1:◆GPcj7MxBSM 2013/03/24(日) 16:17:51.90 ID:O0bWhfce0
プリペッド通り四番地

ハニー「ヴォルデモート。あの、豚以下の黒豚」

ハニー「……あいつが復活して、一ヶ月」

ハニー「この夏は、あいつについての襲撃事件のニュースが連日飛び込んでくる、そう思っていたけれど」

ハニー「……無しのつぶてだわ。まるで、今もこの世界は平穏無事で誰もが健やか、そういうように」

ハニー「……まぁ」


ハニー「この、私が。健やかどころか高貴で可憐で儚げで、伝説的で道徳的なのは、言わずもがなでしょうけれど。そうでしょ、ダドリー?私の豚?」

ダドリー「ヒンヒン!!」

ピアーズ「踏んでくださいハニー姐さん!!ヒンヒン!!」

バーノン「やめんか小娘、やめんか!!!!ダドリーを踏みつけるのはやめろと言うとろうが!!」

ハニー「新聞どころか……あの子たちからの手紙までこないなんて、どういうことなのよ!この豚!!」

バーノン「お前の頭がおかしいお仲間のことなんぞ知るか!!おい!!!ダドリーに当たるな小娘!!ダドリーが苦しんで……」

ダドリー「ご褒美です」

ピアーズ「名誉なことです」

「そうですおじさん」
「むしろウエルカムなんです」
「ヒンヒン!」

バーノン「だまらっしゃい!!ダドリーの友人たち、どきなさい!!!わしから小娘を守るように反復横とびするんじゃない!やめろ!やめんか!!」

ハニー「さすがは私の可愛い豚たちね。そうね、さしずめ私と言うクイーンを守る……」


ハニー「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」

ダドリー「ヒンヒン!!ヒーン!!」

バーノン「だからやめんかぁあああああああ!!!」

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2: 2013/03/24(日) 16:19:18.88 ID:O0bWhfce0

14: 2013/03/24(日) 16:29:27.53 ID:O0bWhfce0
公園

ハニー「あの豚以下の見た目豚に追い出されてしまったわ。まったく何様なのかしら」

ダドリー「ヒンヒン」

ハニー「えぇ、そうね。あなたのお父様なのになんて出来の悪い人かしら。『おじさん』だなんて絶対に呼んであげないわ。私にとってその呼び方は……うるさいわねこの豚!!」

ダドリー「ヒンヒン!ありがとうございまヒン!!」

フィッグ「おんや、ハニー。こんばんわ。ダッド坊やは相変わらずあんたのベンチ代わりかい?」

ハニー「あら、フィッグおばあさん。あなたこそ、相変わらずたくさん猫をつれておいでね」

ナーゴ  ンニャーーゴ 
 ゴロニャー ニャーフォイ

フィッグ「色んな子がいるからねぇ。飽きやいないよ」

ハニー「えぇ、そうね。個性で済まされないような鳴き声が聞こえた気がするけれど、そういうことにしておくわ」

フィッグ「散歩の途中だ、それじゃあねぇ。あんまり暗くならないうちに帰んなよ、あのバカが勝手にどこかに行ったsゲフンゲフン」

ハニー「?」

フィッグ「こっちの話さね」

18: 2013/03/24(日) 16:40:54.57 ID:O0bWhfce0
ハニー「……暗くならないうちに、ね。あの人は何もしらないはずなのに、優しいわ」

ハニー「愛を振りまく私に世界が優しいのは当然のことだけれど。ねぇ?」

ダドリー「ヒンヒン!」

ハニー「そうよね……それなのに」

ハニー「……」

ガサガサッ

『――例のあの人については、あまり詳しく書けないの。あぁ、ハニー。ごめんなさい、でもふくろうが襲われることを考えたらどうしても、って、止められていて……』

ハニー「……私があなたに会う時に襲うことこそ、止められないのだから。覚悟してなさい」

ハニー「……この口ぶりだと、ハーマイオニーはきっと……なにかしら、魔法界から接触があるみたい」

ハニー「……私には、なにもないのに」

ハニー「……ロンにいたっては、手紙すら来ていないわ」

ハニー「……」

ガサガサッ

『――君はきっとイライラしていることだろう。あぁ、だからと言って、あまり耳の後ろを掻き毟ってはいけないよ。女の子のしていいクセではない』

ハニー「何のことかしら……当たっているのが、くやしいけれど。もう、シリウスは……」

ダドリー「!ヒンヒン!ハニー!やっと笑っ痛い!!」

ハニー「誰がヒトの言葉を喋っていいと言ったのこの豚!!」

ダドリー「ヒンヒン!ヒーン!」

22: 2013/03/24(日) 16:56:20.72 ID:O0bWhfce0
『不満はあるだろうが、おとなしくしていなさい。そうすれば全て大丈夫だ』

ハニー「……」

『間違っても蛙をわし掴みにしたり、ポケットの中を蛙の卵で一杯にしてはいけないよ』

ハニー「どういう行動なの、それ……」

『無茶はするな。いいね。君の家族である私と、約束してくれ』

ハニー「……おじさんが、そう言うなら。でも、なんだか理不尽だわ……シリウスこそ、アズカバンからの脱走なんてとっても控えめな無茶をするような人、なのに……私をこんな、子供のように扱って」

ハニー「そうよ。どうしてこんな、子供みたいに……もう!!」

ダドリー「痛い!!ヒン!!!ありがヒンヒン!」

ハニー「私、子供じゃないわ。いつだって……あいつと対面した時だって」

ハニー「……」

ハニー「……セドリック」

ダドリー「!!」

29: 2013/03/24(日) 17:12:58.34 ID:O0bWhfce0
ハニー「子供扱いされても、しょうがないのかしら」

ハニー「セドリックは……私が、もっとしっかりしていれば」

ダドリー「ヒンヒン!ヒン!!」

ハニー「いいえ、セドリックはきっと無事だって、信じてる。そう決めたじゃないの、わたし。もう、クヨクヨしない……夢に出た時の朝じゃ、ないのだから」

ダドリー「ヒン!ヒンヒン!!ハニー!!ヒン!ヒンヒンヒ……うぅ」

ハニー「なぁに、この豚。さっきから、何を……」

ハニー「さっきから……そうよね。どうして、私……こんなに、弱気なことばかり」

ハニー「この、私が……それに、真夏なのに。この寒気、って……」

ハニー「っ!」

吸魂鬼「――――」

ハニー「っ、どうし、て、こんなところに!吸魂鬼<ディメンター>が……きゃっ!?」

ダドリー「ハニー!」

ハニー「つっ、ダドリー!この私を突き飛ばすなんて、何のまね……」

吸魂鬼「――――」スゥゥゥゥゥゥゥッ

ダドリー「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!許してください、ぼくはきみになんてこと、あぁ、また君にひどいことを……!」

ハニー「っ、な、にを……まさか、吸魂鬼のせいで。昔のことを……?」

ダドリー「ごめんなさい、あぁ……許してなんていえない、いえないようなことをしてきたのは分かってる、けど、ぼくは」

ハニー「なにを、勝手なことを言ってるの。この……ダドリー!!しっかりなさい、あなたは、今は!私の、豚でしょう!!可愛い豚、許すも、何もない!!わたしの、愛を注ぐ相手!!もう、終わったことよ」

ハニー「吸魂鬼、勝手なことをして私の豚を困らせないで……あんたなんかに、せっかく変われたわたし達のことを邪魔する、ような真似、させないわ!」

ハニー「『エクスペクト・パトローナム!!』」

30: 2013/03/24(日) 17:23:39.70 ID:O0bWhfce0
吸魂鬼「――」スゥゥゥゥウウウウッ

――ハニーを連れて、逃げろ!大丈夫だ、僕を誰だと思ってる?あんな、お辞儀草如きに――

ハニー「っ、『エクスペクト・パトローナム!』」

――氏の飛翔、ザ・俺様――

ハニー「『守護霊よ、来たれ!』」

――やーい、やーーい、親無し孤児、やーい!――

ダドリー「あぁ、うぁ、ごめんなさい、ごめん……」

――おい、お前なんてうちの家政婦みたいなもんだろ!トイレでも掃除してろよ――

ハニー「やめろ、って、言って……」

ハニー「(なん、で……ダドリーのことは、もう、もうずっと前に許してる)」

ハニー「(なのに、なのに……あの時のことお、思いださせられ、て)」

ハニー「(杖を、ダドリーに向けてしまいたく、なって、どう、して……ダメ。集中しなさい、わたし!でない、と)」

ハニー「『エクスペクト・パトローナム!』」

ボヤァァァ

ハニー「っ、守護霊、が……『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!』」

吸魂鬼「――――」

33: 2013/03/24(日) 17:37:58.09 ID:O0bWhfce0
ハニー「(ダドリーを呪うなんて、そんな気持ち、私、わたしには、もうない、のに)」

ハニー「(集中、しないと……幸せな、思い出)」

ハニー「『エクスペクト・パトローナム!』」

ハニー「(そうよ……夏、休みなのに。まだ、誰にも。可愛い豚は、いる、けれど)」

ハニー「『守護霊よ、来たれ!』」

ハニー「(まだ誰にも、会えてないのに……手紙さえ、満足に!)」

ハニー「ロンに、ハーマイオニーに……会う、ん、だから!!『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!』」

守護霊『――僕の宝に何をしいるんだい、この下衆が』

吸魂鬼「!?!?!?!?!?」

ハニー「っ!出た、出たわ!守護霊で、パパ……の、私の中のイメージというか、そういうの」

守護霊『消えろ。その前に跪け。僕と僕らの宝物の前でお前の汚い顔を拝ませるのを許可してやる。フードを脱いで礼儀正しく三つ指ついて土下座してからとっとと消えろ!!!」

吸魂鬼「!?!?!?!?」ガタガタガタガタガタ

ハニー「……この間、会ったせいで。ある意味悪化してるわ。頼りにはなるけれど」

38: 2013/03/24(日) 17:49:37.40 ID:O0bWhfce0
ハニー「……行ったわね。どういうことなのかしら。どうして、吸魂鬼がマグルの街中に……」

守護霊『……』

ハニー「あら……今回はすぐ消えないのね、パパ?」

守護霊『お友達の名前だけ呼んでいたけれど、本当のとこあいつにも会いたいんだ、って想いは僕はよーく分かってるよ。なにせ僕ぁおまえのパパだからねHAHAH』

ハニー「用が済んだならさっさと消えて!!!」

ポンッ!!

ハニー「……でも、今のって私のイメージだから……自答のようなも、うるさいわねこの豚!!」

ダドリー「ひ、ヒンッ、ヒン……!」

ハニー「っ、ダドリー! 平気? 立てる、わよね?私の豚なら……あぁ、手をかすわ。だから……」

フィッグ「なんてことだい!!あぁ、こりゃもう、なーんてこった!!」

ハニー「ふぃ、フィッグおばあさん……あ、あー、その、これは、あのね?私の豚を折檻するための、ただの枝で……」

フィッグ「ただの枝!そりゃそうだろうさ、あんたにとっちゃーね!こちとらそれを使うのがどんだけ大変か!仕舞うんじゃないよ、あんたの呪文がまだ必要かもしれないんだから!」

ハニー「!?」

42: 2013/03/24(日) 18:03:11.01 ID:O0bWhfce0
ハニー「じゅ、呪文、って? あー、フィッグおばあさん?」

フィッグ「ミスター・チブルスを見張りにつけていて正解だった!吸魂鬼が現れるなて!マンタンガスのバカめ、うちの猫やらニーズルよりも役立たずだってダンブルドアに報告してやる!」

ハニー「あの、落ち着いて頂戴……ダンブルドア!?あなたは、ダンブルドアをご存知なの!?」

フィッグ「そりゃそうさね、ダンブルドアを知らん人間が魔法界におるのかい?マンタンガスのアホでさえよーく知ってるよ」

ハニー「そ、れじゃぁ!あなたは、魔女!?でも、、だって、ご近所で、何度もその、猫さんを触らせてもらったけれど!そんなこと一度だって……!」

フィッグ「出来損ないのスクイブだがね。あー、あー!それがダンブルドアの狙いさ、そうだろ!?」

フィッグ「あたしみたいな弱い魔法力の人間ならあんたの近くにいても気づかれないからうってつけ、ってねぇ。あんたにも、例のあの人にも!んなこたぁ、どうだっていいんだ!」

ハニー「よく、ないわよ!私……」

フィッグ「それよりマンタンガスのトンチキさ!あたしゃ呪文なんざ使えないってのに、あんたの護衛を放っぽってどこぞに行っちまったんだから!」

ハニー「マンタンガス……その人、も、私のことを?」

フィッグ「あぁ、今日はあいつの当番だったのさ。まったく!まったく!マンタンガスの[ピーーー]!!!」

ダドリー「ヒンヒン!」

ハニー「なっ、なによこの豚!急に立ち上がって私の耳を塞がないの!ちょっと!!」

44: 2013/03/24(日) 18:11:56.15 ID:O0bWhfce0
フィッグ「そのどでかいカボチャみたいなケツの豚は一人で立てるね?え?ほら、さっさと行くよ!」

ハニー「私の豚を私以外が豚って呼ばないで……ねぇ、フィッグおばあさん」

フィッグ「質問は歩きながらにしとくれ!杖は出したまま!魂吸鬼がまた出たら頼むよ、あたしゃティーパック一つ変身させたこともないんだ」

ハニー「……分かったわ」

フィッグ「あぁ、でも今度やるときゃもーちょっと別の呪文に出来ないかい?え?あの眼鏡、ありゃ心臓に悪い」

ハニー「私のパパになんて言い草なのかしら」

フィッグ「そりゃあんたにとっちゃそうだろうがねぇ……とにかく別のにしとくれ。なーに、何を使ったっていいだろうさ。『機密保持法』なんて気にするこたぁないよ。卵泥棒で一回魔法を使うのも、ドラゴンを盗むのに万回使うのも一緒さ」

ハニー「その理屈はよく分からないけれど」

45: 2013/03/24(日) 18:25:26.30 ID:O0bWhfce0
ハニー「『モビリコーパス』」

ダドリー「! やった!やったぞ同胞!僕は一足先に空飛ぶぶt」

ハニー「誰がヒトの言葉を喋っていいといったの、ってば。自力で立てないダメな豚さん?」

ダドリー「ヒンヒン(泣)!」

フィッグ「便利でいいね魔法ってのは。あー、でもあんた、十四かい?え?」

ハニー「……つい一昨日が誕生日だったから、十五だわ」

フィッグ「おっとそりゃおめでとさん。でも『姿くらまし』はできないねぇ。あぁ、どうやってダンブルドアにこのことを知らせりゃいいんだい、まったくマンタンガスのくそったれめ!」

ハニー「あー、わたし、ふくろうなら持っているわ?可愛い白豚だけれど、それでよければ……」

フィッグ「分かっちゃないね、ハニー!あの片はすぐさま動かなくちゃいけないのさ!ふくろう!?んなもんに頼むならあたしゃ……」

バシンッ!!

ハニー「キャっ!?……あ、あら?誰か、が、私達の前に……あぁ、今のって『姿あらわし』の……」

マンタンガス「あー、ん?フィギー、どうなってんだ?ん?ハニーにゃ正体、ばらさねぇってぇ話じゃねぇのかい?」

フィッグ「あたしゃあんたをバラしてやりたいところさねこのバカアホ間抜けトンチキ!!!吸魂鬼だ!!吸魂鬼が出たんだよ!!」

マンタンガス「……おーけー、フィギー。おーちつけよ。ほら、あんまり落ち込むこたーねぇよ。な?ほら、あんたもいい歳だs」

フィッグ「どこまでもボケてんのはあんただけだこのすっとこどっこい!!!やっちまいなミスター・プレンティス!」

猫「ナーーーーーンッ!!」

マンタンガス「や、やめっ、やーーーめろ!!やーーめろって!!!いでっ!いてぇ!!」

ハニー「……ついさっきまで、魔法界からなんにも、と思っていたのだけれどね」

46: 2013/03/24(日) 18:37:15.35 ID:O0bWhfce0
フィッグ「まったくあいつめ!報告するついでに怒髪天なダンブルドアに氏刑にされりゃいいんだ!」

ハニー「腹黒豚はそれを材料にもっとあの人を働かせそうだわ」

フィッグ「よく分かってるじゃないか。ともかくこれで、ダンブルドアも動けるんだあんたのために。夏中そうしていたがね」

ハニー「夏中……?」

フィッグ「あぁ、あたしらを見張りにたてて、あんたに魔法を使わせないようにって……」

ハニー「……」

フィッグ「……その心配が大当たりしちまったわけだけど。こぼれた魔法薬盆に返らず、気にしてもしかたないさね。でもまぁ、猫の尾も借りたいくらいとんでもねーこの騒動になっちまったねぇ」

ハニー「夏中、それじゃ。あの腹黒……ダンブルドアは、私のために色々と?」

フィッグ「そりゃそうさ。六月にあんなことがあったのに、あんたを一人にするわけないだろう?」

ハニー「……それなら、もうちょっと。やりようがあったじゃないの」

フィッグ「あたしに言わんでおくれ。ダンブルドアのやることに、間違いはねーんだ。そう思っときな。さぁ、行くよ。ところでそっちの太っちょは浮かびつつあんたを日差しから守ってるけど、器用な真似するねぇ」

ハニー「出来る豚と呼んであげるわ、ダドリー」

ダドリー「ヒンヒン!」

47: 2013/03/24(日) 18:52:35.61 ID:O0bWhfce0
ダーズリー家

バーノン「ダドリーに何をしおった小娘!」

ぺチュニア「ダッドちゃん?平気?あぁ、可愛いダドちゃんかわいそうに……何をしたの!?その杖で、何かしたのね!?」

ハニー「違うわよ!私は、私と豚を……あっ!」

コノハズク「ケェーッ」

バーノン「ふくろうめ!!我が家に入ってくるなこの非常識の象徴!!くそっ!!全部の窓に鉄格子と『ふくろうおことわり!』の看板をくくりつけてやる!!!」

ハニー「ご近所から非常識の塊とこれ以上思われても知らないわ……それで、これは……魔法省からの、手紙?」


『ポッター様

 我々の把握したところによれば、貴女は先刻マグルの居住区において、マグルの面前で、守護霊の魔法を行使した

 『未成年魔法使いの妥当な制限に関する法令』の重大な違反により、貴女はホグワーツ魔法魔術学校(笑)を退学となります

 貴女には既に『国際魔法戦士連盟機密保持法』の第十三条違反の前科があるため、遺憾ながら魔法省への懲戒尋問への出席が要求されることをお知らせします

 尋問は八月十二日午前九時から魔法省にて行われますのでお間違えのなきよう

 貴女のせいぜいのご健勝をお祈りいたします

 魔法省 魔法不適正使用取締り局 局次長 マファルダ・ホップカーク』

ハニー「……退、学?」

48: 2013/03/24(日) 19:15:21.04 ID:O0bWhfce0
バーノン「ほーう、ほーーーう!『魔法を行使した』!ほれみろ小娘!お前はその杖であの魔のつくなんちゃらを……!」

ハニー「眼くらいは正常でありなさいよ、『守護霊の』がつくのが見えないの!?この私の守護霊、つまりパパよ!?」

バーノン「なんだそれはそれこそ悪夢だろうがあの眼鏡は!!」

ハニー「どういう意味よ!!!」

ペチュニア「そういう意味で……あぁっ!バーノン!」

バーノン「あいたっ!!なん、だ、このフクロウ!わしにぶつかってきおって!!おい小娘、まーたお前に手紙か!?え!?」

ハニー「そのようだからよこしなさい、振り回すと本当に氏んでしまうわよその……工口ールは。ハァイ、工口ール。久しぶりね。私の豚は元気?」

工口ール「ゲェーッ」

ハニー「そうでもないの、そう……当然よね、この私に一月も会えていないわけだもの。それで、お手紙ね……おじさんから、だわ」

『ハニー――ダンブルドアがたった今魔法省についた。なんとか収拾をつけようとしている。いいかね、絶対にその家から離れてはいけない。これ以上魔法を使わないように  アーサー』

ハニー「……これだけ??」

バーノン「おい小娘!今度はなんだ!お前達のその、悪夢のような魔法省とかいうのが、そうだ、お前を捕まえるとかそういう……のあ!?またふくろうか!!ふくろうのつぶて、わしの家に!!まったく!!まったく!!」

『ポッター様

 約二十二分前の当方からの手紙に引き続き連絡申し上げる

 当省は貴女のホグワーツ魔法・魔術学校への退学、そして杖の破棄についての決定を直ちに変更した。

 これらの殊遇については先の日程において開廷される懲戒尋問に決定することとし、貴女はそれまで停学状態であることを理解されたし』

ハニー「手のひら返しにもほどがあるわね……とりあえず、ダンブルドアには感謝、するべきなのかしら……それで」

バーノン「もう驚かん!!もう驚かんぞ!ほーれ捕まえた!!ふくろうだ!!!こいつめ!!!ペチュニア、今夜はふくろう鍋にするぞ!!」

ダドリー「パパがおかしくなっちゃった……ヒンヒン(驚愕)」

ハニー「あのふくろう……よこして!!手紙をよこしなさい!!早く!!これ、って。シリウスの……!!」



『アーサーが今、何が起きたのかを話してくれた。何があろうとも、決して家を離れるんじゃない。いいね?』

ハニー「……? これ、だけ? いいえ、きっと、裏、裏になにか……」

ハニー「なにも……なにも!?!?なんにも!?!?みんな、私が悪さしたように、諭す、だけで!」

ハニー「誰も、だれも私わたしに……っ!吸魂鬼を、わたし、一人で追い払った、のに!!こわ、かったのに!誰も、褒めて……なに、なによ!!」

バーノン「ふくろうがつっつき、もといふくろうが次々!許さんぞ小娘!こむ、おい、あー、おい!何を泣いとる!!泣きたいのはこっちだ!!!」

ハニー「誰が泣いてるの、よっ!っ!ヒンヒン鳴いてなさいよ!!」

ダドリー「ヒンヒン!!!」

52: 2013/03/24(日) 19:28:57.66 ID:O0bWhfce0
バーノン「グズグズと泣いとるだろうが!おい、何か追い払ったとか言ったな!?え!?ダドリーの何を追い払った!?」

ハニー「このわた、っ、私が私の豚に何かするわけないでしょう、って、言っいるじゃないの!」

バーノン「お前数時間前この子踏んどっただろうが!?!?!?」

ハニー「ご褒美よあれは!!吸魂鬼、よ!言っても、分からないでしょうけれど……」

ペチュニア「魔法使いの監獄の看守ね。アズカバンの」

ハニー「!?」

バーノン「!?」

ダドリー「ヒンヒン!」

ペチュニア「あっ……って、あの、近所の奥さんが、あー……」

ハニー「どこの井戸端にそんな会話が転がってるのよ、紹介しなさい私に」

ペチュニア「オホン!昔――そう、昔のことよ。あのとんでもない眼鏡があの妹に!そう話しているのを聞いたの」

ハニー「……なにが楽しくて、パパは監獄のことなんてママに話すというわけ!?」

ペチュニア「そんなものでしょうあの眼鏡なんて」

バーノン「そうだそうだ、あの眼鏡なんて」

ハニー「どいつもこいつもパパのことを眼鏡眼鏡って!パパ自身がそう言っていたから否定はしないけれど!もう!」

56: 2013/03/24(日) 19:40:29.71 ID:O0bWhfce0
バーノン「車のことを聞いて箒の話をしだす馬鹿者のことなどどうでもいい!どうでも眼鏡だ!」

ハニー「なによそれ悪態のつもりなの?パパをバカにするなら……」

バーノン「だまらっしゃい!ともかく!あー、なんだ!?なんなんだ、そのキューコンバー?とかいうのは」

ペチュニア「吸魂鬼<ディメンター>よ。幸福な感情を糧にして、悪い思い出だけで頭を一杯にしてしまう……って、きょ、今日のテレビで言ってたわ!!!」

ハニー「だから教えなさいよどのチャンネルなのよ魔法省の情報流すそれは。そう、そいつがここに現れたのよ」

バーノン「何のためにだ!?え!?そんなとんでもな生き物、どうせお前の、あのへんてこりんな世界のものにきまっとる!」

ハニー「世界初人語を喋る豚のような容姿をして何を言っているのかしら」

バーノン「黙れ!なんでそんなものが、可愛いダドリーを襲う道理がある!?え!?わしら普通の真っ当な人間の街で!」

ハニー「それは……それは、私にも分からないわ。悔しいけれど」

バーノン「分からない、なんてものが許されるか!この辺一帯にはお前だけが異常な、例の、あの、ただ一人のあの魔のつく、『例のアレ』なんだ!!」

ハニー「だから……『例のアレ』……あぁ。少し、検討がついたわ。なるほど、ホント、今日は色々起こる日ね」

バーノン「何だ?貴様が本当に退学になることが起きたのならわしにとってはまたとない吉報だがな!」

ハニー「そんなことになってたまるもんですか。違うわ。きっと、あいつが送り込んだのよ……ヴォルデモートが」

ペチュニア「……あの人は、氏んだはずだわ」

ハニー「……それは、今日の通販カタログにでも載っていたわけ?」

ペチュニア「えっ、えぇ……そうよ」

60: 2013/03/24(日) 19:52:06.00 ID:O0bWhfce0
バーノン「おい!バーノン・ダーズリーだがな!貴様のとこの雑誌はもう届けんでいいぞ!妻にとんでもないことを吹き込みおって!失礼する!」

ハニー「すぐさま電話だなんて、あなたも随分と夫豚をしつけてるのね」

ペチュニア「普通に愛しているだけよお黙り。それで、あの人は氏んだはずでしょう?何を、言っているの」

ハニー「戻ってきたの。あいつは、戻ってきたのよ……あぁ、この場所で、よりによってあなたにこんな話をするなんて本当に、今日はなんていう日なのかしら」

ペチュニア「戻ってきた……?」

バーノン「ペチュニア、ペチュニアや。わしにも分かるように説明してくれんか?え?」

ペチュニア「……この子の、両親を頃した悪人が。あー……娑婆に戻った、というようなことよ、バーノン」

バーノン「ほぉ……ん?まてまて、おい待て。そいつがつまり、その危険な生き物をお前にけしかけた、と?」

ハニー「そうね、たまには物分りがいいじゃない」

バーノン「つまりそいつは、今度はお前を狙っている、そういうことか?え?」

ハニー「こっちだってそのつもりよ。あいつに勝つのは私だもの」

バーノン「なるほど。さて、これで決まりだ小娘。出て行け。いいな?」

ハニー「えぇ、そうね。私もう、休ませてもらうわ。お願いを聞いてあげる。あなたは私の豚ではないけれど……」

バーノン「違う、そうじゃない。部屋から、じゃぁない。この家から出て行けと言っておるんだ!!!この厄介者!!!」

ハニー「……」

67: 2013/03/24(日) 20:12:17.65 ID:O0bWhfce0
バーノン「十四年前にそうするべきだった!出て行け!出て行け!わしらの家から出て行け!」

ハニー「ちょ、待ちなさい。待ってよ、そういうわけに……」

バーノン「うるさい!!うるさい!特にここ数年は!お前は調子に乗るわ、ダドリーはわけのわからんことになるわ」

ハニー「……なによ」

バーノン「大男に酷い目に合わされるわ、デザートは爆発するわマージは膨らむわおまけに空飛ぶ車!車は飛ばん!!間違っても車は、飛ばん!!あんな安物車にそんな機能があってたまるか!!」

バーノン「出て行け!狂った奴がお前を狙って、お前のせいで妻や息子を危険には晒させはせんぞ!お前一人でそんなものは持っていけ!出て行け!」

ハニー「なに、よ!分かったわよ!分かった、わよ……!えぇ、お世話様!私、出て行く……ダドリー!離しなさいこの豚!!」

ダドリー「ヒン!ヒン、ヒンヒン!」

ハニー「っ、私の、私の言うことが聞けないの!?豚の、豚のくせに!」

ダドリー「ヒン、ヒーーーン!!」

ハニー「っ、手紙が何!?何よ、だって、本当じゃないの!!私が、ここにいちゃ……!!!」

バーノン「ダッダー!離すんだ!でないと……お、お前も外に放り出すぞ!?」

ダドリー「そりゃいいやパパ、今までで最高のプレゼントだよ」

バーノン「!?こ、こいつ、久しぶりに一言以上喋ったと思ったら!!!!あいたっ!! ま た ふ く ろ う だ !!!」

ハニー「! 私宛!?よこして……ちょっと、ふくろう!どうして私の手をスルーして……え?」

ペチュニア「……わた、し? 赤い封筒……いやよ、あなた達の方からの手紙なんて、私、二度と貰わないわ……!」

ハニー「あれって、『吼えメール』……早く開けないと酷い事になるわよ!?」

バーノン「!? き、聞いたかペチュニア!こやつわしらを脅して……」

ハニー「黙りなさい!  あっ」

ビリビリッ!

『 私 と の 最 後 の 約 束 を 思 い だ す のj 思 い 出 せ ペ チ ュ ニ ア 』

バーノン「!?」

ぺチュニア「っ!?」

ハニー「……せめて隠しきりなさいよ」

83: 2013/03/24(日) 21:32:32.22 ID:O0bWhfce0
再開
×マンタンガス
○マンダンガス

86: 2013/03/24(日) 21:41:37.79 ID:O0bWhfce0
バーノン「あー、な、何だったんだ、今のは。男……?の大声が封筒から。ふんっ、やっぱりお前達の世界はとち狂っとる!喋る手紙だなんて!

ハニー「あれは私達の中でも特殊なものよ。それより……最後の、約束……?」

ペチュニア「……バーノン、この子はこの家に置いておかないといけないわ」

バーノン「へ?ぺ、ペチュニア?なんと?」

ペチュニア「ここに置くのです。ほら……あー――この子を追い出したとなれば、ご近所の噂になりますわ。この子は、いかんせん、目立つもの」

ハニー「私がいつ何時もどこでだって目立つのは当たり前だけれど……」

ペチュニア「黙って。面倒なことを聞いてくるわ、この子がどこに行ったのか、とか……みんな知りたがるでしょう? 置いておくしかありません」

バーノン「ペチュニア!?な、なーにを言っとるんだ!?え!?」

ペチュニア「ダッドちゃん?ダドちゃんも、その方がいいのでしょう?」

ダドリー「もちの同胞だよママ」

ペチュニア「ほら、ダドリー坊やもそう言ってるわ、あなた……お前は部屋に戻りなさい。外に出てはいけません。これから夏中ね」

ハニー「……あなた、魔法使いと接触しているわけ?」

ペチュニア「質問はしない、答えるつもりもないわ。さぁ、寝なさい!」

ハニー「……最後の手紙を運んできたふくろう、もらっていくわ。それじゃ」

91: 2013/03/24(日) 21:54:41.48 ID:O0bWhfce0
ハニーの部屋

ハニー「……『何が起こっているか、私はいつまでここにいればいいのか。それだけが知りたいの。待ってるわ』」

ハニー「この手紙を、送りましょう……えぇ、一通だけ」

ハニー「おじさまとシリウスからの手紙がほとんど同時に来たということは……きっと、同じ場所にいるんだわ」

ハニー「ハーマイオニーも……ロンも。そういう話しぶりだったわ、たった一通だけ届いた手紙には」

ハニー「お願いね、メンフクロウさん」

メンフクロウ「ピーィ」

バッ シューーーーッ

白豚「……フィピーヒンヒン」

ハニー「……そうね、白豚。みんなが手紙を送れない理由も、なんとなく分かったわ」

ハニー「……あの人のことだもの。入念に準備をしているのでしょうね。そのためには、少しの情報も漏らすわけにはいかない」

ハニー「放っておかれたわけじゃ、なかった。私を守るために――監視のような真似だけれど、動いていてくれたのは、分かった」

ハニー「……分かってる。分かってるのよ」

ハニー「でも……もう、傷の痛みも、夢も、どこから相談すればいいか分からないくらい、みんなと」

ハニー「みんなと話したくって、たまらないのに……」

ハニー「おじさまも、シリウスも……私の心配なんて、少しも……!」

ハニー「寂しい、よ……ヘドウィグ」

ヘドウィグ「……ヒン、フィヒーン」

93: 2013/03/24(日) 22:10:39.07 ID:O0bWhfce0
四日後

ハニー「……」

ガチャッ

バーノン「おい小娘、生きとるか。生意気にもおばさんが用意した料理に全然手をつけんそうだが、何様だ」

ハニー「……ハニー様よ」

バーノン「意外なほど元気でイライラさせてくれるな、お前は。フンッ、まぁいい。わしらは、出かけるぞ」

ハニー「えぇ、わざわざご報告くださらなくたって。いつだって私は置き去りじゃないの」

バーノン「当たり前だ。だが今回は遠出だし、お前はこの間とんでもないことをした後だからな」

バーノン「いいか、小娘。何日か留守にするが、その間、この家を吹き飛ばしたりするんじゃないぞ?え?」

ハニー「そうしてあげるわ」

バーノン「……自分の部屋から出てはならんぞ?」

ハニー「そうしてあげる」

バーノン「テレビやステレオ、そのほかわしらの持ち物に触ってはいかんぞ?」

ハニー「えぇ、そうしてあげる」

バーノン「……ふんっ、いつもそれだけ聞きわけがよければいいものを……おい!もう夜中だ、窓を閉めろ……」

ハニー「いやよ」

バーノン「……わけのわからん奴だ、今に始まったことじゃないが。それじゃ、おとなしくしとれ。いいな」

バタンッ

ハニー「……」

ハニー「……寝ている間に、手紙をもったふくろうが来ていて、届けられなかったりしたら。嫌だもの」

98: 2013/03/24(日) 22:32:13.64 ID:O0bWhfce0
ハニー「でも、もうあれから四日……翌朝すぐに、みんなからの手紙が一斉にくる、っていう。この私の期待は裏切られたわね」

ハニー「……」

ハニー「いい度胸じゃないの、みんな」

ハニー「この私を、高貴で可憐で儚げで、伝説的で道徳的なこの、私を!」

ハニー「ここまで待たせるだなんて……なによ、なによっ!!!」

ガシャンッ!パリーン!

ハニー「!? な、なに……それは、私怒っていたけれど……そうよ、別に、っ、眼は少し、かゆいけれど」

ハニー「何も投げていないのに、何か物音が……割れた、ような? 何かしら……もしかして、私が怒ったせいで……」

ガヤガヤガヤ、ガヤ

ハニー「……人の、声……キッチンのあたりだわ」

ハニー「ど……泥棒!?」

白豚「ピィーヒン!!」

シュバッ!

ハニー「!?ちょ、ちょっと白豚!?どこへ……」

ガシャアアアアアアン!

「なんだ!?!?敵か!!!氏ねぇええええええええ!!」
「ちょ、ちょっとマッド-アイ!ストップ、ストーーーップ!!ただのふくろうだよ、ほら!もう、あなたの顔のがよっぽど怖いから杖下ろして!」
「あぁ、それはきっとハニーのふくろうだよ。まったく、みんな彼女のためならなんとやらだなぁ、うん」

ハニー「……この声、って」

102: 2013/03/24(日) 22:45:20.08 ID:O0bWhfce0
ガチャッ

ハニー「……まだ、キッチンの辺りにいるみたい」

ハニー「……そーっと、行きましょう。そーっと」

ガヤガヤガヤ

「よし、三人一組だ。廊下を先行する組、その後ろについて援護する組、全滅した場合この家もろとも壊しさる待機組にわかれて……」

「最悪すぎる想定しないでよ、もう!」

「油断大敵!わしが教え込んだのにそんなことも忘れおったのか!?え!?」

「そうだね、一年会えなかったからあなたからの教えすっとんじゃった!その間、マッド-アイ?どこでバカンスだったって言ったけ、えーっと?あなたのトランク、だっけ?」

「ここで無駄にもめるのはやめよう。さぁ、ロンから受け取ったこの家の見取り図だよ。さて、ハニーは上の階にいるようだけど、迎えに行くのは……」

「うむ、私がやろう」「すっこんでろハゲピアス、ここは私が」「わた、ゼェ、私、が、ゼェ」
「まぁまぁ、ここは、っさ!いっちばん歳の近い私に任せてよ」「お前に任せるくらいなら私が」

「あぁ、そうだね。みんな行きたい、ってことでこの大隊になったのだった、愚問だね、あぁ。それじゃぁ、皆で行こう……おや」

ハニー「あっ……リーマス……リーマス、なの!?」

リーマス「やぁ、ハニー。ひs」

「おい小娘杖をおろせ!こっちは九人だぞ!!」

リーマス「……」

ハニー「……」

「……最悪よ、マッド-アイ」

「何を言う!まだこやつが本物のポッターかわからんだろうが!!油断大敵!!!」

104: 2013/03/24(日) 22:59:05.97 ID:O0bWhfce0
リーマス「……ハニー、君の守護霊はなんの形をしている?」

ハニー「……パパよ」

「マジかよ」
「すげぇ」
「流石眼鏡」
「さもありなん」

リーマス「さて、マッド-アイ。彼女に守護霊の呪文を指導した私が保証して、ここにいるのはハニー・ポッターその人だと断定するが、私は二年ぶりに再会した挨拶をつづけてもいいかな?うん?」

「それなら好きにしろ。ただし時間がないから手短にな」

ハニー「相変わらずのようね、ムーディ先生」

ムーディ「むっ。『先生』かどうかはよくわからん。結局お前さんにはほとんど教える機会がなかったからな、え?」

「でもさ、ちゃんと顔が見えたほうがいいんじゃない?私達、なんでこんな暗いところで話してるわけ?せっかくキングズリーがファッジからこのあたりでの魔法行使許可取ったんだから、派手に使おうよ。『ルーモス、光よ!』」

パァァァァッ

ハニー「眩しい……あら、本当に。キッチン一杯に、三角帽を被った魔法使いと、魔女が」

オォーーーーーッ

「わぁー、私の思ったとおりの顔してる!よっ、ハニー!元気?」

ハニー「えぇ、ありがとう」

「本当に、リーマス。君の言う通り、リリーそっくりだな」

リーマス「あぁ、私も初めて見た時は夢の続きかとばかり……痛い。トンクス、また私の足を踏んでいるよ?気をつけてくれ」

「でも、ゼェ、ゼェ。眼、目が違う」

「うん、ジェームズだな」

「あー、ジェームズだな」

「あー……ほんとだなぁ」

ハニー「?」

リーマス「気にしないでいいよ、ハニー。みんな懐かしんでいるのさ、それぞれでね」

107: 2013/03/24(日) 23:12:46.62 ID:O0bWhfce0
ハニー「えーっと、リーマスや先生がいるということは。味方、ということでいいのよね?私、物騒な物音がしたから泥棒かとばかり……」

「君が食器を割るからだぞ、全く。そんなことだから……」

「ご、ごめんごめん、ハニー!わたしそういうドジばっかで、あっはは。怖がらせたね?」

ハニー「怖がる?冗談やめて、私が恐れるのは退屈と体重計だけなんだから……そうよ。随分、退屈させられたわ。リーマス」

リーマス「すまないね、いや、私達の間でも意見が割れていたんだ、うん」

「『もっと早くハニーを連れだせ』『ダンブルドアの言う事情なんて知るか』『迎えにいこういや行かせろ』『止めるな噛み付くぞ狂犬病って知ってるかい』だっけ」

リーマス「あぁ、おかげで近所のペットショップではドックフードが売り切れさ」

ハニー「……何故かは聞かないわ。それで、えーっと……ここにいるのは」

「あっ、それじゃ自己紹介しよっか!あのね……」

リーマス「いや、その前に。ハニー、残念ながらね。君の友人たちは若すぎて連れてこられなかったし、それに、今尚魔法省から犯罪者として追われている人物をここには参加させられなかった。すまないね」

ハニー「……そう、いいえ!別になんにも。なんにも期待して、なかったわ!えぇ!」

リーマス「そうか、それは良かった……後ろのみんな、返ったら彼に投げ与える分のほねっこは二番倉庫にあるから」

114: 2013/03/24(日) 23:27:50.66 ID:O0bWhfce0
ハニー「……私が注目されるのはいつものことだし、世界の摂理で当然のことだけれど」

ハニー「あー……みんな、ジロジロと見すぎではないかしら」

リーマス「皆、話には聞いていたけど君を間近に観るのは初めての者ばかりだからね。大目に見てあげてほしい」

ハニー「四日も閉じこもって、髪も梳かしていないのだけれど……それでも完璧なのは流石私、だけれど」

「そうですとも、ハニー!ヒンヒン!」

ハニー「あら、あなたは……ディーダラスね?一年生の時の、『漏れる鍋』で豚にした」

ディーダラス「!覚えでおいででしたか、ハニー!まっこと光栄でヒンヒン!!ヒン!!!」

ハニー「この私が私の豚を忘れるわけないじゃない。ふふっ、出来る豚ね、あなたって」フーッ

ディーダラス「ヒンヒン!ヒーーーン!」

「ずるいぞディーダラス!!」

「そう、ゼェ、そうだ!ゼェ」

ハニー「あら、お望みならばもれなく私の豚に……」

リーマス「とりあえずそれは、後にしてもらおうかな」

「豚って何だろ、あとなんでヒンヒンなのかな」

ムーディ「お前さんは知らなくていい。おい、ポッター!そんなところに杖を仕舞うな!」

ハニー「?そんなところ、って。後ろのポケットに?」

ムーディ「杖の安全な扱いの初歩だぞ!わしはそこに突っ込んだまま座って、ケツに火がついた魔法使いを一人知っとる!」

「へーぇ、誰?そういえば、マッド-アイ。あなたってなんだかいっつも座る時変な体勢じゃない?気のせい?」

ムーディ「いつものお前の勘違いだろう小娘、だまっとれ」

「はーいはい」

ハニー「……私も、この私でさえ今でこそ馴れたけれど。なんだか、お若いのに随分とムーディ先生と、あー、親しい?というか、遠慮がないようね」

リーマス「師弟のようなものでね。紹介するよ、ハニー。ニンファドーラ――」

「そ の 名前で!!呼ばないで、ってば!!リーマス!!」

リーマス「ニンファドーラ・トンクス、ファミリーネームで覚えてほしいそうだ。おかしな話だろう?いい名前なのに」

トンクス「よ、余計なお世話!特にリーマスはダメ!ダメだから!」

ムーディ「キングズリー、明日の夜勤任務はあの二人にしているだろうな?」

「もちのアーサーの息子だ」

トンクス「おい後ろおっさんどもうるさい!!」

ハニー「へぇ……リーマスも、隅に置けないのね。ふふっ」

リーマス「?」

117: 2013/03/24(日) 23:43:42.41 ID:O0bWhfce0
トンクス「ハニーはいいよね、シンプルでかわいくてさ」

ハニー「えぇ、それでおまけに高貴で可憐ね」

トンクス「んー、そうだね。後で参考にさせて」

ハニー「?」

トンクス「わたしのはさ、ほら。おやさしいお母様さまさまが『可愛い水の妖精ニンファドーラ』、だなんて。ウェーって名前じゃなきゃ、もうちょっとかっこよく自己紹介できたんだけどね。まっ、よろしく!」

リーマス「こっちも、改めておこうか。ほぼ初対面のようなものだしね。こちらは、アラスター・ムーディだ」

ムーディ「指差すななんだ呪う気か?え?」

ハニー「よーく知ってるわ。全然違いがないようだもの」

ムーディ「あのアズカバンで喚いとるとかいう若造のおかげさまでな。でもわしは、あんな軟弱者より厳しいから覚悟しろよ、ポッター」

トンクス「厳しいっていうか、マッド-アイは理不尽なんだよね、うん。おっかしいし」

「マッド-アイのしごきにそれで済ませる君も十分おかしいがね」

リーマス「そんなこちらは、キングズリー・シャックルボルト。私達が今日君を助けるのに色々と、魔法省内で尽力してくれた」

ハニー「そうなの、感謝してあげるわ。ピアスがステキね、シャックルボルトさん」

キングズリー「ああ、ありがとう。誰かの初対面の時のように髪のことを言われたらどうしようかと思ったよ、あぁ」

リーマス「こっちは、エルファイアス・ドージ」

エルファイアス「どう、ゼェ、どうも。ハニー。ゼェ。」

ハニー「ハァイ。なんだか息があがっておいでだけれど、平気?」

リーマス「緊張しているのさ、君に会えるとなると大体がそうなる。おっと、君は違うかな、エメリーン・バンスだ」

エメリーン「よろしく、ハニー。いい眼をしてるわね、眼鏡的な意味でなく」

ハニー「えぇ、あなたも堂々としていて……パパがなにか?  眼鏡=パパが分かってきてなんだかいやだわ」

リーマス「スタージス・ポドモアに、ヘスチア・ジョーンズだ」

スタージス「やぁ、ハニー」

ヘスチア「こんにちは、ハニー。キャラがないのがキャラよ」

ハニー「何言ってるのか分からないけれど、よろしく」

119: 2013/03/25(月) 00:03:33.02 ID:M1sR58qS0
キングズリー「君を助けに行く部隊を組むとき、それはもうたくさんの志願者がいてね。選ぶのに大変だった」

リーマス「犬も紛れていたしね、あぁ」

ハニー「……そっ。当然ね、えぇ」

リーマス「あぁ、当然さハニー。誰もが、君を放っておいたことをとても後悔していたんだ」

ハニー「……そう」

ムーディ「あぁ、まぁ、護衛は多いにこしたことはない。それだけ誰かに何かあっても、柔軟に対応できる、そうだろうが?」

トンクス「台無しだってばマッド-アイ、ちょっと黙ってなよ。えーっとさ、出発の合図まだかな?私達結構喋りこんでるけど」

リーマス「あと十五分はある、と思う。ハニー、君は荷造りは済んで……いるね、そうだろうと思ったよ」

ハニー「もっと早く来てくれるものと思っていたのだけれどね、えぇ」

トンクス「それじゃ、私と取りに行こうか。ここのキッチン綺麗過ぎてさ、もうあんまりいられなよ、うん。私のパパもマグル生まれだけどね、ここまで綺麗にしておくのって異常だよ?気づいてる?」

ハニー「?さぁ、私はいつもこのくらいにしておくよう言われていたけれど……」

ムーディ「おい、待て小娘二人」

トンクス「ねぇマッド-アイ。あなたがもしもいっくら偉いからって言って相手から『そこの隻眼男』って呼ばれたらどんな気持ちがする? 小娘はやめてよ!」

ムーディ「小娘は小娘だ。お前達が二階に上がっている間の様子が見えんのは、どうに心配に尽きるからな。まったく、あの若造に使われてから調子が悪くてかなわん……」グチュッ

ハニー「っ!? あー……」

トンクス「……ねー、マッド-アイ。魔法の義眼外すのって傍から見たらとーっても気持ち悪いわよ」

ムーディ「なんだそのくらい、この眼の効果を考えれば安いもんだろうが」

トンクス「女の子を怖がらせるなって言ってんのよ」

ハニー「誰が!こ、わいのは、あー、あなたってこと?そうね、それなら……」

キングズリー「いや、ハニー。女の子、なのは君だけだろう」

トンクス「表出ろこの禿げピアス!上司だからってただじゃおかないわ!決闘よ!!」

ハニー「……トンクスって、からかわれ役なの?」

リーマス「ムードメーカーで、愛されてるのさ、あぁ」

ハニー「そっ。きっとそれを本人には言わないのでしょうね、あなたって。私の周りってどうしてこういう素直じゃない人ばっかり、ックシュ。? 風邪かしら」

124: 2013/03/25(月) 00:21:00.38 ID:M1sR58qS0
ハニーの部屋

トンクス「ほんとだ、ここもやっぱり片付きすぎだよ、あーぁ」

ハニー「なんで残念がられなければいけないのかしら……」

トンクス「いやぁね、ママから女の子は家事くらいできないと!っていっつも言われてて、生返事するんだけどさぁ。こう見せ付けられると自信がね……おっ、畳み損ねたソックスがある。ひょいひょい、ひょい、っと」

ハニー「……ソックスが、なんだか塊になってトランクの方に転がったわ」

トンクス「うーん……こういう才能ないんだよね、アハハ。これでも『闇払い』なのかってよく言われるよ」

ハニー「! あなた、ムーディ先生と同じ『闇払い』なの?」

トンクス「そうそう、さっき言ってたでしょ?引退してたマッド-アイに眼をつけられて――あっ、言葉通りにね。あのおっかない眼で睨まれてたし――いつのまにやら!っていう」

ハニー「あー、そんなに簡単に、なれるものなのかしら」

トンクス「ほら、マッド-アイは引退してても顔利くからね。でも、試験じゃ結構優等だったんだよ?ホントだって!『隠密追跡術』はちょっと、ほら、おドジをかましてギリギリだったけど」

スゥゥッ

ハニー「!?」

トンクス「ほーらね。こうすれば、勉強しなくたって『変装・隠遁術』はいつだって最高点だもん」

ハニー「えっ、えっ!?今、あなた杖も使わずに、どうやって髪、紫から私のような赤い髪に!?」

トンクス「わたし、生まれつき『七変化』っていう能力を持ってるの、うん」

ハニー「そう……外見を、好きな風に……へぇ。羨ましいわ。もちろん、私はこの私自身に変えたいところなんて、ないけれど……」

トンクス「どうやってるのかー、なんて聞かないでね。そういうもんとしか言えないんだ。だからえっと、ほら……その傷もどうにかすれば隠せるよ、気にしないでもさ」

ハニー「……察しがいいのね」

トンクス「女の子だしね、やだよね……そだ。うーんと、こう、こうか!」

ハニー「!」

トンクス「へっへ、どう?ちょーっといつでもやるのは目立つから勘弁してほしいけど、さ!お揃いの傷!」

ハニー「……」

トンクス「ってあれ!?これじゃ逆だ!しまった、あーぁもう台無しだよわたしって、もー」

ハニー「いいえ、ふふっ。ありがとう、トンクスはいい人ね。リーマスにピッタリ」

トンクス「あっ、ほんと?嬉しいな……な、なにが!?は、っはは、ハニー、ジョークが巧いね!ハッ、フッ、ヘッ!だわ!!!」

130: 2013/03/25(月) 00:33:47.85 ID:M1sR58qS0
トンクス「おっと、あんまりお喋りしてられないよね。荷物はオーケー、あとは鳥かご?あっ、いいねシロフクロウ」

ハニー「可愛い白豚よ」

白豚「ピィヒン!」

トンクス「ね、ネーミングはもうちょーっと考えたほうがいいと思うよ、うん。あっとそうだ、箒はちゃーんとある?」

ハニー「気に入ってるからいいのよ。箒?それなら、ここに」

トンクス「良かった。ほら、『姿くらまし』はダメだし、『移動キー』も許可が出なかったからね。確実な、箒で移動するしか……ワァーッ!それって、ファイアボルトじゃない!?」

ハニー「えっ、えぇ」

トンクス「初めてみたよ、すっごいなぁー!こーんな高価なもの、私、キングズリーの下で何年こき使われればいいのか検討もつかない!」

ハニー「えーっと、買ってくれたのは、シリウスなのだけれどね。あー、シリウスは知ってるのかしら」

トンクス「そりゃもう、よーく知ってるよ。そんですっごい納得。あなた、大事にされてるもんね、うん。話してて分かるよあの人と」

ハニー「っ、そう?それは当然ね、家族!ですもの」

トンクス「んー、そういう感情じゃなさそうだけどな。まぁいっか、よくわからな、クシュンッ!ん?風邪かな?」

133: 2013/03/25(月) 00:57:32.61 ID:M1sR58qS0
キッチン

ムーディ「遅い!!あと三十秒遅れていたら敵襲と判断して二階に総攻撃をかけるところだったぞ!」

トンクス「うるさい。えーっと、リーマス?間に合った?」

リーマス「あぁ、あと五分はゆうにあるよ。ハニー、ちょっとこっちに来てごらん。準備をしないといけない」

ハニー「私を讃える準備を?」

リーマス「あぁ、今まさにあっちではその真っ最中だろうね、うん。おじさんとおばさんに手紙を書いておいたんだが、ここでいいかな?マグルの生活は分からなくてね」

ヘスチア「絶対それは手紙を差し込んでおくものよ!違いないわ!」

ハニー「あー、これ、トースターと言って。パンを焼くものなの」

リーマス「へえ、それはアーサーが興味津々だろうね……それでは普通に、テーブルにおいておくとしよう」

ハニー「何と書いてあるの?」

リーマス「まず、『全英郊外芝生手入れコンテスト』が嘘だったことのお詫びを」

トンクス「私が書いたんだ!パパによくマグル式の公文書の出し方教わってたから」

ハニー「あぁ、それであの人あんなに誇らしげに。いい気味ね、あの芝生をあそこまで綺麗に育ったのは誰のおかげか改めて考えればいいのよ」

リーマス「? それと、君は私達でしっかり守るから心配しないように、と――」

ハニー「しないわ、だってあの人たちだもの。ダドリーは例外だけれど」

リーマス「――君は安全だ、と」

ハニー「あの大きい豚の方は残念がるだけね、それは」

リーマス「――そして、また来年の夏休みは君を迎え入れてくれるように頼んで」

ハニー「そう、しなくちゃいけないの?」

リーマス「――っはは、まったく君は、あの二人の子供だよ、うん。どうだろうね、先のことは分からない。ひょっとしたら彼と暮らせるようになっているかも……今はいい、どうせ後でその手の話は山ほどするだろうからね、っと。マッド-アイ、頼むよ」

ムーディ「ポッター、ちょーっと眼をつむっとれ。なに、痛くはせん、『めくらまし』をかけるだけだ」

ハニー「? 何を、ですって?」

ムーディ「『目くらまし術』、だ。リーマスが、お前は良い透明マントを持っているとか言っていたが、飛びながらだと脱げてしまうだろう。マントほど完全ではないが、こちらのほうが上手く隠してくれる。ほれ――」

コンッ サァァーーーッ

トンクス「上手いわ、マッド-アイ。さっすが。ねぇハニー、カメレオンみたいなとこまでおそろいになっちゃったねぇ。ッハハ」

ハニー「なぁに、これ。私の姿が、後ろの壁とかキッチンの色そっくり……魔法って、すっごい!!」

リーマス「あぁ、今浮かべているであろう笑みはもうちょっと早く出してほしかったね、ハニー。ディーダラス他何名かが君が消えたように見えて取り乱してヒンヒン言い出したから」

ムーディ「えぇいうるさいぞ!黙れお前達!なんだ!?わしを呪う準備でもしとるのか!?よしこい!!返りうってやる!!!!」

136: 2013/03/25(月) 01:12:48.01 ID:M1sR58qS0


ムーディ「あと一分だ。もう一度確認するぞポッター、よーく聞いておけ。これがわしの初授業だが、最後の授業にんるかもしれんからな!ハッハッハ!」

トンクス「笑えないからやめてよ!!」

ハニー「是非とも何度だって受け持ってほしいところだわ、先生。リーマスもそうなればよかったのだけれど」

リーマス「ありがとう、ハニー。今のはなんとかして声を残してあの不貞腐れ肉球に聞かせたいものだね」

ムーディ「明るい夜だ。もう少し曇るか、月が欠けてからに日を改めてほしかったのだがな」

リーマス「そうなると暴れだすのが二人ほどいるからよしてほしいよ、マッド-アイ」

ハニー「? あなたのあれなら、欠けていく時期なら平気なのじゃない?」

リーマス「あぁ、男は生まれ持っての狼だとかなんとか言い出すのがいるのさ。実際のところただの畜生と君の家畜だけどね」

スタージス「だってよトンクス」

ヘスチア「文字通りな狼さんに気をつけてねトンクス」

エメリーン「張り切るのはいいけどね、トンクスはそれが過ぎるから」

トンクス「う、うううっさいな!もう!望むところ、いや望まないよ何言ってるの!?」

キングズリー「言質とったぞマッド-アイ」

ムーディ「よーし、騎士団総力をあげて計画を進めんといかんな」

ハニー「?まだ何も聞いていないのに」

トンクス「ハニー、真面目に聞かないでいいよ。それでおっさんどもはちょっとは真面目にやりなさい!時間ないってわたしに怒ったのはなんだったのよマッド-アイ!!!もう!!!」

リーマス「トンクスは面白いなぁ」

141: 2013/03/25(月) 01:25:43.32 ID:M1sR58qS0
ムーディ「しっかりと隊列を組んでいくぞ。ポッター、お前はトンクスの真後ろを飛べ。靴の裏のにおいが嗅げるくらいにぴったりと後ろをな」

トンクス「ファイアボルトにそんな付け方されたら、私コメット260ごと吹っ飛びそうなんだけど」

リーマス「問題ないよ、トンクス。ハニーはいい乗り手だから」

ハニー「史上空前のね、えぇ」

リーマス「あぁ、うん。誰かさんは空に飛び上がらんほど跳ねて観ていたらしいね、まったく」

ムーディ「その下をリーマス、背後はわしがついている。その他の者は周囲を旋回!わしらに何事かあったら、すぐにカバーに入れ。いいな?誰か一人殺されても、隊列を崩さず……」

ハニー「ちょっと待ちなさい、そんなのって作戦って言えないじゃない!ここにいる人みんな――」

ムーディ「みんな全滅し、お前だけ生き残ったら!ポッター、お前さんはひたすらに東を目ざせ!いいな?後発隊が控えておる。わしらの意志は彼奴らに残そう」

トンクス「そんなに似合わない詩的な台詞やめてよマッド-アイ、マッド吐きそう。少なくとも私は最後まで守るつもりだからね、ハニー。安心して?」

ハニー「えぇ、ありがと。みんなも、きっと無事でね……絶対よ?」

ディーダラス「ヒンヒンですとも!ハニー!ヒンヒン!」

ムーディ「甘い考えだ、ポッター!否定はせんがな。それに、うむ、トンクス、お前も見直したぞ」

トンクス「うぇっ!?なになに、マッド-アイがわたしを褒めるなんてさ!ほんとわたし、途中で落とされっちゃうんじゃない!?」

ムーディ「むっ、これでもいつも評価しとるつもりだぞ。いいや、うむ、お前さんはプロ意識に欠ける、そう思っとったが……髪の色や傷跡を似せて囮になろうとは、わしも言い出せんかったことをよく判断した。まっこと、お前の最期はしかとみとどけてy」

トンクス「わたしが折角ハニーと仲良くなろうと思ってやったことを穢すなこのトンチンカン!!!!!!」

ハニー「……トンクス」

トンクス「ショックうけてる!?!?ちが、ちがうんだよハニー!?わたしそんなつもりじゃ、もーーーー!もーーーーー!!」

146: 2013/03/25(月) 01:46:15.07 ID:M1sR58qS0
キングズリー「トンクスいじりも落ち着いたところで、合図の魔法火が上がったようだ」

トンクス「人の尊厳時間つぶしに使うな!!」

ムーディ「全員箒に跨れ!第二の合図で飛び立つぞ、ポッター!」

ハニー「えぇ、そうしてあげる……ハァイ、炎豚」

炎豚「」プルプルプル

ハニー「あなたで飛ぶのは久しぶりね。期待に震えてる、そうね?私も、一緒だわ」

ヒューーーーッ、パンッ!
ヒンヒンヒーーーーン!!

リーマス「あー、魔法火の仕掛けを用意したのは、あの双子だったね、あぁ」

ムーディ「目立つ者はやめろと言うのに!えぇい、いけ!飛べ!」

ハニー「言われなくたって……っ!!」

ビュオォオオオオッ!

ハニー「――あぁ、私――自分の世界に、帰ってきたんだわ」

トンクス「うぅーう、寒い寒い。凍えないといーなぁ……ハニー!何か言ったー!?大丈夫ー!?」

ハニー「えぇ! 不安なんて、吹っ飛んだもの!平気よ!」

トンクス「そりゃいいや! そんじゃ……」

ムーディ「トンクス!さっさと先行しろ!マグルが見上げておる!高度を上げろ!早く!そうだな……400メートルほど!」

ハニー「!?」

トンクス「あー、ごめんねハニー。多分不安とか無くなるの、とりあえず星空眺めていられる今だけかも……ムーディ!!女の子二人もいるんだから、あんまり無理させないでよ!!」

キングズリー「ん?二人?」

トンクス「突き飛ばすわよ禿げ!!」

ヘスチア「二人?え?」

エメリーン「おかしいな、風が強いせいか、トンクス?ん?それともなにか?私達の耳が遠くなったとでも?え?」

トンクス「こ、言葉の、言葉のあやだよ、うん、四人、四人だね……それじゃ飛ばすよ、ハニー!」

ハニー「えぇ、お願い……なんだか私、とっても生きてる気分。幸せ、だわ!」

トンクス「あっはは、分かった。ハニー、あなたって飛行バカってやつだね、うん」

147: 2013/03/25(月) 01:58:59.59 ID:M1sR58qS0
一時間後

トンクス「うーぅ、うーー、あー、ハニー?飛行だーいすきなあなたでもさ、ほら。やっぱこれはキッツイよね」

ハニー「えぇ、そうね……いつもは飛ぶと体が熱くなるから思ってもみなかったけれど。飛行でこんなに冷えたのって、三年生の時のハッフルパフ戦……あぁ、いやだわ。色々と思い出したくないことを……」

トンクス「あっ、ハッフルパフ!?へーぇ、そんなに強かったの?私の頃はてんで弱かったなぁ……」

ムーディ「南東をさせ!あそこの低い雲につっこむぞ!そこでさらに高度を……」

トンクス「雲につっこむ!?冗談よして、マッド-アイ!みんなぐしょ濡れになって、襲われてもないのに凍えて落ちっちまうわよ!!」

ムーディ「軟弱者め!これくらいの寒さがなんだ!」

トンクス「えぇ、えぇ!お尻に火が点いた人は言うこと違うわね!」

リーマス「マッド-アイ、確かにこの条件でこれ以上体力を消耗するわけにはいかない。トンクスの判断に任せよう」

ムーディ「油断大敵!だと言うに、まったく若いのはこれだから!」

キングズリー「油断はしていないさ、マッド-アイ。大丈夫、あなたも、私も眼を光らせているだろう?」

トンクス「あとピアスとか頭とかね!」

キングズリー「トンクス、減俸」

トンクス「酷い!!!」

ハニー「言ってはなんだけど、結構今更よ……?」

151: 2013/03/25(月) 02:25:27.01 ID:M1sR58qS0


トンクス「うーー、寒い……箒に体が引っ付いた気分だよ。ハニー、平気?」

ハニー「えぇ……白豚が温かくて、少しは」

白豚「ピィーヒーン……!」

トンクス「あー、いーなーそれ。そのふくろうモフモフしてそうだもんね……髪もっと伸ばしてマフラーみたいにしようかな」

ハニー「飛んでる今やったら、とんでもないことになると思うわ」

トンクス「あー、そっか。頭いいね、そっか今やったらもうブワーって……もうすぐ着くし、我慢しよう!うん!」

ムーディ「少し来た道を戻るぞ!跡を追われていないか、確かめるのだ!」

トンクス「気は確かなの、マッド-アイ!そんなに何度もコースを外してたら到着が来週になっちゃうわよ!あとほんの1ブロックでしょ!?!?」

リーマス「マッド-アイ、夜明けも近い。時間的にももう頃合だ」

ムーディ「む……なるほど、そのようだな。降下ぁーーー、開始!!!」

トンクス「はーいはい、やったね!ハニー、着いて来てる?よーし――着陸!」

ザザッ、ザザァァァ

ハニー「っ……ふぅ。ありがとう、炎豚。それに白豚も。とっても、たすかったわ。できる豚ね」

白豚「ピィヒンヒンヒン!」

ハニー「それで……トンクスについていくので夢中だったから、よく見ていなかったけれど。ここって……見たところ、マグルの住宅街?『隠れ穴』に行くのかとばかり思っていたのだけれど」

リーマス「あそこは魔法省に居場所をつかまれすぎているからね。今は、危険すぎる。さぁ、立てるかい?トンクスも」

トンクス「あっ、あり、ありがとう。リーマス」

ムーディ「片足くらい凍傷でダメになっとっても、無事で着いたならそれで成功だぞ。いい義足屋を紹介しよう」

トンクス「生憎五体満足よお世話様!!」

ムーディ「よろしい。ポッター、ここがどこか、という話だがな……おっと、その前にコイツだ」

ハニー「なぁに、先生。懐から……それは、銀細工のライター?」

ムーディ「ダンブルドアから借りた。こいつは便利だぞ……そーれ」

カチッ パッ!パッ!パッ!!

ハニー「! 周りにあった外灯とか、残っていた家の明かりが……そのライターに集められたわ」

ムーディ「『火消しライター』とか言ってな。アルバスお手製だそうだ。それで、こっちも奴さんからだ、ほーれ。これを読め。しっかりと覚えるんだぞ?え?」

ハニー「羊皮紙の切れ端……ダンブルドアから!?手紙!?  じゃ、ない、わね……なぁに、これ」

ハニー「……」

ハニー「『不氏鳥の騎士団本部は、ロンドン グリモールドプレイス 十二番地に存在する』」

ハニー「……豚団の間違い?」

リーマス「局所的にはそうなりそうだけどね、あぁ」

153: 2013/03/25(月) 02:43:39.55 ID:M1sR58qS0
不氏鳥の騎士団 本部

ギィィィッ

ハニー「……驚いたわ。あの紙に目を通した瞬間、マグルの住宅と住宅の間にお屋敷が現れたんだもの」

リーマス「驚きももっともだけどね、ハニー。すこーし静かにしてもらえるかな。トンクス、君も特にね。何も触らずに、玄関ホールを抜けるんだ。いいね?」

ハニー「そうして、あげる……ホコリっぽい。それに、なんだか空気がよどんで……ホールは広くて、シャンデリアまである豪華な作りなのに。廃屋のようだわ」

ハニー「あのシャンデリア……それに、燭台って。あれ、蛇をモチーフにしてるのかしら。かわいい」

トンクス「えっ!?」

ムーディ「どれ、そろそろわしらが到着したことに気づくだろう。いいか、油断するんじゃないぞ。まず第一声は『杖をおろせ!』だからな?え?」

キングズリー「いや本部の中が乗っ取られていたらもう終わりだからそれは意味がない、って言ってるじゃないかマッド-アイ」

モリー「まぁ、まぁまぁまぁみんな!お疲れ様!あぁ、ハニー!また会えて嬉しいわ!」

ハニー「おばさま! なんだか、少し痩せた?」

モリー「あなたこそ、ね。しっかり食べないといけないわ。でも、残念。夕食までは少し時間があるわ。とびっきりのものを用意していますからね!」

ハニー「えぇ、楽しみにしてるわ」

リーマス「モリー、あの方は?」

モリー「到着なさってますよ。他の人たちも集まってます、みんなすぐに……あぁ、ハニー。あなたはダメよ、騎士団のメンバーだけの会議ですもの」

ハニー「この私を止めるなんて、って、言いたいけれど……いいわ。でもこれだけ、言わせて頂戴。みんな、ありがとう」

トンクス「いいんだよハニー、楽しかったしね!またあとで!」

モリー「トンクスともう仲良くなったの?えぇ、とってもいいことだわ。そう、それで、ロンとハーマイオニーが上にいるわよ。すぐ案内するわ。でも、ホールではなるべく声を抑えて頂戴、あれを起こしたくないもの」

ハニー「あれ、って……あの、虫食いだらけの長いカーテンの方?何がいるのかしら」

モリー「おいおい説明するわ。さっ、いらっしゃい。お友達に早く会いたいでしょう?」

ハニー「……それはもう」

155: 2013/03/25(月) 02:59:03.95 ID:M1sR58qS0
二階

ハニー「ねぇ、おばさま。みんなはここで、何をしているの?こんな、闇も闇、大闇の魔法使いがすんでいるような家で……」

モリー「あー、そうねぇ。確かに雰囲気は悪いし、えぇ。廊下に並べられた屋敷しもべ妖精の生首は趣味が悪い事この上ないけど、きっと掃除すれば印象も変わるわ。さっ、ここの部屋よ」

ハニー「……」

ガチャッ ギィィィッ



ロン「マーリンの髭!!マーリンの髭!!!ちっくしょうハーマイオニー!君まで大人の味方するだなんて絶対許さないんだからな髭!マー髭!!!」

ジニー「そうよそうよ!!どうして私達がおねぇさまに手紙を書いちゃいけないのよ!!それでなんでこんなに縛られていないといけないのよ!!縛るのはおねぇさまだけにしてよ!!ヒンヒン!!!」

ハーマイオニー「分かって頂戴、よ!私だって、私だって今すぐハニーに伝えたいことも話したいことだってたっくさんたくさんあるわ!!でもこれはハニーのためなの!!それに、あなたたちあの報せを聞いてからずっとこのお屋敷から飛び出しかねないからそうするしか……って、きゃぁ!?!?な、なに、後ろから突然……ハニー!?!?」

ハニー「ハァイ、ハーマイオニー。それに私の可愛い豚さんたち。私のことに一瞬早く気がついて、ハーマイオニーの気を逸らしたのはとっても褒めてあげるわ」

ロン「ヒンヒン!ハニー!会いたかったよハニー!うん?なんだい?そんなこと造作もないさ!何せ僕って君の一番の豚だからね、もちのロンで!」

ジニー「おねぇさま!ヒンヒン!ヒン!!」

ハーマイオニー「ま、またそうやって!!そうやって、っちょ、ハニー!話、話をさせて!先にお話、それは、私だってあなたに会えてとっても嬉しいだなんて、言わなくっても、あ、あぁ、ハニー、そんな、あなたって、名前と同じ、ハニーデュークスと同じくらい甘い匂いだ、なんて……溶けて、しまいそうで」

モリー「つづけて」

ジニー「どうぞ」

ロン「ヒンヒン!!」

159: 2013/03/25(月) 03:16:21.18 ID:M1sR58qS0
モリー「さぁ、ジニー。あなたには頼みたいことがありますからね。ちょっとおいでなさい」

ジニー「そんな、ママ……あぁおねぇさま、またあとで!ヒンヒン!」

バタンッ

ハーマイオニー「フーッ、フーッ、なに、何が甘い匂い、よ!このお屋敷のホコリっぽい臭いしかしないわ!!まったく!!」

ロン「いや君が口走ったことだけどさ。あぁハニー!君の素晴らしさったら千里を駆ける勢いだよねまったく!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ。あなたたちはその素晴らしさをそっくり忘れていたようだけれど、ね。ハーマイオニーは、後でもう少し教え込みましょう。夜とか」

ハーマイオニー「の、望むところ、違うわ!は、ハニー?」

ロン「おーっと。オーケー、ハニー……聞くよ。君はとってもおかんむりだ、そうだろ?」

ハニー「当たり前よ。私、とても怒っているわ……怒ってるの」

ハニー「ずっと、ずっとよ?あんなことがあったのに、何も連絡がなくて!私がどれだけ情報がほしかったか、なのに……!」

ハーマイオニー「ごめんなさい、ごめんなさいハニー!でも、私達ダンブルドアと約束させられたの。あなたに不用意に、あー、教えてはいけない、って――何度もそれを破って送ろうとしたのだけど、何故だかそういう時に限ってダンブルドアか、ムーディに見つかってしまって」

ロン「僕なんか常習だったせいでふくろうの部屋に僕専用の結界が張られたよ。マー髭だね」

ハーマイオニー「それで、二人に添削された……あんな手紙しか、送る事が」

ハニー「それでも、もっと本気になればいくらでも。手段はあったのじゃない?違う?ねぇ、本当に私に連絡をとる手段を、あの腹黒豚がふくろう以外にもっていないと思うの?」

ハーマイオニー「あー、そう、そうかもしれないわ。でもね、ハニー。ダンブルドアは、あなたの安全のことを考えて……」

ハニー「安全、聞いてあきれるわ。あなた達二人のどちらかが、この夏、吸魂鬼に襲われたというの?」

ロン「そりゃ、ノーさ。そこまで見越して、ダンブルドアは君に護衛をつけていたわけだもんな。君の護衛なんて国を背負ってるようなもんだよな、栄誉職だよ羨ましい」

ハニー「……私だけが、知らされてなかったのね。みんな、みんな知ってたのに。ここで、みんなと」

161: 2013/03/25(月) 03:37:02.26 ID:M1sR58qS0
ハーマイオニー「そう、そうよね。えーっと、確かに私達はここで、あなたのことを聞いてたわ。あぁ、ハニー。吸魂鬼のこと、とっても心配したわ……本当よ?」

ロン「あぁ、ハーマイオニーなんてそれを聞いた後立てなくなっちまって、僕が背負って運ぶ羽目になったもんな」

ハニー「……」

ハーマイオニー「でもね?確かにここは本部だけど、私たち全然大人達の話には入れないの。いつも、あなたのことも後から聞き出すだけだわ――」

ロン「あぁ、僕らもやきもきしながらね。ハニーの焼けちまいそうな光輝きさには及ばないけど――」

ハニー「えぇ、そうね。あなたたちも、なんだか色々苦労したみたい」

ハニー「だから、なんだっていうのよ!!!!」

ロン「痛い!!!ありがとう!!!痛い!!!」

白豚「ピィーーヒィン!?」

ハーマイオニー「は、ハニー!?」

ハニー「私はずっとずっとずっと!!一月も!!!誰からも放っておかれて!!!!!」

ハニー「影で見守ってた!?!?私のために動いてた!?!?!?だからなんなのよ!!!私は、わたしのことは誰もみていないじゃない!!!わたしはひとりぼっちで、ひとりで……!!」

ハニー「私、わたし、少しでも魔法界のこと、って!!!読みたくも無い魔法省のデタラメ記事ばかりの『預言者新聞』を毎朝受け取って!!!ゴミ箱からマグルの新聞を漁ってたのよ!?!?」

ハニー「でも、でも情報なんてどうだってよかった!!あいつのニュースじゃなくったって、ほんとうは何だって良かった!!」

ハニー「えぇ、そうよ!!優しいあなたたたちが、わたしのことを心配していないはずないじゃない!そんなことわかってるわよ!!」

ハニー「でも、でも!!あなたたちは、わたしが一人なのに、一緒にいて……!!どうしようもなく、こんなこと考えたくないのに……!!」

ギューーーーッ

ハニー「腹が立って、寂しくて、悔しくて、しかたなく、て……わたし、会いたかった、よぉ……二人に、会いたかったの……それだけなのに……!!!」

ロン「……いいぜ、ハニー。僕は君のサンドバックだからね。存分に、うん。締めちゃっていいよ、窒息するくらいに。もちの僕で」

ハーマイオニー「はに、グスッ、ハニー……ごめんなさい。あなたの気持ちも考えないで、理屈、ばっかり……」

ハニー「ぅぅぅ、ぁあああっ、ゆる、ゆるさな、いん、だからあああああ、っっうう」

ロン「一生かけて償うさ!なぁ、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「もちのあなたよ。約束するわ、ハニー」

ハニー「あたり、まえよっ、っ、離してあげない、んだから、わたしの、二人はわたしの、なのぉ!!」

164: 2013/03/25(月) 03:53:20.11 ID:M1sR58qS0
数十分後

ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

ハニー「忘れなさい」

ロン「いや、僕さっきのあの顔と台詞だけで向こう60年は戦えるね、あぁ」

ハーマイオニー「あら、来世までといわないのは珍しく謙虚に過ぎるわね」

ロン「そりゃ来世は来世でハニーの下に馳せ参ずるからね僕ぁ」

ハニー「忘れなさい、って言ってるの!!!もう!!……それで、ここは。騎士団っていうのは、なんなの、いったい」

ロン「君を崇拝し並びに影ながら支え、おっと、これは豚団の話だった」

ハーマイオニー「聞き捨てなら無いことを口走らないで」

ハニー「流石私の豚ね、言わなくてももう出来ているなんて。出来る豚だわ」

ハーマイオニー「公認してしまうのね、えぇ。分かってたけど。あー、不氏鳥の騎士団は、ダンブルドアが率いる秘密同盟だそうよ。前回、『例のあの人』と戦った人たちなの」

ハニー「そう……ヴォルデモートと」

ロン「うひゃぁヒン!君はやっぱりとんでもないねハニー!とんでもないのは美貌とかその他諸々筆舌に尽くしがたいけどねヒンヒン!」

バチン!バチン!

ハニー「きゃぁ!?」

ハーマイオニー「! ちょっと、それ、やめて頂戴ってば!!」

フレッド「やぁやぁハニー、僕らの女王様。君のとんでもなく偉大な、鈴を崖から突き落としたような声がどうにも響いちまってね」

ジョージ「『伸び耳』の効果を妨害してるから顔をだしてみた次第さ。すぐにどこへとでも現れるこの術をみせびらかすついでにね」

ハニー「『姿現し』試験に合格した、そういうわけね……『伸び耳』?」

ロン「この二人の発明でさ、すっげーんだよハニー、君の次に」

ハーマイオニー「そればかりねあなた……まぁ、えぇ。二人の発明にしては、役立つほうだとは思うわ」

フレッド「おいおい、言いのかいグレンジャー嬢、そんなことを言っちまって」

ジョージ「例えば僕が究極の惚れ薬をつくっても、そんなことじゃ売らないぜ」

ハーマイオニー「そんなもの、ハニーから常に垂れ流しじゃないのよ」

168: 2013/03/25(月) 04:10:43.29 ID:M1sR58qS0
ガチャッ

ジニー「おねぇさまただいま!ヒンヒン!あら、二人もいたの」

フレッド「いつでもいるぜ、君の心のそばにね」

ジョージ「可愛い末妹のためならどこにでもさ」

ジニー「頼まないから私の目の前に突然『姿あらわし』する悪戯はもうやめてよね。この『クソ爆弾』ぶつけてやるんだから」

ロン「物騒なものを持つなよ、ハニーへの想いだけもってろよまったく」

ジニー「両手一杯胸一杯よ、ヒンヒン!」

ハニー「一杯ならまだまだ上に積めるでしょう?励みなさい、私の豚さんたち」

ロン「ヒンヒン!」

ジニー「ヒンヒン!!」

ハーマイオニー「豚団の集まりは他所でやって。ジニー、本当に、それで何をしてたの?おばさまの用事っていうのは?」

ジニー「あー、それは途中で放り出して、会議の部屋に『邪魔よけ呪文』がかけられていないか調べてたの。トンクスが調べ方を教えてくれたんだけど、こういう有害なものを投げつければいい、って。ダメだったわ。だから『伸び耳』もきっと効果なしよ、二人とも」

フレッド「そうか、盗聴できないのはハニーのあまーい声は関係なかったみたいだな」

ジョージ「あの心が安らぐまるで滝のような、な。流れ落ちるのとは関係ないけどさ」

ハニー「うるさいわ」

ロン「ちぇっ、せっかく今日はあのスネイプの野郎がいるからおったまげる話が聞けるんだったのにな。マーリンの髭」

ハニー「……スネイプが?」

ジョージ「あぁ、マル秘の報告をしてるに違いない、ってぇ踏んでたんだけどね。スネイプのことだ」

フレッド「奴さんが関わるとなーんだかあやしいからな。怪しさプンプンの嫌な奴、それがスネイプ」

ハーマイオニー「まったく、そういう固定概念はやめなさい、ってば。スネイプはもう私達の味方よ?この本部に入れていることがその証拠じゃないの」

ロン「味方だろうとなんだろうと嫌な奴はいやな奴さ。あいつが僕らを観る目つきときたら。まるで家畜か何かを見てるようなもんだよ」

ハーマイオニー「ハニーはどうなのよハニーは、もう……」

ジニー「ビルもあの人が嫌いだわ。学生の頃に何度もいやな目にあったんだ、って。イケメンだもの、ビルって。嫉妬してるのねきっと」

ハニー「秀でた人が世の中で糾弾されるのは世の常ね、えぇ」

ロン「君は僕らが守るよハニー!ヒンヒン!!世の中?なんだいそれ?マーリンの髭かい?」

171: 2013/03/25(月) 04:29:08.24 ID:M1sR58qS0
ハニー「それじゃ、ビルもこちらにいるの。たしか、エジプト勤務だったように思ったけれど」

ロン「事務職を希望して、ダイアゴンのグリンゴッツに配属になったんだ。騎士団の仕事をできるように、ってね。あー、あともう一つあるけどさ」

ハニー「? まわりくどいのは嫌いよ。なぁに?」

ロン「ごめんよヒンヒン!フラー!あのフラー・デラクールが、今年度からグリンゴッツに勤めたんだ。ビルの下でね」

フレッド「おぉっと、ビル兄ぃの何の下かは聞いちゃいけないぜ」

ジョージ「ナニのことだろうな、あぁ。舌が回らないね、僕ぁさ」

ハーマイオニー「部下ってことでしょう、やめなさい。ハニーには通じないからその手の話」

ハニー「なんだかバカにされたような気がするけれど。そう、フラーは良い子だし、ビルと上手くいってよかったわ」

ジニー「ママはあんまり嬉しくないみたいだけどね。チャーリーは、まだルーマニアだわ。いずれ帰ってくるけど、いまはダンブルドアの命であっちの人たちに活動を広めてるんだ、って」

ハニー「そう、大変なのね。外国の人たちに……あら?それなら、一番うってつけなのはそういうノウハウがある……パーシーじゃないのかしら?」

フレッド「あぁ、ハニー!なんたる悲劇! おふくろの前で、パースの名前を出さないほうがいいぜ」

ジョージ「その凄惨さたるやもはや喜劇! パースのやろ、あいつ、魔法省の側につきやがったのさ」

ハニー「えっ!?」

ジニー「大変だったのよ……パパはいまでもパーシーの事を話すと手に持ったものを壊してしまうし、ママは泣き出してしまうわ」

ロン「あぁ、うん。パパがあんな風に怒るのは、見たことなかったなぁ」

フレッド「僕らの家でヒステリー気味に叫びだす、といったらおふくろだもんな、あぁ」

ジョージ「夏休み一週目さ。パースが高らかに叫んだんだ。『昇進しました!』ってね」

ハニー「……冗談でしょう?クラウチさんのことが、あったのに」

ロン「そう、そこだよ。あーんな大失態したってのに、パースの奴『大臣付き下級補佐官』になったんだ。ファッジ直属の部下だよ……いつもより得意満面だったな、そんなことがありえるのなら」

ジニー「パパは、こう言ったの。『おそらくファッジはパーシーを使って、ダンブルドアと懇意にしてる私たちの情報を握ろうとしているに過ぎない』って」

フレッド「今の魔法界じゃダンブルドアの名前を鼻つまみ者にしてやがるのは、わざわざ言うまでもないね、ハニー?聡い君だ」

ジョージ「『例のあの人』なんていませんの一点張りだもんな、魔法省は。そんで、パーシーは親父の言い分が面白くなかった」

ロン「それで、言っちゃったんだ。あー、自分は魔法省の方針を信じる。それに、自分はこれまでうだつのあがらない父さんの評判のせいで苦労した、とか。あー、それで、そんなことだから僕達には、ほら。お金がないんだ、とか。そういうこと」

ハニー「……私、別段パーシーのこと、嫌ってはいなかったわ。でも、とんでもない豚以下になってしまったのね。あの人」

173: 2013/03/25(月) 04:41:55.15 ID:M1sR58qS0
ハニー「それじゃ、パーシーは魔法省を。それに『預言者新聞』に書いてあるようなことを信じる、そう言っているわけね?」

ロン「あー、大体そんな感じ。まったく、君の言葉を信じないなんて。天啓にも等しいってのに」

ハーマイオニー「あなたを情緒不安定で目立ちたがりなホラ吹きだとか、ダンブルドアがもうろくしたイカレた老人だとか、そんな人の言うことは信じるに値しない、だとか……あ、ご、ごめんなさい」

ハニー「いいのよ、分かっているから……私の退学が決まったら、一面大見出しにすることでしょうね。その原因となった吸魂鬼の襲撃のことは、一言も書かないくせに」

ロン「悪だよな、連中って。僕らが向き合う悪なんて、『例のあの人』たちで十分なのに。なんでこうなっちゃうんだろ、マーリンの髭」

フレッド「珍しく考えた台詞を言うじゃないか、ロニー坊や」

ジョージ「それは、そうだな。お前も成人すりゃわか……お」

バチン!バチン!

ガチャッ

モリー「会議が終わりましたよ。ところで、このあたりからあの二人があの『バカ耳』を伸ばしていなかった?」

ジニー「さぁ。ママ、なんで『クソ爆弾』なんて持ってるの?」

モリー「誰かが扉の前にごっそりと置いてあったの。あの二人だと思う?」

ジニー「クリーチャーじゃないかしら、あれって、ちょっとおかしいもの」

モリー「あぁ……そうね、変なことばかりしているし」

ハーマイオニー「クリーチャーは変なんかじゃ、ないわ!長い間ここに一人だったから少し耳が遠く、そう!!ハニーと同じように!一人だったから!そうよ!」

ロン「クリーチャーってのは、ここにずーっと住んでた屋敷しもべ妖精のことだよハニー」

ハニー「そうみたいね。ハーマイオニーのそちらへの意思は……」

ロン「薄れちゃいないみたいだね、あぁ。反吐が出るよ」

ハーマイオニー「『S.P.E.W』!!!スピューじゃないったら!!!」

174: 2013/03/25(月) 05:11:07.36 ID:M1sR58qS0
玄関ホール

ジニー「ママ、今日は誰が残ってるの?誰がいてもおねぇさまが入れば今日からの晩餐は豪華絢爛だろうけど」

モリー「リーマスにトンクス、それと、あー……マンダンガスだわ。今日こそあのパイプは遠慮してもらわないと……」

ロン「スネイプは絶対ここには残らないんだ、安心してくれよハニー。奴さんのためにも僕らのためにもそれがありがたいよな、まったく」

ハニー「一緒のお食事をしたい相手ではないわね、えぇ」

ハーマイオニー「だから味方だ、って言っているのに……どうしてもスネイプ先生を嫌いたいのね、あなたたちって」

ハニー「それは、私いつまでたってもあんな態度をとられているんだもの。そうでしょ?」

モリー「お話はそれまでにして。いいこと?ホールを横切るときは静かにね?」

ハニー「えぇ……と、言いたいけれど。一体どうしてなの?おばさまの頼みとは言え、理由もしらないのにコソコソするのは、私いやだわ」

ロン「知らない方がいいよ、ハニー……いや、ほんとに。これはほんとに、もちのロンで」

ハーマイオニー「そうよね……あ、戸口にトンクスとルーピン先生。二人でたくさんある扉の鍵をかけてるみたいね」

ハニー「あら、ほんとね。あの二人だけ残して、またみんなで気を使ったのね。下手な気を」

リーマス「あ、っと。すまないねトンクス、手が当たってしまった。指が細いな、君は。もっと食べなさい」

トンクス「わわっ!わ、わーーー!あ、あっはは!あの、私ほらそういうのも自在だからさ!やろうと思えばこんな風に、ほーら!腕も足もふとーく……あぁ!?」

ドンガラガッシャーーーーーーン!!

ロン「……すごいや。こんな音でこける人が本当にいるなんて。マーリンの髭」

ハニー「トロールの足くらいある傘立が、凄い勢いで転がったわ」

ハーマイオニー「ハニー、耳塞ぎましょう!はやく――――」


『キィイェエエエエエエエエエエエエエエエエエエギヤァアアアアアアアアアアアアアアエエエエェエエアアアアアア!!!!!』

ハニー「!?!?な、なに!?さっきの、大きなカーテンが開かれて……扉じゃなく、て、あれは……肖像画!?う、るっさ……」

『穢らわしい クズども! 塵芥のやから! 雑種! 異形! 出来損ないのクズどもめ!!!ギヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

トンクス「う、いったた。ご、ごめんみんな、またやっちゃった……あーぁ、起きちゃったよ……鬼婆が」

『黙れ血を裏切る者の子供め! 今すぐ出て行け ここから立ち去れ! 我が祖先の館を、よくも汚してくれた――』

「やれやれ……トンクス、またやってしまったのか?え?あまりその声を聞きたくないのだがね、私は」

ハニー「あっ……!」

『コイツゥうううううううううう!!!!!!』

「黙れ鬼婆、だー、まー、れ!一度は私を見て青筋意外の線を立ててみりゃどうだ、まったく変わらないなあんたは」

『血を裏切る者よ、忌まわしい!我が骨肉の恥――!』

「私からみればあんたころ恥だ!ほら、大事な仲間の前で恥をかかせるな! リーマス、そっちを。せー、の!!」

ピシャッ!!

「ふぅ……あー、こんな出迎えですまないね。やぁ、ハニー」

ハニー「シリウス……!!!!!」

シリウス「どうやら、私のお優しいお母様に会ったようだね」




ハニー「お、お義母様!?!?!?シリウス、な、何言って!?」///

シリウス「うん?何かおかしなことを言ったかな……顔を赤くして、どうした?風邪でもひいたかい?え?道中寒かったようだし、さぁ、これでも着なさい……ハニー、ハニー!?どうしてこっちを向いてくれないね、うん!?そんなに熱が酷いか!?そ、それとも加齢臭か!?私の鼻でさえかぐわないくらい気を使ってるつもりだが、ハニー!?」

ロン「……リーマス、あのさ」

リーマス「あぁ、ほねっこなら用意しているよ」

ハーマイオニー「段々、ハニー自体もなんだかダメな気がしてきたわ」

199: 2013/03/25(月) 14:42:23.64 ID:M1sR58qS0
キッチン

ハニー「えっと、それじゃここは、シリウスのお家なの……?」

シリウス「誰も君に話していなかったのか。そう、厳密には私の両親の家、だった」

ハニー「?」

シリウス「深く考えなくていい。こんなところは自分の家だと思っていなかった、それだけさ。ブラック家の最後の生き残りとして、名義上は私の家に違いないがね」

ハニー「そう……シリウスが、最後の。えっと、私と。私と一緒ね?」

シリウス「そうだな、天涯孤独同士家族になるにはお似合いだろう?」

ハニー「んなっ、あっ、そ、そうね、えぇ!家族、家族になるのだもの、~~っ!」

ロン「痛い!ありがとう!ヒンヒン!」

シリウス「? ところでハニー、そろそろ私の上着を脱いでもいいのではないか?温まっただろう?」

ハニー「寒いわ!ロンを敷いて、ハーマイオニーに手を暖めてもらってもまだ寒いの、そうよ、私、長旅だったんだもの」

ハーマイオニー「そうね、寒いでしょうとも。なんだか手が汗をかいてるもの、あなた。暑さではないわよね、これ」

ロン「あぁハニー!てんぱる君もステキだねヒンヒン!」

シリウス「古い家だ、隙間風もあるだろうからな、うん。だが、ここのマグル対策や隠蔽魔法は完璧だ。気に食わないが、本部としてはうってつけなので私がダンブルドアに提供したのさ――それくらいしか、私は彼のお役にたつことはできそうにございませんからね」

リーマス「ハニーの前でふてくされるのはよせばどうだい、シリウス。すまないね、君の出迎えメンバーになれなかったことをまだひきずっているようだ」

シリウス「当たり前だ、なんだ君たちは。こんな小さな女の子にあんな距離を飛ばさせるなんて。私ならハニーを横抱きにしてしっかり暖めながら飛ぶぞ、まったく」

ハニー「なっ、そ、そんなの、あぶ、危ないじゃない!!」

ロン「あぁ、寒いどころかハニーがオーバーヒートしちまうもんな。僕は君の美貌にいつも熱暴走だけどねヒンヒン!」

ハーマイオニー「髪どころかお顔も心も真っ赤よね、えぇ」

203: 2013/03/25(月) 14:59:29.37 ID:M1sR58qS0
アーサー「それで、やはりチャーリーはこれ以上……おぉっと!やぁ、ハニー!会えて嬉しい、長旅ごくろうだったね!」

ハニー「ハァイ、おとうさま。そうね、私にかかれば容易いものだったわ。冷えたけれど」

シリウス「クリーチャーの奴はどこだ?暖炉の火を放って、まったくあいつめ」

リーマス「いい事を教えようか、君が持っているあの杖でも暖炉の火は起こせるんだ、知ってたかい?」

シリウス「奴の仕事は奴自身にやらせるのが当然だろう、甘やかすと付け上がる」

ビル「クリーチャーならさっき地下に行くのを見かけたよ。やぁ、ハニー。無事着いてよかった、それじゃマッド-アイはグリーンランド上空を経由しなかったんだね?」

トンクス「しようとしたわよ、あのイカレお師匠さんは。私が反対したおかげで、ハニーは凍え氏なずに済んだんだから」

シリウス「それはありがたいね、さすが可愛い水のようせ、っく、妖精、ニンファドーラ」

トンクス「笑うな呼ぶなニヤんなそこの食肉目!ハニー、お願いだからそこのおっさんに影響されないでね、お願いだから」

ロン「もう遅いよな二年ほど」

ハーマイオニー「手遅れね、ええ」

ハニー「何の話よやめなさい……ビル、その羊皮紙はなんなの?建物の見取り図……?」

ビル「あっ、えーっと……なんでもないんだ。そうだな、うーん……僕とフラーの愛の巣の設計図、なーんてね」

ハニー「手が早いどころのお話じゃなくなってきたわね、あなた」

ビル「責任とるなら問題ないさ、うん」

モリー「許しませんよ!ママはまだ許してませんからね!」

ジニー「ママったら……これじゃ、私が嫁ぐ時なんてもっとうるさそう」

ロン「ありえるね。まぁ、ほら。僕みたいに出来た兄貴はどんな奴でも笑顔で祝福してやるぜ、ジニー?もちのロンで」

ハーマイオニー「なぜかしら、物凄く反対したあげくジニーに呪われかねない場面しか想像できないわ」

204: 2013/03/25(月) 15:14:19.42 ID:M1sR58qS0
モリー「さぁさ、お食事を始めるんですから片付けて頂戴。ビル、会議が終わったらそんなものはすぐにしまわなくてはいけませんよ?」

ビル「分かった分かった、『エバネスコ、消えよ』」

ハニー「何巻きもあった羊皮紙が、消えてしまったわ……大事なものではないの?」

ビル「大丈夫、『変幻自在術』がかけられているから大元の羊皮紙にも書き込んだ諸々は映されているし、それに『双子の……』おっと、ママの目がコワイ。お食事前に難しい話はよそうぜ」

ハーマイオニー「『変幻自在術』……」

シリウス「ビルの言う通り、難しい話は後だ。食事をしたハニーには温かくなってもらわないと」

ロン「ハニー的にはこのまま寒すぎて上着が離せないほうがいいと思うけどね」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!」

シリウス「不便だろうそれは……そうだ、ハニー。マンダンガスには先日会っているらしいね?」

マンダンガス「ぐごー、ぐがー……ハッ、おンの名前、誰か呼んだか?ん?俺は、ふぁー。シリウスん賛成ぇする……」

シリウス「会議は終わったぞ、マンダンガス。なんだ、私に賛成してくれるならちゃんと起きていろ……『ハニーの部屋は私と一緒か隣がいいと思う』に二票入ったのに……」

ハニー「!? も、もう一票ここ、に、あの……」

ハーマイオニー「残念だけどハニー、反対票も二票増えるからドローだわ」

ロン「いや、ハニーのためを思えば、いやでも、ちくしょうマーリンの髭!!」

208: 2013/03/25(月) 15:28:14.44 ID:M1sR58qS0
マンダンガス「あー……ハぁニー、あんたか。着いたんか、え?あー、元気か?」

ハニー「えぇ、いつだって完璧だもの。それで、あなたの方は……えぇっと、少し元気がなさそうね?というか、顔にお怪我……」

マンダンガス「いんや、心配しなくてもえぇ。あんたにゃあやまンにゃならん。うん、顔は、こいつぁ、まぁ、俺がやらかしちまったことにな、その、落とし前だ」

シリウス「当たり前だ、本当ならテムズ川に浮かべているところだ」

リーマス「満月の夜に出歩けるだけ感謝してほしいね」

トンクス「あー……吸魂鬼が出た後の会議はいろんな意味で修羅場だったなぁ」

ハニー「お、お友達同士でそんなのダメよ……」

マンダンガス「いんや、俺のやったことはそりゃ許されねぇ、うん。盗品の大鍋を、譲ってくれるっていうんでよ……商売のチャンスで、欲に目がくらんじまって……持ち場はなれたんだ、うん。すまねぇ、ほんとに」

ハニー「……いいわy」

マンダンガス「そんな大なべがこちら!今や魔法省付き上級補佐官となったホープのパーシー・ウィーズリーがかつて監修したという『絶対漏れないクラウチさん大鍋』!!いまならあんただけに安くsいてぇ!!!!」

シリウス「悪いねハニー、こいつは冗談が好きで。面白い奴なんだが、たまに面白さが過ぎるんだ。おいマンダンガス、ちょっとこっちこい」

リーマス「ちょっとお喋りしててごらん。さぁ、フレッチャー。夜に怯える覚悟はいいかい」

ハニー「……あー、変な人なのね?」

ハーマイオニー「否定はしないわ、全然ね」

ロン「ママが聞いてなくてよかったよ、ただでさえマンダンガスをあんまり好いてないのにさ」

トンクス「モリー!このお皿、こっちに運べばいいの、って、うわぁ!?」

ドンガラガッシャーーーーン!

モリー「トンクス!だからあなたは座ってて、って、あ、い、いいから!片付けようとしなくても、い、あぁ!前をみて前を!!」

ドンガラガッシャーーーーーン!!

212: 2013/03/25(月) 15:44:02.31 ID:M1sR58qS0
マンダンガス「ずびばぜん、ほんどに」

ハニー「あ、えぇ。あの、いいのよ、気にしてないわ」

ロン「へい、ダグ。あんまり顔近づけないでくれよ、ハニーは優しいからむげになんてしないけど、怖がってんだよ僕にはわかる、何せ僕はハニーの下でハニーの少しの驚きも感じ取る事ができるか痛い!ありがとうございまヒン!」

マンダンガス「ほんど、俺ぁどうにもいけねぇ。ダンブルドアへの恩返しをしねぇとなのに、儲け話となると、どうも……あー、フィギーにはあれからあったかい?え?」

ハニー「いいえ。あれから、ついさっきまで誰にも会っていなかったもの」

マンダンガス「んー、そうか。そりゃ……おっ、猫だ。そン猫は、フィギーん家にいんのと似てるなぁ」

クルックシャンクス「ナーーゴ」

ハーマイオニー「? この子、ニーズルの雑種よ?」

ロン「そうだったのかい、なるほど、どうりで僕の髪を根こそぎマルはぐくらいの大きさだと思ったよ」

アーサー「髪の話はやめよう」

リーマス「うん、アラベラはそれを生業にしてるんだ。ハニー、ご近所じゃ猫屋敷として有名じゃなかったかい?それも、人をジーッとみてきて不気味な猫達の」

ハニー「そうだったわ。私は、昔からよく預けられていたからそれなりに仲良しだったけれど」

ロン「ハニーの近くにいて仲良くならない奴の気が知れないね!そんな奴マーリンの髭でもつまってるよ!」

ハニー「……そうね」

シリウス「よ、っと。この子は本当に賢いから、頼りになるよ。ダグ?ひょっとするとお前より見張りに向いてるかもな?え?」

マンダンガス「か、勘弁してくれシリウス……」

クルックシャンクス「ナーーーン」

ハニー「……シリウスの膝で、耳の後ろを……ねぇハーマイオニー、ポリジュース薬って」

ハーマイオニー「ネコになるのは私だけで十分だから却下よ」

ロン「意味深だなぁ、もちの僕で」

214: 2013/03/25(月) 16:00:55.31 ID:M1sR58qS0
シリウス「フィッグも大変だったな、きっと……あぁ、君もよくやった。吸魂鬼を一人で追い返すなんて、中々の武勇伝だ。さすがだよ」

ハニー「あっ……ふふっ……ハッ!ね、ネコを撫でた手で私を撫でるなんて、あの、いい度胸じゃないシリウス!もう!」

ロン「なんで僕ってシリウスじゃないんだろ」

ハーマイオニー「ロナルド・ビリウス・ウィーズリーだからでしょ」

シリウス「しかし、なんだね。それじゃ、君は中々の夏休みを過ごせたのじゃないか?思っていたよりも」

ハニー「っ、どういう……?」

シリウス「少なくとも、君は外を散歩できた……手足を伸ばして、退屈をしのげて、それに命を賭けた氏闘も。あぁ、もちろん君がそれを楽しめるなんて思ってはいない。怖かっただろう。だからこそ、私は本当に君と代わってやりたかった。何度ここを飛び出そうと思ったか」

リーマス「その度にダンブルドアか私がすかさずリード……オホン、腕を掴んで取り押さえたがね」

ハニー「……シリウスは、ずっとここに?」

シリウス「缶詰だ、あぁ。外出も許されなかった……魔法省はまだ私を追っている。手配書の頃とは随分違うが、なに、私は割りと目に付く容姿をしていてね。目立ってしかたないんだ」

ハニー「っ、えぇ、そうね。シリウスは、その……ハン、」

シリウス「うん?」

ハニー「は、半マイル先からでも分かるくらい、目立つもの!」

シリウス「ははっ、なら君と隣で並んで歩くと目立ってしかたないだろうな。とびきり可愛いから」

ハニー「~~~っ!!」

ロン「痛い!ありがとう!!ヒンヒンマー髭!」

216: 2013/03/25(月) 16:18:55.77 ID:M1sR58qS0
シリウス「おまけに、私の自慢の変身はヴォルデモートの闇(笑)の陣営に筒抜けで役に立たない」

リーマス「ご親切なワームテールが話してしまっただろうからね、あぁ」

ハニー「そう……それじゃ、ダンブルドアは、あなたには」

シリウス「そうだ。こんな、最前線にいるというのに。不氏鳥の騎士団のために私が出来ることはなにもない、少なくともダンブルドアはそう思っているのだろう……」

ハニー「……わたし!」

シリウス「うん?」

ハニー「わたし、は!シリウスがいてくれて、とっても嬉しいわ! それじゃ、ダメ……?」

シリウス「……っ、っは、ッハハハハ! あぁ、うん。ありがとう、ハニー。君は本当に、高貴な子だ」

ハニー「だ、だから撫でないで、ってば!! どうしてもというなら、あの、やめなくてもいいけれど……」

リーマス「……全く、私達が何度なだめても不満顔だったくせに、これだ」

ロン「ハニーバカだからなぁ」

リーマス「まぁ、スネイプが事ある毎に彼を煽っていたのも原因だね、うん」

シリウス「おい、泣きみその話はやめるんだ。せっかく消臭の呪文を振りまいたのにまた汚水臭くなる」

ハニー「……スネイプは、ここで何をするの?」

シリウス「色々とご報告、さ。奴の命を賭けた任務のね。まぁ、それはいい。だが話の節々に私がここで平和にのうのうと暮らしているだの、大掃除は進んでいるかだの、嫌味な当てこすりたっぷりなことを――」

ハニー「あー、その。大掃除って?」

ハーマイオニー「ここを、人が済むのにふさわしい場所にしてるの。ほら、とっても汚れているでしょ?私達ここにきてからずーっとそうしてたわ」

シリウス「お優しい母上が亡くなってから十年も誰もすんでいなかったからな。あの屋敷しもべ妖精はいたが、奴さんすっかりひねくれてる」

ハーマイオニー「使えるべき主人がいなくなって心神喪失だったのよ!そんな言い方ってないわ!」

シリウス「あぁ、そうだな。さっさと他所に移るか、お仲間の首の横に並んでいればよかったのさ」

ハニー「えーっと……シリウスは、仲が悪いの……?その、クリーチャー?と」

シリウス「あれはこの家の嫌なところばかり思い出させる。それはあっちも一緒だろう。そうだな、仲睦まじいとはいえない。嫌ってもいないよ。どうでもいい、というのが正直な所だ」

マンダンガス「シリウス、なぁ、このゴブレッド、こりゃ純銀か?え?」

シリウス「それと同じくらいどうでもいいな。あぁ、十五世紀ゴブリン製の高級品だろう」

ハニー「屋敷しもべ妖精、それにこんなお屋敷、高級品……シリウス、って」

リーマス「お坊ちゃまだよ、あぁ」

シリウス「やめろ」

217: 2013/03/25(月) 16:36:09.83 ID:M1sR58qS0
夕食

モリー「フレッド、ジョージ!いちいちナイフやフォークを呪文で浮かせて食べるんじゃありません!」

フレッド「ごめんよママ!でもさ、こうやって生活に呪文を使うことでなにやらがとぎすまされてどうやらふにゃっと」

ジョージ「そうさ!こういう日常的なでも細かい作業が伴うものを魔法で行うことによって僕らのなかのアレがこうね」

モリー「ふわっとした反論しかできないなら黙って普通に食べなさい!もう!」

ロン「あの二人はいいよな、成人したからもう好きに魔法が使えるんだ。あぁハニー!君は魔法がなくったって魔法みたいな美しさを誇ってるけどねヒンヒン!」

ハニー「当然ね、禁じられた呪文も真っ青だわ」

ハーマイオニー「従わせるのも苦しませるのも骨抜きにするのもできてしまうものね、あなた」

ハニー「一番骨抜きなのは、誰かしら……?」

ハーマイオニー「っ、ちょ、っと?お食事中、テーブルの下、ちょ、あの、後!後、夜で、って、さっき言ったでしょう!?」

モリー「まったく、兄さん達は誰もそんなおかしなことはしませんでしたよ!ビルは一メートルごとに『姿あらわし』なんてしなかったし、チャーリーは何でもかんでも呪文をかけたりしなかった!パーシーは……パーシー、は」

アーサー「ところでシリウス、リーマス。君の歳だとそろそろ抜け毛予防をしないと、後悔するころには遅いよ?」

シリウス「乗ってやろうアーサー。あー、その心配はいらないね。もうすぐ私は生え変えの時期だ」

トンクス「犬基準で話すのやめなよ、たまにどっちのこと言ってるかわかんなくなるよ」

リーマス「白髪のせいで老けてみられがちだな私は……そうか、もうそんな歳になるのか」

トンクス「り、リーマスのその髪、わたしはカッコイイと思うなー!」

リーマス「っはは、ありがとう。真似するのはやめた方がいい、君はいつものが似合っているよ」

ビル「髪、髪かぁ……僕も父さんみたくなるのかなぁ。フラーはなんていうかな」

アーサー「髪の話はやめよう」

シリウス「自分に返ってきたとたんそれかい」

モリー「グスッ、び、ビル。そうね、そのくらいのことはドーンと構えて気にしない人でないと、ダメよ!いいこと!?」


ハニー「……みんな、気を使ってるのね」

ロン「ママが泣き出すのはなれてなくてオロオロするからね。君が泣くのは結構日常茶飯事だけ痛い!ヒンヒン!」

219: 2013/03/25(月) 16:58:51.55 ID:M1sR58qS0
ワイワイ、ワイワイ

ハニー「みんなそれぞれ、近くの人と話がはずんでるわね」

ロン「僕はいつだって君を思うと心がはずんでしかたないけどねヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。丸まるの豚さんだもの」

ハーマイオニー「姿までそうなってしまったらもう悪夢ってどころではないと思うからやめて」

シリウス「うん?ハニー、ポークチョップが欲しいか? チキンも美味しいが……ほら、とってあげよう」

ハニー「あ、ありがとう……あ、そう。皿に置いてくれるのね。ありがとう……」

ロン「あぁハニー!上機嫌な君が僕にしてくれるのと同じことをシリウスがしてくれたらとってもいい晩餐だったのに分かるよハニーなんてったって僕は」

ハニー「ロン」

ロン「なんだいヒンヒン!」

ハニー「はい、アーーーン」

ハーマイオニー「ハニー、貝殻を食べさせるのはいくらなんで、ロン、ロン!?ダメよちょ、口のなかズッタズタになるわよロン!?!?」

シリウス「はっはっは、仲がいいなぁ君達は」


ビル「小鬼がどちらの側につくのか、分からないんです。もちの末弟で、連中はどちらにも関わらないのが一番だと思ってるでしょうけど」

アーサー「ルードの件で魔法省にも不和があるし、前回の『あの人』の時代に殺されたノッティンガムの一家の件があるから、確かにそうかもしれない」

リーマス「思うに、見返りが何かによるでしょう。金銭のことじゃなく、連中が長く渇望していた『魔法界においての自由』、これを提供すれば彼らの気持ちも動くでしょうが……ファッジにそんな気概があるかというと」

アーサー「ないね、あぁ。『小鬼つぶしのファッジ』なんて呼び名、実は気に入っている節がある――」


フレッド「ッハハハハハハハ!!おい、おいおいそりゃぁいくらなんでも冗談だろ、ダグ!」

ジョージ「ッフハハハハ、ハハ!奴さん、自分の蛙を元値の倍以上で買っちまったのかい?」

マンダンガス「おーよ、自分とこから盗まれたもんだともしらねーでよ。俺、おっかしくておっかしくて……」

モリー「マンダンガス!!息子達に盗みの話なんてやめて!」

マンダンガス「ち、ちげぇんだようモリー。ウィルのヒキガエルは元々ハリスんとこから奴さんが盗んだやつだ、だから俺ぁなーんにも悪いこたぁしてねぇよ、な?」

モリー「ジニーも聞いてるんですよ!全く!」


ジニー「ねぇトンクス!豚みたいな鼻してみて!」

トンクス「オッケー……こう?オィンクオィンク!」

ジニー「完璧!でも、鳴き方違うわよ?ヒンヒンでしょ?」

トンクス「?豚なのに????」


マンダンガス「聞いちゃいねぇみたいだけんどもよぉ?」

モリー「黙りなさい!もう!!」


シリウス「あぁ、モリーが元気になってよかった。彼女が暗いとただでさえ暗いこの屋敷の影が濃くなる」

ハニー「私が来たからその心配はいらないわ」

ロン「ああハニー!君って僕らの太陽にも等しいもんね!物理的にも心理的にも!ヒンヒン!」

220: 2013/03/25(月) 17:18:15.78 ID:M1sR58qS0
モリー「さっ、デザートも食べ終わったわ。みんな、お腹一杯ね?」

フレッド「ほんと、極上の馳走だったよママ。いつも以上にね、そんなことがあるなんておっどろきだったけど」

ジョージ「これなら僕らの女王様にはいつでもマグルの町から遥々ご到着願いたいもんだね。どうだいハニー?」

ハニー「それは遠まわしに帰れと言ってるのかしら」

シリウス「双子そこ座れ!」

リーマス「ちょっとお話しようか」

ロン「マーリンの髭!」

ハーマイオニー「日頃冗談ばっかりな人たちの言葉を真に受けないの! リーマスはしっかりして!」

モリー「まぁまぁ、いい晩餐になったようでよかったわ。それじゃ、もうみんな寝ましょうか――」

シリウス「いや、モリー。まだだ。私達は、ハニーをこの夏中置き去りにしてきたことに謝罪しないといけない」

ハニー「……いいのよ、シリウス。もうここに来られたし」

シリウス「いいや、きっと聞きたいはずだ。いいかい、私には遠慮するな。ヴォルデモートのこと、気にならないとは言わないだろうね」

アーサー「……」

ビル「……」

リーマス「……」

トンクス「……あっ」

ガシャーン!

シリウス「……トンクス、片付けなくていいからそこでジッとしてるんだ、いいね?」

トンクス「ご、ごめん。はい」

ハニー「……もちろん、気になるわ。だって私、あいつに負けないって決めたもの」

シリウス「あぁ、君ならそう言うだろうと思っていた」

ハニー「でも、ここに最初に着いた時。ロンとハーマイオニーに、あー、問い詰めたら」

ロン「ものすごい勢いでね、あぁ」

ハーマイオニー「どこからの何の勢いかは置いておきましょう」

ハニー「黙って。二人はほとんど何も聞かされていない、って言うから……きっと私達では若すぎて、騎士団にも入れていないからダメだとあの腹黒豚は思っているんでしょうね、って思って」

モリー「その通りよ!あなたたちは、若すぎます!」

シリウス「若ければ、騎士団に入っていなければ質問してはいけない、なんて。誰が決めた? ハニーは当事者だ。おまけに、何も知らされず一ヶ月も閉じ込められていた。知る権利がある。私達には教える義務がある」

224: 2013/03/25(月) 17:43:36.98 ID:M1sR58qS0
フレッジョ「「俺達は成人なのになーんにも教わってないぞ!?」」

シリウス「君らは学生だろう。君達のご両親の判断だ、従いなさい。ハニーは……」

モリー「ハニーにとって何がいいのか決めるのは、あなたじゃないわ!シリウス、ダンブルドアのお言葉を忘れたの!?」

シリウス「あぁ、ありがたーいあの方のお言葉の、どれのことでしょうねぇ」

モリー「ハニーが必要であること以上のことを話してはならない!ということよ!」

シリウス「私はハニーが知る必要があること以上のことを、話すつもりはないよ。そして、ハニーは。いいかい?ヴォルデモート復活の場に居合わせた、当事者だ」

モリー「っ……」

シリウス「ハニーは、大方の人間よりずっと、知っていなくてはならないことが多い。むしろ、ハニーにこれ以上隠す事自体がハニーの危険を呼ぶ。そうだろう?」

モリー「でも、でもこの子は……騎士団のメンバーじゃないわ!まだ、たった15歳で……」

シリウス「これまで、もっと前からこの子がどれだけのことを成し遂げているか、わざわざ説明さしあげることもないと思うが」

モリー「っ……!」

シリウス「それに、私がジェームズと初めて氏喰い人と戦ったのは、そう大差ない年齢だ。関係は……」

モリー「! それよ、それよ、シリウス!!この子はジェームズじゃないのよ!!一緒にしないで、あの眼鏡と!!いくら似ていても、この子はジェームズと違うの!あなたがハニーのしてきたことを口にするときは、ジェームズが戻ってきたような言い方だわ!」

ハニー「それのどこがいけないの???」

モリー「あなたはジェームズじゃないから、よ!ハニー!だから……」

シリウス「そんなことは分かっている!!!!」

モリー「!!」

シリウス「……分かってる。この子はジェームズと、リリーの子供だ。見ればわかる。これでまだ、ジェームズの方に似ていてくれたら私もそちらにすがれたのだろうがな。この子は、私のせいで……」

リーマス「二人とも、少し落ち着こう。血が登りすぎて、責任をもつべき大人の意見交換とは言えなくなっている」

モリー「っ、それじゃ、アーサー!何とか言ってくださいな。ハニーのためを思う、大人の立場で!!」

アーサー「……フーッ。母さん、モリーや。君の言うことはもっともだ。だがね、現状を考えてほしい……ダンブルドアも立場が変化したことをご存知だ。ハニーをこの本部に迎え入れた、ということは、アル手度の情報を与えるべきだと認めているはずだろう」

モリー「それは、それはそうですわ!でも、ハニーに何でも好きなことを聞くように促すのは、全然別です!ただでさえなんでも答えそうな大人が多いんですもの!」

シリウス「ないない」

モリー「ことあるごとにジェームズとリリーの話をしてる人は黙って!!!」

リーマス「落ち着いて。私個人としてはね、モリー。ハニーは事実を知っておくべきだ。歪曲された情報を、誰か他の者から知らされるよりは。今は形のない的である奴らを相手するのに、情報は何よりも恐ろしい武器になりうる」

モリー「……そう、そうですか。私の味方はいらっしゃらない、そういうことね!ハニーにとって一番いいことを、考えている私が!」

シリウス「何も恐れることはない、今は平和で世界は優しい、そう嘯いて大事にしまっておくのは娘だけにしておけばどうだい」

モリー「娘も、同然よ!!この子に、ほかにだれだいるというの!!」

シリウス「おっとどっこい、私はこの子の後見人だ。私は二人にハニーを任された。家族になる、そう決めたんだ」

モリー「っ、っ!!あら、それでもあなたがアズカバンにいる間は!お世話をするのに随分と大変だったでしょうね!!!」

シリウス「言って良い事と悪い事の区別もつかないなら教え込むしかないな杖をとれプルウェット家の生き残り……!!」

アーサー「モリー、言いすぎだ!やめなさい、おちついて。このテーブルについているもので、ハニーのことを気遣っているのは君だけじゃない」

リーマス「シリウス、おすわり!」

シリウス「やめろ!!」

229: 2013/03/25(月) 18:03:13.10 ID:M1sR58qS0
ロン「リーマス、絶対タイミング見計らってたよな」

ハーマイオニー「すごく良い顔していたものね」

ハニー「なんだかリーマスはたまーに同族な気がするわ」

トンクス「大人の舌戦ってコワイなぁ……マッド-アイくらいむしろ武力行使なほうがわたし分かりやすくていいやー」

ビル「それはどうなんだろう、成人者として……あー、リーマス。ハニー本人の意思も、聞いてやるべきじゃないかな」

リーマス「大体君はいつでもそうだ、正論だからと言ってなんでもかんでもあんな風に捲くし立てていいわけじゃない。それだからいつまでたっても子供だといわれて……あぁ、そうだね」

シリウス「おやおやそうだな、君はいつだって大人だった。だから僕らが悪ふざけしている時も澄ました顔で見ていたんだものなよーく思い出したよ……あー、ワフン。ハニー、私の言ったことは気にせず、正直に答えてほしい」

ハニー「……」

リーマス「君ももう、自分で十分に判断できる年齢だ。私達は君の意見を尊重する」

ハニー「……おかあさま、ごめんなさい。私の事、娘同然って言われて、ほんとに、ほんとに嬉しいの。でも」

モリー「……」

ハニー「……私、わたし決めたの。怖くっても、逃げないって。だから」

ハニー「わたし、知りたい。何が起こってるのか」




ハニー「この、私の豚団の中で」

リーマス「あぁ、やはりそうなるか、なるほど。ダンブルドアの先見の明は確かだね、えぇ」

シリウス「うーむ、私はハニーがそう言い出すのはよく理屈が分からなかったが、ハニーの言うことだ、従おう。ビル、図案を」

ビル「えーっと、各団員に連絡をしないといけませんね。団旗とかも作り直しだし、そうだな、このあたりはハニーにデザインしてもらえば」

モリー「母さんに任せなさい。そうね、バックには百合をちりばめてっと」

アーサー「もはやダンブルドアに集まったというよりはハニーのために決起した団と言って過言じゃないからね、この団は」

トンクス「でもさー、なんか語呂がちょっと悪くないかなー。もうちょいこう、ハニーの可愛いとことか際立たせるような名前にしようよ!あっ、ニンファドーラは関係無いからねっ!?」

マンダンガス「ヒンヒン!」


ハーマイオニー「唯一真面目な象徴だった『不氏鳥の騎士団』って名目を捨てるのはやめなさいこのダメ大人!!!!!!!!!!」

ロン「ハニーの前じゃどんな人でも骨抜きってことだよね、あぁハニー君って罪深いレベルの美しさだよヒンヒン!」

ハニー「当然ね、私だもの」

261: 2013/03/26(火) 18:42:23.32 ID:7R8OT3BA0
リーマス「そういうわけで、私達はハニーの質問に答えようとおもう」

ロン「あぁ、だってそれって壁に投げたボールが返ってくるくらい当然のことだもんな。あぁハニー!君の計り知れない剛速球にぼくらはクラクラさ!」

ハニー「そうね、超ハイスクール級ね、えぇ」

ハーマイオニー「あなたたち何言ってるの?」

リーマス「モリー、いいね?」

モリー「えぇ……ハニーがそう言うなら、止めませんわ。さっ、フレッド、ジョージ、ジニー、ロン、ハーマイオニーは寝なさい!」

グレッド「おいおい相棒、おふくろは誰のこと呼んでんだろうな」

フォージ「ほんとだよな。俺達はグレッドとフォージなのになぁ」

モリー「サマーセーターを取り替えない!!

アーサー「モリー、二人を止めることはできないよ……確かに、二人は成人だ。もはや魔法責任を自ら負える立場にある。良くも悪くも」

フレッド「さっすがだぜパパ!俺達のいっちばんの理解者!」

ジョージ「毛生え薬が開発できたらいのいちばんに送るよ!」

モリー「そう、そうですか……それじゃ、ロンと、ハーマイオニーは!」

ロン「ママ、僕らはそれでもいいけどさ。僕のハニーが『例のあの人』のことなんていうメッチャくちゃに重い話題を一人で抱え込めると思うかい? そんなことさせないけどさ」

ハーマイオニー「おばさま。私達も、ハニーと一緒に聞きたいわ。ハニーを支える、大事な……」

ハニー「っ、あり、ありが……そ、そうね!私の豚だもの!当然で……」

ハーマイオニー「ヒンヒン?」

ハニー「やめてよ!!!」

モリー「……誰かカメラは?」

リーマス「落ち着いたのはいいが、話を進めようか、モリー」

シリウス「ヒンヒンってなんなんだ、ほんとに……くそぅ、私はあの子の後見人なのに」

リーマス「ワンワン鳴いていればいいじゃないかうるさいな」

シリウス「やめろ」

265: 2013/03/26(火) 18:54:17.78 ID:7R8OT3BA0
モリー「それじゃ……ジニー!ジニーは、寝なさい!!」

ジニー「私だって、きっとおねぇさまかr」

モリー「それとこれとは話しが違います!!私は母親としてあなたのためにこの場にはいさせません!さぁ、こっち!」

ジニー「いや!!放して!!ママ、やめてよ!!痛めつけられるのはおねぇさまからで十分よ!!」

ロン「何言ってんだよジニー、あれが痛いなんて君の感覚どうかしてるよ」

ハーマイオニー「あなたのほうこそね……お、おばさま、穏便に。それにジニー、言葉が過ぎるわ。冷静に……」

ジニー「やめ、やめ、て……ヒンヒン!!」

モリー「!」

ジニー「……」

モリー「……そうね、ジニー。あなたもハニーが心配なのよね……ママが、悪かっ」

ハーマイオニー「舌戦して。わけのわからない言語で収束してしまうくらいなら、私達に分かる形で話し合いをして。お願いだから」

ロン「あぁハニー!君を思えばみんなの心があの太陽が昇る地平線みたいに穏やかだよね!ヒンヒン!」

ハニー「当然ね、おまけに朝日でみんなの心を照らす、そういうことよね」

ハーマイオニー「夜よ、今は」

リーマス「……納得したのかな?」

モリー「……過激な言葉が出るようなら、私がジニーの耳を塞ぐ事にするわ」

フレッド「おーっと、それならダグはずーっと口を閉じてなきゃいけないぜ」

ジョージ「あんたのお話はちょーっと末妹が知るにゃ早すぎるからな、え?」

マンダンガス「いんや、あンこはきっと今に引く手あまたなどえれぇ美人になるからきっと……」

モリー「目玉を潰すわよこのゴロツキ」

アーサー「マンダンガス?」

ビル「これ以上財産差し押さえられたくないだろ?え?」

マンダンガス「……すいません」

ハニー「可愛がられているのね、ジニーって。私ほどじゃないけれど」

ロン「まぁ君を可愛がるのは人類の義務みたいなもんだしね」

269: 2013/03/26(火) 19:08:33.83 ID:7R8OT3BA0
シリウス「オーケー、みんなが納得してこの場にいる。ここから先は止めるのはなしだ、いいね?」

リーマス「君がハニーに飛びついたりしなければね」

ハニー「!?」

シリウス「ハッハッハ、面白い冗談だ、ムーニー。ハニー、今夜はベッドを空けていてくれるかい?」

ハニー「なっ、あっ、な、なん、よ、よろk」

ハーマイオニー「残念ですけど私が予約済みよ!!!!!」

ロン「二人とも冗談が過ぎるよ、こっちの二人とも真に受けないでくれよまったくマーリンの髭」

シリウス「よし。それじゃ、ハニー。まずは何を知りたい?」

ハニー「……あなたの誕生日」

シリウス「うん?よく聞こえなかった、なんだい?何でも聞いてくれ」

ハニー「あー、えっと、そうね。そうしてあげる……あの、ヴォルデモートは――」

トンクス「うわっ! あっ、あー……ごめん、シリウス。またここの皿減っちゃった……」

シリウス「……トンクス含め何人かがその名が出ると面倒なようだから、これからヴォルデモートを仮に『ニンファドーラ』と呼ぼうか……っく、っふ」

トンクス「やめてよ!!!!」

ハニー「……あのニンファドーr」

トンクス「やめてよぉ!!!!!」

リーマス「ふざけるのはよすんだ、シリウス。そうなると君は生きていられなくなるかもしれないが」

シリウス「何を言う、私はいつだってハニーのために真剣だ。それで?」

ハニー「あいつは、何をしているの?私、あいつが復活した以上、もっと大事になるのだと思っていたわ。でも、ここのところのニュースで、その……大きな事故とか、酷い事件が起きたとか、聞かないわ」

シリウス「あぁ、不審な氏、凄惨な虐殺、それらはまだ起きていない。我々の知るかぎりでは、だが」

リーマス「あいつの想像以上に知っているんだがね、私達は」

シリウス「闇(笑)の陣営は今、潜伏状態にある。あいつは今、自分達に目を向けられては困るのだ。勢力は復活して間もないし、それに、奴の復活は自分の思い通りにはいかなかった」

リーマス「しくじったのさ、分かるだろう?誰あろう、君が。君のおかげで、今の所魔法界は悲惨な現状とまではいかない事態で踏みとどまってるんだ」

ハニー「私、の?」

273: 2013/03/26(火) 19:33:25.57 ID:7R8OT3BA0
ロン「やっぱりハニーって存在するだけで僕らを守護する女神だったってことだね、ヒンヒン!知ってたけど」

ハーマイオニー「茶々いれないの」

シリウス「君が生き残った、それがあいつにとって一番の誤算だ。恥ずかしい仮面を被ったあいつの崇拝者たちこと『氏喰い人』(笑)以外は、奴の復活を知るはずじゃぁなかった」

リーマス「ところが君は生き残り、我々に奴の復活を知らせる証人になってくれた」

アーサー「あぁ、おまけにそれを一番に伝えたのが、ダンブルドアだ。これ以上の適任はいないよ、うん」

ハニー「? それが、なんの役にたつというの? いずれあの腹黒だって、知る事になるでしょう……?」

ビル「役にたった、なんてものじゃないよ、ハニー!忘れたかい?ダンブルドアは『例のあの人』が恐れた唯一の人だよ?」

ハニー「その呼び名には誤りがあるわね。今じゃ私が筆頭だもの」

ロン「『例のあの人』?HAHAHA!とびきり可愛い女の子の前じゃマーリンの髭さ!」

シリウス「言うじゃないか、さすがだね。それで、君のおかげでダンブルドアは奴の復活の一時間後には不氏鳥の騎士団、あぁ、いや、君の豚団の全員に連絡をとる事ができた」

ハーマイオニー「その悪夢みたいな名称続ける気なのね、冗談じゃなく。冗談じゃないわ」

ハニー「冗談抜きな素晴らしさだもの、そうでしょ?」

ハーマイオニー「はいはい、そうね。そうでしょうとも」

ハニー「それで……一体、どんなことをしているの?あいつは、身を潜めているのでしょう?」

シリウス「あいつの計画が実行できないように、出来る限りのことをしている、そうだ」

リーマス「潜伏状態とは言ってもね、奴らはそれこそ表に出ないところで色々と行動を起こしてる。ダンブルドアは洞察力が鋭い。おかげで私達は学生時代何度煮え湯を飲まされたか……っと、それはいい」

シリウス「奴は、自分の軍団を再構築しようとしている。あぁ、あの恥ずかしい連中だけじゃない。奴と同じように、今は闇にまぎれ、表には出てくることがない者たち……」

ハニー「……闇の生き物や、それに、巨人ね。あいつが復活した夜、そう言ってたわ」

シリウス「あぁ、どうせ身振り手振りに溜めたっぷりの舞台役者のように語ったのだろう。まったく恥ずかしすぎて、逆に尊敬に値するね」

リーマス「おやおや、君が誰か女の子を誘うときに垂れていた文句を聴かせてあげたいものだね」

シリウス「やめろ」

ハニー「……」

ロン「痛い!ありがとう!!ヒンヒン!!!」

277: 2013/03/26(火) 19:56:32.94 ID:7R8OT3BA0
シリウス「そう、奴はかつて膨大な数の同病者……もとい、手下を傘下にしていた」

リーマス「忠実な『氏喰い人』、脅して従わせた魔法使いや魔女、ありとあらゆる闇の生き物たち、お辞儀が得意な日本人」

ハニー「最後が分からないわ」

リーマス「いたぶって遊んでいたそうだ……まったく、悪趣味だよ」

シリウス「巨人は、奴が最も目をつけている種族といえる。それもほんの一つに過ぎないがね」

アーサー「私達は、『あの人』が手下を集めるのをできるだけ阻止しているんだよ。魔法省を相手に戦うだけの陣営が、あちらの側で出来上がらないように」

ビル「なるべく多くの魔法使いに、『例のあの人』が復活したことを信じさせて、警戒させているんだ。あわよくば、この団に入ってもらってる」

ロン「今じゃ入れ食いだろうな、もちのロンで」

ハニー「そうね、何せこの高貴で可憐で儚げで、伝説的で道徳的な私の名を冠しているのだもの」

ハーマイオニー「むしろそちらに警戒するわよ、もう」

ハニー「……上手く、いってるの?」

シリウス「おっと、分かってるじゃないか。そう、これが中々厄介だ。魔法省の態度のせいでね」

トンクス「ファッジの奴、あれがあったっていう次の日に魔法省のエントランスで朝礼開いたんだよ。あー、おっさん臭くて敵わなかったわ、あれは」

アーサー「……」

モリー「大丈夫よあなた、加齢臭はしませんよ、ほんとに」

シリウス「若いからと言って何でも言っていいわけじゃないぞ、ニンファドーラ」

トンクス「そ、そんなつもりじゃ、うるさいな。ファッジはさ、全員に向かって『例のあの人』が復活したなんていうのはまったくのでたらめ!誇り高い魔法省勤務である諸君は決して真に受けることがないように! って。こんな顔で」

ハニー「……真っ赤になって、必氏ね。そう、あの人は……本当に、ダンブルドアに」

リーマス「反抗するつもりだ、あぁ。恐ろしいのだろう、彼が」

アーサー「ファッジの思考はぶっとんでいてね……『あの人』が復活するわけはない、ならダンブルドアは何故そんなことを言うのか……そう、ダンブルドアは魔法省を混乱させて、自分の大臣職をかっさらう気だ、と」

ハニー「……バカなのかしら」

シリウス「否定はしない。できないしな。私はアズカバンの中でファッジが魔法省大臣になったと知った時、ついに自分も吸魂鬼の影響で悪夢を見ているのかと思ったものだ」

リーマス「彼は権力の味を覚え、悪い方向に自信をつけてきたんだ」

アーサー「昔はことあるごとにダンブルドアにお伺いを立てるダメな大臣、と、皆が言っていたのだが……思えばそれがいけなかったのかもしれない」

ビル「で、ダンブルドアや君の言うことは事実無根のまったくのデタラメ!って体でいるんだ。今でもね」

ハニ「……」

ロン「あぁハニー!見下げ果てたいけど奴さんの気持ちも分からなくはなくて複雑だねハニー!分かるよなんせ君はやさ痛い!!ヒンヒン!」

308: 2013/03/27(水) 02:49:32.20 ID:5dL8Y7xC0
リーマス「さぁ、そういうわけで私達がやっている魔法使いや魔女の説得は、正直言ってかなり難しい。何せ魔法省が否定しているし、なにより、本当のところ誰だってそんなことは信じたくないんだ」

シリウス「信じるだけの度胸がない、ともいえるがね」

リーマス「それを誰にも求めるのは酷だろう。信じるも何も、一切の事情を知らない者が大多数なわけだし」

シリウス「そしてその無知こそが、闇の連中が『服従の呪い』をかけようとするいいカモを産むわけだ」

ハニー「でも、そうはならないはずだわ。だって……みんなが、ここにいるみんなが、一生懸命説得して回ってる、そうなのでしょう?」

トンクス「ハッハ、ッハ。ハニー、あなたって本当に優しいね。みんながそうだったらいいのに、ほーんと」

ロン「今さら何言ってんのさ。ハニーの優しさときたら1000年前の大闇の魔法使いだってヒンヒン鳴くレベルだぜ?僕はいつだって100000年後だって鳴いてるけど」

シリウス「さて、私は未だに世間じゃ大量殺人者だと思われている。そんな私がロンドンの真っ只中で同士求む!なんてビラを配っていたら、どうなると思うね?」

ハニー「……受け取って、お話を聴くわ!」

ハーマイオニー「ハニー、あなたがとっても素直なのは分かったから」

リーマス「シリウスの首には一万ガリオンもの懸賞金がかけられている。ただ事にはならないだろうね」

フレッド「はした金だなぁ、なぁ相棒?僕らならあっという間にそれくらい稼げるだろうさ」

ジョージ「全くだぜ。僕らの商品展開が軌道に乗れば10倍に増やすくらいあっという間さ」

モリー「おまえたちは何を言っているの、まったく。増やす?まるで一千ガリオン持ってるみたいで……」

ロン「あぁハニー!君の金貨も霞むほどの素晴らしさときたら、一千ガリオンじゃとても足りないよヒンヒン!ねぇママ、ママもそう思うだろ?もちの僕で」

モリー「え?えぇ、そうねぇ」

ハニー「……出来る豚ね、ロン」フーッ

ロン「うひゃぁヒンヒン!」

311: 2013/03/27(水) 03:15:10.95 ID:5dL8Y7xC0
ハニー「……とっても不服だけど、シリウスが勧誘したらほとんどの人は入ってくれるはずだと思うわ」

シリウス「あぁ、私は口が上手いからね」

ハニー「そうじゃなくて、いいえ、そうでもあるけど、その……~~っ!」

ロン「痛い!ありがとう!マー髭!」

リーマス「あぁ、シリウスが今もしも無実だったら、その手の塔としてバンバン働いてもらうはずだったのだけどね」

シリウス「おっと、あのヌラヌラ髪のような嫌味はその辺でやめてもらおうか、ムーニー」

リーマス「あぁ、そのつもりだよパッドフット。とにかく、シリウスはそういうことをするわけにはいかない。そして私はと言えば、魔法族の間では犬と同じくらいわざわざ夕食に招きたい客ではないのさ」

ハニー「? どうして?」

リーマス「あぁ、所謂職業病というやつさ。私の永久就職、狼人間という肩書きのね」

トンクス「そ、そんなもの気にしなくたって!うちはほら、いつだってリーマスを歓迎するよ!?ほんとだよ!?」

リーマス「ありがとう、トンクス」

トンクス「あー、あっはは!あとほら、もちろんモリーんちも、もっと言うとほら、騎士団みーんなね!だからほら、ね!?」

シリウス「……押して押して引くなよ、まったく歯がゆい」

ハーマイオニー「シリウスが言って良いこととは思えないけど。えぇ、ハニー。なんでもないわ、気にしないで」

ハニー「? おとうさま、あの二人はやっぱり?」

アーサー「あー、私達が全力で支援と言う名のからかいをしているのだけどね。中々どうして、主にトンクスの臆病とリーマスの難聴とかで」

トンクス「そこうっさいおっさんと女の子!オホン!ゴホン!えーっと、私やアーサーもやっぱり、これみよがしに宣伝なんてできないんだ。そんなことしたらファッジに目をつけられて、職を失っちゃうし」

ハニー「そう……でも、あなた自身は説得されたのね?」

トンクス「んー、私は元々騎士団のこと、知ってたんだ。ママはシリウスを可愛がってたし、マッド-アイからよく聞いてたから」

シリウス「前に話したことがあるだろう?アンドロメダ、私の好きな従姉だ」

ロン「痛い!ありがとう!」

トンクス「それで、ママの方にダンブルドアから打診があったんだけど、ママったら協力はするけどもう若くないから、って断っちゃって。それで、じゃぁ私が!ってな具合でね」

リーマス「あぁ、トンクスはとても優秀だとマッド-アイも言っていたから頼もしかったよ」

シリウス「痛い! 何をするんだニンファドーラ!」

トンクス「うっさい!!」

315: 2013/03/27(水) 03:37:47.01 ID:5dL8Y7xC0
フレッド「蓋を空けてみて見れば、期待のホープは」

ジョージ「おドジなねーちゃんだったわけだけどな」

トンクス「ぐっ、言い返せないこと言ってくれるじゃない、この双子め。三つ子になって混乱させてもいいんだよ?」

シリウス「意味の分からないことをしようとするな。とにかく、おかげでマッド-アイが復帰するより前にキングズリーに話を通すことができた」

ハニー「キングズリーって、今日私をあそこから連れ出せるよう手配したって言っていた……」

トンクス「そっそ、あの禿げ……あ、ごめんアーサー。オホン。ピアスがステキなね。私よりちょびーっと偉いんだよ、あれで」

アーサー「キングズリーは、闇払い局でシリウスを追跡する責任者をしているんだ。おかげで魔法省は、シリウスをチベットにいるものだと思い込んでいる」

シリウス「あぁ、あすこはいいところだ。是非ともハニーと旅行に行きたいところだね」

ハーマイオニー「ハニー、また冗談だから真に受けるのはやめましょう?スケジュール帳……今日から全部花丸がついてるのね。ふふっ」

ロン「あぁハニー!君がいれば僕らの心はいつだって花真っ盛りだけどね!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「頭の中もでしょうけどね」

リーマス「少しずつだが、仲間は集まってきている。だがどうにも、苦境に立たされていることは否定しようがないんだ。魔法省は、ダンブルドアについてこき下ろす記事を『預言者』に書かせていることは知ってるね?」

ハニー「えぇ、おかげさまでダドリーの一日は新聞を細切れにするところから始まっていたわ」

ロン「同胞の奴、しっかりやってたみたいだね。あぁ、君のためなら豚は何だってするけどさ。もちのロンで」

リーマス「そう、だがそれだけじゃない。ダンブルドアの信用、そして権力も確実に奪っていっている」

シリウス「国際魔法使い連盟の議長職、ウィゼンガモット首席魔法戦士、それに、今週にはマーリン勲章勲一等を剥奪する話まで出ている」

ビル「ダンブルドアは、蛙チョコカードの裏に持っていたことだけ残ればそれでいい、って笑ってたけどね」

アーサー「笑い事ではないというのに、あの人は……しまいにはファッジは、ダンブルドアをアズカバンに放り込みかねないんだ」

ハニー「……でも、あの人なら脱獄くらい……」

シリウス「……そうだな、うん。ダンブルドアなら十三年もかからないだろう……すまないねハニー、不出来なおじさんをゆるs」 ポンッ! 「ワンワン!」

リーマス「あぁ、ハニー。謝らなくてもいいよ。彼のメンタルの問題だ。パッドフット、尻尾を踏まれたくなければさっさと戻ればどうだい」

316: 2013/03/27(水) 03:59:51.75 ID:5dL8Y7xC0
アーサー「あー、確かにあの人はただで投獄されるような人じゃないがね。ダンブルドアが表立って動けなくなるというのは、私達にとって大きな打撃だ」

リーマス「ダンブルドアが企みを見抜いている、私達を使って何かあればすぐにでも動く、それを知っていればこそヴォルデモートも慎重になるのだからね」

ハニー「でも、慎重になると言ったって……氏喰い人の数が大きくなればなるほどいつか絶対に、あいつのことに誰だって気づくはずだわ。ダンブルドアや私が、本当のことを言っていたんだ、って」

シリウス「ハニー、いつか、では遅い。その頃には奴は全ての手はずを整えて、魔法省を占拠し国家転覆するだろう。あいつの裏でコソコソ汚く意地悪く事を運ぶ手腕を甘くみない方がいい。本当に、ドブネズミのような繁殖力なんだ」

リーマス「騙し、呪いをかけ、恐喝する。あぁ、私達だって何十回、どうしてあの人が!と思ったものか……私は、特にね」

ハニー「……そう、よね。それが、以前あいつが力を持っていた時代にやっていたことなのだものね」

シリウス「あぁ、私が前に言ったとおり。あいつは、自身が動かなくとも人の不安を煽るやり方をよく知っている。今はその時期だ……それに、今は。前のときとは違う物も求めているらしい」

ハニー「? 配下を集める以外のことを?」

シリウス「あぁ、それとは……あー、このあたりか?」

リーマス「……そうだね。ハニー、私達が話すことができるのは、きっとここまでだろう。今は」

ハニー「待って、待ちなさいよ。ここまで話してくれたのに……それはどいうものなの?形があるもの?」

シリウス「一応は。武器、と言っていいだろう。奴が行動を起こすための、重要なね」

ロン「なるほど、ハニーの愛の鞭か」

ハーマイオニー「飴でもあなたすぐさま飛び起きるでしょ」

317: 2013/03/27(水) 04:18:32.78 ID:5dL8Y7xC0
モリー「さぁ!お話は十分したでしょうね!みんな、ベッドに!」

フレッド「おいおいママ、僕らは成人だぜ?まだ先を聞く権利があるぞ!」

ジョージ「僕らを止められる権利はママにだってないはずさ、そうだろ?」

モリー「どうかしら、試してみてごらん!あななたちを見分けやすくする自信なら、母さんありますよ!」

フレッド「ほんのいつもの冗談さ、僕らの愛しの母上」

ジョージ「だから僕らの手足は献上させないでくれよ」

モリー「よろしい。ジニーなんて、もうとっくにうたた寝しているもの!長く話しすぎだわ!」

ビル「あぁ、僕の膝の上でぐっすりとね。誰かさんのダンブルドアもびっくりなほど鮮やかな呪文で」

モリー「あら、敵かしらねぇ」

アーサー「マッド-アイが聞いたら卒倒するね、あぁ。それじゃ、みんな寝よう。ハニー、不満はあるだろうが、聞いてくれるね?」

ハニー「……それがみんなの判断なのでしょう?」

トンクス「そうだよ、ハニー。もう十分。これ以上を知らせるなら、むしろ騎士団、もとい豚団に引き入れなくっちゃ」

ハニー「! そうして!そうしてよ!だって、私のなのに……」

リーマス「いいや、ダメだ。シリウス、黙ってろ。おすわり。私達の仕事は危険が伴う。成人もまだで、学校も卒業していない子を迎え入れるわけにはいかない。そうだろう?そんなことは、君の名付け親でなくたって分かるはずだ」

シリウス「……あぁ、そうだろうさ。なぁに、ハニー。私達に任せておけばいい。正確にはリーマスたちに、だがね。君は、そうだな。明日からは存分に私と過ごせばいい。一日中一緒なんだ、嫌でもね」

ハニー「あっ……そ、そうね!お掃除、とか……手伝うわ、わたし、得意だから!手伝ってあげる!だから……っ!!」

ロン「痛い!ありがとう!!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「スケジュール帳にハートでも足しておきましょうか」

ハニー「~~~っ!ニヤニヤしないの!!!」

シリウス「ハッハッハ、ハニーは全くかわい……おいリーマス、我が友ムーニー。どうして杖をかざしてそんなに大量の、ほねっこを……おいおいアーサー、モリー、冗談だろう?冗談はやめ」

トンクス「さぁさぁ、お子様たちはさっさとベッド行こうかー。大人のやーなとこは、わたしたち子供は見たくないしね」

320: 2013/03/27(水) 04:39:43.70 ID:5dL8Y7xC0
寝室

ロン「うーん、色々聞けたのはいいけどさ。最後の最後でまったく分からない物がでてきたよな。ハニーの美しさの秘密くらい」

ハニー「早寝早起きよ、それは」

ハーマイオニー「早寝は絶対嘘でしょう……?それで、ロンはやっぱり私達と同じ寝室なのね」

ロン「あ、大丈夫。事が始まったらナニごともないように僕廊下で寝るから。ご心配なさらず」

ハーマイオニー「どういう配慮なのいいえ配慮なのそれ!?」

ハニー「出来る豚ね、ロン。もう少しだけいてもいいわよ、許してあげる」

ロン「ありがとう!ヒンヒン!おっ」

バシッ!バシッ!

フレッド「失礼!おっとよかった、まだお二人の花園は開園していなかったね」

ジョージ「そりゃよかった。綺麗な百合の開花はもうちょい待っててくれよな」

ハーマイオニー「だからさっきからどういう配慮なのあなたたち兄弟は」

ハニー「二人も、さっきのことが気になってるのね?」

フレッド「そりゃそうさ。あんな思わせぶりな言い方されてすぐさまおやすみー、なんて。無理なお願いだよな」

ジョージ「そりゃとりあえずベッドに入ったフリをして、すぐそこで話してるだろう君達んとこにお伺いするさ」

ロン「僕らが二人の『伸び耳』で仕入れた以上の情報ってあんまりなかったよな。最後のアレ以外。ハニーの素晴らしさったらアレクサンドリア級だけど」

ハーマイオニー「それが何か知らないのに例えるのはやめて。武器、そう言っていたわよね」

ハニー「私の美貌?」

ロン「そりゃ三国どころか世界が傾くね、あぁ。もちの僕で」

321: 2013/03/27(水) 04:52:28.02 ID:5dL8Y7xC0
ジョージ「そうは言っても、『アバダケダブラ』以上のもんなんてそうないだろ?氏だぜ?」

フレッド「いーや、ひょっとしたら一度に何人もやっちまえるもんなのかもしれないだろ?」

ロン「滅茶苦茶苦しめっちまうものとか?ハニーに一ヶ月も会えなかった僕の精神くらいに」

ハーマイオニー「うーん、攻撃するものとは限らないわ。こちらの動きを完全に封じる手段とか、そういうものだとは思えない?」

ハニー「……何にせよ、それが今は私達の側にあるといいのだけれど。つまりは腹黒豚、ダンブルドアの方にね」

ロン「あー、『例のあの人』も手に入れられないってなるとそうかもね。どこだろう、城かなぁ」

フレッド「ありえない話じゃないぜ。『賢者の椅子』もあそこにあったんだろ?座れば一回ため息ついて、宇宙の真理について考え出すとかいう」

ハニー「どこの森の賢者なの」

ハーマイオニー「あなたのケンタウルスのイメージどうなってるの……?」

ジョージ「おいおい相棒とぼけるんじゃないぜ、まったく。『患者の医師』、つまりは……つまりは、なんだこれ?おいロニー、オチはまかせた」

ロン「マーリンの髭!」

ハーマイオニー「便利ね、それ。でもホグワーツは、そうね。前例があるもの、保管されていてもおかしくないわ」

ハニー「でもそれじゃ、割と簡単に看破されそう、よね」

ロン「あぁ、今年の『闇の魔術に対する防衛術』の先生には気をつけないといけないよねハニー。君の一挙動には豚全員が気をつけてるけどね、ヒンヒン!」

322: 2013/03/27(水) 05:09:48.74 ID:5dL8Y7xC0
フレッド「でも考えてみりゃ、『例のあの人』くらいの極悪人ならとっくにおっそろしい呪いの数々くらい知ってるだろ?誰でも簡単にお釈迦にしちまうさぁ」

ジョージ「それに、去年のあのムーディもどきの授業で『磔の呪いは拷問器具を必要としない』ってあったしな。相手を滅茶苦茶に苦しめるって線もポシャだ」

ロン「ハーマイオニーの言ってた、なんだっけ?ハニーに見惚れて動けなくなる手段?」

ハニー「そうね、私の視線の前にはサラザールも真っ青ね、えぇ」

ハーマイオニー「生物兵器にしないで。ダンブルドアやその陣営の動きを封じる手段、ってこと。『武器』って言葉に気をとられてちゃ、平行線だわ」

フレッド「さっすが我らが獅子寮の才女様。して、その手段ってのは?」

ジョージ「ダンブルドアのこっぱずかしい秘密でも握ろうってのかい?」

ハーマイオニー「それは、分からないけど……要するに、どれも今じゃ想像の域を出ないのよ」

ハニー「あなたがそう言うなら、そうよね。私達、知らないことだらけだわ。悔しいけれど」

フレッド「歯がゆいね、あぁ。君がいっちょシリウスにさぁ、我らが女王様」

ジョージ「そうだぜ、ハニー。君がちょびっとシリウスに色目をつかえばさ」

ロン「おいおい二人とも、そんなもんにハニーの心臓が保つと思ってるのかい?ただでさえ同じ部屋にいるだけでいつもより心拍数が……」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!」

ハーマイオニー「……なんだか、応援したいけどやっぱり複雑……きゃぁ!?」

フレッド「おっとそれじゃ俺達は早々に引き上げよう」バシッ!

ジョージ「ごゆっくり!明日は早いから程ほどにな!」バシッ!

ハニー「えぇ、どうも。ねぇハーマイオニー、それは、シリウスは私の家族だもの。でもね、私、あなたのことだってずっとずっと大切で、もっともっとドキドキしたいって、思ってるのだけれど……?」

ハーマイオニー「あぁっ、ハニー、そんな。私、私そんな、ドキドキなんて、ゾンコの店の悪戯グッズ以上にあなたには驚かされっぱなしだけど……!」

ロン「つづけて!」

ガチャッ

モリー「どうぞ!」

ジニー「ヒンヒン!」

ロン「いたの、そりゃそうか。もちの僕でね」

344: 2013/03/27(水) 13:59:36.44 ID:5dL8Y7xC0


モリー「はい、みなさんおはよう!元気な子供達!」

フレッド「おはようママ、我らがウィーズリー家のお掃除隊長様。朝からほんと、気合ばっちりだね」

ジョージ「三角巾に大型マスクが決まってるね。対・超極悪汚れにも効き目抜群なスプレーも片手に」

ジニー「ママ、まだ朝食だって十分に食べ終わっていないのに……」

ロン「そうだよママ、ハニーとハーマイオニーなんてついさっき起きてきたんだぜ?ゆっくりさせてあげてよ、特にハーマイオニーは」

ハニー「そうね、足腰の方はもう大丈夫かしら?ハーマイオニー……?」

ハーマイオニー「なんの話をしてるの、も、ちょ、確かめなくていいから、昨夜十分、もう!!!」

モリー「是非とも続けてほしくはあるけど、お仕事をしなくてはいけませんよ。あなたたちはここで騎士団、もといハニーの豚団として役に立ちたい!夏中そう言っていたと母さんは覚えてます!」

ロン「ハニーのためならそりゃやる気もマーリンの髭倍だけどさ。わかった、わかったよママ。ところでシリウスは?奴さんがいないとハニーのやる気とか心拍数とかがマーリンの髭分の一になるんだけどさ」

ハニー「ロン」

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」

ハニー「おばさまがもっているスプレー。一気飲みしたら、どうなるのかしら」

348: 2013/03/27(水) 14:15:06.20 ID:5dL8Y7xC0
モリー「ロンが身をもって証明してくれた通り、このスプレーはとっても強力な魔法洗剤よ」

ロン「ゴポゴポゴポそうだろうねゴポゴポおかげで僕ぁ泡がくちからゴポゴポ髭さヒンヒン!」

ハニー「中々幻想的だわ、ロン。さすが、あなたは出来る私の豚さんね」

ハーマイオニー「あさからげんなりよどちらかと言うと」

モリー「こっちの黒い瓶は、ドクシー・キラーと言ってね。あそこのカーテンの裏にはびこっているドクシーに有効なの。男の子達にはこっちで、あの酷いのを大事してもらいましょう。まったく、あの屋敷しもべ妖精はこの十年一体何をしていたのかしら」

ハーマイオニー「クリーチャーはとっても歳をとってるのよ、おばさま!あまり労働を求めるのは酷というものだわ!」

シリウス「あぁ、確かにあいつは年寄りだ。だがね、ハーマイオニー。奴さんはやろうと思えば驚くほど色々なことに手が回るよ、まったく」

ハニー「! シリウ……きゃっ!?」

ロン「ゴポゴポシリゴポ!血まみれの紙ゴポろをもっていきなり現れないでゴポよ!ただでさえ君がゴポしたことでハニーのゴポゴポがゴポゴポでゴポゴポゴポ!!」

ハーマイオニー「口ゆすいできなさいな。あー、シリウス?その血まみれの紙袋はなんなの?」

シリウス「驚かせたね、すまない。バックビークのためのえさが入っていたんだ。私が捕まえたネズミどもの氏骸がね」

ハニー「お、驚く?冗談やめて、ただ、そうね。あなたが怪我したんじゃないか、って。そう、それで少し心配して、それだけなんだから」

シリウス「はっは、そうか。なに、心配いらない。怪我をしてでも君を穢すような輩には負けはしないよ、私は」

ハニー「……シリウス」

モリー「勇ましい、おじさんですこと」

シリウス「おっと、君のほうこそ随分と一夜があけて勇ましい姿になったじゃないか。相手はなんだい?今日はうず高く聳え立つカビの山か?え?」

ハーマイオニー「大人なのだから引きずるのは止めて頂戴、二人とも」

フレッド「そりゃ無理な相談さハーマイオニー。おふくろはあれでムキになるたちだしさ」

ジョージ「シリウスは言わずもがな、たまァに俺達とそう変わらないたちだものな」

ハニー「シリウスがそれだけ、若いってことよね。えぇ、そうよ」

ロン「実年齢以外はね、痛い!ありがとう!ヒンヒン!」

350: 2013/03/27(水) 14:31:37.99 ID:5dL8Y7xC0
カランカラン、カラン!

シリウス「!? あぁ、だから扉のベルはあれだけ鳴らすなと言っているのに!」

『ギィイェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!』

ハニー「! 朝からこの私をなんて不快にさせるのかしら。ちょっと、文句を言ってくるわ」

ロン「あぁ、そうだねハニー。即座に手鏡で髪を整えて身支度しなくっても君はいつだって完璧だから張り切って挨拶にいくとい痛い!ありがとう!」

シリウス「いや、いや。ハニー、君はここでモリーを手伝っていなさい。あの鬼婆の相手を君にさせるわけにはいかない……おい、誰だベルを鳴らして入ってきたのは……キングズリー!?君は何のために禿げてるんだまったく!」

フレッド「何のためなんだろうな」

ジョージ「ハゲると冴えるのかも」

ジニー「だからパパってステキなのね、ママ」

モリー「やめてあげなさい。さっ、厄介な人もいなくなったところで……ハニー?別にいなくなってよかったと言っているのではないのよ?ただ、彼がいると話が進まないのですもの」

ハーマイオニー「分かるわ、おばさま」

モリー「はいありがとう。それじゃ、男の子はドクシーをお願いね。はい、『ギルデロイ・ロックハートのガイドブック――一般家庭の害虫をしくよろにグッナイ☆させるために』をあげますからね」

ロン「ママ、んなもん真に受けるくらいなら僕ぁドクシーに素手で殴りかかったほうが早いと思うよ」

フレッド「……これ、中身が半分以上奴さんのブロマイドになってらぁ」

ジョージ「あぁ、終盤の白黒ページにおまけ程度に害虫のこと書いてら」

ハニー「あこぎな商売してたのね、あの人。ハーマイオニー、どう思うのかしら」

ハーマイオニー「……えっ?なぁに?あなたに見惚れてて聞こえてなかったわ」

ロン「僕みたいなこと言い出すなよ、マーリンの髭」

353: 2013/03/27(水) 14:47:14.53 ID:5dL8Y7xC0
フレッド「おい相棒!用意はいいか!?」

ジョージ「合点!ロニー坊やはどうだ?」

ロン「マーリンの髭!」

ブシャァアアアアア!ブシャァァアアアアア!!

ドクシー「ギィイイイイイ!!ギィイイイイイ!」

ハニー「……魔法界の妖精って、私が思っていたものをことごとく裏切ってくれるわよね。ドビーといい、庭小人といい」

ハーマイオニー「わかるわ、ハニー。ピクシーなんて可愛らしい名前の妖精もあんなのだったし、このドクシーにいたっては……毛むくじゃらで腕が四つもあって、羽はコガネムシのようなんだものね」

ジニー「? 妖精なんてあんなものだと思うわ。マグルの世界だと、どういうものだと思われてたの?」

ハニー「そうね、可愛らしくて小さな生き物よ。あら、私のことかしら」

ハーマイオニー「えぇ、否定はしないわよ。乙女なところとか」

ドクシー「ギィイイイイイイイ!」

『ギェェエエエエエエエ!! 血を裏切る者! 穢れた血!  ハゲ!!このハg』

 シリウス「キングズリーおちつけ!そりゃぁ、私だってこの絵は壁ごと燃やしっちまえばいいとは思うが!下手をしてこの屋敷の保護魔法が崩れたらどうする!落ち着け!」

モリー「あー、ドクシーの金切り声とホールの騒音が混ざって酷いわね。ハニー、ホールへの扉を閉めてくれるかしら?」

ハニー「えぇ、お母様。そうしてあげる……あら、お義母様、じゃなくて。シリウスのお母様の声がやんだわね……」

 シリウス「君は今日は任務が入っていなかったか?キングズリー」

 キングズリー「ヘスチアが代わってくれたんだ。だから、今はマッド-アイのマントは彼女が持っている。ダンブルドアへの報告を残しておこうと思ってね……」

ハニー「マント……?」

モリー「ハニー!お、じ、さ、ま!が気になるのも分かるけどすぐに戻りなさい!仕事がありますよ!」

ハニー「! そんなんじゃないわ、もう!シリウスのこと、なんて!」

バタンッ!


キングズリー「シリウス、落ち着け!君もさっき言ったばかりだろ!!!壁ごと吹き飛ばすのはダメだと!!いや今のは気持ちも分からないではないがやめるんだ!!やめ、り、リーマス!!シリウスを止めてくれいつものあれで!!リーマスーーー!!」

358: 2013/03/27(水) 14:56:45.79 ID:5dL8Y7xC0
モリー「頑張ったわね、おまえたち。よくやりましたよ」

フレッド「そうだねママ、おかげで僕ら、ドクシー退治に関しちゃ岩のような心を持てたぜ」

ジョージ「それもこれもロックハート様様のおかげってね。いわずもがなな心意気だけどさ」

ロン「ハニー!見てたかいハニー!僕の華麗なスプレーさばき、というより何故かスプレー途中で切れたから素手だったけどねマーリンの髭!!髭!!!」

ハーマイオニー「動かないで、ほら。マートラップの酢漬けで止血してるんだから」

ハニー「よくやったわね、ロン。できる豚は好きよ?」フーッ

ロン「うひゃぁヒンヒン!ありがとう!ありがとう!あっ、ハーマイオニーもねもちのロンで!」

ハーマイオニー「はいはい、ついででいいわよもちのあなたで」

ジニー「うーん、私にも見せ場がないとなんだか……ドクシーに『コウモリはなくその呪い』でもかけてやればよかったわ」

フレッド「おいおいジニー、んなもん奴さん達が全滅しっちまうじゃないか」

ジョージ「追々話してやるけどそんなもん重大な損失だぜ、ここだけの話さ」

モリー「何をわけのわからないことを言っているの、おまえたちは……あら?思ったより、少なかったわねぇ……退治したドクシーは、このバケツの中にいるので全部でしょう?」

フレッド「そりゃそうさ、おふくろ。そんな汚らしい物ほかにどこにいるってんだい?」

ジョージ「なんならロニーの口の中を覗いてみなよ。たらふく詰ってるかもしれないよ」

ロン「何言ってんのさ僕の口の中は常にハニーへの賛美で溢れてるんだぞ!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「あと泡とかナメクジとかよね」

359: 2013/03/27(水) 15:09:13.77 ID:5dL8Y7xC0
フレッド「……おふくろは行ったか?え?ドクシーどもを処理しにさ」

ジョージ「隠れて俺達のことを見張ってたりしないよな?え?どうだ」

ジニー「? そんなことするわけないじゃない。午前中はもう終わりだから好きにしていいって言ってたわ」

ハーマイオニー「それで、二人はコソコソとポケットに何をお隠しになっているわけ?」

フレッド「おぉっと才女様、やっぱり君は目の付け所が違うね、あぁ。わーかってる、白状するよ。だけど、ママにはナイショだぜ?」

ジョージ「悪かったな、ロン。君のスプレーがさっさとなくなっちまったのは、こいつに薬以外の方法で気絶してもらう為だったのさ」

ロン「どういうことさ……ドクシー?それじゃ君達、ドクシーをわざわざ回収してたのか?なんのために」

フレッド「そりゃ、もちのお前でな」

ジョージ「新しい商品開発の為、さ」

ハニー「……ドクシーを実験台にするつもりなの?」

フレッド「おーっとお優しい女王様、違う違う。まぁ言われて見ればそれもありありで……冗談だって、本当さ」

ジョージ「こいつらの毒液を調べて、僕らの新商品『ズル休みスナックボックス』の材料にできないか、ってね」

ロン「それって、あれかい?前に言ってた……半分食べれば好きな時に病気の症状が出て、もう半分食べればすぐに元通り、っていう!?おったまげー!もうできたのかい!?

フレッド「早合点はよくないぜ、ロニー。そんなんだからいつまでもロニーなんだ。まだまだ試行錯誤のまっただ中さ」

ジョージ「どうしてもってんなら、手伝ってくれてもいいぜ。鼻血が止まらなくなって右往左往しても知らないけどね」

ハーマイオニー「まさか、それをホグワーツで売りさばこう、なんて思っているんじゃないでしょうね!?」

フレッド「どうだかね、そうなっても、君には売らないだろうから安心しなよ優等生さん」

ジョージ「君ならどんな病気になろうったって休むことはないだろうしな。ハニー病以外」

ハーマイオニー「お生憎さま、不治の病よ」

360: 2013/03/27(水) 15:23:57.54 ID:5dL8Y7xC0
『ギィェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!』

ロン「あれ?なんだよ、またシリウスのママがヒステリーかい?ハニーの顔でも拝んで落ち着けばいいのに」

ハニー「やっぱりそうするべきよね?そうよね?」

ハーマイオニー「ハニー、朗報になってしまっていやだけど、相手はもう故人だから特に挨拶もいらないと思うわ」

フレッド「今度は誰がドジ踏んだのやら。まーたあのおドジなねーちゃんか?」

ジョージ「ちょっくら扉を開けて盗み聞くか……あー、いや。そうじゃねーな」

 モリー「この大鍋はなんです!!マンダンガス!!!!」

『ギィエエエエエエエァアアアアアアアアアィエエエエエエエエエ!!』

 マンダンガス「ち、ちげぇんだようモリー。あのよう、俺んとこにはもう置く場所がよぉ」

『ギィエエエエエエエエエエエエフォイェアアアアアアアアアアアア!この雑種!!血を裏切る者めぇええええ!!』

フレッド「うん、おふくろが他の誰かを怒鳴るのを聞くのは、いいもんだ」

ジョージ「新鮮だし気分が変わっていいよな、あぁ。ありがとうよ、ダグ」

ハニー「マンダンガスの大鍋、って、まさか」

ロン「あー……まずいね。まずいよマー髭さこれは」

『不名誉な汚点! 穢らわしい雑種!!!!』

 モリー「ここはあなたの盗品の隠し場所じゃないわ!それになんです、これ……これ、は……」

『ギィエエエエエエエエエエイ出て行け!!この屋敷からでていk』

 モリー「黙りなさいこのヒステリー女!!!!『ミセス・ゴシゴシの魔法万能汚れ落とし』でその厚い面の皮を剥いでやりますよ!?!?え!?!?!?」

『……』

 モリー「さぁマンダンガス、お食事にしましょうか。ゆっくり食べてお話しましょう?ね?あなたの最後のお食事になるかもしれませんけど」

 マンダンガス「お、おたすけモリー、モリーおっかさん、たのむ、俺、俺ぁ、ほん……ぐぇっ!!」


ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

ジニー「……」

フレッド「……こんな、洗剤の入ったスプレーしかないけどさ」

ジョージ「ダグに、乾杯してやろうぜ。勇気あるバカヤロウに」

362: 2013/03/27(水) 15:43:33.06 ID:5dL8Y7xC0
ハニー「おばさまも大変ね、ここの人たちの面倒を一挙にみないといけないわけだもの」

ハーマイオニー「子供みたいな大人ばっかりなところのね、えぇ。本当だわ」

ロン「まったく、みんな豚としての自覚が足りないよな。定例会議ものだよ」

フレッド「名前はあぁなっちまったけど首輪を嵌めてんのはお前くらいのもんだろ、ロニー」

ジョージ「面白半分でのっかった人が多いだろうな、うん。やっぱり子供だよな、みんなさ」

ジニー「二人に言われるって、相当よね。扉、閉めていいかしら……あっ!」

「……ドブ臭い、おまけに罪人がこの家を我が物顔で歩いている。赤毛の群れもゾロゾロと。血を裏切る者。いやらしい。おぉ、奥様は今のお屋敷を見たらなんとおっしゃるか、おぉ……」

ハニー「!? なに、この……えっと、屋敷しもべ妖精……?」

ロン「その通りだよハニー、さすが僕のハニーだねハニー! おーい、クリーチャー」

クリーチャー「……これはこれは、お若い旦那様!クリーチャー目めは気づきませんで申し訳ありませんそのまま跡形も無く消えればいいのに血裏切る者のガキめクソが」

フレッド「おーっと、うちのロニー坊やに最後で何か言わなかったか?クリーチャー?」

ジョージ「なんだかとーっても、俺達家族までもバカにしたような言葉が聞こえたが?」

クリーチャー「クリーチャーめは何も申しませんえぇ申しませんともだからいちいち突っかかってくるな気持ち悪い同じ顔の赤毛の野獣め両脇からバチンと挟まれて一個になればいいのに」

フレッド「おうおうこの野郎クリーチャー」

ジョージ「清々しいまでに屑だなこの野郎」

ハニー「……おかしくなってる、って言っていたわね?」

ジニー「あー……ずっと一人でいたせいで、なんだか、独り言の部分は誰にも聞こえていないくらいの声のつもりみたいなの」

クリーチャー「それにまた赤毛が増えた毛虱のごとくワサワサと潰されればいいのに誰だこいつここで何してる」

ロン「おーっとクリーチャー、潰されるのは君になるぞこのやヒン」

ジニー「あなたこそここで何をしてたのか分からなくさせてやるわよヒンヒン(怒)!」

ハーマイオニー「落ち着いて、悪気はないのよ、悪気は! えーっと、クリーチャー?こちらは、ハニー・ポッター。あなたもお名前くらい聞いたことはあるんじゃないかしら」

クリーチャー「穢れた血の屑がクリーチャーに友達面で話しかけるなんたる屈辱なんt」

ハニー「ロン!!!!」

ロン「もちのロンさこんの野郎今なんつったマーリンの髭!!髭!!!ナメクジを……!!」

ハーマイオニー「やめて!やめてってば!正気じゃないのよ!何を言ってるのか、分かっていないのだから……!」

フレッド「どうだかな。それにしては随分とここにきてる奴を見極めているみたいじゃぁないか」

ジョージ「おいクリーチャー、おれたちのことをさっき、なんって言ったっけ?言ってみろよ?」

クリーチャー「それはもう誉れ高いウィーズリー家の若旦那様にございますとも血を裏切りまくったクソの掃き溜めのな」

ハニー「ロン!!!」

ロン「合点さハニー!こいつ……!」

ハーマイオニー「やめ、やめて!っちょ、あぁ、でもそうね、一発くら、やめなさいってば!!!」

366: 2013/03/27(水) 16:02:42.43 ID:5dL8Y7xC0
ハニー「……ここで何してるの?」

クリーチャー「本当だろうかハニー・ポッターと言えばそうだ奥方様が言っていた闇の帝王を止めたという女の子闇の帝王あぁあれをどうやって止めたのかクリーチャーは知りたい、そうすればきっと――」

ロン「おいおい僕のハニーをムシするなんてどういうことだよマーリンの髭。この家の、お客様が君に聞いてんだぜ?え?」

クリーチャー「――クリーチャーめは、掃除をしています」

シリウス「見え透いた嘘を吐くな」

ハニー「! シリウス……あっ」

ロン「あぁハニー!シリウスが戻ってきたと思ったら苦々しい顔でクリーチャーを見ててちょっとがっかり、いやそんな顔もって感じだねわかるよ痛い!!ありがとう!!」

クリーチャー「おぉーーう!ご主人様!お目通り叶いなんたる光栄!このクリーチャーめにおいては本日も献身的お支えする所存にございます!!」

シリウス「ちゃんと立て、だれがヘラヘラとバカ丁寧に頭を下げろと言った。答えろ、何をしていた?」

クリーチャー「クリーチャーめは掃除を!高貴なブラック家に仕える者として生きておりますゆえ――」

シリウス「そうだな、その割には日に日にそのブラック家はブラックになっているように見えるが?どうだ?お前のように汚らしく、な」

ハーマイオニー「シリウス!!!」

クリーチャー「ご主人様はいつでもご冗談が好きでした冗談にならないレベルでなこいつめ母君の心を滅茶苦茶にするなんて冗談じゃないひどい恩知らずなんというクズ卑劣漢犬にも劣る畜生……」

シリウス「母に心なんてあったものか。それと、私が犬以下だと?訂正しろ。犬だ私は」

ハーマイオニー「そこは妥協するところじゃないと思うわ」

ハニー「犬……!」

ハーマイオニー「新しい境地に目覚めなくていいからハニー、あなたシリウスとは家族になるんでしょ?そうでしょ?」

クリーチャー「ご主人様はおもしろおかしくいてらっしゃる!おかしい頭がこいつはなんという出来そこないであることか母君の靴の泥を拭くのにさえ相応しくないあぁ母君が今のクリーチャーの姿を見たらなんと嘆かれることか……」

シリウス「何が狙いかと聞いてるんだ。また父や母にゆかりのあるものをどこかに移すつもりか?どうでもいいが、私達の眼に触れるな。屋敷しもべ妖精ならそれくらいのことをしてみせろ」

クリーチャー「アズカバン帰り風情がクリーチャーに命令する。カスどもを引き込み、お屋敷を穢しきった男が先祖代々のお宝までも無碍にしていくのはなんたることか。奥様はこんな者は息子ではないとおっしゃったその通りだ。それにみながこいつは人頃しだと言っていた……」

シリウス「お望みなら妖精頃しでしょっぴかれてやろうか。さっさと消えろと言うんだ!」

クリーチャー「……チッ」

シリウス「最後までとことんだなお前は!!」

369: 2013/03/27(水) 16:18:24.73 ID:5dL8Y7xC0
シリウス「……フーッ。すまないね、みっともないところを見せた」

フレッド「気にすんなよ」

ジョージ「いまさらだよ」

シリウス「うるさいな」

ハニー「シリウス、でも……少し、言いすぎじゃないかしら」

シリウス「いいや、この程度で堪えるようなやつじゃない。あいつは長いことあの狂った肖像画の命令を聞きすぎておかしくなったのは確かだが、しかし昔から、性根は腐った嫌なやつで――」

ハーマイオニー「そんなに見るのもいやなのなら、自由にしてあげればいいじゃない!違う?そうすればきっと、もしかしたら――」

シリウス「いいや、そうはいかない。あいつは騎士団のことをを知りすぎている……もう生きているはずがないと思っていた。皆を案内し、最初の会議が終わった頃……トンクスが、自分の尻の下に敷いていたのを見つけたんだ」

フレッド「ちょっとあいつ引きずり出してくる」

ジョージ「ちょっとリーマスのこと呼んでくる」

ハーマイオニー「~~~っ!待ってて、それなら私、なんとかクリーチャーの記憶をそっくり消し去れるようにしてみせるんだから!それなら文句ないのでしょ!もう!」

ロン「あー、おいおいハーマイオニー……ったく。ハニー、僕、ハーマイオニーが暴走してロックハート宛に手紙なんて書き出さないか見てくるよ。あぁハニー!こんな暗い家に君を置き去りなんて心が痛いけどねヒンヒン!」

シリウス「大丈夫だ、私がいるからな」

ジニー「私も……えっ!?なぁにママ!? 昼食の準備を手伝うの!?もう……えっ、なにこの肉の量。ねぇママ、これ何の……あっ、うん、なんでもないわ。うん。この大鍋にぶち込めばいいのね……?」

シリウス「……ここも慌しくなってきたな。いいことだ。君が来るまで、みんながどこか沈んでいたよ」

ハニー「……あなたも含めて?」

シリウス「あぁ、私の落ち込みようといったら、リーマスが腹を立てて満月でもないのに狼になるくらいだったさ。なんてね……ハニー、こっちに来てごらん。懐かしいものがある」

ハニー「? なぁに……えっ、そっち、って、そんなくらい所……し、シリウス!?あの、わたし、それは、あの……壁一面の、タペストリー?」

シリウス「そう。ブラック家の家系図だ」

ハニー「……『高貴なる、由緒正しきブラック家~純血よ永遠なれ~』」

シリウス「……声に出さないでくれ。恥ずかしさが増すだろう?」

371: 2013/03/27(水) 16:25:50.05 ID:5dL8Y7xC0
扉の向こう

フレッド「おい!さっさと『伸び耳』をのばせよ、つかえてる!」

ジョージ「しっかたねぇだろ!この数動かすのは初めてなんだ!」

ロン「シリウスめとうとう動いたなマーリンの髭!!!」

ハーマイオニー「はやく音声を頂戴!!早く!!!!」

ジニー「ヒンヒン!!」

モリー「おまえたち!成功したらお小遣いアップですよ!」

フレッド「俄然気合が入るね、ママ!」

ジョージ「おっと、きたきたきたぜ!」

ロン「!声が途切れ途切れだけど、たしかにハニーの声だ僕には分かる!なんせ僕ぁハニーの声ソムリエ一級だからね豚の中で!」

ハーマイオニー「何よその資格受けさせなさいよ! しっ!しずかに……!」


 シリウス『私――狼になる』

 ハニー『え――っち――そんな――所――し、シリウス!?あの、わたし――それは』

 シリウス『 声を出さないでくれ――恥ず――』


ハーマイオニー「」

ロン「うわあああぁぁぁあああああああああ!?!?!」

ジニー「あああああああああああああああああ!!!!」

フレッド「っしゃあぁあああああああ!!!」

ジョージ「っしゃらぁあああああああ!!!」

モリー「今夜は赤飯ね!!!」


リーマス「……とりあえずみんな、正座しようか」

377: 2013/03/27(水) 16:53:27.83 ID:5dL8Y7xC0
ハニー「……随分と大きいのね、これ」

シリウス「あぁ、古いだけが自慢だからな。刺繍もボロボロだ、きっとドクシーが噛み付いていたんだろう」

ハニー「……?……?シリウスの名前、どこにも載っていないわ?」

シリウス「そうだな、かつてはここにあった。この焼け焦げた部分、ここだ。おやさしい母上が、私が家出した後にご丁寧にも消してくださった」

ハニー「……家出したの?」

シリウス「十六のころだ。ちょうど、今の君くらいのときか。もうたくさんだった。こんな家も、家族も、すべてがね」

ハニー「……どこへ行ったの?ご親戚のお家?」

シリウス「いいや、違う。君の父さんのところだ。君の、おじいさんとおばあさん……そう、ここだ」

ハニー「ここ?どこのこと……えっ!?!?!?」

シリウス「君のおばあさんは、私の大叔母にあたるんだよ。ドレア・ブラック。そしてチャールズ・ポッター」

ハニー「」

シリウス「いい人たちだった。私を養子同然にしてくれてね……本当に養子となると本家であるこちらの目に触れるから、私が断ったが」

ハニー「えっ、えっと、あの。サラッと……あの、待って、シリウス。まだ私、ついていけていないわ。あの、私とシリウスが……?」

シリウス「平たく言えば、親戚だな。何と呼ぶのだったか……再従妹?」

ハニー「……それって、あの……ちょっと待って」

シリウス「?」

ハニー「……六親等!!うん!いいわ!つづけて!」

シリウス「?まぁいい、あまり驚く事は無いよ。これも全て、この家の狂信的な純血主義の賜物だ……」

ハニー「……高貴なる、由緒正しき?」

シリウス「そう、恥ずかしいそれがね。純血同士で婚姻を結ぼうとしていったら、そうなるのは当たり前だ。モリーも私とは従姉弟関係にあたるよ。ここには載っていないがね。ウィーズリー家は由緒ある純血家系だが、血を裏切る者とか忌み嫌われている」

シリウス「くだらない考えだ。嫌気がさすのも当たり前さ、そうだろう?私は君のお父さんの家に転がり込んだ。叔父のアルファードが経済的に支援してくれたおかげで、成人後は一人暮らししたがね」

ハニー「アルファード……やっぱり、名前が無いわ?」

シリウス「あぁ、たぶんそれが原因で。ドレアが消されなかったのは、分からない……怖かったからkやめよう。だが独り立ちした後も、日曜日はポッター家の夕食に招待されていたよ。きみのおばあさんのチキン料理は最高だった、あぁ。そういえばいつか送ってくれたチキンがそれとそっくりだったのだが、あれはどこのものだい?」

ハニー「……さぁ?」

シリウス「?どうしたね、小さく拳を握って」

ハニー「なんでもないわ。なんでもね」

382: 2013/03/27(水) 17:11:40.37 ID:5dL8Y7xC0
シリウス「……この家の人間は、君の家の者とは大違いだった。ジェームズがいつか、ここに乗り込んで来たとき言い放ったものだよ」

シリウス「『僕の素晴らしい母さんが、こんな陰気さ満載のクソッタレで育ったなんて!まさに奇跡だね!』と」

ハニー「……パパらしいわ」

シリウス「まったくだ。この家の者は、少なくとも私の家族達は全員、ブラック家が事実上の王族だと信じきっていた……純血を守り、誇り高く、とね。愚かな弟は、軟弱にもそれを頭から信じ込んでそだった……ここ、私の焼け焦げの横だ」

ハニー「……レギュラス・ブラック」

シリウス「私よりも、良い息子だった。それはそうだろう、聞きわけがよかったからな。だが私がホグワーツに行くまでは、あそこまで……いや、やめよう。もう終わったことだ。こいつはいない」

ハニー「十五年前に、亡くなったのね……ご病気?それとも、ヴォルデモートの……」

シリウス「あぁ、傘下に加わりそこで殺された。任務の途中、怖気づいたそうでね」

ハニー「……。……!? お、弟さん、は、氏喰い人、だったというの!?」

シリウス「あー、ハニー。ここまで来れば、この家がどういう思想の持ち主で埋め尽くされていたかわかるだろう?うん?マグルの排除、純血の支配。わたしの両親はヴォルデモートの傘下に入るほどではなかったが、愚かしいことにこの考え方に大いに賛同していた。だからレギュが氏喰い人になったときは、まるで小さな英雄よと褒め称えていたよ」

ハニー「でも、弟さんは……怖気づいた?裏切ろうとしたの?」

シリウス「どうもそうらしい。ある程度まで入り込んだとき、ヴォルデモートのやろうとしていることが、あいつの本性が分かってきたのだろう。マグルの排除、それが魔法使い側からの一方的な虐殺であることに」

ハニー「……」

シリウス「奴に一度仕えたら、おいそれと辞める事はできない。最後まで付き従うか、奴の手で最期を迎えるか、それだけだ。辞表をだせば、返事はお辞儀と緑の閃光だっただろう。俗に言うお辞儀草だな」

ハニー「絶対違うわ」

386: 2013/03/27(水) 17:27:31.97 ID:5dL8Y7xC0
シリウス「……もう何年もこれを見ていなかった。見たくもなかったがね。ここを見てごらん」

ハニー「フィニアス・ナイジェラス?」

シリウス「ホグワーツの校長を務めた人だ。スリザリン出身最後の校長だったはずだ」

ハニー「凄い人だったのね」

シリウス「あぁ、凄まじく人望がなかったことで有名だ。偏屈で、生徒を塵を見る目で見ていたとかなんとか」

ハニー「どうなってるのホグワーツの人選」

シリウス「アラミンタ・メリフリア。マグル狩りを合法化する法案を強行可決しようとした魔女だ。母の従姉だがね、負けず劣らず狂っていたよ」

ハニー「……こっちの、エラドーラという人は?」

シリウス「廊下に並んでいた屋敷しもべ妖精の生首を見たね?年老いてお茶の盆を運べなくなったら即座に首を撥ねてあそこに並べさせるというすばらしい伝統を考えついたのはこいつだ」

ハニー「……出るわ出るわ、という感じね。どの人も」

シリウス「あぁ。みんな、みんな、頭がおかしかったよ。少しでもまともな魔法使いが出るとほとんどが勘当だ……アンドロメダも、結婚するまではここに名前があった。反抗することなく、だが器用に立ち回れる人だったからね。私も何度も助けてもらった」

ハニー「……焼け焦げているわ。そうね、トンクスのお父さんは、マグル生まれだって」

シリウス「あぁ、気の良い人だがね。ドロメダのほかの姉妹は素晴らしい(笑)純血結婚をしたからここに残っているよ。あぁ、見るだけで吐き気がする。そんな奴らだ」

ハニー「……ナルシッサ・ブラック。相手は……ルシウス・マルフォイ!?」

シリウス「あぁ、私が母に唯一感謝するとしたら、マルフォイ家の血が入っていなかったこと、それだけだね。そうでなければ今頃この屋敷はそこかしこでフォイフォイと……いや、何故か最近聞こえたな。なんだったか、あれは。まぁいい、そういうことだ。純血はほとんどが親戚関係、さっきもそう言っただろう?」

ハニー「……それに、こっちの方にあるのは。  レストレンジ」

シリウス「ベラトリクス、あぁ。あのアバズレだ」

ハニー「……不真面目なね」

シリウス「? あぁ、まぁ、そうとも言うが、うん?」

ハニー「……驚いたわ」

シリウス「幻滅したかね。無理も無い、だが、ハニー。分かっていて欲しいのは、私はここに名前のある人間を一度でも家族だなんて……」

ハニー「分かってる、それは分かってるの。驚いた、って言ったのは……そんなに、嫌な場所なのに。自分が苦しんだ場所なのに……あなたがここに、自ら戻ってきたってこと。それなの、シリウス」

シリウス「……あぁ、できれば私も、二度とここに来たくはなかったのだがね」

389: 2013/03/27(水) 17:43:53.74 ID:5dL8Y7xC0
シリウス「ここにまた、閉じ込められるとは思っていなかった」

ハニー「……」

シリウス「私は自由になったはずだった。君のお父さんに引っ張られ、この家とはおさらばしたはずだった。ずっとずっと前に」

シリウス「『君は鎖につながれた犬か何かか、シリウス・ブラック』そう言われ、飛び出したはずだったんだ」

シリウス「私は、あの頃のままなのかもしれないな。何かに囚われている、そう思っていたが。この家こそが、私の首輪でありリードであり、檻で――」

ハニー「……」

シリウス「――ハニー」

シリウス「……君が私に抱きつくと、鼻のあたりがくすぐったくてたまらないのだが」

ハニー「……今度は、私が」

シリウス「うん?」

ハニー「今度は、わたしが!パパの代わりに、シリウスを!連れ出してみせる、ん、だから!」

シリウス「……ッハハ。ありがとう、ハニー。そうだな、君と歩くならどんな姿でも悪くない。犬のままでも、なんだってね」

ハニー「っ、いやよ! あなたの、ままで!そのままで、歩くんだから!絶対、絶対に!」

シリウス「……君は優しいな。あぁ、そんな君に私も答えたい。どうだろう、裁判の日は、変身して君に伴えないかダンブルドアに直訴しようと思うのだが」

ハニー「……」

ギュッ

シリウス「……思い出させてしまったな。すまない。だが、大丈夫だ。法律は君に味方する。絶対に無罪放免だ、約束するよ」

ハニー「うん、みんながそのために頑張ってくれてるって、分かってる……でもね、シリウス。もしも、もしもの話なのだけれど」

シリウス「なんだい?」

ハニー「わたしがもし、裁判に負けて……退学になってしまったら。ここで、あなたと暮らしていい?あなたを連れ出す、っていう約束とは、全く反対に、なっちゃうのだけれど」

シリウス「……あぁ、そんな救われ方も、悪くない。考えてみよう……だが、ハニー。弱気になってはいけないよ、そうだろう?」

ハニー「……うん。私、だもの。パパと、ママの」

シリウス「あぁ、そうだ。胸を張って行きなさい。君用の歯ブラシとマグカップを用意して、待っているよ」




ハーマイオニー「……敗訴を望んじゃっているじゃないの!!!!」バターーーーン!!!

ロン「マーリンの髭!!!!」

ハニー「!?!?」

シリウス「おやおや、聞き耳とは感心しないね。君も一緒かいムーニー、珍し、くはないか」

リーマス「うるさいよこの天然ジゴロ。えさは抜きだね」

391: 2013/03/27(水) 17:45:24.50 ID:5dL8Y7xC0
今日は用事あるさかいこの辺で
明日の朝10時頃から再開。一日中やって裁判・夏休みを続ける
じゃあの

392: 2013/03/27(水) 17:46:10.10 ID:MDnj1N190


リーマス理不尽ww

393: 2013/03/27(水) 17:51:15.22 ID:7EChOVqy0
おいたんには生きててほしい

399: 2013/03/27(水) 18:40:01.17 ID:aXP5MrPI0

引用元: ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」