出したか。」


ライノセラスビートルオルフェノク「屋上に辿り着くまで3分程度、どうやらお前の命もそこまでのようだな。」


オルフェノクたちはクウガを3分以内に倒すと宣言する。
しかしクウガにとってこの状況は好都合であった、既にれんげたちはエレベーターから降りて誰の危険もない。
今なら全力で戦えると!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

425: 2014/06/22(日) 21:01:46.81 ID:3U1JwoRR0


クウガ「今なら金の力を使える!超変身!!」


((バチバチッ!))


クウガの身体に電流が流れ出しまずはライジングドラゴンへと超変身する!
そしてオルフェノクたちの武器を奪いライジングドラゴンロッドに形成させて必殺技を放つ!
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガ(ライジングドラゴン)「うおりゃっ!」


スタッグビートルオルフェノク「ぐふっ!?」


ライノセラスビートルオルフェノク「お前…よくも!」


まずはスタッグビートルオルフェノクにライジングスプラッシュドラゴンを叩き込む!


クウガ(ライジングペガサス)「ハッ!」


そして次にライジングペガサスに超変身、ライジングブラストペガサスを放った!
(ナレーション:鈴木英一郎)


ライノセラスビートルオルフェノク「クッ…このままでは…」


スタッグビートルオルフェノク「だがまだだ!まだやられはせんぞ!」

426: 2014/06/22(日) 21:05:23.20 ID:3U1JwoRR0


クウガ(ライジングペガサス)「まだやるのか!なら、超変身!!」


だが未だに立ちはだかろうとするオルフェノクたち、クウガはライジングタイタンフォームへと超変身する!
ライジングタイタンソードを片手にライノセラスビートルオルフェノクに対して、
ライジングカラミティタイタンによる刺突を喰らわせる!!


クウガ(ライジングタイタン)「オリャァァァ!!」


((ドシュッ!!))


ライノセラスビートルオルフェノク「グハァァァ!?」


スタッグビートルオルフェノク「おい!?この…よくも!」


クウガ(ライジングマイティ)「最後はこれだ!フンッ!」


そしてクウガはライジングマイティフォームへと超変身。
右足にある金色の足甲・マイティアンクレットに力を込めて必殺技のライジングマイティキックを放った!!
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガ「オラァァァァァ!!」


((バシィッ!!))


スタッグビートルオルフェノク「うぎゃぁぁぁぁ!?」


427: 2014/06/22(日) 21:07:57.32 ID:3U1JwoRR0


((ガシャンッ!))


そしてエレベーターは屋上に辿り着く、それと同時にクウガはビートゴウラムに乗り込みエレベーターから脱出。
破壊された扉を閉めてエレベーターを密室にした。
そしてエレベーター内部にいる二体のオルフェノクの体内にクウガの金の力による封印エネルギーが爆発を起こす!
本来なら周囲に大爆発を起こすはずなのだが皮肉にも囚人を逃がさないために頑丈に製造した、
この頑丈な特別エレベーターが爆発を内部で喰い止めたので周囲の被害は無かった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ドッガァァァァン!!))


クウガ「ホッ、さすがに頑丈だったね。エレベーターは壊れちゃったけど…
けどこれでもう地下の流星塾から王の生贄は差し出される事もないしよかったかな。」


完全に破壊されたエレベーターを見つめてそう呟くクウガ。
だが彼は肝心な事を忘れていた。既にここは屋上、王の玉座だという事を…
(ナレーション:鈴木英一郎)

428: 2014/06/22(日) 21:12:06.91 ID:3U1JwoRR0


??「「ハァァァァ…」」


クウガ「!?」


((バシッ!))


クウガ「うわぁぁぁぁぁぁ!?」


突然辺りに響き渡る唸り声、そしていきなり吹っ飛ばされるクウガ!
そこで彼が目にしたのは…
(ナレーション:鈴木英一郎)


アークオルフェノク「「うぉぉぉぉぉ!!」」


クウガ「こ、これが…オルフェノクの王…!?」


そう、クウガの目の前に現れたオルフェノクこそ…オルフェノクの王であるアークオルフェノクであった!
そしてアークオルフェノクは力を解放し、スマートブレイン本社ビルを一気に半壊させてしまう!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

435: 2014/06/26(木) 19:34:58.87 ID:rKNbc8mK0



((ドッガァァァァァン!!))



「「うわぁぁぁぁ!?」」


「「キャァァァァ!?」」


「「一体何なんだぁ!!」」


「「頼む!助けてくれ!!」」


本社ビルは幸いにも崩壊こそしなかったものの、
ビルの内部は今の衝撃で崩壊寸前までに破壊されてしまい…
内部にいた者たちでもオルフェノク化してなかった者の大半が負傷するほどであった。
その頃、蛍たちはというと…
(ナレーション:鈴木英一郎)

436: 2014/06/26(木) 19:37:04.55 ID:rKNbc8mK0



* * * * * * * * * * * * *



蛍「あれ…?私たちはどうなったんですか…?」

夏海「さっき天井が落ちてきたりでビックリしてそれで気絶して…でも何で無事なんだろ?」

卓「?」

夏海「あ、あぁ…」

蛍「夏海先輩、まるで鳩が豆鉄砲喰らったように驚いた顔してますけどどうしたんですか?」

夏海「ままままま…前!前見て!?」


蛍「前…あぁっ!?」


思わず声を上げる蛍。
子供たちの前にはクロコダイルオルフェノクが上から降り落ちる瓦礫から身を挺して守ってくれていた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

437: 2014/06/26(木) 19:37:39.28 ID:rKNbc8mK0


クロコダイルオルフェノク「…フンッ!」


蛍「な、何で!?」


夏海「そうだよ!おっちゃん敵になった筈じゃ!?」


クロコダイルオルフェノク「コドモニツミハナイ…ダカラマモッタ…」


それだけ呟くとクロコダイルオルフェノクは再びアギトとの戦いを始めていた。
アギト対ラッキークローバーの戦いは最悪な状況であった。
5対1など最早勝負になるはずがない…
(ナレーション:鈴木英一郎)

438: 2014/06/26(木) 19:38:32.13 ID:rKNbc8mK0


アギト「ぐはぁぁぁぁ!?」


555(北崎)「もうゲームーオーバーだね。」


カイザ(冴子)「残念だわ、あなたにはこちら側に来る資格があるのに…」


デルタ(??)「…」


センチピードオルフェノク「哲也さん…あなたとは知らない仲じゃない。
せめてもの情けです、私たちの手で葬ってあげますよ。」


クロコダイルオルフェノク「…」


夏海「うわわわ!?アギト大ピンチだよ!!どうすんの!?」


蛍「何か解決手段があればいいのですが…」


439: 2014/06/26(木) 19:39:30.03 ID:rKNbc8mK0


卓「」クイクイッ


夏海「どしたん兄ちゃん?え?あそこ見ろって…?あれは…!」


卓が指を差したのは気絶して倒れていたライオトルーパーの隊員であった。
どうやら先ほどのラッキークローバーへ報告を行った後に崩壊に巻き込まれてしまい変身が解けて気絶してしまったようだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「さっきの報告に来てた隊員の人たちですね。
それにさっき北崎さんに渡しそびれたファイズサウンダーですね、貰っておきましょう。」


夏海「それにしても…こいつら気絶してるんだ。そうだ!ウチにいい考えがある!!」


蛍「夏海先輩のいい考え…ですか?不安ですね…」


果たして夏海のいい考えとは一体…?
(ナレーション:鈴木英一郎)


440: 2014/06/26(木) 19:40:01.42 ID:rKNbc8mK0


アギト「うわぁぁぁぁぁぁ!?」


一方アギトはというとラッキークローバーたち5人を相手に苦戦を強いられていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギト「う…うぅ…このままじゃ…」


カイザ(冴子)「無駄よ、諦めなさい。」


555(北崎)「バイバイ、キミとの戦いはとても面白かったよ。今度キミが生まれ変わったら一対一で戦いたいな。」


そしてラッキークローバーたちはアギトに対して一斉に攻撃を仕掛けようとした…
まさにその時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


??「お…お待ちくださ~い!」


??「そうそう!待って!待って!」


??「…」


スマートブレインの三人の隊員たちがラッキークローバーの下へとやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

441: 2014/06/26(木) 19:42:06.56 ID:rKNbc8mK0


555(北崎)「今良いところなんだけど、何の用なの?くだらない用事なら頃しちゃうよ?」


??「あ、その…」


??「いや~、実はウチら本部から命令を受けてみなさんのベルトを持ってこいって言われたんすよ。
それなんでちょっとベルトこっちに渡してもらえますかね?」


??「さすが先輩!息をするかの如く嘘を吐きますね!」


「「ハァ!?」」


この土壇場でベルトを渡せ。思わず不満を露わにするラッキークローバーたちであるが…
本部からの命令とあればという事で渋々ながらベルトを渡す事にした。


北崎「まったく…せっかく楽しんでたのに…」


冴子「それで本部がベルトを何に使う気なの?」


??「さぁ~?ウチらに下っ端は何も言われてないので知りませんねえ。」


そしてベルトを回収した隊員たちは恐る恐るその場を去ろうとしたその時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

442: 2014/06/26(木) 19:44:03.76 ID:rKNbc8mK0


隊員(F)「そ…そいつは俺じゃない!偽物だ!?」


冴子「キャッ!何よあなた!?変態!?」


下着姿の男がいきなり冴子の前に現れた先ほどベルトを渡した隊員たちを偽物だと告げた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


??「うげっ!バレた!逃げろー!?」


冴子「待ちなさい!まさかあなたたちは…」


急に逃げだす隊員たち、すかさず冴子はその隊員たちの帽子を脱がしてみせる。
その素顔は…
(ナレーション:鈴木英一郎)


夏海「えへへ…バレちゃった…かな?」


蛍「いい手だと思ったのに…」


卓「」コクッ


なんと隊員に扮していたのは蛍たちであった!
ラッキークローバーからベルトを取り戻すまでは良かったが肝心なところで正体がバレてしまい今に至る事に…
(ナレーション:鈴木英一郎)

443: 2014/06/26(木) 19:45:11.93 ID:rKNbc8mK0


北崎「アハハハ、中々面白かったよ!」


冴子「まったく…お子さまたち。少しお痛が過ぎたわね…」


((ヴァァァァ))


冴子の手から光弾が浮かんできた、これで蛍たちを攻撃しようというのだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「キャー!もうダメです!」


((ブオオオン!))


冴子「な…何!?」


啓太郎「みんな!行って!」


蛍「啓太郎さん!?」


啓太郎はサイドバッシャーでラッキークローバーたちを相手に体当たりを仕掛けた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

444: 2014/06/26(木) 19:46:32.73 ID:rKNbc8mK0


啓太郎「そのベルトをたっくんに…555を復活させて!」


冴子「愚かね、今更555が現れたところで劇的な事は何も起こらない。そう、何もね…」


啓太郎「そんな事はない!555は…いや!
たっくんはどんな時にも諦めずに俺たちのために戦ってくれた!!
人間だとかオルフェノクだとかっていう問題じゃない!俺たちはたっくんだからこそ信じてられるんだ!!
もうたっくんをたった一人で戦わせるもんか!俺だって戦ってやるんだ!!」


センチピードオルフェノク「…」


クロコダイルオルフェノク「…」


冴子「まさに綺麗事ね…」


北崎「悪いけど、今の僕たちは手加減できないんだ。」


((オォォォォォ!))


ベルトを奪われた北崎たちは次々とオルフェノクへ変化する。
そしてドラゴンオルフェノク、ロブスターオルフェノク、タイガーオルフェノクの三体が出現。
三体のオルフェノクたちは啓太郎とサイドバッシャーに対して一斉に攻撃を仕掛けようとした!
(ナレーション:鈴木英一郎)

445: 2014/06/26(木) 19:50:28.61 ID:rKNbc8mK0


蛍「啓太郎さん危ない!?」


夏海「待った!空から何か来るよ!何だろあれ?」


((ゴォォォォォ!))


アギト「ハァッ!」


蛍、夏海「「ア…アギトだ!!」」


しかしそうはならなかった!
危機を察知したアギトはマシントルネイダーを呼び寄せてスライダーモードで体当たり技ドラゴン・ブレスを仕掛けて、
ラッキークローバーたちを翻弄させる!
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギト「早く行って!
ここは俺たちが抑える、だからキミたちはそのベルトを本当の持ち主に渡してあげるんだ!」


啓太郎「頼んだよ!今度こそたっくんとそれにキミたちの友達を助けてあげて!」


蛍「わかりました!」


夏海「ウチらに任せなって!」


卓「コクッ」


そしてオートバジンがバトルモードに変形して蛍たちを担いでそのまま巧たちがいると思われる上の階に飛んで行った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

446: 2014/06/26(木) 19:52:06.81 ID:rKNbc8mK0


タイガーオルフェノク「555を復活…?させない!」


だが、今まで沈黙を守ってきたタイガーオルフェノクが急にその感情を露わにして、
仲間たちの制止も聞かずに後を追いかけて行ってしまった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


ドラゴンオルフェノク「あ~ぁ、行っちゃった。新人は勝手だなぁ…」


センチピードオルフェノク「勝手って…北崎さんに言われたくは…ひぃぃっ!?
ごめんなさい!なんでもありません!!」


ロブスターオルフェノク「まあしょうがないわ。
元々あの子がラッキークローバーに入った理由は…乾巧を…」


啓太郎「そんな事より!これでそっちはベルトと仲間がいなくなったんだ!」


アギト「今度はこちらの番だ!」


確かにベルトは持ち去られ一人欠いたラッキークローバー、だが…


ドラゴンオルフェノク「そんな、調子に乗ってほしく…ないなぁ…!」


アギト、啓太郎「「おわぁぁぁぁぁ!?」」


ドラゴンオルフェノクの攻撃で吹っ飛ばされる二人!
やはりラッキークローバーは強敵である事に変わりは無かった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

447: 2014/06/26(木) 19:53:48.42 ID:rKNbc8mK0
とりあえずここまで

これでようやくベルトを取り戻せたん、けどまだまだ先は長いんな…

そして今日はバトライドウォーⅡの発売日なん!

けど作者はまだ買ってないのん…

450: 2014/06/27(金) 17:06:15.24 ID:KXd4oqJ40


((ブオオオン!))


ギルス「ハッ!」


G3-X「このっ!」


ギルスとG3-X、二人もまた激しいバイクチェイスを展開させながら、
戦場を抜け出してこのスマートブレインの本社ビルへとやってきていた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


G3-X「いつの間にかスマートブレイン社の前まで来てしまった…こうなったら連中の本拠地に突っ込んでやる!」


ギルス「行かせるか!」


G3-Xの行く手を阻もうとするギルス、するとそこへ爆撃が!
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ドッガァァァァァァン!!))


「「うわぁぁぁぁぁぁ!?」」


突然の爆発に吹っ飛ばされるG3-Xとギルス。
二人が飛ばされた先はなんとアギトとラッキークローバーたちの戦いの場であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

451: 2014/06/27(金) 17:08:10.79 ID:KXd4oqJ40


啓太郎「な、だ…誰ですか!?」


アギト「氷川さん!それに葦原さんまで!?」


ギルス、G3-X「「津上(さん)!!」」


戦場にてかつての戦友たちといきなりの再会に驚く三人の戦士たち。
だがそんな暇は無い、先ほど二人に攻撃を仕掛けた者が爆炎の中から姿を現した。
その正体は…
(ナレーション:鈴木英一郎)


G4「…」


G3-X「G4システム…上はこんなモノを持ち出したのか!?」


ギルス「さっきはよくもやってくれたな…おい!こいつは俺が倒す!
お前らラッキークローバーたちは手を出すな!!」


果敢にもたった一人でG4に立ち向かうギルス、だが…


G4「フンッ!」


ギルス「グフッ!ガハッ…!?」


アギト「そんな!あの葦原さんが手も足も出ないだなんて…!?」


ロブスターオルフェノク「これは一体どういう事なの…?」


452: 2014/06/27(金) 17:09:10.81 ID:KXd4oqJ40
G3-X「まさかあの封印された兵器が使われるなんて…装着者の人!すぐに離脱してください!?」


G4「…」


氷川はすぐにG4を脱ぎ捨てるように呼びかけるがG4の装着者はそんな氷川を無視して再度ギルスに攻撃を仕掛ける。
しかしギルスも負けたままではいられなかった。
再び立ち上がると怒りに満ちた雄叫びを上げながらエクシード化した!
(ナレーション:鈴木英一郎)


エクシードギルス「「ガァァァァァッ!!」」


そしてギルススティンガーがG4の首を狙って放たれた!


((ガシャーーーン!!))


G4は間一髪避ける事には成功したもののギルススティンガーの威力は凄まじく、
頭部パーツのバイザーを霞めてしまいそこから素顔が垣間見えてしまう。
だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


「「なにぃっ!?」」


G4の装着者の素顔を見たその場にいた者たちは思わず驚きを隠せなかった。
何故ならその者は人間の顔をしていなかったからだ…
(ナレーション:鈴木英一郎)

453: 2014/06/27(金) 17:11:26.06 ID:KXd4oqJ40


~警視庁跡地~


その頃、G3-Xとの通信が復活して小沢もG3-Xのカメラ越しからG4装着者の素顔を見て驚愕していた。


小沢「な…なんなのこれは…!?」


南「G4システムが禁断の兵器と呼ばれる理由は、
AIが戦闘に最適な動作の為に装着者の限界を無視した、
挙動・稼働を強要する事となり、限界を突破した挙句に装着者が負荷に耐えられず氏に至る事になる。
しかもたとえ装着者が氏亡した場合でもAI制御が自動的にシステムを動かそうとする禁断の兵器。
そんなシステムを人間に扱わせるような非人道的な行いは私には出来ません。
ですが…」


小沢「オルフェノクなら別って事ね…」


南「その通り、彼らは既に人間ではない!
よって!このG4システムを装着したオルフェノクが同類のオルフェノクを倒す!
我々人類が犠牲失くして勝つにはこれしかないのですよ!!」


小沢「狂ってる…あなた狂ってるわ!?」


唯一人、作戦司令室で南長官の行いを非人道的だと罵る小沢。
司令室のモニターに大きく映っていたのはG4の装着者の素顔…
その素顔は人間のモノではない、それはオルフェノクの顔。
南長官はTV版と同じくかつて捕獲したクラブオルフェノクをG4装着者として操り、
彼の意志とは関係なく同胞であるオルフェノクたちを殺害させていたのだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

458: 2014/06/29(日) 23:49:47.03 ID:0TReRtx70


~スマートブレイン本社上階~


れんげ「道に迷ってしまったん。」

小鞠「ここ…どこなんだろ?」

巧「さあな、わかんねーよ。」


クウガと別れたれんげ、小鞠、巧の三人はスマートブレイン社の中を彷徨っていた。
先ほどの衝撃で建物は半壊してしまい、下までの通路は満足に行き来する事が出来ず途方に暮れていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

巧「まったくよぉ、どうせ氏ぬなら王のヤツと刺し違えてと思ったんだが…」

小鞠「ダメだよ!真理さんが待ってるんだから!?それに…」

巧「それに…何だよ?」

小鞠「あ、うぅん…なんでもないよ!」

巧「?」

何か言い掛けようとする小鞠に疑問を抱く巧。その時、反対側から武装した数人の男たちが現れた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

459: 2014/06/29(日) 23:50:58.20 ID:0TReRtx70



「「止まれ!!」」



れんげ「待ち伏せなのん!?」

巧「よせ!こっちは子連れだ!抵抗したくてもできねーよ!」

小鞠「子連れって…子ども扱いしないでよ!」

??「キミは…もしかして乾巧か?」

巧「アンタは?」

一条「俺は一条、警察の者だ。」

杉田「それと杉田だ。」

桜井「桜井です。」

なんと武装した男たちの正体は既にスマートブレイン社内部に潜入した一条たちであった。
一条たちと合流した三人はそのまま共に行動する事となった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

小鞠「じゃあ夏海や蛍たちがここに来ているんですか?」

一条「あぁ、キミたちを助けると言ってたからな。もしかしたらこの建物内部にいるかもしれん。」

杉田「すまないな、こちらもオルフェノクとの戦いを優先してしまってキミたちの事を疎かにしてしまって…」

れんげ「平気なん!だってこうして助けに来てきてくれたのん!」

桜井「ハハ、ありがとう。」

460: 2014/06/29(日) 23:52:08.99 ID:0TReRtx70
巧「…」

一条「乾くん、さっきから黙ったままだがどうかしたのか?」

巧「いや、アンタたちは人間で俺の正体を知っているのにあまり気味悪がったりしないのが妙に不思議に思えたんでな…」

一条「何だ、そんな事を気にしていたのか。
実は…我々にもキミと同じく人間でありながら化け物と同じ力を手にして人のために戦った男を知っているからさ。」

杉田「その彼の名は五代雄介、またの名をクウガ。」

桜井「そんな彼と同じキミを気味悪がる事なんて出来ないよ!」

巧「クウガ…?五代だと!」

れんげ「クウガならもう来てるのん!」

小鞠「上の階に行ってるはずだよ!たぶん…王のところに行ったと思うけど…」

一条「なんだって!?そうか…五代が…」

杉田「よし!すぐに彼の下へ行こう!」

一条「待ってください!我々が今すべき事は五代と合流する事じゃない!」

桜井「そうですね、我々は…」

巧「おい…何言ってやがる!仲間なんだろ?助けに行ってやれよ!」

かつての仲間なら助けに行ってやれと叫ぶ巧。だが一条たちはここへは別の目的でやってきていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

461: 2014/06/29(日) 23:54:05.13 ID:0TReRtx70

一条「俺たちがここへ来た目的は王の背後にいる黒幕たちを倒すためにあるんだ!」

巧「黒幕って…あの爺さんたちか?」

桜井「そうです、あの時オーガを倒した直後のキミの前に現れたスマートブレインの黒幕たち!」

杉田「ヤツらがスマートブレインを裏で操っていると睨んだ俺たちはこうして社内に潜入してヤツらの居所を探っていたんだ!
そして調べた結果、ヤツらはこの階に居る事がわかったんだ。」

巧「そうか…あいつらがここに…ならあいつらを倒すのは俺がやる!
アンタらは五代のところに行ってやれ、あいつだけで王を倒すのはきついぜ?」

一条「キミは…優しいな。」

巧「ハァ?優しい?俺が?」

一条「会ったばかりの五代の事を心配するとは、かつて五代と一緒に戦った者として礼をする。
だが、今はあいつを助けに行く事は出来ない。
あいつにはあいつの、俺たちには俺たちのやらなきゃいけない事をしなきゃならない!」

巧「やらなきゃいけない事…?」

れんげ「なんかカッコいいのん!」

小鞠「うん!カッコいい大人の人ってこういう感じだよね!」

一条「それに俺はあいつを信頼している、五代は簡単にくたばったりするような男じゃない!
だから…」


「「…」」


五代を心配する一条、しかしその場にいる誰もがわかっていた。
本当は彼こそが真っ先に五代の下へ駆けつけたいと…
だがその時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

467: 2014/07/02(水) 00:38:59.87 ID:3nIVYoaj0



(( ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ))



奥の部屋の隠し扉が急に開かれたのだ。
警戒しながら中に入るとそこにはスマートレディと三人の老人の姿があった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


スマートレディ「ようこそみなさん!いらっしゃ~い♪」


巧「お前!?」


一条「それにお前たちは黒幕の…!」


杉田「遂に探し出したぞスマートブレインの黒幕どもめ!ようやく正体を見せたな!」

加藤「探し出しただと?何を勘違いしておる?」

飯塚「お前たちは我々の手によりわざと誘き寄せられたにすぎん!」

納谷「その通り、もはや我々の計画は既に達成されたも同然なのだ!」

れんげ「計画…?一体どういう事なのん!?」

468: 2014/07/02(水) 00:40:41.92 ID:3nIVYoaj0
加藤「そもそもオルフェノクとは何者なのか?
それは我らがこの世界の人間どもにある因子を植え付け、それが見事に覚醒した者たちの事なのだ!」


飯塚「やがて連中は仲間を増やし、今では人類よりも数が増えた!」


納谷「そしてヤツらを束ねるためのオルフェノクの王!
すべては我らがこの世界の人間どもを苗床にしてオルフェノクの怪人軍団を作り上げる壮大な計画であったのだ!!
【三本のベルト】、【スマートブレイン】、これらもその壮大な計画を支えるための要素でしかない。」


巧「なんだと!?」


遂に明かされた黒幕たちの目的!
それはこの世界に生きる人間たちをオルフェノクに変えて強大な怪人軍団を作り上げようという計画であった!!
しかしれんげは黒幕たちが告げたこの計画にひとつだけ疑問を感じだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


れんげ「なんか…おかしいのん?」


飯塚「おかしい?何がだ?」


れんげ「さっきから黒幕のお爺ちゃんたちはまるで自分たちはオルフェノクじゃないみたいな言い方なん!
これはどういう事なのん!?」


小鞠「そ、そういえば…」


一条「そうだ!オルフェノクでないならお前たちは一体何者なんだ!?」


加藤「我らの正体か、よかろう!今こそ明かしてやろうではないか!」


納谷「だが後悔するな、我らの正体を知ればお前たちを…」


「「絶対に生かして帰さんぞ!!」」


((バッ!!))


そして三人の老人たちはその仮初の姿を脱ぎ捨てれんげたちの前で本性を露わにする!
その正体は…!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

469: 2014/07/02(水) 00:43:14.03 ID:3nIVYoaj0


((シュゥゥゥゥゥ!))


「「フハハハハハハ!!」」


れんげ「そんな…お前たちは…!?」


小鞠「嘘…何でアンタたちがこんなところにいるの!?」


巧「お前ら…あいつらの事知ってるのか?」


一条「何なんだこいつらは…!」


ダロム「我らはこの世界とは異なる世界よりやってきた者たち!」


れんげ「暗黒結社ゴルゴムの大神官ダロムなのん!」


ジャーク「我らは本来異なる組織であるが『ある者たち』に対抗するために同盟を組みこの世界でオルフェノクを生み出す計画を立てた!」


小鞠「クライシス帝国のジャーク将軍!?」


ショッカー首領「そしてこの世界に進化の種を撒き、オルフェノクという強力な怪人軍団を生み出したのだ!!」


れんげ、小鞠「「ショッカー首領!?」」


一条「化け物どもめ!お前たちがこの世界を狂わせたのか!?」


なんとこのスマートブレインの真の黒幕とは…
かつて仮面ライダーたちと戦った悪の組織の幹部たちであった!
彼らはこの世界の人類を利用してオルフェノクを作り出し混沌に貶めようとしていたのだ!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

471: 2014/07/02(水) 00:49:44.52 ID:3nIVYoaj0


ダロム「スマートレディ、例の光景をこの世界の全ての者たちに見せてやるのだ!」


スマートレディ「ハ~イ♪」


そしてダロムはスマートレディに命じてこのビルで行われている二つの戦いの状況をモニターに映した。
そこに映っていた光景は…
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガ『くぅぅっ!?』


アークオルフェノク『ハァァァァ!』


アギト、G3-X、ギルス『『うわぁぁぁぁぁ!?』』


ドラゴンオルフェノク『アハハ!』


G4『…』


クウガ、アギト、G3-X、それに今は敵になってしまったギルスと若き仮面ライダーたちが苦しめられている光景が映っていた。
単身、オルフェノクの王に戦いを挑み苦戦を強いられるクウガ。
4人のラッキークローバーを相手に不利な戦いにあるギト。
それに強力な力を持ったG4に捕まり一方的にやられるギルス、その光景をただ愕然と見つめるG3-X。
そしてこの戦いの光景がスマートブレインだけでなく生き残っている人類、それにオルフェノクの双方に伝わった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

472: 2014/07/02(水) 00:52:40.16 ID:3nIVYoaj0


クウガ『ハァ…ハァ…黒の金の力まで使っているのに…手も足も出ないだなんて…』


一条「五代!?」


杉田「なんという事だ…クウガが…」


アギト『やっぱり…強いなこの人たち…』


れんげ「クウガにそっくりな金色のライダーが苦戦しているのん!」


ギルス『クッ…人間たちめ!まさかオルフェノク同士で頃し合わせるなんて許さんぞ!』


小鞠「それに葦原さんも大ピンチだよ!?」


G3-X『そんな…上層部がこんな事をするなんて…僕は一体どうすれば…』


桜井「G3-Xは呆然としている…装着者は何をしているんだ!?」


巧「お前ら!こんなモン見せてどうする気だ!?」


ショッカー首領「知れた事!この世界の人間どもから全ての希望を奪い去ってやるのだ!!」


473: 2014/07/02(水) 00:53:08.88 ID:3nIVYoaj0


巧「ふざけやがって!」


((オォォォォ!))


ウルフオルフェノク「「ウォォォォォ!!」」


れんげ「巧がウルフオルフェノクに変化してジャーク将軍たちに立ち向かったのん!」


小鞠「頑張れ巧さん!」


そう、事の真相を知った巧はウルフオルフェノクに変化して三大幹部を倒そうとする!
だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

481: 2014/07/03(木) 02:18:08.77 ID:n3gCjTB00



((バリッバリッバリッ!!!))



ウルフオルフェノク「うわぁぁぁぁぁ!?」


れんげ「あぁっ!巧がやられてしまったん!?」


小鞠「そんな…」


スマートレディ「あらあら♪ヤンチャねぇ。」


ダロム「愚かな、お前如きが我らに歯向かったところで無駄なのだ!」


ジャーク「それにお前はアークオルフェノクにその命を搾り取られてしまい最早搾りカスも同然!」


ショッカー首領「諦めよ、お前の敗北は最初から決まっていたのだよ。」


ウルフオルフェノク「クソッ!全部お前らの計画通りだってのかよ!?」


スマートレディ「けど、あなたの所為で計画が大きく変更してしまったのは事実なのよ。」


ウルフオルフェノク「あ゛ぁ?」

482: 2014/07/03(木) 02:19:54.61 ID:n3gCjTB00


ダロム「本来ならばこの世界に生まれるはずのなかった仮面ライダーの存在。
計画当初から仮面ライダーの誕生を恐れた我らは三本のベルトに人間には変身できない
細工を仕掛けておいた……はずだった!」


ジャーク「しかし、誤算が生じてしまった…
まさかオルフェノクの中から裏切り者が出るとは思ってもみなかった。
まずは花形、我らがこの世界で組織したスマートブレインの社長であり、
そして人間どもの中で最初にオルフェノクとして覚醒した先兵でありながら我らを裏切り流星塾の子供らにベルトを授けおった憎き裏切り者!
それにあの失敗したかに思えた流星塾生のオルフェノク化の実験でベルトの力を使えるようになった草加雅人たち!
こやつらの所為で我らの計画に狂いが生じてしまい、
本来なら何の問題もなくこの世界の人間どもをオルフェノクにするはずがこうして人間どもの反乱を招いておるのだからな!」


ショッカー首領「そして最後にお前だ、乾巧!
お前はオルフェノクでありながら新たな仮面ライダーとなりオルフェノクの手から人間どもを守る救世主となってしまった。
これが我らにとっての一番の誤算、本来人間に味方をするオルフェノクなどいるはずがない。
だが一部のオルフェノクどもが正義と称して人間どもに味方をしおった…
最早許すべき事ではない!」


「「「よって、我らの手で今この場において裏切り者である乾巧の処刑を開始する!!」」」


れんげ「そんな…酷いのん!?」


小鞠「巧さん!」


483: 2014/07/03(木) 02:21:08.81 ID:n3gCjTB00



((キィィィィィン!!))



ショッカー首領の目から放たれる眼光!
その威力は凄まじくウルフオルフェノクの変化が解かれ巧は人間の姿に戻ってしまうほどであった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


巧「クソッ!?もう力が…入らない…」


れんげ、小鞠「「巧ーーー!?」」


ショッカー首領「終わりだ!氏ね!!」


ショッカー首領の眼光がさらに光を増大させた!巧に止めを刺そうというのだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

484: 2014/07/03(木) 02:32:01.97 ID:n3gCjTB00


「「そうはさせん!!」」


((ドガッ!))


一人の男がショッカー首領目掛けて強烈なキックを放つ!
そのキックを受けてしまいショッカー首領の眼光は途中で遮られてしまった…
(ナレーション:鈴木英一郎)


ショッカー首領「おのれ…何者だ?」


一条「あ、あなたは…警視総監!?」


警視総監「よう、一条くん。それにみんな無事だったか!」


小鞠「顔の濃いおじさんが助けに来てくれたよ!」


れんげ「おかげで巧も助かったのん!」


485: 2014/07/03(木) 02:33:50.25 ID:n3gCjTB00


巧「うぅ…」


桜井「けどさっきの攻撃でかなり消耗してますね、このままじゃ危険ですよ!」


警視総監「よし、この場は俺に任せてキミたちは脱出しろ!」


杉田「しかし…総監お一人では…!」


警視総監「フフフ、安心しろ!ヤツらを倒すのは俺の役目だ!!」


ジャーク「何を世迷言を!?」


ダロム「人間め…返り討ちにしてくれる!」


たった一人でこの悪の幹部たちの相手をするという警視総監。
その警視総監の言葉を聞き苛立つ大神官ダロムとジャーク将軍、
しかしショッカー首領は警視総監の名をまるで忌まわしい宿敵かのようにこう叫んだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

486: 2014/07/03(木) 02:35:28.16 ID:n3gCjTB00


ショッカー首領「おのれ本郷猛!貴様もこの世界にやってきていたのか!?」


本郷「そうだ!お前たちのような悪が異世界にも蔓延るのなら我らもまたお前たちを倒すために現れるのだ!!」


小鞠「本郷…猛…?その名前って…!?」



本郷「そうだ!俺は…ライダーァァァァ変身!!トォッ!!」



(カァァァァァ!!)



警視総監の腹部から変身ベルトタイフーンが現れ、彼は異形の戦士へと変身を遂げた。


れんげ「仮面ライダー1号の名前なのん!!」


巧「仮面ライダー…1号だと?」


そう!彼こそ最初の仮面ライダーである男、仮面ライダー1号こと本郷猛!!
この世界にやってきて長年警視総監としてスマートブレインの裏で暗躍している悪の幹部たちを追っていたのである!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

488: 2014/07/03(木) 02:40:17.75 ID:n3gCjTB00


一条「まさか警視総監が五代のような戦士だったとは…」


れんげ「あの1号ライダーが現れるとは思わなかったのん!」


小鞠「わ、私…越谷小鞠っていいます!まさかお目に掛かれるなんて光栄です…」


1号「れんげちゃんに小鞠ちゃんだね。キミたちの事は蛍ちゃんたちから聞いている。
既に蛍ちゃんたちがキミたちを助けに他のライダーと一緒にこのビルにやってきている。
それにキミたちの事はあいつも心配してたからね!」


れんげ、小鞠「「あいつ?」」


ショッカー首領「本郷猛よ!今更お前が現れたところで何が出来る?
既にこの世界は破滅の未来へと進んでおるのだぞ!」


ダロム「それにお前一人で何が出来る?この事態をどう対処するというのだ?」


ジャーク「その通りだ!我ら三人を相手にタダで済むと思うでないぞ!」


一号「俺一人だと…?フフフ、どうやらお前たちはとんだ勘違いをしているようだな!」


「「なんだと!?」」


((ガ…ガガガ…ザ…ザザー…))


その時、先ほどまで全ての戦いの中継を映していたモニターが映らなくなってしまった。
これはどういう事なのかと思ったまさにその時であった!
(ナレーション:正宗一成)

489: 2014/07/03(木) 02:46:05.13 ID:n3gCjTB00


「「トゥァッ!!」」


一人の男が突然この場にやってきたのだ!
その男はれんげと小鞠がよく知るあの男であった!!
(ナレーション:正宗一成)


光太郎「やぁ、れんげちゃん!小鞠ちゃん!」


れんげ、小鞠「「こ、光太郎!?」」


本郷「光太郎、やってくれたか!」


光太郎「本郷さん、指示通りにこのスマートブレイン社の中継機器は破壊しました。
これでもう映像は流れないはずです!」


ダロム「おのれ南光太郎!まさか貴様まで来ていたとは…!?」


ジャーク「なんという事だ!
そもそもこの計画は貴様ら仮面ライダーに対抗するためにオルフェノクの製造を行っていたのにそれがバレるとは…」


光太郎「大神官ダロム!ジャーク将軍!お前たちが何処で何を企もうと俺は地の果てまで追ってくるぞ!!
そしてこの世界をこの様な破滅に導こうとは…許さん!!変……身!!」



((シュゥゥゥゥゥ!))



BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


れんげ「仮面ライダーBLACKなん!」


小鞠「やったー!これでもう平気だね!」


BLACK「ここは俺たちが引き受ける!」


1号「キミたちは今の内に逃げるんだ!」


一条「わかりました!」


490: 2014/07/03(木) 02:46:50.74 ID:n3gCjTB00
※とりあえず正宗さんのナレーションはここまで

またBLACKの活躍シーンになるとちょいちょい出るん

491: 2014/07/03(木) 02:47:49.86 ID:n3gCjTB00


そして1号とBLACKが残り、れんげたちは急いでその場を後にする。
その途中で…


巧「一条さん!アンタはクウガのとこへ行け!」


一条「し、しかし…」


小鞠「行ってほしいの!いくらライダーでも一人じゃ…」


れんげ「お願いなのん!クウガを助けてほしいん!
それとクウガに伝えてほしい事があるん、………って。お願いなのん!」


一条「わかった!杉田さん、桜井さん、みんなをよろしく!」


杉田「オゥッ!」


桜井「任せて!」


そして一条はれんげたちと別れて屋上へ。
れんげたちはというと一室だけ空いている巨大な扉のある部屋へと入った、そこには…
(ナレーション:鈴木英一郎)

499: 2014/07/03(木) 19:00:00.57 ID:n3gCjTB00


~???~


杉田「何だここは…巨大な部屋だな?」


れんげ「ここ映画で見覚えあるのん!」


小鞠「確か海堂さんと結花さんが氏んじゃった場所だよ!」


巧「海堂たちが氏んだ場所だと!?」


そう、この場所は映画でスマートブレイン社に潜入した木場たちがエラスモテリウムオルフェノクと戦い、
その戦いで海堂と結花が氏んだ巨大ホールであった。
そして巨大ホールの正面から一人の女が出てきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

500: 2014/07/03(木) 19:01:30.29 ID:n3gCjTB00


スマートレディ「ハイハ~イ、みなさんようこそ♪」


れんげ「スマートレディなん!先回りしてたんな!」


巧「クソッ!まんまと罠に掛かっちまったようだな…」


杉田「だがお前一人しかいないじゃないか!」


桜井「悪いが今は容赦する気は無いぞ!」


杉田と桜井は銃口をスマートレディに向ける。
だがスマートレディーはまるでそれが些細な事であるかのように話を続けた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


スマートレディ「ごめんなさい、お姉さんは戦闘とか好きじゃないの。
そ・の・代・わ・り・この子が相手をしてくれるわぁ♪」


((ガコンッ!)) 


((ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ))


そして奥の扉が開き厳重管理されていた巨大な怪人が姿を現した。
その正体は…?
(ナレーション:鈴木英一郎)

501: 2014/07/03(木) 19:03:31.10 ID:n3gCjTB00


「「ア゛ァァァァァ!!」」


巧「で…デケェ…何だこいつは!?」


れんげ「けどこの姿…ウチどっかで見覚えがある気がするん!」


小鞠「そういえば、私も何か見たような気が…」


スマートレディ「あら?あなたたちこの子の事知っているの?
この子はねぇ、不憫な事に出番をもらえなかった可哀想な子なの。うえ~ん、うえ~ん。」


巧「つまんねえ嘘泣きはやめろ!それにしても一体何の話だよ!?」


れんげ「活躍出来なかった…可哀想な子…?ま…まさか…!?」


小鞠「もしかして…同時上映の爆竜戦隊アバレンジャーの映画に出ていたあの…!」


スマートレディの言葉で何かを思い出したかのようなれんげと小鞠。
そしてスマートレディはこう呟いた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

503: 2014/07/03(木) 19:04:55.79 ID:n3gCjTB00


スマートレディ「邪命体エヴォリアンとか言ったかしら。
そこの幹部さんから『是非ともうちのギガノイドを使ってくれ!』って言われてたんだけど…
うちも持て余していたんだけど、まさかこんなとこで出番があるなんてお姉さんも驚きの意外です!
え~とこのギガノイドさんのお名前は…幻のギガノイド『うっかり者』さんで~す☆」


うっかり者「「ア゛ァァァァァ!!」」


れんげ、小鞠「「本当に555に出しちゃったのん!!??」」


なんとその場に現れたのは爆竜戦隊アバレンジャーの敵である邪命体エヴォリアン。
その幹部である無限の使徒ヴォッファが生み出した究極の巨大邪命体・ギガノイド、幻のギガノイド『うっかり者』であった!
映画『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』のラストのシーンで、
『555に出してやる~!』と言っていたヴォッファの言葉がまさかこのような形で実現しようとは誰も予想できなかったであろう。
(ナレーション:鈴木英一郎)


れんげ「そんなの予想できるわけないのん!」


小鞠「れんげは一体誰と話してるの?」


スマートレディ「悪の組織は裏で色んなとこで繋がってるのよ♪」

504: 2014/07/03(木) 19:06:12.80 ID:n3gCjTB00


巧「チクショウ…こっちはもう戦う力なんか残っちゃいないんだぞ!どうすりゃ…」


杉田「ここは逃げるしかない!元来た道に戻るんだ!」


桜井「待ってください杉田さん!俺たちが入ってきた扉にオルフェノクが!?」


巧「あいつは…」


スマートレディ「あの子ったら持ち場を離れちゃったのね、いけない子だわ☆」


タイガーオルフェノク「グゥゥ…!」


そこに現れたのは先ほどラッキークローバーたちの下を離れて蛍たちを追っていたタイガーオルフェノクであった。
どうやら先回りして巧たちのところへ辿り着けたようだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

505: 2014/07/03(木) 19:08:36.62 ID:n3gCjTB00


杉田「なんてこった!敵が二体もだと!?まさに前門の虎、後門の狼だな!」


巧「狼は俺で…逆に追われてる身だけどな!」


桜井「クッ!オルフェノクの方がこっちに向かって襲い掛かってきますよ!」


タイガーオルフェノク「「ガァァァァッ!!」」


そしてタイガーオルフェノクは雄叫びを上げながら正面に向かって突進を仕掛けてきた!


巧「や…やられる!?」


なんとか子供たちだけでも守ろうと傷ついたその身を挺して守ろうとする巧。
だが…


((ガシィッ!!))


タイガーオルフェノク「「グゥゥゥ!!」」


うっかり者「ア゛ァァァァァ!!」


桜井「あれ?オルフェノクとあのエヴォリアンとかいう化け物が戦ってるぞ!
あいつら仲間同士で何をやっているんだ?」


小鞠「これって…もしかして!」


506: 2014/07/03(木) 19:10:06.09 ID:n3gCjTB00


スマートレディ「ちょっと!どういうつもりなの!?」


タイガーオルフェノク「聞きたいのはこっちの方だ!何故乾巧を殺そうとする!?
あいつを助けるために私はお前たちの命令を聞いていたんだぞ!!」


巧「なんだと…?どういう事だ!?」


スマートレディ「しょうがないでしょ!乾巧はスマートブレインに敵対する悪い子なんだから!
あなたもこれ以上反逆するならお姉さんは容赦しません!!
うっかり者さん、やっちゃってください☆☆☆」


うっかり者「ウ゛ゥゥゥゥゥ!!」


タイガーオルフェノク「何!?」


うっかり者はさすがにエヴォリアンが丹精込めて作ったギガノイドだけあってその力は強大であった。
タイガーオルフェノクは持てる力を振り絞り立ち向かうが…


うっかり者「「グガァァァァ!!」」


タイガーオルフェノク「ぐわぁぁぁぁぁ!?」


相手にもならずに吹っ飛ばされてしまった!
うっかり者の力は強大であり、まさに究極のギガノイドの名に相応しいモノであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

507: 2014/07/03(木) 19:11:10.95 ID:n3gCjTB00


小鞠「キャァァァァ!?建物が壊れちゃうよ!!」


杉田「大丈夫だ!なんとかだが崩壊せずにはすんだようだ…」


スマートレディ「もう!今の攻撃でこの特別製のホールがボロボロじゃないの!
これ修理するのと~ってもお金掛かるんですからね!お姉さんプンプンです!!」


タイガーオルフェノク「う…うぅ…」


なんとか無事なタイガーオルフェノク、しかしその身体は傷つきボロボロとなり立っているのがやっとの状態であった。


巧「あ、あいつ…何で俺を助けようとしたんだ?俺はあいつの事なんか全然知らないんだぞ!?」


小鞠「そんな事ないよ!あの人は…あなたの知ってる大事な人なんだよ!!」


巧「なんだって!?」


小鞠「だって…あの人は…あの人は…!」


れんげ「ハッ!こまちゃんに巧!タイガーオルフェノクが…」


ここまでなんとか立ち上がっていたタイガーオルフェノク。
だがそれも限界だったようで立ち尽くしたまま、その変化が解けようとしていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

509: 2014/07/03(木) 19:17:58.24 ID:n3gCjTB00



((シュゥゥゥゥ))



そして変化が解かれたタイガーオルフェノク。
その正体は凶悪なオルフェノクの姿とは裏腹に人間態は一人の少女であった。
それも…まるで美しい薔薇のような赤いドレスにその赤いドレスに似合う赤い靴。
その少女の姿を見て巧はかつて救えなかった一人の少女の事を思い出す。
(ナレーション:鈴木英一郎)


巧「嘘だ…何で…何であいつが……オルフェノクになってここにいるんだよ!?」


小鞠「そうだよ、あの人は………ミナさんだよ!ミナさんがタイガーオルフェノクだったんだよ!!」


【ミナ】


小鞠が今までずっと巧に言えずにいたタイガーオルフェノクの正体…
そのタイガーオルフェノクの正体は、
このパラダイス・ロストの世界で巧が一時的に記憶喪失になり『隆』として生きていた頃に、
一緒に生活をしていた心優しき少女であるミナだった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

510: 2014/07/03(木) 19:24:45.23 ID:n3gCjTB00
とりあえずここまでなん

こまちゃんがタイガーオルフェノクの正体を知っていたのはこのssを最初から読んでもらうといくつか伏線があったん

オルフェノクは氏んだ人間が覚醒、映画を観たこまちゃんが>>175でタイガーオルフェノクの正体に驚いたとかちょこっと含めてあったのん


うっかり者については…アバレン本編でも出番無かったから可哀想だからウチのssで出してあげたん

まさかこんなssで出番があるとはエヴォリアンも驚きなのん!

517: 2014/07/04(金) 01:19:38.08 ID:CHbY22Rc0


そして傷つき倒れるミナ、巧はすぐに駆け寄り抱き上げた。


巧「おいミナ!しっかりしろミナ!?」


ミナ「た、隆…ようやく会えたな…
ハハ、本当はもっと早く会いたかったのに…
恥ずかしかったんだ…どうやってお前に会えばいいのかわからなくて…
あ、これ…お前が作ってくれた靴に…舞踏会の時に着ようとしてた服なんだ…
やっぱアタシには…こういう女らしいドレスは似合わないかな…?」


小鞠「大怪我してるんだよ!無理に喋っちゃダメだよ!?」


ミナ「…………ゴメン…お前の事…守ってやれなくて…」


巧「守るだと…お前…何を言って…?」


突然現れたタイガーオルフェノクの正体がミナであった事に驚きを隠せない巧。
そんな巧にスマートレディがミナのこれまでの経緯について説明した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

518: 2014/07/04(金) 01:24:07.15 ID:CHbY22Rc0


スマートレディ「あらあら、片思いの彼氏は何も知らなかったなんて可哀想なミナちゃん♪
そんな可哀想なミナちゃんに代わってお姉さんネタバレしちゃいま~す☆
実は…あの夜、ミナちゃんが人間として亡くなった日の事です。
お姉さんはこの監視用の蝶を使ってあなた方の行動を全部目撃していました~♪
そしたら、あら大変!水原くんに撃たれたミナちゃんんは実はオリジナルのオルフェノクへ覚醒していたんです!!
お姉さんはビックリしたものだからすぐに回収班に頼んでミナさんを回収しました、ついでに覚醒した水原くんと一緒にね…」


巧「じゃあ…あの日…ミナはオルフェノクになったのか!だが何故だ!何故お前らの仲間に…!?」


スマートレディ「そ・れ・は・あなたのためよ、乾巧♪」


巧「お、俺のため…?」


スマートレディ「あなた、自分がどうしてすぐに処刑されずに今日まで生かされていたか疑問に思った事は無いの?」


巧「そういえば…俺を殺そうと思えばいつでも出来たはずじゃ…?」


スマートレディ「それはね、この子の涙ぐましい努力の結果なの。女冥利よねぇ♪」


小鞠「ミナさん…」


519: 2014/07/04(金) 01:25:39.78 ID:CHbY22Rc0


ミナ「あたし…あいつらと…約束したんだよ…
水原に殺された後…目が覚めたらいきなりお前はオルフェノクだから仲間になれって言われるし…
おまけにお前は反逆者で捕まってるわでわけわかんなくてさ…
それで…隆を助けるためにスマートブレインの連中にお願いしたんだよ…
そしたら冴子さんって人が上の連中に取り入ってくれてさ…
『ラッキークローバーに入れば乾巧の命だけは助けてやる』って…
だから今日までラッキークローバーの一員としてやってきたんだけど…こんな事になるなんて…
ゴメン…隆…本当にゴメンな…」


れんげ「でもスマートブレインはその約束を破ったのん!」


小鞠「ミナさんの願いをよくも!許せない!!」


スマートレディ「私だって直前まで乾巧の処刑を中止しようと頑張ったのよ。
けど…人間たちは邪魔するし…計算外な事は起こるしで…まあ所謂アクシデントなわけ♪」


巧「お前らぁぁぁぁぁ!!」


スマートレディのふざけた言葉に怒りを露わにする巧!
だが既に巧には戦う力など殆ど残ってなどない。
オルフェノクに変化しようとすると身体の灰化が起きてしまうほどであった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

520: 2014/07/04(金) 01:26:48.25 ID:CHbY22Rc0


巧「ぐ…うぅ…!」


ミナ「や…やめろ!これ以上無理したらお前の身体は…!?」


巧「俺の…俺の大事な友達を傷つけて…このまま黙っていられるか!
たとえこの命が尽きようとも絶対に許さないんだ!!」


うっかり者「ガァァァ!」


巧は既にホロボロで満足に動けるはずのない身体でギガノイドの前に出る。
最早勝ち目の無い戦い、それでも戦う事をやめようとはしなかった。


ミナ「やめてくれ隆!」


小鞠「そうだよ!これ以上戦ったら…」


521: 2014/07/04(金) 01:33:23.96 ID:CHbY22Rc0


((ゴオオオ!!))


れんげ「ちょっと待つのん!………何か近付いてくる音がするん!」


杉田「本当だ!どんどんこっちに近付いてくるぞ!?」


桜井「この近付く音は…真下からですよ!」


((ゴオオオオオ!!))


それは下の階から先ほど出来た床の亀裂より突然猛スピードで現れた。
その正体はなんと…


((ドルルルルル!))


うっかり者「グガガガガ!?」


オートバジン『!』


巧「俺のバイク!」


れんげ「オートバジンなのん!」


夏海「ウチらもいるよ!」


卓「」コクッ


蛍「こまちゃん先輩!れんちゃん!よかった、みんな無事だったんですね!!」


小鞠「蛍!それに夏海に兄ちゃんも…!」


スマートレディ「ちょっと何!何なのこれ!?誰かお姉さんに説明して~!?」


思わず動揺するスマートレディ、無理もない。
床の亀裂から現れたのは下の階から飛んできたオートバジンとそのオートバジンに乗っかっていた蛍たちであった。
突然姿を見せたオートバジンは前輪のバスターホイールを連射してギガノイドを攻撃、ギガノイドはたまらず怯んでしまう!
(ナレーション:鈴木英一郎)

522: 2014/07/04(金) 01:35:13.91 ID:CHbY22Rc0


夏海「いやぁ~!姉ちゃんたちを探し回っていたらこんなに遅くなるとは…」


蛍「夏海先輩が自分の勘を頼りにあっちだこっちだとんちんかんな方向へ誘導したから余計迷子になってしまいましたけど…
結局最後はお義兄さんが誘導してくれて無事に合流できたわけですが。」


卓「」コクッ


巧「おいお前ら!俺はこれ以上ガキのお守はゴメンだ!ミナを連れてさっさと逃げろ!!」


夏海「ムッ!夏海ちゃんちょっとカチンときたよ。そんな事言ってると、これ上げないぞ!」


小鞠「夏海…それって!」


れんげ「555のベルトなのん!」


夏海が取り出したのは先ほどまでラッキークローバーの手にあったファイズギアであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

523: 2014/07/04(金) 01:37:01.16 ID:CHbY22Rc0


夏海「でも夏海ちゃんも鬼じゃないよ、さっきの悪口をちゃ~んと謝ってくれるなら…」


小鞠「そんな事言っている場合じゃないよ!」


れんげ「いいからなっつん!ベルトを巧に渡してあげるのん!!」


夏海「ちぇ~ッ!わかったよ、夏海ちゃんだって空気読めるしホラ行くよ。」


夏海が巧にファイズギアを渡そうとしたその時であった。


ミナ「待って!隆をこれ以上戦わせないでくれ!」


小鞠「ミ、ミナさん…?」


ミナ「スマートブレインのヤツらから聞いたんだ。
隆の身体は王に力を根こそぎ奪われてもう限界だって…これ以上戦ったら確実に氏ぬって…
だからもう…!」


ミナの言葉は本当だ。
今この瞬間でも巧の手から若干の灰が零れ落ちているほど残りの寿命は迫っていた。
だがそれでも巧の意志は変わらなかった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

524: 2014/07/04(金) 01:38:23.87 ID:CHbY22Rc0



巧「おいれんげ!ベルトをこっちに投げてくれ!」



れんげ「わかったのん!受け取るん巧!」


れんげからファイズギアを渡される巧、そして巧は腰にベルトを装着してファイズフォンに変身コードを入力する!


『Standyng by』


ミナ「ダメだ!これ以上戦ったらお前は本当に…」


巧「ミナ、今まで俺を守ってくれてありがとうな。
けどな、俺は戦う!人間のために、それにオルフェノクを守るために!!
この世界をこれ以上こんなヤツらの好きにはさせるもんか!!」


泣き叫びながら最後まで戦うのを止めるよう訴えるミナ、だがそれでも巧の意志は変わらない!
巧は最後の力を振り絞りファイズフォンを頭上に掲げて力強くこう叫んだ!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

525: 2014/07/04(金) 01:40:22.44 ID:CHbY22Rc0



巧「変身!!」



『Complete』


((バシュゥゥゥゥ!))


蛍「フォトンストリームの光が辺り一面に光り輝いて…遂に巧さんが変身しました!」


小鞠「こ…これが…正真正銘…本物の…」


夏海「仮面ライダー…」


ミナ「そんな…隆…隆!?」


叫びながら巧の下へ近付くミナ、しかしそこへギガノイドがミナへ攻撃を仕掛けた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

526: 2014/07/04(金) 01:41:52.98 ID:CHbY22Rc0


うっかり者「ヴゥゥゥゥ!」


ミナ「うわっ!?」


小鞠「ミナさん!危ないよ!?」


((ガッ!!))


しかしそこに光り輝く戦士がギガノイドの強靭な刃からミナを守った。
その戦士こそ…


ミナ「お…お前…その姿は…バカ…!バカヤロウ!?」


れんげ「555!仮面ライダー555の復活なのん!!」


555「待たせたなミナ!俺はもうお前を氏なせない、今度こそ絶対に守ってみせる!!」


杉田「あれが…555…」


桜井「かつて人類を救った救世主…!」


そこに現れた光り輝く戦士、その名は555!
乾巧のもうひとつの姿であり、かつて園田真理から『闇を切り裂き、光をもたらす者』として伝えられた救世主伝説の姿がそこにあった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

535: 2014/07/05(土) 21:15:34.17 ID:SPj8xyoX0


スマートレディ「もう…555が復活しちゃうなんて!?
こんな事が上層部に知られたら大変!うっかり者さん!やっちゃって!!」


うっかり者「ア゛ァァァァァ!」


555「アー!アー!うるせえんだよ!いい加減黙りやがれ!」


『Exceed Charge』
 

555「うおおお!!」


うっかり者「ガガッ…!?」


555はファイズショットを装備し、ギガノイド目掛けて渾身のグランインパクトを放つ!
だが一撃ではない、まるで今までの借りをまとめて返すような連打の応酬であった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

536: 2014/07/05(土) 21:16:20.42 ID:SPj8xyoX0


夏海「よっしゃー!やっちゃえー!555!!」


れんげ「ギガノイドを倒すのん!」


555「「ウラァァァァァァァァァ!!」」


((ドゴッ!)) ((ドガッ!)) ((バキッ!))


うっかり者「ウ…ガガ…!?」


得意の喧嘩殺法でギガノイドを圧倒する555!
次に装備をファイズエッジに切り替えて斬撃を加え続ける!!
怒りに燃える555の前にギガノイドの苦戦は免れなかった。
この状況を見ていたスマートレディも敗色が濃いと悟ると応援を呼ぼうと連絡を取ろうとするが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


スマートレディ「もしもし、誰でもいいからこっちに救援を…キャッ!?」


((バシッ!))


555「させるか!」


フォンブラスターでスマートレディの携帯を狙い撃ち救援が来るのを妨害するが…
だがこれが思わぬ事態を招いた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

537: 2014/07/05(土) 21:17:08.05 ID:SPj8xyoX0


うっかり者「ア゛ァァァァ!!」


555「何!?」


555がスマートレディを狙い撃っていたその隙をついてギガノイドが反撃に出た。
フォンブラスターを吹っ飛ばしてそれから床に向けて強力な衝撃波を放とうとする!


((ガガガガガガガ!!))


ギガノイドが発生させた強力な衝撃波!
その衝撃波の威力に巻き込まれてしまいれんげたちが…


小鞠「あわわわわ…!?」


れんげ「もう立っていられないん!」


蛍「さっき私たちが入ってきた亀裂が広がってこっちまで来ちゃいます!?」


杉田「まずいぞ…このままだと全員…」


夏海「お…落ちるーーーー!?」



「「うわぁぁぁぁぁぁ!?」」



555「おい!お前ら!?」


何という事だろうか…
ギガノイドが床に放った衝撃波に巻き込まれてしまいれんげたちは下の階へと落下してしまった!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

538: 2014/07/05(土) 21:18:02.71 ID:SPj8xyoX0



………

…………

……………


蛍「う…うぅ…ん…ここは…?」


小鞠「私たち下の階に落ちちゃったんだね。」


杉田「まったくあの高さから落ちてよく無事だったな、みんな大丈夫か!」


桜井「怪我は無いかい?」


れんげ「ウチ大丈夫なん!」


夏海「ウチも平気だよ!」


卓「」コクッ


ミナ「あれ…?隆…隆は!」


539: 2014/07/05(土) 21:27:07.02 ID:SPj8xyoX0


ミナ「そ…そんな!?」


蛍「まずいですよこれは!
何がまずいかというと実はさっき巧さんにベルトを渡したのは良いんですけど…
肝心のパワーアップアイテムのファイズブラスターを渡してないんですよ!
だからもし苦戦してたら勝ち目が無いかも…」


夏海「大丈夫だって、ジャッジャーン!!
こんな事もあろうかと夏海ちゃんはさっき咄嗟に555の携帯電話を拾っておいたのだ!
これで555と連絡を取って助けに来てもらえるよ!」


れんげ「さっすがなっつん!」


小鞠「いざという時は頼りになるね♪」


卓「」コクッ


夏海「そうだろそうだろ!みんなウチを褒め称えるがいい♪」

540: 2014/07/05(土) 21:27:49.32 ID:SPj8xyoX0


蛍「…な…」


蛍「……な…!」


蛍「………な…!?」


夏海「あれ?どったのほたるん?ほたるんも早くウチを褒めていいんだよ?」


蛍「「なんて事してんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!????」」


れんげ「ほたるんが激怒なん!」


小鞠「ど、どうしたの蛍!?」


541: 2014/07/05(土) 21:29:02.10 ID:SPj8xyoX0


蛍「555の携帯電話は必殺技の発動をするために絶対に必要なツール装備なんですよ!
それが無いと555は必殺技は使えないし変身が解かれたら再度変身する事も出来ないんですからね!?」


夏海「えーーーー!!そんなのウチ知らないよ!?」


杉田「なるほど、現代人に携帯電話が必需品なようなものか。」


桜井「五代さんはその辺のモノを武器に変えていたのに555は随分と不便ですね。」


れんげ「なっつん、とんでもない事してくれたのん…」


小鞠「本当にアンタはいっつも肝心な時に余計な事を…」


卓「」コクッ


夏海「うおおー!?何だこの掌返しは!?
でもまだ夏海ちゃんには考えがあるし!この携帯電話を使って555に助けを呼ぶよ!!」


蛍「その555の携帯電話がこっちにあるのにどうやって呼ぶ気ですか?」


542: 2014/07/05(土) 21:31:10.92 ID:SPj8xyoX0


夏海は出鱈目に番号を押して555と連絡を取ってみようとする。
すると何故か連絡が繋がるのだが…


夏海「お、繋がった!もしもし、夏海ちゃんだよ!すぐに助けに来てよ!」


『う…うぅ…』


夏海「あれ?誰だコレ?ていうか何か変な声が聴こえるんだけど?」


だが電話に出た相手は明らかに別人であった。
それに聞こえてくる声もまるで苦しむような呻き声が伝わってくるのだが…


杉田「おい…一体どこに連絡したんだ?」


夏海「いや、知らないよ!出鱈目に番号押したら勝手に掛かっただけだし!」


れんげ「ウチが代わりに出るん!もしもしれんげなん、そっちは誰なのん?」


『た…助けて…』


れんげ「あれ?どっかで聞いた事ある声なのん?」


『た…助けてくれー!!』


ファイズフォンから掛かってきたのは助けを乞う声であった。

その声の主とは…

(ナレーション:鈴木英一郎)

543: 2014/07/05(土) 21:34:04.23 ID:SPj8xyoX0


野間『つ…繋がった!その声は確かさっきの子供たちだな!』 


小林『頼む、助けてくれ!実は…』


なんと声の主はれんげと小鞠が地下の流星塾で出会った野間と小林の裏切り者のオルフェノクたちであった。
彼らの話によるとアークオルフェノクやギガノイドによる建物の破壊でオルフェノクたちは、
地下の流星塾に避難しようとしたが建物の崩壊により殆どのオルフェノクたちが瓦礫に埋もれてしまったという話だ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


野間『もうダメだ…このままじゃ我々も持ちそうにない!』


小林『俺たちオルフェノクだって不氏身じゃないしよ…うわぁぁぁぁぁ!?』


れんげ「二人ともしっかりするん!?………ダメなのん、連絡が切られたんな。」


杉田「この本社にいるオルフェノクの殆どが地下に避難してたのか。」


桜井「この事を本部に連絡します。」


本部にこれまでの経緯を報告する桜井、だがこの判断は間違いだった。
何故なら桜井の報告を受けた本部から全隊員に恐ろしい指令が下されたからだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

546: 2014/07/05(土) 23:41:56.30 ID:SPj8xyoX0


~警視庁跡地~


オペレーター(A)「…以上が現地の桜井捜査官からの報告です。」


南「なるほど、スマートブレインのオルフェノクたちは全員地下で生き埋め状態とは…
それでは現場指揮に当っている北條主任に至急スマートブレイン社に向かうように連絡を取ってください。」


オペレーター(B)「長官…一体何をお考えなのですか?」


南「ではこれから全ての隊員、いえ…生き残っている人間たちに最重要命令を下します!」


ここ、指令室では現地の桜井より事の詳細が全て伝えられていた。
そして南長官より全隊員に通達される恐ろしい指令が命じられる、それは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

547: 2014/07/05(土) 23:43:00.13 ID:SPj8xyoX0







南「今こそ我々人間の勝利の時!
これより総員スマートブレイン本社ビルに突入し、地下に生き埋めになっているオルフェノクを全て殲滅せよ!!」







551: 2014/07/07(月) 17:06:08.02 ID:wuz9ILia0


~スマートブレイン本社内部~


ロブスターオルフェノク「なんですって!?」


センチピードオルフェノク「やはり人間は…私たちを殺そうとして…」


クロコダイルオルフェノク「…」


アギトと戦うラッキークローバーたち。
彼らにも南長官によるオルフェノク殲滅の情報が伝えられていた。
しかし北崎は…


ドラゴンオルフェノク「別にいいじゃないか。」


センチピードオルフェノク「何を言ってるんですか北崎さん!?
僕たちは生き残るか滅びるかの瀬戸際なんですよ!何でそんな悠長な事を言って…」


ドラゴンオルフェノク「ヤダなぁ~琢磨くん。
所詮オルフェノクだろうが人間だろうが強い者が勝てばいいんだ。
弱い者がどうなろうかだなんて…正直どうでもいい事じゃないか。
たとえオルフェノクだって弱ければ見捨てればいい、それだけの事だよ?
それよりも今は楽しもうよ、この戦いをさぁ♪」


センチピードオルフェノク「き…北崎さん…?」


ロブスターオルフェノク「いいわ、私たちだけで行きましょう!」


クロコダイルオルフェノク「Yes!」


その場にドラゴンオルフェノクのみを残して地下に急ぐラッキークローバーたち。
北崎にとって人類とオルフェノクの生き残りを賭けた戦いなど実はどうでもよかった。
彼にとって戦いなど所詮は遊びでしかないのだから…
(ナレーション:鈴木英一郎)

552: 2014/07/07(月) 17:06:43.40 ID:wuz9ILia0


アギト「お前…こんな戦いを楽しんでいるのか!?」


ドラゴンオルフェノク「キミも楽しもうよ、そんな力を持て余しているなんて勿体ないよ。」


アギト「お前………許さないぞ!!」


((ゴオオオオオ!!))


北崎の言葉に怒りを感じたアギト!
アギトは再びベルトのスイッチを左右両方押す、するとまるで今の感情が現わされたかの如く身体が炎に包まれた!!
それはアギトの強化形態であるバーニングフォーム、
その力はアギト自身ですら制御困難で暴走の恐れもある諸刃の剣のような力だ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギト(バーニングF)「ハァァァァ!!」


ドラゴンオルフェノク「アハハハハハハ!!」


アギト(バーニングF)のバーニングライダーパンチとドラゴンオルフェノクの龍頭装甲の激しいぶつかり合い!
両者のパワー勝負は激しさを増し、この場が跡形も無く全て吹っ飛ぶほどであった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

553: 2014/07/07(月) 17:07:23.93 ID:wuz9ILia0


ドラゴンオルフェノク「やっぱり、キミって面白いね。じゃあ今度はこれで行くね!」


パワー比べが互角と判断したドラゴンオルフェノクはパワー主体の魔人態からスピードを誇る龍人態に姿を変える。


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「アーッハハハハハ!!」


アギト(バーニングF)「ぐわぁぁぁぁぁ!?」


龍人態のスピードは目にも止まらぬ速さでアギトを追い詰めて行った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

554: 2014/07/07(月) 17:09:10.20 ID:wuz9ILia0


ギルス「ハァ…ハァ…ウガァァァ!!」


G4「ヌンッ!」


そしてその隣ではギルスとG4の戦いが行われていた。
度重なるG4の強力な攻撃でギルスのエクシード化は既に解かれてしまい、
それに消耗も激しくギルスの頭部の角・ギルスアントラーは萎縮しておりパワーダウンしている事が一目でわかるほどだった…
(ナレーション:鈴木英一郎)


G3-X「葦原さん!?……クッ…」


そんなギルスとG4の戦いを唯見守るしか出来ない氷川、無理もない…
彼は警察官であり今は人類側の先兵として戦っている。
いくらギルスがかつての戦いの仲間であっても今は敵である彼に加勢など許されるはずがない。
しかしいつまでもこの戦いを黙って見ている訳にもいかなかった。
そんな時、南長官から直々にある任務が言い渡された。
(ナレーション:鈴木英一郎)

555: 2014/07/07(月) 17:10:08.42 ID:wuz9ILia0


南『氷川主任、あなたに特別任務を伝えます。』


G3-X「南長官!?特別任務とは一体…?」


南『先ほどの指令は受けているはずですね。
氷川主任、G4と協力してその場にいる人間以外の者たちを全て殲滅するのです!!』


G3-X「そんな…!?
……?待ってください!人間以外ですって…?それはまさか………アギトも………?」


南『その通り、今やアギトも殲滅対象です。
氷川主任、キミは以前アギトと協力してアンノウン事件を解決しましたが…
既にアギトは我々の敵だと思ってください。
アギトもまたオルフェノクと同類、いつ人類に牙を向けるかわかりませんからね。』


G3-X「ですが…アギトは!」


南『確かに、アギトはかつて我々の味方であった!
しかし今はオルフェノクと同等の存在なのです。
氷川主任、あなたは今や我々人類の象徴ともいうべき存在!
つまらぬ情けは捨てて全人類のために行動しなさい!!』


そう冷たく言い放つ南長官、その言葉に戸惑いを隠せない氷川。
上層部の言い分はわからなくもない、これは人間とオルフェノクの生き残りを賭けた戦争だ。
だが、かつては同志であったアギトやギルスに銃を向ける事などいくら命令とはいえ安易に従える事ではなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

556: 2014/07/07(月) 17:11:31.33 ID:wuz9ILia0


~スマートブレイン社屋上~


クウガ(アメイジングマイティ)「グゥッ!ハァ…ハァ…!」


アークオルフェノク「フンッ!」


スマートブレイン社屋上で戦うクウガとアークオルフェノク。
アークオルフェノクの壮絶な力に対抗するためにクウガはアメイジングマイティフォームを駆使して戦っているがそれでも太刀打ちできずにいた。


クウガ(アメイジングマイティ)「こうなったら…究極の闇の力を使うしか…!超変身!!」


遂にクウガは自身が禁じている究極の姿、アルティメットフォームに超変身しようとしたが…

(ナレーション:鈴木英一郎)

557: 2014/07/07(月) 17:12:57.62 ID:wuz9ILia0


((バチッ!バチバチッ!))


クウガ「う…うぅ…な…何だこれは!?うわぁぁぁぁぁぁ!!??」


自らの巨大な闇の力に心が呑み込まれそうになってしまう。
それもそのはず、クウガも先ほどのオルフェノク殲滅の指令をBTCS2000の無線を経由して知ってしまったからだ。
その所為で五代雄介の心に『こんな醜い人々を守る必要があるのか?』という疑問が生まれてしまい、
かつて古代リント族がクウガになりし者の心を『聖なる泉』と例えたようにその聖なる泉が枯れ果てようとしていた…
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガ「だ…ダメだ…このままじゃ…俺が究極の闇に…」


意識が次第に怒りに支配され始める。そしてクウガにも異変が起きた。
身体が先ほどよりも全身真っ黒な状態になり、頭部には4本の角が増えて身体にも至る所に棘状のパーツが…
それに全身に浮き出た血管状組織にクウガの変身ベルトであるアークルの色が黒へと変化する。
これこそかつて未確認生命体第0号を倒したクウガアルティメットフォームなのだがあの時とはひとつだけ違う箇所があった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

558: 2014/07/07(月) 17:15:59.20 ID:wuz9ILia0



クウガ(アルティメット)「目…目が黒くなってる…?う、うわぁぁぁぁぁ!!???」



クウガはガラスに映った自分の姿を見て驚愕する、かつて0号を倒した時のクウガは目が赤かった。
しかしこのクウガは目が闇のように真っ黒な状態になっていた。
それは古代リントの伝承にある『聖なる泉枯れ果てし時、凄まじき戦士雷の如く出で、太陽は闇に葬られん。』
とあるように五代雄介の心から優しさが失われようとしていた…
(ナレーション:鈴木英一郎)

559: 2014/07/07(月) 17:16:56.50 ID:wuz9ILia0
ここまで

大ピンチなん

564: 2014/07/08(火) 18:36:22.27 ID:6fCdOdLp0


~スマートブレイン社幹部ルーム~


悪の幹部たちと戦う1号とBLACKの前に再びモニターに映し出される映像の数々。

アークオルフェノクとの戦いで究極の闇となりつつあるクウガ。

ドラゴンオルフェノクとの戦いでバーニングフォームのまま暴走状態に陥るアギト。

G4に苦戦するギルス、そして上層部からの無情な命令に困惑するG3-X。

この世界の仮面ライダーたちが苦しむ光景が映し出されていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


『 『うわぁぁぁぁぁぁぁ!?』 』


1号「みんな…!」


BLACK「おのれ!お前たち絶対に許さん!!」


ダロム「黙れライダー!まだ肝心な場面を見せてはいないぞ!」


ジャーク「よいモノを見せてやろう、この光景を見るがいい!」


そしてモニターに映し出される一つの光景、それは…

(ナレーション:鈴木英一郎)

565: 2014/07/08(火) 18:38:23.55 ID:6fCdOdLp0


((ザッ!ザッ!ザッ!))


ショッカー首領「今このスマートブレイン本社に人間どもの軍が押し寄せてきている。
ヤツらの目的は、先ほどの警察上層部が決断した地下にいるオルフェノクどもの殲滅だ!」


モニターに映し出された光景、V1システムの北條がG5ユニットを引き連れてスマートブレイン社に突入する場面であった。
戦場では既にライオトルーパーたちは壊滅状態に陥りスマートブレインに与する大半のオルフェノクたちも、
現在は地下に生き埋めの状態と大局的に見れば人間側が有利な状況だ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


1号「ならばお前たちの勝利は最早あり得んぞ!大人しく降伏したらどうだ?」


ショッカー首領「降伏だと?フフフ、そんな事はあり得ん!」


BLACK「何!?」


ダロム「わからんのか!この戦いでオルフェノクが負けようと最早どうでもよい事なのだ!」


ジャーク「そうだ、既にオルフェノクに代わり我らの配下となる邪悪な者たちがいるのだからな!」


オルフェノクの代わりとなる者たち、一体何の事かと疑問に思ったが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

566: 2014/07/08(火) 18:39:41.43 ID:6fCdOdLp0


1号「待てよ…お前たちまさか!?」


ダロム「そうだ、ようやく気付いたようだな!」


ジャーク「オルフェノクに代わる邪悪な心を持った者たちとは…」


ショッカー首領「即ち、これまでオルフェノクに虐げられてきた者…そう!それは!」


1号「に…人間…」


BLACK「なっ…!?」


ダロム「その通り!この世界の人間どもの心は既に憎しみで満ちている!」


ジャーク「当然だ、平和な日常をオルフェノクどもに奪われ長い間虐げられてきた。
人間どもにしてみれば今程絶好の機会はなかろうて!」


ショッカー首領「我らは憎しみに駆られたこの世界の人間どもをオルフェノクに代わる軍団として取り込む。
さあ、どうするライダーどもよ!お前たちが相手をしなければならんのは人間だぞ?
化け物でもなんでもないただの人間だ。
今までお前たち正義を愛するライダーが必氏に守ってきた人間をお前たちは倒せる事が出来るかな?」



「「「フハハハハハハハ!!!!」」」



オルフェノクに代わりこの世界の人間たちを悪の軍団に引き入れようとする幹部たち!
確かにヤツらの言う通りこの世界の人間たちは今、憎しみと怒りに満ちていた。
そんな彼らがショッカー首領たちの手駒となるのは容易い事なのであろう。
やはりこの世界は滅亡への道を突き進むしかないのか…?
(ナレーション:正宗一成)

567: 2014/07/08(火) 18:41:08.25 ID:6fCdOdLp0


BLACK「いいや、そんな事はない!」


「「「なんだと!?」」」


1号「BLACK!それはまだこの世界に希望があるという事か…?」


ダロム「ありえん!この世界の希望であるライダーどもをお前も見たはずだ!」


ジャーク「既にこの世界のライダーたちも人間どもに失望し始めておる!」


ショッカー首領「それなのにどうして希望なぞ残っておるというのだ!?」


BLACK「お前たちは肝心な事を見落としている!
人々の希望とは俺たち仮面ライダーだけではないという事だ!!そう、それは………」


BLACKの告げる希望。
それは本来ならこの世界に現れる事のなかった、
そしてこの場にいる悪の幹部たちにとっては取るに足らないと思っていたれんげたちの事であった…!
(ナレーション:正宗一成)

574: 2014/07/11(金) 19:56:21.35 ID:b7cRYt7a0


~地下ゲート~


れんげ「ここなん!」


小鞠「ここが地下の流星塾に通じる場所だよ!」


杉田「だがここは…」


桜井「天井から瓦礫が落ちてきて入れないな。」


その頃、れんげと小鞠は先ほどビートゴウラムで突き破った地下ゲートの前にみんなを案内していた。
しかし地下ゲートは崩落した瓦礫の所為で入る事は不可能であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


杉田「こんなの人間の手じゃ無理だ、重機でも持ってこないと中に入る事すら出来ないぞ!」


桜井「かといってここにはそんな機材はないし、そもそも俺たちだけじゃどうしようもありませんよ…」

575: 2014/07/11(金) 19:57:35.26 ID:b7cRYt7a0
困り果てた杉田と桜井、するとそこへラッキークローバーのオルフェノクたちがやってきた。


夏海「おばちゃんたち!」


冴子「お、おば…」


ミナ「冴子さん!」


れんげ「大変なん!ここにオルフェノクのみんなが閉じ込められてしまったん!」


琢磨「まったく…これだから内勤の連中は使えないんですよ!」


J「…」


ラッキークローバーたちはオルフェノクに変化して瓦礫を一気に吹き飛ばそうとする。
だがそこへ…


ギルス「うわぁぁぁぁ!?」


小鞠「葦原さん!」


れんげ「何か黒いロボットみたいなのがこっちに近付いてくるのん!」


蛍「あ、あれは…G4!?」


G3-X「葦原さん!それに…あの子たちは!!」


夏海「あ、氷川さんまで来た!」


ギルスと戦っていたG4、その後を追ってきたG3-Xまでもが現れてしまった。
ラッキークローバーたちは変化して一斉にG4へと挑んでいくが…


G4「ハッ!」


「「ぐわぁぁぁぁぁ!?」」


G4の力は三人のラッキークローバーたちの力をはるかに上回っており手も足も出なかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

576: 2014/07/11(金) 19:58:34.36 ID:b7cRYt7a0


ミナ「そんな…あの冴子さんたちがこんなあっさりやられるなんて…」


れんげ「なっつん!どうしたらいいん!?」


夏海「う~ん…そうだ!確か555のベルトを取り返した時に拾ったベルトが二本余ってたんだ!
これを使ってウチらがライダーに変身して戦えば…」


蛍「カイザとデルタのベルト…
こんなの私たちが使ったら半狂乱になるか灰になって氏んじゃいますよ!?」


夏海「もう、ほたるんは一々うるさいなぁ!じゃあどうしたらいいんだよ!?」


((ザッ!!))


その時であった!


V-1「本部へ、現地に到着しました。これよりG4と合流します。」


G3-X「北條さん!それにG5ユニットまで!?」


そこに現れたのは南長官の命令を受けてスマートブレイン社に突入したG5ユニットの面々であった。


小鞠「あわわ…なんかロボットみたいなのがたくさんやってきたよ!」


南『それでは全員配置についてください、全火力を一点集中させこの場にいるオルフェノクどもを一掃するのです!!』


G4「ヌンッ!」


V1「……了解、G5ユニットは全員攻撃態勢に入ってください…」


G5ユニット「「Gランチャー装備、いつでも攻撃指示を!」」


ロブスターオルフェノク「この…人間たちめ…!」


センチピードオルフェノク「や…やっぱり人間は私たちを滅ぼす気で…」


クロコダイルオルフェノク「……」


南長官からの無線指示で攻撃態勢に入る人間たち。
G4はG4用強化体携行用多目的巡航4連ミサイルランチャー『ギガント』を装備し、
G5ユニットも量産型のGランチャーを装備してすぐにも攻撃可能な態勢に入った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

577: 2014/07/11(金) 19:59:02.74 ID:b7cRYt7a0


蛍「このままじゃ…地下に生き埋めになっているオルフェノクの人たちは全滅させられちゃいますよ!」


れんげ「……!?そんなのダメなん!!
オルフェノクの人たちだって良い人いっぱいいるのん!氏なせちゃダメなのん!!」


小鞠「けど私たちはどうしたら…?」


卓「」チョイチョイ


夏海「兄ちゃんが何か持ってるけど…何だこのステレオ?」


蛍「それは確か…」


卓が取り出したのは先ほど555のベルトを取り返した際に偶然入手したファイズサウンダーであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「さっき北崎さんがいらないって言ったのを私たちが持ってきたんですね。
けどこれをどう使えと…?大体これの扱い方わからないし…?」


578: 2014/07/11(金) 19:59:34.98 ID:b7cRYt7a0


れんげ「………こうなったらウチ!ヤケクソなん!!」


れんげは何を思いついたのかG5ユニットの面々の前に立ちはだかった。



れんげ「「みんなやめるん!!」」



蛍「れ…れんちゃん!」


夏海「れんちょんが大人たちの前に立った…!」


小鞠「な…何!?どうするの!?」


卓「…」


れんげ「「お願いなん!こんな事しちゃダメなん!」」


杉田「れ、れんげちゃん…?いかん!攻撃するな!!」


桜井「そうだ!相手は子供だぞ!!」


オルフェノクたちが閉じ込められている地下ゲート前に立つれんげ。
一人の少女が我が身を盾に立ちはだかる光景を目の当たりにしてさすがにG5ユニットも銃口を降ろそうとするが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

579: 2014/07/11(金) 20:42:50.30 ID:b7cRYt7a0


南「何をしているのですか!」


V-1「南長官!?」


そこに現れたのは南長官、それに小沢が現地に到着して地下ゲートにやってきていた。


南「まったく、現地で直に指揮を取ろうと来てみればこのような事態になっていたとは…」


小沢「あの子たちは…長官、どう説得なさるおつもりですか?」


V-1「相手は子供です、力づくで立ち退かせる事も可能ですが…」


南「いいえ、その必要はありません!
あの子供も我々人間の不穏分子としてオルフェノク共々殲滅するのです!!」




「「!?」」




杉田「何をバカげた事を!?」


桜井「あんな小さな子をどうして!」


南「考えてみればおかしいではありませんか。
我々人類は今日までオルフェノクの脅威に怯えながら生きてきたというのにあの少女はオルフェノクと普通に接している。
つまりあの少女は実はオルフェノクかもしくはオルフェノクの回し者かと考えるべきです!
となれば少女もオルフェノク共々殲滅すべきなのです!!」


小沢「あなた…なんて事を…」


既に狂気に満ちた表情を見せる南長官。
彼にとってこの機会はまさに千載一遇のはず、ここでオルフェノクたちを全滅させなければ人類に未来はないと…
そして南長官の狂気は他のG5ユニットの隊員たちにも伝わってしまう。
(ナレーション:鈴木英一郎)

580: 2014/07/11(金) 21:07:39.11 ID:b7cRYt7a0


「そ、そうだ!」


「ここでやらなきゃ俺たちは…」


「尾室教官だってこいつらの所為であんな事に…!」


「これは人間とオルフェノクの生き残りを賭けた戦いなんだ!」


センチピードオルフェノク「人間たちが何か騒いでいますね…」


ロブスターオルフェノク「あんな小さな子供たちまで殺さなきゃいけないなんて、人間って本当に醜い存在ね…
見てて吐き気がするくらいよ。」


クロコダイルオルフェノク「……」


??「ワンワン!」


クロコダイルオルフェノク「!?」


一度は降ろした銃口を再び向けようとするG5ユニットたち。
そしてG5ユニットの銃口が今度は地下ゲートだけでなくれんげに向けられていく…
(ナレーション:鈴木英一郎)

581: 2014/07/11(金) 21:12:15.86 ID:b7cRYt7a0


れんげ「…」


れんげ「…やめ…」


れんげ「…もう…やめ…」


蛍「れんちゃんが…何か言ってますよ?」


夏海「あ、そうだ!
ここにいる人たち全員にれんちょんの声を聴いてもらうために今こそこのファイズサウンダーを使えば!!」


夏海はこの使いどころの無さそうであったファイズサウンダーを拡声器代わりに使い、
れんげの声をここにいる全ての者たちに聴ける様にセットする。そして…





れんげ「「「もう!こんな戦いやめるのん!!」」」





夏海「うわっ!音量大きい!?」


小鞠「耳がキンキンするよー!!」


卓「」フルフル


蛍「夏海先輩!一体音量どこまで設定したんですか!?」

582: 2014/07/11(金) 21:14:20.17 ID:b7cRYt7a0






れんげ「「「お願いなん!地下に閉じ込められたオルフェノクのみんなを助けてほしいのん!!」」」






れんげの声はこの建物全体…いやひょっとしたらこの世界全てに行き渡っていたのかもしれない。
何故なら偶然ではあるがこのファイズサウンダーはスマートブレイン社が新開発した試作品で、
音波を発して敵を攻撃する機能があるのだが…
実はその他にもその音を対象の相手に使う事でその相手の心に影響を及ぼす事も理論上可能だ。
しかしその事実は今回使用したれんげは勿論、開発者たちですらこんな機能があるとは予想すらしていなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


南「地下にいるオルフェノクを助けろだと…?
何を言うのかと思えば馬鹿げた事を、もう聞く必要はありません!G4!ギガントを撃ちこみなさい!!」


G4「フンッ!」


蛍「あぁ…G4のミサイルが!」


小鞠「やっぱりダメなの!?」



「「キャァァァァァ!?」」



G4のギガントが子供たちに向かって発射された!

583: 2014/07/11(金) 21:14:54.50 ID:b7cRYt7a0



((ドンッ!)) ((ドンッ!)) ((ドンッ!))



れんげ「…あれ?」


小鞠「私たち…無事だ!助かった!」


夏海「何だー!何がどうなってんだ!?」


蛍「けどどうして…?…あぁー!?あなたたちは…!!」


蛍が叫びながら正面に注目した。そこには三人の大人の後姿があったからだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


杉田「まったく、無茶をして…」


桜井「もう大丈夫だよ!」


G3-X「GX-05でG4のミサイルは全部落としました、これでもうキミたちに危害は加えさせませんよ!!」


小鞠「杉田さんに桜井さん!」


蛍「それに氷川さんことG3-X!」


蛍「三人がウチらを庇ってくれたんな!」


卓「」コクッ


南「氷川主任、何のつもりだ!?こうなればキミの手でそこにいる子供たちを始末するんだ!!」


南長官は今度はG3-Xに直接手を下すように命じる。
だがG3-Xはそんな命令を無視してGX-05を投げ捨てると地下ゲートの瓦礫を除去する作業を始めた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

584: 2014/07/11(金) 21:22:29.19 ID:b7cRYt7a0


南「な…何をしている…?それでは地下にいるオルフェノクを助ける事になるぞ!?」


G3-X「…そうです。僕は今、地下にいるオルフェノクたちを助けるために動いているんです!」


南「バ…バカな…一体何を考えている!?オルフェノクたちは人類の敵だぞ!それを何故助けるんだ!?
それに子供たちだって…」


G3-X「何故…ですって?傷ついた彼らが救いを求めているからですよ!
僕は警察官です!警察官なら助けを求める人々を守るのが務めのはずです!
そして子供たちも…」


れんげ「?」


G3-X「この戦いが始まる前に本郷警視総監がこう仰ってたんです。
『キミの目の前で助けを求める小さな声が聴こえたのならその子たちを助けてやってくれないか』って!」


蛍「確か警視総監さんがアギトの翔一さんに送った言葉ですね。」


G3-X「この世界…確かにもう正義も悪も無いに等しいのかもしれません。
それでもたったひとつだけ、踏み躙ってはいけない…僕たち大人が絶対に守らなきゃいけないモノがあります!!」


南「絶対に守らなきゃいけないモノだと…?それは一体何だ!?」





G3-X「「「子供たちの命と…願いです!!」」」





氷川の声もまたファイズサウンダーを介してここにいる者たち全てに伝わった。
そしてこの一部始終の展開を見届けていた人間たちもまた行動を起こそうとする!
(ナレーション:鈴木英一郎)

585: 2014/07/11(金) 21:25:03.44 ID:b7cRYt7a0


V-1「退いてください氷川さん。
こういった瓦礫の除去作業はデリケートなんですからあなたみたいな不器用は引っ込んでいてください。」


G3-X「ほ…北條さん!?」


なんと北條と彼が率いるG5ユニットの面々がG3-Xに協力して瓦礫の除去が開始した。
だがそれを行ったのは人間たちだけではなかった。


クロコダイルオルフェノク「フンッ!」


G3-X「ミスターJ!あなたも!」


センチピードオルフェノク「ぼ…僕も…」


ロブスターオルフェノク「た…琢磨くん!何であなたたちまで!?」


センチピードオルフェノク「僕は…寿命で氏ぬのも人間に殺されるのも嫌です…」


ロブスターオルフェノク「そうよ!だからこそオルフェノクの世界を作るのよ!」


センチピードオルフェノク「けど…それはあの残酷な王に支配される世界ですよ!
仮に永遠の命が与えられたとしてもきっといつかは僕らも王の生贄にされる!!」


ロブスターオルフェノク「それは人間たちも同じよ!
人間たちだって私たちオルフェノクを滅ぼすためにこうして子供を殺そうとしてまで生き残ろうと…」


クロコダイルオルフェノク「No!!サエコ、ソレハチガウ!ニンゲンタチマダキボウモッテイル!
ヒカワガコドモタチスクッタ、ソレニチャコモ…」


チャコ「ワンワン!」


クロコダイルオルフェノクの足元にはチャコの姿が…
どうやら先ほどオルフェノクたちの前に現れたのはチャコだったようだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

586: 2014/07/11(金) 21:26:02.03 ID:b7cRYt7a0


センチピードオルフェノク「冴子さん…僕はラッキークローバーに入り自分が強いと確信していました。
けどそうじゃない、本当は弱さを誤魔化していただけなんです…
王はこんな僕を間違いなく生贄にするでしょうね。」


ロブスターオルフェノク「それは…」


センチピードオルフェノク「このまま残酷な王に仕えるか、それとも共存を望む人間たちと一緒に残り少ない寿命を全うするか…
僕は後者を選びますよ。それが弱い僕の考え方です。
情けないと思うなら存分に罵ってもらっても構いませんよ…」


冴子は何も言い返せなかった。
再び琢磨たちと袂を分かつ事もショックであったがそれよりも、
人間とオルフェノクが協力してオルフェノクを助け出そうとするこの光景に驚きを隠せなかったからだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

587: 2014/07/11(金) 21:27:24.58 ID:b7cRYt7a0


南「何だこれは…お前たちはどうかしている…!?
何故オルフェノクたちを助ける!今まで我々はヤツラに虐げられてきたはずだぞ!?」


桜井「どうかしているですって?
子供に銃を突きつける警官の方がどうかしていますよ!」


杉田「俺にもれんげちゃんみたいな娘がいましてね!
一人の子を持つ親として子供を撃つなんて事…それにオルフェノクだから全てを頃して解決なんて方法を取ったら、
娘に会わせる顔が無いんですよ!!」


V-1「私たち警察官は『全ての偏見を排除し、事実を事実のまま直視する』という事を信条としなければなりません。
この信条で考えるならば南長官、今のあなたはオルフェノクへの偏見で満ち溢れている。
そんなあなたの命令には従えませんね!」


南「き…貴様ら…!」


既にG5ユニットの大半が南長官の命令を無視してオルフェノクたちと共に瓦礫の撤去作業を始めた。
そしてもう一人、そんな南長官に鉄槌を下す人物が…
(ナレーション:鈴木英一郎)


小沢「オラァッ!!」


南「グハッ!?」


夏海「うわっ!酷い…グーって殴った…!?」


小鞠「痛そう…」


小沢「ふぅ、気に喰わない男は殴るに限るわね!」


G3-X「小沢さん…まったくあなたって人は上官をグーで殴るなんて!」


南「そ…そうだ…貴様ら何を考えて…このままでは我々は滅びてしまうんだぞ…!」


小沢「いいえ、きっと今の攻撃を仕掛けた時点で私たち人類もオルフェノクも滅びていたはずよ。
頃し合いの道を選ぶ種族に未来なんてないものね…
さぁ、氷川くん!もうあなたの邪魔をする者はいないわ!自分の思う通りにやりなさい!!」


G3-X「了解!!」


588: 2014/07/11(金) 21:28:15.65 ID:b7cRYt7a0


~スマートブレイン社幹部ルーム~


ダロム「馬鹿な…こんな事が…」


ジャーク「何故だ!何故…人間どもは立ち直れたのだ!?」


ショッカー「我らの計画は完璧ではなかったのか!?」


そして同じ頃、悪の幹部たちもこの人間とオルフェノクの共同作業を目の当たりにしていた。
彼らにはいくら考えてもわからなかった。
何故自分たちの計画は失敗したのか、そして彼らが共存の道を歩もうとするのかを…
(ナレーション:正宗一成)


1号「それは人間がお前たちが考えているほど愚かではなかったからだ!」


BLACK「それだけじゃない、子供たちが想う純粋な平和な願い!
それを叶えてあげるのが俺たち仮面ライダーの…いや!大人の役目だからだ!!」

589: 2014/07/11(金) 21:29:32.22 ID:b7cRYt7a0


1号「行くぞ!」


BLACK「喰らえ!」



1号、BLACK「「ライダー!ダブルパンチ!!」」



「「「ぐわぁぁぁぁぁ!?」」」



1号、BLACK「「ライダー!ダブルキック!!」」



「「「ギャァァァァァァァ!?」」」


ダロム「おのれ…ライダーども…!」


ジャーク「このままでは…こうなればこの世界から手を引くしかない!」


ショッカー「だが憶えておれ!我らはいずれまた甦る!今度は全ての悪の組織を従えた大ショッカーとしてな!!」



「「「さらばだ!仮面ライダーの諸君!!」」」



仮面ライダー1号、BLACKのライダーパンチとライダーキックの必殺技を受けてダメージを負った悪の幹部たち。
彼らは傷を負いながらも、後年現れる全ての悪の組織を従えた『大ショッカー』の存在を予見しながらこの世界を去って行った。
残った1号とBLACKはというと…
(ナレーション:正宗一成)

590: 2014/07/11(金) 21:32:14.99 ID:b7cRYt7a0


1号「俺たちも奴らの後を追うぞ!」


BLACK「待ってください、まだこの世界には問題が…」


1号「それはこの世界の仮面ライダーたちが解決する問題だ。
本来俺たちが手を出していい事じゃないはずだろう!」


BLACK「…ですが…」


1号「しかしだ、この世界を守るライダーたちに力を送る事くらいはしてやるべきだろうな!」


BLACK「ハイ!この世界を守る仮面ライダーたちよ!
この世界の平和をキミたちに託す、受け取ってくれ!キングストーンフラッシュ!!」



((パァァァァァァァ!!))



仮面ライダーBLACKが体内のキングストーンの力を発したキングストーンフラッシュ。
それは今この場で苦しみながらも戦っているこの世界の仮面ライダーたちに力を与えた!
(ナレーション:正宗一成)


1号「行くぞ、もうこの世界で俺たちがやるべき事は終わった。」


BLACK「けど…警視総監の職はどうするんですか?」


1号「安心しろ、ここに来る前にデスクに辞表を叩きつけてきた!」


BLACK「それはそれで問題あるんじゃ…?
まあともかく、れんげちゃん。それにみんな。キミたちもしっかりな!!」


こうして1号とBLACKはこの世界の仮面ライダーとれんげたちに未来を託して、
誰に知られる事もなくこのパラダイス・ロストの世界を立ち去っって行った。
(ナレーション:正宗一成)

597: 2014/07/12(土) 23:45:08.01 ID:P+5qz9BY0


~スマートブレイン社屋上~


クウガ「ハァ…ハァ…このままじゃ…心が究極の闇に支配されてしまう…それだけは…ダメだ!」


アルティメットフォームの影響で究極の闇に支配される寸前にまで陥るクウガ。
このままでは自らが究極の闇をもたらす存在になる事を危惧したクウガは、
自らの命とも言えるベルトのアークルを砕こうとする!
だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


((パァァァァァ!))


クウガ「こ、この光は何だ…?」


突然クウガの注がれる光、それは先ほどのBLACKのキングストーンの光であった。
その光でアルティメットFの変身が解けて先ほどまでの怒りの感情が嘘みたく和らいでいた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


アークオルフェノク「グゥゥゥゥ!」


しかし安心したのも束の間、そこへアークオルフェノクが襲い掛かってきた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


((バキューンッ!))


五代「誰が撃ったんだ…?」


その時であった、何処からともなく銃声が…
五代はその銃声があった方向を見るとそこには一人の人物がいた。
それは彼にとってとても懐かしく、そしてかつては命すら預けられると思った戦友の男であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

598: 2014/07/12(土) 23:46:49.69 ID:P+5qz9BY0


一条「五代!大丈夫か!」


五代「一条さん!?」


アークオルフェノク「ウグッ…」


一条「どうやらこの銃弾は効果があるようだな!
科捜研の榎田さんが開発した新型の神経断裂弾だ、これなら倒せなくてもなんとかいけるぞ!」


銃弾の効果に満足する一条、しかし五代はその銃弾の威力を見て一条にある願いを打ち明けた。


五代「一条さん…お願いです…その銃弾を俺のベルトに撃ちこんでください!
もう…今の俺には究極の闇を抑える事が…このまま誰かの笑顔を俺自身が奪う事になるなんて耐えられない…
だから一条さんの手で俺を…!」


必氏に懇願する五代、先ほどのキングストーンの光でなんとか立ち直ったが、
いつまた究極の闇に心を支配されるかわからないからだ。
だが一条は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

599: 2014/07/12(土) 23:48:28.55 ID:P+5qz9BY0


一条「悪いがその願いは聞き入れる事は出来ない。」


五代「どうして…!このままじゃ俺は究極の闇を!?」


一条「聞いてくれ五代!
俺はここに来る前にお前が助けたれんげという少女からお前に伝えてほしい事があると言われたんだ。
それは…」





『無理をしちゃダメなん!!一人で全部背負いこんじゃダメなのん!!』





五代「あの子がそんな事を…」


一条「…だそうだ、いいか五代!もう一人でなんでも背負い込もうとするな!
俺はあの時、第0号をお前一人で戦わせた事を今でも後悔しているんだ!
お前を心配する人たちのためにも、この戦いを終わらせてお前の笑顔をみんなに見せてあげてくれ!!」


五代「一条さん…そうか、よし!」


一条の言葉を聞いた五代は先ほどとは違いいつもの落ち着いた表情を浮かべた。
そして再び変身ポーズを取った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

600: 2014/07/12(土) 23:49:29.36 ID:P+5qz9BY0


五代「わかりました一条さん!
みんなの笑顔を守るため、それに俺自身の笑顔を大事にしてくれと言ったあの子たちのためにも!
俺は!絶対に生きます!だから見ててください!俺の、変身!!」


((ピキィン!!))


再びクウガへと変身した五代。
その姿は先ほどと同じくアルティメットFの姿だが、ひとつだけ違う部分があった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


一条「目が赤い…これはあの時九郎ヶ岳で見たクウガの姿だ!」


クウガアルティメットF「ハァッ!」


そう、このクウガアルティメットFは目が赤かった。
それはかつて第0号ことン・ダグバ・ゼバを倒した究極の力を持ちながらも心清き戦士の姿。

『清らかなる戦士 心の力を極めて戦い邪悪を葬りし時 汝自らの邪悪を除きて究極の闇を消し去らん』

この碑文の通り、かつての闇の伝説を塗り替えた戦士が再び甦った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

601: 2014/07/12(土) 23:51:15.43 ID:P+5qz9BY0



クウガアルティメットF「オリャァァァァァ!!」



アークオルフェノク「うぐわぁぁぁぁ!?」


炎を纏ったクウガアルティメットFのパンチで吹き飛ばされるアークオルフェノク。
その力は凄まじき戦士の名の通りオルフェノクの王ですら太刀打ちできない程であった!


一条「あのオルフェノク!床の亀裂に落ちて行くぞ!下の階に逃げる気だな!」


クウガアルティメットF「逃がすか!一条さん乗ってください!」


((ドルルンッ!))


クウガと一条はビートゴウラムに乗り込むとアークオルフェノクを追って下の階に向かった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

602: 2014/07/12(土) 23:52:17.86 ID:P+5qz9BY0


~スマートブレイン社内部~


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「アハハハハ♪」


アギトバーニングF「クッ…うおおお!!」


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「鈍い、鈍すぎるねキミ。」


アギトバーニングF対ドラゴンオルフェノク(龍人態)の戦い。
確かにパワーではバーニングFの方が有利だがスピードではドラゴンオルフェノクが圧倒的に有利で、
アギトの攻撃は殆どが空振りに終わっていた。
それにアギト自身もバーニングFの暴走状態の所為で周りが見えなくなっておりその事に気付けないでいるという最悪な状況であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「もう飽きてきちゃった、悪いけど終わりにするね。」


((ググッ!))


アギトバーニングF「うぐ…あぁぁぁぁ!?」


アギトの首を握り潰そうとするドラゴンオルフェノク、このままではアギトは殺されてしまう!
(ナレーション:鈴木英一郎)

603: 2014/07/12(土) 23:53:15.52 ID:P+5qz9BY0



((パァァァァァ!))



そしてここにもBLACKのキングストーンの光が…


アギトバーニングF「これは…ひ…光!うおおおお!!」


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「?」


((ピシッ!パキッ!))


その光を浴びたアギトの身体から業火の炎に焼かれたバーニングFの装甲が剥がれ落ちて行った。
そしてその下から光り輝く装甲が姿を見せた!


アギトシャイニングF「ハァッ!!」


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「な、何これ!?」


キングストーンの光を浴びてパワーアップしたアギトの姿。
これこそ仮面ライダーアギト最強の姿、アギトシャイニングフォームである!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

604: 2014/07/12(土) 23:53:48.56 ID:P+5qz9BY0


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「へぇ、キミも姿を変えられるんだ。けど、僕よりは弱いんだよね!」


ドラゴンオルフェノクは目にも止まらぬ速さでアギトに攻撃を仕掛けようとする。
だが…!
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギトシャイニングF「ハァッ!」


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「がはっ!?」


シャイニングFはドラゴンオルフェノクの速さよりもさらに超スピードで打撃を浴びせて行く。
そして!
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギトシャイニングF「タァァッ!」


ドラゴンオルフェノク(龍人態)「うおわぁぁぁぁ!?」


アギトの攻撃を喰らい吹っ飛ばされるドラゴンオルフェノク。
吹っ飛ばされたのはれんげたちがいる地下ゲートの方であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

605: 2014/07/13(日) 00:01:11.95 ID:/oH+opj90


~巨大ホール~


スマートレディ「えぇーっ!?幹部のみなさんはもうこの世界から出て行っちゃったの!?
じゃあ私置いてけぼりに…!そんなぁ…」


555「なんだか知らねえが当てが外れたようだな!ざまぁ見ろ!!」


スマートレディ「もう!そんな強がり言ってもダメよ!あなただってうっかり者さんに押されてるじゃないの!!」


うっかり者「ア゛ァァァァァ!」


555に襲い掛かるギガノイド!
そんな時、555にもキングストーンの光が届けられた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

606: 2014/07/13(日) 00:02:38.05 ID:/oH+opj90



((パァァァァァ!))



555「どうやらこっちにも希望の光ってのが来たようだな!………あん?」


スマートレディ「あら?あなただけ何も変わらないのね…?」


555「おいどうなってんだ!?何で俺は何も変わんないんだよ!?」


スマートレディ「ああ、ほら555ってそういう奇跡的な感じでパワーアップする系じゃないからじゃないの?」


555「なんだよそれ!意味わかんねーよ!?」


うっかり者「ウ゛ゥゥゥゥゥ!」


そんなやり取りが行われている間にギガノイドが555目掛けて突進を仕掛けてきた!

危うし555!?

(ナレーション:鈴木英一郎)

607: 2014/07/13(日) 00:04:26.53 ID:/oH+opj90


555「クッ…………うん?」


うっかり者「!?」


((ググググググ!))


しかしギガノイドの突進は555に届く事は無かった。
何故なら突進を仕掛ける寸前で何らかの力が作用してギガノイドは動けなくなってしまったからだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


555「どうなってんだ?」


??「おい乾、負けてんじゃねえ!
この俺さまがわざわざあの世から遥々救援に駆けつけてやったんだぞ!!」


??「こんな怪人に負けないでください!」


うっかり者「ガガガッ!?」


スマートレディ「ちょっと…何アレ?何で灰がギガノイドの身体を覆ってるの!?」


スマートレディの言う通り、ギガノイドの周囲に突如灰が蔓延してそれがギガノイドの行動を抑制していたみたいだ。
そして先ほど555に語りかけてきた灰の塊がまるで人間のような形を形成していく。
その姿に555は見覚えがあった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

608: 2014/07/13(日) 00:06:36.00 ID:/oH+opj90


555「お前ら…海堂に結花!?」


海堂「久しぶりだな乾!
ちゅーかっ!こんなヤツに負けるとかありえねえからな!お前は木場の理想を受け継ぐんだろ!!」


結花「この怪人は私たちが抑えています、その隙に倒してください!」


555「あぁ、わかった!お前らの意志も俺が受け継いでやるよ!!」


その灰の塊の正体はかつてオルフェノクでありながら人間の味方をして、
この巨大ホールで無残な氏を遂げた海堂直也と長田結花の二人だった。
どうやらキングストーンの光は灰と化した二人の魂を具現化したようだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


555「オオオオオ!!」


((ズバッ!))


うっかり者「ウギャギャギャギャッ!?」


555は海堂と結花がくれた唯一のチャンスを生かしギガノイドにファイズエッジの斬撃を与える!
強烈なダメージを受けたギガノイドは先ほどれんげたちが落下した亀裂に同じく落下していった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

609: 2014/07/13(日) 00:08:11.19 ID:/oH+opj90


スマートレディ「ちょっとちょっと何よこの状況は!
乾巧たちは復活しちゃうしラッキークローバーの連中は人間たちと仲良くなっちゃうし、
おまけに黒幕の方々は何処かへ行くなっちゃうし………もうイヤーーーー!?」


最早この状況が自分にとって最悪だと悟ったスマートレディはわき目もせずにこの建物から逃げるように去って行った。
そして555は…
(ナレーション:鈴木英一郎)


555「ありがとな、お前らのおかげで助かったぜ。」


海堂「気にすんな、ちゅーかこうやって苦しんでいる人間を見捨てられないのが俺さまのいいとこだ!」


結花「海堂さんったら、けど乾さん。私たちが成し遂げられなかった想いを…」


555「わかってる。
木場やお前たち、それに俺のようなオルフェノクや人間が共に生きていける世界を作る理想を必ず成し遂げてやるからな!」


結花「お願いします、もうこれ以上私たちのような悲しい運命を背負ったオルフェノクを生み出さないで…」


海堂「バッキャロー!せっかく会ったのに湿っぽい事言うんじゃねえ!
乾、俺さまからは特に何も言う事はねえが…まあその…ちゅーかあれだ!
絶対に負けんじゃねーよぞ!じゃあな!!」


その別れの言葉を最後に海堂と結花の魂はこの場から消えた。
一人残った555は亀裂の中へと入り落下したギガノイドの後を追った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

617: 2014/07/14(月) 23:23:58.21 ID:lH8IJ3p+0


~地下ゲート~


G3-X「さぁ、もうひと踏ん張りですよ!」


クロコダイルオルフェノク「OK!」


V-1「ちょっと琢磨さん!そんな撤去の仕方がありますか!?もっと秩序よく…」


センチピードオルフェノク「いえ、北條さんんあなたこそ!ここは最後に撤去すべきでしょ!」


れんげ「人間とオルフェノクが仲良く瓦礫を片付けてるんな!」


夏海「一時はどうなるかと思ったけどこれでこの世界はもう大丈夫だね!」


蛍「極一部なんかそっくりさん同士で喧嘩してる人たちもいますけどね…」


小鞠「あとは地下に閉じ込められているオルフェノクのみんなを助け出せばめでたしめでたしだよ!」


卓「」コクッ


人間とオルフェノクの共同作業を見てホッと一安心しているれんげたち。
しかしそれを快く思わない人物が…
(ナレーション:鈴木英一郎)


618: 2014/07/14(月) 23:25:21.35 ID:lH8IJ3p+0


南「おのれ…こうなれば最後の手段だ!G4!この場にいる者たち全てを殺せ!!」


G4「!」


((ギ…ギギ…))


「な、何だ!?」


「G4が再び動き出したぞ!」


「お、おい!俺たちは味方なのに…うわぁぁぁぁ!?」


再起動したG4は敵味方関係なく攻撃を開始する。
これはどういう事なのか?
小沢は唯一人、理由を知る南長官の胸ぐらを掴み問い詰めた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

619: 2014/07/14(月) 23:26:02.36 ID:lH8IJ3p+0


小沢「アンタ!一体何をしたの!白状しなさい!!」


南「く、苦しい…まあいい…冥土の土産に教えてやろう!
G4を暴走状態にしてやったんだ、これでもうG4は誰も止める事の出来ない修羅と化した!
人間とオルフェノクが共存なんて出来るわけが無い…
人間は間違いなくオルフェノクに殺される…そうなる前に…この場にいるオルフェノクを全て殺せば…」


小沢「そんな事をしたらこの場にいる人間たちだって氏んでしまうのよ!それにアンタだって…」


南「構うものか!
無様にオルフェノクに殺されるくらいならここで全員道連れにしてやるんだ!アーッハハハハハハ!!」


G3-X「うわぁぁぁぁぁ!?」


V-1「グゥッ!?」


蛍「あぁ…氷川さんや北條さんがやられちゃいました!」


小鞠「そんな…せっかくここまでなんとかなったのに…もうダメなの!?」


既に発狂して支離滅裂な発言を繰り返す南。
主人の命令を一切受け付けなくなり暴走状態に陥ったG4、その力は依然健在だ。
このまま人間もオルフェノクも滅んでしまうのだろうか?
(ナレーション:鈴木英一郎)

620: 2014/07/14(月) 23:26:43.80 ID:lH8IJ3p+0


ギルス「させるか!」


小鞠「葦原さん!?」


暴走状態に陥ったG4に対して今まで横たわっていたギルスが挑もうとしていた。
しかしギルスはこれまでのG4の猛攻の前に激しいダメージを負っていて満足に戦える状態ではなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)


小鞠「無茶だよ!葦原さんだってボロボロじゃ…」


れんげ「そうなん!大人しくしてるん!」


ギルス「フンッ、子供が遠慮する様な事を言うな!
せっかく希望が出てきたんだ、それなのに大人しく寝ていられるか!!」


G3-X「葦原さん…あなたは…」


ギルス「俺は…これまでずっと裏切られてばかりだった。
だが…そこにいる人間とオルフェノクの共存を望む子供たちの姿を見てもう一度信じてみたくなったんだ!
希望ってヤツをな!!
立て氷川!戦いはこれからだぞ!!」


G3-X「ハイ!うおおおお!!」


ギルスの励ましを受けて再び立ち上がるG3-X!
そんな彼らにもキングストーンの光が届けられた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

621: 2014/07/14(月) 23:27:41.06 ID:lH8IJ3p+0



((パァァァァァ!))



れんげ「これは…BLACKのキングストーンの光なん!」


小鞠「あれを見て!二人が!」


ギルス「この光は…」


G3-X「身体に力が漲る!」


二人もまたキングストーンの光を浴びてパワーアップする。
ギルスは再びエクシードギルスに、
G3-Xもガードチェイサーから超高周波振動ソードのGS-03デストロイヤーとアンカーのGA-04アンタレスを装備して、
G4に再度挑もうとする!
(ナレーション:鈴木英一郎)


エクシードギルス「「ガァァァァ!!」」


G3-X「GS-03、GA-04アクティブ!」


小沢「氷川くん、そんな接近戦の武器を持ち出してどうする気なの?まさか…」


G3-X「小沢さん、僕はあのG4の装着者のオルフェノクを助け出したいんです!
彼は南長官の所為で無理矢理兵器に改造された被害者です、彼を助け出す責任は僕たち警察にあるはず…
だからこの場を僕に預けてもらえませんか?」


氷川はこの状況下にも関わらず、G4の装着者であるクラブオルフェノクを助けようとする。
だがこの状況下ではさすがにそんな無茶な要求は通らないと思った氷川は自分一人でやろうとしたが意外にも…
(ナレーション:鈴木英一郎)

622: 2014/07/14(月) 23:28:37.99 ID:lH8IJ3p+0


小沢「さっき私は言ったはずよ、『自分の思う通りにやりなさい』って。
あのオルフェノクを助けたいというのがあなたのやりたい事なら構う事は無いわ!やりなさい!!」


V-1「まあ、私たちも援護くらいはしてあげますよ。
氷川さんの我が儘に付き合うのも昨日今日の事じゃありませんからどうぞお好きなようにやってください。」


G3-X「ハイ!!」


蛍「それでいいんですか警察の方々…?」


夏海「いいんだよ!こういう時はノリと勢いで解決だよ!!」


れんげ「大人は結構適当なのん。」


エクシードギルス「「ガァァァァァ!!」」


G3-X「アンカー射出!」


G4「!」


エクシードギルスはギルススティンガーを、それにG3-XもGA-04のワイヤーをG4の身体に縛り付けて身動きが取れないようにした!


エクシードギルス「今だ!俺がヤツの動きを止めている内に早くあのオルフェノクを助け出せ!」


G3-X「ハイ!」


小沢「助け出すならベルトのGバックルよ!
あれに付いている緊急解除スイッチを作動させればG4は動かなくなりオルフェノクを救い出す事が出来るわ!」


G3-X「了解!!」


G4「グゥゥ!!」


身体を固定され身動きの取れないG4に接近するG3-X。
だがG4の戦闘意識は健在で、GM-01改四式を連射してG3-Xが近付くのを阻止する!
(ナレーション:鈴木英一郎)

623: 2014/07/14(月) 23:29:45.57 ID:lH8IJ3p+0


G3-X「今だ!」


((ガシャンッ!))


G4の緊急解除スイッチを作動させたG3-X!
G4の中から出てきたクラブオルフェノクを受け止めて急いで脱出しようとする。

だが…

(ナレーション:鈴木英一郎)


((ガシッ!))


G3-X「何だ!?」


既に装着者が離脱したというのにG4の腕がG3-Xの身体を掴んで離そうとしなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


小鞠「そんな…何であのアーマーみないなのが勝手に動いてるの!?」


夏海「恐っ!まるでホラーだよ!?」


V-1「小沢さん、これはどういう事ですか!」


小沢「これは…G4のAIの所為ね…」


小沢の言う通りこれはG4の仕業であった。
クラブオルフェノクという装着者を失ったG4は新たな装着者を求めてG3-Xこと氷川に目を付ける。
そして彼に憑りつくように迫ってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

624: 2014/07/14(月) 23:30:18.17 ID:lH8IJ3p+0


エクシードギルス「このままじゃ氷川が!」


蛍「氷川さん逃げて!」


G3-X「ダメだ…身動きが取れない!」


G4は装着者を失ったとはいえその力は未だに健在である。
このまま氷川はG4の新しい装着者と化してしまうのか?…と思ったその時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ドーン!))


((ドシーンッ!!))


蛍「今度は一体何なんですか!?」


夏海「なんか上から落ちてきたよ!」


小鞠「上からって…あーーー!?」


れんげ「あれは確か…」


625: 2014/07/14(月) 23:31:43.05 ID:lH8IJ3p+0


上から落下してきたのはクウガと戦っていたアークオルフェノク。
アギトと戦っていたドラゴンオルフェノク、それに555が戦っていたギガノイドの三体であった。
ちなみにこの怪人たちが落下してきたおかげでG4の拘束が解けてG3-Xはクラブオルフェノクを連れて脱出する事が出来た。
(ナレーション:鈴木英一郎)


G3-X「助かった、けどこの怪人たちは…?」


小鞠「上でクウガや555たちが戦っていたオルフェノクたちだよ!」


蛍「そうなるともしかして…」



((ブオンッ!))



その時、この地下ゲートにバイクの排気音が響き渡る。
それはこの場所にクウガ、アギト、555のバイクが集結する音であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガアルティメットF「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック!」


一条「相変わらずその名前長過ぎだぞ五代!」


小鞠「クウガに一条さんだよ!」


アギトシャイニングF「今度こそあいつを倒す!」


夏海「アギト!」


555「これでこの戦いに決着を付けてやるよ!」


れんげ「555なん!これでこの世界の仮面ライダーたちが全員集結したのん!!」


G3-X「葦原さん!僕たちも行きますよ!」


エクシードギルス「そうだな、あいつらにだけ任せておけるか!」


そしてG3-Xとエクシードギルスもそれぞれのバイクに乗り込み、ライダーたちはバイクで怪人たちに突進を仕掛けた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

626: 2014/07/14(月) 23:33:32.23 ID:lH8IJ3p+0



((ブオオオオオンッ!!))





「「「「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」」」」





蛍「この世界の仮面ライダーたちのオールライダーブレイクが決まりました!」


夏海「よっしゃー!けどまだ怪人たちは生きているよ!」


ライジングビートゴウラム、マシントルネイダー、ガードチェイサー、ギルスレイダー、
そしてオートバジンによるライダーブレイクを決めたライダーたちはバイクから飛び降りて空高くジャンプする!
(ナレーション:鈴木英一郎)

627: 2014/07/14(月) 23:34:32.91 ID:lH8IJ3p+0


((バッ!))


クウガアルティメットF「え~と、初めましてな人も結構いますよね?」


アギトシャイニングF「そうですね、まだ自己紹介すらしてないような…」


エクシードギルス「そんなのは戦いが終わってからでいいだろ。」


G3-X「えぇ、戦いが終わったらいくらでも時間がありますからね!」


555「じゃあ行くか!!」


628: 2014/07/14(月) 23:35:03.83 ID:lH8IJ3p+0


蛍「あ、そうだ!今ならファイズブラスターで…」


夏海「こんな時にほたるんが玩具で遊んでる!まったく子供だなぁほたるんは…」


蛍「ち、違います!
このファイズブラスターに夏海先輩が持っていたファイズフォンを取り付けて変身コードを再入力すれば…」


『Standyng by』


『Awakening』


555ブラスターF「うおおっ!俺もパワーアップした!?」


蛍「ハイ完成しました!仮面ライダー555ブラスターフォームです!!」


小鞠「映画で観たのと同じ姿だね!」


れんげ「カッコいいのん!」


卓「」コクッ


パワーアップを終えて既に最後の攻撃の態勢に入るライダーたち。
最後にれんげたちはファイズサウンダーを通じて大きな声である言葉を送った…
(ナレーション:鈴木英一郎)

629: 2014/07/14(月) 23:35:38.70 ID:lH8IJ3p+0








「「「「「頑張れーーーー!!仮面ライダー!!!!!」」」」」









『頑張れ、仮面ライダー!』


その声援はこの世界の仮面ライダーたちの心に伝わった。そして…
(ナレーション:鈴木英一郎)

630: 2014/07/14(月) 23:36:56.25 ID:lH8IJ3p+0


555ブラスターF「仮面ライダー…?俺たちが?」


クウガアルティメットF「いいんじゃないかな、みんな仮面ライダーで!」


アギトシャイニングF「そうですね!俺は仮面ライダーアギトで!」


G3-X「僕は仮面ライダーG3-Xですか、悪くはありませんね!」


ギルス「無駄口はもういいだろ!さっさと決めるぞ!」


蛍「ライダーたちが最後の攻撃を仕掛けるみたいですね!」


小鞠「それじゃあ必殺技だね!」


夏海「ライダーの必殺技といえば…」


れんげ「ライダーの必殺技といったらあれっきゃないのん!」




「「「「ライダーキックだね!!!!」」」」




卓「」コクッ


631: 2014/07/14(月) 23:37:53.79 ID:lH8IJ3p+0


クウガアルティメットF「「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


アギトシャイニングF「「ハァァァァァァァァァァ!!」」


エクシードギルス「「ウガァァァァァァァァ!!」」


G3-X「「うおおおおおおおお!!」」


仮面ライダーたちの必殺技ライダーキックが放たれた!
クウガアルティメットFのアルティメットキックを先頭に、
アギトシャイニングFのシャイニングライダーキック、エクシードギルスのエクシードヒールクロウ、
G3-Xのキックと必殺技が…
アークオルフェノク、ドラゴンオルフェノク、ギガノイド、それにG4と怪人たちに次々と炸裂する!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

632: 2014/07/14(月) 23:38:46.24 ID:lH8IJ3p+0


そして最後に…


蛍「それじゃあ555も…
私がファイズブラスター持っているからボタン押さないと必殺技放てないんですよね。
え~と…確か[5532]のコードを入力してENTERと…」



555ブラスターF「「ダァァァァァァァ!!」」



れんげ「555のライダーキックなのん!」


蛍「あれは…555ブラスターFの超強化クリムゾンスマッシュですね!!
その威力は30tと正直他のライダーと比べると微妙な威力ですが、
ブラスターFのより強化されたフォトンブラッドを叩き込んだ技なのです!!!!」


小鞠「蛍はこんな時でも説明頑張ってるね、えらいえらい♪」


蛍「うへへ、先輩に褒められちゃいました♡」


555ブラスターFの超強化クリムゾンスマッシュが止めの一撃として放たれた!




((ドッガァァァァァァン!!))




仮面ライダーたちの攻撃を喰らい怪人たちは爆散、そこにはオルフェノクの氏の証である大量の灰が残っていた…
(ナレーション:鈴木英一郎)


633: 2014/07/14(月) 23:41:14.62 ID:lH8IJ3p+0


一条「終わったな五代…」


クウガアルティメットF「一条さん、俺…思うんです。
戦ってみてわかったんですけどあのオルフェノクの王はたぶんまだ子供だったんじゃないのかなって…」


一条「子供だと…?」


クウガアルティメットF「はい、それもたぶん善悪も区別できない程の子供じゃあ…
だからあの王はあそこまで冷酷になれたんじゃないのかなって。
でもいつか彼が生まれ変わったら…その時は…」


そんな悔いの言葉を遺すクウガ、それはアギトたちも同じであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


G3-X「終わりましたね、これでG4システムは跡形も無く破壊できました!」


エクシードギルス「あぁ、これでもう不幸な目に合う人間もオルフェノクもいなくなったわけだ…」


アギトシャイニングF「あのオルフェノク…救う事は出来なかった。」


センチピードオルフェノク「仕方ありませんよ、北崎さんはオルフェノクの中でも特殊な人だったから…」


小沢「全ての者たちを救えるほどアギトもまた全能ではないのよ。
あなたは今回救えるべき者たちを救えた、今はそれだけを考えなさい。」


それぞれの戦いに決着がついた。
彼らのおかげで大勢の者たちが救われた、だが…
もっと他に良い解決の仕方があったのではないかと悔いてならない者たちも少なくはなかった。
そんな中555たちも…
(ナレーション:鈴木英一郎)

634: 2014/07/14(月) 23:42:22.01 ID:lH8IJ3p+0


555ブラスターF「まったく、道理であれだけ探してない訳だ。
お前らが俺の携帯持って行っちまったんだからな…」


夏海「あはは、ゴメンね…」


れんげ「けど555も勝ててよかったんな!」


555ブラスターF「あぁ、もしかしたらこれはお前らの…」


ロブスターオルフェノク「まだよ!まだ終わってないわ!!
私はオルフェノクと人間が共存する道なんて認めたくないわよ!!」


センチピードオルフェノク「冴子さん…あなたはまだ…」


夏海「おばちゃんまだあんな事言ってるよ、ウチの母ちゃんみたいな更年期障害なんかね?」


ロブスターオルフェノク「それとそこの失礼な子供も許せないわ!!」


蛍「夏海先輩は冴子さんに後でちゃんと謝っておいてください。」


555ブラスターF「まあ何にせよだ、これで全部終わった。あぁ、全部終わったんだ…」


クロコダイルオルフェノク「Yes.チャコオイデ。」


チャコ「ワンワン!」


全ての戦いに決着が着き、これで何もかもが終わった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

641: 2014/07/16(水) 19:39:23.17 ID:51yA5gfn0


一条「では我々はこの瓦礫の撤去作業を再開しよう!」


クウガアルティメットF「俺たちも手伝います。」


小沢「蛍ちゃん、あなたたちはここで待っているのよ!」


瓦礫の撤去作業を始める大人たち、そんな彼らの姿を見守る中で蛍は何か引っ掛かるものを感じていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「…」


蛍「そういえば何か引っ掛かっているような…?」


蛍「何でしょうか、このまるで何かがしっくりこないような違和感は…?」


蛍「はて…?」


642: 2014/07/16(水) 19:41:02.38 ID:51yA5gfn0


何か心に引っ掛かるモノが残る蛍、そんな時…


夏海「どーよ姉ちゃん、これチャコって犬なんだ。ウチらの村じゃ見た事ない犬っしょ!」


小鞠「うわぁ、可愛い♪おいでチャコ!」


チャコ「ワンワン!」


蛍「……チャコと戯れている先輩可愛い♡
じゃなくて!そういえば………翔一さんのレストランにいたはずのチャコがどうしてここにいるんですかーーー!?」


夏海「そりゃ勿論自力でここまで来たんじゃないの?ほら、犬って忠犬多いじゃん!
きっと飼い主を捜して三千里とかって感じだよ!」


蛍「あのレストランからこのスマートブレイン社まで何キロあると思ってるんですか!
私たちだってバイクに乗ってきたのにこんな運動が不向きなチワワが一匹で走ってこられる距離じゃありませんよ!?」


小鞠「え~とつまりどういう事?」


蛍「つまり…誰かがチャコをここに連れて来たんですよ!!」


ようやくチャコがこの場所にいる事に疑問を感じた蛍。
その頃、戦いを終えた555はミナに話しかけようとするが…

643: 2014/07/16(水) 19:42:51.70 ID:51yA5gfn0


555ブラスターF「ミナ、これで全部終わった。さあ、帰ろうぜ。」


ミナ「まだ…なんだ…」


555ブラスターF「何…?」


ミナ「まだ終わっちゃいないんだ!」


まだ終わってはいない、それはどういう事なのかとミナに問おうとしたがそこに驚く声が…
(ナレーション:鈴木英一郎)



夏海「「おわぁぁぁぁぁ!?」」



れんげ「なっつん!どうしたん!?」


夏海「い、いや…大した話じゃないんだけど…ベ…ベルトがひとつだけ無くなってるんだよね…?」


蛍「それ思いっ切り大した事じゃないですか!無くなったのはデルタのベルト…一体誰が…!?」


不審に思った蛍は辺りを見回すが、大人たちは全員瓦礫の撤去作業をしておりベルトを盗むような者などいるはずがなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

644: 2014/07/16(水) 19:43:45.54 ID:51yA5gfn0


蛍「おかしいですね、誰も盗んだような素振りないんですけど…」


夏海「じゃあ一体誰が…?」


蛍「そういえば…
さっきアギトがラッキークローバーの人たちと戦っていた時に真理さんのとこに別働隊を送ったと言ってましたよね!
もしかしてチャコをここに連れて来たのはその別働隊の人たちじゃ…!?」


小鞠「それじゃあ真理さんが危ないよ!?」


夏海「けど別働隊って一体何処の誰なんか全然わかんないじゃんかよー!」


小鞠「ちょっと待って!そういえば確か…」


れんげ「スマートレディが言ってたのん、ミナさんが生き返った時に水原も生き返ったって…
もしかしたら!」


蛍「じゃあまさかベルトを盗んだ犯人は!?」


蛍たちがベルトを盗んだ犯人を突き止めたその時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

645: 2014/07/16(水) 19:44:50.72 ID:51yA5gfn0



水原「ハーッハハハハハハ!やった!遂に俺は…王のベルトを手に入れたぞ!!」



蛍「あれは…水原さん!?」


555ブラスターF「お前…どうして…!?」


確かに先ほどのスマートレディとの会話で巧は水原の生存を何気に耳にしていたが、
こうして直で彼が生きている光景を目の当たりにすると驚きを隠せなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


水原「その女から聞いたはずだろ、俺もオルフェノクとして生き返ったんだよ!
俺はこのベルトが欲しくてスマートブレインに入ったんだよ!変身!!」


『standyng by』


『complete』


デルタ「これだよ、この力!これが欲しかったんだ!!」


そして三本のベルトのひとつであるデルタのベルトを手にした水原は仮面ライダーデルタに変身。
手にした力に実感して喜びに浸っていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


ロブスターオルフェノク「とにかくよくやったわ!
ベルトを取り戻せば私たちオルフェノクにももう一度勝機があるはずよ!!」


センチピードオルフェノク「冴子さん…いい加減に!」


デルタの力を手にした水原を引き入れようとするロブスターオルフェノク。
ベルトさえあればオルフェノクだけの世界を再び作り出せると確信していたからだ。
だが水原の真意は…違った…!
(ナレーション:鈴木英一郎)

646: 2014/07/16(水) 19:46:12.70 ID:51yA5gfn0


デルタ「Fire!」


((ダンッ!ダンッ!ダンッ!))


ロブスターオルフェノク「イヤァァァァァ!?」


センチピードオルフェノク「冴子さん!?」


クロコダイルオルフェノク「サエコ!!」


デルタ「今まで散々俺の事を見下して扱き使いやがって!誰がお前らオルフェノクどものための世界なんか作るかよ!
それにしてもミスターJ、アンタが飼っているバカ犬の所為で多少面倒な目にあったんだぜ。
俺の事を噛みつくは吠えるわで、まあ飼い主のアンタを見るなりこっちから離れて行ったがな。」


クロコダイルオルフェノク「What?」


れんげ「チャコを連れて来たのは水原だったんな!」


蛍「それにしてもオルフェノクのための世界を作るのが目的じゃないなら水原さんの目的は一体…?」


デルタムーバーでロブスターオルフェノクを撃ったデルタ。
オルフェノクとなった水原が何故同類であるオルフェノクを撃つのか?
疑問を感じる蛍たちだが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

647: 2014/07/16(水) 19:48:18.27 ID:51yA5gfn0


ミナ「あいつは…水原の目的は…オルフェノクの世界を作る事なんかじゃない!」


555ブラスターF「ミナ!お前…あいつのやろうとする事がわかるのか?」


ミナ「あたし…あいつが以前呟いてた事を思わず聞いちまったんだ。水原の目的は救世主になる事なんだ!」




「「救世主!?」」




蛍「救世主って真理さんが言っていたあの救世主ですか?」


小鞠「けどこの世界の救世主は…」


れんげ「この世界の救世主は555なのん!」


ミナ「そうだ、だから水原は555…いや隆に代わって人間たちの救世主になろうとしているんだ!」

648: 2014/07/16(水) 19:49:49.56 ID:51yA5gfn0


夏海「ちょ…ちょっと待ってよ!それ意味わかんないよ!?」


555ブラスターF「そうだ、オルフェノクが人間の救世主とか…あいつがそんなお人好しには見えないぞ!?」


デルタ「心外だなおい!
俺は…姿形はこの通りオルフェノクになっちまったが心はずっと人間のままだ!
だからずっと待っていたのさ、ベルトを手に入れてオルフェノクたちを根絶やしにするこの時をな!!」


れんげ「な、何を言っているのか訳がわかんないのん…?
もう戦う必要なんてないのん!みんな仲良くなったのん!!」


れんげの言う通りであった。
少なくともこの場にいる人間とオルフェノクは共存の道を歩もうとしているのだが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


ミナ「あいつは…オルフェノクになった時に狂っちまったんだ!だからあんなわけのわかんない事を…」


555ブラスターF「おい水原!お前の事情なんてどうでもいい!さっさとベルトだけ置いてここから消えろ!!」


水原にベルトだけ置いてこの場から立ち去るように諭す555。
戦力的に見れば今の555ブラスターFにデルタが勝てる見込みは無い。
状況的には水原の不利ではあるが水原とて何の策も無くこの場に現れた訳ではなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

649: 2014/07/16(水) 19:50:29.63 ID:51yA5gfn0


デルタ「こいつを見てまだそんなデカい口を叩けるか?」


れんげ「デルタが女の人を抱えてるん!」


蛍「あの女の人は!?」


夏海「おいおい!どうなってんだよこれ!?」


小鞠「そ、そんな…!?」


デルタが抱えている少女の顔を見て驚くれんげたち。
そして攻撃を仕掛けようとした555もデルタが抱えている少女を見て思わず躊躇してしまう!
(ナレーション:鈴木英一郎)

650: 2014/07/16(水) 19:53:13.18 ID:51yA5gfn0


555ブラスターF「おい…嘘だろ…何でこんな事に…」


デルタ「わかったか。
この女を無事に返してほしければ大人しくしているんだな!3821、来いジェットスライガー!!」


呼び出したジェットスライガーに乗り込みその場を後にする。
555は追いかけようとするがデルタの支配下に置かれた5機のジェットスライガーがその行く手を阻んだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)


デルタ「わかったら追いかけてくるなよ!うん…?何だこの灰は!?あっち行け!!」


555ブラスターF「おい待て!」


555ブラスターF「頼む…行くな!」


555ブラスターF「真理…真理ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」


デルタが連れて行った少女、それは巧の友である園田真理であった。
力強く真理の名を叫ぶ555、しかし非情にもデルタを乗せたジェットスライガーは飛び去ってしまった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

666: 2014/07/17(木) 21:00:47.37 ID:Sc6vK0Zp0


蛍「そんな、真理さんが…」


れんげ「連れて行かれてしまったのん!」


夏海「大変じゃん!急いで助けに行かなきゃ!」


小鞠「けど…あ…あれ!?」


((ドンッ!)) ((ドンッ!)) ((ドンッ!))


 
「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


一難去ってまた一難、その言葉通りにジェットスライガーの攻撃が迫ってきた!


555ブラスターF「クソッ!こいつら邪魔すんな!」


チャコ「クゥ~ン…」


((ガシャンッ!))


れんげ「あぁーっ!チャコが持ってた小瓶を落っことしたん!?」


夏海「今はそんな事気にしてる場合じゃないって!」


卓「」コクッ


そう言いながられんげとチャコを抱えて逃げる夏海と卓。
しかしジェットスライガーは自動操縦で容赦なく襲い掛かってきた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

667: 2014/07/17(木) 21:01:37.00 ID:Sc6vK0Zp0


夏海「もうダメー!夏海ちゃん走れない!?」


れんげ「なっつん!諦めちゃダメなん!こういう時こそ…」


クウガアルティメットF「俺たちの出番だね!」


アギトシャイニングF「ハァッ!」


蛍「クウガにアギト!」


エクシードギルス「俺たちも!」


G3-X「忘れないでください!」


小鞠「G3-Xにギルス!」


そして反撃が始まった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

668: 2014/07/17(木) 21:02:30.85 ID:Sc6vK0Zp0




「「「「ハァァァァッ!!」」」」




クウガアルティメットFの超自然発火能力!
アギトシャイニングFのシャイニングカリバーによるシャイニングクラッシュ!
G3-XのGXランチャー!エクシードギルスのギルススティンガーが炸裂!!


『Blaster Mode』



555ブラスターF「こいつで最後だ!!」



((ドヴァァァァァァ!!))



そして最後に555ブラスターFのエクシードチャージした、
ファイズブラスター・フォトンバスターモードのフォトンバスターが命中!
駆けつけたライダーたちの活躍で5機のジェットスライガーは見事に大破した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

669: 2014/07/17(木) 21:03:42.93 ID:Sc6vK0Zp0


555ブラスターF「ようやくぶっ倒したぜ!けど真理が…」


クウガアルティメットF「早く後を追って!」


アギトシャイニングF「そうだ、大切な人は絶対に守らなきゃ!」


G3-X「僕たちはまだ救助活動をしなければいけないので行けませんが…」


エクシードギルス「大事な人なんだろ、行け!!」


555ブラスターF「ありがとな、じゃあここは任せたぜ!」


小鞠「待ってよ~!」


れんげ「ウチも付いて行くのん!!」


夏海「みんな、兄ちゃんがオートバジンに乗れって!これでウチらも真理さんの後を追うよ!!」


卓「」コクッ


蛍「けどさっきのジェットスライガーが足止めした所為で時間が過ぎちゃいましたよ。
もしかしたら既に真理さんはもう…」


こうして555ブラスターFとオートバジン、それにオートバジンに乗り込んだれんげたちはデルタの後を追って飛び立った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

670: 2014/07/17(木) 21:06:45.89 ID:Sc6vK0Zp0


===

=====

=======


その少し前の事である。
ライダーたちがジェットスライガーを撃破している最中の事であった。


啓太郎「もう…翔一さんも蛍ちゃんたちも…みんなどこ行っちゃったんだよ~!?」


みんなと逸れてしまい、たった一人でスマートブレイン社内を彷徨っていた啓太郎。
するとチャコが小瓶を落とした場所から聞き覚えのある声が…それも…恨みがましく聞こえる奇妙な声が聞こえてきた…


「おのれ…水原ぁ!」


「よくも…」


「よくも真理を…許すものか!絶対に………!!」


啓太郎「なっ…何だあれ!?ひぃぃぃぃっ!?」ガクッ


その得体の知れない何かを目撃してしまい思わず気絶する啓太郎。
実はチャコが落とした小瓶は先ほど野村博士がチャコに託した『変身913発』であった。
その小瓶から流れ出た液体は先ほどデルタに纏わりついていた灰に触れてしまい、
そこからまるで人の形をした何かに姿を変えようとしていた。
そしてそれは蛍たちが持っていた最後のベルトであるカイザギアを手にすると、
サイドバッシャーに乗り込み誰にも知られずに何処かへ立ち去ってしまった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

678: 2014/07/18(金) 19:58:46.63 ID:8/VXujD40


~コロシアム~


ここは蛍たちがこの世界に最初に現れた場所であるコロシアム。
既に荒れ果てたこの場所に水原は昏睡状態の園田真理を連れてきていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


水原「ここはあの時、お前が氏に損なった因縁のある場所だ。
お前の氏に場所に最も相応しい場所だな!さぁ、ここで氏ね!園田真理!!」


水原が真理を手に掛けようとしたその時であった!


((ダーンッ!))


一発の銃弾が水原を目掛けて放たれた!
水原はすぐにデルタに変身して難なく避けたがこれは一体誰の攻撃なのかと辺りを見回した。


水原「555!今のは555か!?」


今、自分の邪魔をする者は555しかいないと思った。だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

679: 2014/07/18(金) 19:59:47.79 ID:8/VXujD40



((ブオンッ!)) ((ブオンッ!))



??「よくないなぁ、女の子を虐めようとするなんて…」


水原「こいつは…555じゃない…?」


サイドバッシャーの排気音を響かせて一人の男がこのコロシアムに現れた。
その姿はかつてエラスモテリウムオルフェノクの魔の手から真理を救出しに来た巧とまさに同じシチュエーションなのだが…
たったひとつ違う事があった。
それは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

680: 2014/07/18(金) 20:00:16.86 ID:8/VXujD40


??「555?失礼だなキミは、この俺をあんなヤツと見間違えるとは…」


水原「待てよ…お前は!?」


まるで幽霊でも見るような顔で驚く水原!
それそものはず、今水原の目の前にいるこの男は本来なら既に氏んでいるはずのあの男なのだから!!
(ナレーション:鈴木英一郎)


水原「な、何でお前がここにいる!?お前は氏んだはずじゃ…」


??「さあね、気が付いたら生き返っていたんだ。
まあそんな事はこの際どうでもいい、ところでキミ…オルフェノクになったんだって?
俺の目の前に現れた薄汚いオルフェノクがどうなるか知らないはずじゃないよな…」


そう言って男はサイドバッシャーからカイザギアを取り出す。
それもテキパキといつも使い慣れている動作でベルトを腰に装着させてカイザフォンに変身コードを入力する。
(ナレーション:鈴木英一郎)

681: 2014/07/18(金) 20:01:27.66 ID:8/VXujD40


水原「お前は…お前は…何で生きているんだ!草加雅人ーーーーーー!!??」


『standyng by』


草加「だから、知らないと言っているだろうが!変身!!」


『complete』


そして黄色に光るフォトンブラッドに包まれ仮面ライダーカイザがその姿を現す。
装着者の名は草加雅人。
かつて三本のベルトのカイザギアの所有者でもあったが帝王のベルトである仮面ライダーサイガによりその命を断たれた。
しかし野村博士が新開発した『変身913発』の偶然の効果によりこうして意外な形で復活を遂げたのであった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

682: 2014/07/18(金) 20:02:00.03 ID:8/VXujD40


水原「草加…アンタ本当に草加雅人なのか!?」


カイザ「さっきからそう言っているだろ、まったく相変わらず鈍いんだよキミは…」


水原「あぁ、アンタが復活してくれるなんて願ったり叶ったりだ!
オルフェノクを嫌うアンタなら俺の同志になってくれるはずさ!!」


カイザ「キミの、同志だと…?」


水原「そうだ!
かつて俺たち人間解放軍はオルフェノクたちに何度も襲撃を受けて散々な目に合わされてきた!
あの屈辱の日々はオルフェノクになっても忘れられねえ…
だが今は違う、俺は王のベルトを手に入れてどんなヤツにも負けない強さを手に入れた!
それにアンタのカイザの力があれば俺たちは無敵だ、手を取り合って一緒に戦おうぜ!!」


そう言って水原はカイザに手を差し伸べた。しかしカイザは…


カイザ「……どうもキミの話は矛盾だらけで理解に難しいんだが…
では何故そこにいる園田真理を捕まえてきたんだい?」


水原「あぁ、この女は…
この女の体内にあるオルフェノクの因子はオルフェノクのヤツらが仲間を増やすらしいからな。
生き残っている人間たちが全員オルフェノクになったら大変だから頃しておこうと思ったんだ。
それがどうかしたのか?」


カイザ「なるほど、真理を頃すためにか…ハァ…」


まるで呆れた声でため息をするカイザ、彼は水原に近付きながら誘いに対する返答をする。
それも鉄拳制裁の形で…
(ナレーション:鈴木英一郎)

683: 2014/07/18(金) 20:02:48.13 ID:8/VXujD40


カイザ「フンッ!」


((バキッ!))


デルタ「がはぁっ!!草加…一体何を!?」


カイザショットを装備して水原にグランインパクトを決めようとするカイザ。
しかし水原も瞬時にデルタに変身したおかげでなんとかそのダメージを防いだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


デルタ「な、何をするんだ草加!俺たちは共にオルフェノクを憎む者!敵じゃないはずだ!?」


カイザ「いいや、お前は既に俺の敵だ!
何故ならお前は既に………俺がこの世で最も忌み嫌う薄汚いオルフェノクじゃないか!!!!」


『ready』


腰に装備されているカイザブレイガンを取り出し斬りかかるカイザ!
最早交渉の余地無しと判断したデルタも応戦、デルタムーバーで撃ち返しながらジェットスライガーのミサイルでカイザを撃とうとしていた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

684: 2014/07/18(金) 20:03:31.10 ID:8/VXujD40


デルタ「馬鹿なヤツだ草加雅人!こうなればお前を頃すだけ、やれーーーー!!」



((ドーーーーーンッ!!))



ジェットスライガーから放たれたミサイルがカイザを目掛けて命中しようとする。
だが…


カイザ「舐めるな!この程度の修羅場、今までどれだけ乗り越えてきたと思っている!!」


『exceed charge』


カイザブレイガンからミサイルに対して黄色の光弾を放たれ目標をポイントする。
そして動きを拘束されたミサイルにカイザブレイガン・ブレードモードのカイザスラッシュが炸裂した!
(ナレーション:鈴木英一郎)


カイザ「「イィィィィヤァァァァァァ!!」」


((ズバッ!))


((ドッカァァァァァン!!))


ミサイルを逆に攻撃してその身を守ったカイザ、それにジェットスライガーも…


サイドバッシャー「!」


((ガシッ!))


サイドバッシャーがバトルモードとなりジェットスライガーを拘束してその動きを止めていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

685: 2014/07/18(金) 20:07:44.51 ID:8/VXujD40


カイザ「これでもう小細工は使えないな。まったく解放軍に居た頃からキミは姑息な事ばかりしていたね。
正直見苦しいなと思っていたけどなぁ…」


デルタ「黙れ!!
何故だ…?俺は人間のために行動をしているのに…
俺こそが救世主のはずなのに…どうして誰も俺のやる事をわかっちゃくれないんだ!?
草加!アンタなら…俺と同じオルフェノクを嫌うアンタなら俺の同志になってくれると思っていたのに!!」


カイザ「何を勘違いしているのか知らないが…
俺はキミが救世主になろうがオルフェノクを憎もうが正直どうでもいいんだ。
だがな、たったひとつだけ…お前はやってはいけない事をしてしまった…!」


デルタ「や、やってはいけない事…?」


カイザ「俺の目の前で、真理を殺そうとした事だ!!」



『exceed charge』



カイザ「「ディィィィヤァァァァァァ!!!!」」



デルタ「う…う…うおおおおお!!」


((ガカッ!!))



そしてカイザのゴルドスマッシュとデルタのルシファーズハンマーの互いのライダーキックが激突する!
威力だけならデルタの方が有利なのだが真理を傷つけようとした水原に対して草加の怒りが爆発!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

686: 2014/07/18(金) 20:10:20.59 ID:8/VXujD40



水原「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」



カイザのゴルドスマッシュに負けた水原は変身が解けてしまいデルタのベルトは吹っ飛ばされてしまった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


草加「フンッ、デルタのベルトは返してもらうぞ。これは父さんが俺たち流星塾生にくれた物だ。
お前如き薄汚いオルフェノクが扱っていい代物じゃない。そして真理もな…」


真理とデルタのベルトを取り返した草加。
真理を連れてさっさとこの場から立ち去ろうと思ったその時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ザザーッ))


草加「は…灰が…どういう事だ!?」


実は草加が復活する際に使われた変身913発だが未完成であった。
本来なら灰と化した人間を甦らせるなど出来るはずもない事をやってのけただけでも奇跡のはずだが…
それもわずかの時間だけだったようだ。
草加雅人の身体は再び元の灰に戻ろうとしていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


草加「おのれ…せっかく甦ったと思ったのに!」


忌々しく己の身に起こった事を嘆く草加。
だがその傍らには想いを寄せる真理が静かに眠っていた…


草加「真理…忘れないでくれ…俺の事を…お前を救ったのは乾じゃない。この俺…草加雅人だという事を…」


その事だけを言い残して草加は再び灰と化した。
結局このカイザの活躍は誰にも知られる事もなく終わる。
そして眠っている真理の傍らには灰に塗れたカイザのベルトだけが残った…
(ナレーション:鈴木英一郎)

692: 2014/07/19(土) 18:32:38.70 ID:3869/RHR0


水原「うぅ…草加雅人め!よくも…」


先ほどのカイザの攻撃を喰らいながらもなんとか立ち上がった水原…
普通なら間違いなくやられていたはずだったがデルタに変身していたために悪運強く生き残っていた。
するとそこへ後を追ってきた555たちがやってきた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


555ブラスターF「「水原ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


蛍「よかった、真理さんは無事ですよ!」


夏海「それにデルタのベルトと…あれ?何でカイザのベルトまで?」


小鞠「なんかカイザのベルトだけ灰だらけだよね、どうしてだろ?」


卓「?」


れんげ「しかも水原に至っては既にボコボコなのん!一体誰にやられたのん?」

693: 2014/07/19(土) 18:34:10.19 ID:3869/RHR0


水原「うぅ…このままじゃやられる…!」


((オォォォォ!))


555ブラスターF「オルフェノクに変化したな!
だがなぁ、真理にまで手を出したお前を許しちゃおけるか!叩き潰してやる!!」


『Blade Mode』


555ブラスターF「ウラァァァァァッ!」


オリーブオルフェノク「ぐっ…!?」


怒りに燃える555はファイズブラスターをフォトンブレイカーモードに切り替え、
水原が変化したオリーブオルフェノク斬りかかる!
さすがの猛攻にオリーブオルフェノクはあっという間に追い詰められてしまい…
(ナレーション:鈴木英一郎)

694: 2014/07/19(土) 18:35:02.90 ID:3869/RHR0


555ブラスターF「これで終わりだ!」


蛍「555が足にファイズポインターを装備しました、止めの必殺技にクリムゾンスマッシュを放つ気ですね!」


夏海「よっしゃー!行け555ー!!」


小鞠「真理さんを酷い目に合わせようとしたんだもん!やっちゃえー!!」


れんげ「555!一気に決めるのん!!」


卓「」コクッ


そして555は手に持っていた武器を投げ捨てて、
空高くジャンプしてそのままオリーブオルフェノク目掛けて一気に必殺のクリムゾンスマッシュを決めようとした!
(ナレーション:鈴木英一郎)


555ブラスターF「「ダァァァァァァァッ!!」」



オリーブオルフェノク「まだだ!俺はまだ…終ってたまるか!?」


最後まで足掻こうとする水原。
既に555ブラスターFのクリムゾンスマッシュはあと少しで命中寸前にまで達しようとしていた。
だが次の瞬間、誰もが予想しえないとんでもない事態が起きてしまう…
(ナレーション:鈴木英一郎)

695: 2014/07/19(土) 18:36:06.27 ID:3869/RHR0



((グシャッ!))



「「なっ!?」」



蛍「そ、そんな…」


小鞠「555の足が…足が…」


れんげ「グシャッて潰れてしまったのん!?」


夏海「まるで袋に詰めた砂が形を崩したみたいだよ…!」


卓「」コクッ




555ブラスターF「「う…ぐ…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!??」」




蛍「なっ…!?」


れんげ「555が急に苦しみ出したのん!」


((バタッ!))


555「う…うぅ…」


蛍「ブラスターFが解除されて元の555に戻ってしまいました!」


れんげ「一体どういう事なのん!?」


まさかの展開、あと一歩でオリーブオルフェノクにクリムゾンスマッシュが命中するかと思っていたが…
突然身体に不調を来した555、これは一体どういう事なのだろうか!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

696: 2014/07/19(土) 18:37:46.48 ID:3869/RHR0


オリーブオルフェノク「「ハハハハハハ!!」」


れんげ「水原が笑ってるん!何が可笑しいのん!?」


オリーブオルフェノク「これが笑わずにいられるか!こいつはな、この肝心な時に寿命がきちまったんだよ!!」



「「寿命!?」」



蛍「オルフェノクの寿命…そういえば巧さんはアークオルフェノクに大半の生命力を奪われて…」


小鞠「おまけにここまでかなりの戦闘を行って消耗したからそれで…」


555「ふざけんな!こんな肝心なところで寿命が尽きてたまるか…」


なんとか立ち上がろうとする555。
しかし既に右脚に感覚が無かく立ち上がる事は出来なかった、それもそのはず…
乾巧の右脚は既に灰と化してしまい存在してはいなかったのだから。
(ナレーション:鈴木英一郎)

702: 2014/07/20(日) 22:03:06.36 ID:5yb8vSlN0


オリーブオルフェノク「まったくツいてないな。
運に見放されて最期は園田真理じゃなくこんな縁も無いガキどもに見届けられながら氏ぬなんてよぉ!」


((ジャキッ!))


れんげ「水原が555の武器を手にしたのん!」


蛍「あれはさっき555がクリムゾンスマッシュを決めようとした際に投げ捨てたファイズブラスター!?
だから武器は投げ捨てちゃダメなんですよー!!」


オリーブオルフェノク「せっかくの武器だ!有効に使わせてもらうぜ!!」



((ドガァッ!)) ((バシィッ!!))



555「うっ…ぐがぁぁぁぁぁ!?」


オリーブオルフェノク「どうだ!苦しいか!だがなぁ、俺が殺された時の痛みははこんなモンじゃなかったぜ!!」


オートバジン『!』


オリーブオルフェノク「屑鉄が、お前は引っ込んでろ!」


((バシッ!))


オートバジン『…』


蛍「555を助けようとしたオートバジンが撃たれて吹っ飛ばされてしまいました!」


れんげ「555が一方的にやられているのん!」


小鞠「やめてよー!555に何の恨みがあるの!?」


オリーブオルフェノク「ざまぁ見ろ!この力…そうだ!やはり俺こそが人類の救世主なんだ!!」


ファイズブラスターを手にしたオリーブオルフェノクは、倒れた555に追い打ちを掛けるように攻撃を続ける。
一方的にやられるだけの555、この状況を目の当たりにしている子供たちには目を覆いたがるような光景であった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

703: 2014/07/20(日) 22:04:12.14 ID:5yb8vSlN0


蛍「水原さん…一体何でそこまで救世主に拘るんですか!?」


蛍の疑問は最もであった。
既に水原は人間ではなくオルフェノクと化した者、
そんな水原が人間の救世主でありたいという理由が子供たちには理解出来なかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


オリーブオルフェノク「いいさ、教えてやろう。
この世界がオルフェノクによって支配され…人間はまるで捨てられたペットのようにゴミ溜めのような場所に追いやられた。
誰もが絶望に陥った、そんな時にそこで呑気に寝てやがる園田真理がこう言ってたんだ!」



『555は闇を切り裂き、この世に光をもたらす!』



オリーブオルフェノク「そんな言葉を俺は信じちゃいなかった!
くだらねえ!唯の夢物語だ!この世に救世主なんていやしない!ってな…
だがそんな時…救世主が現れた、この男…乾巧がな!!」


555「俺が…?」


小鞠「それなのにどうして…!」


704: 2014/07/20(日) 22:05:43.53 ID:5yb8vSlN0


オリーブオルフェノク「だがこいつは何だ!?
今まで俺たち人間解放軍がオルフェノクたちを相手に血みどろになって戦っていたのに…
何処か戦いとは関係ない場所でぬくぬくと生きていやがった!
俺が…俺の方が…一番戦ってきたんだ!オルフェノクたちとどれだけ戦ってきたと思っていやがる!!」


蛍「それは記憶喪失の所為で…」


オリーブオルフェノク「しかもそれだけじゃない!
こいつは木場勇治たちと同じオルフェノクだったじゃねえか!?
その事をずっと隠していやがった、つまりこいつは仲間の振りをしてずっと俺たち人間の事を嘲笑っていたんだよ!!」


555「…」


オリーブオルフェノク「全てを知った俺は自分がオルフェノクになった身でもオルフェノクたちへの恨みを忘れなかった!
だから俺は決意したんだ!全てのオルフェノクを滅ぼそうとな!!
そうだ、この俺こそが人類の救世主なんだ!!!!」


705: 2014/07/20(日) 22:08:21.79 ID:5yb8vSlN0


水原の真意を知った555、それにれんげたち。
だがそれはあまりにも…


れんげ「勝手なん!」


オリーブオルフェノク「なん…だと…?」


小鞠「そ、そうだよ!そんな理由自分勝手過ぎるよ!?」


夏海「だねぇ、ウチよりも自分勝手な人見た事ないわ!」


卓「」コクッ


オリーブオルフェノク「身勝手だと…?ふざけるな!!俺の何が身勝手だと言うんだ!?」


蛍「そんな訳のわからない理想を押し付けている時点でかなりの身勝手じゃないですか!!
私も…転校生だから巧さんの疎外感はなんとなくわかるんです!
自分だけが他の人たちとちょっと違うとこがあるなって、けど…
こまちゃん先輩やれんちょん、それに夏海先輩やお義兄さんはそんな事気にもしないで私を受け入れてくれました!
けど…あなたたちは…
オルフェノクなのに人間との共存の道を選んだ木場さんたちを蔑んでいたじゃないですか!?」

706: 2014/07/20(日) 22:09:22.85 ID:5yb8vSlN0


蛍「あの時、解放軍の中で真理さんと啓太郎さん以外みんながオルフェノクの人たちの事を煙たがっていました!
そんな人たちの中でどうやって自分の正体を晒せというんですか!?」


小鞠「蛍の言う通りだよ!
正義のヒーローだって人間だよ!人に言えない事のひとつやふたつくらいあるもん!」


れんげ「巧たちだけが悪かったわけじゃないのん!
歩み寄れなかった解放軍の人たちにも責任はあると思うのん!」


卓「」コクッ


555「お前ら…」


オリーブオルフェノク「何も知らないくせによくも言ってくれたな!こうなったらお前たちから…」


オリーブオルフェノクは標的を555から子供たちに変えようとしていた。
このままでは子供たちの命までもが危うい、だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

708: 2014/07/21(月) 02:02:32.53 ID:sPL+4jvt0


((ガシッ!))


オリーブオルフェノク「あん?」


555「ま、待ちやがれ!」


「「555!?」」


そう、今までオリーブオルフェノクに一方的にやられていた555が…
オリーブオルフェノクの足を掴んで離そうとしなかった。
足蹴にしてなんとか離させようとするがそれでも離さない555!
(ナレーション:鈴木英一郎)


オリーブオルフェノク「この氏にぞこないが…何のつもりだ!?」


555「やっぱお前…ツラが気に喰わないなと思ってな…
小学校の頃、俺を班長にしたヤツに本当に似てるよ…いや…本人かもな。
そいつの名前も確か……水原くんだった気がするぜ。」


オリーブオルフェノク「ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」


709: 2014/07/21(月) 02:04:06.18 ID:sPL+4jvt0


555の煽りに釣られて怒りを露わにし、さらに足蹴を加えるオリーブオルフェノク。
さすがに蛍も呆れ返ってしまうが…


蛍「何故この状況で煽るんですか!?」


夏海「そうだね、ウチもあそこまで煽る事はしないわ…」


小鞠「ちがうよ…たぶんだけど今の内に私たちを逃がそうとしているんじゃ…?」


れんげ「巧は素直じゃないのん!」


卓「」コクッ


しかし555を見捨てて自分たち逃げる事などれんげたちに出来るわけが無かった。
子供たちはこの状況をなんとかできないかと知恵を絞るが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「何か武器になりそうなものがあればいいんですけど…」


夏海「武器っといっても…水原が555の武器使ってるし…」


れんげ「オートバジンも撃たれてお寝んねしてるん。」


オートバジン『…』


蛍「武器が無いんじゃもう本当に打つ手が無いですよ…」


半ば諦めムードと化す蛍たち。
だがその時、小鞠は懐から今までずっと隠し持っていたある物を取り出した!
(ナレーション:鈴木英一郎)

710: 2014/07/21(月) 02:09:36.32 ID:sPL+4jvt0


小鞠「武器ならこれがあるよ!これを使って!」


蛍「そ、それは…」


夏海「姉ちゃん!こんな物を一体何処で手に入れたんだよ!?」


小鞠「この場所に最初に来た時に見つけて拾ったの!」


それは確かにこのコロシアムにやって来た時に小鞠が見つけて今まで隠していた物であった。
これを555に渡せば形勢逆転になる、そう考えた子供たち!
(ナレーション:鈴木英一郎)


れんげ「これを555に渡すん、そうすれば逆転なんな!」


蛍「けどこれを使うにはファイズフォンが必要です。」


夏海「また携帯かよ!?
ヒーローって普通武器とか自動的にどこかから勝手に出てくるものじゃないの!?」


蛍「まあそんなメタ発言はともかく、
今ファイズフォンはオリーブオルフェノクが持っているファイズブラスターに付いています。
つまり555にファイズフォンを渡すにはまずオリーブオルフェノクの注意を引かなきゃいけません!」

711: 2014/07/21(月) 02:10:53.68 ID:sPL+4jvt0


れんげ「注意を引くといってもどうすればいいのん…?」


夏海「そこは夏海ちゃんにお任せだね!おーい!水原!!これが何かわかる~?」


夏海が手にしたのは先ほど取り戻したデルタギアであった。
それを夏海はブンブン振り回し乱暴に扱ってみせた。


オリーブオルフェノク「おいやめろ!ベルトが壊れたらどうするんだ!?」


夏海「へっへ~ん!お前なんかに使われるくらいなら壊した方がマシだよ!」


小鞠「さっすが夏海!お母さんに買ってもらった玩具をその日のうちに壊すなんて得意中の得意だもんね!!」


卓「」コクッ


蛍「それは全然褒められるべき事ではありませんけど…
でも水原さん!早く何とかしないと夏海先輩が本当にデルタギアを壊しちゃいますよ!」


オリーブオルフェノク「このクソガキどもが…!」


さすがにベルトを壊させるわけにはいかない。
そう思ったオリーブオルフェノクが叩きのめした555をそのままに夏海に近付こうとした時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

712: 2014/07/21(月) 02:11:40.58 ID:sPL+4jvt0


れんげ「今なのん!」


((ガチャガチャ!))


オリーブオルフェノク「お前…何を!?」


蛍たちがオリーブオルフェノクの注意を逸らしている隙になんとれんげが後ろから回り込んで、
ファイズブラスターに付いているファイズフォンを外していた!
そして外したファイズフォンを急いで倒れていた555のベルトに射し込んだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)


れんげ「555、携帯電話取り返してあげたのん!」


555「お前…けどこれだけでどうしろってんだよ?」


確かにファイズフォンだけでこの状況をどうにか出来るわけにはいかない。
だがそれだけでは終わらない、小鞠が『ある物』を555に投げ込んだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

713: 2014/07/21(月) 02:12:18.72 ID:sPL+4jvt0


小鞠「555!これを使って!」


((バッ!))


555「こ、これは…」


蛍「早くそれを使ってください!急いで!」


オリーブオルフェノク「お前ら…もう許さねえ!全員まとめて頃してやる!!」


子供たちの一連の行動に手を焼きとうとう555だけでなく子供たちにまで魔の手を伸ばそうとするオリーブオルフェノク!
だがその時、小鞠から『ある物』を受け取った555がそれにミッションメモリーを装填し展開させた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)


『Ready』


555「水原!!」



((ドスッ!))



オリーブオルフェノク「な…何だ…?」


555がオリーブオルフェノクの腹部を目掛けて何かを刺した!
突如腹部に奇妙な感覚が走るオリーブオルフェノク、それは以前にも感じた事のある感覚であった。
オリーブオルフェノクは恐る恐る先ほど自分の腹部に視線を送る、すると彼が目にしたのは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

714: 2014/07/21(月) 02:15:03.25 ID:sPL+4jvt0




オリーブオルフェノク「「あ…あぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!???」」




今までにない叫び声を上げるオリーブオルフェノク。
なんと腹部に刺されたのは剣!それもただの剣ではない。
その剣の名はオーガストランザー!
このコロシアムの地にて氏んだ木場勇治が変身する仮面ライダーオーガが使う武器であった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)


オリーブオルフェノク「な…何でこの剣が…あの時…木場が氏んだ時に消滅したんじゃ…?」


小鞠「最初にここへ来た時に灰の中から拾ったんだよ!
たぶん木場さんが巧さんのために命を懸けて遺してくれた物なんだよ!!」


オリーブオルフェノク「き…木場だと…?」


555「木場が…俺のために…」


映画の終盤、身を挺して真理を救ったが自らを犠牲にした木場勇治。
青白い炎に包まれ氏に行く瞬間、こうなる事を予期していた木場が巧のために命を懸けて武器を遺してくれた。
そしてその武器がオリーブオルフェノクに、かつて誤った事とはいえ木場自身が頃した水原に一撃を加えた。
しかもその木場勇治に刺された時と同じ個所を刺されたとは運命と言っても過言ではないはず…
(ナレーション:鈴木英一郎)

715: 2014/07/21(月) 02:15:36.62 ID:sPL+4jvt0


??(運命とはまさに皮肉だね…)


オリーブオルフェノク「だ、誰だ!?」


れんげ「水原が叫んでいるのん!」


夏海「誰に向かって喋ってるんだろ?」


それは他の者たちにはまったく聞こえない声であった。
しかし水原にだけは間違いなく聞こえる声、その声の主は水原の目の前に姿を現した…
(ナレーション:鈴木英一郎)

716: 2014/07/21(月) 02:17:07.82 ID:sPL+4jvt0


木場(やぁ、久しぶりだね。)


オリーブオルフェノク「お、お前は…木場勇治!?」


555「な、何を言ってやがる!木場なんかどこにいるんだ…?」


木場(俺は前にも言ったはずだよ、ベルトはキミには無理だと。乾くんにこそ相応しいってね。)


オリーブルフェノク「うるさい!黙れ!氏人が!俺の前にまとわりつくんじゃねえ!?」


木場(やはり、俺やキミじゃダメなんだ。何故ならキミは…)


何か大事な事を言い掛けて木場勇治の幻は消えてしまった。
そしてこの隙に555は最後の力を振り絞り一気に勝負に出た!!
(ナレーション:鈴木英一郎)



『Exeed charge』



555「「うおおおおおお!!!!」」



((ドバッ!))



オリーブオルフェノク「「なっ…うわぁぁぁぁぁぁ!?」」


555はオーガストランザーの必殺技であるオーガストラッシュを発動!
この技はオーガギアでのみの発動であり、ファイズギアでは本来の力を発揮できないが…
先ほどのカイザとの戦闘で消耗していたオリーブオルフェノク相手にはそれで十分な威力であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

717: 2014/07/21(月) 02:17:58.00 ID:sPL+4jvt0


巧「ハァ…ハァ…ありがとな木場、お前のおかげで助かったぜ…」


れんげ「やったのん!555が勝ったのん!」


夏海「これでもうお終いだね!」


水原「ま…待て…」


蛍「待ってください!まだ水原さんが!?」


小鞠「青い炎に包まれながらまだ生きてる!」


卓「」コクッ


巧「しつこいヤツだな、いい加減にしておけよ。」


水原「黙れ…まだ氏ねるか…教えろ…何故だ!何故俺は救世主になれない!?
俺だってオルフェノクになってベルトを手にしてそれでも救世主になれないとは…
俺と乾巧…一体何が違うんだ!!」


水原はこの氏ぬ間際まで救世主の座に拘っていた。
確かに巧と水原、同じくオルフェノクであってベルトを手にした二人。
一見境遇は似通っているのだがそれでも二人には決定的な違いがあった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

718: 2014/07/21(月) 02:19:00.55 ID:sPL+4jvt0


れんげ「だって555は…巧は人のために戦ったからなのん!」


小鞠「そうだよ!ここに真理さんを助けにきた時だって…
それに今まで戦ってきたのだって全部誰かのためだもん!!」


夏海「水原は全部自分のためにしか戦ってないじゃん。」


卓「」コクッ


蛍「たぶん真理さんは誰かのために戦う人を救世主だってそう言いたかったんじゃないのでしょうか?」


水原「誰かのために戦う…それが救世主だというのか…?」



((ボォォォォォ!))



落胆したような表情を見せて青白い炎に包まれる水原。
その顔はまるで今まで何かに憑かれていたモノから解放され穏やかな表情を見せていた…
(ナレーション:鈴木英一郎)

719: 2014/07/21(月) 02:19:59.08 ID:sPL+4jvt0


巧「あいつは…水原は救世主とかいう実体のない何かに憑りつかれていたんだろうな。
もしかしたらあいつは俺自身、もう一人の俺だったのかもしれないな…」


小鞠「そんな事ない!巧さんは巧さんだよ!他の誰でもないもん!!」


蛍「水原さんは自分でも知らない内に身も心もオルフェノクになってしまったんでしょうね。
けど巧さんは身体はオルフェノクでも心は人間だった、それが一番の違いだったんですよ!」


巧「そうか…そうかもな…」


夏海「でもまあ、これで全部終わったね!」


れんげ「でも…巧の身体が…」


巧「どうやら…俺もそろそろらしいな…」


そう言って巧は倒れ込んでしまった。
巧の身体は既に右脚の灰化が止まらずそれが徐々に身体全体に広がり始めている。
最早どうにもならない状況、そこへ先ほどまでスマートブレイン本社地下で救助作業を行っていた啓太郎とミナたちがやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

720: 2014/07/21(月) 02:31:28.69 ID:sPL+4jvt0


啓太郎「「た…たっくうううううん!!??」」


ミナ「隆!?」


蛍「啓太郎さんにミナさん!」


琢磨「やはり我々はオルフェノクの寿命から逃れられない運命なのですね。」


J「oh…」


夏海「それに琢磨とJのおっちゃんも…」


小鞠「ねえ!なんとかならないの!?
せっかく世界が救われたのにヒーローが氏んじゃうなんてこんなの酷過ぎるよ!?」


泣きじゃくりながら必氏に巧の事を助けたいと思う小鞠、しかし現実は非情であった。


冴子「助かる手ならあったわ、オルフェノクの王に忠誠を誓ってさえいれば…
けど乾巧はそれを選ぼうとしなかった。これはその選択の当然の結果なのよ…」


夏海「ムッ!おばちゃん!それはいくらなんでも…」


冴子「だからおばちゃんじゃないって言ってるでしょ!」


721: 2014/07/21(月) 02:33:46.37 ID:sPL+4jvt0


((ガシッ!))


思わず苛ついた冴子は夏海に手を上げようとした。するとどうだろうか、冴子の手が…


((バサァッ))


琢磨「さ、冴子さんの手が灰に!?待ってください!私の手も灰に…」


J「What!?」


蛍「Jさんの手からも灰が!?」


れんげ「どうしてなのん!」


冴子「やはりね、幹部の連中から聞いた通りだわ。
私たちオルフェノクは王が氏ぬとまるで連鎖反応を起こすみたいにこうして灰となって氏ぬらしいわ。
今頃この世界にいる全てのオルフェノクが同じような目に合っているはずよ。
だから必氏だった、たとえ王の奴隷と化そうと生き延びられればそれでいいじゃない!?」


その場にいた全員が静まり返った。
冴子とて好きで王の僕となろうとしたわけではなかった。
オルフェノク全体の未来を想えば王の僕となるのは当然だったのかもしれない…
(ナレーション:鈴木英一郎)

722: 2014/07/21(月) 02:35:11.82 ID:sPL+4jvt0


巧「だけどよ、そんなの生きていると言えるのか…?」


れんげ「巧!」


冴子「あなた…この期に及んでまだ!」


巧「俺だって氏ぬのは恐いさ。
だがな、完全なオルフェノクになったらどうなる?
それは自由も何も無い世界だ、そんな世界で一生懸命生きる事なんて出来るのか?」


小鞠「一生懸命…?」


巧「こんな説教臭いの柄じゃないがよ…
人ってのは生まれてきたからには一生懸命夢を叶えるために生きてかなきゃいけないらしいぜ。
オルフェノクの世界じゃ…それができないだろ…」


ミナ「た…隆!隆!!」


啓太郎「真理ちゃん!起きてよ!たっくんが…たっくんが!?」


言い終えると巧の身体が更に灰化が迫っていた。
啓太郎は真理を一刻も早く起こそうと必氏だったが真理はまるで呪いをかけられたように目を開けようともしなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

723: 2014/07/21(月) 02:37:17.97 ID:sPL+4jvt0


小鞠「このままじゃ誰も報われないよ!」


夏海「なんとかならないの!?」


れんげ「でも…もうウチらには何も手がないのん…」


卓「」コクッ


蛍「何か手があれば…555本編をよ~く思い出してみないと!
……ダメです!人を甦らせるなんてそんな事他のライダーシリーズだって出来ませんでしたよ!?
あれ…?待ってください、他のライダーシリーズ?
………そういえば……けどあれはリ・イマジの世界だから可能だったわけだし…この世界でも使えるかどうか…」


小鞠「蛍!何か名案があるの!?」


啓太郎「教えて!何だってするから!」


蛍「一応案はあるといえばあるんですけど…
正直充てになるかどうかわかりませんけどそれには…まず…ミナさんの力が必要なんです。」


ミナ「あたしの力だって…?」


724: 2014/07/21(月) 02:38:12.14 ID:sPL+4jvt0


そして…


タイガーオルフェノク「本当にこれで大丈夫なのか?」


蛍「た、たぶん。私も初めてですのでどうなるのかわかりませんけど…」


蛍の指示でタイガーオルフェノクに変化したミナ。
タイガーオルフェノクは手から触手を出してそれを巧の身体に括り付ける、すると次の瞬間…


((パァァァァァ!))


巧「う…うぅ…身体が元に戻ってる!?」


啓太郎「よかった!たっくううううん!もう離さない!どこにも行かさないよ!?」


巧「やめろバカ!誤解されるだろ!」


小鞠「けど巧さん元気になって良かった!」


夏海「でもこれどういう事なん?ウチにはさっぱりなんだけど?」


蛍「説明しますとタイガーオルフェノクは本来この映画のパラダイス・ロストの世界じゃなく、
仮面ライダーディケイドの9つのリ・イマジ世界に現れたオルフェノクなんです。
その世界に住むタイガーオルフェノクはラッキークローバーのリーダーで、
なんと氏んだオルフェノクを甦らせる力を持っていました!
正直ここはそのリ・イマジの世界とは別世界だからうまくいくか微妙でしたが成功してなによりです!!」

725: 2014/07/21(月) 02:39:33.62 ID:sPL+4jvt0


琢磨「詳しい事情はよくわかりませんが、それなら私たちにも…!」


冴子「他のオルフェノクたちにもその力を出せないの!」


ミナ「ダメだ…さっきので力を使い切っちまった…」


ミナもこの戦いで相当消耗していた。これ以上酷使すれば彼女の寿命も危なかった…


巧「なんてこった…オルフェノクを助ける事は出来ないのかよ!」


このままでは全てのオルフェノクたちが氏に絶えてしまう…
最早何の手段も残されてはいないのか、そう思った時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

726: 2014/07/21(月) 02:41:08.92 ID:sPL+4jvt0


クウガ「それなら俺たちの力を使ってよ!」


れんげ「クウガ!」


アギト「そうそう、こういう時こそ俺たちを頼りにしてほしいですね!」


夏海「アギト!」


ギルス「俺たちの力を使えば全てのオルフェノクを救えるかもしれんぞ。」


G3-X「急ぎましょう、もうあまり時間が…」


小鞠「ギルスにG3-Xまで…」


蛍「みなさん…力を貸してくれるんですね!」


「「あぁっ!!」」


クウガ「これ以上誰かの涙を見たくないから!」


アギト「みんなの居場所を守るために!」


ギルス「人間のために!それにオルフェノクのために!」


G3-X「生きる事が…素晴らしいとその事をオルフェノクの人たちにも伝えたいから!」


727: 2014/07/21(月) 02:43:44.99 ID:sPL+4jvt0


現れた4人の仮面ライダーたちがミナに力を送る、それに巧も…


ミナ「おいバカ!お前はさっき元に戻ったばかりなんだぞ!?」


巧「……せっかくなんとかなるかもしれないんだ。残りの命が少なかろうが、そんなの関係ねぇ!
俺は、俺の今、やれることを!やるだけだ!!だから俺の力も受け取れミナ!!」




((ヴィィィィィィィィ!))




巧の力も受け取りミナの身体は黄金に光り輝いた。
そしてみんなから受け取った力を使いミナはそれをこの世界の至るところに光を届けた。
するとどうだろうか、その光を浴びた者たちの灰化がまるでピタリと止まったではないか!
(ナレーション:鈴木英一郎)


琢磨「と、止まった!僕たちオルフェノクの灰化が止まったぞ!?」


冴子「まさか…あり得ない…」


J「…」


巧「いいや、嘘でも幻でもなんでもねえよ。ミナがやってくれたんだ!」


ミナ「ハハ…こんなあたしでもやれるんだな…」


728: 2014/07/21(月) 02:44:43.30 ID:sPL+4jvt0
氷川「えっ!本当ですか…?小沢さんから連絡です!
地下に生き埋めになっていたオルフェノクの人たちも身体の灰化が止まったそうです!
これでオルフェノクの全滅は避けられましたよ!!」




「「やったーーーーーー!!」」




オルフェノクの全滅が避けられた事をこの場にいる全員が喜んだ。
それと同時に、恐らく先ほどの光の影響なのだろう…
今まで深い眠りに陥っていた一人の少女が目を覚まそうとしていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


真理「う…うぅ…」


巧「真理!おい真理!しっかりしろ!」


真理「た…巧…?よかった、無事だったんだね!」


小鞠「よかった!真理さんが目を覚ました!」


れんげ「これで本当にめでたしなん!」


夏海「あれ?こういう時ってチューして目覚めるモンじゃないの?」


蛍「平成ライダーの主人公ライダーが恋愛とかあり得ませんから…」

729: 2014/07/21(月) 02:45:49.84 ID:sPL+4jvt0


ミナ「大事な人が目を覚ましてよかったな隆…これであたしもまた独りに戻れるよ…」


巧「馬鹿言うな!お前みたいなヤツ、一人にしておけるわけないだろ!」


ミナ「え…?でも…」


巧「お前だって俺の大事な友達だ!」


ミナ「バカ…!」


小鞠「なんだかまだ恋の一波乱がありそうな予感が…大人だ!」


蛍「でも平成ライダーで恋愛とかやると受けが悪いんですよね。」


夏海「姉ちゃんは純情過ぎでほたるんは夢無さ過ぎだよ。」


卓「」コクッ

730: 2014/07/21(月) 02:46:39.32 ID:sPL+4jvt0


れんげ「けどよかったんな!巧!」


巧「あぁ、さっきも言い掛けたがこれも全部お前らの…」


巧が言い掛けたその時であった。


翔一「じゃあみなさん!もう敵も味方も関係ないですし!
これからうちのレストランアギトで平和記念のパーティーをやりませんか!
今日は腕によりをかけてごちそうを作りますからね!!」


啓太郎「哲也さ…いや翔一さんの御馳走か!そういえば翔一さん…あの新作メニューの名前考えましたか?」


翔一「そうだね、実は戦いの最中で決めたんだけど『555スペシャル』ってのはどうかな?
今回の戦いの功労者である555から取ったんだ!」


啓太郎「いいですねそれ!よかったねたっくん!」


731: 2014/07/21(月) 02:48:33.33 ID:sPL+4jvt0


巧「別に俺は功労者と呼ばれるような事は何もしちゃいねえよ。
本当の功労者っていうならむしろこのガキたちだろ………あれ?」



「………」



五代「れんげちゃんたちが…」


翔一「消えた…?」


葦原「一体何処へ行ったんだ?」


氷川「きっと家に帰ったんじゃないんでしょうか。
あの子たち何処かの田舎から来たと言っていましたから…」


翔一「残念だな、あの子たちにも俺の新作メニューを食べてほしかったのに…」


巧「あいつら…」


このパラダイス・ロストの世界における全ての問題は解決された。
だがそれと同時にれんげや蛍たちの姿がまるで最初からこの世界にいなかったように消えてしまった。
子供たちは何処へいなくなったのだろうか?
(ナレーション:鈴木英一郎)

736: 2014/07/22(火) 18:06:33.45 ID:oeVd9VbF0


~映画館~


蛍「…」


れんげ「…」


小鞠「…」


夏海「…」


卓「」


気が付けば子供たちは全員、最初に映画パラダイス・ロストを上映していた映画館にいた。
映画館の中は相変わらず蛍たちだけしかいなかったが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

737: 2014/07/22(火) 18:07:40.10 ID:oeVd9VbF0


蛍「あれ?私たちさっきまでコロシアムで巧さんたちと一緒にいたはずじゃ?」


れんげ「巧たちは一体どうなったのん?」


小鞠「それに他のみんなは?」


夏海「一体何がどうなってんだ!?」


卓「」コクッ


突然映画の世界に行かされたと思ったら今度は何の前触れも無く映画館に戻され…
最早訳のわからない子供たち、するとスクリーンから曲が流れてきた。


蛍「この曲は…仮面ライダー555のOP曲のJustiφ's!
でもちょっと違うかも…もしかして映画用にアレンジされたJustiφ's -Accel Mix-!?」


夏海「カッコいい曲だねぇ。」


卓「」コクッ


小鞠「あれ?曲と同時にテロップが流されてく、もしかしてエンドロールなのこれ?」


れんげ「それだけじゃないのん!映像が流れてくるん!」


れんげの言う通り、ED曲Justiφ's -Accel Mix-と一緒にある映像が流れてくる。
それはれんげたちが去ったパラダイス・ロストの世界のその後の光景であった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

738: 2014/07/22(火) 18:08:56.85 ID:oeVd9VbF0


~医務室~


尾室「「痛だだだだ!?」」


椿「うるさい!このくらい我慢しろ、男だろ!」


小沢「まったく情けないわね、出撃前の最終訓練で足を骨折して入院だなんて。」


北條「まあG5ユニットの指揮は私や一条さんが代わりにやりましたので特に問題は無かったのですが…」


尾室「アハハ、お二人ともわざわざお見舞いに来てくれてすいません…」


夏海『北條のおっちゃんに小沢さんだ!けどこの病室にいるのは誰だろ?』


蛍『尾室さん…さっきは見かけなかったと思ったらまさかそんな理由で不参加だったなんて…
ちなみに治療に当っているお医者さんは椿さん、仮面ライダークウガに出てきた監察医さんですね。
何で監察医の人が治療しているのかはこの際置いておきましょう。』

739: 2014/07/22(火) 18:10:34.83 ID:oeVd9VbF0


氷川「失礼します、尾室さん大丈夫ですか?」


沢村「どうも。」


小沢「あら氷川くん、あなたも尾室くんのお見舞いに来たのね。けどそっちの彼は誰?」


氷川「彼は沢村刑事、今度僕の直属の部下になった新人です。」


沢村「初めまして、沢村です。
今まではベテランの添野さんの下で働いていたんですけど添野さんが引退したので今度から氷川さんの直属で働く事になりました!
よろしくお願いします!」


北條「添野さん…そういえば彼も定年でしたね。」


小沢「まったく先の戦闘で警察組織も多くの人材を失ったわ。
おまけに南長官はその際に上層部を失脚して本郷警視総監も突然の退職と、
警察組織のトップが二人もいなくなってこれからどうしたらいいのかしら…」


杉田「失礼するよ。」


桜井「みなさん、大変なモノが見つかりました!」


氷川「杉田さんに桜井さん!一体何を見つけたんですか!?」

740: 2014/07/22(火) 18:11:38.85 ID:oeVd9VbF0


杉田「実は本郷警視総監のデスクに辞表の他に後任についての指示があってな。それによると…」


桜井「後任はあなたなんですよ、小沢さん!」


尾室「小沢さんが本郷警視総監の後任ですって!?」


北條「馬鹿な…いくらなんでもそんな人事はあり得ませんよ!」


杉田「俺もそう思ったが…しかしオルフェノクとの戦いで警察上層部も壊滅状態だからな。
それに下手にオルフェノクに対して差別意識を持つ他の官僚にやらせるくらいなら…」


氷川「そうですね、以前にもアギトを規制する法案が作られそうになったりしましたし…
本郷警視総監の人事もあながち間違ってはいないかもしれませんよ!」


北條「お山の大将とはあなたらしい…」


小沢「あら北條くん、あなたは警視総監の座に興味が無いのかしら?」


北條「結構、あなたが警視庁の警視総監になるなら私は警察庁の次期長官の座を狙うだけですよ。」


尾室「本当、この二人は仲が良いんだか悪いんだか…」


氷川「…ですね、けど小沢さんや北條さんなら人間とオルフェノク分け隔てない世の中を作ってくれますよ!」


夏海『なんか難しい話でよくわかんないけどどういう事なの?』


蛍『夏海先輩にもわかりやすく説明すると小沢さんがスッゴく偉くなったという事です。』


卓『』コクッ


741: 2014/07/22(火) 18:13:59.79 ID:oeVd9VbF0


~レストランアギト~


((トンカントンカン)) ((カンコンカンコン))


翔一「ふう、こんなモンですかね。ありがとうございますJさん!」


J「OKショウイチ!」


チャコ「ワンワン!」


恵子「二人ともお疲れ様、チャコはお利口だったよ。」


翔一「恵子ちゃん、チャコのお世話してくれてありがとう!」


J「Thank you」


小鞠『アギトの翔一さんとラッキークローバーのJさんだ!お店の看板直してるよ!』


蛍『どうやら翔一さんも心の中にある葛藤を吹っ切れたようです。
それとこの恵子ちゃんも555本編では555に倒されたJさんに代わってチャコの飼い主になった子ですね。
まあパラダイスロストは555の世界ですし彼女が居てもおかしくはないでしょう』

742: 2014/07/22(火) 18:15:01.63 ID:oeVd9VbF0


れんげ『あ、向うから三人の家族連れがやってくるのん!』



「「「翔一くん!」」」



翔一「あ、みんな…ようこ…いや…お帰りなさい!!」


夏海『この人たち誰なんだろ?』


小鞠『翔一さんの知り合いっぽいけど家族なのかな?』


蛍『この人たちこそ美杉教授一家ですよ、ちなみに真魚さんは後年デンライナーの乗務員になるんですけど…』

743: 2014/07/22(火) 18:15:41.91 ID:oeVd9VbF0


~レストランアギト(店内)~


冴子「まさか私たちラッキークローバーの生き残りがこうしてレストランアギトで働く事になるなんてね…」


琢磨「翔一さんはここを人間とオルフェノクの架け橋の場にしたいらしいですよ。」


夏海『冴子のおばちゃんと琢磨のおっちゃんだ!』


冴子「……今何か不愉快な事を言われた気が…?」


琢磨「ところで厨房の人たち、早く注文した料理を出してもらえますか!」


野間「ただいま!おいまだか新人!?」


小林「トホホ、何で俺まで…」


れんげ『あの二人ウチとこまちゃんが地下の流星塾で会ったオルフェノクの人たちなん!
よかったのん、二人とも無事だったん!』


小鞠『けど小林って人は野間さんに扱き使われてるんだね、ちょっと可哀想かも…』


蛍『そして彼は後年地獄兄弟に…』


744: 2014/07/22(火) 18:16:44.99 ID:oeVd9VbF0


~東○アニメーション~


井○「いいかお前ら!世の中平和になったが俺たちアニメ屋の仕事は変わらねえ!
今度の新作アニメはふたりはプ○キュアだ!心して励めよ!!」



「「ハイッ!脚本家の井○敏樹大先生!」」



夏海『何かアニメ作ってる会社が映ってるんだけど?』


蛍『何でこんな場面が映されてるんでしょうね。
それにしてもこのアニメ会社は何で平成ライダーの脚本家がアニメの製作仕切っているんでしょうか?』


スマートレディ「…」


れんげ『あ、スマートレディなのん!』


小鞠『何か机で大量の絵を描いてるね?』

745: 2014/07/22(火) 18:17:52.35 ID:oeVd9VbF0


○上「コラ新人!何眠り込んでやがる!!」


スマートレディ「あの…お姉さんここに来てからもう三日も徹夜でアニメのセル画描かされてるんですけど…」


井○「馬鹿野郎!ウチじゃ三日徹夜はいつもの事だ!
いいか!今日から新作アニメの製作に1ヶ月は缶詰だからな、覚悟しておけ!!」


スマートレディ「うぅ…
あの子供たちの意見を取り入れて新しいアニメの企画を持ち込んだまでは良かったけど…
その企画をこの会社の連中に奪われてお姉さんは単なる動画マンにされちゃうなんて…
お姉さんは何処で人生を間違えちゃったのかしら…?」


れんげ『スマートレディのお姉さんちょっと可哀想なん…』


夏海『うん、あの脚本家のおっちゃんマジで恐いもんね…ありゃヤクザだよ!』


蛍『そのヤクザこそ平成ライダーの名物脚本家であられる井○敏樹大先生なんですけど…』

746: 2014/07/22(火) 18:18:39.88 ID:oeVd9VbF0


~海岸~


((ブオンッ!)) ((ブオンッ!))


五代「本当にいいんですか?」


葦原「あぁ、お前に付いて行った方が面白そうだからな。」


小鞠『五代さんと葦原さんだ!二人ともバイクに乗って旅支度してるね。』


れんげ『一体何処へ行く気なのん?』


葦原「俺の事は気にするな、勝手に付いて行くんだからな。それよりも…本当にいると思うのか?」


五代「はい。俺、あのオルフェノクの王の生まれ変わりが絶対にこの世界の何処かにいると思うんです。
あの時は戦う事しか出来なかったけど…もし彼が生まれ変わっていたのなら彼を探して…」


葦原「どうする気だ?」


五代「わかり合えたらいいなって!そう思うんです!」


小鞠『五代さん…』


夏海『あれ?後ろからまたバイクが来るよ、あれは…一条さんだ!それと…後ろに誰か乗ってる?』


747: 2014/07/22(火) 18:19:57.07 ID:oeVd9VbF0


一条「まったく、二人だけで行く気だったのか?俺も一緒に同行させてもらうぞ!」


五代「一条さん!?けど一条さん警察の仕事は…?」


一条「休職願いを出してきた、今までずっとまともな休みを取ってなかったからな。
それに…お前と冒険の旅に一度は行ってみたいと思っていたんだよ。」


五代「一条さん…ところでこのバイクってTRCS2000ですよね、懐かしいなあ!」


一条「科捜研の榎田さんに頼んで借りたんだ、まだこの世界は何が起こるかわからんからな。」


葦原「まったく俺もだがみんな物好きだな。
ところで…さっきから気になっていたんだが後ろに乗っている子供は誰なんだ?」


??「…」


一条「それがさっきこの辺りで迷子になっていたのを保護したんだが何も喋ってくれなくてな。
どうしたものやら…」


れんげ『ウチと同じくらいの男の子が一条さんのバイクに乗ってるんな!』

748: 2014/07/22(火) 18:20:28.33 ID:oeVd9VbF0


五代「子供かぁ。俺は五代雄介、よろしくね!キミは?」


照夫「照夫……鈴木……照夫……」


一条「喋った!」


蛍『鈴木…照夫…?どこかで聞いた事あるような名前だけど…まさか!?』


五代「照夫くんかぁ。お父さんかお母さん、それか自分の家はわかるかな?」


照夫「わかんない、気付いたら一人だった…」


五代「そっか、じゃあ俺たちと一緒に行こうか?」


照夫「うん…」


((ブオン!)) ((ブオオオン!))


蛍『そして五代さんのBTCR2000を先頭に三台のバイクが走り出しました。』


れんげ『けど最後に出てきたあの子は何者なのん…?』


蛍『それは、たぶん五代さんは薄々気づいているんじゃない事かな?』


小鞠『どういう事?』


夏海『さあ?よくわかんないなぁ?』


卓『』コクッ


749: 2014/07/22(火) 18:21:55.12 ID:oeVd9VbF0


~美容院~


ひかる「今日からまた一緒に働けるね、よろしく真理!」


真理「ひかるさん、お久しぶりです!」


ひかる「けどあの真理が解放軍のリーダーやってたなんて驚きだよ!
私なんかあの時はずっと逃げ回っていたのにね…」


真理「いえ…私だって…最終的に全てを解決してくれたのは巧たちのおかげだし…」


添野「おい!早くしてくれんか!こっちはこの店のお客第一号なんだぞ!?」


ひかる「はいはい、わかりました!」


小鞠『真理さんだ!けど何で床屋さんで働いてるの?』


蛍『真理さんの夢は美容師になる事ですから。
現にパラダイスロストの映画でも巧さんの髪を切っているシーンがありましたからね。
ちなみにこのひかるさんとそのお父さんは555本編に出てきた人たちです。』

750: 2014/07/22(火) 18:22:59.25 ID:oeVd9VbF0


~西洋洗濯舗 菊池~


啓太郎「フンフンフ~ン♪」


夏海『啓太郎だ!でも何でアイロンかけてんの?』


蛍『啓太郎さんの実家は洗濯屋さんですから、けど一人でやってるみたいですけど他には誰もいないのかな?』


「…!」


「…!?」


啓太郎「隣からか…もう、あの二人また喧嘩してるのかな?」


小鞠『喧嘩って何だろ?』


夏海『もしやまだオルフェノクとの戦いが!?』

751: 2014/07/22(火) 18:24:30.27 ID:oeVd9VbF0


~靴屋~


巧「こうして…こうっと!」


ミナ「隆!今日もお前の作った靴が売れたぜ!お前もううちの跡継になれって!マジで!」


巧「バカ!俺は臨時でやってるだけだ。まあたまには靴作りも悪くはないけどな…」


真理「ちょっとミナ!また巧をそっちに引っ張り込んで!
巧は啓太郎の店の従業員なの!いつもいつも巧をそっちに連れ込むのやめなさいよね!
ていうか隆じゃなくて巧なんだから!いい加減隆って呼ぶの直しなさいよ!」


ミナ「うるさいな!あたしにとってこいつは隆なんだよ!
ていうかあの洗濯屋で働いても時給100円にしかならないじゃんか!
そんなぼったくりの店ならうちで働いた方がよっぽどマシじゃないかよ!?」


れんげ『100円は酷いのん…』


夏海『ウチだってお小遣い1000円は貰ってるからね。』


蛍『ちなみに巧さんの時給が異様に低いのは555本編でバイクの違反の罰金を啓太郎さんに肩代わりしてもらったからです。』

752: 2014/07/22(火) 18:25:33.51 ID:oeVd9VbF0


啓太郎「ハイハイ!ストップ!ストーップ!!
真理ちゃんもミナちゃんもそこまで!もう、たっくんも二人の喧嘩を止めてよ!?」


巧「こいつらの喧嘩なんていつもの事だろ。
それよりもお前…その洗濯の終った服持ってどうしたんだ?配達にでも行けってのかよ?」


啓太郎「あぁ、これは…蛍ちゃんたちの服だよ。」


夏海『あぁーーーー!?間違いない!あの服はウチらの服だ!!』


蛍『そういえば私たち啓太郎さんに半ば無理矢理着替えさせられて元の服は預けっぱなしでした!?
どうしょー!お洋服失くしたなんて知られたらママに怒られちゃう!?』


卓『』コクッ


巧「あいつらか、結局れんげたちが何処へ帰ったのかわからないんだよな。今頃どこでどうしているのやら…」


蛍『こうして元の世界に戻ってあなたたちの映画を観ていますよ~!』


夏海『お願いだから服返して~!このままだと母ちゃんに怒られるよぉ~!?』


いつの間にか元の世界に戻ってきた蛍たち。
自分たちの服を返せと映画館で大声で叫んでいた時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

753: 2014/07/22(火) 18:26:45.67 ID:oeVd9VbF0




「「ええいっ!うるさいぞ!!映画は静かに観るものだろう!!」」




小鞠「うわわっ!?ご…ゴメンなさい!」


夏海「やべっ!怒られちゃったよ!」


蛍「おかしいですね、私たち以外の観客なんていないと思っていたのに…?」


れんげ「みんな最前列を見るん、三人の人影があるのん!」


れんげの言う通り、先ほどはいなかったはずのスクリーンの最前列に三人の人影があった。
その正体は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

754: 2014/07/22(火) 18:29:59.53 ID:oeVd9VbF0


レイト「レイナお姉ちゃん、今の映画面白かったね!
あの仮面ライダー555パラダイス・ロストの続編が観られるなんて最高だよ!!」


レイナ「そうねレイト。私にはよくわからないけど、こういうモノなのかしら?」


そこにいたのはレイトとレイナと呼ばれる二人の少年と少女の姿があった。
そしてもう一人は…


シネマ「どうだったレイトにレイナ、あの仮面ライダー555パラダイス・ロストの続編。
今度は人間だけでなくオルフェノクまでがスマートブレインに追われる身になってしまい…
主人公乾巧はあのパラダイス・ロストの映画の後、突然囚われの身に!?
人々は絶望に追い込まれるがかつての仮面ライダーたちが駆けつけて巧を助け出し555が復活するというまさに渾身の出来!
そしてこの映画のタイトルはその名も『仮面ライダー555・運命の日』だ!!」


レイト「アハハ!凄いやシネマ!!」


それにシネマと呼ばれるシルクハットを被った奇妙な怪人の姿まであった。
これはどういう事なのだろうか?
(ナレーション:鈴木英一郎)

755: 2014/07/22(火) 18:31:20.69 ID:oeVd9VbF0


夏海「な、何…あいつら?ここってただの映画館じゃないのかよ!?」


小鞠「ここって確か『テトラ座』っていう映画館だよね。この辺りで昔からやってる唯一の映画館だし…」


れんげ「あのレイトとレイナは姉弟なん?」


蛍「たぶんそうだろうね、レイトっていう男の子がお姉ちゃんって呼んでましたし…
それにしても今の会話の内容を聞くとあのシネマとかいう怪人が映画を作ったという話ですけど…
それならちょっと話があります!」


小鞠「え?ちょ…ちょっと蛍!近付いちゃダメだよ危ないよ!?」


756: 2014/07/22(火) 18:32:04.24 ID:oeVd9VbF0


シネマたちの前に近寄った蛍は意を決してある事を言ってのけた。


蛍「あの!ちょっといいですか!!」


シネマ「おや?お前たちは…
先ほど出演者が不足しているからエキストラ代わりに映画の世界に入れた子供たちじゃないか!
そうか、映画が終わったからこっちの世界に戻ってこれたんだな!」


夏海「ハァ?それじゃあアンタがウチらを映画の世界に連れて行ったわけ!?」


レイナ「そうよ、シネマの目的は子供たちが見て楽しめる映画を作る事。
そのためならシネマはどんな手段も厭わないわ…」


れんげ「じゃあウチらは…」


小鞠「その映画作りの手伝いをさせられていたって事!?」


事の真相を知り驚くれんげと小鞠。
だが蛍はそんな事よりも大事な事をシネマに問い質していた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

757: 2014/07/22(火) 18:33:22.57 ID:oeVd9VbF0


蛍「そんな事はどうでもいいです!それよりも…
どうして最初に私たちに10年前の映画を観せたんですか!?
本当なら私たちは今日、仮面ライダー大戦の映画を観に来たはずなんですよ!!
その分の料金を返してください!!」


夏海「そういえばすっかり忘れていたけどウチら本当は仮面ライダー大戦っていう映画を観に来たんだっけ?」


シネマ「まったく何を今更…
お前たちだって存分に楽しんだんだろう、だから料金の返却は認められない!」


蛍「そんな…」


夏海「まあウチら、一応最後まで観ちゃったからね…」


レイト「それにこの映画館じゃその仮面ライダー大戦って映画はやってないよ。」


レイナ「このテトラ座で取り扱っている映画は『仮面ライダーアギトPROJECT G4』~
『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』までよ。
その映画は取り扱っていないわね。」


蛍「そんなあ~、
じゃあこの映画館に来たのは最初から無駄足だったんじゃないですか…う゛え゛え゛え゛~ん!」


小鞠「ほらほら、蛍泣かないの。」


蛍「先輩~♪」

758: 2014/07/22(火) 18:34:21.90 ID:oeVd9VbF0


れんげ「ウチは面白かったんな、知らないヒーローたちとお話できて楽しかったのん!」


レイナ「そう、良い事だわ。」


シネマ「どうだった、私の最高傑作は?さあ、大勢の観客たちよ!盛大なる拍手を送ってくれ!!」




「………」




レイト「誰も拍手をくれないね。」


夏海「ていうか観客もウチらしかいないし…」


シネマ「な、何故だ?どうしてダメなんだ!?
一体何が駄目だというんだ?敵が弱すぎたか…?それとも脚本に問題があったか!?」


れんげ「シネマが何かブツブツ呟いてるのん?」


レイナ「これは…まずいわ!あなたたち早くここから逃げなさい!?」


夏海「逃げろってどういう事?」


シネマ「いいや!もう遅い!!」


759: 2014/07/22(火) 18:35:58.06 ID:oeVd9VbF0


((ガシャンッ!))


何かが閉まる音が館内に響いた。
それはこの映画館の出入り口の扉が固く鍵を閉められた音であった。
つまりシネマの手によりれんげたちはこの映画館に閉じ込められてしまったのだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)


蛍「大変です!この映画館から出られなくなっちゃいました!?」


夏海「ちょっとちょっと!何するんだよ!?」


シネマ「何をするだと?お前たちの所為だろうが!お前たちが俺が作った最高の映画の邪魔をするからだ!!」


れんげ「映画の邪魔をしたってどういう事なん?」


シネマ「本当ならこの映画は人間とオルフェノクは和解などせずオルフェノクを滅ぼして終わるはずだった!
それなのにお前たちが要らぬ介入をした所為でオルフェノクまで助かる事になってしまい…
その所為で観客が入らなくなってしまったに違いないからだ!!」



「「えぇーーーーーっ!?」」



とんでもない言いがかりを付けられるれんげたち。
さらにシネマは自らの力である者たちを召喚しようとしていた、その者たちとは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

767: 2014/07/22(火) 23:38:05.18 ID:oeVd9VbF0


シネマ「出でよ!仮面ライダーサイガ!そして仮面ライダーオーガ!!」


サイガ『…』


オーガ『…』


蛍「あれは…帝王のベルトの…劇場版ライダーの仮面ライダーサイガに仮面ライダーオーガ!?
けどどうしてここに?」


レイナ「彼らは本物ではないわ。
あれはシネマが作り出した本物に瓜二つな『シャドウフィルムライダー』たちよ。」


レイト「そんな…シネマやめてよ!僕はこの映画面白かったよ!?
それなのにこの子たちを虐めるなんてそんな事しちゃダメだよ!!」


シネマ「いいや、映画は完璧でなければダメだったんだ。
その証拠に観客は誰も集まりもしない…これではダメだ!ダメなんだ!!
それに、こうなったのもこの映画館に勝手に入り込んできたお前たちの所為だ!
この償いは命で贖ってもらおうか!!」


夏海「ちょっとちょっと!それタダの濡れ衣じゃん!?
大体こんな寂れた映画館に大勢の観客が集まるとかかなりの無茶ぶりだよ!!」


小鞠「だよね、この辺り少子化の影響で子供も減ってきてるし…」


れんげ「大体ウチらだって子供なのん!!」


蛍「そうですよ!子供たちに楽しい映画を観せたいのにその子供たちを襲うっておかしいじゃないですか!!」


卓「」コクッ

768: 2014/07/22(火) 23:38:58.80 ID:oeVd9VbF0


シネマ「黙れ!こうなったのも全部お前らの所為だ!オーガ!サイガ!やれ!!」


オーガ、サイガ『『ア゛ァァァァ!!』』


蛍「あわわ…オーガとサイガが…」


れんげ「心配ないのんほたるん!これを使って555に助けを呼ぶん!」


小鞠「そ、それって…」


れんげたちの前に迫りつつあるオーガとサイガ!
だがその時、れんげはある物を持ち出して子供たち全員が声を高くしてこう叫んだ!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

769: 2014/07/22(火) 23:39:27.35 ID:oeVd9VbF0




「「「「助けて555!!」」」」




シネマ「馬鹿め!ここは既に現実世界、お前たちの声など映画世界にいるライダーに届くはずがないだろ!」


夏海「それはどうかな?れんちょんが持ってる物をよ~く見てみ!」


レイナ「アレはもしかして…携帯電話?」


レイト「ただの携帯電話じゃないよ!あれは555の使うファイズフォンだ!けどどうしてファイズフォンがここに…?」


れんげ「あの戦いが終わった後、ウチが間違って持ってきてしまったのん。」


シネマ「だから何だというのだ?俺の許可なくしてライダーが現実世界にやってくるはずがない…!」


770: 2014/07/22(火) 23:40:20.71 ID:oeVd9VbF0


その時であった!



((ドルンッ!)) ((ドルンッ!))



スクリーンから激しい排気音が唸りを上げていた。
その音は次第に高くなりそして…



((ブオオオオン!))



巧「待て!!」


れんげ「巧!」


小鞠「本当!巧さんだ!」


夏海「やったー!連絡が繋がったんだ!」


卓「」コクッ


蛍「巧さんがオートバジンに乗ってスクリーンの中から出てきました!!」


771: 2014/07/22(火) 23:41:22.92 ID:oeVd9VbF0


シネマ「馬鹿な…この俺の許可もなく映画の世界からやって来ただと?一体何故だ!?」


巧「さあな、だがこれだけはわかるぜ。お前が子供たちを虐めようとする悪い怪人だって事はな!」


れんげ「巧!ファイズフォンを返すのん!」


ファイズフォンを返してもらった巧。
そして腰にファイズのベルトを装着すると映画のスクリーンにあったように変身ポーズを取ろうとする!
(ナレーション:鈴木英一郎)



『Standyng by』


巧「れんげ、お前たちには借りを作りっぱなしだからな!今からまとめて全部返してやる!変身!!」


『Complete』


レイト「見て見て!お姉ちゃん!仮面ライダー555だよ!あの仮面ライダー555が僕の目の前で変身したよ!!」


レイナ「よくわからないけど、嬉しいのねレイト。」


シネマ「お前!俺の映画の登場人物のくせにこの子供たちの味方をする気か!?」


555「映画はもうエンドロールに入ってるんだろ。
ならいつまでも観客の子供を映画館に閉じ込めておくな!さっさと家に帰してやるんだな!!」

772: 2014/07/22(火) 23:43:45.58 ID:oeVd9VbF0


シネマ「うるさい!黙れ!こうなれば子供たちは後回しだ、まずは555を倒せ!オーガ!サイガ!!」


オーズ『アァァァァ!』


サイガ『ウゥゥゥゥ!』


れんげ「映画に出てきたライダーたちが555に襲い掛かろうとしてるのん!」


小鞠「さすがに2対1じゃ不利なんじゃ…」


555に襲い掛かるオーガとサイガ!
だが二人の劇場版ライダーを相手に555は互角の戦いをしてみせた!


555「ダァッ!オラァッ!」


オーガ『グゥッ…!』


サイガ『ヌゥッ…』


シネマ「何故だ?この劇場版ライダーたちは魂こそないが力は本物と一緒なはず…
それなのに何故555一人を満足に倒せんのだ!?」


773: 2014/07/22(火) 23:44:16.71 ID:oeVd9VbF0


蛍「そんなの簡単です!ここにいる555が本物の仮面ライダーだからですよ!!」


小鞠「そうだよ!偽物のオーガやサイガなんて555の敵じゃないよ!」


夏海「大体ヒーローモノで再生怪人なんて弱っちいのが相場じゃん。」


卓「」コクッ


れんげ「555!悪いライダーたちをやっつけちゃうんな!!」


555「あぁ、こんなヤツら10秒で蹴りをつけてやる!」


そして555は右手に装備されている腕時計型コントロールデバイスのファイズアクセルのミッションメモリーを、
ファイズフォンに装填させて仮面ライダー555アクセルフォームを発動させる!
(ナレーション:鈴木英一郎)

774: 2014/07/22(火) 23:44:57.16 ID:oeVd9VbF0


『Complete』


555アクセルF「ハッ!」


蛍「555の胸の装甲が開いて…555アクセルFが現れましたよ!」


れんげ「555!行っくのん!!」


555アクセルF「行くぜ!」


775: 2014/07/22(火) 23:46:08.95 ID:oeVd9VbF0


『Start Up』


ファイズアクセルから発せられる電子音と共に555アクセルF以外の者たちの動きが全て止まった。
いや、止まったのではない。555アクセルFだけが超高速で動いているのだ。
555アクセルFはファイズショットを装備してオーガとサイガ目掛けてアクセルグランインパクトを放つ!
(ナレーション:鈴木英一郎)


555アクセルF「ラァッ!!」


((ドガッ!))


超高速で吹っ飛ばされる二人のライダーたち、恐らく自分たちが何故吹っ飛ばされたのかそれすらもわからないのだろう。
そして次に555アクセルFは武装をファイズエッジに変えて標的をサイガに定めた!


555アクセルF「デヤァッ!」


((ズバッ!))


超高速の中で無数の斬撃がサイガに襲い掛かる。
次の瞬間、サイガは自分でも気付かぬうちにアクセルスパークルカットに一刀両断されていた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

776: 2014/07/22(火) 23:47:44.36 ID:oeVd9VbF0


555アクセルF「最後はお前だ!」


オーガ『…』


武装をファイズポインターに装備して555アクセルFはオーガに突進していった!
だがオーガも負けてはいられない、なんとかこの超高速の中で防御の構えを取ろうとする。
だがそれは…まったくの無駄だった…


555アクセルF「「ダァァァァァァッ!!」」


オーガ『!?』


オーガの周囲に突然円錐状の赤い光が連続で出現した。
そしてその赤い光はオーガ目掛けて四方から全て叩き込まれた!!


オーガ『ガ…グゥ…!ヌヌヌ…』


555アクセルF「無駄だ!お前なんざ本物の木場とは全然違うんだよ!この空っぽの人形野郎が!!」


777: 2014/07/22(火) 23:49:30.08 ID:oeVd9VbF0



『3』 『2』 『1』



『Time Out』



オーガ『グワァァァァ!?』


サイガ『ガァァァァァ!?』



アクセルフォームの10秒間の起動が終わった。
それと同時に赤い二つのφマークがオーガとサイガに浮かび上がり、
次の瞬間二人は555の赤いフォトンブラッドのエネルギーにより消滅した!
(ナレーション:鈴木英一郎)

778: 2014/07/22(火) 23:50:34.37 ID:oeVd9VbF0


シネマ「な…オーガが!サイガが…!?おのれ…555!よくも俺の邪魔をしてくれたな!!」


巧「まだやるなら相手になってやる、だがその前に子供たちはもう家に帰してやれ。」


レイナ「そうね、この子たちは偶然この映画館に迷い込んできただけよ。
シネマ、あなただってこれ以上自分の映画作りを邪魔されたくないのならここは大人しく帰してあげるべきだと思うわ。」


レイト「そうだよシネマ、きっとこの子たちの家族も心配しているよ。」


シネマ「フンッ、まあいいだろう。おいお前たち!特別にこの映画館から出してやろう!」


夏海「やれやれ、これで帰れる。母ちゃんの雷が落ちずにすみそうだよ…」


レイナ「それはどうかしら?たぶんあなたたちの親御さんたちは今頃血相変えていると思うわ。」


卓「?」


蛍「それってどういう事ですか?」


レイナの奇妙な言葉に疑問を抱く蛍。
そんなやり取りが行われている中でれんげと小鞠が巧にお別れの言葉を告げていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

779: 2014/07/22(火) 23:51:53.39 ID:oeVd9VbF0


れんげ「じゃあ…今度こそ本当にお別れなんな…巧…」


小鞠「なんだか寂しくなるね…」


巧「よせよ、湿っぽいのは嫌いなんだ。それと啓太郎から預かってきた物があるが…
ほら、汚れてたお前らの服だ。」


蛍「よかった、ありがとうございます!うわぁ、スッゴイピカピカですね!
こんなに真白く洗濯なんてうちのママだって出来ませんよ!?」


夏海「本当だ!ウチの母ちゃんに見習わせたいくらいの驚きの白さだよ!」


卓「」コクッ


巧「俺の夢は世界中の洗濯物を真っ白にする事だからな。今度店に来たらまた洗濯してやるよ。」


れんげ「ウチも洗濯してほしかったんな。」


巧「また今度な、それとスクリーン観てみな。面白いモンが映ってるぜ。」


「「面白いモノ?」」


エンドロールが映し出されているスクリーン。
そこにあるテロップが出された、それは…

780: 2014/07/22(火) 23:53:04.21 ID:oeVd9VbF0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


[特別出演]


一条蛍

宮内れんげ

越谷小鞠

越谷夏海

越谷卓


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


夏海「何これー!映画のエンドロールにウチらの名前が出されてるよー!?」


れんげ「凄いん!ウチ感激なのん!!」


小鞠「映画に私たちの名前が載ってるとか村中の自慢になるね!!」


卓「」コクッ


蛍「でもどうせこの映画はこの映画館でだけ公開されてるだけだから誰にも知られないと思いますよ…」


エンドロールに記載された自分たちの名前に驚く子供たち。
だがそれだけではない、あのパラダイスロストの映画と同じく最後に観客たちにあるメッセージが綴られていた。
そのメッセージこそ…

781: 2014/07/22(火) 23:54:03.24 ID:oeVd9VbF0









【THANK YOU!  Non Non Biyori!】










782: 2014/07/22(火) 23:55:04.78 ID:oeVd9VbF0


小鞠「私たちに向けてのメッセージだ!」


れんげ「サンキューなのん!」


卓「」コクッ


夏海「けどのんのんびよりって何だよ?」


蛍「夏海先輩、自分たちが出演している作品の名前くらいちゃんと憶えておきましょうね…」


巧「これで借りは全部返したぜ、じゃあもう帰れ。親が心配してるぞ。」


レイナ「急いでここを立ち去りなさい、シネマの気が変わらないうちにね…」


レイト「でも僕たちはこれからどうなるの?」


レイナ「心配要らないわレイト。
この子たちみたいに私たちにもきっと助けに来てくれるヒーローが現れるはずよ。」


れんげ「じゃあバイバイなのん。」


小鞠「また会おうね巧さん!」


夏海「映画面白かったよ!」


卓「」コクッ


巧「あぁ、じゃあな!」


別れの言葉を告げながらこの映画館の扉を閉めようとするれんげたち。
そんな中、シネマは未だに先ほどの映画についてブツブツと文句を呟いていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

783: 2014/07/22(火) 23:56:46.27 ID:oeVd9VbF0


シネマ「何故だ…一体何故…!?」


蛍「あの、ちょっといいでしょうか?」


シネマ「うん?何だ?」


蛍「さっきの映画なんですけどクウガ、アギトとあったのにどうして龍騎は出なかったのかなって疑問があったので。
何か理由があるなら聞いてみようかなと…」


シネマ「龍騎!?平成ライダー3番目の仮面ライダー龍騎か!!
確か物語を作る段階で龍騎の世界観は合わなかったので除外してしまったが…
そうか、わかったぞ!観客たちが集まらなかったのは全てのライダーたちが集まらなかったからだ!!
ならば次に作る映画は全てのライダーたちが集結する映画を作ればいいのだ!!」


蛍の助言を聞いて新たな映画作りに意欲を出すシネマ、果たしてシネマは理想の映画を作る事が出来るのだろうか?
(ナレーション:鈴木英一郎)

784: 2014/07/22(火) 23:57:42.84 ID:oeVd9VbF0


~外~


夏海「いやぁ、やっと映画館から出られたよ。
うわっ!もう夕方じゃん!?こりゃ家に付く頃には真夜中だな…」


小鞠「それにしてもこのテトラ座の映画館だけど…あのレイトくんとレイナさんはどうなっちゃうのかな?」


れんげ「きっと仮面ライダーたちが解決してくれるんな!」


蛍「そうだといいんですけど、あれ?向うから三人の男の人たちがやってきましたよ?」


蛍たちが言うように三人の男たちがやってきた。
その男たちの内の一人は青い服に『鎧武』という文字が書かれた服を着た青年。
もう一人が同じく青いパーカーを着た高校生くらいの少年。
それに黒と赤のロングコートを羽織った青年の奇妙な出で立ちをした三人組であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


小鞠「何だろ?あんな格好した人たち村じゃ見た事も無いね?」


夏海「本当だ、何かお祭りの時の踊りの衣装みたいだね。」


れんげ「踊り?ウチも踊りしたいのん!」


蛍「シッ!みなさんあまり大声で言うと聞こえちゃいますよ!?」

785: 2014/07/23(水) 00:01:17.82 ID:kxXIdGsh0


三人の男の奇妙な出で立ちに驚きを隠せない子供たち。
その時であった、青い服を着た青年が蛍に話し掛けてきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


??「なあお嬢ちゃん、俺たち『テトラ座』って映画館を探してるんだけど何処にあるか知らないか?」


蛍「テトラ座?それって今さっき私たちが居た映画館の名前じゃ?」


??「紘汰さん、ちゃんと前を見た方がいいですよ。
ほら、正面にある古い建物。ここが僕たちが探していた映画館テトラ座ですね。」


??「フンッ!いかにも弱者が営んでいそうな映画館ではないか!
葛葉!この俺をこんな弱者が蔓延る映画館に連れてきてどうしようというのだ!?」


??「いや…俺はただこの映画館のタダ券のチケットが手に入ったから舞とミッチの三人で観ようと思ったけど…」


??「舞さんが病気で来られなくなってしまったので偶然暇を持て余していたあなたを連れて来ただけですよ。」


??「まったく貴様らは…
この俺をそんなしょうもない理由で連れて来たというのか!?
俺は忙しい身だ、貴様らみたくそんなくだらん事に時間を割いている暇など無い!!」


??「落ち着けって戒斗!今から帰ったってしょうがないだろ!
ほら、上映時間も差し迫ってるし帰るなら映画観てからにしようぜ!」


??「よかろう、精々この俺を楽しませる映画を観せてみるがいい!!」


そんなやり取りをしながら三人の男たちは映画館に入って行った。
小鞠はこの男たちを止めようとするが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

786: 2014/07/23(水) 00:03:43.12 ID:kxXIdGsh0


小鞠「入っちゃダメだよ!この映画館には…」


蛍「待ってください先輩!」


小鞠「何で止めるの蛍?だってシネマが…」


蛍「もしかしたらですけど、それはあの人たちが解決してくれるかもしれませんよ!」


小鞠「へ…?」




シネマ「「来たな、新たな仮面ライダーたちよ!
それでは始めようか!今度こそ子供たちを楽しませる最高のライダー映画をな!!」」




((カタカタカタカタッ!))



シネマの言葉通り、テトラ座の映写機が再び動き出し新たな映画が始まる。
そして先ほどこの映画館に入った三人の男たちはこの映画館に纏わる事件を解決する事になるのだが…
それは別の物語へと繋がる。


【仮面ライダー バトライド・ウォーII】へと続く→


787: 2014/07/23(水) 00:04:34.92 ID:kxXIdGsh0


~のんのん村~


雪子「「このお馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」


夏海「うひぃぃぃぃ!何で帰って来て早々夏海ちゃん怒鳴られなきゃいけないんだよ!?」


小鞠「そうだよ!いくらなんでも今回は夏海悪い事何もしてないよ!」


卓「」コクッ


蛍「今回って…いつもはしてるって事ですよね。」


帰宅早々、子供たちは何故か大人たちに囲まれて盛大に怒られていた。
その理由は…

788: 2014/07/23(水) 00:06:46.96 ID:kxXIdGsh0


雪子「怒って当然なんよ!無断で外泊して一体何考えてんの!?」


れんげ「外泊?どういう事なのん?」


一穂「どういう事って昨日映画館に行くとは聞いたけどそのまま一泊するとは聞いてなかったよ。」


蛍「一泊!?まさか…なるほどそういう事ですか!」


小鞠「蛍…これってどういう事なの!?」


蛍「たぶんですけど私たちはあの映画の世界でなんだかんだで一泊しちゃったじゃないですか。
だからたぶんこの現実世界でもそれに準じていたとするとこっちでも1日経過しちゃった事になってるんですよ。
つまり何も知らない大人たちには私たちが何処かで外泊してきたのではと思われてるんです!」


夏海「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」


小鞠「レイナさんが言ってたのはこの事だったんだね…」


789: 2014/07/23(水) 00:07:45.21 ID:kxXIdGsh0


雪子「まったく夏海!アンタ年上のお姉ちゃんなのに蛍ちゃんやれんちゃんみたいな年下の子たちを連れ回して!
一体何処で何をしてたんよ!?」


一穂「テメッ!この夏海!昨日私がどれだけれんげを探し回ったと思ってやがる!
このDXバナスピアーの錆びにしてやる!!」


蛍「駄菓子屋さん…まだそれ売れ残ってるんですか…?」


夏海「誤解だって!ウチらはテトラ座って映画館に行ってきただけなんだよ!?
それで無理矢理映画の世界に連れて行かれただけなんだって!!」


蛍「夏海先輩…一応本当の事だけどそんな事誰も信じませんって…」


790: 2014/07/23(水) 00:09:04.18 ID:kxXIdGsh0



「「テトラ座!?」」



雪子「テトラ座って…バカ言わないの!だってあの映画館は…」


一穂「ウチらが子供の頃からやってる映画館だよね。
年老いたお爺ちゃんがたった一人で営んでる映画館だったのを憶えてるよ…」


楓「あの爺さんよく子供向けのヒーロー映画を上映してくれたっけな。でも…」


れんげ「みんな一体どうしたのん?顔が真っ青なのん!」


一穂「そりゃ真っ青にもなるよ。
大体あの映画館は今年の1月で閉館してるんだからね…」


小鞠「へ…閉館!?でも何で…?」


楓「そりゃたった一人で切り盛りしてた爺さんが亡くなったからだよ。
あの爺さん身内が昔亡くなったお姉ちゃんしかいないから葬式も身近な人たちで行われてな…」


雪子「それで映画館も閉館する事になったんだけど…
業者が建物を取り壊そうとしたらまるで呪いみたいに次々と不幸な目に合って建物は未だに手付かずの状態だってきいたんよ。」

791: 2014/07/23(水) 00:10:58.07 ID:kxXIdGsh0


蛍「じゃあまさか…」


夏海「ウチらが会ったのって…」


小鞠「ゆ、幽霊…?」


卓「」コクッ



「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」」



蛍「今年の1月で亡くなったって事は…
だから仮面ライダー大戦があの映画館ではやってなかったからなんですね!?」

792: 2014/07/23(水) 00:11:28.22 ID:kxXIdGsh0


楓「ま、何にせよ無事に帰ってきてよかったなれんげ。」


れんげ「駄菓子屋、ウチ…駄菓子屋に聞きたい事があるのん…」


楓「どうした改まって…何が聞きたいんだ?」


れんげ「あんな、もしウチが変な化け物になったら駄菓子屋はどうするん?ウチを退治しちゃうん?」


楓「何だそれ?何の影響か知らないけど…そんな事には絶対にならないよ。」


れんげ「どうしてなん?」


楓「だって、れんげはれんげだろ?」


れんげ「駄菓子屋…うん!ウチはウチなのん!!」


お し ま い ♪ ♪ ♪

793: 2014/07/23(水) 00:17:26.37 ID:kxXIdGsh0
これでこのssはお終いなん


まさか5月から初めて2ヶ月近く掛かる事になるとは開始当初は予想すらしてなかったのん

こんな無駄に壮大な物語とか風呂敷を広げ過ぎたんな、反省なん…


それと最後にあの現在放送中の『彼ら』とかバトライド・ウォーⅠⅠの重大なネタバレが含まれてるん

知らない人はご注意してほしいん

けどまさか前作で力尽きてもうあれ以上のモノ書けないと思ってたら意外と書けて自分でも驚いたのん

でも555放送当時の自分の中二心全開のssになってしまって少々恥ずかしさもあるん…

それと最初の辺りは設定や人物の名前間違えまくってゴメンな

ssを書く時はちゃんと手元に資料用意した方がいいのん、放送当時のおぼろげな記憶だけを頼りに書くと酷い目に合うのん

794: 2014/07/23(水) 00:20:29.99 ID:aCPbwzb7o
お疲れ様でした
本当に楽しませて貰った、ありがとう

795: 2014/07/23(水) 00:23:41.85 ID:V534vu77O
お疲れ様でした。
次に何か書くとしたら、のんのん×ライダーから離れてみるのもいいかもね。

797: 2014/07/23(水) 00:29:33.61 ID:Q0PI8oGmo
乙です

引用元: れんげ「新作の仮面ライダーの映画を観るのん!」蛍「パラダイス・ロスト!?」