1: 2015/05/20(水) 22:25:25 ID:KHRhi6l6
ビュオオオオ……

勝己「寒い……」ガクガク

デク「かっちゃん! しっかり!」

勝己「腕が凍って力が出ねえ……」ブルブル

デク「どうしよう……!? どうすれば……」

勝己「俺……なんだか眠いんだ……」

デク「寝るな!! 寝たら氏ぬぞ!!!」ペチペチ

勝己「が……ま……」ガクッ

デク「かっちゃあああああああああん!!!!!!!!!!」
僕のヒーローアカデミア 37 (ジャンプコミックスDIGITAL)
2: 2015/05/20(水) 22:30:30 ID:KHRhi6l6
~現在までのあらすじ~

デク(真冬のスキー合宿に来ていた僕たち雄英高校1年A組だったが……)

デク(突然のブリザードと雪崩に巻き込まれバラバラに分断されてしまった!!)

デク(果たして僕たちはこの困難を乗り越えることができるのか!?)

デク(季節感!? そんなものは捨て置けい!!)

3: 2015/05/20(水) 22:33:18 ID:KHRhi6l6
デク「かっちゃん……そんな、目を覚ましてくれ!!」ユサユサ

上鳴「緑谷できるだけ離れてろ――――!!!!」ダダッ

デク「上鳴くん!?」

上鳴「爆豪ぶっ生き返――――す!!!」バリバリ

勝己「うがああああああああっ!!!」バリバリ

デク「うわっ!?」ビリッ

4: 2015/05/20(水) 22:37:53 ID:KHRhi6l6
上鳴「わりーな巻き込んじまって。簡易AEDだ」

デク「ありがとう……おかげで助かったよ」

勝己「いってえなアホ面……」

上鳴「おい! 命の恩人だぞ!」

デク「上鳴くん、他のみんなを見なかった?」

上鳴「いや見てねーな。視界も悪ぃし……」

デク「そっか……みんな無事だといいけど」

上鳴「くっそー、轟か八百万がいればなー」

5: 2015/05/20(水) 22:43:23 ID:KHRhi6l6
デク(僕にオールマイトばりの力があれば、天候を変えることも……)

デク(いや、スマッシュ一発で僕は動けなくなるだろう)

デク(下手したら全滅だ……とりあえずみんなと連絡を取らなきゃ)

上鳴「おい! 爆豪どこ行くんだよ!」

勝己「うっせえな……下山すんだよ」フラフラ

上鳴「やめとけって! お前寒いとこじゃ無能なんだから」

勝己「む、無能だと……ふざけんな頃す……」ポスッ

上鳴「うわ、ホントに氏にそうだな……」

6: 2015/05/20(水) 22:48:17 ID:KHRhi6l6
上鳴「つーか下りるにしてもここは一体どこなんだよ?」キョロキョロ

デク「分からない。雪崩でだいぶ流されたみたいだ」

デク「助けを呼ぼうにもこの天候じゃあ……」

上鳴「こういう時こそ俺の個性の出番だな」

デク「上鳴くん……!! 凄く頼もしい!」

上鳴「緑谷、後は頼んだぜ!」グッ

デク「え?」

上鳴「電波来おおおおおおおおいっ!!!!」バリバリ

上鳴「っし! 繋がった!」

7: 2015/05/20(水) 22:50:36 ID:KHRhi6l6
上鳴「もしもし先生? なんか俺ら遭難したみたいっす」

上鳴「そうなんすよー、いやいやギャグじゃなくて」

上鳴「場所? いや分かんないっすね。位置情報送るんで」

上鳴「あー、あと爆豪が氏にそうだったんすけど、まあ大丈夫っしょ」

デク(……大丈夫かな……)

8: 2015/05/20(水) 22:54:36 ID:KHRhi6l6
上鳴「え!? マジっすか!?」

デク「どうしたの!?」

上鳴「やっべえぞ緑谷! マジやっべぇぞ!」

デク「それ流行ってるの?」

上鳴「俺らのいるとこ、デカい雪山に阻まれて助けにこれねーらしい!」

デク「そんな……!」

上鳴「だから……あ、やべ……」フラフラ

デク「上鳴くん!?」

上鳴「うぇ~~~~~いwwww」

デク「上鳴く――――――――ん!!!!!」

9: 2015/05/20(水) 22:58:15 ID:KHRhi6l6
デク「ど、どうしよう……」

デク(デカい雪山を破壊すれば……)

デク(いやダメだ、僕が倒れたら誰がかっちゃんを見張ればいいんだ)

勝己「元気があれば……何でもできる……」フラフラ

デク(こんな状態のかっちゃんを放っておくわけには……)

ドゴォォォン

デク「!!? 何の音だ!?」

10: 2015/05/20(水) 23:01:03 ID:KHRhi6l6
お茶子「デクくん……?」フラフラ

デク「う、麗日さん!?」

お茶子「デクくんの声聞こえたから、雪山浮かせて来たんやけど……」

お茶子「も、限界……」ドサッ

デク「麗日さあああああああああん!!!!!!!!」

デク(負傷者が増えていく……!!)

11: 2015/05/20(水) 23:10:09 ID:KHRhi6l6
お茶子「うっぷ……」

上鳴「うぇ~~~い」

勝己「さみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」ブルブル

デク(うう……こっちまで段々寒く……)ブルブル

デク(かっちゃん、僕もう疲れたよ……眠ってもいいかな?)

ボウッ

デク(あれ? なんだかあったかい……)

デク(ここが天国かあ……うふふ、あはは……)



轟「お前ら、ここにいたのか」

12: 2015/05/20(水) 23:16:24 ID:KHRhi6l6
デク「って轟くん!? 何でここに!?」

轟「誰かが雪山をどかしたみてえだな。お蔭でたどり着けた」

デク「麗日さん……ありがとう」サスサス

お茶子「う~ん……」

轟「炎で雪を溶かしてもいいが、この状況でそう無駄遣いはしてられねえ」

轟「とりあえず氏にそうなやつを温めるぞ」

デク「救世主様……!!」

13: 2015/05/20(水) 23:23:04 ID:KHRhi6l6
勝己「環境破壊は気持ちいいZOY!!!」BOOM

デク「すっかり元気になったみたいだね! よかった!」

轟「問題はこれからどうするかだな」

デク「そうだね……みんなと連絡が取れない以上、散り散りになるのは避けたいところだ」

轟「上鳴が生きてればな……」

上鳴「うぇい?」ベッタリ

お茶子「あったかいんだから……」ベッタリ

上鳴「うぇいうぇいうぇい(それもう古ぃよ。今流行ってんのは~)」

轟「お前ら左半身にくっつくんじゃねえ」

デク(いいなあ……)

デク(ってそんなこと考えてる場合じゃないんだ!!)

14: 2015/05/20(水) 23:30:04 ID:KHRhi6l6
デク「とにかく、ここに留まるのは危険だ」

デク「どこか吹雪をしのげる場所を見つけよう」

轟「他の連中と合流できれば更に良いな」

勝己「俺は一人でも下りるからな」ブルブル

デク「意地張っても駄目だよ! 震えてるじゃないか」

勝己「む、武者震いだ」ガクガク

轟「行くなら勝手に行けばいい。お前が勝手に氏ぬだけだ」

轟「自分でも無理なことくらい分かってんだろ」

勝己「ちくしょう……」ブルブル

15: 2015/05/20(水) 23:37:38 ID:KHRhi6l6
お茶子「デクくんごめん……私重ない?」

デク「ぜ、全然!!」ドキドキ

デク(女子をおんぶするなんて初めてだ……!!)

デク(緊張しすぎで変なやつとか思われてないかな……?)

お茶子「あ、やば……吐きそう」

デク「え!? さすがにそれは……」

デク「いや、大丈夫だ!! 全てを受け止める覚悟はできている!!」

轟「何言ってんだお前」

上鳴「うぇ~いうぇ~いwww」

轟「放り投げてぇ……おい爆豪離れんな」

勝己「はじかちィ―――……」ガクブル

16: 2015/05/20(水) 23:43:40 ID:KHRhi6l6
デク「都合よく山小屋が見つかったぞ!! ここで休もう」

轟「とりあえず薪焚いとくか」ボウッ

勝己「なんか食いもんとかねーのかよ」ドカッ

轟「急に態度デカいなお前」

お茶子「ありがとデクくん。だいぶ楽になったわ」

デク「よかった! ひとまずは安心だね」

上鳴「うぇ~い」

17: 2015/05/20(水) 23:49:05 ID:KHRhi6l6
お茶子「いつになったら吹雪止むんやろ……」

デク「うん……みんなが心配だ」

お茶子「……不謹慎かもしれへんけど、こういうのちょっと楽しいかも」

デク「え?」

お茶子「なんかワクワクせぇへん? おかしいかな?」

デク「あ……ちょっと分かるかも」

轟「……」

18: 2015/05/20(水) 23:54:23 ID:KHRhi6l6
轟「他の連中を探しに行ってくる。爆豪行くぞ」

勝己「はぁ!? てめえに言われなくても一人で下りるわ!!」

轟「普通にくつろいでたじゃねえか」

デク「危ないよ! こんな吹雪の中……遭難でもしたら」

轟「……お前らには言ってなかったが、俺は吹雪の中を歩き回らないと氏ぬ呪いにかかっている」

お茶子「え!? そんな……」

轟「ついでに爆豪も俺のすぐ近くにいないと氏ぬ。溶けて氏ぬ」

勝己「氏ぬか! 凍氏ならともかく」

19: 2015/05/20(水) 23:58:14 ID:KHRhi6l6
デク「かっちゃんまで……!? じゃあ、僕も一緒に――」

轟「いや、お前ら二人はその小屋の中にいないと氏ぬ。爆豪が」

勝己「なんで俺だよ!」

お茶子「二人とも大変なんや……」

轟「そういうことだ。じゃあな」

デク「気を付けてね……!」



ビュオオオオ……

勝己「さっびいいいいいいいいいいい」ブルブル

轟(緑谷……お前には借りがあるからな。それを今返す時だ)

轟(……何か忘れてるような気がするが、気のせいだろう)

20: 2015/05/21(木) 00:04:58 ID:NwHD6ZYs
上鳴「うぇ、うぇい……」ズルズル



お茶子「二人きりになっちゃったね」

デク「そ、そうだね」

デク「……」

デク(どどどどどうしよう!!???)

デク(そうだ……轟くんは気を遣って……!!)

デク(よくよく考えなくても、そんな呪いあるわけないじゃないか!!)

お茶子「なんか照れるなぁ。普段はそうでもないのに」

デク「あ、あはは……」



上鳴「うぇーい、うぇ……」コソコソ

21: 2015/05/21(木) 00:10:14 ID:NwHD6ZYs
上鳴(っっっえ――――――――いwwwwwww)

上鳴(メチャクチャいい雰囲気じゃねえか!!!! なんですのん!!?)

上鳴(こいつらやたらツルんでっと思ったらそういうことかよ!!)

上鳴(むっちゃおもしれえええええwwwww)

上鳴(いやー隠れて充電してて正解だったぜwwwww)

上鳴(こいつはしばらくアホのふりしてた方が良さそうだな……!!)

22: 2015/05/21(木) 00:14:47 ID:NwHD6ZYs
デク(な、何を話せばいい……!?)

デク「う、麗日さんってさ……」

お茶子「うん?」

上鳴(おおーっと緑谷の先制攻撃!! さあ何を言うか!?)

デク「すごくうららかだよね!」

デク(僕は何を言っているんだ!?)

上鳴(なんだそりゃwwwww緑谷選手、緊張のあまり自滅wwww)

お茶子「うん、私は麗日だよ?」

上鳴(麗日選手、すかさず天然のカウンターパンチ炸裂wwwww)

デク「ほ、ホントだー!」アハハ

デク(だ、駄目だこんなんじゃ……)

23: 2015/05/21(木) 00:19:15 ID:NwHD6ZYs
デク「あ、あの……今さら言うのもなんだけど」

上鳴(お? なんだなんだ?)

デク「入試の時、助けてくれてありがとう」

上鳴(ここにきての隠し玉投入!!? 聞いてねえぞそんなの!!)

お茶子「ううん、私も助けてもらったし、お互い様だよ!」

上鳴(ちょっちょっちょwwwwwマジかこれwwwww)

デク「麗日さんがいなかったら、僕は今ここにいなかったと思う」

上鳴(おい……まさかのシリアス調? ここで?)

24: 2015/05/21(木) 00:29:43 ID:NwHD6ZYs
お茶子「そんなことないよ」

お茶子「誰がピンチになっても助ける。デクくんはそういう人やから」

デク「……」

上鳴(……)

デク「誰があそこにいても、同じように体が動いたと思う」

デク「自分じゃよく分からないし、僕の勝手な自惚れかもしれないけど……」

デク「僕はみんなを助けたい。みんなを守れるヒーローになりたい」

デク「でも、麗日さんは……僕にとって……えっと」

デク「その、誰でもいいわけじゃなくて……僕は……!!」

25: 2015/05/21(木) 00:37:56 ID:NwHD6ZYs
ミシミシッ

デク「な……なんだ!?」

上鳴(っっおおおお―――――い!!!!!!! 空気読めや!!)

お茶子「雪の重みで……小屋が倒れそうや!」

デク「早く外に……! ダメだ雪が邪魔して開かない!!」ギシギシ

上鳴(え? マジで?? ヤバくね??)

上鳴「こちら上鳴、誰か来てくれ―――!! やっべぇぞ!!」

デク(え、上鳴くん!? 今の聞かれた……!?)

デク(いや、今はそれどころじゃない!!)

26: 2015/05/21(木) 00:43:23 ID:NwHD6ZYs
ベキベキッ ドサッ

上鳴「雪が―――!!! 氏ぬ―――!!!」

フワッ

お茶子「私が雪を浮かしてるうちに、早くドアを壊して逃げるんや!!」FLOAT

デク「いや、壊すのはドアじゃない」

お茶子「え?」

デク「DETROIT―――」グッ

デク「SMASH!!!!!!!!!!」ドゴォ

キラーン

上鳴「す、すげえ……雪玉が吹っ飛んじまった」

27: 2015/05/21(木) 00:47:03 ID:NwHD6ZYs
お茶子「デクくん!」

デク「よかった、みんな無事で……」フラフラ

上鳴「よくねーよ! 満身創痍じゃねーか!」

ビュオオオオ

上鳴「つーか天井に穴開いちまったじゃねーかよー! どうすんだよ!」

バババババッ

お茶子「なんやこの音? あ……!」

28: 2015/05/21(木) 00:54:24 ID:NwHD6ZYs
八百万「作るのに時間がかかってずいぶん到着が遅れてしまいましたわ……」

上鳴「女神様!! ヘリまで作れんのか!? チートってレベルじゃねーな!」

峰田「悪いなお前ら! このヘリは三人用なんだ」

梅雨「じゃああなたが降りなさい」ペシッ

峰田「じょ、冗談だよ!!」

八百万「何台もありますのでご心配なく。ちなみに自動操縦ですわ」

29: 2015/05/21(木) 01:02:32 ID:NwHD6ZYs
切島「お前ら三人とも生きてるかー!?」

飯田「これでようやく全員揃ったな」フゥ

お茶子「轟くんも無事だったんだね!」

轟「俺と飯田が合流して、各地に散らばった連中を八百万のもとに集めた」

轟(お前らの場所を明かさなかったことは秘密だ)

轟「緑谷と麗日も色々大変だったみてえだな」

上鳴「っておい! 俺もいたぞ!」

轟「ちっ」

上鳴「!?」

八百万「早くお乗りになって。すぐ出発しますわ」

30: 2015/05/21(木) 01:10:55 ID:NwHD6ZYs
相澤「えー、お前らが無事に戻ってきて先生はとても嬉しいです」

瀬呂「テンション低っ!」

相澤「今日は疲れただろうからさっさと帰ってクソして寝ろ。以上」

ゾロゾロ…

葉隠「怖かったー! 寒くて氏んじゃうかと思ったよー」

尾白「葉隠さんがなかなか見つからないで大変だったね」

ゾロゾロ…


相澤「訓練は無事終了しました」

相澤「しかし天候まで変えるのはやりすぎだったんじゃないですか? オールマイトさん」

オールマイト「少し気合を入れすぎてしまったようだな!」HAHAHA

相澤「整備し直すの手伝ってくださいよ……」

31: 2015/05/21(木) 01:16:37 ID:NwHD6ZYs
デク「……」パチ

お茶子「デクくん! 目が覚めた?」

デク「えっと……ここは」キョロキョロ

飯田「合宿所の医務室だ。とりあえずは応急処置までだが……」

飯田「しばらくここで安静にしていた方がいいだろうな」

デク「そうか……僕はまた後先考えずに……」

お茶子「後先も何も! デクくんのおかげで私と上鳴くんは助かったんだよ!」

飯田「命あっての物種だからな」ウンウン

上鳴「サンキューな緑谷!」

デク「みんな……」

32: 2015/05/21(木) 01:24:21 ID:NwHD6ZYs
上鳴「……それで聞きてーんだけどよ、お前あの時なんて言おうとしたんだ?」ニヤニヤ

デク「えっ!!??」

飯田「あの時とはなんだ」

お茶子「ああ、雪が落ちてくる前に何か――」

デク「な、なんでもない! なんでもないよ!」アセアセ

デク「それより……僕たち何か忘れてないかな?」

上鳴「ずりーぞ緑谷、話逸らそうったってそうはいかねーよ」

デク「いや、そうじゃなくて……ホントに何か忘れてるような」



轟「あ」

33: 2015/05/21(木) 01:36:40 ID:NwHD6ZYs
勝己「俺が可哀想な目に遭ってるとでも思ったか!?」

勝己「残念だったなぁぁぁぁぁああああ――――!!!」BOOM

勝己「運動すれば汗をかく! 滑ってるうちは氏なね―――よ!!!」

勝己「スキー板を見つけてラッキーだったぜ!」

勝己「轟なんかいらねえよ!! 俺の勝ちだあああああああっ!!!!」


相澤「あいつ何一人で喋ってんだ? まあ勝手に整備してくれるから助かるわ」


おしまい
ものすごい雷が鳴ったので書きました。とても怖かったです

34: 2015/05/22(金) 15:32:11 ID:9Avog.ro

うん

引用元: デク「かっちゃん! 死んじゃダメだ!!」