1: 2016/08/16(火) 22:51:05.022 ID:53gOJb990.net
ゆん「しっ、声が大きいで」

青葉「すいません、でもなんでそんな話に」

はじめ「八神さんにタメグチだし、勤務も結構長いらしいから」

ゆん「でもそんな歳には見えへんけどな~」

青葉「じゃあ本人に直接聞きましょうよ」

はじめ「えっ」

青葉「ひふみせんぱーい!」

3: 2016/08/16(火) 22:53:45.275 ID:53gOJb990.net
ひふみ「?」

青葉「ひふみ先輩ってアラサ……」

ゆん「うわあああー!」

はじめ「青葉バカ!バカ青葉!」

青葉「む、むぐぐ」

ひふみ「え、なに」

ゆん「い、いやなんでもないですよ?」

はじめ「そうそう」

青葉「むぐう」

4: 2016/08/16(火) 22:58:04.374 ID:53gOJb990.net
青葉「ぷはあ!なにするんですかあ」

ゆん「それはこっちのセリフやアホー」

はじめ「本人に聞く奴があるかっ」

青葉「何でダメなんですか!先輩たち言ってたじゃないですか」

青葉「分からないことがあればすぐに質問しろって」

ゆん「そういう意味とちゃうわ」

青葉「でも私ほんとに気になるんです!ひふみ先輩の歳が!」

青葉「このままじゃ仕事も手に着きません」

はじめ「まあ確かにハッキリしないとスッキリしないな」

5: 2016/08/16(火) 23:02:11.104 ID:53gOJb990.net
ゆん「ひふみ先輩、勤務年数もうちらよりずっと長いよなあ」

はじめ「私らが入ったときには既にベテランって感じだったよな」

ゆん「お給料も結構ええみたいやし」

はじめ「マンションも高そうなとこなんでしょ」

青葉「一人暮らしなんですかね」

ゆん「実家ではないやろ」

青葉「じゃなくて結婚してるとか」

ゆん「それは……聞いたことはないけど」

はじめ「いやいや、もしかしたらありえるかもよ」

8: 2016/08/16(火) 23:07:29.253 ID:53gOJb990.net
ゆん「結婚してるけどうちらには秘密にしてんのん?」

はじめ「秘密主義っぽいし可能性としては」

ゆん「それやったら結婚よりは同棲の方が可能性あるやろ」

はじめ「うーん……彼氏かぁ」

ゆん「あんだけ美人なんやし男おらん方が不自然やで。同棲や同棲」

はじめ「でもあそこまで人見知り激しかったら恋愛とかできないんじゃない」

ゆん「じゃあ結婚もできひんやんか」

はじめ「結婚はほら。お見合いがあるじゃん」

ゆん「あー」

はじめ「しっくりくるでしょ」

ゆん「しっくりくるー」

10: 2016/08/16(火) 23:12:28.417 ID:53gOJb990.net
はじめ「ていうかそもそも恋愛経験なさそうじゃない?」

ゆん「それ言っちゃう?」

はじめ「だって想像できないでしょ」

ゆん「いやいや、あんな美人を男がほっとくわけあらへんやんか」

はじめ「でも男からアタックされても断りそうじゃない?」

ゆん「どう見ても押しに弱いタイプやんか。グイグイ来られたら流されてそのまま」

はじめ「付き合っちゃう?」

ゆん「そんでダメ男に引っかかる」

はじめ「あーしっくりくるー」

11: 2016/08/16(火) 23:17:22.973 ID:53gOJb990.net
ゆん「はっ……わかったで」

はじめ「なんや、どした」

ゆん「ひふみ先輩は、ダメ男に引っかかってしまって」

ゆん「ひふみ先輩の収入に寄生するヒモ状態の彼氏から」

ゆん「次第にDVとかされるようになって」

ゆん「それが心の傷となって孤独を好むようになったんや……」

はじめ「何その突飛な推理」

ゆん「でもアリやろ? しっくりくるやろ?」

はじめ「しっくりこなくもないけど……あれ?」

ゆん「何?」

はじめ「青葉は?」

ゆん「ゲッ」

12: 2016/08/16(火) 23:22:43.512 ID:53gOJb990.net
青葉「ひふみせんぱーい!」

ひふみ「何……」

青葉「ひふみ先輩の元カレってDVしてたんですかー!?」

ゆん「ウオッシャラアアアアアアアイ!!!」

はじめ「青葉ァァァ!」

青葉「グエッ」

ゆん「本人に聞くなっつったやろボケー!」

青葉「気になるんですー!」

ひふみ「どうしたのさっきから」

ゆん「あ、気にせんとってください!マジで!」

はじめ「そうそう、元カレとかDVの話とかしてないんで!」

ゆん「こらっ」

青葉「そもそもDVってなんなんですかあ」

ゆん「そっからかいな」

ひふみ「ドメスティック・バイオレンス(英: domestic violence、以下略称:DVと記述)とは、同居関係にある配偶者や内縁関係の間で起こる家庭内暴力のことである。
近年ではDVの概念は婚姻の有無を問わず、元夫婦や恋人など近親者間に起こる暴力全般を指す場合もある。」

はじめ「なんでここだけ饒舌なんだ」

14: 2016/08/16(火) 23:31:37.863 ID:53gOJb990.net
ゆん「はあ……どうなることかと思ったけどなんとかごまかせたな」

はじめ「まあね」

青葉「むぐぐー!」

はじめ「でも元カレとかDVっていう単語にも眉一つ動かさなかったところを見ると、ゆんの推理はハズレだな」

ゆん「よう観察してたな。うちそんな余裕なかったわ」

はじめ「というかそもそも元カレとかどうでもいいんだ、問題はひふみ先輩がアラサーかどうかなんだから」

ゆん「年齢を判断できる材料がなさすぎるわ」

はじめ「収入は?」

ゆん「いくらもろてはるか、詳しい額は知りようがあらへんしな」

はじめ「でもやっぱ結構な額でしょ。いいもん身につけてるもん。時計とか」

ゆん「よう見てるなほんまに」

はじめ「マンションの家賃だって安くはないだろーし」

ゆん「賃貸とちごて分譲やったりして」

はじめ「しっくりくるー」

ゆん「無理に使わんでええでそれ」

19: 2016/08/16(火) 23:39:03.439 ID:53gOJb990.net
ゆん「また彼氏の話に戻るけど、そんだけお金あったら、恋愛とか結婚とかにも興味湧かへんのやろな」

はじめ「一人で生きていけるから?」

ゆん「そうそう、一人が好きな性格ならなおさら」

はじめ「将来の不安とかなさそうだなあ。人生安泰って感じ」

ゆん「でもまあ、あれやろなあ、やっぱり男は寄ってくるやろな」

はじめ「金目当てで? 情けない男だなあ」

ゆん「金と、顔と、乳目当てでな」

はじめ「乳っておいおい」

ゆん「歳より収入より、むしろそっちが気になるわ」

青葉「私も気になります!」

はじめ「あっ、よかった。青葉ちゃんといた」

ゆん「うちがしっかり捕まえとるからな」

22: 2016/08/16(火) 23:46:13.741 ID:53gOJb990.net
青葉「ひふみ先輩、なんでも持ってて羨ましいですねえ」

青葉「ルックス、スタイル、お金、キャリア……私じゃ逆立ちしてもかないませんよ」

ゆん「せやな、その気持ちはうちにもよう分かるで」

ゆん「でもな、青葉ちゃんにもひふみ先輩に負けてへんとこが一つだけある」

ゆん「それは若さや。青葉ちゃんはまだ十八歳。可能性の塊や」

ゆん「青葉ちゃんも、ひふみ先輩くらいの歳まで頑張って経験を積んだら」

ゆん「ひふみ先輩に負けへんくらいの立派な大人になれてるはずやで」

ゆん「若いって言うんは、それだけ価値のあることなんや」

ゆん「そのことを忘れんと、しっかり頑張るんやで」

はじめ「ゆんにしてはいいこと言うじゃん、なあ青葉……青葉!? いない!」

ゆん「あっ、話に夢中で手ェ離してしもてた!」

はじめ「青葉ァァァ!」

24: 2016/08/16(火) 23:51:10.146 ID:53gOJb990.net
青葉「ひふみせんぱーい!」

青葉「ひふみ先輩ってブラのサイズどれくらいなんですか!?」

青葉「ひふみ先輩って年収いくらなんですか!?」

青葉「マンションの家賃いくらなんですか!?」

青葉「ひふみ先輩って恋愛経験あるんですか!?」

青葉「ひふみ先輩って歳いくつなんですか!?」

ひふみ「え、えええ……!?」

はじめ「青葉ーっ! バカーッ!」

ゆん「関西弁キック!」

青葉「ぞいぃ!」

ひふみ「い、いったいなんなの……」

ゆん「すんませんこのアホが」


八神「おい、さっきから騒がしいぞ」

はじめ「あっ八神さんっ」

25: 2016/08/16(火) 23:56:51.816 ID:53gOJb990.net
八神「いま仕事中だよ?」

ゆん「そ、それはわかってますけど」

ひふみ「ゆんちゃんたちが……」

はじめ「私らじゃなくて青葉が」

青葉「いや、私はどうしても気になることがあって……」

八神「それは知ってる。全部こっちまで筒抜けだったからね」

八神「確かに分からないことがあったんじゃあ、仕事にも集中できないよな」

八神「よし、じゃあひふみの代わりに私がひふみのことを教えてあげよう」

ひふみ「えっ」

八神「耳の穴かっぽじってよく聞けよ」

八神「まずひふみの下着のサイズは(ピー)だ!」

青葉「おおっ!」

ひふみ「!?」

26: 2016/08/17(水) 00:04:48.620 ID:mGmw4sEZ0.net
八神「歳は今年で(ピー)歳、青葉の(ピー)上だな」

八神「年収は手取りで大体(ピー)万円、前回の賞与は(ピー)万円」

八神「マンションの家賃は月々(ピー)万円だ」

八神「収入に対して家賃が高くて、実はひふみ自身も家賃の出費を苦しいと思っているんだけど」

八神「二年半前に付き合ってたろくでなしの彼氏が暴力を振るうようになって、悩んだ末に別れたんだ」

八神「そしたら今度はその男がストーカー化して、その男から逃げるために、今のセキュリティーがしっかりしたマンションに越してきたってわけ」

八神「彼氏とはうまく縁を切ったんだけど、ひふみは心のどこかでその彼氏をまだ気にかけていて、飼ってるハリネズミにそいつの名前を付けて可愛がってる」

八神「以上だ、これでもうスッキリしただろ。早く仕事に戻りなよ」

青葉「はい、さっすが八神さん! よくわかりました!」

ひふみ「……」

はじめ・ゆん「なんかすいません」

ひふみ「あっ氏にたい」


    お   わ    り

引用元: 青葉「えっ、ひふみ先輩ってアラサーなんですか?」